JP3404840B2 - 能動騒音制御方法及び該方法を実施する装置 - Google Patents

能動騒音制御方法及び該方法を実施する装置

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JP3404840B2
JP3404840B2 JP31756393A JP31756393A JP3404840B2 JP 3404840 B2 JP3404840 B2 JP 3404840B2 JP 31756393 A JP31756393 A JP 31756393A JP 31756393 A JP31756393 A JP 31756393A JP 3404840 B2 JP3404840 B2 JP 3404840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は能動騒音制御方法及び該
方法を実施する装置に係り、例えば自動車室内の騒音低
減やエアコン等の機器から発生する騒音を低減する能動
騒音制御に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車室内の騒音やエアコン等の機器か
ら発生する騒音を低減する方法は、車体構造の変更や吸
音材あるいは遮音材による、いわゆる消極的(パッシ
ブ)な方法が一般的である。これに対して、最近は、騒
音源の音波と逆位相で同振幅の2次音波(付加音波)を
人工的に作り出し、波の干渉を利用して騒音を能動的
(アクテイブ)に低減する能動騒音制御技術が注目され
ている。
【0003】この能動騒音制御の基本的なアイデアの提
案は古く、以来、多くの研究者によって研究され、最近
ではデジタル信号処理技術の発達に伴って実際の製品に
採用できるようになってきた。
【0004】能動騒音制御による騒音制御方法として
は、LMS( Least Mean Square:最小自乗平均法)ア
ルゴリズム(公表特許公報 平1-501344 号参照)によ
るものがある。このLMSアルゴリズムは汎用性に富む
ことから、最近の能動騒音制御に関する研究例は、ほと
んどがこのアルゴリズムを採用している。
【0005】以下、このLMSアルゴリズムを使用して
構成する例で説明するので、このアルゴリズムによる従
来の能動騒音制御を説明をする。
【0006】LMSアルゴリズムによる騒音制御では、
騒音低減動作に入る前に、先ず、付加音源であるスピー
カの入力信号と騒音を低減したい位置に設置した消音エ
ラーセンサであるエラーマイクロフォンの出力信号との
間の伝達関数の値を推定して保持する。この伝達関数
は、装置設計段階において計算値や実験値に基づいて推
定して与えられ、あるいは組立時の調整作業で与えられ
る場合もある。そして、騒音低減動作中は、騒音源の情
報に応じた基準信号を生成し、該基準信号を適応ディジ
タルフィルタを通して前記スピーカに与えて付加音波を
発生するが、該基準信号と先に推定した伝達関数の推定
値との畳み込み値を仮想入力信号として該仮想入力信号
とエラーマイクロフォンの出力信号とを用いてLMSア
ルゴリズムによりエラーマイクロフォンの出力信号の自
乗値が最小になるように前記適応デジタルフィルタの係
数を逐次更新していくことにより、エラーマイクロフォ
ンの位置での騒音レベルを低減する。伝達関数推定手段
及び適応デジタルフィルタにはそれぞれ有限パルス応答
特性(FIR)形ディジタルフィルタが用いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような能動騒音制
御装置では、スピーカの入力信号とエラーマイクロフォ
ンの出力信号の間の伝達関数に着目してみると、伝達関
数は騒音低減動作開始前に、予め、推定値として求めて
与えられており、騒音低減動作中にはこの推定値を固定
的に用いた制御処理が行われるので、騒音低減動作中に
環境の変化が生じた場合、例えば温度変化が生じた場合
には、先に求めた伝達関数の推定値と騒音低減動作時の
実際の伝達関数の値、即ち真値との間にずれが生じる。
このずれが少ない場合は適応アルゴリズムによる適応デ
ジタルフィルタの係数の更新でこのずれを補うことがで
きるが、ずれが大きくなると適応アルゴリズムの負担が
大きくなるために係数の更新では補いきれず、騒音低減
効果が低下し、延いては発散してしまう。
【0008】また、騒音源の情報に対応する基準信号と
スピーカの入力信号とエラーマイクロフォン出力信号の
間の伝達関数の推定値との畳み込み演算の際に、伝達関
数の推定値のタップ数をすべて用いた演算を実行すると
