JP3400690B2 - 傘歯車の熱間鍛造成形装置 - Google Patents
傘歯車の熱間鍛造成形装置Info
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Description
加熱した状態で鍛造し、傾斜した歯筋を有する傘歯車を
成形する傘歯車の熱間鍛造成形装置に関する。
さと低騒音とを実現することのできる歯車として、歯筋
を傾斜させて構成した傘歯車がある。この傘歯車として
は、例えば、はすば傘歯車、曲がり歯傘歯車およびハイ
ポイドギヤ等がある。
示したものである。これらの曲がり歯傘歯車2、4は、
各軸線が交差し、相互に噛合する歯筋2aおよび4aが
湾曲した状態で傾斜する構成となっている。
4の製造方法として、例えば、素材をプレス加工し若し
くは機械加工し、次いで、専用の歯切り工作機械により
歯筋を有した曲がり歯傘歯車2、4を製造するようにし
たものがある。この場合、前記歯切り工作機械は、非常
に高価であり、また、歯筋2a、4aの一枚一枚を切削
しなければならないため、加工に長時間を要し、歩留ま
りが悪いという欠点がある。
によって成形するようにした装置がある(特開平4−3
71335号公報参照)。この従来技術は、内面に歯筋
型を形成した回動自在な上型および下型によって、曲が
り歯傘歯車2、4の素材を鍛造成形した後、一方の型を
回動させながらノックアウトすることにより、傾斜する
歯筋2a、4aを有する曲がり歯傘歯車2、4を成形す
るようにしたものである。
型、例えば、上型がベアリングを介して回動自在に支持
されており、成形後のノックアウト時に、前記上型が歯
筋2a、4aの捻れ角によって回動している。このた
め、特に重量物である上型を回動させる力が、歯筋2
a、4aに直接掛かってしまい、成形不良が発生するお
それがある。
52141号公報に開示された歯車の鍛造成形装置があ
る。この装置では、下型の外周部にドリブンギヤを配設
し、前記ドリブンギヤに噛合するドライブギヤを介して
スクリューにより前記下型を回動させるように構成し、
型締め時および型開き時における前記下型の回動を前記
スクリューに装着したシリンダにより行わせるように構
成している。
時における下型の回動が前記シリンダによって遅延する
ことで、型開きの動作との同期がとれなくなり、曲がり
歯傘歯車2、4を損壊してしまうおそれがある。
合を解決するためになされたもので、型開き時に歯筋に
大きな力が作用することを確実に阻止し、品質に優れた
傘歯車を高い歩留まりにより成形することのできる傘歯
車の熱間鍛造成形装置を提供することを目的とする。
めに、本発明は、素材を所定温度に加熱した状態で鍛造
し、傾斜した歯筋を有する傘歯車を成形する傘歯車の熱
間鍛造成形装置において、前記素材を収容する第1型
と、付勢手段により前記第1型に対して押圧付勢され、
前記素材に前記歯筋を成形する第2型と、前記第2型に
一体的に装着されるドリブンギヤと、前記第2型を回転
自在に支持する支持枠と、前記支持枠に支持され、前記
ドリブンギヤに噛合するドライブギヤと、前記支持枠に
対して回動が制限された状態で支持され、且つ、前記第
1型に対して弾性部材により突出付勢されるとともに、
前記ドライブギヤに噛合するスクリューと、を備えると
ともに、 前記付勢手段は、油圧シリンダと、 前記油圧シ
リンダに注油および排油を行う給油回路と、 を備え、 前
記給油回路は、前記油圧シリンダに注油を行う方向にの
み流れを許容するテックバルブと、 前記油圧シリンダか
ら排出される油を通過させるリリーフバルブと、 を備
え、少なくとも前記第1型から前記第2型が離間変位す
る際、前記スクリューに噛合する前記ドライブギヤを介
して前記ドリブンギヤが回動し、前記第2型が前記歯筋
の傾斜に応じて回動することを特徴とする。
よって素材に十分且つ安定した型締め力が付与され、傘
歯車の成形がなされる。ここで、付勢手段が皿ばねを備
えることにより、常時、安定した型締め力を得ることが
できる。また、付勢手段が油圧シリンダを備えるととも
に、この油圧シリンダに注油および排油を行う給油回路
がチェックバルブとリリーフバルブとを備えている。従
って、型締め時に所望の面圧が得られてバリの発生を阻
止することができる一方、大型ワークの成形時に油を適
宜リリーフすることによって型破損の防止が可能にな
る。
材により支持されたスクリューに対して、ドライブギヤ
およびドリブンギヤを介して第2型が回動するため、迅
速な型開きおよび良好な同期が実現される。
ギヤを一方向にのみ回動させる回動方向規制機構が設け
られている。そして、型締め時にスクリューとドライブ
ギヤとが一体的に回動しないため、成形時に必要以上の
負荷が前記スクリューに作用することがない。
施形態の鍛造成形装置10の断面構成を示したものであ
る。なお、図1は、図3のI−I線断面図、図2は、図
3のII−II線断面、図3は、図1のIII−III
線断面図である。
2に保持される下型(第1型)14と、歯筋型16を備
えた上型(第2型)18とを備える。ダイプレート12
および下型14には、素材Wのステム20が挿通される
孔部22および24が形成され、ダイプレート12側の
孔部22には成形後の素材Wを取り出すためのノックア
ウト26が挿入される。
28を介して第1支持枠30によって支持されるととも
に、上面部に配設されたインナ32、ボール34および
アウタ36からなる軸受け部材を介して第2支持枠38
によって支持される。アウタ36は第2支持枠38に対
して固定され、インナ32は上型18に対して固定され
る。従って、前記上型18は、第1支持枠30および第
2支持枠38に対して回動自在に支持される。
ヤ40が装着される。このドリブンギヤ40には、図3
に示すように、第1支持枠30の4箇所に配設されたド
ライブギヤ42a〜42dが噛合する。各ドライブギヤ
42a〜42dには、その中央部のねじ孔にスクリュー
44a〜44dが噛合している。スクリュー44a〜4
4dのリードアングルは、歯筋型16のリードアングル
と同一に設定されている。スクリュー44a〜44dを
支持するスクリューシャフト46a〜46dは、下部が
第1支持枠30に装着されたスクリューホルダ48a〜
48dによって支持される。スクリューホルダ48a〜
48dによって支持されるスクリューシャフト46a〜
46dには、当該スクリュー44a〜44dの回動を阻
止する平面部50a〜50dが形成される。スクリュー
シャフト46a〜46dの上部は、第2支持枠38に形
成された孔部52a〜52dに挿通されており、この孔
部52a〜52dにはコイルスプリング54a〜54d
(弾性部材)が装着されている。各孔部52a〜52d
は、キャップ56a〜56dによって封止される。
は、ダイプレート58が装着されており、このダイプレ
ート58上には皿ばね60(付勢手段)が保持筒62に
よって保持された状態で装着される。皿ばね60の中央
部には、パンチホルダ64が装着され、前記保持筒62
およびパンチホルダ64の上部には、セットプレート6
6が装着される。パンチホルダ64の中央部には、セン
タパンチ68が挿通されている。このセンタパンチ68
の下端部は、ダイプレート58の孔部70、インナ3
2、ボール34およびアウタ36を介して上型18の中
央部に形成した孔部71に挿通される。
第2支持枠38には、スリーブ74a、74bが装着さ
れており、これらのスリーブ74a、74bには、保持
筒62と、第1支持枠30および第2支持枠38とを連
結するガイドバー76a、76bが挿通される。
以上のように構成されるものであり、次にその動作につ
いて説明する。
された素材Wがそのステム20を孔部24に挿通させ
て、下型14に収納される。次いで、上型18を含む鍛
造成形装置10の上部機構が、ガイドバー76a、76
bに案内された状態で前記素材Wが設置された下型14
に向けて下降される。
ると、スクリューシャフト46a〜46dの下端部が前
記下型14に当接する。上型18がさらに下降すると、
前記スクリューシャフト46a〜46dに装着されたス
クリュー44a〜44dが、コイルスプリング54a〜
54dの弾発力に抗して、上型18と相対的に上方向に
変位する。なお、このスクリュー44a〜44dは、ス
クリューシャフト46a〜46dに形成された平面部5
0a〜50dによって、スクリューホルダ48a〜48
dに対し回動しない状態となっている。従って、スクリ
ュー44a〜44dの変位に伴い、それに噛合するドラ
イブギヤ42a〜42dが回動し、さらに、前記ドライ
ブギヤ42a〜42dに噛合するドリブンギヤ40が回
動する。この結果、第1および第2支持枠30、38に
支持された上型18は、回動しながら下型14に接合さ
れることになる。
いて、これらは皿ばね60の安定した弾発力によって強
固に型締めされる。同時に、センタパンチ68が素材W
の上部を押圧することにより、前記素材Wの外周部が上
型18に形成された歯筋型16内に塑性流動する。この
結果、図4に示すように、下型14と上型18との間で
円弧状に傾斜する歯筋を有した曲がり歯傘歯車72が形
成される。
型開きを行う。この場合、上型18を下型14から離間
させるように上昇させると、その外周部に配設されたス
クリュー44a〜44dは、コイルスプリング54a〜
54dの弾発力によって図1に示す位置を維持しようと
する。従って、前記スクリュー44a〜44dに噛合す
るドライブギヤ42a〜42dが回動し、これによって
ドリブンギヤ40が回動する。なお、スクリュー44a
〜44dは、コイルスプリング54a〜54dによって
付勢されているため、型開きと同時に上型18が回動を
開始する。
し、上型18に形成された歯筋型16が曲がり歯傘歯車
72の歯筋から円滑に離型されることになる。図5は、
上型18が曲がり歯傘歯車72より離型した直後の状態
を示したものである。前記の状態から上型18を含む鍛
造成形装置10の上部機構がさらに上昇することによ
り、図1に示す状態まで変位した後、ダイプレート12
の孔部22に挿入したノックアウト26が上方に向って
変位することで、ステム20を介して曲がり歯傘歯車7
2が下型14から離型される。
造成形装置100の断面構成を示したものである。な
お、第1の実施形態に係る鍛造成形装置10と同一の構
成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は
省略する。
02a〜102dに、各スクリュー44a〜44dに噛
合して前記ドライブギヤ102a〜102dを一方向に
のみ回動させる回動方向規制機構104が設けられる。
図6〜図8に示すように、回動方向規制機構104は、
スクリュー44a〜44dが噛合するねじ孔106を有
するラチェット部材108と、前記ラチェット部材10
8が回動自在に配設される支持リング110と、前記支
持リング110に進退自在に設けられ、コイルスプリン
グ(弾性体)112a、112bを介して前記ラチェッ
ト部材108側に付勢される係止部材114とを備え
る。
止部材114を配置する係止溝116が所定の角度間隔
毎に設けられるとともに、この係止溝116は、一端側
に段部を有している。すなわち、ラチェット部材108
は、図7および図8中、矢印A方向の回動が許容される
一方、矢印B方向の回動が阻止される。支持リング11
0には、等角度間隔離間して各係止部材114が収容さ
れる4つの開口部118が設けられている。各係止部材
114は、各開口部118内でコイルスプリング112
a、112bを介して進退自在に配設される。
る鍛造成形装置100では、図6に示す状態から上型1
8が下型14に対して所定量下降すると、スクリューシ
ャフト46a〜46dの下端部がこの下型14に当接す
る。上型18がさらに下降すると、スクリュー44a〜
44dが下降しないため、このスクリュー44a〜44
dが螺合するねじ孔106を有するラチェット部材10
8が矢印A方向に回動する。
16に挿入されている係止部材114が、このラチェッ
ト部材108の外周面を摺動して進退し、前記ラチェッ
ト部材108の回動がドライブギヤ102a〜102d
に伝わらない。これにより、上型18は回転することな
く下降し、この上型18に形成された歯筋型16を介し
て素材Wに鍛造成形する作業が施される。
のみが矢印A方向に回動してこのラチェット部材108
の回動がドライブギヤ102a〜102dに伝わらない
ため、プレス速度が速く、上型18の質量による慣性モ
ーメントが大きくなっても、スクリューシャフト46a
〜46dに必要以上の負荷が作用することがない。従っ
て、スクリューシャフト46a〜46dの損傷を可及的
に阻止することができるという効果が得られる。
クリュー44a〜44dが上昇しないため、このスクリ
ュー44a〜44dに噛合するラチェット部材108が
矢印B方向に回動する。このため、ラチェット部材10
8の係止溝116に係止部材114が係合し、このラチ
ェット部材108と一体的にドライブギヤ102a〜1
02dが回動する。これにより、型開きと同時に上型1
8が回動を開始し、この上型18に形成された歯筋型1
6が曲がり歯傘歯車72の歯筋から円滑に離脱すること
になる。
造成形装置140の縦断面構成図である。なお、第2の
実施形態に係る鍛造成形装置100と同一の構成要素に
は同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略す
る。
して皿ばね60に代替し油圧シリンダ142を備えてい
る。油圧シリンダ142は、シリンダ室144内で昇降
自在なピストン146を備え、このピストン146の下
端にダイプレート58が固着される。
に注油および排油を行う給油回路148は、前記油圧シ
リンダ142に注油を行う方向にのみ流れを許容するチ
ェックバルブ150と、前記油圧シリンダ142から排
出される油を通過させるリリーフバルブ152とを備
え、タンク154内の油がポンプ156を介して該油圧
シリンダ142に供給される。リリーフバルブ152
は、設定値を任意に変更可能である。
では、下型14と上型18との型締め時において、ポン
プ156を介してタンク154内の油が油圧シリンダ1
42のシリンダ室144に供給され、このシリンダ室1
44内の圧力が、リリーフバルブ152から排出される
油量を制御することによって得られる背圧により維持さ
れる。従って、シリンダ室144内の油圧を介し、上型
18と下型14との接触時における面圧を有効に維持す
ることができ、素材Wの鍛造成形時にバリが発生するこ
とを阻止することが可能になる。すなわち、リリーフバ
ルブ152の設定値を任意に設定することにより、所望
の面圧を生じさせることができる。
は、型締め時に上型18および下型14に相当に大きな
負荷が作用し易い。そこで、リリーフバルブ152から
油を排出して上型18と下型14との面圧を低下させる
ことにより、素材Wの余剰部分をバリとして逃がすこと
ができる。これにより、鍛造成形装置140の破損を可
及的に阻止することが可能になるという効果が得られ
る。
を有する給油回路160を示す。この給油回路160
は、チェックバルブ150およびリリーフバルブ152
を備えるとともに、アキュムレータ162を介して油を
循環させている。給油回路160では、リリーフバルブ
152から排出される相当に高温な油を冷却するために
冷却器164を備えている。
貯留するタンク154を備えているために、リリーフバ
ルブ152から排出される高温の油を強制的に冷却する
必要はないが、給油回路160と同様に、冷却器164
を備えていてもよい。
時において、上型が下型に対して付勢手段により強固に
型締めされるため、安定した型締め力の下で傘歯車を好
適に成形することができる。また、型開き時において、
弾性部材により保持されたスクリューを介して上型が型
開きと同時に回動しながら傘歯車より離型されるため、
型開きの動作遅延や離型時において成形不良が発生する
ことがない。しかも、装置全体の構成を極めて簡素化す
ることができる。
におけるスクリューを含む型開き状態の縦断面構成図で
ある。
イドピンを含む型開き状態の縦断面構成図である。
る型締め状態の縦断面構成図である。
る型開き直後の状態の縦断面構成図である。
の縦断面構成図である。
する回動方向規制機構の一部切り欠き斜視説明図であ
る。
図である。
の縦断面構成図である。
成する給油回路の概略構成説明図である。
成説明図である。
枠 38…第2支持枠 40…ドリブン
ギヤ 42a〜42d、102a〜102d…ドライブギヤ 44a〜44d…スクリュー 46a〜46d
…スクリューシャフト 54a〜54d…コイルスプリング 60…皿ばね 68…センタパンチ 72…曲がり歯
傘歯車 104…回転方向規制機構 108…ラチェ
ット部材 110…支持リング 112a、112b…コイルスプリング 114…係止部材 142…油圧シ
リンダ 148、160…給油回路 150…チェッ
クバルブ 152…リリーフバルブ 164…冷却器
Claims (2)
- 【請求項1】素材を所定温度に加熱した状態で鍛造し、
傾斜した歯筋を有する傘歯車を成形する傘歯車の熱間鍛
造成形装置において、 前記素材を収容する第1型と、 付勢手段により前記第1型に対して押圧付勢され、前記
素材に前記歯筋を成形する第2型と、 前記第2型に一体的に装着されるドリブンギヤと、 前記第2型を回転自在に支持する支持枠と、 前記支持枠に支持され、前記ドリブンギヤに噛合するド
ライブギヤと、 前記支持枠に対して回動が制限された状態で支持され、
且つ、前記第1型に対して弾性部材により突出付勢され
るとともに、前記ドライブギヤに噛合するスクリュー
と、 を備えるとともに、 前記付勢手段は、油圧シリンダと、 前記油圧シリンダに注油および排油を行う給油回路と、 を備え、 前記給油回路は、前記油圧シリンダに注油を行う方向に
のみ流れを許容するテックバルブと、 前記油圧シリンダから排出される油を通過させるリリー
フバルブと、 を備え、 少なくとも前記第1型から前記第2型が離間変位する
際、前記スクリューに噛合する前記ドライブギヤを介し
て前記ドリブンギヤが回動し、前記第2型が前記歯筋の
傾斜に応じて回動することを特徴とする傘歯車の熱間鍛
造成形装置。 - 【請求項2】請求項1記載の装置において、 前記ドライブギヤには、前記スクリューに噛合し、前記
第1型と前記第2型が相対的に近接変位する際に前記ド
ライブギヤを非回動状態に維持する一方、前記第1型と
前記第2型が相対的に離間変位する際に前記スクリュー
を介して前記ドライブギヤを回動させる回動方向規制機
構を備えることを特徴とする傘歯車の熱間鍛造成形装
置。
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