JP3402639B2 - 車両の駆動装置 - Google Patents
車両の駆動装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの他にモ−タ
を利用して駆動を行なうようにした車両の駆動装置に関
するものである。
を利用して駆動を行なうようにした車両の駆動装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の車両においては、4輪駆動車が増
加する傾向にあるが、重量低減等のために、左右前輪と
左右後輪とのうちいずれか一方をエンジンにより駆動す
る主駆動輪とすると共に、他方の車輪をモ−タにより駆
動する補助駆動輪とするようにしたものがある。特開平
2−120136号公報には、駆動力の互いに異なる2
つのモ−タを用いて、変速機の変速段に応じて、作動さ
れるモ−タの種類や数を変更するもの、つまりモ−タに
よる補助駆動力を変更するものが提案されている。
加する傾向にあるが、重量低減等のために、左右前輪と
左右後輪とのうちいずれか一方をエンジンにより駆動す
る主駆動輪とすると共に、他方の車輪をモ−タにより駆
動する補助駆動輪とするようにしたものがある。特開平
2−120136号公報には、駆動力の互いに異なる2
つのモ−タを用いて、変速機の変速段に応じて、作動さ
れるモ−タの種類や数を変更するもの、つまりモ−タに
よる補助駆動力を変更するものが提案されている。
【0003】特開昭57−74222号公報には、左右
2つの油圧モ−タ(油圧シリンダ)に対する油圧供給の
分配が、左右の補助駆動輪に加わる路面負荷に応じて自
動的に行なわれるようにして、差動装置の機能を付加し
たものが提案されている。
2つの油圧モ−タ(油圧シリンダ)に対する油圧供給の
分配が、左右の補助駆動輪に加わる路面負荷に応じて自
動的に行なわれるようにして、差動装置の機能を付加し
たものが提案されている。
【0004】特開昭63−38031号公報には、左右
2つの電気モ−タを用いたもので、車速が大きくなるほ
ど発電電圧を大きくしてモ−タの発生トルクが一定とな
るようにすると共に、マニュアルスイッチによってモ−
タによる駆動実行と駆動停止とを切換選択し得るように
したものが提案されている。
2つの電気モ−タを用いたもので、車速が大きくなるほ
ど発電電圧を大きくしてモ−タの発生トルクが一定とな
るようにすると共に、マニュアルスイッチによってモ−
タによる駆動実行と駆動停止とを切換選択し得るように
したものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、駆動補助を
行なうモ−タを油圧式とした場合、このモ−タに対する
制御が良好に行なわれなくなる異常事態発生というもの
が考えらえる。このような異常事態の1つとして、例え
ばモ−タを長時間駆動し続けることにより、モ−タ駆動
用の作動媒体となる油液の温度が異常に上昇してしまう
ことが考えられる。すなわち、油液は、温度変化によっ
てその粘性等の特性がかなり変化するので、例えば同じ
圧力の油液を同じ量だけモ−タに供給したとしても、そ
のときに発生するモ−タ駆動力が変化する等の事態を生
じてしまうことになる。
行なうモ−タを油圧式とした場合、このモ−タに対する
制御が良好に行なわれなくなる異常事態発生というもの
が考えらえる。このような異常事態の1つとして、例え
ばモ−タを長時間駆動し続けることにより、モ−タ駆動
用の作動媒体となる油液の温度が異常に上昇してしまう
ことが考えられる。すなわち、油液は、温度変化によっ
てその粘性等の特性がかなり変化するので、例えば同じ
圧力の油液を同じ量だけモ−タに供給したとしても、そ
のときに発生するモ−タ駆動力が変化する等の事態を生
じてしまうことになる。
【0006】したがって、本発明の目的は、油液の温度
が異常に高くなったときのフェイル対策を備えた車両の
駆動装置を提供することを目的とする。
が異常に高くなったときのフェイル対策を備えた車両の
駆動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にあっては、基本的に次のような構成として
ある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記
載のように、左右前輪と左右後輪とのいずれか一方の車
輪が、変速機および差動装置を介してエンジンにより駆
動される主駆動輪とされ、他方の車輪が油圧式モ−タに
より駆動される補助駆動輪とされた車両において、前記
モ−タに車両の進行方向と同一方向の駆動力を発生させ
る正駆動の制御態様と、該正駆動の制御態様以外の該モ
ータに対する他の制御態様とを含むように設定されたモ
−タ制御手段と、前記モ−タ駆動用の作動媒体となる油
液の温度を検出する油温検出手段と、前記油温検出手段
で検出手段される温度に応じて、前記モ−タ制御手段に
よる制御に規制を与える規制手段と、を備え、前記規制
手段が、前記油温検出手段で検出される油温が第1温度
よりも高くかつ該第1温度よりも高く設定された第2温
度以下のときは、前記モ−タ制御手段によりとり得る複
数の制御態様のうち一部の制御態様のみを禁止し、上記
第2温度よりも高い温度のときは、全ての制御態様につ
いての制御を禁止する、ような構成としてある。
め、本発明にあっては、基本的に次のような構成として
ある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記
載のように、左右前輪と左右後輪とのいずれか一方の車
輪が、変速機および差動装置を介してエンジンにより駆
動される主駆動輪とされ、他方の車輪が油圧式モ−タに
より駆動される補助駆動輪とされた車両において、前記
モ−タに車両の進行方向と同一方向の駆動力を発生させ
る正駆動の制御態様と、該正駆動の制御態様以外の該モ
ータに対する他の制御態様とを含むように設定されたモ
−タ制御手段と、前記モ−タ駆動用の作動媒体となる油
液の温度を検出する油温検出手段と、前記油温検出手段
で検出手段される温度に応じて、前記モ−タ制御手段に
よる制御に規制を与える規制手段と、を備え、前記規制
手段が、前記油温検出手段で検出される油温が第1温度
よりも高くかつ該第1温度よりも高く設定された第2温
度以下のときは、前記モ−タ制御手段によりとり得る複
数の制御態様のうち一部の制御態様のみを禁止し、上記
第2温度よりも高い温度のときは、全ての制御態様につ
いての制御を禁止する、ような構成としてある。
【0008】上記構成を前提として、次のような構成を
合わせて採択することができる。前記モ−タ制御手段
が、前記他の制御態様として、前記モ−タに車両の進行
方向とは逆方向の駆動力を発生させる逆駆動の制御態様
と、前記モータが前記補助駆動輪により駆動されるポン
プとして機能されてアキュムレータに蓄圧を行わせる蓄
圧の制御態様とをとり得るように設定され、前記規制手
段が、前記第1温度よりも高くかつ前記第2温度よりも
低く設定された第3温度以下のときは前記逆駆動の制御
態様を禁止し、該第3温度よりも高く該第2温度以下の
ときは該逆駆動の制御態様の禁止に加えてさらに前記正
駆動の制御態様をも禁止し、前記第2温度よりも高いと
きは、前記正駆動の制御と逆駆動の制御と蓄圧の制御と
をそれぞれ禁止する、ようにすることができる(請求項
2対応)。
合わせて採択することができる。前記モ−タ制御手段
が、前記他の制御態様として、前記モ−タに車両の進行
方向とは逆方向の駆動力を発生させる逆駆動の制御態様
と、前記モータが前記補助駆動輪により駆動されるポン
プとして機能されてアキュムレータに蓄圧を行わせる蓄
圧の制御態様とをとり得るように設定され、前記規制手
段が、前記第1温度よりも高くかつ前記第2温度よりも
低く設定された第3温度以下のときは前記逆駆動の制御
態様を禁止し、該第3温度よりも高く該第2温度以下の
ときは該逆駆動の制御態様の禁止に加えてさらに前記正
駆動の制御態様をも禁止し、前記第2温度よりも高いと
きは、前記正駆動の制御と逆駆動の制御と蓄圧の制御と
をそれぞれ禁止する、ようにすることができる(請求項
2対応)。
【0009】前記第3温度よりも高く前記第2温度以下
のときに、前記規制手段による前記正駆動の制御態様の
禁止が、横Gが所定値よりも小さいことを条件として行
われる、ようにすることができる(請求項3対応)。
のときに、前記規制手段による前記正駆動の制御態様の
禁止が、横Gが所定値よりも小さいことを条件として行
われる、ようにすることができる(請求項3対応)。
【0010】前記モ−タ制御手段による制御が全て禁止
されるときに、前記モ−タに対する油圧の供給ラインの
圧力が強制的に解放される、ようにすることができる
(請求項4対応)。
されるときに、前記モ−タに対する油圧の供給ラインの
圧力が強制的に解放される、ようにすることができる
(請求項4対応)。
【0011】
【発明の効果】請求項1に記載したような構成とするこ
とにより、モ−タ制御の制御態様を油温に応じて優先付
けして、優先的な制御態様を継続して行なう機会を確保
しつつ、さらなる油温上昇を抑制する上で好ましいもの
となる。特に、油温が第1温度よりも高いが該第1温度
よりも高く設定された第2温度以下のときは、一部の制
御態様のみを禁止することにより、モータを利用した制
御を極力得るようにしつつ、油温の上昇を極力抑制する
上で好ましいものとなる。また、油温が該第2温度より
も高いときは全ての制御態様を禁止して、油温上昇に起
因したモータが異常制御されてしまう事態を防止するこ
とができ、また油温が上昇してしまう事態を極力少なく
あるいは無くして、正常なモータ制御に復帰する機会を
与えることが可能になる。
とにより、モ−タ制御の制御態様を油温に応じて優先付
けして、優先的な制御態様を継続して行なう機会を確保
しつつ、さらなる油温上昇を抑制する上で好ましいもの
となる。特に、油温が第1温度よりも高いが該第1温度
よりも高く設定された第2温度以下のときは、一部の制
御態様のみを禁止することにより、モータを利用した制
御を極力得るようにしつつ、油温の上昇を極力抑制する
上で好ましいものとなる。また、油温が該第2温度より
も高いときは全ての制御態様を禁止して、油温上昇に起
因したモータが異常制御されてしまう事態を防止するこ
とができ、また油温が上昇してしまう事態を極力少なく
あるいは無くして、正常なモータ制御に復帰する機会を
与えることが可能になる。
【0012】請求項2に記載したような構成とすること
により、一部の制御態様が禁止される温度領域を第3温
度をしきい値として低温領域と高温領域との2つの領域
に分けて、上記低温領域のときは油温上昇が激しくなる
モータの逆駆動制御を禁止してそれ以上油温が上昇して
しまう事態を極力抑制する上で好ましいものとなり、ま
た、上記高温領域のときは上記逆駆動の制御態様に加え
てさらに正駆動の制御態様をも禁止することにより、油
温のさらなる上昇を抑制する上で好ましいものとなる。
さらに、補助駆動輪によるモータ駆動を利用してアキュ
ムレータに蓄圧を行わせる蓄圧の制御を行えるようにし
つつ、油温上昇が極めて激しくなる第2温度よりも高い
ときはこの蓄圧の制御をも禁止して、油温上昇を防止す
る上で好ましいものとなる。
により、一部の制御態様が禁止される温度領域を第3温
度をしきい値として低温領域と高温領域との2つの領域
に分けて、上記低温領域のときは油温上昇が激しくなる
モータの逆駆動制御を禁止してそれ以上油温が上昇して
しまう事態を極力抑制する上で好ましいものとなり、ま
た、上記高温領域のときは上記逆駆動の制御態様に加え
てさらに正駆動の制御態様をも禁止することにより、油
温のさらなる上昇を抑制する上で好ましいものとなる。
さらに、補助駆動輪によるモータ駆動を利用してアキュ
ムレータに蓄圧を行わせる蓄圧の制御を行えるようにし
つつ、油温上昇が極めて激しくなる第2温度よりも高い
ときはこの蓄圧の制御をも禁止して、油温上昇を防止す
る上で好ましいものとなる。
【0013】請求項3に記載したような構成とすること
により、横Gが小さくて車両が安定していることを条件
として正駆動の制御態様を禁止するので、油温上昇抑制
と車両の安定性確保とを共に高い次元で満足させる上で
好ましいものとなる。
により、横Gが小さくて車両が安定していることを条件
として正駆動の制御態様を禁止するので、油温上昇抑制
と車両の安定性確保とを共に高い次元で満足させる上で
好ましいものとなる。
【0014】請求項4に記載したような構成とすること
により、油温が第2温度よりも高くなってしまったとき
は、油圧供給ラインの圧力を強制的に解放して、モ−タ
の異常作動を確実に防止する上で好ましいものとなる。
により、油温が第2温度よりも高くなってしまったとき
は、油圧供給ラインの圧力を強制的に解放して、モ−タ
の異常作動を確実に防止する上で好ましいものとなる。
【0015】
【実施例】油圧系統等の説明(図1)
図1において、1FLは左前輪、1FRは右前輪、1R
Lは左後輪、1RRは右後輪である。車体前方にはエン
ジン2が配置され、該エンジン2の駆動力つまり発生ト
ルクは、クラッチ3、前進5段、後進1段の手動変速機
4を介して、差動装置5へ伝達される。そして、差動装
置5からは、左駆動シャフト6Lを介して左前輪1FL
へエンジン駆動力が伝達され、右駆動シャフト6Rを介
して右前輪1FRへエンジン駆動力が伝達される。
Lは左後輪、1RRは右後輪である。車体前方にはエン
ジン2が配置され、該エンジン2の駆動力つまり発生ト
ルクは、クラッチ3、前進5段、後進1段の手動変速機
4を介して、差動装置5へ伝達される。そして、差動装
置5からは、左駆動シャフト6Lを介して左前輪1FL
へエンジン駆動力が伝達され、右駆動シャフト6Rを介
して右前輪1FRへエンジン駆動力が伝達される。
【0016】操舵輪となる左右前輪1FL、1FR同士
は、タイロッド等のステアリングリンク7によって連係
され、このステアリングリンク7とハンドル8とが、ラ
ックアンドピニオン機構9を介して連係されている。
は、タイロッド等のステアリングリンク7によって連係
され、このステアリングリンク7とハンドル8とが、ラ
ックアンドピニオン機構9を介して連係されている。
【0017】左右の後輪1RL、1RRは、エンジン2
とは別途独立して、左右一対の油圧式モ−タML、MR
によって駆動されるようになっている。すなわち、左後
輪1RLは、左駆動シャフト11Lを介して左モ−タM
Lにより駆動され、右後輪1RRは右駆動シャフト11
Rを介して右モ−タMRによって駆動されるようになっ
ている。このモ−タMLつまり左駆動シャフト11L
と、モ−タMRつまり右駆動シャフト11Rとは互いに
分断されていて、左右個々独立して駆動可能となってい
る。そして、左右の駆動シャフト11Lと11Rとは、
油圧式のクラッチ12によって断続可能とされている。
とは別途独立して、左右一対の油圧式モ−タML、MR
によって駆動されるようになっている。すなわち、左後
輪1RLは、左駆動シャフト11Lを介して左モ−タM
Lにより駆動され、右後輪1RRは右駆動シャフト11
Rを介して右モ−タMRによって駆動されるようになっ
ている。このモ−タMLつまり左駆動シャフト11L
と、モ−タMRつまり右駆動シャフト11Rとは互いに
分断されていて、左右個々独立して駆動可能となってい
る。そして、左右の駆動シャフト11Lと11Rとは、
油圧式のクラッチ12によって断続可能とされている。
【0018】モ−タML(MR)は、タ−ビン式(羽根
車式)とされて、第1接続口La(Ra)と第2接続口
Lb(Rb)とを有し、La(Ra)からLb(Rb)
へと高圧の油液が流れたときに前進方向の回転となり、
これとは逆方向に高圧の油液の流れのときは後退方向の
回転とされる。そして、モ−タMLとMRとは互いに同
一仕様とされて、その最大発生トルクの合計値は、エン
ジン2の最大発生トルクの1/3〜1/2程度とされて
いる。なお、実施例では、モ−タML、MRによる後輪
駆動は後述する所定条件下においてのみ実行されるもの
である。すなわち、エンジン2により左右前輪1FL、
1FRが駆動されているときでも、左右後輪1RL、1
RRはモ−タML、MRによって駆動されない場合もあ
る。
車式)とされて、第1接続口La(Ra)と第2接続口
Lb(Rb)とを有し、La(Ra)からLb(Rb)
へと高圧の油液が流れたときに前進方向の回転となり、
これとは逆方向に高圧の油液の流れのときは後退方向の
回転とされる。そして、モ−タMLとMRとは互いに同
一仕様とされて、その最大発生トルクの合計値は、エン
ジン2の最大発生トルクの1/3〜1/2程度とされて
いる。なお、実施例では、モ−タML、MRによる後輪
駆動は後述する所定条件下においてのみ実行されるもの
である。すなわち、エンジン2により左右前輪1FL、
1FRが駆動されているときでも、左右後輪1RL、1
RRはモ−タML、MRによって駆動されない場合もあ
る。
【0019】Pは油圧発生源としてのポンプで、このポ
ンプPは、容量可変型とされて、エンジン2の出力軸2
aによって、駆動プ−リ13、ベルト14、被動プ−リ
15を介して駆動される。リザ−バタンク16からポン
プPによって汲み上げられた高圧の油液は、チェック弁
17が接続された高圧ライン18へ吐出される。この高
圧ライン18からは、チェック弁10あるいは32が接
続された互いに並列な第1および第2の油圧供給ライン
31Aおよび31Bが導出されている。また、リザ−バ
タンク16からは、解放ライン23が導出されている。
さらに、モ−タML(MR)の各接続口La、Lb(R
a、Rb)からは、互いに並列なライン20L、21L
(20R、21R)が導出されている。
ンプPは、容量可変型とされて、エンジン2の出力軸2
aによって、駆動プ−リ13、ベルト14、被動プ−リ
15を介して駆動される。リザ−バタンク16からポン
プPによって汲み上げられた高圧の油液は、チェック弁
17が接続された高圧ライン18へ吐出される。この高
圧ライン18からは、チェック弁10あるいは32が接
続された互いに並列な第1および第2の油圧供給ライン
31Aおよび31Bが導出されている。また、リザ−バ
タンク16からは、解放ライン23が導出されている。
さらに、モ−タML(MR)の各接続口La、Lb(R
a、Rb)からは、互いに並列なライン20L、21L
(20R、21R)が導出されている。
【0020】左モ−タMLのライン20Lと21Lと
が、切換弁VVA、互いに並列なライン19、19Lと
ライン22、22Lおよび切換弁VVB・L、VVE・
Lを利用して、第1供給ライン31Aと解放ライン23
に対して選択的に接続可能とされている。同様に、右モ
−タMRのライン20Rと21Rとが、切換弁VVA、
互いに並列なライン19、19Rとライン22、22
R、および切換弁VVB・R、VVE・Rを利用して、
第1供給ライン31Aと解放ライン23に対して選択的
に接続可能とされている。
が、切換弁VVA、互いに並列なライン19、19Lと
ライン22、22Lおよび切換弁VVB・L、VVE・
Lを利用して、第1供給ライン31Aと解放ライン23
に対して選択的に接続可能とされている。同様に、右モ
−タMRのライン20Rと21Rとが、切換弁VVA、
互いに並列なライン19、19Rとライン22、22
R、および切換弁VVB・R、VVE・Rを利用して、
第1供給ライン31Aと解放ライン23に対して選択的
に接続可能とされている。
【0021】前記第2の共通供給ライン31Bには、前
記チェック弁32の下流側において切換弁VVIが、さ
らに下流側において分流弁34が接続されている。分流
弁VVIにより2本に分岐された一方の分岐供給ライン
33Lが、前記ライン19Lに連なり、他方の分岐供給
ライン33Rが前記ライン19Rに連なっている。
記チェック弁32の下流側において切換弁VVIが、さ
らに下流側において分流弁34が接続されている。分流
弁VVIにより2本に分岐された一方の分岐供給ライン
33Lが、前記ライン19Lに連なり、他方の分岐供給
ライン33Rが前記ライン19Rに連なっている。
【0022】高圧ライン18には、高圧の油圧を貯留し
ておくためのアキュムレ−タ41が接続されている。こ
の高圧ライン18に対しては、ライン20L(20R)
が、通路42L(42R)によって接続されている。こ
の通路42L(42R)には、チェック弁43L(43
R)、切換弁VVF・L(VVF・R)が接続されてい
る。通路43Lと43Rとは、互いに並列で、前述の各
弁VVA、VVB・L(VVB・R)、VVE・L(V
VE・R)、VVI、分流弁34等をバイパスしてい
る。
ておくためのアキュムレ−タ41が接続されている。こ
の高圧ライン18に対しては、ライン20L(20R)
が、通路42L(42R)によって接続されている。こ
の通路42L(42R)には、チェック弁43L(43
R)、切換弁VVF・L(VVF・R)が接続されてい
る。通路43Lと43Rとは、互いに並列で、前述の各
弁VVA、VVB・L(VVB・R)、VVE・L(V
VE・R)、VVI、分流弁34等をバイパスしてい
る。
【0023】前記ライン20L(20R)とライン21
L(21R)とが、連通路51L(51R)によって連
通され、この連通路51L(51R)には、可変オリフ
ィスVVC・L(VVC・R)が接続されている。
L(21R)とが、連通路51L(51R)によって連
通され、この連通路51L(51R)には、可変オリフ
ィスVVC・L(VVC・R)が接続されている。
【0024】前記クラッチ12断続用のアクチュエ−タ
が符号61によって示される。このアクチュエ−タ61
用の供給ライン62が高圧ライン18に対して、また排
出ライン63が解放ライン23に対して、切換弁VVJ
を利用して選択的に接続可能とされると共に、当該切換
弁VVJによって両ライン62と63とが共に遮断され
た状態をとり得るようになっている。
が符号61によって示される。このアクチュエ−タ61
用の供給ライン62が高圧ライン18に対して、また排
出ライン63が解放ライン23に対して、切換弁VVJ
を利用して選択的に接続可能とされると共に、当該切換
弁VVJによって両ライン62と63とが共に遮断され
た状態をとり得るようになっている。
【0025】左右の各モ−タMLとMR同士は、連通路
71によって接続されて、この連通路71には開閉弁V
VDが接続されている。前記解放ライン23は、高圧ラ
イン18に対して、チェック弁17よりも上流側(ポン
プP側)においてロ−ド・アンロ−ド弁VVHを介して
接続されると共に、チェック弁17よりも下流側におい
て安全弁VVGを介して接続されている。
71によって接続されて、この連通路71には開閉弁V
VDが接続されている。前記解放ライン23は、高圧ラ
イン18に対して、チェック弁17よりも上流側(ポン
プP側)においてロ−ド・アンロ−ド弁VVHを介して
接続されると共に、チェック弁17よりも下流側におい
て安全弁VVGを介して接続されている。
【0026】制御モ−ドの説明(表1)
本実施例においては、後述するように合計8種類の制御
モ−ドを有し、各モ−ドが実行されるときの前述した各
弁の作動状態をまとめて次の表1に示してある。この表
において、左右を識別する符号「L」と「R」の表示は
省略してある。なお、表1に示されないロ−ド・アンロ
−ド弁VVHは、高圧ライン18の圧力が下限値と上限
値との間での所定圧範囲となるように開閉制御されるも
のである。
モ−ドを有し、各モ−ドが実行されるときの前述した各
弁の作動状態をまとめて次の表1に示してある。この表
において、左右を識別する符号「L」と「R」の表示は
省略してある。なお、表1に示されないロ−ド・アンロ
−ド弁VVHは、高圧ライン18の圧力が下限値と上限
値との間での所定圧範囲となるように開閉制御されるも
のである。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示された各制御モ−ドにおいて、主
要な作用をはたす弁の作動状態を具体的に説明すると、
次の通りである。 (1)統合モ−ド 統合モ−ドは、後に詳述するように、左右後輪1RLと
1RRとが同一回転数となるようにモ−タML、MRの
駆動制御を行なうもので、正駆動(駆動補助)と逆駆動
(制動)との2種類ある。この統合モ−ドにおいては、
クラッチ12が締結され(切換弁VVJがライン62を
開きライン63を閉じた状態)、切換弁VVB・L(V
VB・R)、VVE・L(VVE・R)およびVVIの
作動態様は図1に示す状態とされる。この状態で、切換
弁VVAを制御して、正駆動あるいは逆駆動に応じた油
圧供給方向の切換(モ−タML、MRの正転、逆転の方
向設定)と、モ−タML、MRに対する供給流量が制御
される(第1供給ライン31Aを利用した油圧供給)。
なお、逆駆動においては、後述する油圧ロックモ−ドよ
りも大きい減速を得るものであるが、当然のことなが
ら、後輪1RL、1RRが車両の進行方向に対して逆方
向に回転するような大きな駆動力を与えるものではな
い。
要な作用をはたす弁の作動状態を具体的に説明すると、
次の通りである。 (1)統合モ−ド 統合モ−ドは、後に詳述するように、左右後輪1RLと
1RRとが同一回転数となるようにモ−タML、MRの
駆動制御を行なうもので、正駆動(駆動補助)と逆駆動
(制動)との2種類ある。この統合モ−ドにおいては、
クラッチ12が締結され(切換弁VVJがライン62を
開きライン63を閉じた状態)、切換弁VVB・L(V
VB・R)、VVE・L(VVE・R)およびVVIの
作動態様は図1に示す状態とされる。この状態で、切換
弁VVAを制御して、正駆動あるいは逆駆動に応じた油
圧供給方向の切換(モ−タML、MRの正転、逆転の方
向設定)と、モ−タML、MRに対する供給流量が制御
される(第1供給ライン31Aを利用した油圧供給)。
なお、逆駆動においては、後述する油圧ロックモ−ドよ
りも大きい減速を得るものであるが、当然のことなが
ら、後輪1RL、1RRが車両の進行方向に対して逆方
向に回転するような大きな駆動力を与えるものではな
い。
【0029】(2)独立モ−ド
独立モ−ドは、後に詳述するように、左右後輪1RLと
1RRとがそれぞれ個々独立して設定される目標回転数
となるようにモ−タML、MRの駆動制御を行なうもの
で、統合モ−ドの場合と同様に正駆動と逆駆動との2種
類ある。この独立モ−ドにおいては、クラッチ12が締
結解除される(切換弁VVJがライン62を閉じライン
63を開いた状態)。切換弁VVE・L(VVE・R)
の作動態様は図1に示す状態とされるが、切換弁VVA
は中央切換位置とされて第1供給ライン31Aが遮断さ
れる。切換弁VVIは開位置とされて、第2供給ライン
31Bを利用した油圧供給態様とされる。この状態で、
切換弁VVB・L(VVB・R)を制御して、正駆動あ
るいは逆駆動に応じた油圧供給方向の切換(モ−タM
L、MRの正転、逆転の方向設定)と、モ−タML、M
Rに対する供給流量が制御される。
1RRとがそれぞれ個々独立して設定される目標回転数
となるようにモ−タML、MRの駆動制御を行なうもの
で、統合モ−ドの場合と同様に正駆動と逆駆動との2種
類ある。この独立モ−ドにおいては、クラッチ12が締
結解除される(切換弁VVJがライン62を閉じライン
63を開いた状態)。切換弁VVE・L(VVE・R)
の作動態様は図1に示す状態とされるが、切換弁VVA
は中央切換位置とされて第1供給ライン31Aが遮断さ
れる。切換弁VVIは開位置とされて、第2供給ライン
31Bを利用した油圧供給態様とされる。この状態で、
切換弁VVB・L(VVB・R)を制御して、正駆動あ
るいは逆駆動に応じた油圧供給方向の切換(モ−タM
L、MRの正転、逆転の方向設定)と、モ−タML、M
Rに対する供給流量が制御される。
【0030】(3)LSDモ−ド
LSDモ−ドは、作動制限機能を得るもので、切換弁V
VB・LおよびVVB・Rはライン20L、21L(2
0R、21R)を共に閉じて、モ−タML、MRに対す
る油圧の給排を完全に遮断した状態とされる。そして、
開閉弁VVDが開かれて、両モ−タMLとMRとの各閉
じられた左右の油圧経路内同士を連通して、左右のモ−
タMLとMRとの間で大きな回転差を生じてしまうのを
防止する。このLSDモ−ドでは、可変オリフィスVV
C・L(VVC・R)は全閉とされている
VB・LおよびVVB・Rはライン20L、21L(2
0R、21R)を共に閉じて、モ−タML、MRに対す
る油圧の給排を完全に遮断した状態とされる。そして、
開閉弁VVDが開かれて、両モ−タMLとMRとの各閉
じられた左右の油圧経路内同士を連通して、左右のモ−
タMLとMRとの間で大きな回転差を生じてしまうのを
防止する。このLSDモ−ドでは、可変オリフィスVV
C・L(VVC・R)は全閉とされている
【0031】(4)油圧ロックモ−ド
油圧ロックモ−ドは、通路抵抗つまり可変オリフィスV
VC・L(VVC・R)の絞り抵抗を利用した減速力を
得るものである。この油圧ロックモ−ドでは、切換弁V
VB・L、VVB・Rが中央切換位置にあって、ライン
20L、21L、20R、21Rが遮断され、かつ開閉
弁VVDが閉じられている。そして、可変オリフィスV
VC・L、VVC・Rが開かれる。この状態では、油液
は、モ−タML(MR)の回転に応じて、可変オリフィ
スVVC・L(VVC・R)を含んで形成される閉じら
れた閉油圧回路を循環されることになるが、循環中に油
液が通過する可変オリフィスVVC・L(VVC・R)
の絞り抵抗が、車両への減速力を与えることになる。そ
して、可変オリフィスVVC・LおよびVVC・Rの開
度は、車両の減速度が大きいほど小さくなるように制御
される(減速度に応じた可変オリフィスVVC・L、V
VC・Rの開度設定を、図3のステップE37に例示し
てある)。なお、クラッチ12は、締結状態でも、締結
解除状態のいずれでもよい。
VC・L(VVC・R)の絞り抵抗を利用した減速力を
得るものである。この油圧ロックモ−ドでは、切換弁V
VB・L、VVB・Rが中央切換位置にあって、ライン
20L、21L、20R、21Rが遮断され、かつ開閉
弁VVDが閉じられている。そして、可変オリフィスV
VC・L、VVC・Rが開かれる。この状態では、油液
は、モ−タML(MR)の回転に応じて、可変オリフィ
スVVC・L(VVC・R)を含んで形成される閉じら
れた閉油圧回路を循環されることになるが、循環中に油
液が通過する可変オリフィスVVC・L(VVC・R)
の絞り抵抗が、車両への減速力を与えることになる。そ
して、可変オリフィスVVC・LおよびVVC・Rの開
度は、車両の減速度が大きいほど小さくなるように制御
される(減速度に応じた可変オリフィスVVC・L、V
VC・Rの開度設定を、図3のステップE37に例示し
てある)。なお、クラッチ12は、締結状態でも、締結
解除状態のいずれでもよい。
【0032】(5)蓄圧モ−ド
蓄圧モ−ドは、走行中に、車両つまり後輪1RL、1R
Rによって駆動されるモ−タML、MRをポンプとして
機能させて、アキュムレ−タ41に蓄圧させるものであ
る。この蓄圧モ−ドでは、ライン21L(21R)がリ
ザ−バタンク16に連通される一方、開閉弁VVF・L
(VVF・R)が開となって、リザ−バタンク16内の
油液がモ−タML(MR)により汲み上げられて、アキ
ュムレ−タ41に蓄圧される。
Rによって駆動されるモ−タML、MRをポンプとして
機能させて、アキュムレ−タ41に蓄圧させるものであ
る。この蓄圧モ−ドでは、ライン21L(21R)がリ
ザ−バタンク16に連通される一方、開閉弁VVF・L
(VVF・R)が開となって、リザ−バタンク16内の
油液がモ−タML(MR)により汲み上げられて、アキ
ュムレ−タ41に蓄圧される。
【0033】(6)停車モ−ド
停車モ−ドは、パ−キングブレ−キが作動していない状
態において、車両を停止させるようにモ−タML、MR
を駆動制御するものである(車速が目標車速0となるよ
うに、モ−タML、MRの駆動を制御する)。この場
合、油圧供給のラインは第2供給ライン31Bが利用さ
れ、油圧の給排制御は、切換弁VVB・L(VVB・
R)を利用して行なわれる。
態において、車両を停止させるようにモ−タML、MR
を駆動制御するものである(車速が目標車速0となるよ
うに、モ−タML、MRの駆動を制御する)。この場
合、油圧供給のラインは第2供給ライン31Bが利用さ
れ、油圧の給排制御は、切換弁VVB・L(VVB・
R)を利用して行なわれる。
【0034】(7)駐車モ−ド
駐車モ−ドは、パ−キングブレ−キが作動した状態にお
いて、駐車状態を維持しようとする作用を高めるもので
ある。すなわち、駐車モ−ドでは、切換弁VVB・L
(VVB・R)が中央切換位置の閉位置とされて油圧の
給排ラインが遮断されると共に、クラッチ12が締結さ
れる。
いて、駐車状態を維持しようとする作用を高めるもので
ある。すなわち、駐車モ−ドでは、切換弁VVB・L
(VVB・R)が中央切換位置の閉位置とされて油圧の
給排ラインが遮断されると共に、クラッチ12が締結さ
れる。
【0035】(8)F/Sモ−ド
F/Sモ−ドは、フェイルセ−フモ−ドであり、何等か
の異常があったとき、例えば高圧ラインが異常に高圧と
なったとき、モ−タML、MRが正常に駆動されなくな
ったとき、ある弁が固着してしまったとき、さらには油
温が所定温度以上に高くなってしまたとき等には、安全
弁VVGが開かれて、高圧ライン18の油圧が解放され
る。
の異常があったとき、例えば高圧ラインが異常に高圧と
なったとき、モ−タML、MRが正常に駆動されなくな
ったとき、ある弁が固着してしまったとき、さらには油
温が所定温度以上に高くなってしまたとき等には、安全
弁VVGが開かれて、高圧ライン18の油圧が解放され
る。
【0036】制御系統の説明(図2)
図2は、本発明における制御系統を示すものである。図
中U1、U2はそれぞれマイクロコンピュ−タを利用し
て構成された制御ユニットで、制御ユニットU1が前述
した各弁VVA等の制御を行なうメイン制御ユニットで
ある。また、制御ユニットU2はABS制御(アンチロ
ックブレ−キ制御)用である。また、S1〜S11は、
それぞれセンサあるいはスイッチである。
中U1、U2はそれぞれマイクロコンピュ−タを利用し
て構成された制御ユニットで、制御ユニットU1が前述
した各弁VVA等の制御を行なうメイン制御ユニットで
ある。また、制御ユニットU2はABS制御(アンチロ
ックブレ−キ制御)用である。また、S1〜S11は、
それぞれセンサあるいはスイッチである。
【0037】センサS1〜S4は、各車輪1FL〜1R
Rの回転速度つまり車輪速を個々独立して検出するもの
であり、各センサS1〜S4で検出された車輪速は、制
御ユニットU2から制御ユニットU1へ伝送される。セ
ンサS5は、車速を検出するもので、実施例では対地車
速を検出するものとなっている(絶対車速の検出)。セ
ンサS6は、変速機4の変速位置つまりギア位置を検出
するものである。センサS7は、エンジン回転数を検出
するものである。センサS8はハンドル舵角を検出する
ものである。センサS9はアクセル開度を検出するもの
である。センサS10はブレ−キペダルの踏込み量を検
出するものである。センサS11は、モ−タ駆動用の作
動媒体となる油液の温度を検出するもので、例えばリザ
−バタンク16部分での温度、あるいは供給ライン18
での温度を検出するものとすることができる。
Rの回転速度つまり車輪速を個々独立して検出するもの
であり、各センサS1〜S4で検出された車輪速は、制
御ユニットU2から制御ユニットU1へ伝送される。セ
ンサS5は、車速を検出するもので、実施例では対地車
速を検出するものとなっている(絶対車速の検出)。セ
ンサS6は、変速機4の変速位置つまりギア位置を検出
するものである。センサS7は、エンジン回転数を検出
するものである。センサS8はハンドル舵角を検出する
ものである。センサS9はアクセル開度を検出するもの
である。センサS10はブレ−キペダルの踏込み量を検
出するものである。センサS11は、モ−タ駆動用の作
動媒体となる油液の温度を検出するもので、例えばリザ
−バタンク16部分での温度、あるいは供給ライン18
での温度を検出するものとすることができる。
【0038】各センサあるいはスイッチS5〜S11の
信号は、制御ユニットU1に入力されて、制御ユニット
U1は、前述した各弁VVA〜VVJを制御する他、ラ
ンプ、ブザ−等の警報器83の作動を制御する。勿論、
制御ユニットU2は、ブレ−キ時に車輪がロックするの
を防止するためのもので、制御ユニットU2からは、各
車輪のブレ−キを個々独立して調整するためのブレ−キ
液圧調整手段81に対して制御信号が出力される。制御
ユニットU2から制御ユニットU1へは、センサS1〜
S4で検出された車輪速信号が伝送されるが、センサS
1〜S4からの信号は制御ユニットU1へ直接入力させ
るようにしてもよい。
信号は、制御ユニットU1に入力されて、制御ユニット
U1は、前述した各弁VVA〜VVJを制御する他、ラ
ンプ、ブザ−等の警報器83の作動を制御する。勿論、
制御ユニットU2は、ブレ−キ時に車輪がロックするの
を防止するためのもので、制御ユニットU2からは、各
車輪のブレ−キを個々独立して調整するためのブレ−キ
液圧調整手段81に対して制御信号が出力される。制御
ユニットU2から制御ユニットU1へは、センサS1〜
S4で検出された車輪速信号が伝送されるが、センサS
1〜S4からの信号は制御ユニットU1へ直接入力させ
るようにしてもよい。
【0039】フロ−チャ−トの説明(図3〜5)
次に、図3以下のフロ−チャ−トを参照しつつ、制御ユ
ニットU1の制御内容について説明するが、以下の説明
でD、E、W、Zはそれぞれステップを示す。先ず、図
3のD1において、各センサ等からの信号が読込まれた
後、D2において、後述するように、前述した制御モ−
ドのうちどのモ−ドを実行する条件が満足されているか
が判定される(モ−ド選択)。次いて、D3において、
後述するように、油温に応じて、D2で選択された制御
モ−ドを実行すべきか禁止すべきかの判定がなされる。
ニットU1の制御内容について説明するが、以下の説明
でD、E、W、Zはそれぞれステップを示す。先ず、図
3のD1において、各センサ等からの信号が読込まれた
後、D2において、後述するように、前述した制御モ−
ドのうちどのモ−ドを実行する条件が満足されているか
が判定される(モ−ド選択)。次いて、D3において、
後述するように、油温に応じて、D2で選択された制御
モ−ドを実行すべきか禁止すべきかの判定がなされる。
【0040】図3のD2の制御内容の詳細が、図4、図
5に示される。先ず、図4のE21において、各センサ
等からの信号が読込まれた後、E22において、後退走
行時であるか否かが判別される。この判別は、例えば、
変速機4の変速位置が後退変速段を選択されている状態
であるか否かをみることにより行なわれる。E22の判
別でYESのときのときは、E23において、後述する
独立モ−ドでの正駆動が行なわれる。
5に示される。先ず、図4のE21において、各センサ
等からの信号が読込まれた後、E22において、後退走
行時であるか否かが判別される。この判別は、例えば、
変速機4の変速位置が後退変速段を選択されている状態
であるか否かをみることにより行なわれる。E22の判
別でYESのときのときは、E23において、後述する
独立モ−ドでの正駆動が行なわれる。
【0041】E22の判別でNOのときは、E24にお
いて、前進走行時であるか否かが判別される。この判別
は、変速機4の変速位置が、前進変速段を選択されてい
る状態であるか否かをみることにより行なわれる。E2
4の判別でNOのときは、変速機4がニュ−トラル位置
にあるときであり、このときはそのままリタ−ンされ
る。E24の判別でYESのときのときは、前進時にお
ける制御内容となるE26以降の制御が適宜行なわれ
る。なお、E24の判別をなくして、変速機4がニュ−
トラルのときも前進時であるとみなして、E26以下の
処理を行なうようにしてもよい。
いて、前進走行時であるか否かが判別される。この判別
は、変速機4の変速位置が、前進変速段を選択されてい
る状態であるか否かをみることにより行なわれる。E2
4の判別でNOのときは、変速機4がニュ−トラル位置
にあるときであり、このときはそのままリタ−ンされ
る。E24の判別でYESのときのときは、前進時にお
ける制御内容となるE26以降の制御が適宜行なわれ
る。なお、E24の判別をなくして、変速機4がニュ−
トラルのときも前進時であるとみなして、E26以下の
処理を行なうようにしてもよい。
【0042】E26では、現在直進中であるか否かが判
別される。この直進であるか否かの判別は、実施例で
は、ハンドル舵角と車速とにより横Gを演算して、この
横Gが所定値以下のときに直進時である判定するように
してある。
別される。この直進であるか否かの判別は、実施例で
は、ハンドル舵角と車速とにより横Gを演算して、この
横Gが所定値以下のときに直進時である判定するように
してある。
【0043】E26の判別でYESのときは、E27〜
E39の処理が行なわれる。そして、最終的に、統合モ
−ドでの正駆動(E28)および逆駆動(E35)、蓄
圧モ−ド(E33、E39)あるいは油圧ロックモ−ド
(E31、E37)を行なう制御条件が満足されたか否
かが判定される。
E39の処理が行なわれる。そして、最終的に、統合モ
−ドでの正駆動(E28)および逆駆動(E35)、蓄
圧モ−ド(E33、E39)あるいは油圧ロックモ−ド
(E31、E37)を行なう制御条件が満足されたか否
かが判定される。
【0044】なお、加速の度合および減速の度合は既知
の種々の手法によりなし得る。例えば、加速の度合は、
アクセルの踏込み速度の大きさ、アクセル踏込み量の増
大量、車速を微分して得られる車体加速度等のいずれか
1つあるいは任意の複数の組み合わせによって知ること
ができる。また、減速の度合は、例えば、アクセル解放
速度の大きさ、ブレ−キ踏込み速度の大きさ、ブレ−キ
踏込み量の増大量、車速を微分して得られる車体減速度
等のいずれか1つあるいは任意の複数の組み合わせによ
って知ることができる。ただし、実施例では、少なくと
もアクセルの戻し速度が早いとき(アクセル解放速度は
早いとき)は、油圧ロックモ−ドとするための緩減速以
上の減速であると判定するようにしてある。
の種々の手法によりなし得る。例えば、加速の度合は、
アクセルの踏込み速度の大きさ、アクセル踏込み量の増
大量、車速を微分して得られる車体加速度等のいずれか
1つあるいは任意の複数の組み合わせによって知ること
ができる。また、減速の度合は、例えば、アクセル解放
速度の大きさ、ブレ−キ踏込み速度の大きさ、ブレ−キ
踏込み量の増大量、車速を微分して得られる車体減速度
等のいずれか1つあるいは任意の複数の組み合わせによ
って知ることができる。ただし、実施例では、少なくと
もアクセルの戻し速度が早いとき(アクセル解放速度は
早いとき)は、油圧ロックモ−ドとするための緩減速以
上の減速であると判定するようにしてある。
【0045】図4のE26の判別でNOのときは、図5
の処理が行なわれるが、この図5は旋回時を前提したも
のとなる。そして、最終的に、独立モ−ドでの正駆動
(E42)と逆駆動(E44)あるいはLSDモ−ド
(E45)を行なう制御条件が満足したか否かが判定さ
れる。
の処理が行なわれるが、この図5は旋回時を前提したも
のとなる。そして、最終的に、独立モ−ドでの正駆動
(E42)と逆駆動(E44)あるいはLSDモ−ド
(E45)を行なう制御条件が満足したか否かが判定さ
れる。
【0046】フロ−チャ−トの説明(図6)
図6は、図4あるいは図5において選択された制御モ−
ドを、油温に応じて実際に実行するかあるいは禁止する
かの判定を行なうためのものである。実施例では、油温
に対するしきい値として、α1、α2、α3の3種類設
定してある(α1<α2<α3)。上述の説明と図6の
フロ−チャ−トから容易に理解されるように、油温がα
1以下のときは、正常時であるとして、図4あるいは図
5で選択された全ての制御モ−ドの実行が許容される
(W1、W2)。
ドを、油温に応じて実際に実行するかあるいは禁止する
かの判定を行なうためのものである。実施例では、油温
に対するしきい値として、α1、α2、α3の3種類設
定してある(α1<α2<α3)。上述の説明と図6の
フロ−チャ−トから容易に理解されるように、油温がα
1以下のときは、正常時であるとして、図4あるいは図
5で選択された全ての制御モ−ドの実行が許容される
(W1、W2)。
【0047】油温がα1よりも高くなると、少なくとも
一部の制御モ−ドが禁止されると共に、警報器83が作
動される(W3)。油温がα1とα2の間の範囲のとき
は、車両の制動となる油圧ロックと逆駆動の制御のみが
禁止される(W4、W5、W6)。油温がα2とα3と
の間の範囲のときは、油圧ロックと逆駆動の禁止に加え
て(W8、W6)、正駆動も禁止される(W9〜W1
1)。ただし、正駆動の禁止は、車両が安定した状態で
あるのを条件として行なわれ、実施例では、車両が安定
している状態として、横Gが所定値よりも小さいときと
して設定してある(W10、W11)。そして、車両が
安定していないときは、正駆動が実行される(W10、
W12)。なお、車両が安定状態にあるか否かの判定
は、この他、ハンドル舵角が小さいときでかつ車速が所
定値以下の低車速時であることや、ブレ−キペダルの踏
込みやアクセル開度の大きな変化がないとき等(過渡時
でないこと)等、適宜のパラメ−タによってみることが
できる。
一部の制御モ−ドが禁止されると共に、警報器83が作
動される(W3)。油温がα1とα2の間の範囲のとき
は、車両の制動となる油圧ロックと逆駆動の制御のみが
禁止される(W4、W5、W6)。油温がα2とα3と
の間の範囲のときは、油圧ロックと逆駆動の禁止に加え
て(W8、W6)、正駆動も禁止される(W9〜W1
1)。ただし、正駆動の禁止は、車両が安定した状態で
あるのを条件として行なわれ、実施例では、車両が安定
している状態として、横Gが所定値よりも小さいときと
して設定してある(W10、W11)。そして、車両が
安定していないときは、正駆動が実行される(W10、
W12)。なお、車両が安定状態にあるか否かの判定
は、この他、ハンドル舵角が小さいときでかつ車速が所
定値以下の低車速時であることや、ブレ−キペダルの踏
込みやアクセル開度の大きな変化がないとき等(過渡時
でないこと)等、適宜のパラメ−タによってみることが
できる。
【0048】油温がα3よりも高くなると、全ての制御
モ−ドが禁止される(W13)。また、このときは、安
全弁VVGが開かれて、供給ライン18の高圧が強制的
に解放される。
モ−ドが禁止される(W13)。また、このときは、安
全弁VVGが開かれて、供給ライン18の高圧が強制的
に解放される。
【0049】ここで、既に制御モ−ドが実行されている
ときに油温が上昇して制御モ−ドに規制を与えるとき
は、当該制御モ−ドでの制御を徐々に中止させるのがよ
い。油温がα3よりも高くなって全ての制御モ−ドを禁
止するとき(W13)は、徐々なる中止を行なってもよ
いが、即座に中止するのが好ましい。
ときに油温が上昇して制御モ−ドに規制を与えるとき
は、当該制御モ−ドでの制御を徐々に中止させるのがよ
い。油温がα3よりも高くなって全ての制御モ−ドを禁
止するとき(W13)は、徐々なる中止を行なってもよ
いが、即座に中止するのが好ましい。
【0050】なお、停車モ−ドおよび駐車モ−ドについ
ては、前述の説明では省略してあるが、これは該両モ−
ドが油温に事実上関係ないために省略してあるもので、
当該両モ−ドの実行も油温に応じて禁止することもでき
る。
ては、前述の説明では省略してあるが、これは該両モ−
ドが油温に事実上関係ないために省略してあるもので、
当該両モ−ドの実行も油温に応じて禁止することもでき
る。
【0051】フロ−チャ−トの説明(図7)
図7は、独立モ−ドでの正駆動制御の詳細を示す。な
お、統合モ−ドでの正駆動制御は、左右後輪について同
じ目標車速を与える点および切換弁VVAを制御する点
において異なるのみで、独立モ−ドでの正駆動制御と実
質的に同じように行なわれる。先ず、Z1において、デ
−タ入力された後、Z2において、アクセル開度と変速
機4の変速位置とをパラメ−タとして、目標車速VTR
が設定される。
お、統合モ−ドでの正駆動制御は、左右後輪について同
じ目標車速を与える点および切換弁VVAを制御する点
において異なるのみで、独立モ−ドでの正駆動制御と実
質的に同じように行なわれる。先ず、Z1において、デ
−タ入力された後、Z2において、アクセル開度と変速
機4の変速位置とをパラメ−タとして、目標車速VTR
が設定される。
【0052】次いで、Z3において、目標車速VTRか
ら左後輪1RLの実際の車輪速VBLを差い引いた値
が、所定速度V1よりも大きいか否かが判別される。こ
のZ3の判別でNOのときのときは、正駆動による駆動
補助は必要ない状態であるとして、Z13において、左
後輪の正駆動が中止される。上記Z3、Z13の処理
は、右後輪1RRについても、左後輪1RLと別個独立
して行なわれる。なお、上記所定速度V1は、加速に十
分なスリップ量を示す速度に設定されるが、一定値でも
よく、車速VAが大きいほど大きくなるように可変の値
として設定することもできる。Z3の判別がYESのと
きは、Z4においてアクセルが全閉であるか否かが判別
され、Z4の判別でYESのときのときも、モ−タM
L、MRを利用した駆動補助は必要のない状態であると
して、Z13に移行する(この場合は、左右後輪1R
L、1RR同時に正駆動中止)。
ら左後輪1RLの実際の車輪速VBLを差い引いた値
が、所定速度V1よりも大きいか否かが判別される。こ
のZ3の判別でNOのときのときは、正駆動による駆動
補助は必要ない状態であるとして、Z13において、左
後輪の正駆動が中止される。上記Z3、Z13の処理
は、右後輪1RRについても、左後輪1RLと別個独立
して行なわれる。なお、上記所定速度V1は、加速に十
分なスリップ量を示す速度に設定されるが、一定値でも
よく、車速VAが大きいほど大きくなるように可変の値
として設定することもできる。Z3の判別がYESのと
きは、Z4においてアクセルが全閉であるか否かが判別
され、Z4の判別でYESのときのときも、モ−タM
L、MRを利用した駆動補助は必要のない状態であると
して、Z13に移行する(この場合は、左右後輪1R
L、1RR同時に正駆動中止)。
【0053】Z4の判別でNOのときのときは、Z5に
おいて、車速VAとハンドル舵角とに基づいて、車体に
作用する横Gが演算される。この後、Z6において、補
正係数k1、k2が設定される。そして、Z7におい
て、右旋回であるか否かが判別される。このZ7の判別
でYESのときのときは、Z9において、左後輪1RL
の目標車輪速VTRLが、Z2で決定された目標車速V
TRに対して補正係数k1を乗算することにより算出さ
れ、同様に、右後輪1RRの目標車輪速VTRRが、目
標車速VTRに対して補正係数k2を乗算することによ
り算出される。
おいて、車速VAとハンドル舵角とに基づいて、車体に
作用する横Gが演算される。この後、Z6において、補
正係数k1、k2が設定される。そして、Z7におい
て、右旋回であるか否かが判別される。このZ7の判別
でYESのときのときは、Z9において、左後輪1RL
の目標車輪速VTRLが、Z2で決定された目標車速V
TRに対して補正係数k1を乗算することにより算出さ
れ、同様に、右後輪1RRの目標車輪速VTRRが、目
標車速VTRに対して補正係数k2を乗算することによ
り算出される。
【0054】Z7の判別でNOのときは、Z8におい
て、左右後輪1RL、1RRの各目標車輪速が算出され
る。このZ6〜Z9の処理は、つまるところ、旋回外輪
側の目標車輪速を大きく、旋回内輪側の目標車輪速を遅
くする処理に相当する。ただし、直進時には、Z7の判
別でNOとなってZ8へ移行されるが、このときは、補
正係数が1とされているので(横Gが0あるいはほぼ0
である)、左右後輪1RL、1RRの目標車輪速は互い
に等しくされる。
て、左右後輪1RL、1RRの各目標車輪速が算出され
る。このZ6〜Z9の処理は、つまるところ、旋回外輪
側の目標車輪速を大きく、旋回内輪側の目標車輪速を遅
くする処理に相当する。ただし、直進時には、Z7の判
別でNOとなってZ8へ移行されるが、このときは、補
正係数が1とされているので(横Gが0あるいはほぼ0
である)、左右後輪1RL、1RRの目標車輪速は互い
に等しくされる。
【0055】Z8あるいはZ9の後は、Z10におい
て、目標車輪速VTRL(VTRR)から後輪1RL
(1RR)の実際の車輪速VBL(VBR)を差い引い
た値に応じて、モ−タML(MR)に供給する油液量Q
が決定される。この油液量Qは、左右のモ−タML、M
Rに対して個々独立して決定されるものである。そし
て、Z11において、決定された油液量Qを実現するよ
うに、切換弁VVB・L、VVB・Rが個々独立して制
御される。
て、目標車輪速VTRL(VTRR)から後輪1RL
(1RR)の実際の車輪速VBL(VBR)を差い引い
た値に応じて、モ−タML(MR)に供給する油液量Q
が決定される。この油液量Qは、左右のモ−タML、M
Rに対して個々独立して決定されるものである。そし
て、Z11において、決定された油液量Qを実現するよ
うに、切換弁VVB・L、VVB・Rが個々独立して制
御される。
【0056】Z12においては、車速VAから、左後輪
1RLの実際の車輪速VBLを差し引いた値が、所定速
度「−V2」よりも小さいか否かが判別される。このZ
12の判別は、つまるところ、左後輪1RLの実際の車
輪速VBLが、車速VAに比して大き過ぎるか否かの判
別となるもので、Z12の判別でYESのときは、Z1
3において、後輪が所定スリップ値を維持するように、
供給流量Qを小さくする補正が行なわれる。なお、Z1
2、Z13の処理は、右後輪1RRについても同様に行
なわれる。Z12の判別でNOのときのときは、Z13
を経ることなくリタ−ンされる。
1RLの実際の車輪速VBLを差し引いた値が、所定速
度「−V2」よりも小さいか否かが判別される。このZ
12の判別は、つまるところ、左後輪1RLの実際の車
輪速VBLが、車速VAに比して大き過ぎるか否かの判
別となるもので、Z12の判別でYESのときは、Z1
3において、後輪が所定スリップ値を維持するように、
供給流量Qを小さくする補正が行なわれる。なお、Z1
2、Z13の処理は、右後輪1RRについても同様に行
なわれる。Z12の判別でNOのときのときは、Z13
を経ることなくリタ−ンされる。
【0057】統合モ−ドでの正駆動制御においては、Z
5〜Z9の処理が不用になり、Z2で決定された目標車
速VTRが、左右後輪1RL、1RRの目標車輪速VT
RL、VTRRとなる。また、Z11での流量Qを実現
するために、切換弁VVAが利用される。
5〜Z9の処理が不用になり、Z2で決定された目標車
速VTRが、左右後輪1RL、1RRの目標車輪速VT
RL、VTRRとなる。また、Z11での流量Qを実現
するために、切換弁VVAが利用される。
【0058】フロ−チャ−トの説明(図8)
図8は、独立モ−ドでの逆駆動の詳細を示す。なお、統
合モ−ドでの正駆動制御は、流量調整に用いられる切換
弁が独立モ−ド時に用いられる切換弁と相違するのみで
あり、その他は独立モ−ドでの正駆動制御と同じように
行なわれる。先ず、Z21においてデ−タ入力された
後、Z22において、逆駆動フラグが1であるか否かが
判別される。このZ22の判別でNOのときのときは、
Z30において、ハンドル舵角と車速VAとをパラメ−
タとして設定された領域のどこに現在状態があるかの確
認が行なわれる。この後、Z31において、現在の状態
がZ30に示す領域中ハッチングを施したC領域にある
か否かが判別される。このZ31の判別でYESのとき
のときは、Z32において逆駆動フラグが1にセットさ
れた後Z21に戻り、Z31の判別でNOのときは、Z
32を経ることなくZ21に戻る。
合モ−ドでの正駆動制御は、流量調整に用いられる切換
弁が独立モ−ド時に用いられる切換弁と相違するのみで
あり、その他は独立モ−ドでの正駆動制御と同じように
行なわれる。先ず、Z21においてデ−タ入力された
後、Z22において、逆駆動フラグが1であるか否かが
判別される。このZ22の判別でNOのときのときは、
Z30において、ハンドル舵角と車速VAとをパラメ−
タとして設定された領域のどこに現在状態があるかの確
認が行なわれる。この後、Z31において、現在の状態
がZ30に示す領域中ハッチングを施したC領域にある
か否かが判別される。このZ31の判別でYESのとき
のときは、Z32において逆駆動フラグが1にセットさ
れた後Z21に戻り、Z31の判別でNOのときは、Z
32を経ることなくZ21に戻る。
【0059】Z32を経たときは、Z22の判別がYE
Sとなり、このときは、Z23において、現在ABS制
御中であるか否かが判別される。このZ23の判別でN
Oのときのときは、Z24において、ブレ−キ踏込み量
が大きいか否かが判別される。このZ25の判別でNO
のときのときは、Z25において、車速VAが所定値V
3以下の低車速時であるか否かが判別される。
Sとなり、このときは、Z23において、現在ABS制
御中であるか否かが判別される。このZ23の判別でN
Oのときのときは、Z24において、ブレ−キ踏込み量
が大きいか否かが判別される。このZ25の判別でNO
のときのときは、Z25において、車速VAが所定値V
3以下の低車速時であるか否かが判別される。
【0060】Z25の判別でNOのときのときは、Z2
6において、車速VAと変速機4の変速位置とをパラメ
−タとして、モ−タML、MRに対する供給流量Qが決
定される。この後、Z27において、Z26で決定され
た流量Qが左右のモ−タML、MRに供給されるよう
に、切換弁VVB・L、VVB・Rが制御される。Z2
7の後、Z28、Z29の処理が行なわれるが、この処
理は、図9のZ12、Z13の処理に対応しており、逆
駆動力が大きくなり過ぎるのを補正する処理となる。
6において、車速VAと変速機4の変速位置とをパラメ
−タとして、モ−タML、MRに対する供給流量Qが決
定される。この後、Z27において、Z26で決定され
た流量Qが左右のモ−タML、MRに供給されるよう
に、切換弁VVB・L、VVB・Rが制御される。Z2
7の後、Z28、Z29の処理が行なわれるが、この処
理は、図9のZ12、Z13の処理に対応しており、逆
駆動力が大きくなり過ぎるのを補正する処理となる。
【0061】前記Z23、Z24、Z25のいずれかの
判別でYESのときは、Z33において逆駆動制御が中
止された後、Z34において逆駆動フラグが0にリセッ
トされる。なお、統合モ−ドでの逆駆動制御は、Z26
で決定された流量Qを実現する切換弁として、VVAが
利用される。
判別でYESのときは、Z33において逆駆動制御が中
止された後、Z34において逆駆動フラグが0にリセッ
トされる。なお、統合モ−ドでの逆駆動制御は、Z26
で決定された流量Qを実現する切換弁として、VVAが
利用される。
【0062】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)正駆動以外の制御モ−ドを行なわないものであって
もよい。 (2)左右後輪1RL、1RRをエンジン2により駆動
し、左右前輪1FL、1FRをモ−タML、MRにより
駆動するようにしてもよい。 (3)モ−タは左右独立して設けることなく、左右共通の
1つのみとしてもよい(旋回時にもモ−タによる補助駆
動を行なうときは、差動装置が設けられる)。 (4)ABS制御実行中は逆駆動を禁止してもよく、この
場合はABS制御実行中であることを示すABS信号が
制御ユニットU1へ伝送される。 (5)モ−タによる正駆動領域を路面μに応じて変更(拡
大、縮小)してもよく、例えば緩加速時でもモ−タによ
る正駆動を行なうようにしてもよく、この場合は、路面
μを示すμ信号を、制御ユニットU2からU1へ伝送す
るようにしてもよく、あるいは別途設けたμセンサから
の信号を制御ユニットU1へ直接入力させるようにして
もよい。 (6)逆駆動や油圧ロックモ−ドを油温に応じて中止する
ときも、車両が安定した状態を待って行なうようにして
もよい。また、正駆動を油温に応じて中止するときは、
車両の安定状態をみることなく行なうようにしてもよい
(徐々に中止が好ましい)。 (7)油温に応じてモ−タ制御に規制を与えるため、モ−
タ用の制御値を小さくすることによって行うようにして
もよい(例えば、正駆動用や逆駆動用の流量Qを、小さ
くする補正を行う)。この場合、制御値を小さくする度
合を、油温に応じて段階的、あるいは連続可変式に変更
するようにしてもよい。
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)正駆動以外の制御モ−ドを行なわないものであって
