JP3402430B2 - 硬度および耐汚染性に優れた建材用塗装金属パネル - Google Patents

硬度および耐汚染性に優れた建材用塗装金属パネル

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主に住宅、ビルデ
ィング、工場等の建材として用いる塗膜の硬度および耐
汚染性にも優れた建材用内外装用金属パネルに関するも
のである。 【0002】 【従来の技術】住宅、ビルディング、工場などの建材、
道路施設、橋梁などの屋外構造物、自動車、電車、飛行
機などの乗り物、および家電、家具などの屋内住器等に
は美麗さを付与すると同時に、耐候性、耐食性等の耐久
性向上を目的に塗装しているのが一般的である。しか
し、近年内外装用建材の需要が増大するにつれ、従来か
ら要求されていた耐久性、美麗さに加え、塗膜に傷がつ
きにくく、しかもばい煙、油分、無機物等の汚染物に対
して汚れにくい、または汚れたとしても簡単に除去でき
る塗膜をもつ塗装パネルの需要が増大してきた。 【0003】建材用金属基材に塗装する塗料としては、
主としてポリマ鎖がC−C結合の有機系を主体としたも
のが多用されているが、例えば特公昭63−22977 号公報
に有機系塗料をエンボス鋼板表面に下塗り塗装し、続い
て上塗り塗装することが開示されている。この下塗り塗
料としてはアクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラル等が、上塗
り塗料としては透明塗料、メタリック、エナメルペイン
ト等が開示されている。 【0004】さらに近年は、上記の塗料に比べ耐候性、
耐食性が優れているフッ素塗料の使用が主流となってき
たが、このフッ素塗料は塗膜が柔らかく、傷がつきやす
いという欠点がある。すなわち、塗装鋼板の汚れを除去
する際、塗膜に傷がつきやすく、結果的に耐汚染性が低
下することになる。そこで、塗膜の硬度が高く、傷がつ
きにくく、耐汚染性に優れた次世代塗料として無機系塗
料が注目され、要求が増大しつつある。 【0005】無機系塗料としては、水ガラス、コロイダ
ルシリカ等を水、溶剤等に分散、溶解したもの、エチル
シリケート、金属アルコキシド系を溶剤に分散したも
の、さらに両者を含むハイブリッド化したセラミック系
等が市川好男、江見真著「建材への塗装」塗装技術 '9
4. 10月 P65、西形嘉行著「カーテンウオールの意匠塗
装」塗装技術 '94. 3月 P100 に紹介されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記に例示した従来の
特許公報、文献等に示されている塗料は、塗料の種類ま
たは塗膜の物性について開示あるいは記載されている
が、建材用金属塗装パネルに塗布する塗料の組成、混合
比と、塗膜の耐候性、耐食性、高硬度化および耐汚染性
等との関係について開示、記載されたものはない。 【0007】この状況に鑑み、本発明は耐候性、耐食性
のみならず塗膜の硬度、耐汚染性にも優れた建材用塗装
パネルを提供するためになされたものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、無機系クリヤ
(顔料の添加がない透明塗料)と無機系ソリッド(顔料
を添加した着色塗料)を、それらの無機固形分で20〜70
重量%、無機系クリヤ/無機系ソリッドの重量比で 0.3
〜15となるよう混合し、金属基材上に塗装したことを特
徴とする塗膜の硬度および耐汚染性に優れた建材用塗装
金属パネルである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明す
る。本発明は、金属基材に無機系クリヤと無機系ソリッ
ドを、それらの無機固形分で20〜70重量%、無機系クリ
ヤ/無機系ソリッドの重量比で 0.3〜15となるように混
合し、金属基板上に塗装し、耐候性、耐食性の付与と同
時に塗膜の硬度および耐汚染性に優れた建材用塗装金属
パネルを得るものである。 【0010】本発明者らはまず無機固形分が種々異なる
無機系クリヤおよび無機系ソリッドを選定し、この一種
または二種を金属基材に塗装し、本発明に係る塗装金属
パネルとアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、フッ素樹脂などの有機系塗料を塗布した従来塗装金
属パネルとの塗膜の物性を比較調査した。この結果、適
正な無機固形分をもつ無機系クリヤと無機系ソリッドを
選定し、この無機系塗料の無機系クリヤ/無機系ソリッ
ド比を適正な範囲にすることによってフッ素塗料と同等
以上の耐食性、耐候性の塗膜が得られ、さらに塗膜の硬
度、耐汚染性が優れることを知見した。 【0011】適正な無機固形分をもつ無機系クリヤおよ
び無機系ソリッドとしてはアルカリシリケート系(ケイ
酸塩としてNa,K,Li)、金属アルコキシド系(アルコ
キシシラン化合物)が適当である。次に選定した無機系
クリヤと無機系ソリッドの混合比(重量)を種々変え、
耐候性、耐食性、塗膜の硬度と耐汚染性を調査し、適正
な無機系クリヤ/無機系ソリッドの比を選定したもので
ある。すなわち、無機系クリヤおよび無機系ソリッドの
無機系塗料として無機固形分20〜70重量%、無機系クリ
ヤ/無機系ソリッドの重量比が 0.3〜15のときは、耐久
性だけでなく耐汚染性、硬度にも優れた塗膜をもつ塗装
パネルが得られることを知見した。 【0012】ここで、塗膜硬度は鉛筆硬度試験法によっ
て従来のアクリル、エポキシ、フッ素系等の塗料を用い
た傷がつきやすかった塗装金属パネルの塗膜の硬度はH
〜2Hであったので、本発明者らは実用上傷がつきにく
いと判断される7H以上の高硬度化を目標とした。耐汚
染性は外装用を考慮しカーボン汚染試験によって試験
し、カーボン汚染試験24hで汚れ無とした。 【0013】無機系塗料の無機固形分を20〜70重量%と
したのは以下の理由による。無機固形分が20重量%未満
では、耐候性、耐食性は優れているものの、塗膜の硬度
が低下して傷がつき、耐汚染性が低下し、一方70重量%
超では塗膜の硬度、耐汚染性は向上するものの塗膜密着
性が劣り結果的に耐候性、耐食性が著しく低下するため
である。 【0014】また、無機系クリヤ/無機系ソリッドを
0.3〜15としたのは以下の理由による。0.3未満では無機
系ソリッドの割合が多くなって塗膜の硬度は向上するも
のの塗膜密着性が劣り、耐候性、耐食性が低下し、15超
では無機系クリヤの割合が多くなって耐汚染性は向上す
るものの塗膜の硬度が低下するためである。 【0015】本発明の無機系クリヤおよび無機系ソリッ
ドの主成分は(Si−O)、(Si−K)、《RSi(O
R)3 》等のガラス質皮膜であり、これらの結合エネル
ギーはフッ素(C−F)、炭素(C−C)に比べ著しく
大きいとされている。無機固形分が20重量%未満、70重
量%超で塗膜物性が劣り、無機系クリヤ/無機系ソリッ
ドの比に適正範囲があるのはこれらの結合エネルギーの
安定性、造膜性に起因していると推定される。 【0016】無機系塗料を塗装する金属基材としては、
普通鋼板(Fe板)、ステンレス鋼板、Alを、さらに例え
ばAlめっき、Znめっき、Al−Zn合金めっき、Snめっき等
を普通鋼板にめっきしためっき鋼板が適用され、適正な
無機固形分濃度および無機系クリヤ/無機系ソリッドの
比を持った無機系塗料を直接塗装することが一般的であ
るが、下地塗装として粉体および溶剤プライマ塗装した
上に塗装することも可能である。無機系塗料の塗膜厚は
特に規制しないが30〜60μm が適当である。 【0017】以上述べたように、無機系クリヤと無機系
ソリッドを、それらの無機固形分で20〜70重量%、無機
系クリヤ/無機系ソリッドの重量比で 0.3〜15となるよ
うに混合してなる無機系塗料を金属基材に塗装すること
によって、従来の塗装鋼板などに見られなかった耐候
