JP3401122B2 - 大豆タンパク質食品素材の製造方法 - Google Patents
大豆タンパク質食品素材の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大豆タンパク質食品素
材の製造方法に関するものである。
材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、健康志向の高まりに伴い、植物性
タンパク質を用いた食品素材が極めて注目されている。
植物性タンパク質食品素材は、従来から知られている食
品、例えば魚肉や畜肉等の代替品として、また肉製品等
に混合して用いる一種の増量剤として使用されている。
さらに、該食品素材は、肉製品等に混合して用いること
により、製品の保水性を向上させる効果や、製品の焼き
縮みを少なくする効果等を有するので、品質改良剤とし
ても広く使用されている。このような植物性タンパク質
食品素材を得るための原料として広く使用されているも
のとして、大豆タンパク質が挙げられる。
タンパク質を用いた食品素材が極めて注目されている。
植物性タンパク質食品素材は、従来から知られている食
品、例えば魚肉や畜肉等の代替品として、また肉製品等
に混合して用いる一種の増量剤として使用されている。
さらに、該食品素材は、肉製品等に混合して用いること
により、製品の保水性を向上させる効果や、製品の焼き
縮みを少なくする効果等を有するので、品質改良剤とし
ても広く使用されている。このような植物性タンパク質
食品素材を得るための原料として広く使用されているも
のとして、大豆タンパク質が挙げられる。
【0003】従来、大豆タンパク質食品素材を得る方法
としては、丸大豆、脱皮大豆または全脂大豆粉に水を添
加したものを二軸エクストルーダー処理する方法(特公
平1−55863号)が知られている。しかし、この方
法には、エクストルーダー処理時に、主として糖とアミ
ノ酸が加熱されて起こるアミノ−カルボニル反応の生成
物が、製品の褐変及び加熱臭の発生の原因となるという
問題があった。また、エクストルーダー処理した脱脂大
豆を、酸又はアルカリ水溶液又は水溶性有機溶剤に浸漬
して、糖分や大豆不快臭物質等を抽出した後、固液分離
し、次いで固形物を乾燥処理する方法(特公平1−59
860号)も公知である。しかし、この方法では、加熱
処理時に生じる褐変物質の様な、水に不溶の加熱生成物
は除去できないという欠点があった。
としては、丸大豆、脱皮大豆または全脂大豆粉に水を添
加したものを二軸エクストルーダー処理する方法(特公
平1−55863号)が知られている。しかし、この方
法には、エクストルーダー処理時に、主として糖とアミ
ノ酸が加熱されて起こるアミノ−カルボニル反応の生成
物が、製品の褐変及び加熱臭の発生の原因となるという
問題があった。また、エクストルーダー処理した脱脂大
豆を、酸又はアルカリ水溶液又は水溶性有機溶剤に浸漬
して、糖分や大豆不快臭物質等を抽出した後、固液分離
し、次いで固形物を乾燥処理する方法(特公平1−59
860号)も公知である。しかし、この方法では、加熱
処理時に生じる褐変物質の様な、水に不溶の加熱生成物
は除去できないという欠点があった。
【0004】さらに、特公平1−59860号の明細書
中には、従来技術として、原料である脱脂大豆を、予め
水又はエタノール等の有機溶媒で処理する繊維状濃縮大
豆タンパク質の製造法が記載されている。しかしなが
ら、脱脂大豆の製造時には、大豆中に内在する脂質酸化
酵素を加熱処理により失活させる工程が必須であり、該
加熱処理時に生じる褐変物質の様に、水又は有機溶媒に
不溶の加熱生成物は、この方法では除去することができ
ないという欠点があった。
中には、従来技術として、原料である脱脂大豆を、予め
水又はエタノール等の有機溶媒で処理する繊維状濃縮大
豆タンパク質の製造法が記載されている。しかしなが
ら、脱脂大豆の製造時には、大豆中に内在する脂質酸化
酵素を加熱処理により失活させる工程が必須であり、該
加熱処理時に生じる褐変物質の様に、水又は有機溶媒に
不溶の加熱生成物は、この方法では除去することができ
ないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の欠点を克服した大豆タンパク質食品素材の製造方
法を提供することにある。
技術の欠点を克服した大豆タンパク質食品素材の製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、可溶性糖
区分の50%以上を除去した丸大豆または脱皮大豆をエ
クストルーダー処理することにより、製造工程における
製品の褐変及び加熱臭の発生がなく、且つ良好な食感を
有する大豆タンパク質食品素材が得られることを見出だ
し、本発明を完成した。以下、本発明を詳細に説明す
る。
区分の50%以上を除去した丸大豆または脱皮大豆をエ
クストルーダー処理することにより、製造工程における
製品の褐変及び加熱臭の発生がなく、且つ良好な食感を
有する大豆タンパク質食品素材が得られることを見出だ
し、本発明を完成した。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0007】本発明は、可溶性糖区分の50%以上を除
去した全脂原料大豆を二軸エクストルーダー処理するこ
とを特徴としている。本発明でいう可溶性糖区分とは、
原料大豆を水浸漬することによって溶出される水溶性糖
区分を指し、その総量は以下の方法により求めることが
できる。すなわち、原料大豆を一定量の水に浸漬した
後、浸漬水と共に磨砕し、該磨砕物を濾布濾過により、
固形物と豆乳とに分ける。次いで濾布上の固形物を十分
に水洗浄し、可溶性区分をすべて回収する。得られた豆
乳及び可溶性区分を混合した後、塩酸でpH4.5に調
整してタンパク質を沈澱させる。これを遠心分離して上
澄液と固形分とに分ける。得られた固形分に水を加えた
後、遠心分離により上澄液を得る操作を3回行い、全て
の上澄液を回収する。この上澄液の糖濃度をフェノール
−硫酸法によりグルコース量として求める。
去した全脂原料大豆を二軸エクストルーダー処理するこ
とを特徴としている。本発明でいう可溶性糖区分とは、
原料大豆を水浸漬することによって溶出される水溶性糖
区分を指し、その総量は以下の方法により求めることが
できる。すなわち、原料大豆を一定量の水に浸漬した
後、浸漬水と共に磨砕し、該磨砕物を濾布濾過により、
固形物と豆乳とに分ける。次いで濾布上の固形物を十分
に水洗浄し、可溶性区分をすべて回収する。得られた豆
乳及び可溶性区分を混合した後、塩酸でpH4.5に調
整してタンパク質を沈澱させる。これを遠心分離して上
澄液と固形分とに分ける。得られた固形分に水を加えた
後、遠心分離により上澄液を得る操作を3回行い、全て
の上澄液を回収する。この上澄液の糖濃度をフェノール
−硫酸法によりグルコース量として求める。
【0008】原料大豆から可溶性糖区分を除去する方法
としては、原料大豆を、水又はエタノールで抽出する方
法があるが、大豆含有脂質を残し、且つタンパク質の変
性を抑えるためには、水で抽出する方法が好ましい。水
で抽出する方法としては、例えば原料大豆を水に浸漬す
ることにより、浸漬水中に可溶性糖区分を溶出させる方
法がある。丸大豆を原料とする場合には50〜90℃で
2〜10時間、脱皮大豆の場合には30〜90℃で0.
5〜10時間浸漬することにより、浸漬水中に可溶性糖
区分の50〜80%を溶出させることができる。浸漬水
の使用量は原料大豆の重量に対して5〜20倍であるこ
とが好ましい。尚、原料大豆の水浸漬処理を、pH8〜
10のアルカリ水溶液または0.01〜1.0%グルコ
ノデルタラクトン水溶液を用いて行なうことにより、大
豆中に内在するβ−グルコシダーゼの活性を抑制し、え
ぐ味のない大豆タンパク質食品素材を得ることができ
る。 水浸漬処理された原料大豆は必要に応じて水洗、
水切りを行なう。上記の操作により、原料大豆中の可溶
性糖類の50〜80%が除去され、二軸エクストルーダ
ー中での加熱処理のために起こる製品の褐変及び加熱臭
の発生を、最小限に抑えることができる。
としては、原料大豆を、水又はエタノールで抽出する方
法があるが、大豆含有脂質を残し、且つタンパク質の変
性を抑えるためには、水で抽出する方法が好ましい。水
で抽出する方法としては、例えば原料大豆を水に浸漬す
ることにより、浸漬水中に可溶性糖区分を溶出させる方
法がある。丸大豆を原料とする場合には50〜90℃で
2〜10時間、脱皮大豆の場合には30〜90℃で0.
5〜10時間浸漬することにより、浸漬水中に可溶性糖
区分の50〜80%を溶出させることができる。浸漬水
の使用量は原料大豆の重量に対して5〜20倍であるこ
とが好ましい。尚、原料大豆の水浸漬処理を、pH8〜
10のアルカリ水溶液または0.01〜1.0%グルコ
ノデルタラクトン水溶液を用いて行なうことにより、大
豆中に内在するβ−グルコシダーゼの活性を抑制し、え
ぐ味のない大豆タンパク質食品素材を得ることができ
る。 水浸漬処理された原料大豆は必要に応じて水洗、
水切りを行なう。上記の操作により、原料大豆中の可溶
性糖類の50〜80%が除去され、二軸エクストルーダ
ー中での加熱処理のために起こる製品の褐変及び加熱臭
の発生を、最小限に抑えることができる。
【0009】次いで、浸漬処理後の原料大豆を二軸エク
ストルーダー処理する。使用する二軸エクストルーダー
としては、30〜60%程度の水分を含有する原料を処
理できるものであればどのような機種でもよく、例えば
フーズエクストルーダーKEI45−30型(幸和工業
株式会社製)等を挙げることができる。エクストルーダ
ーの運転条件は、 原料供給量 10〜 50kg/H スクリュウ軸の回転数 100〜300rpm バレルの中間温度 100〜180℃ 吐出口温度 150〜180℃ 冷却ゾーンの温度 40〜 90℃ とすることが適当である。
ストルーダー処理する。使用する二軸エクストルーダー
としては、30〜60%程度の水分を含有する原料を処
理できるものであればどのような機種でもよく、例えば
フーズエクストルーダーKEI45−30型(幸和工業
株式会社製)等を挙げることができる。エクストルーダ
ーの運転条件は、 原料供給量 10〜 50kg/H スクリュウ軸の回転数 100〜300rpm バレルの中間温度 100〜180℃ 吐出口温度 150〜180℃ 冷却ゾーンの温度 40〜 90℃ とすることが適当である。
【0010】以上の方法により、加熱処理による製品の
褐変及び加熱臭の発生がなく、且つ良好な食感を有する
大豆タンパク質食品素材を得ることができる。また、可
溶性糖区分の50%以上を除去した原料大豆を加熱処理
した後、二軸エクストルーダー処理することにより、大
豆に内在するリポキシダーゼ、パーオキシダーゼ等の酵
素の働きを抑え、より優れた品質の大豆タンパク質食品
素材を得ることができる。二軸エクストルーダー処理前
の加熱処理は、高周波処理、蒸気処理等により、原料大
豆の品温が80〜150℃となる様に行なえばよい。さ
らに、可溶性糖区分の50%以上を除去した原料大豆
に、分離大豆タンパク質、小麦タンパク質、卵白、カゼ
インより選ばれる一種類以上を添加したものを原料と
し、これを二軸エクストルーダー処理することにより、
大豆タンパク質食品素材の繊維性及び食感をさらに向上
させることができる。上記の添加物のうち、特に小麦タ
ンパク質が好ましく用いられる。小麦タンパク質として
は、例えば、粉末状小麦タンパク質(エマソフトA−2
000 理研ビタミン株式会社製)等を使用することが
でき、その添加量は原料大豆の乾物重量に対して1〜5
0%であることが好ましい。小麦タンパク質の添加方法
としては、原料大豆と小麦タンパク質を混合した後、二
軸エクストルーダー処理する方法や、両者を別々のフィ
ーダーを用いて、同時にエクストルーダーの原料投入口
に投入する方法を用いることができる。本発明において
は、操作上の理由から、後者の方法が好適である。
褐変及び加熱臭の発生がなく、且つ良好な食感を有する
大豆タンパク質食品素材を得ることができる。また、可
溶性糖区分の50%以上を除去した原料大豆を加熱処理
した後、二軸エクストルーダー処理することにより、大
豆に内在するリポキシダーゼ、パーオキシダーゼ等の酵
素の働きを抑え、より優れた品質の大豆タンパク質食品
素材を得ることができる。二軸エクストルーダー処理前
の加熱処理は、高周波処理、蒸気処理等により、原料大
豆の品温が80〜150℃となる様に行なえばよい。さ
らに、可溶性糖区分の50%以上を除去した原料大豆
に、分離大豆タンパク質、小麦タンパク質、卵白、カゼ
インより選ばれる一種類以上を添加したものを原料と
し、これを二軸エクストルーダー処理することにより、
大豆タンパク質食品素材の繊維性及び食感をさらに向上
させることができる。上記の添加物のうち、特に小麦タ
ンパク質が好ましく用いられる。小麦タンパク質として
は、例えば、粉末状小麦タンパク質(エマソフトA−2
000 理研ビタミン株式会社製)等を使用することが
でき、その添加量は原料大豆の乾物重量に対して1〜5
0%であることが好ましい。小麦タンパク質の添加方法
としては、原料大豆と小麦タンパク質を混合した後、二
軸エクストルーダー処理する方法や、両者を別々のフィ
ーダーを用いて、同時にエクストルーダーの原料投入口
に投入する方法を用いることができる。本発明において
は、操作上の理由から、後者の方法が好適である。
【0011】
【発明の効果】本発明の方法により得られる大豆タンパ
ク質食品素材は、 1:可溶性糖区分の50%以上が除去されているため、
エクストルーダー処理による製品の褐変及び加熱臭の発
生がない。 2:製品は淡黄白色であるので、調味料、着色料等を用
いて魚肉、畜肉風の色調とすることが容易である。 3:魚肉、畜肉様の繊維性及び食感を有しており、煮込
んだ場合にも煮崩れしない。 4:加熱調理の際、本製品内部に含有される脂質がにじ
み出るため、本製品が調理中に焦げ付くことがない。 5:魚肉や畜肉等と混合したものを加熱調理した場合に
も、本製品内部に含有される脂質の存在により、本製品
の部分のみが焦げ付くということがない。 以下、実験例により本発明の効果を説明する。
ク質食品素材は、 1:可溶性糖区分の50%以上が除去されているため、
エクストルーダー処理による製品の褐変及び加熱臭の発
生がない。 2:製品は淡黄白色であるので、調味料、着色料等を用
いて魚肉、畜肉風の色調とすることが容易である。 3:魚肉、畜肉様の繊維性及び食感を有しており、煮込
んだ場合にも煮崩れしない。 4:加熱調理の際、本製品内部に含有される脂質がにじ
み出るため、本製品が調理中に焦げ付くことがない。 5:魚肉や畜肉等と混合したものを加熱調理した場合に
も、本製品内部に含有される脂質の存在により、本製品
の部分のみが焦げ付くということがない。 以下、実験例により本発明の効果を説明する。
【0012】
(1)原料大豆の調製
試料1:脱皮大豆を、原料大豆重量の10倍量の水(5
5℃)に、攪拌しながら23分間浸漬した後、浸漬水を
除去し、水洗、水切りした。この原料大豆の可溶性糖区
分除去率は24.2%であった。 試料2:脱皮大豆を、原料大豆重量の10倍量の水(5
5℃)に、攪拌しながら30分間浸漬した後、浸漬水を
除去し、水洗、水切りした。この原料大豆の可溶性糖区
分除去率は39.2%であった。 試料3:脱皮大豆を、原料大豆重量の10倍量の水(5
5℃)に、攪拌しながら45分間浸漬した後、浸漬水を
除去し、水洗、水切りした。この原料大豆の可溶性糖区
分除去率は52.0%であった。
5℃)に、攪拌しながら23分間浸漬した後、浸漬水を
除去し、水洗、水切りした。この原料大豆の可溶性糖区
分除去率は24.2%であった。 試料2:脱皮大豆を、原料大豆重量の10倍量の水(5
5℃)に、攪拌しながら30分間浸漬した後、浸漬水を
除去し、水洗、水切りした。この原料大豆の可溶性糖区
分除去率は39.2%であった。 試料3:脱皮大豆を、原料大豆重量の10倍量の水(5
5℃)に、攪拌しながら45分間浸漬した後、浸漬水を
除去し、水洗、水切りした。この原料大豆の可溶性糖区
分除去率は52.0%であった。
【0013】試料4:脱皮大豆を、原料大豆重量の10
倍量の水(55℃)に、攪拌しながら1時間浸漬した
後、浸漬水を除去し、水洗、水切りした。この原料大豆
の可溶性糖区分除去率は61.6%であった。 試料5:脱皮大豆を、原料大豆重量の10倍量の水(5
5℃)に、攪拌しながら1時間浸漬した後、浸漬水を除
去した。再度10倍量の水(55℃)に、攪拌しながら
1時間浸漬した後、浸漬水を除去し、水洗、水切りし
た。この原料大豆の可溶性糖区分除去率は78.2%で
あった。 (2)エクストルーダー処理 (1)で調製した各原料大豆を、以下の条件によりエク
ストルーダー処理して、大豆タンパク質食品素材を得
た。 使用機種 幸和工業株式会社製二軸エクストルーダー 原料供給量 30kg/H スクリュウ軸の回転数 290rpm バレルの中間温度 160℃ 吐出口温度 175℃ 冷却ゾーンの温度 80℃ 得られた各大豆タンパク質食品素材を比較した結果を表
1に示す。
倍量の水(55℃)に、攪拌しながら1時間浸漬した
後、浸漬水を除去し、水洗、水切りした。この原料大豆
の可溶性糖区分除去率は61.6%であった。 試料5:脱皮大豆を、原料大豆重量の10倍量の水(5
5℃)に、攪拌しながら1時間浸漬した後、浸漬水を除
去した。再度10倍量の水(55℃)に、攪拌しながら
1時間浸漬した後、浸漬水を除去し、水洗、水切りし
た。この原料大豆の可溶性糖区分除去率は78.2%で
あった。 (2)エクストルーダー処理 (1)で調製した各原料大豆を、以下の条件によりエク
ストルーダー処理して、大豆タンパク質食品素材を得
た。 使用機種 幸和工業株式会社製二軸エクストルーダー 原料供給量 30kg/H スクリュウ軸の回転数 290rpm バレルの中間温度 160℃ 吐出口温度 175℃ 冷却ゾーンの温度 80℃ 得られた各大豆タンパク質食品素材を比較した結果を表
1に示す。
【0014】
【化1】
【0015】*差の測定方法
色差の測定は、測色色差計(Z−1001DP型 日本
電色工業株式会社製)を用いて行なった。測定値は、H
unterのLab表色系に従って求め、その意味は以
下の通り。 L 数値が大きい程、明度が高い。 a 数値が大きい程、赤色の度合いが大きい。 b 数値が大きい程、黄色の度合いが大きい。 W W=100−{(100−L)2+(a2+
b2)}0.5の計算式により求められ、数値が100に近
い程、白色に近い。
電色工業株式会社製)を用いて行なった。測定値は、H
unterのLab表色系に従って求め、その意味は以
下の通り。 L 数値が大きい程、明度が高い。 a 数値が大きい程、赤色の度合いが大きい。 b 数値が大きい程、黄色の度合いが大きい。 W W=100−{(100−L)2+(a2+
b2)}0.5の計算式により求められ、数値が100に近
い程、白色に近い。
【0016】** F1/F2の測定方法
F1/F2の測定は、テンシプレッサー(タケモト電機
株式会社製)を用いて下記の条件で行なった。エクスト
ルーダー処理により得られた板状の大豆タンパク質食品
素材を、縦方向(エクストルーダー処理時の押し出し方
向)に10mm幅で50mmの長さに切断した。また横
方向(エクストルーダー処理時の押し出し方向に対して
垂直方向)に同様に切断した。それぞれの断片の上下を
20mmづつはさみ、下方向に5mm/秒の速度で引っ
張り、切断までの運動量を、縦方向(F1)と横方向
(F2)について求め、F1/F2の値を計算した。こ
の値が大きい程、繊維の生成が良好であることを示す。
株式会社製)を用いて下記の条件で行なった。エクスト
ルーダー処理により得られた板状の大豆タンパク質食品
素材を、縦方向(エクストルーダー処理時の押し出し方
向)に10mm幅で50mmの長さに切断した。また横
方向(エクストルーダー処理時の押し出し方向に対して
垂直方向)に同様に切断した。それぞれの断片の上下を
20mmづつはさみ、下方向に5mm/秒の速度で引っ
張り、切断までの運動量を、縦方向(F1)と横方向
(F2)について求め、F1/F2の値を計算した。こ
の値が大きい程、繊維の生成が良好であることを示す。
【0017】***大豆臭及び加熱臭
記号の意味は以下の通り。
− 大豆臭及び加熱臭を全く感じない。
+− 大豆臭及び加熱臭をほとんど感じない。
+ 大豆臭及び加熱臭を多少感じる。
++ 大豆臭及び加熱臭を強く感じる
【0018】表1の結果から明らかなように、原料大豆
中の可溶性糖区分の50%以上を除去した試料3〜5
は、試料1及び2に比べ、色調が白く、大豆臭及び加熱
臭のないものであり、さらには繊維の生成が良好で、且
つ食感の優れたものであった。
中の可溶性糖区分の50%以上を除去した試料3〜5
は、試料1及び2に比べ、色調が白く、大豆臭及び加熱
臭のないものであり、さらには繊維の生成が良好で、且
つ食感の優れたものであった。
【0019】
【実施例】以下に、脱皮大豆より本発明の大豆タンパク
質食品素材を得る場合の実施例を示す。
質食品素材を得る場合の実施例を示す。
【0020】実施例1
脱皮大豆50kgを、800L(55℃)の水に、攪拌
しながら1時間浸漬した後、水切りした。原料大豆中の
可溶性糖区分の除去率は63%であった。次いで以下の
条件でエクストルーダー処理を行ない、大豆タンパク質
食品素材を得た。 使用機種 幸和工業株式会社製二軸エクストルーダー 原料供給量 30kg/H スクリュウ軸の回転数 290rpm バレルの中間温度 160℃ 吐出口温度 175℃ 冷却ゾーンの温度 60℃
しながら1時間浸漬した後、水切りした。原料大豆中の
可溶性糖区分の除去率は63%であった。次いで以下の
条件でエクストルーダー処理を行ない、大豆タンパク質
食品素材を得た。 使用機種 幸和工業株式会社製二軸エクストルーダー 原料供給量 30kg/H スクリュウ軸の回転数 290rpm バレルの中間温度 160℃ 吐出口温度 175℃ 冷却ゾーンの温度 60℃
【0021】得られた大豆タンパク質食品素材の色調は
淡黄白色であり、エクストルーダー中での加熱処理に起
因する褐変及び加熱臭の発生は認められなかった。また
本製品は、繊維感の強い食感を有していた。さらに本製
品は、鍋で煮込んだ場合にも煮崩れしないという特徴を
有していた。
淡黄白色であり、エクストルーダー中での加熱処理に起
因する褐変及び加熱臭の発生は認められなかった。また
本製品は、繊維感の強い食感を有していた。さらに本製
品は、鍋で煮込んだ場合にも煮崩れしないという特徴を
有していた。
【0022】実施例2
脱皮大豆50kgを、800L(60℃)の水に、攪拌
しながら1時間浸漬した後、水切りした。原料大豆中の
可溶性糖区分の除去率は60%であった。この原料大豆
を、オートクレーブを用いて1Kg/cm2で10分間
加熱処理した後、実施例1と同様の条件でエクストルー
ダー処理を行ない、大豆タンパク質食品素材を得た。得
られた製品の色調は淡黄白色であり、エクストルーダー
中での加熱処理に起因する褐変及び加熱臭の発生は認め
られないと同時に、大豆由来のフレーバーの生成が極め
て少ない、優れた大豆タンパク質食品素材であった。
しながら1時間浸漬した後、水切りした。原料大豆中の
可溶性糖区分の除去率は60%であった。この原料大豆
を、オートクレーブを用いて1Kg/cm2で10分間
加熱処理した後、実施例1と同様の条件でエクストルー
ダー処理を行ない、大豆タンパク質食品素材を得た。得
られた製品の色調は淡黄白色であり、エクストルーダー
中での加熱処理に起因する褐変及び加熱臭の発生は認め
られないと同時に、大豆由来のフレーバーの生成が極め
て少ない、優れた大豆タンパク質食品素材であった。
【0023】実施例3
丸大豆50kgを、800L(70℃)の水に、攪拌し
ながら3時間浸漬した後、水切りした。原料大豆中の可
溶性糖区分の除去率は55%であった。この原料大豆
を、ゴムローラーに通じて種皮を分離した後、水中で種
皮を除去した。次いで実施例1と同様の条件でエクスト
ルーダー処理を行ない、大豆タンパク質食品素材を得
た。得られた製品の色調は淡黄白色であり、エクストル
ーダー中での加熱処理に起因する褐変及び加熱臭の発生
の認められない、優れた大豆タンパク質食品素材であっ
た。
ながら3時間浸漬した後、水切りした。原料大豆中の可
溶性糖区分の除去率は55%であった。この原料大豆
を、ゴムローラーに通じて種皮を分離した後、水中で種
皮を除去した。次いで実施例1と同様の条件でエクスト
ルーダー処理を行ない、大豆タンパク質食品素材を得
た。得られた製品の色調は淡黄白色であり、エクストル
ーダー中での加熱処理に起因する褐変及び加熱臭の発生
の認められない、優れた大豆タンパク質食品素材であっ
た。
【0024】実施例4
脱皮大豆50kgを、400Lの水(55℃)に、攪拌
しながら1時間浸漬した後、浸漬水を除去した。再度4
00Lの水(55℃)に、攪拌しながら1時間浸漬した
後、浸漬水を除去し、水洗、水切りした。この原料大豆
の可溶性糖区分除去率は78.2%であった。次いで以
下の条件でエクストルーダー処理を行ない大豆タンパク
質食品素材を得た。エクストルーダー処理の際、原料投
入口から除糖された原料大豆と同時に、粉末状小麦タン
パク質(エマソフトA−2000理研ビタミン株式会社
製)を投入した。 使用機種 幸和工業株式会社製二軸エクストルーダー 原料供給量 原料大豆 27kg/H 小麦タンパク質 3kg/H スクリュウ軸の回転数 290rpm バレルの中間温度 160℃ 吐出口温度 175℃ 冷却ゾーンの温度 60℃
しながら1時間浸漬した後、浸漬水を除去した。再度4
00Lの水(55℃)に、攪拌しながら1時間浸漬した
後、浸漬水を除去し、水洗、水切りした。この原料大豆
の可溶性糖区分除去率は78.2%であった。次いで以
下の条件でエクストルーダー処理を行ない大豆タンパク
質食品素材を得た。エクストルーダー処理の際、原料投
入口から除糖された原料大豆と同時に、粉末状小麦タン
パク質(エマソフトA−2000理研ビタミン株式会社
製)を投入した。 使用機種 幸和工業株式会社製二軸エクストルーダー 原料供給量 原料大豆 27kg/H 小麦タンパク質 3kg/H スクリュウ軸の回転数 290rpm バレルの中間温度 160℃ 吐出口温度 175℃ 冷却ゾーンの温度 60℃
【0025】得られた大豆タンパク質食品素材の色調は
淡黄白色であり、エクストルーダー中での加熱処理に起
因する褐変及び加熱臭の発生は認められなかった。また
本製品は、繊維感及び弾力性が非常に強く、畜肉様の食
感を有していた。
淡黄白色であり、エクストルーダー中での加熱処理に起
因する褐変及び加熱臭の発生は認められなかった。また
本製品は、繊維感及び弾力性が非常に強く、畜肉様の食
感を有していた。
【0026】実施例5
実施例4における小麦タンパク質に代えて卵白粉末(H
G 太陽フーズ株式会社製)を供給量0.7kg/Hで添
加する以外は、実施例4と同様の操作を行ない、実施例
4と同様の品質を有する大豆タンパク質食品素材を得
た。
G 太陽フーズ株式会社製)を供給量0.7kg/Hで添
加する以外は、実施例4と同様の操作を行ない、実施例
4と同様の品質を有する大豆タンパク質食品素材を得
た。
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(56)参考文献 特開 昭51−51460(JP,A)
特開 平4−84860(JP,A)
特開 昭62−11057(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A23J 3/16 - 3/26
Claims (4)
- 【請求項1】 可溶性糖区分の50%以上を除去した丸
大豆または脱皮大豆を原料とし、これを二軸エクストル
ーダー処理することを特徴とする大豆タンパク質食品素
材の製造方法。 - 【請求項2】 可溶性糖区分の50%以上を除去した丸
大豆または脱皮大豆を加熱処理した後、二軸エクストル
ーダー処理することを特徴とする大豆タンパク質食品素
材の製造方法。 - 【請求項3】 可溶性糖区分の50%以上を除去した丸
大豆または脱皮大豆に、分離大豆タンパク質、小麦タン
パク質、卵白、カゼインより選ばれる一種類以上を添加
したものを原料とし、これを二軸エクストルーダー処理
することを特徴とする大豆タンパク質食品素材の製造方
法。 - 【請求項4】 可溶性糖区分の50%以上を除去した丸
大豆または脱皮大豆に小麦タンパク質を添加したものを
原料とし、これを二軸エクストルーダー処理することを
特徴とする大豆タンパク質食品素材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12746795A JP3401122B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-28 | 大豆タンパク質食品素材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-117682 | 1995-04-20 | ||
JP11768295 | 1995-04-20 | ||
JP12746795A JP3401122B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-28 | 大豆タンパク質食品素材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09161A JPH09161A (ja) | 1997-01-07 |
JP3401122B2 true JP3401122B2 (ja) | 2003-04-28 |
Family
ID=26455756
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12746795A Expired - Fee Related JP3401122B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-28 | 大豆タンパク質食品素材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3401122B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR3090279B1 (fr) * | 2018-12-21 | 2020-12-25 | Roquette Freres | Produit sec base pois pour alimentation des animaux |
JP7290297B1 (ja) * | 2022-06-20 | 2023-06-13 | 菱熱工業株式会社 | 植物性蛋白食品の製造方法 |
WO2024009945A1 (ja) * | 2022-07-06 | 2024-01-11 | 不二製油グループ本社株式会社 | 組織状蛋白質素材の製造方法 |
-
1995
- 1995-04-28 JP JP12746795A patent/JP3401122B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09161A (ja) | 1997-01-07 |
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