もよい。 (2)左右後輪1RL、1RRをエンジン2により駆動
し、左右前輪1FL、1FRをモ−タML、MRにより
駆動するようにしてもよい。 (3)モ−タは左右独立して設けることなく、左右共通の
1つのみとしてもよい(旋回時にもモ−タによる補助駆
動を行なうときは、差動装置が設けられる)。 (4)ABS制御実行中は逆駆動を禁止してもよく、この
場合はABS制御実行中であることを示すABS信号が
制御ユニットU1へ伝送される。 (5)モ−タによる正駆動領域を路面μに応じて変更(拡
大、縮小)してもよく、例えば緩加速時でもモ−タによ
る正駆動を行なうようにしてもよく、この場合は、路面
μを示すμ信号を、制御ユニットU2からU1へ伝送す
るようにしてもよく、あるいは別途設けたμセンサから
の信号を制御ユニットU1へ直接入力させるようにして
もよい。 (6)逆駆動や油圧ロックモ−ドを油温に応じて中止する
ときも、車両が安定した状態を待って行なうようにして
もよい。また、正駆動を油温に応じて中止するときは、
車両の安定状態をみることなく行なうようにしてもよい
(徐々に中止が好ましい)。 (7)油温に応じてモ−タ制御に規制を与えるため、モ−
タ用の制御値を小さくすることによって行うようにして
もよい(例えば、正駆動用や逆駆動用の流量Qを、小さ
くする補正を行う)。この場合、制御値を小さくする度
合を、油温に応じて段階的、あるいは連続可変式に変更
するようにしてもよい。
【図1】本発明に用いられる油圧系統の一例を示す図。
【図2】制御系統の一例を示す図。
【図3】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図4】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図5】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図6】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図7】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図8】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
U1:制御ユニット(モ−タ制御用)
U2:制御ユニット(ABS制御用)
P:ポンプ
ML、MR:モ−タ
1FL、1FR:前輪
1RL、1RR:後輪
2:エンジン
4:変速機
5:差動装置
83:警報器
S11:油温センサ
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
// F16H 59:48 F16H 59:48
59:72 59:72
(56)参考文献 特開 平4−258570(JP,A)
特開 昭63−284037(JP,A)
特開 昭63−150440(JP,A)
実開 平4−57685(JP,U)
実開 平3−82224(JP,U)
実開 昭63−126132(JP,U)
実開 昭60−38830(JP,U)
実開 昭54−8096(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60K 17/356
B60K 17/04
F15B 20/00
F16H 61/40
F16H 61/42
Claims (4)
- 【請求項1】左右前輪と左右後輪とのいずれか一方の車
輪が、変速機および差動装置を介してエンジンにより駆
動される主駆動輪とされ、他方の車輪が油圧式モ−タに
より駆動される補助駆動輪とされた車両において、前 記モ−タに車両の進行方向と同一方向の駆動力を発生
させる正駆動の制御態様と、該正駆動の制御態様以外の
該モータに対する他の制御態様とを含むように設定され
たモ−タ制御手段と、 前記モ−タ駆動用の作動媒体となる油液の温度を検出す
る油温検出手段と、 前記油温検出手段で検出手段される温度に応じて、前記
モ−タ制御手段による制御に規制を与える規制手段と、を備え、 前記規制手段が、前記油温検出手段で検出される油温が
第1温度よりも高くかつ該第1温度よりも高く設定され
た第2温度以下のときは、前記モ−タ制御手段によりと
り得る複数の制御態様のうち一部の制御態様のみを禁止
し、上記第2温度よりも高い温度のときは、全ての制御
態様についての制御を禁止する、 ことを特徴とする車両の駆動装置。 - 【請求項2】請求項1において、 前記モ−タ制御手段が、前記他の制御態様として、前記
モ−タに車両の進行方向とは逆方向の駆動力を発生させ
る逆駆動の制御態様と、前記モータが前記補助駆動輪に
より駆動されるポンプとして機能されてアキュムレータ
に蓄圧を行わせる蓄圧の制御態様とをとり得るように設
定され、 前記規制手段が、前記第1温度よりも高くかつ前記第2
温度よりも低く設定された第3温度以下のときは前記逆
駆動の制御態様を禁止し、該第3温度よりも高く該第2
温度以下のときは該逆駆動の制御態様の禁止に加えてさ
らに前記正駆動の制御態様をも禁止し、前記第2温度よ
りも高いときは、前記正駆動の制御と逆駆動の制御と蓄
圧の制御とをそれぞれ禁止する、 ことを特徴とする車両の駆動装置。 - 【請求項3】請求項2において、前記第3温度よりも高く前記第2温度以下のときに、前
記規制手段による前記正駆動の制御態様の禁止が、横G
が所定値よりも小さいことを条件として行われる、こと
を特徴とする車両の駆動装置。 - 【請求項4】請求項2において、 前記モ−タ制御手段による制御が全て禁止されるとき
に、前記モ−タに対する油圧の供給ラインの圧力が強制
的に解放される、ことを特徴とする車両の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35581192A JP3402639B2 (ja) | 1992-12-19 | 1992-12-19 | 車両の駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35581192A JP3402639B2 (ja) | 1992-12-19 | 1992-12-19 | 車両の駆動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06183282A JPH06183282A (ja) | 1994-07-05 |
JP3402639B2 true JP3402639B2 (ja) | 2003-05-06 |
Family
ID=18445876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35581192A Expired - Fee Related JP3402639B2 (ja) | 1992-12-19 | 1992-12-19 | 車両の駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3402639B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100491485B1 (ko) * | 2001-01-19 | 2005-05-27 | 히다치 겡키 가부시키 가이샤 | 유압모터의 고장 검출장치 및 유압 구동차량 |
DE60139154D1 (de) | 2001-01-19 | 2009-08-13 | Hitachi Construction Machinery | Hydraulikmotor-störungsdetektor und hydraulisch angetriebenes fahrzeug |
DE10303206A1 (de) | 2003-01-28 | 2004-07-29 | Zf Friedrichshafen Ag | Hydrostatisches Getriebe |
JP2009052436A (ja) * | 2007-08-24 | 2009-03-12 | Nissan Diesel Motor Co Ltd | 駆動制御装置 |
EP2988033B1 (en) * | 2013-08-08 | 2017-01-11 | Komatsu Ltd. | Wheel loader |
-
1992
- 1992-12-19 JP JP35581192A patent/JP3402639B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06183282A (ja) | 1994-07-05 |
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