JP2001172545A - コーティング組成物 - Google Patents

コーティング組成物

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JP2001172545A JP2000292858A JP2000292858A JP2001172545A JP 2001172545 A JP2001172545 A JP 2001172545A JP 2000292858 A JP2000292858 A JP 2000292858A JP 2000292858 A JP2000292858 A JP 2000292858A JP 2001172545 A JP2001172545 A JP 2001172545A
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Shigeki Iida
繁樹 飯田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機塗装膜が形成された基材表面、あるいは金
属、プラスチックあるいはガラスなどのその他の一般的
な基材表面に対して、汚染物質除去性、耐久性などを向
上することができるコーティング組成物を提供する。 【解決手段】可視光に対して透明でかつ導電性を有する
酸化スズなどの金属酸化物の超微粒子と、イソシアネー
トシランでシリル化されたポリビニルアルコールを含む
バインダーとを含有し、さらにコロイダルシリカと、溶
媒として、水、グリコールエーテル系、アルコール系な
どの親水系溶媒を含有するコーティング組成物、あるい
は、コロイダルシリカと、上記イソシアネートシランで
シリル化されたポリビニルアルコールを含むバインダー
とを含有し、さらに上記親水性溶媒を含有するコーティ
ング組成物とする。基材1上に形成された有機塗装膜な
どの塗装膜2上に、あるいは、基材上に直接塗装され
て、保護膜3として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコーティング組成物
に関し、特に乗用車や列車などの車両本体の外装用、あ
るいは、一般家屋やオフィスビルなどの建築物の外装用
などに用いられ、汚れを付着しにくくすることができ、
汚染物質の流水による汚染除去性に優れているコーティ
ング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用車や列車などの車両本体の外装ある
いは一般家屋やオフィスビルなどの建築物の外装には、
外観の美観を高めたり、基材を錆などの腐食から保護す
るために、有機高分子塗料による塗装が広く施されてい
る。以下、有機高分子塗料により塗装された膜を有機高
分子塗装膜、あるいは単に有機塗装膜という。
【0003】上記の有機塗装膜が表面に形成された車両
本体や建築物は外気に曝されているため、空気中に浮遊
する汚染物質が静電気の吸引力や雨水を媒体として上記
の有機塗装膜に付着してしまう。すなわち、車両本体や
建築物の表面は汚染され、外観が汚くなる。さらに、こ
の汚染物質は経時的に有機塗装膜に固着してしまい、降
雨や流水のみによる洗浄では落ちなくなる。
【0004】有機塗装膜上に付着した汚染物質の汚染除
去性に関して、相対接触する複数の物質界面エネルギー
の理論により、上記有機塗装膜表面の水滴接触角が小さ
い、即ち、有機塗装膜表面の親水性が高いほど、汚染物
質の流水による汚染物質除去性に優れていることが知ら
れている。
【0005】図2は、空気中(A)および水中(W)に
おける、種々の水滴接触角を有する基材表面に対する炭
素結合エネルギーを実験的に求めた結果をプロットした
図である。ここで、炭素とは汚染物質を代表する物質で
あり、炭素結合エネルギーが小さいほど、汚染物質が除
去されやすいことを示している。図中、水中(W)で
は、基材表面の水滴接触角が小さいほど、即ち、基材表
面の親水性が高いほど、炭素結合エネルギーが小さくな
り、流水による汚染物質除去性に優れていることを示し
ている。自動車や建築物の塗装に使用されている一般的
な有機塗装膜の表面の水滴接触角は75〜105°と大
きいために、上記結果によると汚染物質が付着しやすい
表面となっていた。
【0006】有機塗装膜の表面など、基材表面の水滴接
触角を小さくする親水性のコーティング材を塗装する方
法として、ポリビニルアルコールなどの親水性有機高分
子の水溶液をコーティングする方法や、光触媒機能を有
する酸化チタン微粒子を溶媒に分散した分散物をコーテ
ィングする方法が開発された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水溶性
有機高分子の水溶液をコーティングする方法は、基材表
面の水滴接触角を小さくすることにより、流水による汚
染物質除去性を向上させることができるが、雨や流水に
よってコーティング膜が溶解および流出してしまうので
耐久性に問題がある。
【0008】光触媒機能を有する酸化チタン微粒子溶液
をコーティングする方法は、水を光触媒により分解し、
発生する活性酸素によって水滴接触角を小さくすること
ができ、汚染物質除去性を向上させることができるが、
基材である塗装膜をも分解劣化させるという問題があ
る。
【0009】また、予め表面を親水性となるように加工
したフィルムを粘着剤を介して基材表面に貼付する方法
がある。しかし、このフィルムは基材の形状に合わせて
貼付する必要があり、基材が複雑な形状である場合には
その貼付が非常に困難となる。
【0010】上記のような汚染物質除去性が問題となる
表面としては、上記の有機塗装膜に限らず、プラスチッ
クやガラスなどのその他の一般的な基材表面についても
同様の状況となっている。
【0011】本発明は上記の問題に鑑みてなされたもの
であり、従って本発明の目的は、有機塗装膜が形成され
た基材表面、あるいは金属、プラスチックあるいはガラ
スなどのその他の一般的な基材表面に対して、汚染物質
除去性、耐久性などを向上することができるコーティン
グ組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のコーティング組成物は、可視光に対して透
明であり、かつ導電性を有する金属酸化物の超微粒子
と、イソシアネートシランでシリル化されたポリビニル
アルコールを含むバインダーとを含有する。
【0013】上記の本発明のコーティング組成物におい
て、イソシアネートシランとは、
【0014】
【化1】
【0015】で表される化合物(R1 ,R2 ,R3 およ
びR4 は水素、アルキル基あるいはアルコキシ基などの
一価の置換基であり、R1 ,R2 ,R3 およびR4 のう
ちの少なくとも1つの置換基がイソシアネート基(−N
=C=O)を含む)であり、ポリビニルアルコール
((−CH2 −CHOH−)n )にシリル基(−SiR
123 (R1 ,R2 およびR3 は水素、アルキル基
あるいはアルコキシ基などの一価の置換基))を導入す
ることができる。
【0016】上記のシリル化されたポリビニルアルコー
ルを含むバインダーは、親水性の高い表面、すなわち水
滴接触角の小さい表面を提供することができ、例えば、
水滴接触角を9度程度とすることができる。
【0017】さらに、イソシアネートシランでシリル化
されたポリビニルアルコールを含むバインダーは、シリ
ル基が導入されることで水または雨に溶出しにくくなっ
ており、これによって本発明のコーティング組成物を塗
装して形成されたコーティング層においては、当該コー
ティング層の耐久性を向上させることができる。
【0018】また、上記の本発明のコーティング組成物
は、可視光に対して透明であり、かつ導電性を有する金
属酸化物の超微粒子を含有する。物質表面の静電気によ
る汚染物質の付着量は、表面の導電性が小さい、即ち表
面の電気抵抗値が大きくなるほど多くなる。これは、電
気抵抗値が大きいほど帯電半減期が長くなり、静電気に
より汚染物質が付着しやすくなるからである。例えば、
自動車や建築物の塗装に使用されている一般的な有機塗
装膜の表面の帯電半減期が40〜60分と長い。上記の
問題に対して、本発明のコーティング組成物を塗装して
形成されたコーティング層においては、上記の導電性を
有する金属酸化物の超微粒子により、電気抵抗値が小さ
くなり、静電気の除電を速やかに行うことができ、本発
明のコーティング組成物を塗装したコーティング層表面
の帯電半減期を大幅に短くすることができる。従って、
物質表面の静電気による汚染物質の付着量を小さくする
ことができる。また、上記の金属酸化物の超微粒子は、
可視光に対して透明であり、コーティング層を形成する
表面の外観を損なうことがない。
【0019】上記のように、本発明のコーティング組成
物は、有機塗装膜、金属、プラスチックあるいはガラス
などの基材上に塗装され、その塗装膜表面の水滴接触角
をより小さくし、同時に当該表面の電気抵抗値をより小
さくして、汚染物質除去性、耐久性などを向上すること
ができる。
【0020】上記の本発明のコーティング組成物は、好
適には、前記金属酸化物が、少なくとも酸化スズあるい
は酸化インジウムのいずれかを含有する。また、好適に
は、前記金属酸化物の超微粒子の平均粒径が、5〜15
nmの範囲内にある。平均粒径が、5〜15nmの範囲
内にある酸化スズあるいは酸化インジウムなど金属酸化
物の超微粒子は、可視光に対して透明とすることができ
る。
【0021】上記の本発明のコーティング組成物は、好
適には、さらに、コロイダルシリカを含有する。コロイ
ダルシリカを含有することにより、さらにコーティング
層表面の親水性を向上させることができる。
【0022】また、上記の目的を達成するため、本発明
のコーティング組成物は、コロイダルシリカと、イソシ
アネートシランでシリル化されたポリビニルアルコール
を含むバインダーとを含有する。上記の本発明のコーテ
ィング組成物は、好適には、前記コロイダルシリカの平
均粒径が、5〜15nmの範囲内にある。
【0023】上記の本発明のコーティング組成物は、シ
リル化されたポリビニルアルコールを含むバインダーに
より、親水性の高い表面、すなわち水滴接触角の小さい
表面を提供することができ、例えば、水滴接触角を9度
程度とすることができ、また、シリル基が導入されるこ
とで水または雨に溶出しにくくなっており、これによっ
て本発明のコーティング組成物を塗装して形成されたコ
ーティング層においては、当該コーティング層の耐久性
を向上させることができる。さらにコロイダルシリカを
含有することにより、さらにコーティング層表面の親水
性を向上させることができる。
【0024】上記のように、本発明のコーティング組成
物は、有機塗装膜、金属、プラスチックあるいはガラス
などの基材上に塗装され、その塗装膜表面の水滴接触角
をより小さくし、汚染物質除去性、耐久性などを向上す
ることができる。
【0025】上記の本発明のコーティング組成物は、好
