JP3397627B2 - 振動型駆動装置およびこれを用いた装置 - Google Patents

振動型駆動装置およびこれを用いた装置

Info

Publication number
JP3397627B2
JP3397627B2 JP08962797A JP8962797A JP3397627B2 JP 3397627 B2 JP3397627 B2 JP 3397627B2 JP 08962797 A JP08962797 A JP 08962797A JP 8962797 A JP8962797 A JP 8962797A JP 3397627 B2 JP3397627 B2 JP 3397627B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina
vibrating body
sliding
vibration type
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08962797A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10285961A (ja
Inventor
淳 玉井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP08962797A priority Critical patent/JP3397627B2/ja
Priority to US09/055,880 priority patent/US6107725A/en
Publication of JPH10285961A publication Critical patent/JPH10285961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3397627B2 publication Critical patent/JP3397627B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/106Langevin motors
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/0005Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing non-specific motion; Details common to machines covered by H02N2/02 - H02N2/16
    • H02N2/005Mechanical details, e.g. housings
    • H02N2/0065Friction interface
    • H02N2/007Materials
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/16Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors using travelling waves, i.e. Rayleigh surface waves
    • H02N2/163Motors with ring stator

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動発生用電気−機
械エネルギー変換素子からの振動を受けて振動する振動
体と、この振動体に圧接した接触体とを相対的に移動さ
せる振動型駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような振動型駆動装置(振動型モ
ータ)としては、例えば特開平5−252767号公報
にて提案されているものがある。このモータは、図6に
示すように、圧電素子12a,12cにより生じる屈曲
振動と積層圧電素子13により生じる伸縮振動とを合成
することで、摩擦部材5に楕円運動を発生させ、これに
接触する被駆動体(接触体)6を移動させる機構になっ
ている。そして、摩擦部材5には鋼材を用い、被駆動部
材6にはアルミナ等のセラミックを用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記モータでは摩擦部
材5は常に同じ場所が接触し衝撃を受けるものの、被駆
動部材6は接触位置が絶えず変化するので、じん性が低
く、疲労強度の低いセラミックが使用できる。しかしな
がら、このセラミックを、摺動部が繰り返し衝撃を受け
る進行波型の振動型モータに適用すると、アルミナ系で
は破壊が発生し易く、他のセラミックでは摩耗が著しく
大きいという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、本発明では、電気−機械エネルギー変換により振動
が励起される振動体とこの振動体に接触する接触体と
摺動させる振動型駆動装置において、振動体の摺動部
および接触体の摺動部のうち一方を、炭化チタンを1重
量パーセント以上含有するアルミナセラミックにより形
成し、他方を鉄系材料により形成しており、両摺動部の
摺動によって一方の摺動部の表面にアルミナセラミック
より軟質な膜を形成している。また、電気−機械エネル
ギー変換により振動が励起される振動体と、この振動体
に接触する接触体とを摺動させる振動型駆動装置におい
て、振動体の摺動部および接触体の摺動部のうち一方
を、炭化ケイ素を1重量パーセント以上含有するアルミ
ナセラミックにより形成し、他方を鉄系材料により形成
しており、両摺動部の摺動によって一方の摺動部の表面
にアルミナセラミックより軟質な膜を形成している。
【0005】ここで、摺動の相手材をステンレスおよび
ニッケル系耐熱材料等として、酸化物系セラミック、窒
化物系セラミック、炭化物系セラミック、ホウ化物系セ
ラミックおよび超硬等の硬質材料を中心に摺動部の材料
として用いた場合、硬質材料側の摩耗形態が2種類に分
けられることが分かった。
【0006】その1つが炭化ケイ素等に見られた化学的
摩耗であり、ビッカース硬さが2000以上もある炭化
ケイ素が摩耗した。しかも、滑らかに摩耗した。この時
の相手材のステンレスはほとんど摩耗していない。比摩
耗量さえ小さければ、常に滑らかな面が摺動面に露出し
ていて、アクチュエータとしての性能(発生トルク)が
安定して望しいのだが、このままでは長寿命のアクチュ
エータはできない。
【0007】この摩耗は、ビッカース硬さが1000以
上もあるシリコンウェハーを、それよりも硬さの低いB
aCO3 ,CaCO3 およびFe3 4 などで研磨でき
る原理(メカノケミカル効果)で説明できる。炭化ケイ
素の表面が摩擦熱等によってSiO2 に変化し、これが
除去されると考えられる。この効果は、Mo2 C,W
C,TiB2 ,TaC,TiCなどSiを含まない物質
においても確認されている。
【0008】一方、アルミナでは上記のような摩耗形態
はほとんど認められず、長時間の摩擦駆動後、表面に穴
が形成され、その後は比較的早期に破壊が進行した。こ
の破壊を生じるまでの時間は高強度のアルミナほど長く
なった。もともとアルミナ中に気孔が存在している(密
度が小さい)ものは早期に破壊に至る。これはじん性不
足による疲労破壊の発生と考えらる。
【0009】以上のことから、本発明では、一方の摩擦
材料に、アルミナセラミックを用い、このアルミナセラ
ミックに化学的摩耗を促進し、応力集中を防ぐ作用のあ
る物質である炭化チタン又は炭化ケイ素を重量で1%以
上添加している。若干化学的摩耗を生じる添加物(炭化
チタン又は炭化ケイ素)をアルミナ中に含有させること
で、その表面にアルミナ母材より軟質な膜を形成させる
ことができ、こうすることで実際の接触部分(真実接触
面)を増大させ、応力集中を防ぎ、アルミナの破壊を防
止することが可能となる。炭化チタン又は炭化ケイ素
は、少量で化学的摩耗を生じるためである。多量に加え
ないと効果のないものは、それ自身の占める体積が増え
るので好ましくない。そして、これら添加物自身はアル
ミナより強度が劣るものが多く又強度が低下しないまで
もアルミナとの相境界強度が低いため、添加物を含有し
たアルミナの強度が純粋なアルミナより低下する。よっ
て、少量添加で効果のある上記各添加物が望しい。
【0010】また、炭化ケイ素をアルミナセラミックに
含有させる場合、炭化ケイ素をウィスカー状にして含有
させることにより、アルミナの強度とじん性を向上さ
せ、アルミナの破壊的摩耗を防止して寿命の長い振動型
駆動装置を供給するのが望ましい。
【0011】さらに、相手材として硬質ステンレス、例
えばビッカース硬さが500以上のマルテンサイト系ス
テンレス又は析出硬化型ステンレスを用いて、摩耗をほ
とんど生じさせないのが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1には、本発明の第1実施形態であ
る棒状振動型モータ(振動型駆動装置)を示している。
1は振動体であり、この振動体1の下端面1cには積層
圧電素子3が接触している。積層圧電素子3はリング部
材5を介してシャフト6の締め付け力により振動体1の
下端面1cに押圧されている。振動体1の上端には、硬
質摩擦材1aが設けられている。
【0013】2はシャフト6を中心に回転自在な移動体
(接触体)であり、移動体2の下部には金属摩擦材2a
が設けられている。金属摩擦材2aの下端部は、図2に
詳しく示すように、上記締め付け力により硬質摩擦材1
aに圧接する。移動体2にはこれと一体回転可能に出力
部材9が係合しており、この出力部材9のギヤ部は複写
機等の駆動力伝達機構10のギヤに噛み合っている。こ
の棒状振動型モータの作動原理は、特開平5−2117
85号公報等にて説明されているので、ここではその説
明は省略するが、要するに、圧電素子3に高周波電気信
号を印加して振動体1に振動を励起し、硬質摩擦材1a
と金属摩擦材2aとの間の摩擦により移動体2を回転駆
動するものである。
【0014】ここで、硬質摩擦材1aとして、図3に示
すような種類のものを用意した。これらは円筒研削、平
面研削、ワイヤーカット、レーザ切断等の加工法により
リング状に仕上げ、振動体1にエポキシ接着剤やろう付
け等で接合される。一方、金属摩擦材2aとしては、図
4に示すものを用意した。これは金属薄板をしぼりおよ
びしごき成形(プレス加工)により段付きの筒状に仕上
げたものであり、摺動部に当たる部分の肉厚はしごき成
形により他の部分より薄くなっている。これは、この部
分の動剛性を高めることに大きく寄与しており、移動体
2の振動体1への追従性を向上させて、いわゆる鳴きの
発生を防止している。
【0015】そして、図3と図4に示す摩擦材を図5に
示すように組み合わせて、下記の試験を行い、各摩擦材
の優劣を評価した。試験は、図1に示す棒状振動型モー
タを用いて行なわれ、摩擦面に垂直に加わる面圧を4M
Paに設定し、移動体2の回転数を毎分900回転に設
定した。これは摩擦材料1a,2a間の相対速度にして
0.4m/秒に相当する。負荷トルクは2×10-3N・
m(摩擦面に加わる接線力で0.5N)に設定した。
【0016】評価はモータを100時間(摺動距離にし
て144km)回転させた時に振動体1側の摩擦材1a
又は移動体2側の摩擦材2aが10μm以上摩耗したも
のを図5に×で、移動体2側の摩擦材2aの摩耗が10
μm以下で、振動体1側の摩擦材1aの摩耗が1〜10
μmのものを△で、移動体2側の摩擦材2aの摩耗が1
0μm以下でかつ振動体1側の摩擦材1aの摩耗が1μ
m以下のものを◎で示した。なお、振動体1側の摩擦材
1aの摩耗量に厳しい数値を求める理由は、ここにわだ
ちが形成され、このわだちが深くなるとモータの性能も
低下する傾向にあるためである。
【0017】図5に示すように、テストNo.1〜10
では、振動体1側の摩擦材1aに化学的摩耗を生じた。
これらはすべて破壊することなく、滑らかに摩耗が進行
した。しかも、これらに共通することは、摩耗粉の発生
がきわめて少なかったことである。従来のNi−P−S
iCと陽極酸化皮膜(商標名:アルマイト)の組み合わ
せでは、Ni−P−SiCが10μmも摩耗すれば、黒
い摩耗粉が多量に発生し、これが摩擦面の間に介在して
モータのトルクを減少させ、回転ムラを生じてしまって
いた。なお、炭化ケイ素では50〜60μmも摩耗した
のに、摩耗粉は確認できない程であった。
【0018】また、テストNo.11〜13では、振動
体1側の摩擦材1aとして市販のアルミナを使用した
が、No.11ではアルミナの気孔率が高いために、孔
の角からアルミナが破壊していった。No.12ではア
ルミナの気孔率は小さいにもかかわらず、やはりアルミ
ナの表面が破壊していった。No.13ではアルミナが
破壊に至らなかったが、これは、単にテスト時間に依存
しただけと考えられる。つまり、No.13でもさらに
耐久テストを続けると、150時間位で破壊してしまっ
た。そして、一端破壊すると後は急激に摩耗が進むこと
も分かった。なお、これはアルミナの疲労破壊が生じた
結果と予測できる。よって、負荷トルクを減少させれ
ば、この破壊が生じるまでの時間は大幅に増大すると思
われるが、このモータは高トルクであることが最大の特
長になっているので、それではモータの魅力は激減して
しまうことになるので好ましくない。そこで、摩擦接触
するアルミナにおいて、その破壊強度を向上させる方法
として次の2つが適当な手段して挙げられる。
【0019】1.アルミナのようなぜい性材料に属する
ものでは、応力集中を起こさせないことがきわめて重要
であるが、金属のようにすべり変形を生じて応力を緩和
させる機構を期待できないので、アルミナの表面にアル
ミナ母材より延性が高く軟質な物質をコーティングする
ことが考えられる。しかし、後処理でコーティングした
ものでは、その膜が摩耗してしまえば、その後、例えば
No.13で使用したアルミナでも150時間程度の寿
命しか期待できない。
【0020】そこで、アルミナに軟質な膜を生じる成分
を含有させることが考えられる。これによれば、いわゆ
る自生作用で次々に軟質な膜を再生できるからである。
軟質な膜はヤング率が小さいか変形抵抗が小さいので、
真実接触面積を増大させ、応力集中を防ぐという効果が
ある。
【0021】2.アルミナ自身のじん性を向上させて、
疲労強度を増大させる。これには、ウイスカー状の繊維
を含有させることが考えられる。また、ウイスカー材料
そのものが、上記1の効果を与えるものであればさらに
望しい。高強度の繊維によって、クラックの進展が防止
されるわけである。
【0022】テストNo.14〜18では、上記1の考
案の効果が表れていると考えられる。また、テストN
o.19〜22では、上記2の考案の効果が表れている
と考えられる。
【0023】テストNo.23では、超硬を振動子1側
の摩擦材1aとして使ったものである。超硬はビッカー
ス硬さで2000以上もある多角形状の炭化タングステ
ンとそれを結合するための軟質なコバルトとの2相組織
になっている。この超硬については、ステンレスを相手
にステンレス以上に摩耗が進行してしまった。しかも、
摩耗面はあたかもラップ加工したかのように滑らかであ
った。走査型電子顕微鏡でその表面を観察すると、硬質
なWC相と軟質なCo相の間に段差がほとんど認められ
ず、しかも、摩耗粉は上記各相に比べて細かく、丸みを
帯びた形状をしており、それらが凝集していた。以上の
ことは、超硬が破砕されて摩耗したのではなく、化学的
な作用で摩耗した結果と考えられる。
【0024】テストNo.24では、ステンレス相手に
摩耗の少ない良好な結果を示した高純度アルミナを用い
た。但し、この場合、相手材としてはニッケル基耐熱合
金であるインコネル750を選んだ。耐熱材料の特長と
しては、一般に高温での強度(クリープ強度等)が高
く、酸化進行性のスケールが生じないので、摩擦摺動面
が高温になる場合の摩擦材料としては最適と考えたから
である。しかし、結果はインコネル側が著しく摩耗し
た。
【0025】酸化膜の性質は母材によって異なる。例え
ば、図4の試料No.5のSK4(高炭素鋼)では、通
常赤さび(Fe2 3 →ヘマタイト)を生じる。この膜
中では鉄の拡散係数が大きいので、膜は成長しやすく母
材を腐食させて厚くなる。一方、ステンレスではクロム
が含有されているため、母材に最も近い所に非常に薄い
(10ナノメートル以下)クロム酸化膜が形成される。
この膜は不動態膜と言われており、鉄原子の拡散が起こ
りにくい。よって、赤さびは成長しにくく、通常表面の
酸化膜は薄い状態に保たれる。上記耐熱材料の場合は、
薄い状態が高温まで保持される。つまり、摩擦状態では
膜の厚さが炭素鋼>ステンレス>耐熱材料の順になって
いたと思われる。また、膜自体の密着性も炭素鋼よりス
テンレスの方が強い。以上より耐熱材料では金属凝着が
生じやすく、摩耗が激しく進行し、炭素鋼ではスケール
の成長と脱落をくり返し、テストNo.28のようにや
や摩耗が大きかったと思われる。ステンレスは適当な厚
さの酸化膜が常に生じていたとみられる。但し、テスト
No.31のように相手材として焼なましたSUS42
0J2を用いると、硬質のSUS420j2を用いた時
よりそれ自身の摩耗量が増加した。これには母材の塑性
変形抵抗も若干関係していると考えられる。以上の実験
結果から、硬質摩擦材1aとしてアルミナセラミックに
1重量パーセント以上のケイ素、炭化ケイ素、ジルコニ
ア、炭化チタン、チタン酸カリウム、酸化イットリウ
ム、酸化チタニウムおよびホウ酸アルミニウムを添加し
たものを使用し、金属摩擦材2aとしてビッカース硬さ
500以上のマルテンサイト系ステンレス(SUS42
0j2)、析出硬化型ステンレス(SUS631)又は
高炭素鋼(SK4)を用いるのが、最も適切と考えられ
る。
【0026】(第2実施形態)図2には、本発明の第2
実施形態であるリング型の振動型モータを示している。
この振動型モータの駆動原理等は、特開昭59−201
685号公報等により既に公知であるためここでは簡単
に説明する。図2において、11は振動体であり、周方
向所定間隔で多数の突起が形成されている。各突起の先
端、すなわち摺動部には摩擦材11aが接合されてい
る。本実施形態では、この摩擦材11aに図3に示した
試料No.19が用いられている。試料No.19は、
SiCウイスカーを含有したアルミナセラミックであ
り、この材料を先端面の形状に合わせてレーザ切断し
て、エポキシ接着剤で接着したりハンダ等によるろう付
けで突起に接合する。なお、摩擦材11aを、ドクター
ブレート成形で作られたシート成形体をプレス打抜きし
て焼成製作してもよい。
【0027】振動体11の各突起には第1実施形態にて
説明したものと同様の移動体(接触体)が接触する。こ
の移動体には摩擦材12aとしてステンレスが接合され
ている。13は振動体1に接合された電気−機械エネル
ギー変換素子であり、交番電圧を受けて振動体1の突起
部に進行性振動波を発生させる。また、移動体2は振動
体1に不図示の加圧手段の加圧力を受けて加圧接触して
いる。その結果、移動体12が摩擦駆動力を受けて回転
することになるが、この動きは摩擦力を介して生じる相
対的なもので、振動体11を固定すれば移動体12が回
転し、反対に移動体12を固定すれば振動体11が回転
する。
【0028】なお、本実施形態においては、振動体11
側の摩擦材11aとしてSiCウイスカー含有のアルミ
ナを用い、移動体側の摩擦材12aとしてステンレスを
用いたが、第1実施形態の図5にて評価が◎であったも
のであればいずれを用いてもよい。但し、このタイプの
モータでは、セラミック小片の稜線に移動体側の摩擦材
12aが接触するので、第1実施形態の場合より欠け等
の不安が少ないじん性の高いアルミナを用いるのが望し
い。
【0029】また、上記各実施形態では、硬質摩擦材を
振動体側に設け、金属摩擦材を移動体側に設けた場合に
ついて説明したが、本発明は、硬質摩擦材を移動体側に
設け、金属摩擦材を振動体側に設けた場合にも適用でき
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、振動
体と接触体のうち一方の摺動部の材料として、アルミナ
セラミックを用い、このアルミナセラミックに化学的摩
耗を促進して応力集中を防ぐ作用のある添加物である炭
化チタン又は炭化ケイ素を添加しているため、表面にア
ルミナ母材より軟質な膜を形成させることができ、実際
の接触部分(真実接触面)を増大させて応力集中を防
ぎ、アルミナの破壊を防止することができ、振動型駆動
装置の長寿命化を図ることができる。
【0031】また、本発明では、含有量があまり多くな
らずに上記効果を得られる添加物を選択しているので、
添加物の体積増加を抑え、アルミナ自体の強度低下を抑
えることができる。
【0032】また、添加物をウィスカー状にして含有さ
れば、アルミナの強度とじん性を向上させ、アルミナの
破壊的摩耗を防止して振動型駆動装置のより長寿命化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である棒状振動型モータ
の側面図および部分拡大図である。
【図2】本発明の第2実施形態であるリング状振動型モ
ータの説明図である。
【図3】上記各実施形態における振動体側の摩擦材の一
覧図である。
【図4】上記各実施形態における移動体側の摩擦材の一
覧図である。
【図5】上記摩擦材の評価結果を示す一覧図である。
【図6】従来の振動型モータを示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11 振動体 1a,11a (振動体側の)摩擦材 2 移動体(接触体) 2a,12a (移動体側の)摩擦材 3,13 圧電素子

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気−機械エネルギー変換により振動が
    励起される振動体とこの振動体に接触する接触体とを
    摺動させる振動型駆動装置において、 前記振動体の摺動部および前記接触体の摺動部のうち一
    方が炭化チタンを1重量パーセント以上含有するアルミ
    ナセラミックにより形成され、他方が鉄系材料により形
    成されており、 両摺動部の摺動によって前記一方の摺動部の表面に前記
    アルミナセラミックより軟質な膜が形成される ことを特
    徴とする振動型駆動装置。
  2. 【請求項2】 電気−機械エネルギー変換により振動が
    励起される振動体と、この振動体に接触する接触体とを
    摺動させる振動型駆動装置において、 前記振動体の摺動部および前記接触体の摺動部のうち一
    方が炭化ケイ素を1重量パーセント以上含有するアルミ
    ナセラミックにより形成され、他方が鉄系材料により形
    成されており、 両摺動部の摺動によって前記一方の摺動部の表面に前記
    アルミナセラミックより軟質な膜が形成されることを特
    徴とする振動型駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記鉄系材料は、ビッカース硬さが50
    0以上のマルテンサイト系ステンレス又は析出硬化型ス
    テンレスであることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の振動型駆動装置。
JP08962797A 1997-04-08 1997-04-08 振動型駆動装置およびこれを用いた装置 Expired - Fee Related JP3397627B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08962797A JP3397627B2 (ja) 1997-04-08 1997-04-08 振動型駆動装置およびこれを用いた装置
US09/055,880 US6107725A (en) 1997-04-08 1998-04-07 Vibration type driving device and apparatus using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08962797A JP3397627B2 (ja) 1997-04-08 1997-04-08 振動型駆動装置およびこれを用いた装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10285961A JPH10285961A (ja) 1998-10-23
JP3397627B2 true JP3397627B2 (ja) 2003-04-21

Family

ID=13976003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08962797A Expired - Fee Related JP3397627B2 (ja) 1997-04-08 1997-04-08 振動型駆動装置およびこれを用いた装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6107725A (ja)
JP (1) JP3397627B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4444395B2 (ja) 1999-06-15 2010-03-31 キヤノン株式会社 振動波駆動装置
JP4596610B2 (ja) 2000-05-31 2010-12-08 キヤノン株式会社 振動波駆動装置
JP4731723B2 (ja) * 2001-05-24 2011-07-27 キヤノン株式会社 振動波駆動装置の製造方法
US6897598B2 (en) * 2002-03-15 2005-05-24 Kyocera Corporation Ultrasonic motor and guide apparatus having the same as driving source of movable body
US7187104B2 (en) * 2003-03-28 2007-03-06 Canon Kabushiki Kaisha Vibration-type driving device, control apparatus for controlling the driving of the vibration-type driving device, and electronic equipment having the vibration-type driving device and the control apparatus
JP4683884B2 (ja) * 2004-08-31 2011-05-18 キヤノン株式会社 振動型駆動装置および作動装置
DE102005036822A1 (de) * 2005-08-04 2007-02-15 Siemens Ag Elektromechanischer Motor
JP5486212B2 (ja) 2009-05-08 2014-05-07 キヤノン株式会社 振動波駆動装置用振動体、及び振動波駆動装置用振動体の製造方法
JP5573121B2 (ja) * 2009-11-25 2014-08-20 株式会社ニコン 振動アクチュエータ、レンズ鏡筒及びカメラ
US10530277B2 (en) 2016-06-10 2020-01-07 Canon Kabushiki Kaisha Friction member to contact opposite member, method for manufacturing friction member, vibration-type actuator, and electronic device

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59201685A (ja) * 1983-04-30 1984-11-15 Canon Inc 振動波モ−タ
JPH072024B2 (ja) * 1985-10-24 1995-01-11 キヤノン株式会社 振動波モ−タ
JPS6430473A (en) * 1987-07-23 1989-02-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd Ultrasonic motor
JPH01248975A (ja) * 1988-03-29 1989-10-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 超音波モータ
JPH01270776A (ja) * 1988-04-22 1989-10-30 Aisin Seiki Co Ltd 超音波モータの動体
JP2874762B2 (ja) * 1989-06-05 1999-03-24 キヤノン株式会社 モータ駆動装置
JP2935504B2 (ja) * 1989-07-05 1999-08-16 キヤノン株式会社 モータ
JPH03117384A (ja) * 1989-09-28 1991-05-20 Canon Inc 超音波モータの摩擦材
JPH0421373A (ja) * 1990-05-15 1992-01-24 Canon Inc 振動波モータ
JP3015090B2 (ja) * 1990-10-05 2000-02-28 キヤノン株式会社 振動波駆動装置
JP2714261B2 (ja) * 1990-12-14 1998-02-16 キヤノン株式会社 振動子および振動装置
JP3205026B2 (ja) * 1992-01-30 2001-09-04 キヤノン株式会社 振動波駆動装置および振動波駆動装置を有する装置
JPH05252767A (ja) * 1992-03-03 1993-09-28 Olympus Optical Co Ltd 超音波モータ
JP3167432B2 (ja) * 1992-07-16 2001-05-21 キヤノン株式会社 振動波駆動装置および振動波駆動装置を備えた機器
JPH06141565A (ja) * 1992-10-28 1994-05-20 Nikon Corp 超音波モータのロータ
JP3107946B2 (ja) * 1993-05-07 2000-11-13 キヤノン株式会社 振動波駆動装置
JP3358265B2 (ja) * 1993-12-17 2002-12-16 株式会社ニコン 超音波モータ
US5760529A (en) * 1995-04-24 1998-06-02 Canon Kabushiki Kaisha Vibration wave actuator and system using the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10285961A (ja) 1998-10-23
US6107725A (en) 2000-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3397627B2 (ja) 振動型駆動装置およびこれを用いた装置
JPH091065A (ja) 超音波ホーン
WO2007135936A1 (ja) 歯科用切削バー
JPH1042579A (ja) 振動波モータ
JP2578903B2 (ja) 振動波モータ
US6107724A (en) Vibration wave driving device and apparatus having the same
US5760529A (en) Vibration wave actuator and system using the same
JP7063953B2 (ja) 高品質係数および最小限の注油を有する時計調整器機構
JP2000175466A (ja) 振動アクチュエータ及び機器
JPWO2007060984A1 (ja) レジンボンド超砥粒ホイールおよびその製造方法
JP2007231351A (ja) 表面硬化部材の製造方法、表面硬化部材、及び振動型駆動装置
JP5068574B2 (ja) 包丁
JP3402576B2 (ja) 超音波モータおよび超音波モータ付き電子機器
JP2001198833A (ja) ダイヤモンド研磨用砥石及びダイヤモンド研磨方法並びに研磨により得られたダイヤモンド研磨加工体、単結晶ダイヤモンド及びダイヤモンド焼結体並びにダイヤモンド研磨用複合砥石及び同砥石セグメント
JP2004007895A (ja) 振動モータ用摩擦材及び機器
JP2005218191A (ja) 超音波モータ
JP4245087B2 (ja) ダイカットロール
JP2874773B2 (ja) 振動波駆動装置
JPH10178789A (ja) 振動波駆動装置
JP3210977B2 (ja) ダイヤモンド研磨用砥石及びダイヤモンド研磨方法並びにダイヤモンド研磨加工体
THEERAPAPVISETPONG et al. The changes in microstructural features and physical properties of ceramic matrix composite bonding tools under ultrasonic service
JP3213954B2 (ja) ダイヤモンド質被覆層の平坦化方法
JPH09221372A (ja) 耐摩耗部材
JP2003211361A (ja) ダイヤモンド研磨用砥石により得られたダイヤモンド研磨加工体、単結晶ダイヤモンド及びダイヤモンド焼結体
JP2926600B2 (ja) 超音波モータおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees