JP3398107B2 - スポット溶接ロボットの溶着解除方法 - Google Patents

スポット溶接ロボットの溶着解除方法

Info

Publication number
JP3398107B2
JP3398107B2 JP37005499A JP37005499A JP3398107B2 JP 3398107 B2 JP3398107 B2 JP 3398107B2 JP 37005499 A JP37005499 A JP 37005499A JP 37005499 A JP37005499 A JP 37005499A JP 3398107 B2 JP3398107 B2 JP 3398107B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
electrode
welded
electrodes
robot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP37005499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001179463A (ja
Inventor
幸治 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP37005499A priority Critical patent/JP3398107B2/ja
Publication of JP2001179463A publication Critical patent/JP2001179463A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3398107B2 publication Critical patent/JP3398107B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポット溶接ロボ
ットでスポット溶接を行う際、電極とワークとが溶着し
た場合に溶着解除を行う溶着解除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば多関節形ロボットの手首に、開
閉可能な一対の電極を有する溶接ガンを装備してスポッ
ト溶接ロボットは構成される。スポット溶接は、ワーク
の所定の溶接打点を一対の電極で加圧挟持し、溶接電流
を流して行う。このスポット溶接終了後、電極とワーク
とが溶着している場合があり、その場合には溶着解除を
行う必要がある。
【0003】典型的な溶着解除方法の例が、特開平6−
122077号公報に開示されている。この公報に開示
される溶着解除方法は、スポット溶接終了後、両電極で
ワークを挟持した状態で、電極の軸線(ガン軸)まわり
に溶接ガンを回転させる。これによって、両電極がワー
クに対して回転し、電極とワークとの溶着が解除されう
る。
【0004】電極の解除は、両電極が溶着している場合
には、上述したように電極を回転させて溶着解除しなけ
ればならないが、片方の電極のみ溶着している場合に
は、溶着点を頂点として電極を揺動させたり、または円
錐状に回動させて解除するほうが、無理なく解除できる
とともに、大きい溶着解除力が得られ好ましい。
【0005】溶着していると判断したとき、予め設定さ
れた溶着解除動作の中から、溶接打点部位に応じて、動
作を選択する溶着解除方法が、特開平8−25061号
公報に開示されている。この公報に開示される方法は、
スポット溶接終了後、溶接ガンの電極を一旦開き、所定
時間経過後、ガンが設定位置に到達しないと判断される
と、電極チップの少なくともいずれかがワークに溶着し
ていると判断する。そして、溶着していると判断すれ
ば、電極を回転、回動、または揺動させる動作の中から
予め設定されている動作を読み出し、溶着解除を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法では、溶接打点部位に応じて溶着解除動作を選択
するもので、かつ電極チップの少なくともいずれかがワ
ークに溶着しておれば溶着と判断しており、どの電極が
溶着しているかは考慮されていない。そのため、揺動ま
たは回動の溶着解除動作が選ばれている溶接打点部位
で、両電極が溶着すれば、解除動作が困難となる欠点を
有する。
【0007】また、揺動、または回動による溶着解除動
作はできるだけ溶着点を中心に行うことが好ましいが、
どちらの電極が溶着したかを区別しないと、揺動・回動
中心とすべき点の位置を特定できない。たとえば電極間
の中心を揺動・回動中心として揺動または回動動作を行
う方法が考えられるが、この場合、溶着点と揺動・回動
中心とがずれてしまうため、揺動または回動させたと
き、ワークおよび電極を損傷させてしまう恐れがある。
【0008】本発明の目的は、溶着状態に応じて最適な
溶着解除動作を行うスポット溶接ロボットの溶着解除方
法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロボットの手
首に装備され、固定電極および移動電極を備える開閉可
能な溶接ガンで被溶接物を挟持してスポット溶接を行っ
た後、電極と被溶接物との溶着を解除するスポット溶接
ロボットの溶着解除方法において、スポット溶接終了
後、被溶接物から固定電極と移動電極とが所定距離だけ
上下に離反するように電極離反指令を出力して、溶接ガ
ンのサーボモータおよびロボットのサーボモータに移動
指令を与える電極離反工程と、前記移動指令を与えた
後、ロボットに作用する反力とともに、移動電極に作用
する反力に基づいて、両電極が被溶接物に溶着している
か、または固定電極のみ溶着しているか、または移動電
極のみ溶着しているかを判定する溶着状態判定工程と、
前記溶着状態判定工程でいずれか片方の電極のみ溶着し
ていると判定したとき、前記溶着解除動作は、電極を上
下に離反させ、被溶接物が弾性変形している状態で、電
極と被溶接物との溶着点を頂点とする円錐形の外周に沿
って溶着している電極を回動させるか、もしくは溶着点
を頂点として、溶着した電極を揺動させて溶着解除を行
う溶着解除工程を含むことを特徴とするスポット溶接ロ
ボットの溶着解除方法である。
【0010】本発明に従えば、溶着状態を判定し、判定
した溶着状態に応じて溶着解除動作を行うので、最適な
溶着解除を行うことができる。片方の電極のみ溶着して
いる場合に電極離反指令を出力すると、溶着している電
極に被溶接物が溶着した状態で電極が開く。このとき、
溶着解除は、溶着点を頂点として、弾性変形された被溶
接物と溶着する電極が回動または揺動するように動作さ
せるので、被溶接物を変形させたり損傷させたりするこ
となく、最適に溶着解除を行うことができる。
【0011】
【0012】本発明に従えば、溶着状態判定工程におい
て、両電極が被溶接物に溶着しているか、または固定電
極のみ溶着しているか、または移動電極のみ溶着してい
るか、またはどちらの電極も溶着していないかを判定
し、判定した溶着状態に応じて溶着解除動作を行うの
で、片方の電極のみ溶着している場合に、それが移動電
極か、固定電極かを区別することができる。これによっ
て最適な溶着解除動作を行うことができ、溶着が生じた
場合であっても、被溶接物の溶接品質を有効に維持する
ことができる。
【0013】
【0014】
【0015】本発明は、前記溶着状態判定工程で両電極
が溶着していると判定したとき、前記溶着解除動作は、
電極の軸線を回転中心として両電極を回転させることを
特徴とする。
【0016】電極離反指令を出力しても被溶接物から両
電極が離反しなくて溶着している場合は、電極の軸線を
回転中心として電極が回転するように溶接ガンを動作さ
せる。このような溶着解除動作によって、両電極と被溶
接物との溶着を確実に解除することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
あるスポット溶接ロボット1の外観を示す斜視図であ
る。スポット溶接ロボット1は、ロボット2の手首7に
溶接ガン8が装備されて構成される。
【0018】ロボット2は6軸垂直多関節型ロボットで
あり、床に固定される基台4、下部アーム5、上部アー
ム6および手首7を有する。下部アーム5は、下端部が
鉛直な第1軸J1まわりに旋回可能に基台4に取付けら
れるとともに、水平な第2軸J2まわりに前後角変位可
能に基台4に設けられる。下部アーム5の上端部には上
部アーム6の基端部が、水平な第3軸J3まわりに上下
に角変位可能に取付けられる。上部アーム6の先端部に
取付けられる手首7は、上部アーム6の軸線に平行な第
4軸J4まわりに角変位可能に取付けられるとともに、
上部アーム6の軸線に垂直な第5軸J5まわりに角変位
可能に取付けられる。この手首7に取付けられるスポッ
ト溶接ガン8は、第5軸に垂直な第6軸J6まわりに角
変位可能に設けられる。
【0019】スポット溶接ガン8は、手首7に取付けら
れる基部9と、この基部9の下部に固定されるコ字状の
ガンアーム12とを有し、このガンアーム12の下端部
に固定電極14が固定される。この固定電極14に対向
し、固定電極14に対して近接/離反方向に移動可能に
移動電極13がガンアーム12に設けられる。電極1
3,14は棒状であり、互いに同軸に配置される。移動
電極13は溶接ガン8に設けられる溶接用サーボモータ
Mwによって駆動される。また、6軸多関節型ロボット
2の各関節軸J1〜J6もそれぞれロボット用サーボモ
ータM1〜M6によって駆動される。
【0020】次に、溶接ロボット1の制御構成について
説明する。図2は、溶接用サーボモータMwの制御構成
を示すブロック図である。なお、他のサーボモータM1
〜M6に関してもサーボモータMwと同様の構成である
ので、図示は省略する。
【0021】メモリ22には、教示データが格納され
る。教示データには、被溶接物であるワークWの各溶接
打点を順次スポット溶接するための作業動作プログラム
および各溶接打点を溶接するときの溶接ガン8の打点位
置が含まれる。溶接ガン8の打点位置は、溶接打点の座
標位置、および溶接時の打角(移動電極13の移動方
向)が絶対座標系で与えられている。なお、打角は、ワ
ークWに対する面直方向に一致するように与えられる。
【0022】メモリ22に基づいて、位置コントローラ
20から移動電極13への移動指令値Pwがサーボコン
トローラ21に与えられると、サーボコントローラ21
ではこの移動指令値Pwに応じた電流Iwを溶接用サー
ボモータMwに与える。これによって、移動電極13が
指令された位置まで前進する。たとえばスポット溶接時
には、これによって、電極13,14でワークWが挟
持、加圧される。
【0023】また、位置コントローラ20は、サーボコ
ントローラ21に各軸J1〜J6の角度移動指令値P1
〜P6を与えてロボット2の姿勢を変更させ、溶接ガン
8を指定された打点位置に位置決めする。サーボコント
ローラ21は、各軸J1〜J6が、指令された角度とな
るように、角度移動指令値P1〜P6に応じた電流値I
1〜I6を各サーボモータM1〜M6に与える。
【0024】サーボモータMwにはエンコーダEwが取
付けられ、サーボモータMwによる移動電極13の移動
量はエンコーダEwによって検出される。検出したエン
コーダ値はサーボコントローラ21に戻される。サーボ
コントローラ21では、位置コントローラ20からの移
動指令値PwとエンコーダEwからのエンコーダ値とに
基づいて、移動電極13が指定された位置まで移動する
ようにサーボモータMwをフィードバック制御する。こ
のような構成はサーボモータM1〜M6においても同様
である。
【0025】各サーボモータMw,M1〜M6はフィー
ドバック制御されるので、たとえ移動電極13を前進さ
せたり、ロボット2の姿勢を変更するなど、溶接ロボッ
ト1を指定された位置まで移動させるときにおいて、電
極13または14がワークWに溶着している場合、ワー
クWに抗して指定された位置まで移動するように各サー
ボモータM1〜M6,Mwへ供給する電流を増減させ
る。すなわち、ワークWを弾性変形させて移動するの
で、弾性変形するワークWの弾性復元力が、ロボット1
または移動電極13に反力として作用する。したがっ
て、弾性変形するワークWに抗して移動させるときのサ
ーボモータMw,M1〜M6の電流値の変化量に基づい
て、ロボット1および移動電極13への反力を求めるこ
とができる。
【0026】本実施形態では、サーボモータMw,M1
〜M6の電流値は監視部23で検出、監視しており、検
出したこれらの電流値に基づいて反力算出部24で反力
を算出し、さらに溶着検出・解除部25で溶着状態を検
出する。
【0027】溶接ロボット1でスポット溶接を行うと
き、まず、移動電極13を固定電極14から離反させて
溶接ガン8を開いておき、教示データに基づいて打点位
置まで溶接ガン8を移動させる。次に、移動電極13を
固定電極14側に移動させて溶接ガン8を閉じ、両電極
13,14でワークWの溶接打点を挟み、さらに所定の
加圧力を加え、溶接電流を流してスポット溶接を行う。
【0028】溶接後、電極13,14が溶着している場
合には、溶着状態に応じて溶着解除を行うことが望まし
く、そのためには、固定電極14のみ溶着しているの
か、移動電極13のみ溶着しているのか、両電極13,
14が溶着しているのか、両電極13,14とも溶着し
ていないのかを区別して溶着状態を検出する必要があ
る。
【0029】溶着状態を区別するために、本発明では溶
接終了後、電極離反指令を出して電極13,14を開
き、溶着している場合に移動電極13側に作用する反力
と、固定電極14側(ロボット2側)に作用する反力と
を検出し、反力の作用するパターンを場合分けし、溶着
状態を区別して検出する。そして、検出した溶着状態に
応じて、溶着した電極を回動、回転、または揺動させて
溶着解除を行う。この溶着状態の検出、および解除方法
は、溶着検出・解除部25に格納される溶着検出・解除
プログラムに従って行われる。
【0030】次に、図3に示すフローチャートおよび図
4〜図7を参照して溶着検出・解除方法についてさらに
詳しく説明する。なおここに示す例では、ワークWは水
平に配置されているものとし、移動電極13はワークW
に対して上方からワークWに垂直に当接し、固定電極1
4はワークWに対して下方からワークWに垂直に当接し
て、両電極13,14でワークWの溶接打点Pcを挟持
してスポット溶接を行うものとする。
【0031】両電極13,14でワークWを加圧挟持
し、溶接電流を流し、スポット溶接が終了すると、その
溶接打点での溶着検出・解除プログラムが開始される。
【0032】溶着検出・解除プログラムの初期状態(ス
テップa1)では、図4の(a)に示すように、両電極
13,14がワークWの溶接打点Pcを挟持しており、
つぎのステップa2で、所定の開度、電極13,14を
開かせる。
【0033】本実施形態では、移動電極13がワークW
から5mm上方に離反するように移動させ、固定電極1
4がワークWから5mm下方に離反するように移動させ
る。溶接ガン8は、ロボット2に取付けられており、こ
の溶接ガン8に移動電極13が取付けられるので、前述
したように各電極13,14をワークWから離反させる
ためには、ロボット2によって溶接ガン8を鉛直下方に
5mm移動させるとともに、移動電極13を鉛直上方に
10mm移動させる必要がある。したがって、位置コン
トローラ20は、溶接ガン8を5mm下方に移動させる
ための移動指令をロボット2の各サーボモータM1〜M
6の各サーボコントローラ20に与えるとともに、移動
電極13を上方に10mm移動させるための移動指令を
溶接用サーボモータMwのサーボコントローラに与え
る。
【0034】移動指令を与えた後、次のステップa3で
移動電極13側、および固定電極14側、つまりロボッ
ト2側に作用する反力を検出し、検出した反力のパター
ンに従って、溶着状態を判定する。反力が作用すると、
前述したようにサーボモータの電流値が変化するので、
本実施形態では、反力の検出はサーボモータの電流値の
変化に基づいて検出する。
【0035】移動電極13に作用する反力は、サーボモ
ータMwの基準とする電流値からの電流値変化量として
求め、ロボット2に作用する反力は、ロボット2の各軸
J1〜J6の各サーボモータM1〜M6の基準とする電
流値からの電流値変化量から算出する。なお、基準とす
る電流値は、移動前の電極13,14がワークWに接触
した状態にあるときのサーボモータM1〜M6,Mwに
供給される電流値とする。
【0036】両電極13,14が溶着していない場合に
は、図4(b)に示すように、両電極13,14はワー
クWから離反することができる。このとき、移動電極1
3およびロボット2には反力が作用しない(ステップa
4)。つまり、溶接用サーボモータMwの電流値変化量
が所定の値未満となり、かつロボット2の各サーボモー
タM1〜M6の電流値変化量から算出した反力値が所定
値未満となる。このような状態を反力算出部24で検出
した場合には、移動電極13およびロボット2のいずれ
にも反力が作用していないので、溶着なし(ステップa
5)と判定する。
【0037】溶着なしと判定されると、溶着解除動作を
行う必要がないので、溶着検出・解除プログラムは終了
する。
【0038】次に、図4(c)に示すように、移動電極
13のみ溶着している場合には、移動電極13を上方に
移動させると、移動電極13とともにワークWが上方に
弾性変形する。これによって、移動電極13にはワーク
Wの弾性復元力によって移動電極13を下方に押し下げ
る向きに反力が生じる。したがって、移動電極13を駆
動するサーボモータMwは、ワークWの弾性復元力に抗
して移動電極13を上方に引き上げなければならず、こ
れによってサーボモータMwに供給される電流値が増大
する。したがって、溶接用サーボモータMwの電流値変
化量が、所定の値以上となる。また、固定電極14は溶
着していないので、ロボット2の各サーボモータM1〜
M6の電流値変化量から算出した反力値が所定の値未満
となる。このような状態を検出した場合には、移動電極
13側にのみ反力が生じている(ステップa6)ものと
判断し、移動電極13のみが溶着していると判定(ステ
ップa7)する。移動電極13のみが溶着していると判
定すると、次にステップa8に進み、回動溶着解除動作
を行う。
【0039】図5は、片方の電極のみが溶着している場
合の回動溶着解除動作を示す斜視図である。移動電極1
3が、溶着点Paで溶着している場合、図5に示すよう
に移動電極13が溶着点Paを頂点とする円錐30の外
周に沿って回動動作を行うようにロボットによって溶接
ガン8を移動させる。円錐30は、溶接打点Pcにおけ
る面直方向L1を軸線とし、予め定める頂角α1°の円
錐形である。なお、上記溶着点Paは、そのときのロボ
ット2の各サーボモータM1〜M6のエンコーダ値およ
び溶接ガン8のサーボモータMwのエンコーダ値から求
める。
【0040】メモリ22には、前記頂角α1°および回
動回数N回、または回動角度が記憶されており、溶着点
Paの座標位置、面直方向L1および頂角α1°に基づ
いて円錐30を設定し、設定される回動回数N回、また
は回動角度だけ電極13を円錐30の外周に沿って回動
させる。
【0041】このように電極13,14が所定開度だけ
開いた状態で、溶着する電極13の溶着点Paを頂点と
して電極13を回動させることによって、ワークWを変
形、損傷させず、速やかに溶着が解除される。
【0042】溶着解除動作を行った後、確実に溶着が解
除されたか否かを確認するために再び前述のステップa
1に戻る。つまり、ステップa1で再び電極13,14
を閉じ、ステップa2で電極13,14を所定開度開
き、ステップa3で反力を検出し、移動電極13および
ロット2側に反力が生じておらず(ステップa4)、溶
着なし(ステップa5)と判定されると、溶着解除が確
実に行われたことが確認でき、溶着検出・解除プログラ
ムが終了する。
【0043】次に、図4(d)に示すように、固定電極
14のみ溶着している場合には、固定電極14を下方に
移動させると、これとともにワークWも下方に弾性変形
する。したがって、このワークWの弾性復元力によって
固定電極14を、すなわちロボット2の手首先端を上方
に引き上げる力が反力としてロボット2に作用する。し
たがって、ロボット2はこの反力に抗して手首先端の固
定電極14を下方に引き下げる力が働き、そのためにロ
ボット2の各サーボモータM1〜M6に供給される電流
値が変化する。
【0044】つまり、溶接用サーボモータMwの電流値
変化量が所定値未満であり、ロボット2の各サーボモー
タM1〜M6の電流値変化量から算出した反力値が所定
値以上となる場合には、ロボット2のみに反力が生じて
いる(ステップa9)ものと判断し、固定電極14のみ
が溶着(ステップa10)と判定することができる。固
定電極14にのみがワークWに溶着した場合も、前述と
同様に回動溶着解除動作を行う(ステップa11)。
【0045】すなわち、両電極13,14が所定開度開
いた状態で、固定電極14の溶着点を頂点とし、面直方
向を中心軸線とし、予め記憶される角度α1°を頂角と
する円錐形を設定し、この円錐の外周に沿って固定電極
14が、予め設定される回動回数N、または回動角度だ
け回動するようにロボット2で溶接ガン8を移動させ
る。このような回動動作を行った後、前述と同様にステ
ップa1に戻り、溶着解除の確認を行い、確実に溶着が
解除されたことが確認されると、溶着検出・解除プログ
ラムを終了する。
【0046】次に、図4(e)に示すように、両電極1
3,14がワークWに溶着している場合の判定方法につ
いて説明する。溶接ガン8はロボット2の手首に取付け
られており、溶接ガン8を下げる指令を出力したとき、
固定電極14がワークWに溶着している場合には、移動
電極13が溶着していても、ワークWとともに固定電極
14は下方に下がる。このとき、ワークWが弾性変形す
る分だけロボット2の各サーボモータM1〜M6に供給
される電流値変化量から算出した反力が大きくなり、ロ
ボット2に上向きの反力が作用しているものと検出され
る。
【0047】また、溶着している移動電極13も上方に
移動しようとするが、固定電極14とともにワークWに
溶着しているため、上方に移動することができない。し
たがって、サーボモータMwには予め定める最大電流値
まで電流が供給されることになる。この最大電流値は、
たとえば移動電極13を引き上げることによって溶着し
た移動電極13とワークWとが引き剥がされない程度の
電流とする。
【0048】このように両電極13,14がワークWに
溶着している場合には、ロボット2の各サーボモータM
1〜M6の電流値変化量から算出した反力値が所定値以
上となってロボット2に反力が作用していると検出さ
れ、かつ溶接用サーボモータMwの電流値変化量が所定
値以上となって移動電極13にも反力が作用していると
検出(ステップa12)される。この場合には両電極1
3,14が溶着しているものと判定(ステップa13)
される。
【0049】両電極13,14が溶着していると判定さ
れると、電極13,14を回転させる回転溶着解除動作
を行う。つまり、図6に示すように、両電極13,14
の先端がそれぞれワークWに溶着した状態で、電極1
3,14の軸線L2を中心として電極13,14が回転
するようにロボット2で溶接ガン8を動作させる。この
ときの回転角度βは予めメモリ22に記憶されており、
また回転動作は1回だけに限らず、複数回往復させても
よく、このときの往復回数Mも予めメモリ22に記憶さ
れている。
【0050】両電極13,14が溶着している場合、溶
着解除動作によっていずれか一方の電極のみしか溶着解
除が行われない場合があるので、この溶着解除動作を終
了後、再びステップa1に戻り、確実に両電極の溶着が
解除されたことを確認してから溶着検出・解除プログラ
ムの実行が終了する。
【0051】このようにして、判定した溶着状態に応じ
た最適な溶着解除動作が行われる。
【0052】上述した実施形態では、片方の電極のみが
溶着する場合の溶着解除動作として、電極を円錐状に回
動させたが、片方のみ溶着の解除動作はこのような形態
に限らず、たとえば図7に示すように、揺動溶着解除動
作を行ってもよい。
【0053】揺動溶着解除動作は、たとえば移動電極1
3のみが溶着している場合、この移動電極13を、溶着
点Paを中心とし、仮想平面A内で揺動させる。仮想平
面Aの向きは、所定開度電極13,14を開いたときの
ワークWの形状に応じて設定され、たとえば、所定開度
電極を開いたときの変形方向Bに平行に仮想平面Aが設
定される。図7(a)に示すようにワークWが湾曲する
場合は、この仮想平面Aは、図7(b)に示す平面図の
ように、ワークWの端面Cに垂直な向きとなる。
【0054】そして、この仮想平面A内で溶着点Paを
中心として電極13を予め記憶される揺動角度α2で、
予め記憶される往復揺動数N回だけ電極13が揺動する
ようにロボット2で溶接ガン8を移動させる。このよう
にワークWの変形方向Bに溶着した電極13を揺動させ
ることによって、効率よく溶着解除を行うことができ
る。このようにして溶着解除を行った後、前述と同様
に、ステップa1に戻り、溶着解除の確認を行う。
【0055】また、このような揺動溶着解除動作は、固
定電極14のみが溶着する場合にも適用可能である。
【0056】このように、上述した回転、回動、揺動の
各溶着解除動作は、図5〜7に示すように、ワークWを
弾性変形させた状態で行われる。
【0057】ロボット2に作用する反力は、多関節形ロ
ボット2の各軸J1〜J6を駆動するサーボモータM1
〜M6の電流値から算出する。前述したように、これら
のサーボモータM1〜M6もフィードバック制御されて
おり、弾性変形するワークWからの反力に応じて電流値
が変化するので、固定電極14がワークWを弾性変形さ
せ、ロボット2に反力が作用した場合、この電流値の変
化量に基づいて反力を求めることができる。反力として
は、各点でのサーボモータM1〜M6の電流値の変化量
から算出してもよく、またサーボモータM1〜M6の電
流値の変化量に重み付けして評価してもよい。また、た
とえば、基本軸に比して、減速機の摩擦力の小さな手首
軸J4〜J6のサーボモータM4〜M6を優先的に選ん
で反力を算出してもよい。
【0058】また、上述した例では、ワークWが水平に
配置される場合についてのみ説明したけれども、本発明
はこのような場合に限らず、ワークWの配置状態にかか
わらず、判定した溶着状態およびワークWの配置状態に
応じた溶着解除動作を行う。
【0059】また、上述した実施形態では、反力の検出
をサーボモータM1〜M6,Mwに供給される電流の変
化量に基づいて判定したけれども、本発明はこれに限ら
ず、たとえば反力を検出する歪みセンサなどを設け、こ
れに基づいて溶着状態を判定するように構成してもよ
い。
【0060】またさらに上述した実施形態では、溶着状
態の検出は、移動電極13およびロボット2に作用する
反力に基づいて行ったが、本発明はこのような方法で検
出した溶着状態による場合に限らず、移動電極13のみ
溶着しているのか、固定電極14のみ溶着しているの
か、両電極13,14とも溶着しているのか、または両
電極とも溶着していないのかを区別して溶着状態を検出
した場合であれば適応可能であり、たとえば電極13,
14とワークWとの電気的導通状態に基づいて溶着状態
を区別して判定する場合によっても本発明の溶着解除方
法を実施することができる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、溶着状態
を判定し、判定した溶着状態に応じて溶着解除動作を行
うので、最適な溶着解除を行うことができる。スポット
溶接終了後、移動電極および固定電極が被溶接物から上
下に離反するように移動指令を与え、その後、移動電極
と固定電極とを、被溶接物から離反させようとしたと
き、ロボットに作用する反力とともに、移動電極に作用
する反力を検出することによって、固定電極のみが被溶
接物に溶着しているか、または移動電極のみまたは固定
電極のみが被溶接物に溶着しているかを区別して検出す
ることができる。
【0062】また本発明によれば、片方の電極のみ溶着
している場合は、溶着点を中心として回動または揺動さ
せる。これによって、被溶接物は弾性変形されて弾性復
元力を発揮した状態となっているので、電極と被溶接物
とが剥がれやすくなり、また被溶接物が塑性変形するこ
とが防がれ、さらに、被溶接物が弾性変形していること
によって、その被溶接物と溶着している移動電極または
固定電極の少しの動きで、大きな溶着解除の効果が得ら
れる。
【0063】また本発明によれば、両電極が溶着してい
る場合には、電極の軸線を中心として電極を回転させる
ことによって、両電極の溶着を確実に解除することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶着解除方法が適用されるスポット溶
接ロボット1を示す斜視図である。
【図2】溶接用サーボモータMwの制御構成を示すブロ
ック図である。
【図3】溶着検出・解除方法を示すフローチャートであ
る。
【図4】初期状態および各溶着状態を示す図である。
【図5】回動溶着解除動作を示す斜視図である。
【図6】回転溶着解除動作を示す斜視図である。
【図7】揺動溶着解除動作を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 スポット溶接ロボット 2 垂直多関節型ロボット 8 溶接ガン 13 移動電極 14 固定電極 M1〜M6 サーボモータ Mw 溶接用サーボモータ W ワーク
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−155655(JP,A) 特開 平8−25061(JP,A) 特開 平6−122077(JP,A) 特開 平7−116864(JP,A) 特開 平1−215476(JP,A) 特開 平11−347749(JP,A) 特開 平8−206848(JP,A) 特開 平8−19875(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 11/24 B23K 11/11

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットの手首に装備され、固定電極お
    よび移動電極を備える開閉可能な溶接ガンで被溶接物を
    挟持してスポット溶接を行った後、電極と被溶接物との
    溶着を解除するスポット溶接ロボットの溶着解除方法に
    おいて、 スポット溶接終了後、被溶接物から固定電極と移動電極
    とが所定距離だけ上下に離反するように電極離反指令を
    出力して、溶接ガンのサーボモータおよびロボットのサ
    ーボモータに移動指令を与える電極離反工程と、 前記移動指令を与えた後、ロボットに作用する反力とと
    もに、移動電極に作用する反力に基づいて、両電極が被
    溶接物に溶着しているか、または固定電極のみ溶着して
    いるか、または移動電極のみ溶着しているかを判定する
    溶着状態判定工程と、 前記溶着状態判定工程でいずれか片方の電極のみ溶着し
    ていると判定したとき、前記溶着解除動作は、電極を上
    下に離反させ、被溶接物が弾性変形している状態で、電
    極と被溶接物との溶着点を頂点とする円錐形の外周に沿
    って溶着している電極を回動させるか、もしくは溶着点
    を頂点として、溶着した電極を揺動させて溶着解除を行
    う溶着解除工程を含むことを特徴とするスポット溶接ロ
    ボットの溶着解除方法。
  2. 【請求項2】 前記溶着状態判定工程で両電極が溶着し
    ていると判定したとき、前記溶着解除動作は、電極の軸
    線を回転中心として両電極を回転させることを特徴とす
    る請求項1記載のスポット溶接ロボットの溶着解除方
    法。
JP37005499A 1999-12-27 1999-12-27 スポット溶接ロボットの溶着解除方法 Expired - Fee Related JP3398107B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37005499A JP3398107B2 (ja) 1999-12-27 1999-12-27 スポット溶接ロボットの溶着解除方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37005499A JP3398107B2 (ja) 1999-12-27 1999-12-27 スポット溶接ロボットの溶着解除方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001179463A JP2001179463A (ja) 2001-07-03
JP3398107B2 true JP3398107B2 (ja) 2003-04-21

Family

ID=18495962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37005499A Expired - Fee Related JP3398107B2 (ja) 1999-12-27 1999-12-27 スポット溶接ロボットの溶着解除方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3398107B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7216479B2 (ja) 2018-03-28 2023-02-01 ダイハツ工業株式会社 スポット溶接装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001179463A (ja) 2001-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3471338B2 (ja) 摩擦攪拌接合装置
KR960001962B1 (ko) 로보트의 공구 자세 제어방법
JP2002292477A (ja) 摩擦撹拌を用いた加工制御方法、加工制御装置並びに当該方法を実行するコンピュータプログラム並びに当該コンピュータプログラムを格納した記憶媒体
US4706000A (en) Tool posture control system
JPH07116864A (ja) スポット溶接の溶着解除方法およびスポット溶接装置
JP3337448B2 (ja) スポット溶接ガンの位置決め方法
JP7015267B2 (ja) ロボット制御装置及びロボットシステム
JP5103147B2 (ja) 溶接ロボットにおける溶接線座標の教示方法及び溶接ロボットの多層盛溶接におけるオフセット値の教示方法
JP3398107B2 (ja) スポット溶接ロボットの溶着解除方法
US20210260750A1 (en) Method to Modify a Program for Robotic Welding
JP2010000582A (ja) 多関節ロボットのティーチングデータ検証方法
JP3147603B2 (ja) スポット溶接ガンの加圧制御方法およびその装置
JP5513206B2 (ja) 溶接ロボットのワイヤ突出長調整方法および装置
JP7199073B2 (ja) 垂直多関節ロボットの教示データ作成システム
JP3541151B2 (ja) スポット溶接ロボット
JP4772260B2 (ja) 摩擦攪拌接合装置
JP3359011B2 (ja) スポット溶接ロボット
JP3398102B2 (ja) スポット溶接ロボット
KR20200117002A (ko) 마찰 교반 점 접합 장치 및 그 운전 방법
JP3136874B2 (ja) 溶接ロボットの溶接ガン位置決め方法
JPH05212450A (ja) 長尺材の曲げ加工方法及び装置
JPH07227779A (ja) ロボットハンドの姿勢制御装置
JP5513207B2 (ja) 溶接ロボットの制御装置
JP3359012B2 (ja) スポット溶接ロボット
US20230226682A1 (en) Method for Teaching Torch Orientation for Robotic Welding

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120214

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees