JP3398905B2 - 微細パタン形成法 - Google Patents
微細パタン形成法Info
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Description
ダーのサイズの量子細線を利用した量子効果デバイスの
形成に用いて好適な微細パタン形成法に関する。
量子細線を形成するために、微小なスポットビームを比
較的容易に形成できる電子ビーム露光法を用いたナノリ
ソグラフィが活発に研究されている。このような電子ビ
ーム露光法により微細なレジストパタンを形成して、こ
れをマスクとして細線となる材料をエッチングして加工
する。材料としてはGaAs等の化合物半導体や、最近
ではLSIで用いられているSiが新しい量子効果デバ
イス用の材料として注目を集めている。10nm程のサ
イズのSi細線やドットが形成できると量子効果が発現
すると期待されており、量子化コンダクタンスやフォト
ルミネッセンス等の研究が行われるようになってきた。
ロセスにおいては、再現性の良い電気特性を実現するた
めに、細線の幅のゆらぎが少なく、また加工面が平坦で
あることが望ましい。これを実現する方法として、KO
Hを用いたSiの異方性エッチングを利用する方法(例
えば特願平6−11358)が提案されている。この方
法を用いるとSi(110)基板を用いた場合、垂直な
断面形状を持つ高アスペクトパタンを容易に形成するこ
とができる。例えば、図6に示すようにすればよい。こ
こで、61はマスクパタン、62はSi(110)基
板、63はSi細線である。エッチングのマスクパタン
61として、“数2”軸方向にラインパタンを形成して
KOHでエッチングを行うと、ラインパタンの側壁がS
i(111)面となり、KOHの異方性エッチングによ
り垂直な断面形状のSi細線63が得られる。パタンエ
ッジやパタン側壁は、Si(111)面が出るように、
KOHによる異方性エッチングが進むために原子レベル
で滑らかとなる。また、他の面方位としてSi(10
0)基板を用いれば、同様にして台形の断面形状を持つ
細線が得られる。
露光装置で10nmのパタンを再現性良く露光するの
は、ビーム調整に依存するところが大きくて難しいとい
う問題がある。またビームを微細にするためには高価な
装置となってしまう。さらに、従来プロセスで用いられ
ている電子線レジストは、レジスト分子サイズの制限か
ら、寸法精度良く10nm以下のレジストパタン形成す
ることは非常に難しいのが現状であるという問題もあ
る。すなわち、10nm以下のレジストパタンでは、図
7(a)のように、レジストパタンの幅は凹凸があり、
一部でパタンが断線してしまう(b)。ここで71はレ
ジストパタン、72は加工したSi細線である。このよ
うなレジストパタン71をマスクにSi(110)をK
OHでエッチングすると、同図のようにSi細線72は
断線してしまう。レジストパタンをSiO2 転写したマ
スクを用いても状況は同様である。したがって、このよ
うなレジストパタンをマスクにSiを加工すると、高精
度に10nm以下のSi細線を形成することが困難であ
り、解決が望まれていた。
解決するために、側面にエッチング速度のきわめて遅い
面が現れるような方向、例えばSi(110)基板で
は、“数3”軸方向のマスクパタンを2本形成する。こ
の2本のマスクパタンは、細線を形成する部分において
“数3”軸方向に垂直方向に互いにシフトさせること
で、マスクパタン左右のエッジ部に段差を形成したマス
クパタンである。
方性エッチングすると、Si(110)基板では、シフ
トにより生じたエッジの段差部に対応する部分はSi
(111)以外の面となり、KOH異方性エッチング液
を用いたエッチングにより、急速にエッチングが進み、
シフトした部分を境にして左右エッジの段差は、それぞ
れ反対方向に後退する。これにより、シフトしたマスク
パタンの幅の内、互いに共通する幅のSiパタンが得ら
れる。またSi(100)基板では、側面にSi(11
1)面を持つ台形パタンが形成され、それぞれ2つのマ
スクパタンでエッチングされたSiパタンに重なる部分
が形成され、細線部となる。換言すれば上記の目的を達
成するために、本発明は次の点を特徴とする。 (1) 異方性エッチングによりパタンを加工する工程
において、エッチングのマスクとなる少なくとも2本以
上のマスクパタンを、少なくとも一部が重なりあるいは
接触するように、エッチング速度の遅い面が現れる方向
と垂直方向にずらして配置することにより、マスクパタ
ン幅以下のパタンを形成することを特徴とする微細パタ
ン形成法。 (2) (1)記載の微細パタン形成法において、前記
重なりあるいは接触する部分がマスクパタンの角部であ
ることを特徴とする微細パタン形成法。 (3) (1)記載の微細パタン形成法において、前記
エッチング速度の遅い面がSi(111)面であること
を特徴とする微細パタン形成法。 (4) (1),(2)または(3)記載の微細パタン
形成法において、基板としてSOI基板を用いたことを
特徴とする微細パタン形成法。 (5) 異方性エッチングによりパタンを加工する工程
において、エッチングのマスクとなる少なくとも2本以
上のマスクパタンのエッチングで形成されるパタンの広
がりのコーナー部分の少なくとも一部が接触するよう
に、エッチング速度の遅い面によるテーパの底辺と平行
方向に、このパタンの広がりのコーナー部分をずらして
配置することにより、ポイントコンタクトを形成するこ
とを特徴とする微細パタン形成法。 (6) 異方性エッチングによりパタンを加工する工程
において、複数のドットパタンからなるマスクパタンの
エッチングで形成されるパタンの広がりの部分 の少なく
とも一部が接触するように、エッチング速度の遅い面に
よるテーパの底辺と平行方向にずらして、このパタンの
広がりの部分を配置することにより、連結型の量子ドッ
トを形成することを特徴とする微細パタン形成法。
シフトさせたマスクパタンを用いて異方性エッチングす
ることで、シフト量に応じて元のマスクパタンより細い
パタン幅のSi細線や量子構造を容易に形成できること
を特徴とする。
いるマスクパタンの実施例を説明する。図1は、マスク
パタンの例である。ここで、11はマスクパタン1、1
2はマスクパタン2である。マスクパタン1、マスクパ
タン2は、それぞれ基板であるSi(110)上に、
“数5”軸方向に形成されており、ここでは幅Wはそれ
ぞれ同じとする。ここでマスクパタン1、マスクパタン
2は、△だけ相対的に“数5”軸に直角方向にシフトし
ておく。シフトした位置においてマスクパタン1、2は
接触するように配置してあるが、実際のマスクパタン形
成時の変換差を考慮して接続部が離れないようにあらか
じめマスクパタン1、2が重なるように配置してもよ
い。図1のマスクパタン1、2を用いて、基板のSi
(110)をKOHでエッチングすると、図2に示すよ
うにエッチングが進行する。ここで21はマスクパタン
1、22はマスクパタン2、23はSiである。KOH
の異方性エッチングでは、Si(111)面のエッチン
グ速度は、非常に遅いために“数5”方向のエッジのマ
スクパタン1、マスクパタン2でエッチングされるSi
(110)基板はエッジの側面がSi(111)面であ
るのでアンダーカットなく垂直な側面が得られる。一
方、マスクパタン1、2を“数5”に直角方向に△だけ
シフトした部分に対応するエッジは“数5”軸に直角方
向のエッジが現れるので、エッチング速度の速いSi面
が現れるために、図2に示すように、左右のエッジでそ
れぞれ反対方向にLだけアンダーカットが進行し、2L
の長さにわたって、幅W−△のSi細線が得られる。す
なわち、マスクパタン幅Wよりも△だけ細いSi細線が
得られる。マスクパタン1、2を形成するときに、△を
変えることで、0からWまでのパタン幅を持つSi細線
を簡単に得ることができる。△は、通常の微細パタン露
光に用いられる電子ビーム露光装置においては、偏向器
のDAコンバータのビット数を大きくすることで、ナノ
メーターオーダーの偏向が容易にでき、また制御性も良
い。さらに、近接した2本のパタンを連続して露光する
ので、ビームドリフトによる位置ずれは無視でき、きわ
めて高精度な位置制御が可能である。Wは特に細くする
必要がないので、リソグラフィの解像度に合わせて適当
な幅を選んでおけばよい。場合によっては光露光も可能
である。
I(Silicon On Insulator)基板の代表的なものである
SIMOX(Separation by IMplanted OXygen)基板を
用いて、前述のマスクパタンを用いてKOHによる異方
性エッチングでSi細線を加工する例を説明する。マス
クパタンには、パタン反転法(特願平6−21552
2)により形成したプラズマ酸化膜を用いる。図3に、
本発明の加工工程を示す。ここで、31は単結晶Si
層、32は埋め込み酸化膜、33はSi基板、34はポ
ジ型電子線レジスト、35はマスクパタン1、36はマ
スクパタン2、37はプラズマ酸化膜、38はSi細線
である。単結晶Si層31の厚さは200nmであり、
埋め込み酸化膜32の膜厚は400nmである。SIM
OXに用いるSi基板33は、Si(110)面を用い
る。Si(110)基板を用いたSIMOX基板におい
ても、前述のようにSIMOXのSi層に対して“数
6”方位のラインをKOHを用いて異方性エッチングす
ると、Si(111)面のエッチング速度が非常に小さ
いため、ライン方向の側壁が垂直になりSi(111)
面が現れる。まず、ポジ型の電子線レジスト34を単結
晶Si層31の上に50nmの膜厚で塗布する。
(a)に示すように“数7”方位にW=30nm幅のラ
インを描画し、マスクパタン1、マスクパタン2を形成
する。細線を形成する位置で、2つのラインのシフト量
△=26nmとする。電子ビームの走査ステップは、2
nm単位で行った。電子ビーム露光後、現像してレジス
トパタンを形成して所望のマスクパタンを得る。
マスクに、ECRにより生成した酸素プラズマで単結晶
Si層31表面をプラズマ酸化し、プラズマ酸化膜37
を形成する。マイクロ波パワーは200Wで、10秒で
行った。この時のプラズマ酸化膜37の膜厚は、約2n
mである。レジストの膜減りは数nm程である。ここで
用いるECRプラズマは、ECRにより生成したプラズ
マを発散磁界で引き出した方向性が良いプラズマ流であ
るので、レジストパタンの横方向のエッチングは、プラ
ズマ照射時間が短いので無視することができる。
に、レジストをアセトンを用いて超音波をかけながら剥
離して、図1に対応したような、プラズマ酸化膜よりな
るマスクパタンが得られる。水洗、乾燥後、図3(d)
のように、プラズマ酸化膜37よりなるマスクパタンを
マスクとしてKOHにより異方性エッチングにより単結
晶Si層31のエッチングを行う。図2に示したような
原理により、この例では、W−△=4nmのSi細線3
8が形成される。Si細線38の高さ200nmであ
り、垂直な断面を持つ均一な幅の高アスペクトのSi量
子細線が形成される。レジストパタンに幅のゆらぎがあ
っても、レジストパタンエッジの凹凸はKOHによる異
方性エッチングにより平均化されるので、細らせたSi
細線38の幅は均一であり、エッジの凹凸を原子オーダ
ーに抑えることが可能である。なおここではSIMOX
基板を用いているので、このようにして加工したSi細
線38は、SiO2上に形成されており、種々のデバイ
スに適用する上できわめて好適な構造となっている。
板を用いて加工する例を示したが、他の面方位の基板、
GaAs等他の材料や他の異方性エッチング液でも面方
位によるエッチング速度の差を利用できればここで示し
たものと同様な考え方で微細パタンを得ることができ
る。
ントコンタクト形成例を示す。41はマスクパタン1、
42はマスクパタン2、43はポイントコンタクトであ
る。幅Wのマスクパタン1とマスクパタン2を同図のよ
うに直交する方向にSi(111)面がでる方向に形成
し、さらにずらしておく。KOHエッチングで形成され
るSi(111)面のテーパにより生じる底部分の幅の
広がりをtとすると、パタンをW+2tだけシフトする
と、43のポイントコンタクトのようにSiのきわめて
微細なコンタクトが形成できる。なお、高次の面が出る
ことによって、パタンコーナー部分が直角状にならず鈍
角状になる場合がある。この場合でも、頂点でポイント
コンタクトになるようにマスクパタンの位置をずらして
おけばよい。
なるマスクパタン51を図4と同様にずらしてKOHで
エッチングすれば、連結型の量子ドットが形成できる。
シフトさせたマスクパタンを用いて例えばKOHにらる
異方性エッチングすることで、シフト量に応じて元のマ
スクパタンより細いパタン幅のSi細線や量子構造を容
易に形成できる効果がある。マスクパタンの形成には、
特に電子ビーム露光でなくともよく、例えばフォトリソ
グラフィで形成したものでもマスクパタンのシフト量を
高精度に制御することで10nmナノメーター以下の領
域の高精度なパタン形成が容易に実現でき、リソグラフ
ィの解像度を越えるパタン形成を提供するものである。
(110)の形状である。
図で、(a)〜(d)は各工程を示す。
成例を示す。
例を示す。
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 異方性エッチングによりパタンを加工す
る工程において、エッチングのマスクとなる少なくとも
2本以上のマスクパタンを、少なくとも一部が重なりあ
るいは接触するように、エッチング速度の遅い面が現れ
る方向と垂直方向にずらして配置することにより、マス
クパタン幅以下のパタンを形成することを特徴とする微
細パタン形成法。 - 【請求項2】 請求項1記載の微細パタン形成法におい
て、前記重なりあるいは接触する部分がマスクパタンの
角部であることを特徴とする微細パタン形成法。 - 【請求項3】 請求項1記載の微細パタン形成法におい
て、前記エッチング速度の遅い面がSi(111)面で
あることを特徴とする微細パタン形成法。 - 【請求項4】 請求項1,2または3記載の微細パタン
形成法において、基板としてSOI基板を用いたことを
特徴とする微細パタン形成法。 - 【請求項5】 異方性エッチングによりパタンを加工す
る工程において、エッチングのマスクとなる少なくとも
2本以上のマスクパタンのエッチングで形成されるパタ
ンの広がりのコーナー部分の少なくとも一部が接触する
ように、エッチング速度の遅い面によるテーパの底辺と
平行方向に、このパタンの広がりのコーナー部分をずら
して配置することにより、ポイントコンタクトを形成す
ることを特徴とする微細パタン形成法。 - 【請求項6】 異方性エッチングによりパタンを加工す
る工程において、複数のドットパタンからなるマスクパ
タンのエッチングで形成されるパタンの広がりの部分の
少なくとも一部が接触するように、エッチング速度の遅
い面によるテーパの底辺と平行方向にずらして、このパ
タンの広がりの部分を配置することにより、連結型の量
子ドットを形成することを特徴とする微細パタン形成
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2052396A JP3398905B2 (ja) | 1996-01-10 | 1996-01-10 | 微細パタン形成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2052396A JP3398905B2 (ja) | 1996-01-10 | 1996-01-10 | 微細パタン形成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09190998A JPH09190998A (ja) | 1997-07-22 |
JP3398905B2 true JP3398905B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=12029530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2052396A Expired - Lifetime JP3398905B2 (ja) | 1996-01-10 | 1996-01-10 | 微細パタン形成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3398905B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5927847B2 (ja) * | 2011-11-07 | 2016-06-01 | 大日本印刷株式会社 | 流路デバイスの製造方法 |
JP6277677B2 (ja) * | 2013-11-01 | 2018-02-14 | 大日本印刷株式会社 | エッチングマスクの設計方法、構造体の製造方法及びエッチングマスク |
-
1996
- 1996-01-10 JP JP2052396A patent/JP3398905B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09190998A (ja) | 1997-07-22 |
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