JP3402841B2 - 除湿機 - Google Patents

除湿機

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、室内に除湿した空気を
吐出し、室内環境を快適とする家庭用の小型な除湿機の
改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の除湿機は、例えば実公昭
58−50183号公報に示すように、本体内の下方部
に圧縮機と除湿水の収容タンクを設け、上方には前記圧
縮機と共に冷凍サイクルを構成する蒸発器、凝縮器およ
び送風機を一列に配し、送風機により空気吸込口から吸
込だ室内空気を蒸発器で冷却し水分を結露させ除湿した
後、凝縮器からの放熱で再加熱し、乾燥した除湿空気を
吹出口から室内に吹き出していた。 【0003】ここで、除湿機が低温環境下で運転された
場合、蒸発器の温度が摂氏0℃以下になるので、除湿さ
れ結露した水が蒸発器に氷結する。氷結が進み、蒸発器
の相当部分が氷で厚く覆われるようになると、蒸発器の
熱交換率を悪くし、除湿能力の低下となるので、このよ
うな場合には蒸発器の氷結を検知する温度センサーを用
いて、氷結が検知された時には、圧縮機の運転を一時停
止し、そしてその休止期間中に蒸発器に装備した除霜用
ヒータを通電させ除霜を行わせ、除霜を終了したら圧縮
機を再運転するようにON/OFF制御動作できるよう
にした除湿機も提案されている。 【0004】そして、この除霜機能を有し、前記温度セ
ンサーでON/OFF制御される除湿機において、従
来、温度センサーは蒸発器に直接に、例えば蒸発器を挿
通する冷媒管に直に取り付けていた。 【発明が解決しようとする課題】 【0005】しかし、このような温度センサーを蒸発器
に直接に取り付けた従来の取付方であると、低温環境時
などは、圧縮機が運転を開始した冷却当初のプルダウン
時には、冷凍サイクルの特性により蒸発器は急冷される
ため、温度センサーは氷結を検出せずに、蒸発器自体の
温度を検出してしまい、蒸発器に氷が形成されていない
のに、温度センサーはすぐに反応して圧縮機の運転を停
止させてしまう恐れがある。 【0006】このため、氷結を原因とする圧縮機の停止
制御をより確かなものとするために、従来ではマイコン
や霜取りタイマー等の制御装置を用い、温度センサーが
反応してから一定の運転時間を計数し、圧縮機の運転を
停止させるようにしている。 【0007】しかし、この場合は、圧縮機の停止制御に
部品コストの高いマイコンや霜取りタイマー等の電気部
品を利用するので、コスト高を招くと共に、内部の回路
配線や組立て構造が複雑となるというような問題があっ
た。 【0008】本発明は上述の問題に鑑みて成されたもの
で、従来のような電気的な制御部品を用いずとも、温度
センサーを適切な距離分だけ蒸発器から離すという工夫
した取付方で、圧縮機を除霜を必要とする程度に氷結し
た時点で停止し、除湿能力を最大に発揮できるように運
転制御を行える除湿機を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、圧縮機と送風
機が内蔵された本体ケースに室内空気の吸込口と吹出口
が形成され、前記送風機により吸込んだ室内空気を前記
吸込口と吹出口との間の風路中に順次配した蒸発器と凝
縮器を通過させ、蒸発器により冷却除湿し、凝縮器によ
り再加熱して除湿空気を室内に吹き出すと共に、前記蒸
発器に除湿水の氷結が生じた場合に、この氷結を検知し
て前記圧縮機の運転を一時停止する氷結検知センサーを
備えた除湿機において、前記氷結検知センサーを蒸発器
から離す距離を、この距離に見合った氷の成長時間だけ
遅れて停止する圧縮機の運転時間を最適となるように設
定させて、前記氷結検知センサーを蒸発器の冷媒管に取
付部材で取付保持したものである。 【0010】 【0011】 【作用】圧縮機と送風機が運転されると、除湿機に吸込
口から取り込まれた室内空気が、風路内の冷却されてい
る蒸発器に触れ、空気中の水分が結露して除湿される。
次いで除湿され冷たい空気は凝縮器と触れることでその
放熱を受けて加温され室内空気の温度に高められてを吹
出口から室内に吐出される。 【0012】ここで、低温の蒸発器には除湿した結露水
が着霜し、徐々に氷として成長して行く。この時、氷結
検知センサーは冷媒管から一定の距離を離して設けてい
るため、氷結検知センサーはこの間を氷が連絡するほど
に成長する時間が経った後に始めて氷の検知をして、圧
縮機の運転を停止する。従って、ある程度に氷が厚くな
って、蒸発器の熱交換能力が落ちそれ以上圧縮機を運転
しても無駄で能率が悪くなるという時点でタイミング良
く圧縮機を停止でき、効率の良い最適な運転時間で圧縮
機を運転制御できる。 【0013】 【0014】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 【0015】図1、および図2に示すように、本実施例
の除湿機は、本体機器上部が前ケース1と後ケース2と
が組み合されて成る本体ケース3により覆われる。その
前ケース1には、前面の上部に室内空気を吸い込む吸込
口4、右側下部に除湿水タンク5を出し入れするための
開口部が形成されている。そして、その前ケース1の上
面には、本体を駆動、停止するためのスイッチSWやそ
の運転状態を示す表示器LED等が配置された操作パネ
ル6が設けられている。また、その前ケース1の上面
は、前面上縁から本体ケース3上面の前後方向中央部に
向けて立ち上がる傾斜面を有すると共に、その中央位置
にはハンドルの一片7Aが形成されている。 【0016】前ケース1に組み合される後ケース2は、
その上面に除湿空気の吹出口8が形成される一方、前ケ
ース1同様に後面上縁から滑らかに立ち上がって本体ケ
ース3上面の前後方向中央部にかけて傾斜面を有すると
共に、その中央位置にハンドルの他片7Bが形成されて
いる。 【0017】また、前ケース1と後ケース2とで構成さ
れる本体ケース3の内部には、吸込口4と吹出口8とを
連絡するように形成した風路23中に蒸発器10、凝縮
器11、送風機モータ12、送風機13が順次配置され
る一方、下部には除湿水タンク5を避けて正面左側の位
置に圧縮機14が配置されている。 【0018】除湿機はこのような構成で、操作パネル6
上のスイッチSWをONすると運転が開始されて、圧縮
機14の駆動により冷媒が蒸発器10、凝縮器11を経
て圧縮機14に戻る冷媒循環経路が形成され、蒸発器1
0で熱の吸収動作、凝縮器11で熱の放出動作が行われ
る。同時に送風機モータ12の駆動により室内の湿った
空気は、図示矢印で示すように、吸込口4から本体内部
に取り込まれ、図示せぬエアーフィルターにより塵埃が
除去された後、蒸発器10を通過する際に冷却され除湿
される。除湿後の冷たい空気は凝縮器11で加熱されて
室内温度に温められた後、吹出口8より室内に戻され
る。また除湿した水は除湿水タンク5に樋部15を介し
て導かれ溜められる。 【0019】ところで、このような除湿機が低温環境下
で運転されるような場合には、除湿水が0℃以下の低い
温度にある蒸発器10に氷結し、蒸発器10の冷媒管1
6が氷で覆われると熱交換が悪くなり除湿能力が落ち
る。従ってこのような状態になった時に、氷付着による
低温変化を検出し、圧縮機14を停止するように制御す
る氷結検知センサー17が蒸発器10に設けられてい
る。また図示しないが、氷結検知センサー17により、
圧縮機14の停止と同時に通電して除霜をする除霜ヒー
タが蒸発器10に装着されている。 【0020】この氷結検知センサー17としては、サー
ミスタ等の温度による電気抵抗変化で温度検出をする温
度センサーや、一端に検温部を有し、内部に膨張係数の
大きいガスが封入され、このガスの検出温度による膨張
収縮を利用して、スイッチ動作を他端のベロー状の作動
部で行うようなガス式サーモスタット等がある。 【0021】さて、この氷結検知センサー17は、図3
に示すように、蒸発器10の冷媒管16に、取付部材1
8で冷媒管16とは一定の距離E(図5参照)を離し
て、取付固定している。取付部材18は、一端に冷媒管
16と略同径の取付孔19を、他端に氷結検知センサー
17のセンサー本体17aと略同径の取付孔20が夫々
形成された2枚の樹脂製あるいは金属製の腕木状の2枚
の支持片21、21から成るもので、この各支持片2
1、21を冷媒管16に挿通固定し、そしてこの支持片
21、21の他端に氷結検知センサー17のセンサー本
体17aを嵌め込み取付固定している。 【0022】ところで、氷結検知センサー17を蒸発器
10の冷媒管16から離して取り付けるこの距離Eは後
述するように、除湿機の除湿能力を最大に確保できる運
転時間で圧縮機14を運転できるような距離に設定して
いる。 【0023】このように氷結検知センサー17を冷媒管
16から離して設けると、冷媒管16に着氷しただけの
2点鎖線Sで示す如き薄い厚さの氷aでは検知動作せ
ず、従ってその時点では圧縮機14は停止しない。そし
て氷が段々に成長し厚くなって2点鎖線Lで示す如き厚
い氷bに成長し、氷結検知センサー17にくっつくよう
になると(氷結検知センサー17と氷と接触する面を図
5中でTで示す)、氷結検知センサー17は反応して検
知動作する。よってこの時点で、例えば圧縮機14の駆
動回路に介装した制御スイッチをオープンさせて圧縮機
14を停止させる。 【0024】こうして、氷が氷結検知センサー17に到
達するように成長する成長時間だけ遅延した後に圧縮機
14の停止制御をできる。すなわち、成長する氷をタイ
マーの代りとして利用することにしている。こうするこ
とで、従来のようにマイコンや霜取りタイマーを用いず
とも、蒸発器10に氷結が生じたら適切な時間に圧縮機
14を確実に停止制御できる。 【0025】ここで、氷結検知センサー17が蒸発器1
0の冷媒管16に余り近い位置で取り付けられると、例
えば2点鎖線Sで示す位置、あるいはそれより内側位置
であったりすると、冷媒管16に氷が少ししか付いてい
ない薄い厚さの状態でも氷結検知センサー17が作動し
てしまうので、圧縮機14が頻繁に停止してしまい、こ
のため圧縮機14の運転時間が短く、除湿している時間
も短いものとなるため、除湿能力の落ちた運転になって
しまう。 【0026】一方、氷結検知センサー17が蒸発器10
の冷媒管16からかなり離れた遠い位置で取り付けられ
ると、例えば2点鎖線Lで示す位置より更に外側の位置
であったりすると、冷媒管16全体を氷が相当の厚さで
覆うような状態になっても、氷はある一定の厚さに成長
するとそれ以上にはなかなか厚くならないので、氷先端
が氷結検知センサー17に当たらず氷結検知センサー1
7が作動しない。従って、圧縮機14は運転を停止せず
そのまま運転をし続ける。 【0027】しかし冷媒管16に氷が厚く付いているこ
のような状況では、蒸発器10による室内空気中の水分
を結露させるという熱交換能力の落ちた状態での運転を
続けていることとなって、効率が悪く無駄な運転とな
る。 【0028】従って、本発明では、上記のようなことを
考慮して、適切な距離Eで、氷結検知センサー17を蒸
発器10の冷媒管16に取付固定している。そして、理
想的にはこの距離Eは、冷媒管16に付いた氷が成長し
て、蒸発器10の熱交換能力が急に低下し除霜を必要と
するほどの厚さの氷になった時に氷結検知センサー17
は作動するように、その氷の厚さを目安として設定する
ようにすると良い。 【0029】このようにして設定した距離Eだけ、氷結
検知センサー17を冷媒管16から離して設けると、冷
媒管16に氷が付いた時点では圧縮機14は停止せず、
この時点から、氷がこの距離Eに相当する厚さに成長す
る成長時間分だけ遅れた後に停止し、圧縮機14を除霜
を必要とするぎりぎりの時点まで長く運転できるように
なるので、運転効率が良くなり、除湿機を最大の除湿能
力を確保できるように運転することができる。 【0030】またこの距離Eを変更すれば氷の成長時間
も変わり、氷結検知センサー17が氷結を検知する時間
を調整できることから、氷結検知センサー17と冷媒管
16との距離を適宜に設定することで、圧縮機14の運
転時間の調整をも自在に行うことができる。 【0031】このように、氷結検知センサー17を蒸発
器10から少し離れた適切な位置に取り付けることによ
り、確実に氷結自体の検出を可能とでき、また運転時間
の調節も簡単に行える簡易な氷結検知装置を得られる。 【0032】ところで、図6乃至図8は、氷結検知セン
サー17の取付方の他の実施例に係るものであり、この
実施例では、スイッチSW等を配設収納するように本体
ケースの上部裏側に形成しているスイッチケース25の
下面より、一体に支持部片26を蒸発器10と近い距離
で向い合うように垂下形成し、この支持部片26の下方
部に上下2つの把持片27、27を水平に張り出し形成
して、この把持片27、27で氷結検知センサー17の
センサー本体17aを把持して、蒸発器10の冷媒管1
6と近接した位置で保持固定している。 【0033】従ってこの場合には、冷媒管16と非接触
で、その熱伝達を受けない取付部材18Aに氷結検知セ
ンサー17を支持しているので、先の実施例のように氷
結検知センサー17が冷媒管16に取り付けた取付部材
18に支持されているため、氷結検知センサー17に冷
媒管16からの熱が取付部材18を介して伝わりやす
く、検知性能に影響が出やすいものに比べ、冷媒管16
からの熱的影響が少ないものとなり、氷検知を良好に行
えるものになる。 【0034】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、氷結検知
センサーを適切な距離だけ蒸発器から離す工夫した取付
方で、蒸発器に付着する氷が氷結検知センサーに付くま
で成長する時間を利用して、すなわち氷をタイマー代り
として使って、除霜を必要とする程度に氷結した時点で
圧縮機を確実に停止できるようにしたので、除湿能力を
最大に発揮できるような運転時間で圧縮機を運転停止制
御することができる。しかもこの制御が従来のようにマ
イコンやタイマー等の回路が複雑となる制御部品を用い
ずとも、簡単な部品で行うことができ、構造及びコスト
的にも有利となる。 【0035】また、氷結検知センサーは成長する氷で作
動するという確実な氷結検知となり、蒸発器自体の温度
で反応するような誤作動は生じないので、信頼性の高い
制御を行える。 【0036】更に、氷結結検知センサーと冷媒管の距離
により、氷結を検出する時間を調整できることから運転
時間の調整も可能となるため、除湿機の定格また使用条
件に合わせた最適な運転制御を行える除湿機の提供が容
易になるなどの効果が得られる。 【0037】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示す除湿機の外観斜視図で
ある。 【図2】図1に示した除湿機の要部を破断して示す側断
面図である。 【図3】図1に示した除湿機の運転制御を行うための氷
結検知センサーの取付構造を透視して示した除湿機の正
面図である。 【図4】図2におけるA部の拡大図である。 【図5】冷媒管との距離による氷検知の検知性能の良否
を説明するための氷結検知センサーの取付平面図であ
る。 【図6】本発明の他の実施例に係る除湿機の要部を破断
して示す側断面図である。 【図7】図6におけるB部の拡大図である。 【図8】図6に示した除湿機の運転制御を行うための氷
結検知センサーの取付構造を透視して示した除湿機の正
面図である。 【符号の説明】 4 吸込口 8 吹出口 10 蒸発器 11 凝縮器 13 送風機 14 圧縮機 16 冷媒管 17 氷結検知センサー 18、18A 取付部材 E 氷結検知センサーと冷媒管との取付距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F24F 1/02 401Z (56)参考文献 特開 平6−331167(JP,A) 特開 平6−321298(JP,A) 特開 平6−336291(JP,A) 特開 平1−189474(JP,A) 特開 平6−331168(JP,A) 特開 平7−301473(JP,A) 特開 平7−55206(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 1/00 F24F 1/02 F24F 5/00 102 F25D 21/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 圧縮機と送風機が内蔵された本体ケース
    に室内空気の吸込口と吹出口が形成され、前記送風機に
    より吸込んだ室内空気を前記吸込口と吹出口との間の風
    路中に順次配した蒸発器と凝縮器を通過させ、蒸発器に
    より冷却除湿し、凝縮器により再加熱して除湿空気を室
    内に吹き出すと共に、前記蒸発器に除湿水の氷結が生じ
    た場合に、この氷結を検知して前記圧縮機の運転を一時
    停止する氷結検知センサーを備えた除湿機において、 前記氷結検知センサーを蒸発器の冷媒管から離す距離
    を、この距離に見合った氷の成長時間だけ遅れて停止す
    る圧縮機の運転時間を最適となるように設定させて、
    端に前記冷媒管を支持し、前記一端から前記距離だけ離
    間させた他端に前記氷結検知センサーを支持する支持片
    を設け、該支持片によって前記氷結検知センサを前記冷
    媒管に取付保持したことを特徴とする除湿機。
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