適には、溶媒として、水、グリコールエーテル系親水性
溶媒、アルコール系親水性溶媒またはこれらの混合物を
含有する。上記の溶媒で希釈することにより、粘度など
が調節されて塗布性に優れたコーティング組成物とする
ことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコーティング組成
物の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】第1実施形態 本実施形態のコーティング組成物は、可視光に対して透
明であり、かつ導電性を有する金属酸化物の超微粒子
と、イソシアネートシランでシリル化されたポリビニル
アルコールを含むバインダーとを含有する。
【0028】上記の本実施形態のコーティング組成物に
おいて、イソシアネートシランとは、
【0029】
【化2】
【0030】で表される化合物である。ここで、R1
2 ,R3 およびR4 は水素、アルキル基あるいはアル
コキシ基などの一価の置換基であり、R1 ,R2 ,R3
およびR4 のうちの少なくとも1つの置換基が、イソシ
アネート基(−N=C=O)を含んでいる。
【0031】上記のイソシアネートシランは、ポリビニ
ルアルコールにシリル基を導入することができる。上記
のシリル基とは、(−SiH3 )基に限らず、(−Si
123 (R 1 ,R2 およびR3 は水素、アルキル
基あるいはアルコキシ基などの一価の置換基))で表さ
れる置換基である。
【0032】上記のイソシアネートシランの例として
は、例えば、
【0033】
【化3】
【0034】で表される化合物を好ましく用いることが
できる。上記のイソシアネートシラン化合物bを用い
て、ポリビニルアルコールをシリル化するときの反応式
を次に示す。
【0035】
【化4】
【0036】上記のように、イソシアネートシラン化合
物bのイソシアネート基とポリビニルアルコールcの水
酸基との水素の転移を伴う付加反応(S1)により、
(−Si(OC253 )基が導入されたポリビニル
アルコールdが得られる。次に、上記の(−Si(OC
253 )基は、加水分解反応(S2)により、(−
Si(OH)3 )基に変換され、化合物eが得られる。
上記の化合物eにおいては、重合モル比としては、例え
ばポリビニルアルコール:(−Si(OC253
基=10:1程度とする、即ち、ポリビニルアルコール
中の全水酸基の10%程度がシリル基に置換されている
程度とすることができる。
【0037】上記のシリル化されたポリビニルアルコー
ルを含むバインダーは、親水性の高い表面、すなわち水
滴接触角の小さい表面を有し、さらに耐久性を向上させ
ることができるコーティング層を提供することができ
る。上記の水滴接触角としては、例えば9度程度とする
ことができる。
【0038】また、上記の本実施形態のコーティング組
成物は、可視光に対して透明であり、かつ導電性を有す
る金属酸化物の超微粒子を含有する。上記の導電性を有
する金属酸化物の超微粒子により、電気抵抗値が小さく
なり、静電気の除電を速やかに行うことができ、物質表
面の静電気による汚染物質の付着量を少なくすることが
できる。
【0039】上記の本実施形態のコーティング組成物に
おいて、導電性を有する金属酸化物としては、例えば少
なくとも酸化スズあるいは酸化インジウムのいずれかを
含有する金属酸化物を用いることができる。また、金属
酸化物の超微粒子の平均粒径が、5〜15nmの範囲内
にあることが好ましい。この範囲より大きいと可視光に
対する透明性が低下し、また、この範囲より小さいと、
電気抵抗値を小さくする効果が低下してしまう。上記の
ように、平均粒径が、5〜15nmの範囲内にある酸化
スズあるいは酸化インジウムなど金属酸化物の超微粒子
は、コーティング層の電気抵抗値を小さく制御し、さら
に可視光に対して透明とすることができる。
【0040】上記の本実施形態のコーティング組成物
は、さらに、コロイダルシリカを含有することが好まし
い。コロイダルシリカを含有することにより、さらにコ
ーティング層表面の親水性を向上させることができる。
【0041】上記の本実施形態のコーティング組成物
は、溶媒として、水、グリコールエーテル系親水性溶
媒、アルコール系親水性溶媒またはこれらの混合物を含
有することが好ましい。上記の溶媒で希釈することによ
り、粘度などが調節されて塗布性に優れたコーティング
組成物とすることができる。
【0042】図1は、上記の本実施形態のコーティング
組成物を基材上にコーティングして形成した被コーティ
ング物の断面図である。基材1上に、基材の腐食防止や
装飾などの目的で有機高分子塗装膜などの塗装膜2が形
成されており、その上層に本実施形態のコーティング組
成物がコーティングされて保護膜3が形成されている。
【0043】上記の基材としては、特に限定はないが、
例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅などの金
属系基材、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポ
リ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビ
ニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル樹脂、ポリメタアクリル酸メチルなどのアクリル
樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネートな
どのプラスチック系基材、強化ガラス、無アルカリガラ
ス、石英ガラスなどのガラス系基材など、各種基材を用
いることができる。また、図1において有機高分子塗装
膜などの塗装膜2が形成されているが、この塗装膜2は
必ずしも形成する必要はなく、用途に合わせて形成する
ことができる。
【0044】上記の基材上に本実施形態のコーティング
組成物をコーティングする方法としては、例えば通常の
グラビアコート、ロールコート、バーコートまたはスク
リーン印刷法、あるいはこれらの組み合わせなど、種々
の方法を用いることができる。
【0045】上記の本実施形態のコーティング組成物に
よれば、乗用車や列車などの車両本体の外装、あるい
は、窓ガラスを含む一般家屋やオフィスビルなどの建築
物の外装として、基材上に塗装され、その塗装膜表面の
水滴接触角をより小さくし、同時に当該表面の電気抵抗
値をより小さくして、汚染物質除去性、耐久性などを向
上することができる。
【0046】第2実施形態 本実施形態のコーティング組成物は、コロイダルシリカ
と、イソシアネートシランでシリル化されたポリビニル
アルコールを含むバインダーとを含有する。
【0047】上記のイソシアネートシランとは、第1実
施形態において説明したものであり、親水性の高い表
面、すなわち水滴接触角の小さい表面を有し、さらに耐
久性を向上させることができるコーティング層を提供す
ることができる。上記の水滴接触角としては、例えば9
度程度とすることができる。
【0048】また、上記の本実施形態のコーティング組
成物は、コロイダルシリカを含有する。コロイダルシリ
カを含有することにより、さらにコーティング層表面の
親水性を向上させることができる。コロイダルシリカの
平均粒径は、5〜15nmの範囲内にあることが好まし
く、この範囲より大きいと、得られるコーティングの透
明性が低下し、また、この範囲より小さいと、親水性を
向上させる効果が低下してしまう。
【0049】上記の本実施形態のコーティング組成物
は、溶媒として、水、グリコールエーテル系親水性溶
媒、アルコール系親水性溶媒またはこれらの混合物を含
有することが好ましい。上記の溶媒で希釈することによ
り、粘度などが調節されて塗布性に優れたコーティング
組成物とすることができる。
【0050】本実施形態のコーティング組成物は、第1
実施形態に示した種々の基材上に、第1実施形態で示し
た各種のコーティング方法によりコーティングすること
ができ、これにより、第1実施形態と同様に図1の断面
図に示すような被コーティング物を形成することができ
る。
【0051】上記の本実施形態のコーティング組成物に
よれば、乗用車や列車などの車両本体の外装、あるい
は、窓ガラスを含む一般家屋やオフィスビルなどの建築
物の外装として、基材上に塗装され、その塗装膜表面の
水滴接触角をより小さくし、汚染物質除去性、耐久性な
どを向上することができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。尚、下記実施例においては、イソシアネートシラン
によりシリル化されたポリビニルアルコールとしては、
上記において説明した化合物eを用いた。
【0053】実施例1 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Aを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例1を作成した。
【0054】 コーティング剤A: 平均粒径5nm(粒径分散10%)酸化スズ超微粒子 (水中15%分散液) : 3重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) :10重量部 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) : 9重量部 脱イオン水(溶媒) :78重量部
【0055】実施例2 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Bを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例2を作成した。
【0056】 コーティング剤B: 平均粒径5nm(粒径分散10%)酸化スズ超微粒子 (水中15%分散液) : 3重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) :10重量部 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) : 9重量部 脱イオン水(溶媒) :20重量部 グリコールエーテル系溶媒 :58重量部
【0057】実施例3 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Cを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例3を作成した。
【0058】 コーティング剤C: 平均粒径5nm(粒径分散10%)酸化スズ超微粒子 (水中15%分散液) : 5重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) :10重量部 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) : 7重量部 脱イオン水(溶媒) :78重量部
【0059】実施例4 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Dを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例4を作成した。
【0060】 コーティング剤D: 平均粒径5nm(粒径分散10%)酸化スズ超微粒子 (水中15%分散液) : 5重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) :10重量部 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) : 7重量部 脱イオン水(溶媒) :20重量部 グリコールエーテル系溶媒 :58重量部
【0061】実施例5 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Eを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例5を作成した。
【0062】 コーティング剤E: 平均粒径5nm(粒径分散10%)酸化スズ超微粒子 (水中15%分散液) : 7重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) :10重量部 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) : 5重量部 脱イオン水(溶媒) :78重量部
【0063】実施例6 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Fを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例6を作成した。
【0064】 コーティング剤F: 平均粒径5nm(粒径分散10%)酸化スズ超微粒子 (水中15%分散液) : 7重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) :10重量部 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) : 5重量部 脱イオン水(溶媒) :20重量部 グリコールエーテル系溶媒 :58重量部
【0065】実施例7 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Gを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例7を作成した。
【0066】 コーティング剤G: 平均粒径5nm(粒径分散10%)酸化インジウム超微粒子 (水中15%分散液) : 3重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) :10重量部 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) : 9重量部 脱イオン水(溶媒) :78重量部
【0067】実施例8 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Hを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例8を作成した。
【0068】 コーティング剤H: 平均粒径5nm(粒径分散10%)酸化インジウム超微粒子 (水中15%分散液) : 3重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) :10重量部 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) : 9重量部 脱イオン水(溶媒) :20重量部 グリコールエーテル系溶媒 :58重量部
【0069】実施例9 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Iを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例9を作成した。
【0070】 コーティング剤I: 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) : 6重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) : 2重量部 脱イオン水(溶媒) :92重量部
【0071】実施例10 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Jを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて実施例10を作成した。
【0072】 コーティング剤J: 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) :12重量部 イソシアネートシランによりシリル化されたポリビニルアルコール (5%水溶液) : 4量部 脱イオン水(溶媒) :69重量部 グリコールエーテル系溶媒 :15重量部
【0073】比較例1 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Kを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて比較例1を作成した。
【0074】 コーティング剤K: 平均粒径15nm(粒径分散5%)コロイダルシリカ (水中分散物) :12重量部 アイソタクティック型ポリビニルアルコール (5%水溶液) :10重量部 脱イオン水(溶媒) :78重量部
【0075】比較例2 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に界面活性剤
配合コーティング剤を塗布し、比較例2を作成した。
【0076】比較例3 厚さ0.5mmの鉄板からなる基材上に、評価用の白色
アクリルウレタン塗料を塗布し、その上層に下記の組成
のコーティング剤Lを塗布量20g/m2 の割合で塗布
し、乾燥させて比較例3を作成した。
【0077】 コーティング剤L: 平均粒径15nm(粒径分散10%)酸化チタン超微粒子 (水中15%分散液) : 9重量部 アイソタクティック型ポリビニルアルコール (5%水溶液) : 7重量部 脱イオン水(溶媒) :84重量部
【0078】人工汚染物付着試験:上記実施例および比
較例で得られた各サンプルに、下記組成の人工汚染物を
付着させ、80℃で24時間放置した後、水洗による上
記人工汚染物の洗浄状況を目視により調べた。結果を表
1に示した。表1中、○は人工汚染物が十分に洗浄され
たことを示し、△は一部残渣が確認されたことを示し、
×は人工汚染物が付着したことを示す。
【0079】人工汚染物組成: カーボンブラック: 2.3重量部 試験ダスト12種: 9.3重量部 イエローオーカー: 62.8重量部 焼成関東ローム: 20.9重量部 シリカ粉: 4.7重量部
【0080】耐候性試験:上記実施例および比較例で得
られた各サンプルを、90日間屋外に放置し、その汚染
状況を目視により調べた。結果を表1に示した。表1
中、○は汚れが目立たない程度であることを示し、△は
雨水によりコーティングが溶出してしまったことを示
し、▽は評価用の白色アクリルウレタン塗料が劣化して
いること(チョーキング現象)を示し、×は著しく汚染
されたことを示す。
【0081】窒素酸化物発生試験:上記実施例および比
較例で得られた各サンプル表面での窒素酸化物発生状況
を調べた。結果を表1に示した。表1中、○は窒素酸化
物が発生していないことを示し、×は窒素酸化物が発生
していることを示す。
【0082】
【表1】
【0083】表1から明らかなように、実施例1〜10
のサンプルは、比較例1〜3のサンプルに比べて、人工
汚染物付着、耐候性試験および窒素酸化物発生試験にお
いて優れた結果を示しており、本発明の汚れ防止コーテ
ィング剤により汚れが付着しにくくなっていることが確
認された。
【0084】本発明は上記の実施の形態に限定されな
い。例えば、コロイダルシリカは必ずしも必要ではな
い。また、水、グリコールエーテル系溶媒、あるいはア
ルコール系溶媒以外の溶媒を用いることも可能である。
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更を
することができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
乗用車や列車などの車両本体の外装、あるいは、窓ガラ
スを含む一般家屋やオフィスビルなどの建築物の外装と
して、基材上に塗装され、その塗装膜表面の水滴接触角
をより小さくし、さらには同時に当該表面の電気抵抗値
をより小さくすることなどにより、汚染物質除去性、耐
久性などを向上することができるコーティング組成物が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るコーティング組成物を基
材上にコーティングして形成した被コーティング物の断
面図である。
【図2】空気中(A)および水中(W)における、種々
の水滴接触角を有する基材表面に対する炭素結合エネル
ギーを実験的に求めた結果をプロットした図である。
【符号の説明】
1…基材、2…塗装膜、3…保護膜。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可視光に対して透明であり、かつ導電性を
    有する金属酸化物の超微粒子と、 イソシアネートシランでシリル化されたポリビニルアル
    コールを含むバインダーとを含有するコーティング組成
    物。
  2. 【請求項2】前記金属酸化物が、少なくとも酸化スズあ
    るいは酸化インジウムのいずれかを含有する請求項1に
    記載のコーティング組成物。
  3. 【請求項3】前記金属酸化物の超微粒子の平均粒径が、
    5〜15nmの範囲内にある請求項1または2に記載の
    コーティング組成物。
  4. 【請求項4】さらに、コロイダルシリカを含有する請求
    項1〜3のいずれかに記載のコーティング組成物。
  5. 【請求項5】コロイダルシリカと、 イソシアネートシランでシリル化されたポリビニルアル
    コールを含むバインダーとを含有するコーティング組成
    物。
  6. 【請求項6】前記コロイダルシリカの平均粒径が、5〜
    15nmの範囲内にある請求項5に記載のコーティング
    組成物。
  7. 【請求項7】溶媒として、水、グリコールエーテル系親
    水性溶媒、アルコール系親水性溶媒またはこれらの混合
    物を含有する請求項1〜6のいずれかに記載のコーティ
    ング組成物。
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