JP3398543B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JP3398543B2
JP3398543B2 JP13065996A JP13065996A JP3398543B2 JP 3398543 B2 JP3398543 B2 JP 3398543B2 JP 13065996 A JP13065996 A JP 13065996A JP 13065996 A JP13065996 A JP 13065996A JP 3398543 B2 JP3398543 B2 JP 3398543B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
tungsten
semiconductor device
manufacturing
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13065996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09102544A (ja
Inventor
満 関口
通成 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP13065996A priority Critical patent/JP3398543B2/ja
Publication of JPH09102544A publication Critical patent/JPH09102544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3398543B2 publication Critical patent/JP3398543B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Landscapes

  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超LSIの製造で
配線や電極として使用されるリフラクトリ金属とその上
の金属配線とを備えた半導体装置及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、超LSIの高集積化,高密度化に
ともない、金属配線を形成する際には、被覆性に優れる
化学気相堆積(以下CVDと記す)法を用いて全面にタ
ングステンを堆積(ブランケットタングステンCVDと
記す)し、その上に配線抵抗を下げるためにアルミニウ
ム合金膜を堆積した後、フォトリソグラフィ法により両
者をパターニングして金属配線を形成するAl/W積層
配線が検討されている(例えばH.Yamaguchi 他 Proc. I
nt. VMIC, 393-395, 1993)。
【0003】以下、図12(a)〜(d)を参照しなが
ら従来提案されているAl/W積層配線の製造方法につ
いて説明する。
【0004】まず、図12(a)に示す工程において、
すでにトランジスタ等の半導体素子が形成されたシリコ
ン基板1上に、第1の絶縁膜2を堆積する。次に、タン
グステンの密着層としてスパッタ法によりチタン・窒化
チタン積層膜3aを堆積し、さらにその上にブランケッ
トタングステンCVD法によりタングステン膜3bを堆
積する。ただし、各膜3a,3bは、図中破線で示す接
続孔を埋めるように形成される。
【0005】次に、図12(b)に示すように、スパッ
タ法を用いて、タングステン膜3bの上にシリコン(約
1%程度)及び銅(約0.5%程度)を含むアルミニウ
ム合金膜3cを堆積し、さらにアルミニウム合金膜3c
上に次工程のフォトリソグラフィで配線パターンを形成
するのを容易にするための窒化チタン膜3dを堆積す
る。ここで、アルミニウム合金膜3cは配線抵抗を下げ
る役割を果たし、窒化チタン膜3dは露光光の波長での
膜の反射率を下げる役割を果たしている。
【0006】次に、図12(c)に示すように、フォト
リソグラフィ及びドライエッチングにより、チタン・窒
化チタン積層膜3a、タングステン膜3b、アルミニウ
ム合金膜3c、窒化チタン膜3dを所望のパターンに加
工して第1の金属配線3を形成する。
【0007】その後、図12(d)に示すように、熱処
理器9内に半導体装置を移動し、450℃で熱処理を行
なう。この熱処理はドライエッチングによる下地のダメ
ージ回復や金属間の界面を安定化させるために行なうも
のであり、その温度は配線金属に上記のようにアルミニ
ウムが含まれる場合は、一般にアルミニウムの熱的安定
性を保つため、450℃程度の温度で行なわれる。な
お、ドライエッチングダメージの回復や絶縁膜中の水分
除去のためには一般に450℃以上の温度が好ましいと
されている。
【0008】一方、上下の金属配線層間を接続するため
の接続孔においても、0.8μm径以下の微細な接続孔
内に従来のスパッタ法による成膜を行なうと段差被覆性
が不足し、電流印加時の信頼性が確保できないため、段
差被覆性のよい方法で埋め込みプラグを形成する方法が
必要とされている。
【0009】このような埋め込みプラグを形成する方法
の1つとして、CVD法により全面にタングステンを堆
積し、全面をエッチングして接続孔内以外の不要部のタ
ングステンを除去する(エッチバック法と呼ぶ)ことに
より接続孔内にのみタングステンを埋め込む方法があ
る。この方法では、その後、埋め込みプラグ及び層間絶
縁膜の上にアルミニウム合金膜を堆積し、フォトリソグ
ラフィ法によりアルミニウム合金膜をパターニングして
金属配線を形成する。この場合、接続孔の上でタングス
テンとアルミニウム合金とが接することになる。
【0010】以下、図13(a)〜(d)を参照しなが
ら、従来の埋め込みプラグ法によるヴィアホール部への
金属埋め込み工程について説明する。
【0011】図13(a)に示すように、すでにトラン
ジスタ等の半導体素子が形成されたシリコン基板1上
に、第1の絶縁膜2と、第1の金属配線3とを形成し、
さらに、第1の金属配線3の上に例えばプラズマCVD
法によりシリコン酸化膜からなる第2の絶縁膜4を形成
する。その後、ドライエッチングにより第2の絶縁膜4
の所望の位置に第1の金属配線3に到達する接続孔5を
開口する。
【0012】次に、スパッタ法により、タングステンの
密着層となるチタン及び窒化チタンの積層膜6を接続孔
内及び第2の絶縁膜4の上に堆積し、さらにその上にブ
ランケットタングステンCVD法によりタングステン膜
7を堆積する。
【0013】次に、図13(b)に示すように、ドライ
エッチングにより、第2の絶縁膜4上のタングステン膜
7とチタン及び窒化チタンの積層膜6とをエッチバック
して、接続孔5内のみにタングステン膜7とチタン・窒
化チタン積層膜6を残す。その後、その上にスパッタ法
を用いて、シリコン(約1%程度)及び銅(約0.5%
程度)を含むアルミニウム合金膜8aと、窒化チタン膜
8bとを順次堆積する。ここで、アルミニウム合金膜8
aは配線抵抗を下げる役割、窒化チタン膜8bは露光光
の波長での膜の反射率を下げる役割を果たしている。
【0014】次に、図13(c)に示すように、フォト
リソグラフィ及びドライエッチングにより、アルミニウ
ム合金膜8a、窒化チタン膜8bを所望のパターンに加
工して第2の金属配線8を形成する。
【0015】その後、図13(d)に示すように、熱処
理器9内に半導体装置を移動し、図13(d)に示す場
合と同様の熱処理を行なう。
【0016】さらに、デバイスの高速化のためMOS型
半導体装置のソース・ドレイン領域とゲート電極のシー
ト抵抗を下げるために、ソース・ドレイン領域とゲート
電極上に選択的にタングステン膜を形成するいわゆるタ
ングステン張り付け技術が近年提案されている(例えば
M.Sekine他 Tech. Dig. IEDM, 493-496, 1994)。この場
合、接続孔内にアルミニウム合金膜からなる金属配線を
形成すると接続孔の下でタングステンとアルミニウム合
金が接することになる。
【0017】以下、図14(a)〜(d)を参照しなが
ら、従来提案されているタングステン張り付け技術の工
程について説明する。
【0018】まず、図14(a)に示すように、シリコ
ン基板1上に、MOS型半導体装置のソース・ドレイン
領域12と多結晶シリコンからなるゲート電極13とを
形成した後、ゲート電極13及びソース・ドレイン領域
12の上にタングステン膜7を選択的にCVD法により
形成する。
【0019】次に、図14(b)に示すように、上記半
導体装置上に第1の絶縁膜2を形成し、第1の絶縁膜2
に接続孔5を開口する。
【0020】次に、図14(c)に示すように、例えば
Al合金を500℃でスパッタすることにより、接続孔
5内及び第1の絶縁膜2上にAl合金を堆積し、これを
パターニングして、接続孔5内のコンタクト部を含む第
1の金属配線3を形成する。
【0021】その後、図14(d)に示すように、熱処
理器9内に半導体装置を移動し、図12(d)に示す場
合と同様の熱処理を行なう。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
12〜図14に示すいずれの場合においても、以下に述
べるような共通の問題があった。
【0023】すなわち、図12(d),図13(d),
図14(d)に示す熱処理工程において、タングステン
とアルミニウムの相互拡散により、タングステンとアル
ミニウムが反応してタングステンとアルミニウムの合金
(WAl12等)が形成されることが判ってきた。このW
Al12は抵抗が高いために、配線の抵抗が上昇したり、
電流によって発熱し配線の断線が生じるなどの不良の原
因となる(例えばH.Yamaguchi 他 Proc. Int. VMIC, 39
3-395, 1993)。
【0024】また、図14(a)〜(d)に示すよう
に、タングステン膜の下にシリコン基板があり、そこに
不純物を拡散して作成したPN接合が存在する場合、タ
ングステンとアルミニウムの相互拡散により拡散したア
ルミニウムがPN接合を突き抜ける虞れがあり、この場
合は接合リーク不良が生じるという問題がある。
【0025】以上に述べた接続抵抗、接合リークに関す
る問題はCVD法を用いて選択的にヴィアホール内にタ
ングステンを形成する選択タングステンCVD法におい
ても同様に生じる。
【0026】そこで、合金層WAl12の形成を防止する
ために、アルミニウムとタングステンとの直接接触を回
避するための手段が講じられている。例えば、アルミニ
ウム合金膜とタングステン膜の間に、拡散防止膜として
窒化チタン膜を介在させることが行なわれている。しか
し、窒化チタン膜はバリア層としての機能は高い反面、
以下のような不具合をもたらす。すなわち、窒化チタン
膜は針状の結晶であるために、バリア性を持たせるに
は、表面を酸化し針状の結晶の間に酸素をスタックする
処理が必要となる。その処理は、窒化チタン膜を大気に
さらすことにより行なわれるが、その際、チャンバ内の
雰囲気をほぼ真空状態から大気に戻し、再びほぼ真空状
態に戻すという手間が必要となる。また、成膜回数が増
えることもあって、コストアップやパーティクルの発生
による歩留まり低下をもたらす。
【0027】一方、タングステン膜を550℃の高温下
でNH3 ガス雰囲気中に長時間さらすことで約3nmの
窒化タングステン層が形成できる(特開昭63−841
54号公報)ということが開示されている。しかし、こ
の方法では、窒化タングステン層の形成速度が3nm/
60分と非常に遅い上に、高温,長時間の熱処理によ
り、ソース・ドレイン層中の不純物がタングステン中に
吸い上げられてタングステン膜とシリコン基板とが反応
して接合リークを生じるなど、トランジスタの飽和電流
値が劣化する虞れがある。
【0028】また、特開平7−231037号公報に開
示されるように、タングステン膜の上に窒化タングステ
ン膜を反応性スパッタリング法で形成する方法も知られ
ている。しかし、特開平7−231037号公報には、
500℃,NH3 ガス雰囲気下で形成された窒化タング
ステン層を介在させ場合、窒化層中の組成が均一ではな
く、熱処理後大幅な抵抗値の上昇があることが記載され
ている。つまり、単に500℃以下の温度でNH3 ガス
雰囲気にさらしただけでは、バリア性のある窒化層を形
成することは困難である。
【0029】一方、反応性スパッタリング法により形成
された窒化タングステン膜は、バリア層としての機能は
備えているものの、積層膜全体の抵抗値が大きく、窒化
タングステン膜に対して垂直に電流を流す場合の抵抗,
すなわち接続孔内の埋め込み層のコンタクト抵抗が高く
なってしまうので、抵抗の低い埋め込み層の形成が困難
であるという問題がある。その理由は、もともと窒化タ
ングステン膜自体の抵抗値が高いのに、反応性スパッタ
リングで形成される窒化タングステン層は連続的な膜を
形成する必要があることから20〜200nmの膜厚を
有し、20nm以下の薄い膜を形成するのは困難といわ
れているからである。
【0030】本発明は、窒化タングステン層の構造がバ
リア層としての機能に大きく影響する点を解明し、その
結果、窒素原子とタングステン原子とが結合して形成さ
れた窒化タングステン層はバリア機能が高い点に着目
し、窒素原子とタングステン原子とが結合した構造を有
する窒化タングステン層をできる限り薄い厚みで形成す
る手段を講ずることにより、高抵抗の化合物の生成や接
合リークの発生を防ぐことができる半導体装置およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、半導体基板上及び半導体基板の表面付近の領
域を含む領域の一部に導電層を形成する第1の工程と、
上記導電層の上にタングステン膜を堆積する第2の工程
と、上記タングステン膜の表面に窒素イオンを照射して
上記タングステン膜の表面付近の領域内に窒素原子と
ングステン原子とが結合した構造を有する窒化タングス
テン層を形成する第3の工程と、上記第3の工程の後に
上記タングステン膜の表面に配線用金属膜を堆積する第
4の工程と、上記配線用金属膜をパターニングして金属
配線を形成する第5の工程とを備え、上記第3の工程
は、陽極と陰極とを平行に配置したプラズマ発生装置を
用いて、上記半導体基板に負の電位を印加して行なわ
れ、さらに上記第3の工程で形成される上記窒化タング
ステン層は微結晶窒化タングステンとアモルファス窒化
タングステンの混合層で、上記窒化タングステン層中で
は窒素原子は上記タングステン原子よりも多い
【0032】上記第1の工程の後上記第2の工程の前
に、上記導電層の上に絶縁膜を形成する工程と、上記絶
縁膜の一部を開口して上記導電層に到達する接続孔を形
成する工程とをさらに備え、上記第1の工程では上記接
続孔内にタングステン膜を形成することができる。
【0033】上記第1の工程の前に、半導体基板上にゲ
ート電極を形成する工程をさらに備え、上記第1の工程
では、上記ゲート電極の両側方に位置する半導体基板内
に不純物を導入して上記導電層となるソース・ドレイン
領域を形成し、上記第2の工程では上記ゲート電極及び
上記ソース・ドレイン領域の上にタングステン膜を形成
することができる。
【0034】本発明の方法により、第3の工程で、プラ
ズマ化した窒素イオンがタングステン膜の表面付近の領
域に入射すると、窒素原子とタングステン原子との置換
が生じ、窒素原子とタングステン原子とが結合した構造
を有する窒化金属層が形成される。したがって、その後
に加工により生じたダメージの回復や各膜の安定化を目
的とした熱処理が行なわれても、タングステン膜と金属
配線との構成金属同士の相互拡散による高抵抗合金層の
形成や接合リークの発生が防止されることになる。した
がって、配線,プラグ層等の抵抗の小さいかつ特性の良
好な半導体装置を形成することができる。しかも、上記
第3の工程は、陽極と陰極とを平行に配置したプラズマ
発生装置を用いて、上記半導体基板に負の電位を印加し
て行なわれるので、窒素原子とタングステン原子とが結
合する割合を高めることができる。
【0035】記第3の工程では、N2 ガス雰囲気中で
プラズマを発生させることにより、従来単なる加熱によ
るだけでは窒化が困難であったN2 ガスを用いて、中性
雰囲気中で半導体装置の特性への悪影響を及ぼすことな
く窒化金属層を形成することができる。
【0036】記第3の工程を、550℃以下の温度で
NH3 ガス雰囲気中でプラズマを発生させることにより
行なうことができる。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】上記第2の工程をCVD法により行なうこ
とにより、CVD法によって形成された表面の凹凸の大
きいタングステン膜に対しても均一厚みのかつ薄い窒化
金属層を形成することができる。
【0041】上記第3の工程を、上記陽極と陰極との電
位差を100V以上にして行なうことにより、窒素原子
タングステン原子とが結合する割合を高めることがで
きる。
【0042】
【0043】上記第4の工程における上記配線用金属膜
がアルミニウムを含む金属材料で構成されていることに
より、タングステンとの間で高抵抗化合物を生じやすい
かつ基板内に侵入して接合リークを生じやすいアルミニ
ウムを含む金属配線を使用した場合にも、低抵抗で接合
リークの小さい特性の良好な半導体装置を形成すること
ができる。
【0044】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) 以下、図1(a)〜(e)を参照しながら、第1の実施
形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0045】図1(a)に示す工程において、すでにト
ランジスタ等が形成されたシリコン基板1上に、シリコ
ン酸化膜からなる第1の絶縁膜2を堆積し、次に、タン
グステンの密着層としてスパッタ法によりチタン(厚み
約10nm)と窒化チタン(厚み約30nm)との積層
膜3aを堆積し、さらにその上にブランケットタングス
テンCVD法により130nm程度のタングステン膜3
bを順次堆積する。ただし、各膜3a,3bは、図中破
線で示す接続孔を埋めるように形成され、堆積膜厚はこ
の接続孔の径(この場合は300nm程度)及び深さに
よって決定される。
【0046】次に、図1(b)に示す工程において、タ
ングステン膜3bの表面を、温度50℃の下で、窒素ガ
ス100%、圧力80mTorr、高周波電力300W
のプラズマに1分間さらすことにより、タングステン膜
3bの表面付近の領域を窒化して窒化タングステン層3
eを形成する。
【0047】その後、図1(c)に示すように、タング
ステン膜3bの上にスパッタ法を用いて、シリコン(約
1%程度)及び銅(約0.5%程度)を含むアルミニウ
ム合金膜3c(約200nm)を堆積し、さらにアルミ
ニウム合金膜3c上に次工程のフォトリソグラフィで配
線パターンを形成するのを容易にするための窒化チタン
膜3d(約40nm)を堆積する。ここで、アルミニウ
ム合金膜3cは配線抵抗を下げる役割を果たし、窒化チ
タン膜3dは露光光の波長での膜の反射率を下げる役割
を果たしている。
【0048】さらに、図1(d)に示すように、フォト
リソグラフィ及びドライエッチングにより、チタン・窒
化チタン積層膜3a、タングステン膜3b、アルミニウ
ム合金膜3c、窒化チタン膜3dを所望のパターンに加
工して第1の金属配線3を形成する。
【0049】その後、図1(e)に示すように、熱処理
器9内に半導体装置を移動し、450℃で熱処理を行な
う。この熱処理は、従来の製造工程と同様に、ドライエ
ッチングによる下地のダメージ回復や金属間の界面を安
定化させるために行なうものであり、その温度は配線金
属にアルミニウムが含まれる場合は、一般にアルミニウ
ムの熱的安定性を保つため450℃程度の温度で行なわ
れる。
【0050】図2は、上述の製造工程によって形成され
る半導体装置の構造を示す断面図である。同図に示すよ
うに、本実施形態に係る半導体装置は、シリコン基板1
上に第1の絶縁膜2と、チタン・窒化チタン積層膜3a
と、タングステン膜3bと、アルミニウム合金膜3c
と、窒化チタン膜3dとを順次積層してなる構造を有す
る。そして、タングステン膜3bとアルミニウム合金膜
3cとの間には、タングステン膜3bの表面にプラズマ
処理を施して形成された窒化タングステン層3eが介在
している。
【0051】以下、本実施形態に係る半導体装置中の第
1の金属配線3の特性について説明する。ただし、以下
のような特性は、本実施形態の構造を有する半導体装置
だけではなく第2〜第4の実施形態の構造を有する半導
体装置においても得られるものである。
【0052】図8(a),(b)は、配線のシート抵抗
値の配線幅依存性を示し、図8(a)はN2 プラズマに
よる窒化処理を行なわなかったもの,図8(a)はN2
プラズマによる窒化処理を行なったもの(50℃,80
mTorr,高周波電力600WのN2 ガスプラズマに
60sec さらしたもの)のデータをそれぞれ示す。
【0053】図8(a)に示すように、ダメージの回復
のための熱処理を行なう前には、プラズマ窒化処理を行
なったものと、プラズマ窒化処理を行なわなかったもの
とで配線抵抗に全く差がない。図8(a)に示すプラズ
マ窒化処理を行なわなかったものでは、その後ダメージ
層の回復等のために450℃,30分間の熱処理を行な
った場合は、配線抵抗は熱処理前に比べて140ー18
0%上昇する。ただし、ダメージ層の回復等のために4
30℃,30分間の熱処理を行なった場合には、配線抵
抗はほとんど変化しない。
【0054】一方、図8(b)に示すプラズマ窒化処理
を行なったものでは、450℃,30分間の熱処理を行
なった場合にも、熱処理後の配線抵抗上昇は10%以内
に抑さえられている。
【0055】次に、図9(a),(b)は、N2 プラズ
マによる窒化処理を行なったものとN2 プラズマによる
窒化処理を行なわなかったものとについて、ダメージ回
復のためなどのために450℃で熱処理を行った後のタ
ングステン−アルミニウム間の境界領域のX線分析結果
を示す。
【0056】図8(a),(b)に示す抵抗値のデータ
と、図9(a),(b)に示す分析データとから、以下
の事実が導き出される。
【0057】第1に、タングステン膜3bにプラズマ窒
化処理を施すことにより、ダメージ回復のためなどのた
めに高温で熱処理を行なっても、高抵抗の合金層WAl
12の生成を有効に防止することができる。
【0058】第2に、430℃以下の熱処理では、プラ
ズマ窒化処理を行なわなくても、高抵抗の合金層WAl
12は形成されない。
【0059】第3に、プラズマ窒化処理による配線抵抗
の上昇はない。
【0060】以下、プラズマ窒化処理を行なうことによ
り、合金層WAl12の形成を防止できる理由について説
明する。
【0061】図10は、プラズマ窒化処理を行なったタ
ングステン膜の表面のXPS分析(X線光電子分光分
析)のデータを示す。このデータから、タングステン膜
の表面に約6nmの厚さのWNx 層が形成されているこ
とが判る。また、この厚みのWNx 層では、XPS分析
データから、窒素(N)とタングステン(W)との割合
はN/W=1.59であり、窒素リッチなWNx 膜が形
成されていることがわかった。しかも、WNx のピーク
が存在することから、窒素とタングステンとが原子間結
合をしていることが示されている。
【0062】図11は、60秒間のプラズマ窒化処理を
行なったタングステン膜の表面から奥方に向かう断面に
おけるAES分析(オージェ電子分光分析)のデータを
示す。同図に示すように、WNx 層の厚みは約4〜6n
mであり、この厚みの場合、窒素濃度が最大の位置にお
ける窒素(N)とタングステン(W)との割合はN/W
=1.1である。
【0063】また、図15は、第1の実施形態の条件で
N2 プラズマによる窒化処理がされたタングステン膜の
上にアルミニウム合金膜を堆積した後、450℃,30
minの熱処理を施したサンプルについて、タングステ
ン膜とアルミニウム合金膜との境界付近の断面を撮影し
たTEM写真である。この写真では、アモルファスWN
x 層と微結晶WNx 層とが混在していると推定される領
域(図15中の領域RWN)があり、この領域の厚みは4
〜6nmである。熱処理前の状態はこの写真からはわか
らないが、少なくとも一部にアモルファスWNx 層と微
結晶WNx 層とが存在することはほぼ確実と思われる。
特に、このアモルファスWNx 層は、結晶構造のWNx
層に比べ、元素の拡散が生じやすい結晶粒界が存在しな
いので、タングステン膜とアルミニウム合金膜との間に
おける構成原子の相互拡散を防止する機能が大きい。こ
のアモルファスWNx 層は、x≧0.20のとき、つま
り窒素の割合が20%を越えるときには、WNx 層内の
一部に確実に生じることが確認されている。
【0064】したがって、本実施形態に係る半導体装置
では、タングステン膜3bの表面にバリア層となる窒化
タングステン層3eが形成されているために、その後に
ダメージ回復などのための熱処理を行ってもタングステ
ンとアルミニウムの相互拡散によりタングステンとアル
ミニウムの合金が形成されることなく、これにより抵抗
が上昇することはない。
【0065】しかも、このようなプラズマ窒化処理によ
って形成された窒化タングステン層は厚みが数nmと極
めて薄いにも拘らず優れたバリア機能を有する。これ
は、窒素原子とタングステン原子とが結合した構造とな
っているためと思われる(図10参照)。それに対し、
高温下でNH3 ガス雰囲気にさらすだけの窒化処理によ
り形成された窒化タングステン層は、単に窒素原子がタ
ングステン結晶中の格子間原子として存在しているだけ
で窒素原子とタングステン原子とが結合した構造となっ
ていないので、特開平7−231037号公報に開示さ
れるようにバリア機能を有効に発揮できないものと思わ
れる。
【0066】ただし、特開平7−231037号公報の
方法のごとく反応性スパッタリングにより形成される窒
化タングステン層は20nm以下の薄膜の形成が困難と
思われ、せっかく反応防止膜を形成して合金層WAl12
の生成に起因する抵抗値の増大を抑制しても、配線自体
の抵抗値が高くなってしまう虞れがある。窒化タングス
テンW90−N10,W80−N20,W60−N40
の比抵抗はそれぞれ100,200,350μΩcmで
あり、タングステンの比抵抗9.5μΩcmよりはるか
に高いからである(F.C.T.So他、J.A.P.,64, 2787-278
9, 1988)。それに対し、本実施形態のごとくプラズマ
窒化処理により形成された窒化タングステン層は厚みが
数nm程度と薄いので、配線自体の抵抗値の増大を抑制
しうるという利点がある。
【0067】特に、金属配線の抵抗値を抑制する観点か
ら、窒化タングステン層の厚みは10nm以下であるこ
とが好ましい。
【0068】また、CVD法で形成されたタングステン
膜は柱状の結晶構造を有し表面の凹凸がかなり大きい。
その場合、反応性スパッタリングでは上方から基板に向
かって放射された原子が堆積されていくので、表面に凹
凸があるとで均一な膜厚とすることが困難であり、その
ために抵抗値がさらに増大する虞れがある。特に、窒化
タングステン膜の膜厚を薄くすると問題が生じ得る。そ
れに対し、プラズマ窒化では基板の周囲に存在するプラ
ズマ化したイオンがタングステン膜に入射することによ
り窒化タングステン層が形成されるので、タングステン
膜の表面の凹凸が大きくてもほぼ表面から均一の深さに
形成される。したがって、数nmという薄い膜でも確実
にバリア機能を発揮することができる。
【0069】また、プラズマ窒化処理を行なう工程で
は、陰極と陽極との間に高周波電圧を印加する方式を用
い、かつ半導体基板を陰極側に配置することが好まし
い。このように配置することにより、特にタングステン
と窒素とが原子間結合する割合を高めることができる。
特に陽極と陰極との電位差を100V以上とすること
で、遊離原子の割合を低減させ原子間結合した窒素原子
とタングステン原子の割合を高くすることができる。
【0070】なお、タングステン膜3bを形成する方法
はCVD法に限定されるものではななく、スパッタリン
グ等のPVD法でもよい。しかし、CVD法によって形
成されたタングステン膜は、スパッタリング等で形成さ
れるタングステン膜に比べてステップカバレッジがよ
く,接続孔の埋め込み層として用いる場合には有利であ
る。反面、CVD法で形成されるタングステン膜は、ス
パッタ法に比べグレインが成長しやすく、柱状の大きな
結晶を有しているために表面の凹凸が大きい(図15参
照)。その場合、スパッタリングで窒化タングステン膜
をタングステン膜の上に堆積しようとすると、その凹凸
を確実に埋める窒化タングステン膜を形成することは困
難である。しかも、窒化タングステン膜の厚みの局部的
ばらつきも大きい。それに対し、本発明のようにプラズ
マによる窒化処理を行なった場合には、タングステン膜
の表面に大きな凹凸があっても、表面からほぼ均一の厚
みを有する領域に窒化タングステン層が形成される。す
なわち、タングステン膜とアルミニウム合金膜との間
に、薄い厚みでかつ確実に原子の相互拡散を防止できる
窒化タングステン層を形成することができるのである。
【0071】(第2の実施形態) 次に、図3(a)〜(e)を参照しながら第2の実施形
態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0072】図3(a)に示す工程では、すでにトラン
ジスタ等の半導体素子が形成されたシリコン基板1上
に、第1の絶縁膜2と、第1の金属配線3とを形成し、
さらに、第1の金属配線3の上に例えばプラズマCVD
法によりシリコン酸化膜からなる第2の絶縁膜4を形成
する。その後、ドライエッチングにより第2の絶縁膜4
の所望の位置に第1の金属配線3に到達する接続孔5を
開口する。
【0073】次に、スパッタ法により、タングステンの
密着層となるチタン(約10nm)と窒化チタン(約3
0nm)との積層膜6を接続孔内及び第2の絶縁膜4の
上に堆積し、さらにその上にブランケットタングステン
CVD法により200nm程度のタングステン膜7を堆
積する。その際、各膜6,7の堆積膜厚は、接続孔5の
深さと径(この場合は300nm程度)によって決定さ
れる。
【0074】さらに、図3(b)に示すように、ドライ
エッチングにより、第2の絶縁膜4上のタングステン膜
7とチタン・窒化チタン積層膜6とをエッチバックし
て、接続孔5内のみにタングステン膜7とチタン・窒化
チタン積層膜6を残す。次に、タングステン膜7の表面
を、温度50℃の下で、窒素ガス100%、圧力80m
Torr、高周波電力300Wのプラズマに1分間さら
すことにより、タングステン膜7の表面付近の領域を窒
化して窒化タングステン層3eを形成する。
【0075】次に、図3(c)に示すように、タングス
テン膜7の上にスパッタ法を用いて、シリコン(約1%
程度)及び銅(約0.5%程度)を含むアルミニウム合
金膜8a(厚み約350nm)と、窒化チタン膜8b
(厚み約40nm)とを順次堆積する。ここで、アルミ
ニウム合金膜8aは配線抵抗を下げる役割、窒化チタン
膜8bは露光光の波長での膜の反射率を下げる役割を果
たしている。
【0076】さらに、図3(d)に示すように、フォト
リソグラフィ及びドライエッチングにより、アルミニウ
ム合金膜8a、窒化チタン膜8bを所望のパターンに加
工して第2の金属配線8を形成する。
【0077】その後、図3(e)に示すように、熱処理
器9内に半導体装置を移動し、ダメージの回復などのた
めに450℃で熱処理を行なう。
【0078】本実施形態では、図3(b)に示す工程に
おいて、タングステン膜7の表面付近の領域に窒化タン
グステン層7bを形成したことにより、図3(e)の工
程の熱処理をおこなってもタングステンとアルミニウム
との合金層が形成されないため、熱処理により接続孔5
内の金属プラグの抵抗が上昇するという問題がない。す
なわち、上記第1の実施形態と基本的に同じ効果を発揮
することができる。
【0079】図4に示す構造は、本実施形態で述べた半
導体装置の製造方法によって形成された半導体装置を示
したものであり、シリコン基板1上に第1の絶縁膜2と
第1の金属配線3と、第2の絶縁膜4と、第2の絶縁膜
4の一部に開口された接続孔5を有し、接続孔5内にタ
ングテン膜7とその密着層としてチタン・窒化チタン積
層膜6を有する。またタングステン膜7の表面には窒化
タングステン層7bを有する。また第2の絶縁膜と接続
孔5の上にアルミニウム合金膜8a、窒化チタン膜8b
からなる第2の金属配線8を有している。
【0080】本実施形態は接続孔が配線金属間(ヴィア
ホール)の場合であるが、半導体領域と配線金属を接続
するコンタクトホールの場合でも同様である。
【0081】本実施形態では、ブランケットタングステ
ンCVD法を用いたが、選択タングステン法を適用し
て、チタン・窒化チタン積層膜6なしで接続孔5内のみ
に選択的にタングステン膜7を形成する方法でもよい。
【0082】(第3の実施形態) 次に、図5(a)〜(e)を参照しながら第3の実施形
態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0083】図5(a)に示す工程では、シリコン基板
1上に、MOS型半導体装置のソース・ドレイン領域1
2と多結晶シリコンからなるゲート電極13とを形成し
た後、ゲート電極13及びソース・ドレイン領域12の
上にタングステン膜7を選択的CVD法により形成す
る。
【0084】次に、図5(b)に示すように、上記半導
体装置上に第1の絶縁膜2を形成し、第1の絶縁膜2に
ゲート電極13及びソース・ドレイン領域12に到達す
る接続孔5をそれぞれ開口する。このとき、接続孔5の
底部で、上記タングステン膜7の表面は露出している。
ただし、図5(b)に示す断面では、ゲート電極13へ
の接続孔は図示されていない。
【0085】次に、図5(c)に示すように、上記タン
グステン膜7の表面を、温度50℃の下で、窒素ガス1
00%、圧力80mTorr、高周波電力300Wのプ
ラズマに1分間さらすことにより、タングステン膜7の
表面付近の領域を窒化して窒化タングステン層3eを形
成する。
【0086】次に、図5(d)に示すように、例えばA
l合金を500℃でスパッタすることにより、接続孔5
内及び第1の絶縁膜2上にAl合金を堆積し、これをパ
ターニングして、接続孔5内のコンタクト部を含む第1
の金属配線3を形成する。なお、一般に接続孔内にアル
ミニウム合金膜を埋め込むには500℃以上の温度が必
要である。
【0087】その後、図5(e)に示すように、熱処理
器9内に半導体装置を移動し、ダメージ回復などのため
に、上記第1,第2の実施形態と同様に450℃で熱処
理を行なう。
【0088】本実施形態では、図5(c)に示す工程で
窒化タングステン層7bを形成したことにより、図5
(d)に示す工程における500℃以上での高温スパッ
タ、または図5(e)に示す熱処理工程において、半導
体装置が450℃以上の温度にさらされた場合でも、タ
ングステン層7と第1の金属配線3中のアルミニウム合
金との間で反応生成物が形成されないため、熱処理によ
り接続孔5の抵抗が上昇するないしはソース・ドレイン
12における接合リークが発生するという問題がない。
すなわち、上記第1,第2の実施形態と同様の効果を発
揮することができる。
【0089】図6は、本実施形態に係る半導体装置の製
造方法によって形成された半導体装置の構造を示す断面
図である。同図に示すように、シリコン基板1上にフィ
ールド酸化膜10と、ゲート酸化膜11と、ソース・ド
レイン領域12と、多結晶シリコン膜からなるゲート電
極13とを有するMOS型半導体装置が形成されてい
る。そして、ソース・ドレイン領域12とゲート電極1
3との上に選択的に形成されたタングステン膜7を備え
ている。さらに、基板の全面上には第1の絶縁膜2が堆
積されており、第1の絶縁膜2にはソース・ドレイン領
域12やゲート電極11に到達する接続孔5が開口され
ている。ただし、図6に示す断面では、ゲート電極13
への接続孔は図示されていない。そして、接続孔5内の
タングステン膜7の表面にのみ窒化タングステン層7b
が形成されている。また、窒化タングステン層7b上に
接続孔の埋め込み部とその上の配線部とが一体化された
第1の金属配線3が設けられている。
【0090】本実施形態においても、タングステン膜7
の表面に窒化タングステン層7bが形成されているため
に、その後に熱処理を行ってもタングステンとアルミニ
ウムの相互拡散により高抵抗の合金層WAl12が形成さ
れるのを有効に防止することができる。
【0091】加えて、本実施形態では、シリコン基板1
2内において、ソース・ドレイン領域12のPN接合部
にアルミニウムが侵入することにより接合リークが発生
するのを有効に防止することができる。
【0092】(第4の実施形態) 次に、図7を参照しながら第4の実施形態について説明
する。
【0093】本実施形態に係る半導体装置の製造方法
は、上記図5(a)〜(e)とほとんど同じであるの
で、異なる部分のみ説明し、製造工程の図示は省略す
る。本実施形態では、図5(a)に示す工程で、プラズ
マ処理を行なって、タングステン膜7の表面付近の領域
を窒化して窒化タングステン層3eを形成する。その
後、図5(b),(d)及び(e)に示す工程を行な
う。
【0094】図7は、本実施形態に係る半導体装置の構
造を示す断面図である。本実施形態に係る半導体装置の
構造は、上記第3の実施形態における半導体装置の構造
とほとんど同じである。上記第3の実施形態の構造では
接続孔内のタングステン膜にのみ窒化タングステン層が
形成されていたが、本実施形態ではタングステン膜7の
全面に窒化タングステン層7bが形成されている点のみ
が異なる。
【0095】したがって、本実施形態においても、上記
第3の実施形態と同様の効果を発揮することができる。
加えて、本実施形態に係る半導体装置は、タングステン
膜7の全面において、バリア層が形成されているので、
下方の半導体基板内へのアルミニウム等の侵入をより確
実に防止できる利点を有する。
【0096】(第5の実施形態) 次に、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法につ
いて説明する。
【0097】本実施形態では、タングステン膜の表面に
窒化タングステン層を形成しない。したがって、上記従
来の技術で説明した図12(a)〜(d)、図13
(a)〜(d)又は図14(a)〜(d)とほとんど同
じ工程を行なう。
【0098】ただし、図12(d)、図13(d)又は
図14(d)に示す工程において、熱処理器9内で熱処
理する際の温度が従来例では450℃であったが、本実
施形態では、400℃から430℃の範囲内で行なう。
【0099】すなわち、上記第1の実施形態において図
8(a)について説明したように、ダメージ回復などの
ための熱処理温度を430℃とした場合には、抵抗値の
上昇率は10%以下であり、熱処理によってもタングス
テンとアルミニウムの反応生成物が形成されない。そし
て、430℃の温度下でも熱処理時間を十分確保すれ
ば、ダメージ回復の効果を発揮し得ることが判った。
【0100】一方、熱処理温度を400℃以下にする
と、ドライエッチング時に生じた下地のダメージの回復
が充分に行なえず、トランジスタのしきい値電圧が変動
する等の問題がある。従って熱処理温度は、400℃か
ら430℃の範囲内で行なうことが望ましい。
【0101】(他の実施形態) 上記第1〜第4の実施形態における、窒素を含むガスの
プラズマにさらす工程の代わりに、タングステン膜の表
面を窒素原子を含むガスにさらし、同時に紫外線を照射
することにより、あるいはタングステン膜の表面を窒素
原子を含むイオンビームにさらすことにより、紫外線な
いしはイオンのエネルギーの助けを借りて、温度550
℃以下の低温で、タングステン膜の表面に窒化タングス
テンを形成することもできる。その場合にも、窒化タン
グステン層のバリア機能によって、上記各実施形態と同
じ効果を発揮することができる。
【0102】上記第1〜第4の実施形態において、タン
グステン3b、アルミニウム合金3cの上下にそれぞれ
チタン・窒化チタン積層膜3a、窒化チタン膜3dを有
しているが、これらの膜3a、3dは別の金属膜ないし
はその化合物でもよい。また、反射防止膜としてアルミ
ニウム合金8aの上に窒化チタン膜8bを有している
が、窒化チタン膜膜8bの代わりに別の物質からなる反
射防止膜を形成してもよい。
【0103】上記第1〜第4の実施形態において、プラ
ズマ処理を行なう際に使用する窒素を含むガスとしてN
2 ガスを用いたが、分子の構成元素に窒素を含むガスで
あればNH3 ガスなどを用いてもかまわない。
【0104】上記第1〜第4の実施形態において、タン
グステン表面を窒素を含むガスのプラズマにさらす工程
は、CVD装置内でタングステンを成膜した直後に同一
装置内でおこなってもよい。
【0105】上記第1〜第4の実施形態において、アル
ミニウム合金膜をシリコンと銅を含むアルミニウム合金
で構成するようにしたが、シリコンのみやスカンジウム
など他の金属を含む他のアルミニウム合金膜としてもよ
く、あるいは純アルミニウム膜でもよい。これらの場合
にも、同様の効果が得られた。
【0106】上記第1〜第4の実施形態において、金属
配線をアルミニウム合金の代わりに銅または銅合金で構
成してもよい。
【0107】上記第1〜第4の実施形態において、タン
グステン膜を窒化して、窒化タングステン層を形成した
が、タングステン膜の代わりにモリブデン膜ないしはチ
タン膜等のリフラクトリ金属を用い、窒化タングステン
層の代わりに窒化モリブデン層ないしは窒化チタン層を
形成してもよい。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、タングステン等のリフ
ラクトリ金属膜の上にアルミニウム,銅等の配線用金属
膜を設けるように構成された半導体装置の製造方法とし
て、リフラクトリ金属膜を堆積した後、リフラクトリ金
属膜の表面付近の領域に窒素原子とリフラクトリ金属原
子とが結合した構造を有する窒化金属層を形成してか
ら、配線用金属膜をその上に堆積するようにしたので、
金属配線のリフラクトリ金属膜と金属配線との構成金属
同士の相互拡散による高抵抗合金層の形成や接合リーク
の発生の防止により、配線,プラグ層等の抵抗の小さい
かつ特性の良好な半導体装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における半導体装置の製造工程
を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態における半導体装置の断面図で
ある。
【図3】第2の実施形態における半導体装置の製造工程
を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態における半導体装置の断面図で
ある。
【図5】第3の実施形態における半導体装置の製造工程
を示す断面図である。
【図6】第3の実施形態における半導体装置の断面図で
ある。
【図7】第4の実施形態における半導体装置の断面図で
ある。
【図8】本発明に係る半導体装置の線幅に対する配線抵
抗の変化を示す特性図である。
【図9】本発明に係る半導体装置のタングステン膜の表
面付近の領域に対するX線分析図である。
【図10】本発明に係る半導体装置のタングステン膜の
表面付近の領域に対するXPS分析図である。
【図11】本発明に係る半導体装置のタングステン膜の
表面付近の領域に対するAES分析図である。
【図12】従来例における半導体装置の製造工程を示す
断面図である。
【図13】従来例における半導体装置の製造工程を示す
断面図である。
【図14】従来例における半導体装置の製造工程を示す
断面図である。
【図15】第1の実施形態に係る半導体装置のタングス
テン膜−アルミニウム合金膜間の境界付近の領域のTE
M写真である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 第1の絶縁膜 3a チタン・窒化チタン積層膜 3b タングステン膜 3c アルミニウム合金膜 3d 窒化チタン膜 3e 窒化タングステン層 3 第1の金属配線 4 第2の絶縁膜 5 接続孔 6 チタン・窒化チタン積層膜 7 タングステン膜 7b 窒化タングステン層 8a アルミニウム合金膜 8b 窒化チタン膜 8 第2の金属配線 9 熱処理器 10 フィールド酸化膜 11 ゲート酸化膜 12 ソース・ドレイン 13 ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−202840(JP,A) 特開 平2−45958(JP,A) 特開 平4−247863(JP,A) 特開 平4−342138(JP,A) 特開 平6−97111(JP,A) 特開 平6−318595(JP,A) 特開 平6−333927(JP,A) 特開 平7−78785(JP,A) 特開 昭61−222132(JP,A) 特開 昭63−84154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/768 H01L 21/3205 H01L 21/3213 H01L 21/321

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上及び半導体基板の表面付近
    の領域を含む領域の一部に導電層を形成する第1の工程
    と、 上記導電層の上にタングステン膜を堆積する第2の工程
    と、 上記タングステン膜の表面に窒素イオンを照射して上記
    タングステン膜の表面付近の領域内に窒素原子とタング
    ステン原子とが結合した構造を有する窒化タングステン
    層を形成する第3の工程と、 上記第3の工程の後に上記タングステン膜の表面に配線
    用金属膜を堆積する第4の工程と、 上記配線用金属膜をパターニングして金属配線を形成す
    る第5の工程とを備え、 上記第3の工程は、陽極と陰極とを平行に配置したプラ
    ズマ発生装置を用いて、上記半導体基板に負の電位を印
    加して行なわれ、 さらに上記第3の工程で形成される上記窒化タングステ
    ン層は微結晶窒化タングステンとアモルファス窒化タン
    グステンの混合層で、上記窒化タングステン層中では窒
    素原子は上記タングステン原子よりも多い ことを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第1の工程の後上記第2の工程の前に、上記導電層
    の上に絶縁膜を形成する工程と、上記絶縁膜の一部を開
    口して上記導電層に到達する接続孔を形成する工程とを
    さらに備え、 上記第2の工程では、上記接続孔内にタングステン膜を
    形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第1の工程の前に、上記半導体基板上にゲート電極
    を形成する工程をさらに備え、 上記第1の工程では、上記ゲート電極の両側方に位置す
    る半導体基板内に不純物を導入して上記導電層となるソ
    ース・ドレイン領域を形成し、 上記第2の工程では、上記ゲート電極及び上記ソース・
    ドレイン領域の上に ングステン膜を形成することを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第3の工程は、N2 ガス雰囲気中でプラズマを発生
    させることにより行なわれることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第3の工程は、550℃以下の温度でNH3 ガス雰
    囲気中でプラズマを発生させることにより行なわれるこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第2の工程は、CVD法により行なわれることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第3の工程は、上記陽極と陰極との電位差を100
    V以上にして行なわれることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6又は7
    載の半導体装置の製造方法において、 上記第4の工程における上記配線用金属膜はアルミニウ
    ムを含む金属材料で構成されていることを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記第3の工程の上記窒化タングステン層の膜厚は4〜
    6nmであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
JP13065996A 1995-05-09 1996-04-26 半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3398543B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13065996A JP3398543B2 (ja) 1995-05-09 1996-04-26 半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-110433 1995-05-09
JP11043395 1995-05-09
JP19850295 1995-08-03
JP7-198502 1995-08-03
JP13065996A JP3398543B2 (ja) 1995-05-09 1996-04-26 半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09102544A JPH09102544A (ja) 1997-04-15
JP3398543B2 true JP3398543B2 (ja) 2003-04-21

Family

ID=27311736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13065996A Expired - Fee Related JP3398543B2 (ja) 1995-05-09 1996-04-26 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3398543B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3407516B2 (ja) * 1995-12-20 2003-05-19 ソニー株式会社 半導体装置及びその製造方法
JP2008034684A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Sony Corp 固体撮像素子、固体撮像素子の製造方法および撮像装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61222132A (ja) * 1985-03-27 1986-10-02 Mitsubishi Electric Corp 半導体製造装置
JP2554634B2 (ja) * 1986-09-29 1996-11-13 株式会社東芝 半導体装置の製造方法
JPH01202840A (ja) * 1988-02-08 1989-08-15 Nec Corp 薄膜配線
JP2764932B2 (ja) * 1988-08-06 1998-06-11 セイコーエプソン株式会社 半導体装置及びその製造方法
JPH04247863A (ja) * 1991-01-25 1992-09-03 Fuji Electric Co Ltd 金属窒化物層の形成方法
JPH04342138A (ja) * 1991-05-20 1992-11-27 Hitachi Ltd 多層配線部材の形成方法
JPH0697111A (ja) * 1992-09-11 1994-04-08 Sony Corp バリアメタルの形成方法
JP3672941B2 (ja) * 1993-03-24 2005-07-20 川崎マイクロエレクトロニクス株式会社 半導体集積回路の配線構造体
JPH06318595A (ja) * 1993-05-10 1994-11-15 Kawasaki Steel Corp 半導体集積回路の配線構造体の製造方法
JPH0778785A (ja) * 1993-06-18 1995-03-20 Hitachi Ltd バリアメタル皮膜の窒化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09102544A (ja) 1997-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5780908A (en) Semiconductor apparatus with tungstein nitride
US5534463A (en) Method for forming a wiring layer
JP3435194B2 (ja) 半導体装置の配線層形成方法及び半導体装置
US5147819A (en) Semiconductor metallization method
US5498768A (en) Process for forming multilayer wiring
JP2978748B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US4937652A (en) Semiconductor device and method of manufacturing the same
JP3535893B2 (ja) 半導体装置の金属層形成方法
JP3358328B2 (ja) 高融点金属膜の成膜方法
JPH08107087A (ja) 半導体装置及びその製造方法
FR2555365A1 (fr) Procede de fabrication de circuit integre avec connexions de siliciure de tantale et circuit integre realise selon ce procede
JPH0936228A (ja) 配線形成方法
US6548389B2 (en) Semiconductor device and method for fabricating the same
JP3586899B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP3240725B2 (ja) 配線構造とその製法
JP3398543B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0922907A (ja) 埋め込み導電層の形成方法
JPH10209278A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH05335330A (ja) 接続孔埋め込み形成方法
JP4657571B2 (ja) 半導体素子の金属配線形成方法
JPS63181422A (ja) 窒化チタン膜の形成方法
JP3282496B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3407516B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP3360835B2 (ja) 配線形成方法
JPH1083980A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030128

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees