JP3400179B2 - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、基板上に櫛歯状の交差
指電極を対向配置してなる送波器および受波器を備え、
その通過帯域を中心周波数foに設定した弾性表面波フ
ィルタに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、弾性表面波フィルタは、図7に
示すように、圧電基板1の上に送波器2および受波器3
を形成してなるもので、送波器2および受波器3は、そ
れぞれ対向配置される櫛歯状の交差指電極4,5および
交差指電極6,7から構成されている。送波器2の交差
指電極4,5あるいは受波器3の6,7は、それぞれ両
者間に印加される電気信号を弾性表面波に変換して圧電
基板1に出力し、圧電基板1からの弾性表面波を電気信
号に変換して出力するという可逆的な動作が可能となっ
ているものである。 【0003】この場合、例えば送波器2の交差指電極
4,5は、対向する電極指4a,5aが互い違いとなる
ように配列されており、電極指4a,4aあるいは5
a,5a間のピッチはλoの寸法に設定されている。こ
のピッチλoはフィルタとして動作させる場合の中心周
波数foの逆数に対応する寸法である。 【0004】そして、送波器2の交差指電極4,5間に
電圧を印加すると、弾性表面波が発生するが、これは図
8に示すように、正負のインパルスで近似される。この
とき弾性表面波は左右に伝播するが、電気信号の周期と
一致すれば強め合い、逆相になれば弱め合うことにな
り、この結果、送波器2側から受波器3側に伝達される
信号の周波数は図9に示すようになる。また、実際のフ
ィルタでは、送波器2と受波器3とが存在するので、そ
れぞれの伝達特性f1(Ω),f2(Ω)の積となり、
したがって、フィルタ全体の特性F(Ω)は、次式
(1)のように表すことができる。ここで、Ωは、任意
の周波数fを中心周波数foで割って基準化した周波数
で式(2)の通りである。 【0005】 【数1】 【数2】 【0006】また、実際のフィルタにおいては、さら
に、通過帯域での特性をフラットにして全体の特性を矩
形状にするために、送波器2あるいは受波器3のいずれ
か一方を図10に示すように交差指電極4,5の電極指
4a,5aが交差する部分の長さ寸法を変化させて重み
付けを行い、これによって要求特性を得るように設計し
ている。そして、このような重み付けのことをアポダイ
ズ(apodize )法と呼んでいる。 【0007】ところで、上述のような構成のものでは、
次の点で不具合がある。それは、電極指4a,5aの幅
と間隔がそれぞれλoの4分の1に設定されていること
から、電極端部で反射される弾性表面波が重なって大き
な反射波になってしまうことである。すなわち、交差指
電極4,5の断面を示す図11において、弾性表面波は
表面の金属電極の有無によって速度が変化するので、電
極指4a,5aの端部で反射する。この場合、電極指4
a,5aが無い部分から有る部分に進む場合の反射では
同位相になり、電極指4a,5aが有る部分から無い部
分に進む場合の反射では逆移相になる。 【0008】図11の弾性表面波A1は、電極指4aの
端部で同位相で反射する。また、電極指4a部分を通過
してその端部で逆位相で反射する弾性表面波A2は、弾
性表面波A1に対してλo/4の2倍つまり半波長λo
/2だけずれて且つ逆位相であるから、結局、弾性表面
波A1と同位相になる。以下、同様にして、電極指5a
の両端部でそれぞれ反射する弾性表面波A3,A4につ
いても、結局、弾性表面波A1と同位相になり、全体と
して全て同位相の反射波が重ね合わされることになっ
て、交差指電極4,5から大きな反射波を生じてしまう
ことになるのである。 【0009】このように、交差指電極4,5で反射があ
ると、送波器2から出力された弾性表面波が受波器3で
反射されて送波器2側に戻ることになり、その送波器2
部分でさらに反射されて受波器3側に進む弾性表面波と
なる。ところが、その反射による弾性表面波は送波器2
から初めに出力された弾性表面波と伝送時間が異なるた
めに、伝達特性上にリップルとして現れることになり、
フィルタの伝送特性としては望ましくないものである。 【0010】そこで、このような不具合を解消するため
の構成が考えられている。それは、例えば、図12
(a)に示す構成のものがある。すなわち、このもの
は、交差指電極8,9の電極指8a,9aの幅寸法を中
心周波数foに対応する波長λoの8分の1とし、それ
ぞれ2本ずつを単位として交差させるように配置したも
のである。 【0011】この構成によれば、同図(b)中に矢印で
示すような弾性表面波が発生して基板を伝播してゆく
が、送波器側から受波器側に伝播した弾性表面波が電極
指端部で反射した場合でも、それらの位相が上述とは逆
に打ち消し合うようになるので、交差指電極8,9の全
体としては反射波を生ずることがなくなり、伝達特性を
向上させることができるようになる。また、この構成で
は、電極指間で発生するインパルス列が等間隔であるか
ら、全体として周波数特性の設計が容易になり、任意の
特性を得ることができる。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなλo/8の電極を用いるものでは、前述したよう
な特性的な利点がある代わりに、次のような欠点もあ
る。 【0013】すなわち、フィルタの通過周波数が高くな
ると電極指の幅寸法も小さくなるので、通常の装置を用
いた製造方法では困難になり、現状では、たかだか43
0MHzまでである。これに対して、衛星放送の受信機
に用いられる中間周波数は非常に高い周波数が設定され
ており、その中間周波数を扱う処理回路において用いら
れるフィルタにはこれに対応する周波数をカバーできる
ものが要求される。これは、例えば、日本においては4
03MHz程度が必要であり、ヨーロッパでは480M
Hzが必要となるが、このヨーロッパのものをカバーす
るには、電極指の幅寸法がλo/8のものでは上述した
製作限界を超えており、達成することが困難な状況にあ
る。 【0014】したがって、ヨーロッパ方式のものでも実
現可能なフィルタを得るためには、高精度の製造技術を
有する装置が必要であり、逆に、従来の装置を用いてい
る限りにおいては、加工精度の限界を超えているため
に、歩留りを大きく低下させてしまうという不具合の発
生につながるものである。 【0015】そこで、考えられるのは、図13(a)に
示すように、交差指電極10,11の電極指10a,1
1aの幅寸法をλo/6として、一方のみを2本毎に交
差するように配置したものである。この場合には、同図
(b)中に矢印で示すような弾性表面波が発生して基板
を伝播してゆくことになるが、送波器側から受波器側に
伝播した弾性表面波が電極指端部で反射した場合でも、
それらの位相がそれぞれ異なるために、互いに打ち消し
合うことはないが、前述した電極指10a,11aの幅
寸法がλo/4の場合のものに比べると、位相が揃って
しまうことがないので、全体としては実用上において問
題になる程度の反射波が発生することがなくなる。 【0016】そして、この構成では、同一の中心周波数
foに対しては電極指の幅寸法を、λo/8のものに比
べると広くとることができるので、換言すると、中心周
波数foの値を高く設定することができるようになり、
上述した不具合を解決することができるようになる。そ
こで、例えば、図14に示すようなアポダイズ法による
電極指12a,13aを多数有する構成の交差指電極1
2,13を形成することにより、図15に示すような通
過帯域特性の弾性表面波フィルタを得ることができるよ
うになる。 【0017】しかしながら、このような構成のものにお
いては、図15にも示しているように、通過帯域内での
周波数foに対応する領域の伝達特性をフラットにする
ことはできても、任意の形状に設計することが困難であ
る。すなわち、この構成では、図13(b)にも示した
ように、電極指の2本置きにインパルスが発生しないよ
うになるので、自由に特性を設計することに対する制約
を大きくしているのである。 【0018】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、従来の製造技術の範囲内で製作可能
で、しかも、高い周波数に対応して任意のフィルタ特性
を得ることができるようにした弾性表面波フィルタを提
供することにある。 【0019】 【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に櫛歯
状の交差指電極を対向配置してなる送波器および受波器
を備え、中心周波数foの通過帯域に設定された弾性表
面波フィルタを対象としているものであり、前記送波器
あるいは受波器のうちの一方の交差指電極対を、 (1)電極指の幅寸法が前記中心周波数foに対応する
波長λoの6分の1に設定されていること (2)対向する櫛歯状の電極指が一方側のみ2本ずつ並
ぶ組み合わせで配置されていること (3)中心周波数foを軸として左右非対称となる周波
数特性を持つように、交差指電極の電極指の交差部分の
重み付け領域の指向方向を弾性表面波の伝播方向に対し
て傾いた方向に形成されていることの、3つの条件を満
たすように形成したところに特徴を有する。 【0020】 【作用および発明の効果】本発明の弾性表面波フィルタ
によれば、送波器に電気信号が印加されると、周波数に
対応して設定された電極指の幅寸法に対応する弾性表面
波が基板表面に出力される。この弾性表面波は基板表面
を伝播して受波器に至ると、電気信号に変換されて出力
されるようになる。このとき、電極指の幅寸法が中心周
波数foに対応する波長λoの6分の1に設定されると
共に、対向する櫛歯状の電極指が一方側のみ2本ずつ並
ぶように組み合わされているので、電極指の端部で弾性
表面波が反射してもその位相が一致することがなくなっ
て全体としての反射波による悪影響を防止することがで
きる。 【0021】また、交差指電極の電極指の交差部分の重
み付け領域の指向方向を弾性表面波の伝播方向に対して
傾けることで、中心周波数foを軸として左右非対称と
なる周波数特性を持たせているので、通過帯域の伝達特
性を任意に設定することができるようになる。なお、こ
の場合に、周波数が零近傍にも通過帯域が発生するが、
扱う周波数帯域に対してほとんど無視できる領域である
ため、実質的に零近傍の通過帯域の発生が問題になるこ
とはなく、したがって、任意の形状を有する通過帯域特
性を得ることができるようになる。 【0022】さらに、このように、電極指の幅寸法を中
心周波数foに対応する波長λoの6分の1の寸法の設
定することで、電極指の形成に際して受ける加工精度の
制約の範囲内で8分の1のものに対して高い周波数帯域
に対応したものを製作することができるようになる。 【0023】 【実施例】以下、本発明の一実施例について、図1ない
し図6を参照しながら説明する。図2は、全体構成の外
観を示すもので、水晶などの単結晶からなる圧電基板2
1の上面に送波器22および受波器23が形成されてい
る。送波器22および受波器23は、それぞれ、対向す
る2つの交差指電極24,25および26,27の対か
ら構成されている。これら交差指電極24〜27は後述
する設計方法に基づいて各部の寸法が設計されている。 【0024】図1は、例えば送波器22の交差指電極2
4,25の平面形状を模式的に示すもので、中心周波数
foに対応する波長λoの6分の1の幅寸法で隣接する
電極指間の間隔寸法も波長λoの6分の1の寸法に設定
されている。そして、交差指電極24,25の対向する
部分では、一方から2本の電極指が連続して配置され、
他方から1本の電極指が配置されるようになっており、
さらに、それらの交差長は後述する演算式に基づいて計
算された寸法となるように設定されている。 【0025】この場合、交差指電極24,25は、中央
部に形成された交差領域Mとその両端部に形成された交
差領域S1,S2とから構成されており、その交差領域
S1およびS2の交差部分が指向する方向が電極指と直
交する方向つまり弾性表面波が伝播する方向に対して傾
いた方向に設定されている。 【0026】次に、上述した交差指電極24,25の電
極指の設計方法について説明する。フィルタとしての帯
域特性を任意に設定するために、交差指電極24,25
においては、図1に示した交差領域MおよびS1,S2
のように、アポダイズ法により設計している。この場
合、本来ならば、アポダイズされた交差指電極を得るた
めには波動方程式を解かねばならないが、その解法は複
雑且つ困難を極めて実用上においてそれ程の精度も不要
であるために、実際には次のような近似計算を行って求
めるることで十分実用に耐えるものを得ている。 【0027】まず、前提として、図3(a)に示すよう
な電極形状のモデルを考える。交差指電極24,25の
各電極指を24a,24b,…および25a,25b,
…とすると、対向する電極指の間に電気信号が印加され
たときに同図(b)に示すような振幅を有するインパル
スが発生し、これが弾性表面波伝播速度で左右に移動し
て伝播するものと仮定する。つまり、この図で示してい
るインパルスの大きさは、交差指電極24,25から出
力されていく弾性表面波の時間的な経過をも示している
ことになる。 【0028】この図において、時間の基準を交差指電極
24,25の中心にとり、時間領域の状態を周波数領域
の伝達特性に変換すべくフーリエ変換を行うと、式
(3)のように表すことができる。ここで、ai,bi
はインパルスの大きさを示し、nは交差指電極の片側半
分の周期の数を示す値で6n+1が電極指の本数とな
る。また、εの指数は、時間的経過による周波数特性を
示している。 【0029】 【数3】 【0030】この式(3)において、第1項と第2項と
では係数が同じで且つεの指数の符号だけが異なるの
で、これらをまとめると、次式(4)が得られる。 【0031】 【数4】 【0032】この式(4)を見ると、式の値は純虚数と
なっているから、位相変化がなく群遅延特性は平坦であ
ることがわかる。このことは、上述した基準点を中心と
して対称となるように電極指が配置がされているからで
あり、基準点の前後から出力される弾性表面波の位相が
全ての周波数で一致し、あたかも交差指電極24,25
の中心のみから弾性表面波が発生しているように見える
からである。換言すれば、伝達特性の群遅延特性を平坦
にするには、交差指電極を左右対称形に配置すれば良い
ということになる。 【0033】さて、式(4)の係数ai,biの値はフ
ィルタの要求特性によって定められる。そして、その算
出方法は、フーリエ級数展開,最小二乗法,数理計画法
など種々のものがある。 【0034】次に、通過帯域特性の設計について説明す
る。例えば、図4(a)に示すような周波数の通過帯域
特性が要求特性であるとする。一般に、このようにグラ
フに示された関数は、任意の点を中心として軸対称成分
と点対称成分とに分けることができる。そこで、同図に
示すフィルタの通過帯域特性を中心周波数foを規格化
した基準周波数Ω=1を中心として軸対称成分と点対称
成分とに分けると、同図(b),(c)のようになる。
なお、この場合に、原点を中心とした方が理解しやすい
ので、規格化した周波数Ωを次式(5)のように置き換
えると、同図中下側に示すような横軸の目盛りとなる。 【0035】 【数5】 【0036】これにより、ΩΔの値は正または負の値を
取り、対称の中心周波数からの距離を示すことになる。
そして、式(5)を式(4)に代入した後2つの項に分
けて式を書き直すと、次式(6)のようになる。そし
て、式(6)中の各項は、式(7),(8)に示すよう
になっている。 【0037】 【数6】 【数7】 【数8】 【0038】このうち、式(7)においては、cos の項
つまり偶関数のみから構成されているので、g(ΩΔ)
は偶関数となり軸対称成分となっている。また、式
(8)はsin の項つまり奇関数のみから構成されている
ので、h(ΩΔ)は奇関数となり点対称成分となってい
る。 【0039】したがって、上記したような任意の周波数
特性を得るためには、次のように設計する。従来例の項
目で説明した図14の構成のものでは、左右対称となる
偶関数成分のみからなる通過帯域特性(図15も参照)
となるために、任意の周波数特性を得ることができなか
った。 【0040】そこで、本発明においては、点対称成分を
付加するために、すなわち上述の式(8)に示す成分が
「0」とならないようにするために、フィルタの0周波
数付近にある値を設定する必要がある。ここで、要求特
性の点対称成分h′(ΩΔ)は基準周波数の上側の周波
数の要求特性k′(ΩΔ)と下側の周波数の要求特性
k′(−ΩΔ)とから次式(9)のようにして得ること
ができる。そして、その値がh(Ω)と一致しなければ
ならないことから、前述の式(4)と比較して、次式
(10)を得ることができる。 【0041】 【数9】 【数10】 【0042】このようにして得られた式(10)が0周
波数付近の要求特性となる。そして、このように、0周
波数付近に点対称成分に相当する値を前もって与えて設
計すれば、任意の帯域特性を得ることができるのであ
る。この場合において、例えば、n=20とした場合の
最小二乗法を用いて式中のai,biを求め、それらの
値を式(4)に代入して得られた交差指電極の電極形状
が図1に示すものであり、周波数特性は図6に示すよう
になる。 【0043】この場合、交差指電極の電極形状は、中央
部Mに対して両側部S1,S2の交差領域が指向する方
向が弾性表面波の伝播する方向に対して傾く方向に形成
されるようになる。これは、上述した0周波数付近に点
対称成分に相当する成分を付加するように設定したこと
によるものである。 【0044】図5は、要求特性k′(ΩΔ)の設計デー
タを示す一例であるが、この場合には、簡単のためにn
=5としてΩΔ=r/nの各rについて軸対称成分およ
び点対称成分に対して得られる設計値f′1(Ω)の各
値を示している。 【0045】図6において、通過帯域特性は軸対称とな
らずに点対称成分を含んだ形となっているのがわかる。
つまり、点対称成分を付加することにより、任意の要求
特性に対応した周波数特性を得ることができたのであ
る。なお、0周波数付近には減衰量が少ない領域が存在
するが、これはあらかじめ設計段階で設定されている特
性であると共に、この領域の周波数に対しては実用上に
おいては対象としていないため実質的な問題とならず、
中心周波数foに対応した領域のみを有効に利用するこ
とができるのである。 【0046】このような本実施例によれば、送波器22
の交差指電極24,25において、電極指の幅寸法を中
心周波数foに対応する波長λoの6分の1に設定し、
対向する一方側のみ2本ずつ並ぶ組み合わせで配置する
と共に、中心周波数foを軸として左右非対称となる周
波数特性を持つように、交差指電極の電極指の交差部分
の重み付け領域の指向方向を弾性表面波の伝播方向に対
して傾いた方向に形成したので、電極指の端部で弾性表
面波が反射してもその位相が一致することがなくなって
全体としての反射波による悪影響を防止することがで
き、また、中心周波数foを軸として左右非対称となる
周波数特性を持たせることにより、通過帯域の伝達特性
を任意に設定することができるようになる。そして、こ
のように、電極指の幅寸法を中心周波数foに対応する
波長λoの6分の1の寸法の設定することで、交差指電
極の形成に際して受ける加工精度の制約の範囲内で8分
の1のものに対して高い周波数帯域に対応したものを製
作することができるようになる。 【0047】本発明は、上記実施例にのみ限定されるも
のではなく、次のように変形または拡張できる。送波器
22側に限らず受波器23側に上述の構成を用いても良
い。nの値は、必要に応じて任意に設定することができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示す交差指電極の平面図 【図2】全体構成の模式的な外観斜視図 【図3】交差指電極の電極指の原理説明図 【図4】通過帯域の要求特性と成分に分けた特性とを原
理的に示す帯域特性図 【図5】交差指電極の設計データ 【図6】通過帯域特性図 【図7】従来例を示す原理説明図 【図8】弾性表面波出力の概念説明図 【図9】フィルタの周波数特性図 【図10】アポダイズ法によるフィルタの外観図 【図11】電極指の幅寸法がλo/4のものでの反射波
の説明図 【図12】電極指の幅寸法がλo/8のものの原理説明
図 【図13】電極指の幅寸法がλo/6のものの原理説明
図 【図14】電極指の幅寸法がλo/6の交差指電極の一
例を示す平面図 【図15】同フィルタの周波数特性図 【符号の説明】 21は圧電基板、22は送波器、23は受波器、24〜
27は交差指電極、24a,25aは電極指、M,S
1,S2は交差領域である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145 H03H 9/64

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板上に櫛歯状の交差指電極を対向配置
    してなる送波器および受波器を備え、中心周波数foの
    通過帯域に設定された弾性表面波フィルタにおいて、 前記送波器あるいは受波器のうちの一方の交差指電極対
    を以下の3つの条件を満たすように形成したことを特徴
    とする弾性表面波フィルタ。 (1)電極指の幅寸法が前記中心周波数foに対応する
    波長λoの6分の1に設定されていること (2)対向する櫛歯状の電極指が一方側のみ2本ずつ並
    ぶ組み合わせで配置されていること (3)中心周波数foを軸として左右非対称となる周波
    数特性を持つように、交差指電極の電極指の交差部分の
    重み付け領域の指向方向を弾性表面波の伝播方向に対し
    て傾いた方向に形成されていること
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