JP3401922B2 - 無線ボタン電話装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、子機と親機とが無線で
接続される無線ボタン電話装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】無線ボタン電話装置は、親機と複数の子
機により構成される。以下、図面を参照しながら従来の
無線ボタン電話装置の構成について説明する。図７
（ａ）は従来の無線ボタン電話装置に於ける親機の構成
図、図７（ｂ）は同じく子機の構成図である。

【０００３】図７（ａ）に於いて、１は親機の接続され
る回線に対して、回線捕捉信号、切断信号、および選択
信号を出力し、かつ音声信号の通話路を確保する回線制
御手段である。２は着信時回線上に発生するベル信号を
検出するベル検知手段である。これら回線制御手段１と
ベル検知手段２と合わせて、外線インタフェース部６を
構成する。

【０００４】３は子機通信制御手段であり、子機すなわ
ち専用無線ボタン電話機と制御データおよび音声信号の
送受信を行い、複数個用意することで複数の子機に対応
する。４は通話路スイッチであり、任意の外線インタフ
ェース部６と任意の子機通信制御手段３との音声通信路
を接続、解放するものである。５は交換制御手段であ
り、ベル検知手段２および子機通信制御手段３より内外
線の物理変化を検出し、状態変化に応じて回線制御手段
１や通話路スイッチ４を制御する手段である。

【０００５】図７（ｂ）に於いて、７は子機である。子
機７において、８は外線インタフェース部６に接続され
る回線が通話中とか着信中などの状態を表す回線状態表
示ランプ、９はダイヤル発信などの為の操作ボタンであ
る。

【０００６】以上のように構成された従来の無線ボタン
電話装置について、以下その動作を説明する。まず、子
機７から発信する場合、回線状態表示ランプ８で外線イ
ンタフェース部６に接続される回線が空いていることを
確認し、その空いている回線を捕捉した後、操作ボタン
９を押下して発信を行う。この際、回線状態表示ランプ
８は自己通話中であることを表示する。次に子機７で着
信に応答する場合についてその動作を説明する。ベル検
知手段２で着信信号を検出すると、子機７は回線状態表
示ランプ８に着信中の状態表示を行い、リンガを鳴動さ
せる。この状態で操作ボタン９を押下すると着信に応答
して通話可能となり、回線状態表示ランプ８は通話中の
状態表示に変化する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の無線ボタン電話装置では、子機の回線状態表示
ランプには親機に接続される回線の状態しか表示されな
いため、親機を構内自動交換機の内線ポートに内線端末
機として接続した場合、構内自動交換機に接続される外
線に発信したくても、その使用状態を知ることができ
ず、また構内自動交換機で保留された外線の保留解除や
構内自動交換機の内線電話機への転送ができないなど、
構内自動交換機の内線に接続された他の電話機とは操作
性や利用可能なサービスが異なるという問題点があっ
た。従って、無線ボタン電話装置を構内自動交換機の内
線として使用するためには、構内自動交換機そのものを
改造するか、対応可能な専用機を選ぶという方法しか取
れなかった。

【０００８】本発明は上記課題を解決するために為され
たものであり、無線ボタン電話装置の親機を構内自動交
換機に接続する場合と直接公衆電話回線に接続する場合
とで自動的に機能の切換を行って、無線ボタン電話装置
の子機の操作性を向上させることのできる無線ボタン電
話装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の課題を解
決するため、親機において、ホスト構内交換機に接続さ
れた状態では、ホスト構内交換機から送られる該ホスト
構内交換機の外線状態信号を子機向けの信号に変換し、
この変換した信号を回線状態表示信号として子機へ送
り、ホスト構内交換機が介在しない状態では子機に対し
て親機の外線状態を示す回線状態表示信号を送信するよ
うに制御する制御手段を設けるとともに、子機において
は親機から送られた回線状態表示信号に従って回線状態
表示手段に回線状態を表示する子機制御手段を設けたも
のである。

【００１０】また親機において、親機の外線に接続され
る回線がホスト構内自動交換機であるか公衆電話回線で
あるかを判別し、ホスト構内自動交換機であった場合に
はデータ通信を行う構内自動交換機通信制御手段と、ホ
スト構内自動交換機の回線状態表示情報を子機へのデー
タに変換するための回線状態表示変換手段と、子機のボ
タン押下情報をホスト構内自動交換機へのデータに変換
するためのボタン情報変換手段とを設けたものである。

【００１１】

【作用】以上のように構成したことにより、本発明の無
線ボタン電話装置の親機が公衆電話回線に接続されてい
る場合には、通常のボタン電話装置として動作して、無
線子機の回線状態表示ランプに親機の外線状態を表示
し、従来のボタン電話装置と同様の操作性を提供するこ
ととなる。

【００１２】それに対して同無線ボタン電話装置の親機
が構内自動交換機に接続されている場合には、無線ボタ
ン電話の接続装置として動作を行い、無線子機の回線状
態表示ランプにホスト構内自動交換機の外線状態を表示
し、収容される無線子機をあたかもホスト構内自動交換
機の子機のように動作させることができるため、ホスト
構内自動交換機本体の変更や子機操作性の変更無しに、
無線ボタン電話装置の携帯性と利便性を提供することが
可能となる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例に於ける無線ボタン
電話装置について、図面を参照しながら説明する。図１
（ａ）は本発明の一実施例に於ける無線ボタン電話装置
の親機の構成図、図１（ｂ）は同無線ボタン電話装置の
専用無線ボタン電話機すなわち子機の構成図である（以
下、子機とする）。

【００１４】図１（ａ）に於いて、親機の一本の外線は
通話路線（Ｔ−Ｒ線）とデータ通信線（Ｈ−Ｌ線）から
成り、親機はこのような外線を複数備えている。１０は
親機の通話路線（Ｔ−Ｒ線）に接続される回線（例えば
公衆電話回線またはホスト構内自動交換機の内線）に対
して、回線捕捉信号、切断信号、および選択信号を出力
し、また音声信号の通話路を確保する回線制御手段であ
る。

【００１５】１１は着信時、回線上に発生するベル信号
を検出するベル検知手段である。１２は親機の外線に図
３に示すようにホスト構内自動交換機３０を接続した場
合に、ホスト構内自動交換機３０の専用ボタン電話機と
して、データ通信線（Ｈ−Ｌ線）を介してホスト構内自
動交換機３０との間でデータ通信を行う通信制御手段で
ある。また通信制御手段１２は、データ通信線（Ｈ−Ｌ
線）を介してデータ通信がなされているか否かを確認す
ることにより、親機の外線にホスト構内自動交換機３０
が接続されているか、または親機の外線に公衆電話回線
が接続されているかを自動的に判別する。

【００１６】以上の回線制御手段１０、ベル検知手段１
１、通信制御手段１２を組にして外線インタフェース部
１８が構成され、この外線インタフェース部１８は親機
に接続される外線の数だけ用意されている。

【００１７】１３は子機の制御データおよび音声信号の
送受信を行う子機通信制御手段である。この子機通信制
御手段１３は複数個用意され、複数子機の同時使用が可
能となる。１４は通話路スイッチであり、任意の外線イ
ンタフェース部１８と任意の子機通信制御手段１３の音
声通信路を接続、解放するものである。

【００１８】１５は交換制御手段であり、ベル検知手段
１１および子機通信制御手段１３より内外線の物理変化
を検出し、状態変化に応じて回線制御手段１０や通信制
御手段１２、および通話路スイッチ１４を制御する手段
である。

【００１９】図１（ｂ）に於いて、１９は子機を示して
いる。子機１９において、２０は外線インタフェース部
１８に接続される回線が通話中または着信中などの状
態、あるいは前記ホスト構内自動交換機３０の外線に接
続される回線が通話中または着信中などの状態を表す回
線状態表示ランプである。２１は子機を操作するダイヤ
ルなどの操作ボタンである。また子機１９には、親機か
ら送られた回線空き状態表示信号に従って回線状態表示
ランプ２０を点灯する子機制御手段が備わっている。

【００２０】以上のように構成された無線ボタン電話装
置について、以下その動作を図１（ａ），（ｂ）及び図
２を用いて説明する。

【００２１】図２は本発明の一実施例に於ける無線ボタ
ン電話装置の親機の動作を示すフローチャートである。
親機は、外線インタフェース部１８で検出した回線変化
情報や、子機通信制御手段１３で検出した子機１９のキ
ー操作情報により、本フローチャートに示す動作を行
う。

【００２２】親機の外線が直接公衆電話回線に接続され
ている場合（即ちホスト構内自動交換機が介在しない場
合）は、通信制御手段１２にデータ通信が発生していな
い（データ通信：構内交換機が各内線に出力する）。こ
のように通信制御手段１２にデータ通信が入力していな
い場合には（ステップ１）、親機は単独の無線ボタン電
話装置の親機として動作する。ここで、子機通信制御手
段１３や、ベル検知手段１１から状態変化の情報を受け
た際、ステップ２で親機と子機１９との間に既に無線通
信リンクが確定しているならば直接ステップ４に進み、
または親機と子機１９との間に無線通信リンクが確定し
ていないならばステップ３にて無線通信リンクの確立処
理を行った後、ステップ４に進んで交換制御手段１５に
て子機通信制御手段１３で受けた子機１９からの発呼、
およびベル検知手段１１で検出した親機の外線ラインか
らの着呼等の交換処理制御を行って、目的とする通話路
スイッチ１４を制御し、外線通話および内線通話を可能
とする。

【００２３】交換処理制御の結果、親機の外線状態に何
らかの状態変化が発生した場合には、回線状態表示ラン
プ２０に通話中、着信中および保留中などの表示を行わ
せるよう子機通信制御手段１３に対してコマンドを発行
し、子機１９に対して無線ボタン電話装置の親機の回線
状態表示情報を送信する（ステップ５，６）。

【００２４】例えば、公衆電話回線から親機がベル信号
を受け、子機１９で応答した場合、図４に示すような動
作を行う。

【００２５】図４は、電話局、親機、子機の間でどのよ
うな情報をやりとりして、それぞれの制御を行っている
かを示した動作シーケンスチャートである。

【００２６】電話局に接続される公衆電話回線上にベル
信号が発生すると、親機はベル検知手段１１で着信があ
ったことを検知し、子機通信制御手段１３を介して、子
機１９に対して着信鳴動を指示するリンガ制御データ
と、回線状態表示ランプ２０に着信点滅表示を指示する
回線状態表示データを送信する。このデータを受信した
子機は、着信鳴動、回線状態表示ランプ点滅を開始す
る。複数の子機が存在する場合には、それぞれの子機に
対してデータが送信される。

【００２７】子機９にて使用者が着信に対する応答のた
めに回線ボタンを操作した場合には次のように動作す
る。すなわち、例えば子機Ａにて着信表示中の回線ボタ
ンを押下したなら、ボタン押下データが親機に対して送
信される。子機からのボタン押下データは親機の子機通
信制御手段１３にて受信される。

【００２８】親機の交換制御手段１５は着信に対する応
答有りと判断し、回線制御手段１０を制御して回線を捕
捉し、通話路スイッチ１４を接続して子機の外線通話を
可能とする。また、着信鳴動させた子機に対して、着信
鳴動停止を指示するリンガ制御データと、回線状態ラン
プに通話中表示を指示する回線状態表示データを送信す
る。着信鳴動中の子機は前記リンガ制御データに従って
鳴動を停止し、回線状態表示データに従って回線状態ラ
ンプに通話中に表示をする。

【００２９】次に親機の外線がホスト構内自動交換機３
０の内線ポートに接続され、図３に示すように無線ボタ
ン電話装置がホスト構内自動交換機３０の配下に置かれ
ている場合について説明する。３１はホスト構内自動交
換機３０の外線であり、公衆電話回線網に接続されい
る。

【００３０】無線ボタン電話装置の親機がホスト構内自
動交換機３０の内線ポートに接続された状態では、ホス
ト構内自動交換機３０から発する通信要求データが当該
親機の外線に入力する。親機はホスト構内自動交換機３
０からの通信要求データを受けるとそれに従ってホスト
構内自動交換機３０の内線端末機として動作するモード
に移行することとなり、このモード（図２におけるステ
ップ８〜１５）ではホスト構内自動交換機３０から送ら
れる外線状態信号を子機向けの信号に変換し、この変換
した信号を回線状態表示信号として子機へ無線で送るよ
うに動作することとなる。

【００３１】以下、図２に沿って具体的に説明する。親
機の外線がホスト構内自動交換機３０に接続されると親
機内の通信制御手段１２へホスト構内自動交換機３０か
らの通信要求データが入来する。通信制御手段１２へ通
信要求データが入来し（ステップ１）、この通信要求デ
ータが所定回数だけ連続して入来すると通信の成功と見
なし（通信確定）、親機は外線にホスト構内自動交換機
３０が接続された事を認識する（ステップ７）。そして
このデータ通信に従ってホスト構内交換機の内線端末機
として動作するモードに移行する。

【００３２】以上のようホスト構内自動交換機３０との
接続が認識されると、回線制御手段１０を制御して回線
を捕捉し（ステップ８，９）、これ以降ホスト構内自動
交換機３０に接続されるビハインド型の無線ボタン電話
装置として動作する。

【００３３】ここで通信制御手段１２や、子機通信制御
手段１３から状態変化の情報を受け、親機と子機１９と
の間に無線通信リンクが確定していないならば、交換制
御手段１５にて無線通信リンクの確立処理を行なう（ス
テップ１０，１１）。

【００３４】無線通信リンクが確立すると、通話路スイ
ッチ１４を制御して音声通話路を確保する。この状態で
子機からの状態変化情報を受付可能となり、また親機か
ら状態変化情報を子機へ送信可能となる。

【００３５】すなわち、親機を起動する状態変化情報が
子機１９の操作ボタン２１の押下情報であった場合に
は、その情報をボタン情報変換手段１６にてホスト構内
自動交換機３０が理解できるボタン情報に変換して通信
制御手段１２へ出力する。そしてこの情報はこの通信制
御手段１２を介してホスト構内自動交換機３０へ出力さ
れる（ステップ１２，１３）。

【００３６】また、親機を起動する状態変化情報がホス
ト構内自動交換機３０の回線状態表示情報であった場合
には次のように動作する。通信制御手段１２には常時ホ
スト構内自動交換機３０からホスト構内自動交換機３０
の外線の空き情報を示す外線状態信号が送られている。
回線状態表示変換手段１７は、通信制御手段１２によっ
て得た外線状態信号を、子機１９にて回線状態表示ラン
プ２０を点灯するための点灯情報に変換して、子機通信
制御手段１３へ出力する。そしてこの情報は子機通信制
御手段１３を介して子機１９へ送られる（ステップ１
４，１５）。子機１９では送られて来たランプ点灯情報
に従って回線状態表示ランプ２０を点灯し、回線状態を
表示する。

【００３７】例えば、電話局（公衆電話回線網）からホ
スト構内自動交換機３０がベル信号を受け、子機１９で
応答した場合、図５に示すような動作を行う。

【００３８】図５は、電話局、ホスト構内自動交換機、
親機、子機の間でどのような情報をやりとりして、それ
ぞれの制御を行っているかを示した動作シーケンスチャ
ートである。

【００３９】電話局（公衆電話回線網）からベル信号が
送られると、ホスト構内自動交換機３０は、指定された
内線端末機に対し、外線に着信があることを表すリンガ
制御データと、回線状態表示ランプの点灯種別が変化し
たことを表す回線状態表示データを、内線端末機との通
信を行うＨ−Ｌ線を使用して送出する。

【００４０】ホスト構内自動交換機３０の内線ポートに
は親機の外線が接続されているので、この親機の通信制
御手段１２にて、ホスト構内自動交換機３０からの内線
端末機制御データが受信される。そして親機は子機通信
制御手段１３を介して子機１９に対して着信鳴動を指示
するリンガ制御データを送信する。

【００４１】また親機がホスト構内自動交換機３０から
受信する回線状態表示データは、ホスト構内自動交換機
３０の内線に接続されている電話機の回線状態表示ラン
プに対する制御データである。従って親機は制御内容を
解釈した後、回線状態表示データについては回線状態表
示変換手段１７にて子機向けの形に変換し、子機内の回
線状態表示ランプ２０に着信点滅表示を指示する回線状
態表示データを送信する。

【００４２】このデータを受信した子機は、着信鳴動、
回線状態表示ランプ点滅を開始する。図５の例では複数
の子機が存在するので、このような場合にはそれぞれの
子機に対してデータが送信される。

【００４３】次に、以上の動作に用いられる回線状態表
示データおよび回線状態表示変換手段１７における変換
について図６（ａ）および図６（ｂ）を用いて詳細に説
明する。

【００４４】図６（ａ）はホスト構内自動交換機３０か
ら各内線端末に送られる表示データのフレームを示す図
である。ホスト構内自動交換機３０から各内線端末へ数
百ｍｓ毎に図６（ａ）に示されるフレームでＬＥＤまた
はＬＣＤの表示データが送られる。ホスト構内自動交換
機３０の内線に無線ボタン電話親機が接続されている状
態では、無線ボタン電話親機へホスト構内自動交換機３
０からこの図６（ａ）に示されるフレームで表示データ
が送られ、これが変換前のデータ内容となる。ａ1はＬ
ＥＤ制御のためのものか否かを示す情報、ａ2は各ＬＥ
Ｄの点灯・点滅・消灯を示す情報、ａ3はパリティチェ
ックのための情報である。

【００４５】図６（ｂ）は親機が子機へ表示データを送
出する場合のフレームを示す。所定の時間毎に、もしく
は着信発生等の事象変化があった時に親機から子機へ図
６（ｂ）のフレームのデータが送出される。ｂ1はチャ
ンネル番号、ｂ2はデータの長さ、ｂ3は子機のＩＤ番号
またはグループのＩＤ番号、ｂ4はＬＥＤを示すデー
タ、ｂ5はｂ4で示されたＬＥＤの点灯・点滅・消灯を示
す情報である。

【００４６】親機は回線状態表示変換手段１７にてホス
ト構内自動交換機３０からの表示データが子機へ送信可
能なように変換する。この変換とは、すなわち図６
（ａ）に示されるフレームから表示データを抽出し、子
機へ送信する場合のフレームに編成することを指す。変
換後のデータは図６（ｂ）のフレームで子機へ送信され
ることとなる。

【００４７】このデータを受信した子機は、着信鳴動、
回線状態表示ランプ点滅を開始する。複数の子機が存在
する場合には、それぞれの子機に対してデータが送信さ
れる。したがって、無線ボタン電話装置の子機は、ホス
ト構内自動交換機３０に直接接続される内線端末機と全
く同様に、ホスト構内自動交換機３０の外線の回線状態
をランプに表示することができ、また外線着信音を鳴動
することができる。

【００４８】ここで図５に示すように、子機Ａが着信表
示中の回線ボタンを押下したなら、ボタン押下データが
親機に対して送信される。子機からのボタン押下データ
は親機の子機通信制御手段１３にて受信され、親機はボ
タン情報変換手段１６にてホスト構内自動交換機３０へ
送れるような形に変換する。そしてホスト構内自動交換
機３０へ送信する。それに従ってホスト構内自動交換機
３０は通話路接続等の処理を行い回線を捕捉する。

【００４９】またホスト構内自動交換機３０は内線側へ
着信鳴動停止を指示するリンガ制御データと回線状態ラ
ンプに通話中表示を指示する回線状態表示データを送出
する。親機は各子機へリンガ制御データを転送するとと
もに、回線状態表示データについては子機へ送れるよう
な形に変換して送信する。着信鳴動中の子機は前記リン
ガ制御データに従って鳴動を停止し、回線状態表示デー
タに従って回線状態ランプに通話中に表示をする。

【００５０】次に、以上の動作に用いられるボタン押下
データおよびボタン情報変換手段１６における変換につ
いて図６（ｃ）および図６（ｄ）を用いて詳細に説明す
る。

【００５１】図６（ｃ）は無線ボタン電話装置の子機か
ら親機へボタン押下データを送出する場合のフレームを
示す図である。ｃ1は子機のＩＤ番号、ｃ2はキーを押し
続けているか否かを示す情報、ｃ3はどのキーを押され
ているかを示す情報である。子機からのボタン押下デー
タは親機の子機通信制御手段１３にて受信される。

【００５２】親機は受信されたボタン押下データをボタ
ン情報変換手段１６にて、内線端末機としてホスト構内
自動交換機３０へ送れるような形に変換する。この変換
とは、図６（ｃ）に示されるフレームからボタン押下デ
ータを抽出し、ホスト構内自動交換機３０へ送信する場
合のフレームに編成することを指す。図６（ｄ）は無線
ボタン電話親機が内線端末機としてホスト構内自動交換
機３０へ送信するボタン押下データを含んだフレームを
示す図であり、これが変換後のデータ内容となる。ｄ1
およびｄ2は押されたキーの種類を示す情報である。

【００５３】そして変換したデータを、通信制御手段１
２を介して、ホスト構内自動交換機３０へ送信する。

【００５４】このデータを受信したホスト構内自動交換
機３０は、着信に対する応答有りと判断し、電話局の回
線を捕捉し、外線ポートと内線ポートの間に通話路を形
成して子機の外線通話を可能とする。また、ホスト構内
自動交換機３０は、着信を与えた内線端末機に対して、
着信鳴動停止を指示するリンガ制御データと、回線状態
ランプに通話中表示を指示する回線状態表示データを送
信する。親機は、通信制御手段１２にてホスト構内自動
交換機３０からの内線端末機制御情報を受信し、制御内
容を解釈した後、子機通信制御手段１３を介して、着信
鳴動させた子機に対して、着信鳴動停止を指示するリン
ガ制御データと、回線状態ランプに通話中表示を指示す
る回線状態表示データを送信する。このデータを受信す
ることにより、応答を行った子機の回線状態表示ランプ
は、自己通話中を意味する緑色が連続点灯し、その他の
子機の回線状態表示ランプは、他者通話中を意味する赤
色が連続点灯する。

【００５５】

【発明の効果】以上のように本発明は、親機の外線に接
続される回線がホスト構内自動交換機なのか公衆電話回
線なのかを自動的に判別し、ホスト構内自動交換機であ
った場合にホスト構内自動交換機の回線状態表示情報を
子機へのデータに変換するための回線状態表示変換手段
と、子機のボタン押下情報をホスト構内自動交換機への
データに変換するためのボタン情報変換手段とを設けた
構成により、親機が公衆電話回線に接続されている場合
には通常のボタン電話装置として動作して、無線子機の
回線状態表示ランプに親機の外線状態を表示し、使用者
は回線の使用状態を子機上の回線状態表示ランプにて確
認することができ、従来のボタン電話装置と同様の操作
性を提供することが出来る。したがって、無線ボタン電
話装置の子機は、ホスト構内自動交換機に直接接続され
る内線端末機と同様な操作で外線着信に応答することが
でき、ホスト構内自動交換機本体の変更や子機操作性の
変更無しに、無線ボタン電話機の携帯性と利便性を提供
することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の一実施例に於ける無線ボタン
電話装置の親機の構成図 （ｂ）は本発明の一実施例に於ける無線ボタン電話装置
の子機の構成図

【図２】本発明の一実施例に於ける無線ボタン電話装置
の親機の動作を示すフローチャート

【図３】本発明の一実施例に於ける無線ボタン電話装置
の親機を構内自動交換機に接続した状態の構成図

【図４】同無線ボタン電話装置において電話局、親機、
子機の間での制御情報のやり取りを示す動作シーケンス
チャート

【図５】同無線ボタン電話装置において電話局、ホスト
構内自動交換機、親機、子機の間での制御情報のやり取
りを示す動作シーケンスチャート

【図６】（ａ）はホスト構内自動交換機から各内線端末
に送られる表示データのフレームを示す図 （ｂ）は親機が子機へ表示データを送出する場合のフレ
ームを示す図 （ｃ）は無線ボタン電話装置の子機から親機へボタン押
下データを送出する場合のフレームを示す図 （ｄ）は無線ボタン電話親機が内線端末機としてホスト
構内自動交換機へ送信するボタン押下データを含んだフ
レームを示す図

【図７】（ａ）は従来の無線ボタン電話装置に於ける親
機の構成図 （ｂ）は従来の無線ボタン電話装置に於ける子機の構成
図

【符号の説明】

１０ 回線制御手段 １１ ベル検知手段 １２ 通信制御手段 １３ 子機通信制御手段 １４ 通話路スイッチ １５ 交換制御手段 １８ 外線インタフェース部 １９ 子機 ２０ 回線状態表示ランプ ２１ 操作ボタン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04B 7/24 - 7/26 H04Q 7/00 - 7/38

Claims (13)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】親機と複数の子機から構成され、親機は交
   換機能を備えた無線ボタン電話装置であって、 親機において、 外線インタフェース部と、 種々の制御データや音声信号を変調して子機へ送信した
   り、また子機から電波で送られてくる種々の制御データ
   や音声信号を受信して復調することによって各子機との
   間で無線通信を行なう子機通信制御手段と、 前記外線インタフェース部の音声信号線路と前記子機通
   信制御手段の音声信号線路との間で交換接続を行なう通
   話路スイッチと、親機がホスト構内交換機に接続された状態では、 ホスト
   構内交換機から送られる該ホスト構内交換機の外線状態
   信号を子機向けの信号に変換し、この変換した信号を回
   線状態表示信号として子機へ送り、ホスト構内交換機が
   介在しない状態では子機に対して親機の外線状態を示す
   回線状態表示信号を送信するように制御する制御手段と
   を備え、 子機において、 回線状態表示手段と、 親機から送られた回線状態表示信号に従って回線状態表
   示手段に回線状態を表示する子機制御手段とを備えた事
   を特徴とする無線ボタン電話装置。
2. 【請求項２】外線インタフェース部の回線制御手段から
   外線へ出力する種々の信号の中には、回線捕捉信号およ
   び切断信号が含まれ、 子機通信制御手段が子機に対して送る制御データには表
   示制御データおよびリンガ制御データが含まれ、子機か
   ら受信する制御データには子機にて操作されたボタン押
   下情報が含まれる請求項１記載の無線ボタン電話装置。
3. 【請求項３】親機から送られた回線状態表示信号の中に
   はホスト構内交換機の外線に空きがあるか否かを示す情
   報が含まれ、 子機内の子機制御手段は、親機から送られた回線空き状
   態表示信号に従って回線状態表示手段に回線空き状態を
   表示する請求項１記載の無線ボタン電話装置。
4. 【請求項４】子機における回線状態表示手段は回線状態
   表示用のランプである請求項１記載の無線ボタン電話装
   置。
5. 【請求項５】親機と複数の子機から構成され、親機は交
   換機能を備えた無線ボタン電話装置であって、 親機において、 外線インタフェース部と、 種々の制御データや音声信号を変調して子機へ送信した
   りまた子機から電波で送られてくる種々の制御データや
   音声信号を受信して復調することによって各子機との間
   で無線通信を行なう子機通信制御手段と、 前記外線インタフェース部の音声信号線路と前記子機通
   信制御手段の音声信号線路との間で交換接続を行なう通
   話路スイッチと、 外線インタフェース部がデータ通信線を介してホスト構
   内自動交換機との間でデータ通信を行っている場合には
   ホスト構内自動交換機の回線状態の情報を回線空き状態
   表示信号として子機へ送り、前記外線インタフェース部
   がホスト構内自動交換機との間でデータ通信を行ってい
   ない場合には親機自体の回線状態の情報を回線空き状態
   表示信号として子機へ送る制御手段とを備え、 子機において、 回線状態表示手段と、 親機から送られた回線状態表示信号に従って回線状態表
   示手段に回線状態を表示する子機制御手段とを備えた事
   を特徴とする無線ボタン電話装置。
6. 【請求項６】子機における回線状態表示手段は回線状態
   表示用のランプである請求項５記載の無線ボタン電話装
   置。
7. 【請求項７】親機と複数の子機から構成され、親機は交
   換機能を備えた無線ボタン電話装置であって、 親機において、 通話路線上に発生する外線からのベル信号を検出して着
   信を判定するベル検知手段、および外線に対して種々の
   信号を出力する回線制御手段、および前記通話路線とは
   別にホスト構内自動交換機と専用ボタン電話機データ通
   信を行うデータ通信線を介してホスト構内自動交換機の
   専用ボタン電話機としてデータ通信を行う通信制御手段
   とを備えた外線インタフェース部と、 それぞれ子機に対して種々の制御データや音声信号を変
   調して子機へ送信し、かつ対応する子機から電波で送ら
   れてくる種々の制御データや音声信号を復調して送出す
   る子機通信制御手段と、 前記外線インタフェース部の音声信号線路と前記子機通
   信制御手段の音声信号線路との間で交換接続を行なう通
   話路スイッチと、外線インタフェース部がデータ通信線を介してホスト構
   内自動交換機との間でデータ通信を行っている場合には
   ホスト構内自動交換機の回線状態の情報を回線空き状態
   表示信号として子機へ送り、前記外線インタフェース部
   がホスト構内自動交換機との間でデータ通信を行ってい
   ない場合には親機自体の回線状態の情報を回線空き状態
   表示信号として子機へ送る制御手段と を備え、 子機において、 回線状態表示手段と、 親機から送られた回線空き状態表示信号に従って回線状
   態表示手段に回線空きの情報を表示する子機制御手段と
   を備えた事を特徴とする無線ボタン電話装置。
8. 【請求項８】外線インタフェース部の回線制御手段から
   外線へ出力する種々の信号の中には、回線捕捉信号およ
   び切断信号が含まれ、子機通信制御手段が子機に対して
   送る制御データには表示制御データおよびリンガ制御デ
   ータが含まれ、子機から受信する制御データには子機に
   て操作されたボタン押下情報が含まれる請求項７記載の
   無線ボタン電話装置。
9. 【請求項９】子機における回線状態表示手段は回線状態
   表示用のランプである請求項７記載の無線ボタン電話装
   置。
10. 【請求項１０】親機と複数の子機から構成され、親機は
    交換機能を備えた無線ボタン電話装置であって、 親機において、 通話路線上に発生する外線からのベル信号を検出して着
    信を判定するベル検知手段、および種々の信号を前記通
    話路線上に出力する回線制御手段、および前記通話路線
    とは別にホスト構内自動交換機との間でデータ通信線を
    介してデータ通信を行う通信制御手段とを備えた外線イ
    ンタフェース部と、 それぞれ子機に対して種々の制御データや音声信号を変
    調して子機へ送信し、かつ対応する子機から電波で送ら
    れてくる種々の制御データや音声信号を復調して送出す
    る子機通信制御手段と、 前記外線インタフェース部の音声信号線路と前記子機通
    信制御手段の音声信号線路との間で交換接続を行なう通
    話路スイッチと、 前記ベル検知手段、前記回線制御手段、前記通信制御手
    段および前記子機通信制御手段からの情報により前記通
    話路スイッチを制御する交換制御手段と、子機通信制御
    手段より得た子機側のボタン押下情報をホスト構内自動
    交換機へのデータに変換するボタン情報変換手段とを備
    え、このボタン情報変換手段は、外線インタフェース部
    がデータ通信線を介してホスト構内自動交換機との間で
    データ通信を行っている場合には子機のボタン押下情報
    をホスト構内自動交換機のボタン押下情報に変換し、前
    記外線インタフェース部がホスト構内自動交換機との間
    でデータ通信を行っていない場合には、親機の回線制御
    を行うように構成され、 子機において、 回線状態表示手段と、 親機から送られた回線空き状態表示信号に従って回線状
    態表示手段を点灯する子機制御手段とを備えた事を特徴
    とする無線ボタン電話装置。
11. 【請求項１１】外線インタフェース部の回線制御手段か
    ら通話路線へ出力する種々の信号の中には、回線捕捉信
    号および切断信号が含まれ、 子機通信制御手段が子機に対して送る制御データには表
    示制御データおよびリンガ制御データが含まれ、子機か
    ら受信する制御データには子機にて操作されたボタン押
    下情報が含まれる請求項１０記載の無線ボタン電話装
    置。
12. 【請求項１２】通信制御手段よりホスト構内自動交換機
    の回線状態表示情報を獲得し、子機の回線状態表示手段
    に表示するようにデータを変換する回線状態表示変換手
    段を備え、 この回線状態表示変換手段は、 外線インタフェース部がデータ通信線を介してホスト構
    内自動交換機との間でデータ通信を行っている場合には
    ホスト構内自動交換機の回線状態の情報を回線空き状態
    表示信号として子機へ送り、前記外線インタフェース部
    がホスト構内自動交換機との間でデータ通信を行ってい
    ない場合には、親機自体の回線状態の情報を回線空き状
    態表示信号として子機へ送るように構成された請求項１
    ０記載の無線ボタン電話装置。
13. 【請求項１３】子機における回線状態表示手段は回線状
    態表示用のランプである請求項１０記載の無線ボタン電
    話装置。