エラーマイクロフォンやスピーカの数が増加した場合に
はその演算量が大幅に増え、適応性が悪化して騒音低減
効果が低下する。
【0009】本発明は、このような点に着目して改善し
た環境への適応性の高い制御方法及び装置を提案するも
のであり、具体的な1つの目的は、騒音低減動作中に起
る環境の変化による騒音低減効果の低下や発散を防止で
きる制御方法及び装置を提供することにある。
【0010】また、他の目的は、必要な騒音低減効果を
維持しつつ信号処理のための演算量を低減することが可
能な制御方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、騒音源から発
生する音波と干渉して騒音を低減する付加音波の発生を
制御するための演算処理に用いる伝達関数の推定値を騒
音低減動作中に変化させ、環境の変化によって騒音低減
効果が低下するのを防止することを特徴とする。
【0012】具体的には、伝達関数の推定値と真値との
間にずれが生じた場合には伝達関数の推定値を変化させ
る。この変化は、推定値の修正あるいは予め用意した複
数の値を所定の基準に従って選択的に使用することで実
現できる。
【0013】また、伝達関数の推定値の振幅に対してし
きい値を設け、このしきい値を越えるタップ数のみを有
効とする演算処理を行って付加音波の発生を制御する。
そして、騒音低減効果が低下したときにはしきい値を小
さくして制御に使用する有効なタップ数を増加させる。
【0014】
【作用】予め推定して設定した伝達関数の推定値はその
後の環境の変化に応じて修正され、あるいは使い分けら
れるので、環境の変化によって騒音低減効果が低下する
のを防止できる。
【0015】
【実施例】
第1の実施例 図1は、本発明になる能動騒音制御装置の全体構成を示
すブロック図である。同図に示した能動騒音制御装置
は、騒音源1の振動情報を得る振動ピックアップや電流
センサ等の騒音源情報センサ2と、騒音を低減するため
に前記騒音源1から伝播する音波と同振幅で逆位相の音
波(付加音波)を発生する付加音源であるスピーカ3
と、騒音を低減したい位置に設置されて前記騒音源1か
らの音波及びスピーカ3からの付加音波を検出する消音
エラーセンサであるエラーマイクロフォン4と、該エラ
ーマイクロフォン4の位置での騒音を低減するするため
の前記スピーカ3からの付加音波の発生を適応制御によ
り制御するコントローラ5を備える。
【0016】このコントローラ5は、前記騒音源情報セ
ンサ2で得た騒音の情報である基準信号を適応ディジタ
ルフィルタで処理して前記スピーカ3に与えるものであ
り、予め推定した前記スピーカ3の入力信号とエラーマ
イクロフォン4の出力信号の間の伝達関数の推定値C^
と前記基準信号とを畳み込み演算して生成した仮想入力
とエラーマイクロフォン4の検出信号とを用いて適応ア
ルゴリズムにより前記検出信号の値(マイクロフォンに
作用する音圧)の自乗値が最小となるように、前記適応
デジタルフィルタの係数を更新する制御を行うことによ
り騒音を低減するように機能する。
【0017】コントローラ5は、この適応制御に必要な
スピーカ3の入力信号とエラーマイクロフォン4の出力
信号の間の伝達関数の推定値C^を得るために、抜粋し
て図2に示すように、ある雑音信号発生源51から入力
した騒音とは無関係の信号S1をA/D変換器52aで
M系列信号等のディジタル形態の基準信号S2とし、該
基準信号S2をD/A変換器53とパワーアンプ54を
介して前記スピーカ3に与えて付加音波を発生させる機
能手段と、エラーマイクロフォン4で受信した音波の音
圧に比例した検出信号S3をディジタル形態の検出信号
S4に変換するA/D変換器55と、前記基準信号S2
を畳み込み演算して演算結果を演算信号S5として出力
する適応ディジタルフィルタ59と、前記検出信号S4
と演算信号S5を減算処理して偏差信号S6を得る減算
器57と、前記偏差信号S6の自乗値が最小値となるよ
うに前記適応ディジタルフィルタ59の係数を更新する
ような制御処理を行い、その収束値を伝達関数の推定値
C^として設定する適応アルゴリズムをもつフィルタ係
数制御手段58等の機能手段を備える。
【0018】更に、騒音低減制御を行うために、抜粋し
て図3に示すように、騒音源1の騒音の情報として前記
騒音源情報センサ2から出力された検出信号S7を前記
A/D変換器52bで変換して基準信号S2bとし、前
記適応デジタルフィルタ56の係数を用いて該基準信号
S2bの畳み込み演算を行い、前記騒音源1からの音波
と逆位相で同振幅の付加音波を発生するためのスピーカ
制御信号S8を生成し、該スピーカ制御信号S8を前記
D/A変換器53でアナログ化し、前記パワーアンプ5
4により増幅して前記スピーカ3に与える制御機能手段
と、前記エラーマイクロフォン4で検出した前記騒音源
1及びスピーカ3からの音波の音圧に応じた検出信号S
3を前記A/D変換器55でA/D変換した検出信号S
4を入力し、前記基準信号S2bを伝達関数推定機能手
段59を通過させることにより伝達関数の推定値C^と
畳み込み演算した仮想入力信号S9を生成し、この仮想
入力信号S9と前記検出信号S4を用いて適応アルゴリ
ズムにより前記検出信号S4の自乗値が最小となるよう
に、常に適応デジタルフィルタ56の係数を更新するよ
うに前記フィルタ係数制御手段58を機能させる制御機
能手段を備える。
【0019】更にまた、前記フィルタ係数制御手段58
は、騒音低減動作中に環境の変化によって騒音低減効果
が低下しないように、予め推定して設定した伝達関数の
推定値C^を変化させる変更機能手段を備える。騒音低
減動作中に音波伝播空間の環境条件が変化すると伝達関
数の真値Cが変化するために、制御演算に使用する推定
値C^が実態から離反する。フィルタ係数制御手段58
は、前記したように、予め推定して得た伝達関数の推定
値C^を使用した騒音低減制御動作中に騒音低減効果を
監視し、その低減効果が判断基準値ρよりも低下すれば
推定値C^を更新する。
【0020】図4〜図9は、このような伝達関数の推定
値C^の設定,付加音波の発生及び伝達関数推定値C^
の変更のための制御処理フローチャートを示している。
例えば、図4の制御処理は、予め推定した推定値C^を
使用した演算処理による適応ディジタルフィルタ56の
係数更新によってスピーカ3から発生する付加音波を変
化させる騒音低減制御を行い、この騒音低減制御での騒
音低減効果が予め設定したしきい値ρを満足しなくなっ
たときには伝達関数の推定値C^を現状に合わせた値に
変更するものである。伝達関数の推定値C^の変更方法
は、予め予想して用意した複数の候補値から監視結果に
応じて選択したものを使用するようにすることで実現で
きる。
【0021】第2の実施例 この実施例は、騒音低減制御処理に使用する伝達関数の
推定値C^のタップ数を変化させる制御方法である。
【0022】この第2の実施例も第1の実施例と同様に
構成され、前述した手法で図10に示すような伝達関数
の推定値C^が求められる。その後、コントローラ5
は、騒音低減制御における信号処理では、演算に使用す
る伝達関数の推定値C^を、図11に示すように、予め
設定したしきい値εと比較して該しきい値以上のタップ
数に制限する(しきい値よりも小さい値は0として扱
う)選択処理を行い、この選択されたタップ数の推定値
を使用した信号処理によりエラーマイクロフォン4から
の検出信号S4の自乗値が最小になるように適応ディジ
タルフィルタ56の係数更新制御を実行する。
【0023】そして、環境の変化等によってこの係数更
新によって得られる騒音低減効果が判断基準値ρよりも
低下すると、しきい値εを小さい値に変更して制御処理
における演算に使用するタップ数を増加させる。
【0024】第3の実施例 第1及び第2の実施例においては、騒音低減動作中に使
用する伝達関数を変化させる際の判断材料及び基準とし
て騒音低減効果に関する情報を用いたが、これらの以外
の情報を判断材料及び基準とすることもできる。
【0025】図12は、能動騒音制御装置を実装した本
発明になる空調装置の全体構成を示している。この能動
騒音制御装置は、騒音源情報センサとして空調装置内に
設けられた騒音源である駆動電動機の負荷電流を検出す
る電流信号検出装置2a、送風通路6内に設けられて騒
音低減用の付加音波を発生するスピーカ3a,3b及び
エラーマイクロフォン4a,4b、コントローラ7及び
温度センサ8等を備える。
【0026】この実施例のコントローラ7は、電流信号
検出装置2aで得た騒音情報である基準信号を適応ディ
ジタルフィルタ76a,76bで処理して前記スピーカ
3a,3bに与えるものであり、予め推定した前記スピ
ーカ3a,3bとエラーマイクロフォン4a,4bの間
の伝達関数の推定値C^a1,C^a2及び推定値C^
b1,C^b2と前記基準信号とを畳み込み演算して生
成した仮想入力信号とエラーマイクロフォン4a,4b
での検出信号とを用いて適応アルゴリズムにより前記検
出信号の値(マイクロフォンに作用する音圧)の自乗値
が最小となるように、前記適応デジタルフィルタ76
a,76bの係数を常に更新する制御を行うことにより
騒音を低減するように機能する。
【0027】コントローラ7は、この適応制御に必要な
伝達関数の推定値C^a1,C^a2及び推定値C^b
1,C^b2を得るために、前記実施例と同様に、ある
雑音信号発生源からM系列信号等のディジタル形態の基
準信号S1を入力して各スピーカ3a,3bの間の伝達
関数の推定値C^a1〜C^b2を求める。この推定値
C^a1〜C^b2は環境温度を変えた複数通りの環境
条件で求め、この複数通りの推定値C^a1〜C^b2
を記憶媒体80に記憶させる。因に、例示した推定値C
^a1,C^b1は第1の環境温度で求めた値であり、
推定値C^a2,C^b2は第2の環境温度で求めた値
である。
【0028】そして、騒音低減制御を行うために、騒音
源の騒音情報として前記電流検出装置2aから出力され
た検出信号S7を前記A/D変換器72で変換して基準
信号S2とし、前記適応デジタルフィルタ76a,76
bの係数を用いて該基準信号S2の畳み込み演算を行
い、前記騒音源からの音波と逆位相で同振幅の付加音波
を発生するためのスピーカ制御信号S8a,S8bを生
成し、該スピーカ制御信号S8a,S8bをD/A変換
器73a,73bでアナログ化し、パワーアンプ74
a,74bにより増幅して前記スピーカ3a,3bに与
える制御機能手段と、前記エラーマイクロフォン4a,
4bで検出した騒音源及びスピーカ3a,3bからの音
波の音圧に応じた検出信号S3a,S3bをA/D変換
器75a1,75a2及びA/D変換器75b1,75
b2でA/D変換した検出信号S4a1,S4a2及び
検出信号S4b1,S4b2を入力し、前記基準信号S
2を伝達関数機能手段79a1(79a2),79b1
(79b2)を通過させることにより前記伝達関数の推
定値C^a1,C^b1(C^a2,C^b2)と畳み
込み演算した仮想入力信号S9a1(S9a2),S9
b1(S9b2)を生成し、この仮想入力信号S9a
1,S9b1(S9a2,S9b2)と前記検出信号S
4a1〜S4b2を用いて適応アルゴリズムにより該検
出信号S4a1〜S4b2の自乗値が最小となるよう
に、常に適応デジタルフィルタ76a,76bの係数を
更新するようにフィルタ係数制御手段78a,78bを
機能させる制御機能手段を備える。
【0029】更にまた、前記フィルタ係数制御手段78
a,78bは、騒音低減動作中に環境温度の変化に伴う
伝達関数の変化よって騒音低減効果が低下しないよう
に、予め推定して設定した伝達関数の推定値C^を選択
して使用する変更機能手段を備える。騒音低減動作中に
音波伝播空間の環境温度が変化すると伝達関数の真値C
が変化するために、制御演算に使用する推定値C^が実
態から離反する。フィルタ係数制御手段78a,78b
は、第1の環境温度条件で予め推定して得た伝達関数の
推定値C^a1,C^b1を記憶媒体80から選択的に
読み出して使用した騒音低減制御動作中に温度センサ8
の検出信号を参照して環境温度を監視し、環境温度が第
2の環境温度状態になれば制御演算に使用する伝達関数
の推定値C^a2,C^b2を記憶媒体80から読み出
して使用するように変更する。
【0030】この実施例は、2個のスピーカ3a,3b
とエラーマイクロフォン4a,4bを使用する場合であ
るが、本発明は、スピーカやエラーマイクロフォンの数
と組合せを任意に変更できる。
【0031】第4の実施例 前記した第1及び第3の実施例における伝達関数の更新
(変更)方法に関し、複数個のエラーマイクロフォンを
使用する場合の好ましい実施例を図12を参照して説明
する。
【0032】騒音を低減したい位置に設置した複数のエ
ラーマイクロフォン4a,4bに対して、騒音低減動作
中に環境等の変化が生じた場合は、先ず、エラーマイク
ロフォン4aの検出信号S3aの2乗値がある判断基準
を越えれば、スピーカの入力信号とエラーマイクロフォ
ンの出力信号の間の伝達関数の推定値C^を更新し、次
に、エラーマイクロフォン4bの検出信号S3bの自乗
値がある判断基準を越えれば前記伝達関数の推定値C^
を再び更新するというように、個々のエラーマイクロフ
ォンの検出信号の情報を独立の判断材料として順番に伝
達関数の推定値を変化させると良い。
【0033】本発明は、騒音を低減したい空間に騒音と
なる音波が伝搬してくるような系で、騒音低減動作中に
スピーカ入力とエラーマイクロフォン出力間の音響伝達
特性が変化するようなすべての対象物に適応できる。例
えば、室内空調装置や自動車内の騒音等である。
【0034】
【発明の効果】本発明は、騒音源から発生する音波と干
渉して騒音を低減する付加音波の発生を制御するための
演算処理に用いる伝達関数の推定値を騒音低減動作中に
変化させ、環境の変化によって騒音低減効果が低下する
のを防止するので、環境への適応性の高い制御を行うこ
とができる。
【0035】具体的には、騒音低減動作中に起る環境の
変化に伴う伝達関数の真値の変化による騒音低減効果の
低下や発散を防止でき、また、有効に作用する伝達関数
の推定値のみを使用することにより必要な騒音低減効果
を維持しつつ信号処理のための演算量を低減することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる能動騒音制御装置の全体構成を示
すブロック図である。
【図2】図1に示した能動騒音制御装置における伝達関
数推定時の機能手段を抜粋して示したブロック図であ
る。
【図3】図1に示した能動騒音制御装置における能動騒
音低減動作時の機能手段を抜粋して示したブロック図で
ある。
【図4】図1に示した能動騒音制御装置における制御処
理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した能動騒音制御装置における制御処
理の他の例を示すフローチャートである。
【図6】図1に示した能動騒音制御装置における制御処
理の他の例を示すフローチャートである。
【図7】図1に示した能動騒音制御装置における制御処
理の他の例を示すフローチャートである。
【図8】図1に示した能動騒音制御装置における制御処
理の他の例を示すフローチャートである。
【図9】図1に示した能動騒音制御装置における制御処
理の他の例を示すフローチャートである。
【図10】伝達関数の推定値の一例を示す特性図であ
る。
【図11】図1に示した能動騒音制御装置における制御
処理の他の例を示すフローチャートである。
【図12】本発明になる空調装置の全体構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1…騒音源、2…騒音源情報センサ、3…スピーカ、4
…エラーマイクロフォン、5…コントローラ、56…適
応ディジタルフィルタ、58…フィルタ係数制御手段、
59…伝達関数推定機能手段。
フロントページの続き (72)発明者 岩瀬 幸司 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 大木 克夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (56)参考文献 特開 平5−61476(JP,A) 特開 平5−11777(JP,A) 特開 平5−313673(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 B60R 11/02 H03H 17/02 601 H03H 21/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】到達する音波をエラー信号に変換する消音
    エラーセンサと、前記消音エラーセンサに到達する音波
    にこれと逆位相で同振幅の音波を付加する付加音源とを
    用い、前記付加音源の入力信号と前記消音エラーセンサ
    の出力信号の間の伝達関数の推定値を用いて騒音源の情
    報に対応する基準信号を処理して前記付加音源を制御
    し、前記消音エラーセンサに到達する音波を低減するよ
    うに付加音波を発生する能動騒音制御方法において、 騒音低減動作中に環境変化に応じて前記基準信号処理に
    使用する前記伝達関数の推定値を変化させることを特徴
    とする能動騒音制御方法。
  2. 【請求項2】到達する音波をエラー信号に変換する消音
    エラーセンサと、前記消音エラーセンサに到達する音波
    にこれと逆位相で同振幅の音波を付加する付加音源とを
    用い、前記付加音源の入力信号と前記消音エラーセンサ
    の出力信号の間の伝達関数の推定値を用いて騒音源の情
    報に対応する基準信号を処理して前記付加音源を制御
    し、前記消音エラーセンサに到達する音波を低減するよ
    うな付加音波を発生する能動騒音制御方法において、 騒音低減動作中に環境変化に応じて前記伝達関数の推定
    値を変化させることを特徴とする能動騒音制御方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記伝達関数の推定値
    を予め複数用意し、環境の変化に応じて選択的に使用し
    て前記基準信号の処理を行うことを特徴とする能動騒音
    制御方法。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3において、消音量
    を表す情報を環境変化の判断材料とすることを特徴とす
    る能動騒音制御方法。
  5. 【請求項5】請求項2または請求項3において、雰囲気
    の温度を表す情報を環境変化の判断材料とすることを特
    徴とする能動騒音制御方法。
  6. 【請求項6】複数の前記消音エラーセンサを用いる請求
    項2の能動騒音制御方法において、 個々の消音エラーセンサの出力信号と付加音源の入力信
    号の間の各伝達関数の推定値を環境変化に応じて順次変
    化させることを特徴とする能動騒音制御方法。
  7. 【請求項7】到達する音波をエラー信号に変換する消音
    エラーセンサと、前記消音エラーセンサに到達する音波
    にこれと逆位相で同振幅の音波を付加する付加音源とを
    用い、前記付加音源の入力信号と前記消音エラーセンサ
    の出力信号の間の伝達関数の推定値を用いて騒音源の情
    報に対応する基準信号を処理して前記付加音源を制御
    し、前記消音エラーセンサに到達する音波を低減するよ
    うな付加音波を発生する能動騒音制御方法において、 前記基準信号の処理は、しきい値に比べて大きい伝達関
    数の推定値のみを用いて行うことを特徴とする能動騒音
    制御方法。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記しきい値を騒音低
    減効果に応じて変化させることを特徴とする能動騒音制
    御方法。
  9. 【請求項9】到達する音波をエラー信号に変換する消音
    エラーセンサと、前記消音エラーセンサに到達する音波
    にこれと逆位相で同振幅の音波を付加する付加音源と、
    騒音源の情報を検出して基準信号を発生する騒音源情報
    センサと、前記付加音源の入力信号と前記消音エラーセ
    ンサの出力信号の間の伝達関数の推定値を用いて前記基
    準信号を処理して前記付加音源を制御し、前記消音エラ
    ーセンサに到達する音波を低減するような付加音波を発
    生させる制御手段とを備えた能動騒音制御装置におい
    て、 前記制御手段は、騒音低減動作中に環境変化に応じて前
    記基準信号処理に使用する前記伝達関数の推定値を変化
    させる伝達関数変更手段を有することを特徴とする能動
    騒音制御装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記制御手段は、更
    に、前記基準信号とフィルタ係数との畳み込み演算を行
    って出力信号を生成する適応ディジタルフィルタと、前
    記基準信号と前記伝達関数の推定値との畳み込み演算を
    行って仮想入力信号を生成し、該仮想入力信号と前記消
    音エラーセンサの出力信号を入力として該消音エラーセ
    ンサの出力信号の値の自乗値が最小となるように前記フ
    ィルタ係数を更新する係数更新手段とを有することを特
    徴とする能動騒音制御装置。
  11. 【請求項11】送風通路に設けられ到達する音波をエラ
    ー信号に変換する消音エラーセンサと、前記消音エラー
    センサに到達する音波にこれと逆位相で同振幅の音波を
    付加する付加音源と、騒音源の情報を検出して基準信号
    を発生する騒音源情報センサと、前記付加音源の入力信
    号と前記消音エラーセンサの出力信号の間の伝達関数の
    推定値を用いて前記基準信号を処理して前記付加音源を
    制御し、前記消音エラーセンサに到達する音波を低減す
    るような付加音波を発生させる制御手段とを有する能動
    騒音制御装置を備えた空調装置において、 前記制御手段は、騒音低減動作中に前記送風通路の環境
    変化に応じて前記基準信号処理に使用する前記伝達関数
    の推定値を変化させる伝達関数変更手段を有することを
    特徴とする空調装置。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記伝達関数変更
    手段は、前記送風通路の温度に応じて前記伝達関数の推
    定値を変化させることを特徴とする空調装置。
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