JP3400516B2 - ターゲット陰極装置 - Google Patents

ターゲット陰極装置

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JP3400516B2 JP00471694A JP471694A JP3400516B2 JP 3400516 B2 JP3400516 B2 JP 3400516B2 JP 00471694 A JP00471694 A JP 00471694A JP 471694 A JP471694 A JP 471694A JP 3400516 B2 JP3400516 B2 JP 3400516B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空間的に閉じられた陰
極形状を備えた陰極スパッタリング装置用のターゲット
陰極装置であって、ターゲット本体が、解離可能な固定
装置を用いて冷却系に連結可能である形式のものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】陰極スパッタリング装置の連続運転、特
に、被膜を形成される基板を製造するために製造工場に
おいて見られるような、陰極スパッタリング装置の連続
運転は、ターゲット本体へのイオンの連続的な衝突を余
儀なくされており、そしてこれによって生ぜしめられる
ターゲット本体のスパッタリングは、ターゲットの規則
的な交換を必要とする。しかしながらこれによって生ぜ
しめられる中断時間は、このような機械の経済的な負荷
を考慮した場合、可能な限り短く保たれねばならない。
しかもこのために行われるターゲット交換作業は、しば
しば次のことによって、すなわち、ターゲット本体が被
膜形成プロセス中における冷却のために冷却系と直接接
触していることによって、困難になり、ひいてはこのよ
うにターゲット本体と冷却系とが直接接触していること
によって、ターゲット交換時に冷却系が多くの場合露出
されねばならず、そして時間のかかる清浄作業を必要と
する。
【0003】ターゲット本体の冷却は、イオンの連続的
な衝突に基づいて不可欠である。それというのはこの場
合ターゲット本体は、高い熱負荷に常にさらされている
からである。ターゲット材料の脆弱化及び過熱に対する
処置を施すためには、ターゲット本体と冷却系との間に
おける特に良好な熱伝達を配慮することが必要である。
このことは例外なく次のことによって、すなわちターゲ
ット本体がその下面において全面的に冷却面と接触して
いて、そして該冷却面の下面に冷却液が供給されている
ことによって、行われる。
【0004】公知の冷却系は、冷却系とターゲット本体
との間に中間プレートを有しており、この中間プレート
はしかしながらターゲット交換時にターゲットと一緒
に、冷却系から取り外されねばならないので、冷却通路
は剥き出しになり、設けられているシール部材の交換も
しくは清浄が必要である。したがってターゲット本体の
交換は、同時に冷却系への干渉をも意味しており、これ
によって付加的な作業コストは膨大なものになる。さら
に組立て時には冷却系におけるシール性に問題の生じる
おそれが多分にあるので、申し分のない運転再開を保証
するためには、水密検査及び真空密検査を行う必要があ
る。
【0005】冷却系を露出させることは、公知の陰極ス
パッタリング装置におけるターゲット交換にだけ関連し
ているのではなく、構造的な所与性に応じて、陰極スパ
ッタリング装置の磁石が同様に外的な機械的影響にさら
されることをも意味する。つまり磁石の不都合な調整ず
れ又は損傷が、不注意によって容易に発生する可能性が
あり、これによってプラズマ安定性に不都合な影響が与
えられることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ゆえに本発明の課題
は、冒頭に述べた形式のターゲット陰極装置を改良し
て、ターゲット本体の交換を可能な限り迅速に実施する
ことができ、しかもその際に冷却系になんら干渉する必
要のないターゲット陰極装置を提供することである。ま
た、冷却系とターゲット本体との間における強力な接触
によって、可能な限り良好な冷却を行うことができ、こ
れによってターゲット材料の損傷率を最適化できること
が望ましい。さらにまた、プラズマを安定化させるため
の磁石は、ターゲット交換中における機械的な損傷に対
して可能な限り保護されて、冷却系の下に設けられてい
ること、及び冷却系と接触しないことが望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、空間的に閉じられた陰極構造を備
えた陰極スパッタリング装置用のターゲット陰極装置で
あって、ターゲット本体が、解離可能な固定装置を用い
て冷却系に連結可能である形式のものにおいて、ターゲ
ット本体と冷却系との間に分割ダイヤフラムが設けられ
ており、該分割ダイヤフラムが一方では冷却系とかつ他
方ではターゲット本体と、それぞれ別個の固定装置によ
って結合されている。
【0008】本発明の別の有利な構成は、特許請求の範
囲の請求項2以下に記載されている。
【0009】
【発明の効果】本発明による思想は、以下において請求
項1に記載の請求の範囲を制限することなしに、特殊な
実施例、つまりいわゆる「HLK・陰極」(高出力陰
極:Hoch-Leistungs-Kathode)について、記載される。
しかしながら本発明による思想は、例えばいわゆる「中
間・極・ターゲット」(Zwischen-Pol-Targets)におい
ても使用することができる。
【0010】HLKターゲット装置は次のことによっ
て、すなわち、2つのターゲット本体トラックが互いに
ほぼ平行に並んで延びていて、両ターゲット本体トラッ
クが互いに間隔をおいて位置していることによって、特
徴付けられている。そしてこの場合互いに平行に直線的
に延びるターゲット本体の互いに向かい合っている端面
には、それぞれ2つの半円形のターゲット区分が設けら
れていて、該ターゲット区分によって、互いに平行なタ
ーゲット本体が結合されている。
【0011】本発明による分割ダイヤフラムはこの場合
一体的にターゲット本体装置の下に設けられていて、し
かもこの場合分割ダイヤフラムはターゲット本体の下面
全体と接触している。この場合に重要なことは、有利に
はパンとして構成されている冷却系との分割ダイヤフラ
ムの固定部が、冷却系の縁部においてねじを用いて結合
されているということである。そしてこれとは別個にタ
ーゲット本体は分割ダイヤフラムと結合されており、こ
の構成によってターゲット本体は単独で、つまり冷却系
を露出させることなしに、取り外すことが可能である。
【0012】
【実施例】次に図面につき本発明の実施例を説明する。
【0013】図1には、互いに平行に配置された2つの
ターゲット本体1を有しているいわゆるHLKターゲッ
トが、横断面図で示されている。プレート状に構成され
たターゲット本体1は、爪状条片2′,2″によって残
りのターゲット保持装置に固定されている。それぞれ外
側の爪状条片2′は、上から挿入されたねじによって、
残りのターゲット保持装置と解離可能に結合されてお
り、したがって固定ねじを緩めることによって、爪状条
片2′を外すことができる。爪状条片2′,2″による
ターゲット本体1の固定は次のように、すなわち、爪状
条片の階段状のサイド区分がそれぞれ、ターゲット本体
1の側部における同様に階段状に構成された突出部に接
触し、該突出部に対して、ねじの圧着力によって下方に
向けられた圧着力が生ぜしめられるように、行われる。
【0014】プレート状に構成されたターゲット本体を
使用する代わりに、中央の中空ねじを用いて分割ダイヤ
フラムに固定可能な丸いターゲット本体を使用すること
も可能である。
【0015】ターゲット本体1はその下面で全面的に本
発明による分割ダイヤフラム3に接触しており、この場
合ターゲット本体1と分割ダイヤフラム3とが相対的に
まったく動かないように接触していることはない。すな
わち分割ダイヤフラム3は、熱膨張に基づいてある程度
の範囲内でターゲット本体1に対して運動することがで
きる。
【0016】分割ダイヤフラム3は、装置のターゲット
本体1の下において一体的に全面にわたって延在してい
る。そして分割ダイヤフラム3には複数の孔が設けられ
ており、これらの孔を貫いてそれぞれ中央及び縁部範囲
において、爪状条片のための固定ねじを挿入することが
できる。分割ダイヤフラム3の厚さは有利には次のよう
に、すなわち、分割ダイヤフラムの固有弾性度がターゲ
ット本体1のいかなる熱膨張をも可能にし、そして常に
直接ターゲット本体1の下面に接触しているように、寸
法設定されている。
【0017】分割ダイヤフラム3は、全ターゲット装置
の左側及び右側においてそれぞれ、固定条片4′によっ
て残りの装置に対して固定される。
【0018】本発明によれば、ターゲット本体1を固定
するための爪状条片2′と固定条片4′とは空間的に互
いに隔てられている。例えば図1に示されている実施例
では、固定条片4′は下から長いねじ10を用いてその
下面を引き付けられ、これによって分割ダイヤフラム3
は固定条片4′と、パン5として構成された下面との間
においてプレスされる。中央範囲には同様に複数の固定
条片4″が設けられており、これらの固定条片4″は爪
状条片2″と一緒に、上から挿入可能なねじ9によって
固定可能である。
【0019】上に述べた固定処置によって、分割ダイヤ
フラムは上からパン5に押し付けられ、このパン5はそ
の縁部範囲にシール部材6を有しており、このシール部
材6は、パン5によって形成された冷却通路7内におけ
る冷却液の流出を阻止する。この場合冷却通路7は、分
割ダイヤフラムの下面の可能な限り大きな部分が冷却液
と接触するように、構成されている。
【0020】図1において斜線で示されたパン5の下に
は、磁石装置8が設けられており、この磁石装置8は有
利にはパンの下において次のように、すなわち磁極がパ
ンによって覆われるように、設けられている。磁石と冷
却液との直接的な接触は、この装置によって完全に回避
されている。
【0021】したがってターゲット本体の交換のために
必要なことは、爪状条片2′の縁部範囲において上から
挿入されたねじ、つまり爪状条片2′だけを解放するね
じを緩めることだけである。中央の爪状条片2″のため
のねじを緩めるもしくは外すことによってターゲット本
体1を装置から取り外すことができ、しかもこの際に、
少なくとも外側の固定条片4′によってパン5と堅く結
合されている分割ダイヤフラム3が解離することはな
い。そして新たなターゲット本体1の挿入は逆の順序で
行われる。
【0022】ターゲット本体のための固定装置と分割ダ
イヤフラムのための固定装置とが本発明のように分けら
れていることによって、迅速かつきれいなターゲット交
換が可能であり、このようなターゲット交換は、特に生
産工場における運転において有利である。冷却回路系に
おいて場合によっては生じることのある非シール性の問
題は、この配置形式において回避されている。
【0023】図1に示された装置の別の利点としては、
磁石の配置形式を挙げることができる。上に述べた実施
例では磁石が、冷却通路7内における冷却液と接触しな
いので、磁石が腐食のおそれにさらされることはない。
さらにまた磁石はパン形状によって、外部の機械的な損
傷に対して保護されており、したがってターゲット本体
の交換がこのような機械的な損傷に対するおそれを意味
することはない。
【0024】図1において横断面で示されたHLKター
ゲット装置は、その端部範囲にそれぞれ2つの半円形の
結合部材を有しており、したがって冷却通路7は閉じら
れた冷却回路を形成している。特に冷却通路7のカーブ
範囲において、冷却液は、そこで生じる遠心力によって
カーブ外側範囲に押し付けられ、その結果として、カー
ブ内側範囲において十分な冷却液が存在しなくなること
がある。このことに基づいて、特にカーブ範囲には、冷
却通路を長手方向において貫通する仕切りプレートが設
けられており、この仕切りプレートは、カーブ外側範囲
に向かっての冷却液のシフトを阻止するために働く。こ
のように構成されていることによって、分割ダイヤフラ
ムの下面を冷却液によって濡らすこと、ひいてはターゲ
ット本体を最適に冷却することが達成される。
【0025】冷却回路と、該冷却回路と熱的に接続して
いるターゲット本体との間に分離ダイヤフラムを本発明
のように配置することによって、ターゲット本体の交換
時に長時間のロスタイムを要する中断時間を回避するこ
とが可能になり、さらに冷却回路に可能な限り手を触れ
ないでおくことが可能になる。そしてこのような処置に
よって、陰極スパッタリング装置の運転確実性が著しく
高められ、経済性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】互いに平行な2つのターゲット本体と該ターゲ
ット本体にそれぞれ結合された冷却系とを示す横断面図
である。
【符号の説明】
1 ターゲット本体、 2′,2″ 爪状条片、 3
分割ダイヤフラム、4′,4″ 固定条片、 5 パ
ン、 6 シール部材、 7 冷却通路(冷却系)、
8 磁石装置、 9 ねじ、 10 長いねじ
フロントページの続き (72)発明者 ゲルハルト ヨース ドイツ連邦共和国 グロースオストハイ ム クルマインツァー リンク 42 (56)参考文献 特開 平1−298159(JP,A) 特開 平3−24265(JP,A) 特開 平4−228565(JP,A) 特開 平1−230770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 14/00 - 14/58 H01J 37/34

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉じられた陰極構造を備えた陰極スパッ
    タリング装置用のターゲット陰極装置であって、ターゲ
    ット本体(1)が、解離可能な固定装置を用いて冷却系
    に連結可能である形式のものにおいて、ターゲット本体
    (1)と冷却系(7)との間に分割ダイヤフラム(3)
    が設けられており、該分割ダイヤフラム(3)が一方で
    は冷却系(7)とかつ他方ではターゲット本体(1)
    と、それぞれ別個の固定装置によって結合されているこ
    とを特徴とするターゲット陰極装置。
  2. 【請求項2】 冷却系がパン(5)であり、該パン
    (5)が、パン(5)の縁部範囲に解離可能にしっかり
    と結合されている分割ダイヤフラム(3)と共に、閉じ
    られた冷却通路(7)を形成している、請求項1記載の
    ターゲット陰極装置。
  3. 【請求項3】 パン(5)における分割ダイヤフラム
    (3)の固定が、ねじ(10)によって行われており、
    該ねじ(10)が、下からパン(5)を通して固定条片
    に螺合していて、該固定条片を上から分割ダイヤフラム
    (3)に押し付けている、請求項2記載のターゲット陰
    極装置。
  4. 【請求項4】 分割ダイヤフラム(3)とパン(5)と
    の間にシール部材(6)が設けられている、請求項1か
    ら3までのいずれか1項記載のターゲット陰極装置。
  5. 【請求項5】 ターゲット本体(1)が、上から装着さ
    れた爪状条片(2′,2″)によって固定可能である、
    請求項1から4までのいずれか1項記載のターゲット陰
    極装置。
  6. 【請求項6】 爪状条片(2′,2″)がねじ(9)に
    よって固定可能である、請求項5記載のターゲット陰極
    装置。
  7. 【請求項7】 トラック状に閉じられた陰極構造が、互
    いに平行に延びる2つの陰極区分を有しており、両陰極
    区分がその端部において、それぞれ2つの半円形のター
    ゲットトラック区分と互いに結合可能である、請求項1
    から6までのいずれか1項記載のターゲット陰極装置。
  8. 【請求項8】 分割ダイヤフラム(3)が、冷却パン装
    置を完全に覆うプレートである、請求項1から7までの
    いずれか1項記載のターゲット陰極装置。
  9. 【請求項9】 分割ダイヤフラム(3)が弾性的であ
    る、請求項1から8までのいずれか1項記載のターゲッ
    ト陰極装置。
  10. 【請求項10】 パン(5)が少なくともカーブ区分に
    おいて次のような形状、すなわち、カーブ外側に向けら
    れた部分がカーブ内側に向けられた部分よりも浅くなる
    ような形状を有している、請求項1から9までのいずれ
    か1項記載のターゲット陰極装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも冷却通路(7)のカーブ範
    囲において、少なくとも1つの仕切りプレートを有して
    おり、該仕切りプレートが冷却流を、カーブ内側範囲と
    カーブ外側範囲とに分割している、請求項1から10ま
    でのいずれか1項記載のターゲット陰極装置。
  12. 【請求項12】 鉛直なパン投影範囲の内側においてパ
    ン(5)の下に、磁石(8)が配置されている、請求項
    1から11までのいずれか1項記載のターゲット陰極装
    置。
  13. 【請求項13】 鉛直なパン投影範囲の外側においてパ
    ンのそばに、磁石(8)が配置されている、請求項1か
    ら12までのいずれか1項記載のターゲット陰極装置。
JP00471694A 1993-01-21 1994-01-20 ターゲット陰極装置 Expired - Lifetime JP3400516B2 (ja)

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