性、耐食性と同時に塗膜の硬度、耐汚染性に優れた建材
用内外装塗装パネルを得ることが可能である。 【0018】 【実施例】以下に本発明の実施例を示して具体的に説明
する。 (実施例1) 金属基材:ステンレス鋼板(SUS304) 塗装:無機系塗料 無機固形分:40%(重量比) 無機系クリヤ/無機系ソリッドの比: 0.5 の組成からなる無機系塗料を塗装した。 【0019】従来の塗装鋼板 金属基材:ステンレス鋼板(SUS304) 塗料:アクリル樹脂 を比較例(No.1)として耐候性をサンシャイン試験(50
00h後の塗膜光沢保持率で評価)で、耐食性をSST
(3000h後のクロスカット部の塗膜フクレ状態で評価)
の促進試験で、また塗膜硬度を鉛筆硬度試験で、耐汚染
性をカーボン汚染試験でそれぞれ試験した。 【0020】本発明(実施例1)の塗膜は、サンシャイ
ン5000h後の光沢保持率は約95%、SST3000h後の塗
膜フクレ無、塗膜硬度7H、カーボン汚れ無の耐汚染性
であったのに対し、従来塗装鋼板(比較例1)の塗膜は
サンシャイン光沢保持率約35%、SST3000h後の塗膜
フクレ幅2mm、塗膜硬度2H、耐汚染性3(カーボン汚
れ多い)を示し、塗膜のいずれの物性も実施例1より著
しく劣っていた。表1に本発明に係る実施例と比較例に
よる種々の塗装パネルの塗膜の耐候性、耐食性、硬度、
耐汚染性を示す。 【0021】 【表1】 【0022】試験法を以下にまとめて説明する。 耐候性(サンシャイン試験) 試験前およびサンシャイン試験5000h後に塗膜の光沢測
定し、試験前後の光沢度の差を光沢保持率(試験後光沢
度/試験前光沢度×100 =光沢保持率)で示した。 耐食性(SST) 塗装板に素地まで達するクロスカットを入れ、3000hS
ST試験後クロスカット部の塗膜フクレ幅(片側・m/m
)を測定して示した。 塗膜硬度 塗膜表面硬度を一定荷重(1kg)を載せた、種々の硬度
の鉛筆を当て、塗膜表面に傷がついた鉛筆硬度を硬度と
して示した。 耐汚染性 カーボン粉末を溶解した水溶液を塗膜表面に一滴落下
し、24h放置後水洗して、カーボン汚染程度を目視観察
した。 【0023】塗膜の物性の各試験結果の評価法を以下に
まとめて説明する。 耐候性(サンシャイン5000h後の評価) ○:光沢保持率85%以上 △:光沢保持率84〜70% ×:光沢保持率69%以下 塗膜密着性(2mm間隔で10×10= 100枡目をカッター
ナイフで傷入れ後、セロハンテープ剥離) 10:剥離無、8:傷の交点に剥離有、6:剥離5〜15
%、4:剥離15〜35%、2:剥離35〜65%、0:65%以
上 耐食性(SST3000h) 5:変化無、4:フクレ片側1mm以下、3:フクレ 1.1
〜3mm、2: 3.1〜5mm、1: 5.1mm以上 塗膜硬度(鉛筆硬度) ○:7H以上、△:6〜4H、×:3H以下 耐汚染性 5:汚れ0%、4:10%以内、3:11〜20%、2:21〜
50%、1:51%以上 【0024】 【発明の効果】この発明によると、塗膜の耐候性、耐食
性などの耐久性および高硬度、良耐汚染性の特性を同時
に満足する建材用塗装金属パネルを製造することがで
き、建材用塗装パネルとして益々需要拡大が期待でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23D 5/00 C09D 1/00 C09D 5/16 E04F 13/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 機系クリヤと無機系ソリッドを、それ
    らの無機固形分で20〜70重量%、無機系クリヤ/無機系
    ソリッドの重量比で 0.3〜15となるよう混合し、金属基
    材上に塗装したことを特徴とする塗膜の硬度および耐汚
    染性に優れた建材用塗装金属パネル。
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