JP3400785B2 - ウィンドシールドを有する化学天びん - Google Patents

ウィンドシールドを有する化学天びん

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベース範囲と後方
の構体とを有する天びんケーシングと、天びん皿と、こ
の天びん皿を全ての側から取り囲んでいるウィンドシー
ルドとを備え、このウィンドシールドの底面は天びんケ
ーシングのベース範囲により、かつこのウィンドシール
ドの背壁は天びんケーシングの後方の構体により形成さ
れ、更にこのウィンドシールドは1つの不動の正面ガラ
スと、2つの可動の側面ガラスと、1つの可動の上面の
スライダとを有しており、その際可動の壁エレメントは
手によって、あるいはモータで、開閉することができる
形式の化学天びんに関する。
【0002】
【従来の技術】この形式の天びんは一般に周知であり、
例えば DE 35 08 873 C1 (US 4,664,207) あるいは EP
234 008 B1 (US 4,700,793) に記載されている。
【0003】DE 35 08 873 C1 においては、枠のない正
面ガラスが天びんケーシングのベース範囲に固定されて
おり、上端部において付加的に2つの案内レールによっ
て保持されかつ天びんケーシングの後方の構体と結合さ
れる。これら両方の案内レールは同時に上面のスライダ
のため及び側面ガラスのための案内として役立つ。この
ことは、上面のスライダの案内の極めて簡単な構造及び
正面ガラスの良好な安定性をもたらす。更に、正面及び
側方からの計量物の目視が実際上妨げられることはな
い。単に、斜め上方からの目視及びアプローチが不動の
案内レールによって阻害されるだけである。
【0004】EP 234 008 B1 においては、斜め上方から
のアプローチ及び目視は阻害されない。それは、側面ガ
ラスを上面のスライダと結合する案内部分が、天びんケ
ーシングの後方の構体内に、あるいは後方の構体上にし
ゅう動可能であるからである。しかしながらこの構造形
式は複雑である。更に案内部分のしゅう動によって、上
面のスライダが後方にしゅう動せしめられている場合
に、側面ガラスの上方範囲が単に後方においてだけ案内
されるのに対し、上面のスライダが前方にしゅう動せし
められている場合に、側面ガラスがその全長にわたって
案内されることになる。両方の側面ガラスが後方にしゅ
う動せしめられていると、逆に上面のスライダの案内部
分のための支持が失われ、これにより案内部分が剛性が
不足するために前方に向かって幾分か沈下し、この場合
側面ガラスが動きにくくなる。上面のスライダも比較的
に動きにくい。それは運動の際に、一緒に動かされる案
内部分の摩擦も、また案内部分と側面ガラスとの間の摩
擦も、克服しなければならないからである。更に EP 23
4 008 B1 の場合には、前側方からの目視が、正面ガラ
スを取り囲む環状の枠によって阻害される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の課
題は、前記の指摘した両方の構造形式の利点を互いに結
合し、かつ両方の構造形式の欠点を回避することであ
る。特に、側面ガラス及び上面のスライダが相互に影響
を及ぼすことなしにしゅう動可能であるようにし、計量
物の前方からの目視も、側方からの目視も、上方からの
目視も、あるいは斜め上方からの目視も阻害されていな
いようにし、かつ上方から及び側方からのアプローチも
やはり阻害されていないようにする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題は本発明によれ
ば次のことによって達成される。すなわち、不動の正面
ガラスが枠なしに構成されていて、単に天びんケーシン
グのベース範囲だけに固定されており、側面ガラスはベ
ース範囲において案内されていて、後方の構体において
単に傾倒だけを防止されており、かつ上面のスライダは
少なくとも1つの丸棒滑り案内によって天びんケーシン
グの後方の構体において案内されているようにするので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の有利な実施の形態は、従
属請求項に記載したとおりである。
【0008】
【実施例】以下においては、図面に示した実施例に基づ
いて本発明の構成を具体的に説明する。
【0009】図1においては天びんが斜視図で示されて
いる。この天びんは、ケーシングのベース範囲1と、ケ
ーシングの後方の構体2と、ケーシングに定置の表示・
操作部分3と、天びん皿4と、この天びん皿をすべての
側から取り囲むウィンドシールドとから成っている。ウ
ィンドシールドの底はケーシングのベース範囲1によっ
て形成され、背壁はケーシングの後方の構体2によって
形成され、前壁は安定した不動の透明な正面ガラス5に
よって形成され、この正面ガラスの左の側縁は5′で示
されている。両方の側面ガラス6及び7のうち、左の側
面ガラス6は後方にしゅう動せしめられた(開かれた)
状態で示されているが、これら両方の側面ガラスはウィ
ンドシールドを側方から仕切っており、箱形に高められ
ている上面の可動のスライダ8はウィンドシールドを上
方に向かって仕切っている。
【0010】上面のスライダ8の案内は部分的に図1に
おいて認められ、機能を説明するために図2において案
内のケーシングに定置の部分の鉛直断面図で、かつ図3
において案内の可動の丸棒11の鉛直断面図で示されて
いる。丸棒滑り案内のケーシングに定置の部分は連続プ
レス部分10であって、円筒状の内室(中空室)12を
C形に取り囲んでいる。この内室12内には、図1に認
められる前端部において、プラスチックから成るやはり
C形の滑りブッシュ13が接着されている。この滑りブ
ッシュ13内で丸棒11が滑り運動可能であり、この丸
棒は、明らかにするために、図3に別個に示されてい
る。丸棒11は側方でウェブ14に移行しており、この
ウェブには上面のスライダ8の側方の範囲8′が固定さ
れている。丸棒11の後端部は図1においてケーシング
の後方の構体2内に隠れているが、この後端部には、第
2の滑りブッシュ15が存在しており、この第2の滑り
ブッシュは丸棒11と固く結合されている。要するに、
上面のスライダ8が図1に示した閉じた位置にある場合
には、第2の滑りブッシュ15は、ケーシングに定置の
第1の滑りブッシュ13の直後にある。上面のスライダ
8を開く場合には、滑りブッシュ15は丸棒11と一緒
に動き、両方の滑りブッシュ13及び15の間隔ウェブ
は大きくなる。これによって滑りブッシュの負荷が減少
する。全体としてこの丸棒滑り案内は、所要スペースが
わずかであることと、簡単に製作可能な部分を利用して
いることとによって、優れている。
【0011】可動の丸棒11は有利には外側のスリット
を付けられた金属管11″と内側のプラスチックコア1
1′″とから構成されている。プラスチックコア1
1′″は、やはりプラスチックから成っている側方のウ
ェブ14に移行している。組み立ての際には、スリット
を付けられた金属管11″はプラスチックコア11′″
上に簡単に差しはめられる。金属管11″は例えば鋼あ
るいはアルミニウムから成ることができる。アルミニウ
ムの金属管は例えば連続プレス法で製作することがで
き、その場合表面硬度及び良好な滑り性質は特別な表面
調質によって達成することができる。
【0012】更に図3においては、上面のスライダを手
動でしゅう動させるのに役立つ側方のしゅう動つまみ1
6が認められる。図1においては、単に、スライダ8の
逆の左側におけるしゅう動つまみ16′だけが認めら
れ、このしゅう動つまみは左の丸棒滑り案内の可動の部
分11′と結合されている。更に図3においてラック1
7が認められ、このラックは丸棒滑り案内の可動の丸棒
11に結合されている。このラック17に、ケーシング
の後方の構体2内に収容されている電気モータのピニオ
ンがかみ合っており、これにより上面のスライダはモー
タでも動かすことができる。このモータを制御するため
に、例えば表示・操作部分3の1つの操作キー9が役立
つ。
【0013】右の丸棒滑り案内10/11と左の丸棒滑
り案内の可動の部分11′との間の公差は、スライダ8
の弾性によって、特にスライダの箱形状によって、補償
される。しかしながら、2つの丸棒滑り案内の代わり
に、単にただ1つの丸棒滑り案内を例えば右側に設け、
スライダ8を別の側で、例えば単に2つの互いに滑り合
う支持面によって、支えることも可能である。
【0014】両方の側面ガラス6及び7の、ケーシング
のベース範囲1における案内は、通常の形式のものであ
って、したがってここでは詳細には図示せず、また説明
も省略する。例えば既に指摘した DE 35 08 873 C1 に
は、構造の細部が記載されている。側面ガラス6及び7
の傾倒を防止するために、丸棒滑り案内のケーシングに
定置の連続プレス部分10の側方に溝18が形成されて
おり(図2)、この溝内に側面ガラス7のフックが係合
している。しかしながらはっきりと指摘しておくが、溝
形の案内18は丸棒滑り案内のケーシングに定置の連続
プレス部分10に配置されており、要するにケーシング
に定置である。丸棒滑り案内の可動の丸棒11はどの箇
所でも側面ガラス6又は7のための案内を形成しておら
ず、逆に側面ガラスもどの箇所においても上面のスライ
ダのための案内を形成しておらず、これにより要する
に、上面のスライダと側面ガラスとの間の摩擦連結は行
われていない。
【0015】正面ガラスの有利な実施例は図4に断面し
て示されている。正面ガラス5は接着層20を介して互
いに結合されている2つの個別ガラス(ガラス板)5″
及び5′″から成っている。後方の個別ガラス5′″は
前方の個別ガラス5″よりも幾分が小さく、これにより
図4に認められるような段が生じている。それぞれの側
面ガラス6若しくは7はこの段と協働してラビリンスシ
ール21/22を生ぜしめ、これにより特別な弾性的な
シールなしにでも、計量室の内部が空気流に対して保護
されている。この場合、天びんの前の操作員の呼吸に対
する保護は特に良好に行われる。それは、ラビリンスシ
ールの外方のスリット21が呼吸の空気流の対して正確
に横方向に位置しているからである。この複ガラスの構
成によって、シールを備えた環状の枠を省略することが
でき、ウィンドシールドとしての機能を阻害することな
しに、計量物の自由な目視が保証される。
【0016】両方のガラスの間の接着層20によって、
相応する構成で正面ガラス5が安全ガラス板になり、こ
のことは特別な用途の場合に有利である。しかし、両方
の個別ガラス5″及び5′″を結合することによって、
摩滅強度がわずかで、アプローチ可能なガラス板表面に
は設けにくい特別な表面層、例えば熱輻射に対する反射
層、を使用することも可能である。すなわち、、両方の
個別ガラス5″及び5′″の内側の表面にこれらの敏感
な層を簡単に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】天びんの斜視図である。
【図2】丸棒滑り案内のケーシングに定置の部分の鉛直
断面図である。
【図3】丸棒滑り案内の可動の部分の鉛直断面図であ
る。
【図4】正面ガラスの構造例の水平断面図である。
【符号の説明】
1 ベース範囲、 2 後方の構体、 3 表示・操作
部分、 4 天びん皿、 5 正面ガラス、 5′ 正
面ガラスの左の側縁、 5″ 個別ガラス、5′″ 個
別ガラス、 6 側面ガラス、 7 側面ガラス、 8
上面の可動のスライダ、 8′ 側方の範囲、 9
操作キー、 10 案内のケーシングに定置の部分、連
続プレス部分、 11 案内の可動の丸棒、 11′
可動の部分、 11″ 金属管、 11′″ プラスチ
ックコア、 12 円筒状の内室(中空室)、 13
滑りブッシュ、 14 ウェブ、 15 第2の滑りブ
ッシュ、 16 しゅう動つまみ、 16′ しゅう動
つまみ、 17 ラック、 18 溝、案内、 20
接着層、 21 ラビリンスシール、スリット、22
ラビリンスシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユルゲン ヴィンケルバッハ ドイツ連邦共和国 フリートラント シ ュラーデベルク 26 (56)参考文献 特許2641569(JP,B2) 実用新案登録2504627(JP,Y2) 実用新案登録2561148(JP,Y2) 実用新案登録2504970(JP,Y2) 特公 平3−9410(JP,B2) 実公 平3−11711(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01G 21/30 G01G 21/28 G01G 23/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース範囲と後方の構体とを有する天び
    んケーシングと、天びん皿と、この天びん皿を全ての側
    から取り囲んでいるウィンドシールドとを備え、このウ
    ィンドシールドの底面は天びんケーシングのベース範囲
    により、かつこのウィンドシールドの背壁は天びんケー
    シングの後方の構体により形成され、更にこのウィンド
    シールドは1つの不動の正面ガラスと、2つの可動の側
    面ガラスと、1つの可動の上面のスライダとを有してお
    り、その際可動の壁エレメントは手によって、あるいは
    モータで、開閉することができる形式の化学天びんにお
    いて、不動の正面ガラス(5)が枠なしに構成されてい
    て、単に天びんケーシングのベース範囲(1)だけに固
    定されており、側面ガラス(6,7)はベース範囲
    (1)において案内されていて、後方の構体(2)にお
    いて単に傾倒だけを防止されており、かつ上面のスライ
    ダ(8)は少なくとも1つの丸棒滑り案内(10,1
    1)によって天びんケーシングの後方の構体(2)にお
    いて案内されていることを特徴とする、化学天びん。
  2. 【請求項2】 上面のスライダ(8)が2つの丸棒滑り
    案内(10,10′,11,11′)によって後方の構
    体(2)において案内されていることを特徴とする、請
    求項1記載の化学天びん。
  3. 【請求項3】 各丸棒滑り案内(10,11)が2つの
    滑りブッシュを有しており、その際一方の滑りブッシュ
    (13)はケーシングに不動に配置されており、かつ他
    方の滑りブッシュ(15)はスライダ(8)と一緒に可
    動であることを特徴とする、請求項1又は2記載の化学
    天びん。
  4. 【請求項4】 丸棒滑り案内のケーシングに不動の部分
    は、C形の横断面を有する連続プレス部分(10)から
    成っていることを特徴とする、請求項1から3までのい
    ずれか1項記載の化学天びん。
  5. 【請求項5】 連続プレス部分(10)の内側の円形中
    空室(12)内に、やはりC形の滑りブッシュ(13)
    が固定されていることを特徴とする、請求項4記載の化
    学天びん。
  6. 【請求項6】 滑りブッシュ(13)が連続プレス部分
    (10)の前端部に配置されていることを特徴とする、
    請求項5記載の化学天びん。
  7. 【請求項7】 丸棒滑り案内(10,10′,11,1
    1′)の可動の部分が、円形横断面を有する棒から成っ
    ており、この棒は側方のウェブ(14)によって上面の
    スライダ(8)に結合されていることを特徴とすおる、
    請求項1から6までのいずれか1項記載の化学天びん。
  8. 【請求項8】 丸棒(11)上に円形の滑りブッシュ
    (15)が固定されていることを特徴とする、請求項7
    記載の化学天びん。
  9. 【請求項9】 滑りブッシュ(15)が丸棒(11)の
    後端部に固定されていることを特徴とする、請求項8記
    載の化学天びん。
  10. 【請求項10】 丸棒(11)がスリットを付けられた
    金属管(11″)から成っていて、この金属管はプラス
    チックコア(11′″)上に差しはめられていることを
    特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項記載の
    化学天びん。
  11. 【請求項11】 側方のウェブ(14)に、スライダ
    (8)をモータで動かすためのラック(17)が配置さ
    れていることを特徴とする、請求項7から10までのい
    ずれか1項記載の化学天びん。
  12. 【請求項12】 側方のウェブ(14)に、スライダ
    (8)を手動で動かすためのしゅう動つまみ(16)が
    存在していることを特徴とする、請求項7から11まで
    のいずれか1項記載の化学天びん。
  13. 【請求項13】 正面ガラス(5)が幾分か異なった大
    きさの2つのガラス板(5″,5′″)から組み立てら
    れていて、正面ガラスと、側面ガラス(6,7)の前縁
    及び上面のスライダ(8)の前縁とによって、ラビリン
    スシール(21/22)が形成されていることを特徴と
    する、請求項1から12までのいずれか1項記載の化学
    天びん。
  14. 【請求項14】 正面ガラス(5)の両方のガラス板
    (5″,5′″)の間に機能層(20)が配置されてい
    ることを特徴とする、請求項13記載の化学天びん。
  15. 【請求項15】 機能層(20)が熱保護層であること
    を特徴とする、請求項14記載の化学天びん。
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