JP3399376B2 - インバータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電話機のリンガー
回路または無停電電源装置等に用いられるインバータ装
置に関し、特に、高周波スイッチングによるパルス幅制
御を行い、低周波交流出力を得るインバータ装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来のインバータ装置として、特開平1
0−174445号公報に開示されたものを例に取り、
その構成を図15を用いて説明する。 【0003】同図において、100はインバータ装置で
あり、入力電源101、スイッチ駆動回路107、トラ
ンス109、進相コンデンサ110、レギュレータ11
2およびプッシュプル・インバータ113を備えてな
り、負荷111に接続される。 【0004】このうち、レギュレータ112は、スイッ
チング素子102、PWM制御部103、転流ダイオー
ド104、チョークコイル105、および平滑コンデン
サ106を有してなる。また、プッシュプル・インバー
タ113は、一対のスイッチング素子108を有してな
る。 【0005】このように構成されるインバータ装置10
0においては、入力電源101から供給される直流電圧
を、レギュレータ112により安定化し、プッシュプル
・インバータ113により駆動されるトランス109を
介して負荷111に交流電圧として供給する。 【0006】ここで、トランス109の漏れインダクタ
ンスと、進相コンデンサ110の容量とで共振が発生す
ることにより、負荷111に供給される交流電圧が正弦
波状となる。 【0007】また、プッシュプル・インバータ113を
構成するスイッチング素子108の動作デューティは一
定であり、入力電圧の変動に対しても不変である。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のイン
バータ装置100は、低周波交流を発生させるものであ
るため、正弦波の周期を大きくするために、トランス1
09のコアを、磁束密度の大きいケイ素鋼板で構成する
場合が多い。ここで、ケイ素鋼板で構成したトランスの
コアは比較的大型となるため、インバータ装置100全
体の小型化が妨げられることとなった。 【0009】そこで、本発明においては、トランスのコ
アをフェライトで構成することにより、小型化が可能な
インバータ装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、直流入力をパルス幅制御し、交
流出力を得るインバータ装置において、フェライトから
なるコアを有するトランス、該トランスの1次巻線にプ
ッシュプル構造を構成するように設けられる第1のスイ
ッチング素子および第2のスイッチング素子、前記トラ
ンスの2次巻線の両端側にそれぞれ設けられる第3のス
イッチング素子および第4のスイッチング素子、前記第
3のスイッチング素子を、第1の低周波パルス(g1)
で駆動させ、前記第4のスイッチング素子を、前記第1
の低周波パルスに同期するとともにデッドタイムを挟ん
で前記第1の低周波パルスと交互にオンオフする第2の
低周波パルス(h1)で駆動させる第2の駆動手段、前
記第1のスイッチング素子を前記第1の低周波パルス
(g1)のオン期間中に断続的にオンオフを繰り返す第
1の高周波パルス(j)で駆動させ、前記第2のスイッ
チング素子を前記第2の低周波パルス(h1)のオン期
間中に前記第1の高周波パルス(j)に同期して断続的
にオンオフを繰り返す第2の高周波パルス(k)で駆動
させる第1の駆動手段、ならびに、前記第3のスイッチ
ング素子および前記第4のスイッチング素子と出力端子
との間に設けられるフィルタ回路、を備えてなり、前記
第1の高周波パルスおよび前記第2の高周波パルスは、
そのリセット時に前記トランスのコアの磁束密度が逐次
残留磁束に戻るようにされているものであることを特徴
とする。 【0011】本発明のインバータ装置は、高周波スイッ
チングによる直流−交流変換を行うものであり、出力電
圧の交流周期が短いため、トランスのコアを磁束密度の
小さいフェライトで構成することができる。これによ
り、トランスの小型化、ひいては装置全体の小型化が可
能である。 【0012】また、本発明のインバータ装置は、高周波
スイッチングによる直流−交流変換を行うものであり、
出力電圧の交流周期が短いため、出力電圧の高調波の除
去を行う共振動作は、比較的小さいものでよい。したが
って、共振動作を司るフィルタ回路として、フィルム・
コンデンサ等の容量の小さい小型のコンデンサを使用す
ることができ、これにより、装置全体の小型化が可能で
ある。 【0013】また、本発明のインバータ装置は、トラン
スの1次側において、スイッチング素子を構成するFE
Tの寄生ダイオードにより、トランスの1次巻線に蓄積
された励磁エネルギをコンデンサに充電し、電力を回生
するものであるため、回路効率が向上する。 【0014】さらに、本発明のインバータ装置は、トラ
ンスの2次側において、スイッチング素子としてのFE
Tの寄生ダイオードにより、逆起電圧を除去するもので
あるため、波形歪みを抑制し、正弦波に近い波形が得ら
れる。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の一実施例にかかるインバ
ータ装置の構成を、図1を用いて説明する。 【0016】同図において、1はインバータ装置であ
り、1次巻線L1、プラス電位の電圧を発生するバイア
ス巻線LD、マイナス電位の電圧を発生するバイアス巻
線LBおよび2次巻線L2を有するトランスTと、第1
のスイッチング素子としてのFETQ1と、第2のスイ
ッチング素子としてのFETQ2と、第3のスイッチン
グ素子としてのFETQ3と、第4のスイッチング素子
としてのFETQ4と、制御回路2と、第1の駆動回路
3aと、第2の駆動回路3bと、コンデンサからなるフ
ィルタ回路4とを備えてなる。 【0017】ここで、特に図示しないが、トランスTの
コアは、フェライトからなるものである。また、トラン
スTの1次巻線L1は、プッシュプル接続構造を有する
ものであり、1次巻線L1の中間に設けられたセンター
タップは、入力端子INに接続され、1次巻線L1の一
端は、FETQ1のドレインに接続され、他端はFET
Q2のドレインに接続されている。また、FETQ1お
よびFETQ2のソースは互いに接続されている。 【0018】また、制御回路2は、FETQ1およびF
ETQ2を高周波でオンオフさせる駆動回路3a、およ
びFETQ3およびFETQ4を低周波でオンオフさせ
る駆動回路3bに接続される。 【0019】また、トランスTの2次巻線L2は、FE
TQ3、Q4およびフィルタ回路4を介して、出力端子
OUTに接続される。 【0020】また、C1、C2、C3は平滑コンデンサ
であり、R1は起動用の抵抗であり、R2は過電流検出
用の抵抗である。またバイアス巻線LDおよびバイアス
巻線LBの各一端には、それぞれダイオードD1、D2
が接続される。また、D11、D12、D13、D14
は、それぞれFETQ1乃至Q4の寄生ダイオードであ
る。 【0021】ここで、抵抗R1、コンデンサC2、C
3、ダイオードD1、D2、バイアス巻線LDおよびバ
イアス巻線LBは、制御回路2の電源回路21を形成し
ている。すなわち、制御回路2が正電圧を扱うとき、コ
ンデンサC2が電源となり、制御回路2が負電圧を扱う
とき、コンデンサC3が電源となる。 【0022】次に、制御回路2の詳細な構成を図2を用
いて説明する。 【0023】同図において、制御回路2は、正弦波出力
回路21、位相反転回路22、第1の半波整流回路2
3、第2の半波整流回路24、絶対値回路27、三角波
出力回路28、比較回路29、過電流検知回路30を備
えてなる。なお、図面上で、第2の駆動回路3bは、便
宜上、二つに分割して示す。 【0024】次に、このように構成される制御回路2の
動作を、図3を用いて説明する。同図のa乃至kの電圧
波形は、図2に示すa乃至kの信号に対応するものであ
る。 【0025】まず、正弦波出力回路21から、互いに等
しい正弦波信号a1、a2およびa3が出力される。こ
のうち、正弦波信号a1は位相反転回路22に入力さ
れ、位相反転信号bが出力される。この位相反転信号b
は、第1の半波整流回路23で整流され、半波整流信号
cとなり、第2の駆動回路3bに入力される。ここで、
第2の駆動回路3bはコンパレータ(図示せず)を備え
ており、このコンパレータにより、半波整流信号cが、
第1の低周波パルスに変換される。この第1の低周波パ
ルスは、FETQ3を駆動する低周波パルスg1、およ
び第1の駆動回路3aに入力される低周波パルスg2か
らなるものであり、低周波パルスg1、g2は互いに等
しい信号である。 【0026】また、正弦波信号a2は、第2の半波整流
回路24で整流され、半波整流信号dとなって出力され
る。この半波整流信号dは、第2の駆動回路3bに入力
され、コンパレータにより、第2の低周波パルスに変換
される。この第2の低周波パルスは、FETQ4を駆動
する低周波パルスh1、および第1の駆動回路3aに入
力される低周波パルスh2からなるものであり、低周波
パルスh1、h2は互いに等しい信号である。 【0027】ここで、低周波パルスh1、h2は、低周
波パルスg1、g2に同期して交互にオンオフするもの
である。また、低周波パルスg1、g2と、低周波パル
スh1、h2とで、双方がオフとなるデッドタイムDT
が設定されており、FETQ3、Q4の同時オンによる
回路素子の短絡破壊が回避されている。 【0028】また、正弦波信号a3は、絶対値回路27
で全波整流され、全波整流信号eとなり、比較回路29
に入力される。 【0029】また、比較回路29には、過電流検知回路
30から検知信号lが入力される。この検知信号lは、
インバータ装置1の出力電流が、予め設定された所望の
出力電流より大きい値となった時、これを通知するもの
である。そして、検知信号lが比較回路29に入力され
ると、出力電流を所望の値に近づけるため、全波整流信
号eの振幅変調が行われる。なお、検知信号lの波形は
図3に示していない。 【0030】さらに、比較回路29には、三角波発生回
路から三角波fが入力される。そして、比較回路29に
おいて、全波整流信号eと三角波fとが比較され、基本
高周波パルスとしての高周波パルスiが出力される。 【0031】この高周波パルスiは、全波整流信号eの
1/2周期の初めの部分に対応する比較的幅の狭いパル
スと、1/2周期の中間部分に対応する比較的幅の広い
パルスと、1/2周期の終わりの部分に対応する比較的
幅の狭いパルスとが連続して発生するものとなる。な
お、図3の高周波パルスiの波形は、全波整流信号eの
1/2周期に対応する部分のみ示したものであり、高周
波パルスiは、図3のiの波形が繰り返し発生するもの
である。 【0032】この高周波パルスiは、第1の駆動回路3
aに入力される。さらに、第1の駆動回路3aには、第
2の駆動回路3bから、低周波パルスg2、h2が入力
される。 【0033】ここで、第1の駆動回路3aは、図4に示
す論理回路31を備えてなる。この論理回路31は、N
ANDゲート32a、32bおよびインバータ33a、
33bからなる。そして、低周波パルスg2および高周
波パルスiが、NANDゲート32aを介してインバー
タ33aで処理され、FETQ1を駆動する第1の高周
波パルスとしての駆動信号jが出力される。この駆動信
号jは、低周波パルスg2に同期し、低周波パルスg2
のオン期間中に、オンと、RP1で示すリセット(オ
フ)とを繰り返すものであり、低周波パルスg2のオン
期間における駆動信号jの波形は、高周波パルスiの波
形と等しい。 【0034】また、低周波パルスh2および高周波パル
スiがNANDゲート32bを介してインバータ33b
で処理され、FETQ2を駆動する第2の高周波パルス
としての駆動信号kが出力される。この駆動信号kは、
低周波パルスh2に同期し、低周波パルスh2のオン期
間中に、オンと、RP2で示すリセット(オフ)とを繰
り返すものであり、低周波パルスh2のオン期間におけ
る駆動信号kの波形は、高周波パルスiの波形と等し
い。 【0035】また、駆動信号jと駆動信号kとで、双方
がオフとなるデッドタイムDT1が設定されており、F
ETQ3、Q4の同時オンによる回路素子の短絡破壊が
回避されている。 【0036】なお、図3においては、駆動信号j、kの
波形の一部を省略し、点線で示した。 【0037】ここで、駆動信号j、kのリセットは、ト
ランスTのコアがフェライトからなることに起因して、
生じるものである。すなわち、フェライトは、ケイ素鋼
板等に比べて磁束密度が小さく、磁束密度の分布は、図
5に示すように、正弦波の正電位側の1/2周期に対応
する部分O1、および負電位側の1/2周期に対応する
部分O2の双方とも、逐次、残留磁束P1、P2に戻る
ように変化するものとなる。このような磁束変化によ
り、駆動信号j、kのリセットが生じるのである。 【0038】次に、FETQ1、Q2のオンオフに伴う
回路動作を、図面を用いて説明する。 【0039】まず、図6に示すように、駆動信号jのオ
ン期間には、FETQ1がオンし、FETQ2がオフ
し、電流は矢印Aで示すように、トランスTの1次巻線
L1のセンタータップより図面上の下方の部分を流れ
る。 【0040】次に、図7に示すように、駆動信号jのリ
セット期間RP1になると、FETQ1がオフする。 【0041】このリセット期間RP1においては、FE
TQ2の寄生ダイオードD12により、電流が、矢印B
で示すように流れ、トランスTの1次巻線L1に蓄積さ
れた励磁エネルギがコンデンサC1に充電され、電力が
回生する。 【0042】リセット期間RP1(FETQ1のオフ期
間)は、FETQ1のオン期間と交互に繰り返されるた
め、図6、図7の矢印A、Bの電流が交互に流れること
となる。 【0043】次に、図8に示すように、デッドタイムD
T1経過後、FETQ2がオンすると、電流は矢印Cで
示すように、トランスTの1次巻線L1のセンタータッ
プより図面上の上方の部分を流れる。 【0044】そして、図9に示すように、駆動信号kの
リセット期間RP2になると、FETQ2がオフする。
このとき、FETQ1の寄生ダイオードD11により、
電流が、矢印Dで示すように流れ、トランスTの1次巻
線L1に蓄積された励磁エネルギがコンデンサC1に充
電され、電力が回生する。 【0045】リセット期間RP2(FETQ2のオフ期
間)は、FETQ2のオン期間と交互に繰り返されるた
め、図8、図9の矢印C、Dの電流が交互に流れる。 【0046】次に、FETQ3、Q4のオンオフに伴う
回路動作を、図面を用いて説明する。 【0047】まず、図10に示すように、FETQ1の
オンに伴ってFETQ3がオンし、FETQ4がオフし
ているとき、矢印Eで示すように、FETQ4の寄生ダ
イオードD14を介して電流が流れる。 【0048】そして、図11に示すように、駆動信号j
のリセット期間RP1(FETQ1のオフ期間)になる
と、FETQ3はオンしているが、FETQ4の寄生ダ
イオードD14により、破線の矢印F0の向きには電流
が流れない。 【0049】次に、図12に示すように、 FETQ3
がオフし、デッドタイムDT経過後、FETQ2のオン
に伴ってFETQ4がオンすると、矢印Fで示すよう
に、FETQ3の寄生ダイオードD13を介して電流が
流れる。 【0050】そして、図13に示すように、駆動信号k
のリセット期間RP2(FETQ2のオフ期間)になる
と、FETQ4はオンしているが、FETQ3の寄生ダ
イオードD13により、破線の矢印E0の向きには電流
が流れない。 【0051】上述のように、FETQ1乃至Q4が動作
することにより、インバータ装置1の出力電圧の波形
は、図14(a)に示すようになる。 【0052】この出力電圧の波形は、複数の急峻な立ち
上がりが、リセット期間rpを介して発生し、正電位の
1/2周期CY1と、負電位の1/2周期CY2とから
なる周期CYを形成するものである。この周期CYにお
いては、1/2周期CY1、CY2について、それぞ
れ、周期の初めと終わりの部分は、オン時間が短く、比
較的低い波形となり、周期の中間部分は、オン時間が長
く、比較的高い波形となり、周期CY全体として、正弦
波に近似した波形となる。 【0053】また、周期CYの1/2周期CY1は、図
10に示す矢印Eの電流により発生するものであり、1
/2周期CY2は、図12に示す矢印Fの電流により発
生するものである。 【0054】また、図11、図13に示すように、FE
TQ1、Q2のリセット期間に、F0、E0で示す電流
が流れないため、図14(a)に破線で示す逆起電圧z
1、z2が除去されることとなる。 【0055】また、トランスTの2次巻線L2のリーケ
ージ・インダクタンスと、フィルタ回路4を構成するコ
ンデンサとの共振で、図14(a)の個々の立ち上がり
波形がつながり、図14(b)に示すように、正弦波に
近似した波形となる。 【0056】さらに、共振に用いるリーケージ・インダ
クタンスのインダクタンス値およびコンデンサの容量値
を調整することにより、図14(c)に示すように、高
調波による波形歪みが除去され、より正弦波に近い波形
が形成されることとなる。 【0057】なお、本実施例においては、フィルタ回路
をコンデンサから構成し、このコンデンサと、トランス
のリーケージ・インダクタンスとで共振させる場合につ
いて説明したが、トランスのリーケージ・インダクタン
スの値を小さくし、コンデンサおよびインダクタから構
成したフィルタ回路を用いて共振させてもよい。 【0058】また、本実施例のインバータ装置におい
て、出力電圧のモニタを制御回路にフィードバックし、
制御することにより、波形歪みの一層少ない交流出力を
得ることが可能である。 【0059】また、本実施例のインバータ装置にPLL
回路を設け、出力電圧を商用電源電圧に同期させること
により、特にUPS(無停電電源システム)に用いるに
一層好適なものとなる。 【0060】 【発明の効果】本発明のインバータ装置は、高周波スイ
ッチングによる直流−交流変換を行うものであり、出力
電圧の交流周期が短いため、トランスのコアを磁束密度
の小さいフェライトで構成することができる。これによ
り、トランスの小型化、ひいては装置全体の小型化が可
能である。 【0061】また、本発明のインバータ装置は、高周波
スイッチングによる直流−交流変換を行うものであり、
出力電圧の交流周期が短いため、出力電圧の高調波の除
去を行う共振動作は、比較的小さいものでよい。したが
って、共振動作を司るフィルタ回路として、フィルム・
コンデンサ等の容量の小さい小型のコンデンサを使用す
ることができ、これにより、装置全体の小型化が可能で
ある。 【0062】また、本発明のインバータ装置は、トラン
スの1次側において、スイッチング素子を構成するFE
Tの寄生ダイオードにより、トランスの1次巻線に蓄積
された励磁エネルギをコンデンサに充電し、電力を回生
するものであるため、回路効率が向上する。 【0063】さらに、本発明のインバータ装置は、トラ
ンスの2次側において、スイッチング素子としてのFE
Tの寄生ダイオードにより、逆起電圧を除去するもので
あるため、波形歪みが抑制され、正弦波に近い波形が得
られる。
回路または無停電電源装置等に用いられるインバータ装
置に関し、特に、高周波スイッチングによるパルス幅制
御を行い、低周波交流出力を得るインバータ装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来のインバータ装置として、特開平1
0−174445号公報に開示されたものを例に取り、
その構成を図15を用いて説明する。 【0003】同図において、100はインバータ装置で
あり、入力電源101、スイッチ駆動回路107、トラ
ンス109、進相コンデンサ110、レギュレータ11
2およびプッシュプル・インバータ113を備えてな
り、負荷111に接続される。 【0004】このうち、レギュレータ112は、スイッ
チング素子102、PWM制御部103、転流ダイオー
ド104、チョークコイル105、および平滑コンデン
サ106を有してなる。また、プッシュプル・インバー
タ113は、一対のスイッチング素子108を有してな
る。 【0005】このように構成されるインバータ装置10
0においては、入力電源101から供給される直流電圧
を、レギュレータ112により安定化し、プッシュプル
・インバータ113により駆動されるトランス109を
介して負荷111に交流電圧として供給する。 【0006】ここで、トランス109の漏れインダクタ
ンスと、進相コンデンサ110の容量とで共振が発生す
ることにより、負荷111に供給される交流電圧が正弦
波状となる。 【0007】また、プッシュプル・インバータ113を
構成するスイッチング素子108の動作デューティは一
定であり、入力電圧の変動に対しても不変である。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のイン
バータ装置100は、低周波交流を発生させるものであ
るため、正弦波の周期を大きくするために、トランス1
09のコアを、磁束密度の大きいケイ素鋼板で構成する
場合が多い。ここで、ケイ素鋼板で構成したトランスの
コアは比較的大型となるため、インバータ装置100全
体の小型化が妨げられることとなった。 【0009】そこで、本発明においては、トランスのコ
アをフェライトで構成することにより、小型化が可能な
インバータ装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、直流入力をパルス幅制御し、交
流出力を得るインバータ装置において、フェライトから
なるコアを有するトランス、該トランスの1次巻線にプ
ッシュプル構造を構成するように設けられる第1のスイ
ッチング素子および第2のスイッチング素子、前記トラ
ンスの2次巻線の両端側にそれぞれ設けられる第3のス
イッチング素子および第4のスイッチング素子、前記第
3のスイッチング素子を、第1の低周波パルス(g1)
で駆動させ、前記第4のスイッチング素子を、前記第1
の低周波パルスに同期するとともにデッドタイムを挟ん
で前記第1の低周波パルスと交互にオンオフする第2の
低周波パルス(h1)で駆動させる第2の駆動手段、前
記第1のスイッチング素子を前記第1の低周波パルス
(g1)のオン期間中に断続的にオンオフを繰り返す第
1の高周波パルス(j)で駆動させ、前記第2のスイッ
チング素子を前記第2の低周波パルス(h1)のオン期
間中に前記第1の高周波パルス(j)に同期して断続的
にオンオフを繰り返す第2の高周波パルス(k)で駆動
させる第1の駆動手段、ならびに、前記第3のスイッチ
ング素子および前記第4のスイッチング素子と出力端子
との間に設けられるフィルタ回路、を備えてなり、前記
第1の高周波パルスおよび前記第2の高周波パルスは、
そのリセット時に前記トランスのコアの磁束密度が逐次
残留磁束に戻るようにされているものであることを特徴
とする。 【0011】本発明のインバータ装置は、高周波スイッ
チングによる直流−交流変換を行うものであり、出力電
圧の交流周期が短いため、トランスのコアを磁束密度の
小さいフェライトで構成することができる。これによ
り、トランスの小型化、ひいては装置全体の小型化が可
能である。 【0012】また、本発明のインバータ装置は、高周波
スイッチングによる直流−交流変換を行うものであり、
出力電圧の交流周期が短いため、出力電圧の高調波の除
去を行う共振動作は、比較的小さいものでよい。したが
って、共振動作を司るフィルタ回路として、フィルム・
コンデンサ等の容量の小さい小型のコンデンサを使用す
ることができ、これにより、装置全体の小型化が可能で
ある。 【0013】また、本発明のインバータ装置は、トラン
スの1次側において、スイッチング素子を構成するFE
Tの寄生ダイオードにより、トランスの1次巻線に蓄積
された励磁エネルギをコンデンサに充電し、電力を回生
するものであるため、回路効率が向上する。 【0014】さらに、本発明のインバータ装置は、トラ
ンスの2次側において、スイッチング素子としてのFE
Tの寄生ダイオードにより、逆起電圧を除去するもので
あるため、波形歪みを抑制し、正弦波に近い波形が得ら
れる。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の一実施例にかかるインバ
ータ装置の構成を、図1を用いて説明する。 【0016】同図において、1はインバータ装置であ
り、1次巻線L1、プラス電位の電圧を発生するバイア
ス巻線LD、マイナス電位の電圧を発生するバイアス巻
線LBおよび2次巻線L2を有するトランスTと、第1
のスイッチング素子としてのFETQ1と、第2のスイ
ッチング素子としてのFETQ2と、第3のスイッチン
グ素子としてのFETQ3と、第4のスイッチング素子
としてのFETQ4と、制御回路2と、第1の駆動回路
3aと、第2の駆動回路3bと、コンデンサからなるフ
ィルタ回路4とを備えてなる。 【0017】ここで、特に図示しないが、トランスTの
コアは、フェライトからなるものである。また、トラン
スTの1次巻線L1は、プッシュプル接続構造を有する
ものであり、1次巻線L1の中間に設けられたセンター
タップは、入力端子INに接続され、1次巻線L1の一
端は、FETQ1のドレインに接続され、他端はFET
Q2のドレインに接続されている。また、FETQ1お
よびFETQ2のソースは互いに接続されている。 【0018】また、制御回路2は、FETQ1およびF
ETQ2を高周波でオンオフさせる駆動回路3a、およ
びFETQ3およびFETQ4を低周波でオンオフさせ
る駆動回路3bに接続される。 【0019】また、トランスTの2次巻線L2は、FE
TQ3、Q4およびフィルタ回路4を介して、出力端子
OUTに接続される。 【0020】また、C1、C2、C3は平滑コンデンサ
であり、R1は起動用の抵抗であり、R2は過電流検出
用の抵抗である。またバイアス巻線LDおよびバイアス
巻線LBの各一端には、それぞれダイオードD1、D2
が接続される。また、D11、D12、D13、D14
は、それぞれFETQ1乃至Q4の寄生ダイオードであ
る。 【0021】ここで、抵抗R1、コンデンサC2、C
3、ダイオードD1、D2、バイアス巻線LDおよびバ
イアス巻線LBは、制御回路2の電源回路21を形成し
ている。すなわち、制御回路2が正電圧を扱うとき、コ
ンデンサC2が電源となり、制御回路2が負電圧を扱う
とき、コンデンサC3が電源となる。 【0022】次に、制御回路2の詳細な構成を図2を用
いて説明する。 【0023】同図において、制御回路2は、正弦波出力
回路21、位相反転回路22、第1の半波整流回路2
3、第2の半波整流回路24、絶対値回路27、三角波
出力回路28、比較回路29、過電流検知回路30を備
えてなる。なお、図面上で、第2の駆動回路3bは、便
宜上、二つに分割して示す。 【0024】次に、このように構成される制御回路2の
動作を、図3を用いて説明する。同図のa乃至kの電圧
波形は、図2に示すa乃至kの信号に対応するものであ
る。 【0025】まず、正弦波出力回路21から、互いに等
しい正弦波信号a1、a2およびa3が出力される。こ
のうち、正弦波信号a1は位相反転回路22に入力さ
れ、位相反転信号bが出力される。この位相反転信号b
は、第1の半波整流回路23で整流され、半波整流信号
cとなり、第2の駆動回路3bに入力される。ここで、
第2の駆動回路3bはコンパレータ(図示せず)を備え
ており、このコンパレータにより、半波整流信号cが、
第1の低周波パルスに変換される。この第1の低周波パ
ルスは、FETQ3を駆動する低周波パルスg1、およ
び第1の駆動回路3aに入力される低周波パルスg2か
らなるものであり、低周波パルスg1、g2は互いに等
しい信号である。 【0026】また、正弦波信号a2は、第2の半波整流
回路24で整流され、半波整流信号dとなって出力され
る。この半波整流信号dは、第2の駆動回路3bに入力
され、コンパレータにより、第2の低周波パルスに変換
される。この第2の低周波パルスは、FETQ4を駆動
する低周波パルスh1、および第1の駆動回路3aに入
力される低周波パルスh2からなるものであり、低周波
パルスh1、h2は互いに等しい信号である。 【0027】ここで、低周波パルスh1、h2は、低周
波パルスg1、g2に同期して交互にオンオフするもの
である。また、低周波パルスg1、g2と、低周波パル
スh1、h2とで、双方がオフとなるデッドタイムDT
が設定されており、FETQ3、Q4の同時オンによる
回路素子の短絡破壊が回避されている。 【0028】また、正弦波信号a3は、絶対値回路27
で全波整流され、全波整流信号eとなり、比較回路29
に入力される。 【0029】また、比較回路29には、過電流検知回路
30から検知信号lが入力される。この検知信号lは、
インバータ装置1の出力電流が、予め設定された所望の
出力電流より大きい値となった時、これを通知するもの
である。そして、検知信号lが比較回路29に入力され
ると、出力電流を所望の値に近づけるため、全波整流信
号eの振幅変調が行われる。なお、検知信号lの波形は
図3に示していない。 【0030】さらに、比較回路29には、三角波発生回
路から三角波fが入力される。そして、比較回路29に
おいて、全波整流信号eと三角波fとが比較され、基本
高周波パルスとしての高周波パルスiが出力される。 【0031】この高周波パルスiは、全波整流信号eの
1/2周期の初めの部分に対応する比較的幅の狭いパル
スと、1/2周期の中間部分に対応する比較的幅の広い
パルスと、1/2周期の終わりの部分に対応する比較的
幅の狭いパルスとが連続して発生するものとなる。な
お、図3の高周波パルスiの波形は、全波整流信号eの
1/2周期に対応する部分のみ示したものであり、高周
波パルスiは、図3のiの波形が繰り返し発生するもの
である。 【0032】この高周波パルスiは、第1の駆動回路3
aに入力される。さらに、第1の駆動回路3aには、第
2の駆動回路3bから、低周波パルスg2、h2が入力
される。 【0033】ここで、第1の駆動回路3aは、図4に示
す論理回路31を備えてなる。この論理回路31は、N
ANDゲート32a、32bおよびインバータ33a、
33bからなる。そして、低周波パルスg2および高周
波パルスiが、NANDゲート32aを介してインバー
タ33aで処理され、FETQ1を駆動する第1の高周
波パルスとしての駆動信号jが出力される。この駆動信
号jは、低周波パルスg2に同期し、低周波パルスg2
のオン期間中に、オンと、RP1で示すリセット(オ
フ)とを繰り返すものであり、低周波パルスg2のオン
期間における駆動信号jの波形は、高周波パルスiの波
形と等しい。 【0034】また、低周波パルスh2および高周波パル
スiがNANDゲート32bを介してインバータ33b
で処理され、FETQ2を駆動する第2の高周波パルス
としての駆動信号kが出力される。この駆動信号kは、
低周波パルスh2に同期し、低周波パルスh2のオン期
間中に、オンと、RP2で示すリセット(オフ)とを繰
り返すものであり、低周波パルスh2のオン期間におけ
る駆動信号kの波形は、高周波パルスiの波形と等し
い。 【0035】また、駆動信号jと駆動信号kとで、双方
がオフとなるデッドタイムDT1が設定されており、F
ETQ3、Q4の同時オンによる回路素子の短絡破壊が
回避されている。 【0036】なお、図3においては、駆動信号j、kの
波形の一部を省略し、点線で示した。 【0037】ここで、駆動信号j、kのリセットは、ト
ランスTのコアがフェライトからなることに起因して、
生じるものである。すなわち、フェライトは、ケイ素鋼
板等に比べて磁束密度が小さく、磁束密度の分布は、図
5に示すように、正弦波の正電位側の1/2周期に対応
する部分O1、および負電位側の1/2周期に対応する
部分O2の双方とも、逐次、残留磁束P1、P2に戻る
ように変化するものとなる。このような磁束変化によ
り、駆動信号j、kのリセットが生じるのである。 【0038】次に、FETQ1、Q2のオンオフに伴う
回路動作を、図面を用いて説明する。 【0039】まず、図6に示すように、駆動信号jのオ
ン期間には、FETQ1がオンし、FETQ2がオフ
し、電流は矢印Aで示すように、トランスTの1次巻線
L1のセンタータップより図面上の下方の部分を流れ
る。 【0040】次に、図7に示すように、駆動信号jのリ
セット期間RP1になると、FETQ1がオフする。 【0041】このリセット期間RP1においては、FE
TQ2の寄生ダイオードD12により、電流が、矢印B
で示すように流れ、トランスTの1次巻線L1に蓄積さ
れた励磁エネルギがコンデンサC1に充電され、電力が
回生する。 【0042】リセット期間RP1(FETQ1のオフ期
間)は、FETQ1のオン期間と交互に繰り返されるた
め、図6、図7の矢印A、Bの電流が交互に流れること
となる。 【0043】次に、図8に示すように、デッドタイムD
T1経過後、FETQ2がオンすると、電流は矢印Cで
示すように、トランスTの1次巻線L1のセンタータッ
プより図面上の上方の部分を流れる。 【0044】そして、図9に示すように、駆動信号kの
リセット期間RP2になると、FETQ2がオフする。
このとき、FETQ1の寄生ダイオードD11により、
電流が、矢印Dで示すように流れ、トランスTの1次巻
線L1に蓄積された励磁エネルギがコンデンサC1に充
電され、電力が回生する。 【0045】リセット期間RP2(FETQ2のオフ期
間)は、FETQ2のオン期間と交互に繰り返されるた
め、図8、図9の矢印C、Dの電流が交互に流れる。 【0046】次に、FETQ3、Q4のオンオフに伴う
回路動作を、図面を用いて説明する。 【0047】まず、図10に示すように、FETQ1の
オンに伴ってFETQ3がオンし、FETQ4がオフし
ているとき、矢印Eで示すように、FETQ4の寄生ダ
イオードD14を介して電流が流れる。 【0048】そして、図11に示すように、駆動信号j
のリセット期間RP1(FETQ1のオフ期間)になる
と、FETQ3はオンしているが、FETQ4の寄生ダ
イオードD14により、破線の矢印F0の向きには電流
が流れない。 【0049】次に、図12に示すように、 FETQ3
がオフし、デッドタイムDT経過後、FETQ2のオン
に伴ってFETQ4がオンすると、矢印Fで示すよう
に、FETQ3の寄生ダイオードD13を介して電流が
流れる。 【0050】そして、図13に示すように、駆動信号k
のリセット期間RP2(FETQ2のオフ期間)になる
と、FETQ4はオンしているが、FETQ3の寄生ダ
イオードD13により、破線の矢印E0の向きには電流
が流れない。 【0051】上述のように、FETQ1乃至Q4が動作
することにより、インバータ装置1の出力電圧の波形
は、図14(a)に示すようになる。 【0052】この出力電圧の波形は、複数の急峻な立ち
上がりが、リセット期間rpを介して発生し、正電位の
1/2周期CY1と、負電位の1/2周期CY2とから
なる周期CYを形成するものである。この周期CYにお
いては、1/2周期CY1、CY2について、それぞ
れ、周期の初めと終わりの部分は、オン時間が短く、比
較的低い波形となり、周期の中間部分は、オン時間が長
く、比較的高い波形となり、周期CY全体として、正弦
波に近似した波形となる。 【0053】また、周期CYの1/2周期CY1は、図
10に示す矢印Eの電流により発生するものであり、1
/2周期CY2は、図12に示す矢印Fの電流により発
生するものである。 【0054】また、図11、図13に示すように、FE
TQ1、Q2のリセット期間に、F0、E0で示す電流
が流れないため、図14(a)に破線で示す逆起電圧z
1、z2が除去されることとなる。 【0055】また、トランスTの2次巻線L2のリーケ
ージ・インダクタンスと、フィルタ回路4を構成するコ
ンデンサとの共振で、図14(a)の個々の立ち上がり
波形がつながり、図14(b)に示すように、正弦波に
近似した波形となる。 【0056】さらに、共振に用いるリーケージ・インダ
クタンスのインダクタンス値およびコンデンサの容量値
を調整することにより、図14(c)に示すように、高
調波による波形歪みが除去され、より正弦波に近い波形
が形成されることとなる。 【0057】なお、本実施例においては、フィルタ回路
をコンデンサから構成し、このコンデンサと、トランス
のリーケージ・インダクタンスとで共振させる場合につ
いて説明したが、トランスのリーケージ・インダクタン
スの値を小さくし、コンデンサおよびインダクタから構
成したフィルタ回路を用いて共振させてもよい。 【0058】また、本実施例のインバータ装置におい
て、出力電圧のモニタを制御回路にフィードバックし、
制御することにより、波形歪みの一層少ない交流出力を
得ることが可能である。 【0059】また、本実施例のインバータ装置にPLL
回路を設け、出力電圧を商用電源電圧に同期させること
により、特にUPS(無停電電源システム)に用いるに
一層好適なものとなる。 【0060】 【発明の効果】本発明のインバータ装置は、高周波スイ
ッチングによる直流−交流変換を行うものであり、出力
電圧の交流周期が短いため、トランスのコアを磁束密度
の小さいフェライトで構成することができる。これによ
り、トランスの小型化、ひいては装置全体の小型化が可
能である。 【0061】また、本発明のインバータ装置は、高周波
スイッチングによる直流−交流変換を行うものであり、
出力電圧の交流周期が短いため、出力電圧の高調波の除
去を行う共振動作は、比較的小さいものでよい。したが
って、共振動作を司るフィルタ回路として、フィルム・
コンデンサ等の容量の小さい小型のコンデンサを使用す
ることができ、これにより、装置全体の小型化が可能で
ある。 【0062】また、本発明のインバータ装置は、トラン
スの1次側において、スイッチング素子を構成するFE
Tの寄生ダイオードにより、トランスの1次巻線に蓄積
された励磁エネルギをコンデンサに充電し、電力を回生
するものであるため、回路効率が向上する。 【0063】さらに、本発明のインバータ装置は、トラ
ンスの2次側において、スイッチング素子としてのFE
Tの寄生ダイオードにより、逆起電圧を除去するもので
あるため、波形歪みが抑制され、正弦波に近い波形が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるインバータ装置を示
す回路図である。 【図2】図1のインバータ装置の制御部の構成を示すブ
ロック図である。 【図3】図2の各ブロックから出力される信号の波形図
である。 【図4】図2の第1の駆動回路を構成する論理回路を示
す概略図である。 【図5】図1のインバータ装置のトランスを構成するコ
アの磁束密度の分布図である。 【図6】図1のインバータ装置のFETQ1のオン時の
動作を示す模式図である。 【図7】図1のインバータ装置のFETQ1のリセット
時の動作を示す模式図である。 【図8】図1のインバータ装置のFETQ2のオン時の
動作を示す模式図である。 【図9】図1のインバータ装置のFETQ2のリセット
時の動作を示す模式図である。 【図10】図1のインバータ装置のFETQ3のオン時
の動作を示す模式図である。 【図11】図1のインバータ装置のFETQ3のオン時
の逆起電圧を防止する動作を示す模式図である。 【図12】図1のインバータ装置のFETQ4のオン時
の動作を示す模式図である。 【図13】図1のインバータ装置のFETQ4のオン時
の逆起電圧を防止する動作を示す模式図である。 【図14】図1のインバータ装置の出力電圧を示す波形
図である。 【図15】従来のインバータ装置を示す回路図である。 【符号の説明】 1 インバータ装置 3a 第1の駆動回路(第1の駆動手段) 3b 第2の駆動回路(第2の駆動手段) T トランス Q1 FET(第1のスイッチング素子) Q2 FET(第2のスイッチング素子) Q3 FET(第3のスイッチング素子) Q4 FET(第4のスイッチング素子) g1 低周波パルス h1 低周波パルス(他の低周波パルス) j 駆動信号(高周波パルス) k 駆動信号(他の高周波パルス)
す回路図である。 【図2】図1のインバータ装置の制御部の構成を示すブ
ロック図である。 【図3】図2の各ブロックから出力される信号の波形図
である。 【図4】図2の第1の駆動回路を構成する論理回路を示
す概略図である。 【図5】図1のインバータ装置のトランスを構成するコ
アの磁束密度の分布図である。 【図6】図1のインバータ装置のFETQ1のオン時の
動作を示す模式図である。 【図7】図1のインバータ装置のFETQ1のリセット
時の動作を示す模式図である。 【図8】図1のインバータ装置のFETQ2のオン時の
動作を示す模式図である。 【図9】図1のインバータ装置のFETQ2のリセット
時の動作を示す模式図である。 【図10】図1のインバータ装置のFETQ3のオン時
の動作を示す模式図である。 【図11】図1のインバータ装置のFETQ3のオン時
の逆起電圧を防止する動作を示す模式図である。 【図12】図1のインバータ装置のFETQ4のオン時
の動作を示す模式図である。 【図13】図1のインバータ装置のFETQ4のオン時
の逆起電圧を防止する動作を示す模式図である。 【図14】図1のインバータ装置の出力電圧を示す波形
図である。 【図15】従来のインバータ装置を示す回路図である。 【符号の説明】 1 インバータ装置 3a 第1の駆動回路(第1の駆動手段) 3b 第2の駆動回路(第2の駆動手段) T トランス Q1 FET(第1のスイッチング素子) Q2 FET(第2のスイッチング素子) Q3 FET(第3のスイッチング素子) Q4 FET(第4のスイッチング素子) g1 低周波パルス h1 低周波パルス(他の低周波パルス) j 駆動信号(高周波パルス) k 駆動信号(他の高周波パルス)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 直流入力をパルス幅制御し、交流出力を
得るインバータ装置において、 フェライトからなるコアを有するトランス、 該トランスの1次巻線にプッシュプル構造を構成するよ
うに設けられる第1のスイッチング素子および第2のス
イッチング素子、 前記トランスの2次巻線の両端側にそれぞれ設けられる
第3のスイッチング素子および第4のスイッチング素
子、前記第3のスイッチング素子を、第1の低周波パルス
(g1)で駆動させ、前記第4のスイッチング素子を、
前記第1の低周波パルスに同期するとともにデッドタイ
ムを挟んで前記第1の低周波パルスと交互にオンオフす
る第2の低周波パルス(h1)で駆動させる第2の駆動
手段、 前記第1のスイッチング素子を前記第1の低周波パルス
(g1)のオン期間中に断続的にオンオフを繰り返す第
1の高周波パルス(j)で駆動させ、前記第2のスイッ
チング素子を前記第2の低周波パルス(h1)のオン期
間中に前記第1の高周波パルス(j)に同期して断続的
にオンオフを繰り返す第2の高周波パルス(k)で駆動
させる第1の駆動手段、ならびに、 前記第3のスイッチング素子および前記第4のスイッチ
ング素子と出力端子との間に設けられるフィルタ回路、
を備えてなり、 前記第1の高周波パルスおよび前記第2の高周波パルス
は、そのリセット時に前記トランスのコアの磁束密度が
逐次残留磁束に戻るようにされているものである ことを
特徴とするインバータ装置。
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