JP3400195B2 - 船用可変プロペラ - Google Patents

船用可変プロペラ

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JP3400195B2
JP3400195B2 JP20696395A JP20696395A JP3400195B2 JP 3400195 B2 JP3400195 B2 JP 3400195B2 JP 20696395 A JP20696395 A JP 20696395A JP 20696395 A JP20696395 A JP 20696395A JP 3400195 B2 JP3400195 B2 JP 3400195B2
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秀昭 高田
孝夫 相原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロペラボスの外
周面に形成した凹部に、プロペラボスの軸方向にブレー
ド軸を配設すると共に、このブレード軸に支持される可
変ブレードのボスを収容し、プロペラボスの正転方向に
沿って相対向する凹部の内側面間で可変ブレードを、プ
ロペラ直径が最小になる閉じ位置から最大になる開き位
置へと回動させるようにした、船用可変プロペラに関す
る。
【0002】
【従来の技術】かゝる船用プロペラは、例えば、特開平
6−329084号や特開平7−187073号公報に
開示されているように既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のかゝる可変プロ
ペラでは、ブレードボスを収容するプロペラボス外周面
の凹部の開口部が、ブレードボスの縦断面形状に対応し
て方形をなしていて、その開口面積が比較的大きいた
め、これがプロペラボス外周面での水の流れ抵抗を増大
させる一因であることが判明した。
【0004】本発明は、かゝる点に鑑みて、可変ブレー
ドの所定の回動角度を確保しつゝ、プロペラボス外周の
前記凹部の開口面積を極力小さくし、且つ該凹部でスム
ーズな水流が生じるようにし、水の流れ抵抗を減少させ
た、前記船用可変プロペラを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、可変ブレードが開き位置へ回動したと
き、そのブレードボスの一方の外側面が離間する凹部の
一方の内側面の少なくとも前半部を、可変ブレードのピ
ッチと同方向の斜面に形成したことを第1の特徴とす
る。
【0006】また本発明は、上記特徴に加えて、ブレー
ドボスの前記一方の外側面の少なくとも前半部を、前記
斜面に対応した斜面に形成したことを第2の特徴とす
る。
【0007】さらに本発明は、上記第1又は第2の特徴
に加えて、可変ブレードが開き位置へ回動したとき、互
いに当接又は近接するブレードボスの他方の外側面及び
凹部の他方の内側面の少なくとも各後半部を、可変ブレ
ードのピッチと同方向の斜面に形成したことを第3の特
徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示す本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】先ず、図1において、船のトランサムに取
付けられる船外機又は船内外機の推進機本体1には、図
示しないエンジンから駆動される鉛直配置の駆動軸2
と、この駆動軸2の前後進歯車機構3を介して連結する
水平配置のプロペラ軸4とが支承され、このプロペラ軸
4の、推進機本体1から後方へ突出した部分に可変プロ
ペラ5が装着される。
【0010】前後進歯車機構3は公知のベベルギヤ式の
もので、駆動軸2と平行な切換操作杆6の昇降又は回転
により、駆動軸2からプロペラ軸4を前進方向に駆動し
得る前進態様と後進方向へ駆動し得る後進態様とに切換
えられる。
【0011】図1及び図2において、推進機本体1の後
面に開口する取付孔7には、プロペラ軸4を支承する前
後一対のベアリング8,9を保持するためのベアリング
ホルダ10が嵌合されると共に、それを後方より押える
リングナット11が螺着される。ベアリングホルダ10
は前部のボールベアリング8を保持する大径筒部10a
と、後部のニードルベアリング9を保持する小径筒部1
0bとを備え、両筒部10a,10bはテーパ状筒部1
0cを介して互いに一体に連結される。また小径筒部1
0bには、その外周面から突出してリングナット11で
押えられるフランジ10dが一体に形成されており、こ
のフランジ10dには、エンジンの排気ポートに推進機
本体1の中空部1aを介して連通する複数の排気出口1
3が設けられる。
【0012】さて、可変プロペラ5の構成について図2
ないし図11により説明する。
【0013】図2において、プロペラ軸4には、ベアリ
ングホルダ10の後端に隣接してスラストリング14が
スプライン15を介して嵌合される。このスラストリン
グ14はプロペラ軸4のテーパ面4aに当接して前方移
動が阻止される。
【0014】このスラストリング14の後方において、
プロペラ軸4には、トルク制限装置16を介してプロペ
ラボス12のボス本体17が連結される。これらトルク
制限装置16及びボス本体17は、プロペラ軸4を中心
とした同心状に重合して配置される。
【0015】トルク制限装置16は、プロペラ軸4にス
プライン19を介して着脱可能に嵌合されるスリーブ1
8と、このスリーブ18の外周面に焼付けられると共に
ボス本体17の内周面に圧入されるダンパゴム20とか
ら構成される。而して、ダンパゴム20は所定の摩擦力
をもってボス本体17と連結され、所定値以上の回転ト
ルクを受けるとボス本体17との間に滑りを生じるよう
になっている。
【0016】またプロペラ軸4には、スリーブ18の後
端に当接する延長カラー21がスプライン嵌合され、こ
の延長カラー21の後端を、それより大径のスラストワ
ッシャ22を介して押えるナット23がプロペラ軸4の
後端部に螺着される。そして、ナット23及びプロペラ
軸4には、緩み止めの割りピン24が挿入される。尚、
延長カラー21はスリーブ18と一体化させてもよい。
【0017】ボス本体17は、ダンパゴム20の後端を
覆う端壁から後方へ突出して延長カラー21に回転可能
に嵌合する位置決めボス17aを備えており、これによ
りボス本体17のプロペラ軸4に対する同心位置が保持
される。この位置決めボス17aは、前記スラストワッ
シャ22を囲繞するように円筒状に形成されると共に、
その内周面には、スラストワッシャ22の前面に対向す
る肩部25が設けられ、ボス本体17に加わる後方スラ
ストを、この肩部25を介してスラストワッシャ22に
受止めさせるようになっている。この場合、延長カラー
21の後端外周にフランジを形成し、このフランジを前
記肩部25に当接させてもよい。
【0018】またボス本体17の前端面は、前記スラス
トリング14の外周に形成されたフランジ14aに対向
していて、ボス本体17に加わる前方スラストをこのフ
ランジ14aに受止めさせるようになっている。
【0019】図2及び図3において、ボス本体17に
は、その外周面に開口すると共に底面を前記ダンパゴム
20の外周面に近接させて周方向等間隔置きに並ぶ3つ
の凹部26と、各凹部26の前後方向両端壁に開口する
一対の軸受孔28,29と、相隣る凹部26間に挟まれ
るランド部27を軸方向に貫通する3本の排気路30
と、これら排気路30及び前記排気出口13間を連通さ
せる円筒部31とが設けられる。この円筒部31は、前
記取付孔7の後方開口部に回転可能に挿入される。
【0020】ボス本体17の各凹部26には可変ブレー
ド32のボス32aが収容され、このブレードボス32
aにスプライン嵌合するブレード軸33の前後両端部が
前記軸受孔28,29に合成樹脂製のブッシュ34,3
5を介して回転自在に支承される。こうして3本のブレ
ード軸33は、プロペラ軸4と平行に且つそれを取囲む
ように配置される。
【0021】各ブレード軸33には、後部軸受孔29の
後方開口部に形成された円形凹部36に回転可能に収め
られるフランジ33aが設けられており、このフランジ
33aを後方より押えてブレード軸33の軸方向位置を
固定する、各軸共通の押え板37がボス本体17の後端
面に後述のボルト48により固着される。押え板37に
は、排気路30と整合する排気孔30aが設けられてい
る。
【0022】而して、各可変ブレード32は、図3に示
すように、プロペラ直径を最小D1にする閉じ位置A
と、それを最大D2 にする開き位置Bとの間をブレード
軸33と共に回動するもので、その閉じ位置A及び開き
位置Bは、ブレードボス32aの一方の外側面32a1
び他方の外側面32a2が凹部26の一方の内側面261
及び他方の内側面262 にそれぞれ当接することにより
規制される。またブレードボス32aの外周には円弧面
32fが形成されており、この円弧面32fは、可変ブ
レード32の開き位置Bでボス本体17の外周面に連続
するようにその外周面と等しい曲率半径を有する。
【0023】さらに図6ないし図8に示すように、凹部
26の一方の内側面261 と、これに対向するブレード
ボス32aの一方の外側面32a1との少なくとも前半部
は、可変ブレード32の根元ピッチと同方向の斜面
1 ,S1 ′に形成される。
【0024】また、凹部26の他方の内側面262 と、
これに対向するブレードボス32aの他方の外側面32
a2との少なくとも各後半部は、可変ブレード32の根元
ピッチと同方向の斜面S2 ,S2 ′に形成される。
【0025】上記斜面S1 ,S2 は、図6に仮想線で示
した従来の凹部026の方形開口部の一対の対角部を埋
めたような形に形成される。
【0026】図2、図4及び図11に示すように、プロ
ペラボス12は、ボス本体17の後端部に薄肉のディフ
ューザ管39を、両者の外周面が連続するように嵌合し
て構成される。このディフューザ管39の内周壁には取
付板46が溶接されており、それはディスタンスカラー
47及び押え板37を挟むようにしてボス本体17の後
端面にボルト48により固着される。取付板46には、
前記排気路30との対応位置に排気孔30bが穿設され
ている。この取付板46は、ボス本体17の後端面との
間に同期室40を画成するように配置され、この同期室
40において、全ての可変ブレード32相互を同期連動
させる同期装置41が構成される。
【0027】即ち、図2,図8ないし図10に示すよう
に、同期装置41は、各ブレード軸33の後端に一体に
連設されたクランク42と、前記位置決めボス17aの
外周に回動可能に支承される1個の同期リング43とか
ら構成され、該リング43はディフューザ管39の取付
板46により後面を押えられ、位置決めボス17aから
の離脱を阻止される。
【0028】クランク42のクランクアーム42aはブ
レード軸33からプロペラ軸4に向って屈曲しており、
その先端のクランクピン42bは、前記位置決めボス1
7aの外周に形成された円弧状の逃げ44に揺動可能に
受容される。一方、同期リング43には、内周面に開口
する半径方向に延びる3つのU字状係合溝45が設けら
れており、それらに前記クランクピン42bが摺動自在
に嵌合される。また同期リング43は、3本の排気路3
0を後方から覆わぬように外形が略三角形に形成され
る。而して、全てのブレード軸33は、それぞれのクラ
ンク42及び共通の同期リング43を介して互いに回動
角を規制し合うことにより、同期して回動することがで
きる。
【0029】同期室40には、また、同期装置41を介
して全可変ブレード32を前記閉じ位置Aに向って回動
付勢する戻しばね49が収容される。この戻しばね49
は捩じりコイルばねをもって構成され、そのコイル部4
9aは、全てのクランク42を囲繞するようディフュー
ザ管39の内周面に沿って配置され、このコイル部49
aの前後両端に形成した係止爪49b,49cは、前記
押え板37及び同期リング43に形成された係止溝5
0,51にそれぞれ係合される。
【0030】次に、この実施例の作用について説明す
る。駆動軸2から前後進歯車機構3を介してプロペラ軸
4が前進方向Fへ駆動されると、その駆動トルクにより
プロペラ5が回転駆動される。即ち、プロペラ軸4の駆
動トルクはスリーブ18からプロペラボス12へ伝達す
るので、可変ブレード32がプロペラボス12と共に回
転して前進推力が発生する。
【0031】ところで、プロペラ5の低速度回転域で
は、可変ブレード32は、戻しばね49の力と水の抗力
により閉じ位置Aに保持され、図5に示すように、プロ
ペラ直径を最小径D1 にするので、可変ブレード32に
よる推力は比較的小さい。したがって、エンジンのアイ
ドリング状態での超微速走航が可能であり、またプロペ
ラ5の回転速度の変化に伴い発生する推力の変化速度が
緩慢になることから、船の低速運転性が向上し、トロー
リングや離接岸等を容易に行うことができる。
【0032】その後、プロペラボス5の回転速度が一定
値を超えて上昇していくと、可変ブレード32は、それ
に作用する遠心力が水の抗力及び戻しばね49の反発力
と釣合うところまで開いていく。そして、所定の高速回
転域に入ると、図4に示すように、可変ブレード32は
プロペラ直径を最大値D2 にする開き位置Bまで回動す
るので可変ブレード32による推力が増大する。したが
って高速高出力性能が発揮されて高速クルージングを可
能にする。
【0033】この場合、可変ブレード32が開き位置B
に到達すると、ブレードボス32aの外側面32a2と凹
部26の内側面262 とが互いに当接して、ブレードボ
ス32a外周の円弧面32fがプロペラボス12の外周
面に連続することになるので、ブレードボス32aによ
る水の攪拌抵抗が殆ど無くなる。
【0034】またこの場合、ブレードボス32に離れて
対向する凹部26の一方の内側面261 の少なくとも前
半部は、可変ブレード32の根元ピッチと同方向の斜面
1に形成されているから、可変ブレード32の開き時
における凹部26の開口面積が従来のものに比し大幅に
減少し、しかも可変ブレード32の根元に沿う水の流れ
方向Wに前記斜面S1 が略一致し、凹部26の開口部を
水がスムーズに流れるから、凹部26による水の流れ抵
抗を減少させることができる。
【0035】さらに、凹部26の前記一方の内側面26
1 に対向するブレードボス32aの一方の外側面32a1
の前半部も前記斜面S1 に対応した斜面S1 ′に形成さ
れているから、該斜面S1 ′は前記斜面S1 と協働して
凹部26開口部での水の流れをスムーズにし、流れ抵抗
の更なる減少を図ることができる。
【0036】また、可変ブレード32の開き時、互いに
当接するブレードボス32aの外側面32a2と凹部26
の内側面262 との少なくとも各後半部も可変ブレード
32の根元ピッチと同方向に斜面S2 ′,S2 に形成さ
れているので、ブレードボス32a及びプロペラボス1
2の外周面の連続性を保ちつゝブレードボス32aの回
転モーメントのバランスを図ることができ、これにより
可変ブレード32の良好な開閉応答性を確保することが
できる。
【0037】この間、全ての可変ブレード32は、前述
のように同期装置41により相互に連動しているから、
各可変ブレード32に対する外的条件の変化があって
も、それらの開き角度のばらつきを無くして、常にプロ
ペラ5の性能の安定化を図ることができる。
【0038】航行中、浮流物等の小障害物が或る可変ブ
レード32に当った場合には、衝撃力が同期装置41を
介して他の全ての可変ブレード32に分散し、そしてダ
ンパゴム20に捩り変形が生じて、可変ブレード32に
加わる衝撃力を緩和することができる。また岩等の大障
害物が可変ブレード32に当った場合は、ダンパゴム2
0とボス本体17aとの間に滑りが生じ、プロペラ軸4
がプロペラボス12に対して空転するので、プロペラ5
の各部、並びに動力伝達系の過負荷を遮断することがで
きる。
【0039】また図示しないエンジンの排ガスは推進機
本体1の中空部1aに排出されるもので、その排ガスは
ベアリングホルダ10の排気出口13からボス本体17
の円筒部31へ排出され、そこから3本の排気路30に
分流し、押え板37の排気孔30a、同期室40及び取
付板46の排気孔30bを順次通って、即ちディフュー
ザ管39内を通って水中に排出される。上記のように、
推進機本体1からボス本体17の3本の排気路30への
排ガスの受渡しは、ボス本体17前端の円筒部31内で
行われるので、プロペラボス12の回転中にも拘らず、
3本の排気路30への排ガスの均等分配を行うことがで
きる。
【0040】しかも、各排気路30は、ボス本体17の
ランド部27を、即ち、可変ブレード32のボス32a
を収容する3つの凹部26の間を通るように形成されて
いるので、ボス32a及びそれを支持するブレード軸3
3に邪魔されることなく、しかもプロペラボス12の大
径化を伴うことなく必要且つ充分な断面積を確保するこ
とができ、排ガスの均等分配と相俟って排気抵抗の低減
に寄与し得る。
【0041】一方、ブレード軸33は、排気路30に邪
魔されることなく、前後一対の軸受孔28,29による
両端支持が可能となり、可変ブレード32を強固に支持
することができる。
【0042】また同期装置41では、クランクアーム4
2aをブレード軸33の後端からプロペラ軸4に向って
屈曲させて、クランクピン42bをプロペラボス12の
位置決めボス17a外周の逃げ凹部44に受容させ、こ
のクランクピン42bに共通の同期リング43を係合さ
せたので、同期リング43の小径化、延いては同期装置
41全体のコンパクト化を達成でき、これをディフュー
ザ管39内の狭小な同期室40に容易に収容することが
できる。
【0043】さらに、同期室40には、クランクアーム
42bを囲繞しながら同期リング43を全可変ブレード
32の閉じ方向へ付勢する共通の戻しばね49を収容し
たので、全可変ブレード32に対して戻しばね49は1
個で足り、しかも同期装置41と共に障害物から保護さ
れる。
【0044】上記実施例においては、本発明の要旨を逸
脱することなく種々の設計変更が可能である。例えば、
可変ブレードを動力を用いたアクチュエータにより作動
させることもできる。また前記斜面S1 ,S2 は、凹部
26の内側面261 ,262全域に亘り、また前記斜面
1 ′,S2 ′はブレードボス32aの外側面32a1
32a2全域に亘りそれぞれ形成することもできる。また
可変ブレード32の閉じ位置A及び開き位置Bは同期装
置41において規制することもでき、この場合、上記各
位置A,Bではブレードボス32aの外側面32a1,3
a2を凹部26の内側面261 ,262 にそれぞれ当接
させず、近接させることになる。またプロペラボス12
の外周面には、可変ブレード32が開き位置Aに来たと
き、その後縁の切欠き部に適合して可変ブレード32に
連続する補助固定ブレードを突設することもできる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、可変ブレードが開き位置へ回動したとき、そのブレ
ードボスの一方の外側面が離間する凹部の一方の内側面
の少なくとも前半部を、可変ブレードのピッチと同方向
の斜面に形成したので、可変ブレードの開き時における
凹部の開口面積が従来のものに比し大幅に減少し、しか
も可変ブレードに沿う水の流れ方向に前記斜面が略一致
し、凹部の開口部を水がスムーズに流れるから、凹部に
よる水の流れ抵抗を減少させることができる。
【0046】また本発明の第2の特徴によれば、ブレー
ドボスの前記一方の外側面の少なくとも前半部を、前記
斜面に対応した斜面に形成したので、該斜面は前記凹部
の一方の内側面の斜面と協働して凹部開口部での水の流
れをスムーズにし、流れ抵抗の更なる減少を図ることが
できる。
【0047】また本発明の第3の特徴によれば、可変ブ
レードが開き位置へ回動したとき、互いに当接又は近接
するブレードボスの他方の外側面及び凹部の他方の内側
面の少なくとも各後半部を、可変ブレードのピッチと同
方向の斜面に形成したので、可変ブレードの開き状態で
の可変ブレード及びプロペラボスの外周面の連続性を保
ちつゝ、ブレードボスの回転モーメントバランスを図る
ことができ、これにより可変ブレードの良好な開閉応答
性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るプロペラを備えた船外
機要部の一部縦断側面図。
【図2】図1のプロペラ部の拡大縦断面図。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】図2の4−4線矢視正面図(可変ブレード開き
状態)。
【図5】可変ブレードの閉じ状態を示す、図4と同様の
正面図。
【図6】図2の6−6線拡大断面図。
【図7】図6の7−7線断面図。
【図8】プロペラ要部の分解斜視図
【図9】図2の9−9線断面図。
【図10】一部の部品を取除いて示した図9と同様の断
面図。
【図11】プロペラの分解斜視図。
【符号の説明】
4 プロペラ軸 5 プロペラ 12 プロペラボス 26 凹部 261 一方の内側面 262 他方の内側面 32 可変ブレード 32a ブレードボス 32a1 一方の外側面 32a2 他方の外側面 33 ブレード軸 A 閉じ位置 B 開き位置 D1 最小プロペラ直径 D2 最大プロペラ直径 S1 ,S2 ,S1 ′,S2 ′ 斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−187075(JP,A) 特開 平7−187073(JP,A) 特開 平6−329084(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63H 3/08 B63H 1/20 B63H 1/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロペラボス(12)の外周面に形成し
    た凹部(26)に、プロペラボス(12)の軸方向にブ
    レード軸(33)を配設すると共に、このブレード軸
    (33)に支持される可変ブレード(32)のボス(3
    2a)を収容し、プロペラボス(12)の正転方向
    (F)に沿って相対向する凹部(26)の内側面(26
    1 ,262 )間で可変ブレード(32)を、プロペラ直
    径が最小(D 1 )になる閉じ位置(A)から最大
    (D2 )になる開き位置(B)へと回動させるようにし
    た、船用可変プロペラにおいて、 可変ブレード(32)が開き位置(B)へ回動したと
    き、そのブレードボス(32a)の一方の外側面(32
    a1)が離間する凹部(26)の一方の内側面(261
    の少なくとも前半部を、可変ブレード(32)のピッチ
    と同方向の斜面(S1 )に形成したことを特徴とする、
    船用可変プロペラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、 ブレードボス(32a)の前記一方の外側面(32a1
    の少なくとも前半部を、前記斜面(S1 )に対応した斜
    面(S1 ′)に形成したことを特徴とする、船用可変プ
    ロペラ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のものにおいて、 可変ブレード(32)が開き位置(B)へ回動したと
    き、互いに当接又は近接するブレードボス(32a)の
    他方の外側面(32a2)及び凹部(26)の他方の内側
    面(262 )の少なくとも各後半部を、可変ブレード
    (32)のピッチと同方向の斜面(S2 ′,S2 )に形
    成したことを特徴とする、船用可変プロペラ。
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