JPH10178789A - 振動波駆動装置 - Google Patents

振動波駆動装置

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JPH10178789A
JPH10178789A JP8338192A JP33819296A JPH10178789A JP H10178789 A JPH10178789 A JP H10178789A JP 8338192 A JP8338192 A JP 8338192A JP 33819296 A JP33819296 A JP 33819296A JP H10178789 A JPH10178789 A JP H10178789A
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JP
Japan
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driving device
metal
vibration wave
wave driving
resin
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Pending
Application number
JP8338192A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tamai
淳 玉井
Mitsuo Nishimura
光夫 西村
Itsuki Fujimoto
一城 藤本
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動波モータの弾性体と移動体との摩擦材の
摩耗を低減して寿命を延ばすことにある。 【解決手段】 振動を発生する弾性体と接触し、前記振
動によって前記弾性体に対して移動する移動体とを有
し、前記弾性体と前記移動体とが接触する部分にそれぞ
れ摩擦材料を設けた振動波モータにおいて、前記弾性体
の摩擦材料を樹脂を主成分とするものとし、前記移動体
の摩擦材料は金属又は無機材料を主成分とするものであ
って、その表面に凹みを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動波駆動装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】振動波駆動装置、例えば振動波モータに
おいて、振動が形成される振動体に対して移動体が加圧
接触し、前記振動体に形成される進行波等の駆動波によ
り前記移動体は摩擦駆動されるため、安定駆動と高寿命
化のためには、前記振動体と前記移動体との接触部にそ
れぞれ摩擦材が設けられている。
【0003】このような摩擦材については、例えば特開
平7−79578において、摩擦面を構成する材料とし
てカーボンビーズ入りの熱可塑性樹脂と炭化ケイ素を共
析したニッケルリン合金を提案している。その結果、摩
擦材の摩耗が減少し振動波モータの寿命の向上が図れ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、振動波
モータのさらなる高寿命化の要求がある。確かに、摩擦
材料の摩耗が減少したとはいえ、今だ熱可塑性樹脂に含
有されているカーボンビーズが相手材を攻撃しビッカー
ス硬さ1,000もあるニッケルリン合金をも摩耗させ
ているのである。発明者が調べた所この摩耗は微小振動
摩耗(=フレッチング摩耗)に属するものであると考え
られた。その理由は超音波振動を付与せず、該摩擦材同
士をすべらせた時は摩耗量が著しく減少したからであ
る。硬質合金側が摩耗するとこの摩耗粉が樹脂側の摩耗
をも促進させてしまう。
【0005】本出願に係る発明の目的は、振動波モータ
等の高寿命化をさらに図らんとするするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者が調べた所、樹
脂側のカーボンビーズなどの強化フィラーが直接相手金
属に接しないようにすれば、摩耗は著しく減少すること
がわかった。つまり、硬質金属の表面に樹脂を存在させ
れば良い。この点従来例のニッケルリン合金の表面に
は、樹脂が安定して存在出来る場所がなかったのであ
る。事実上樹脂同士の接触を保てばフレッチング摩耗は
減少するようである。
【0007】そこで、上記目的を達成するため、本出願
に係る第1の発明は、金属又は無機摩擦材側の表面には
凹部を設けることである。
【0008】この構成では、この凹部に相手側の樹脂が
移着し堆積するのである。丁度「やすりの目づまり」を
生じるのである。目づまりしたやすりは相手材をほとん
ど削らず、又相手材もこの目づまりした中の樹脂を削り
落とすことが出来なくなり、結果的に摩耗が減少する。
【0009】本出願に係る第2の発明は、金属又は無機
側の摩擦材の硬さをビッカース硬さで400以上にする
ことである。
【0010】この構成では、万一カーボンビーズと金属
又は無機材表面が接触しても金属又は無機材側の損傷を
軽微におさえることができる。
【0011】本出願に係る第3の発明は、金属又は無機
材表面の凹部に堆積した樹脂により形成される面積をあ
る割合の範囲にすることである。
【0012】この構成では、事実上樹脂同士の接触を保
つ目的がある。割合が小さすぎると凹部に樹脂は堆積
し、金属又は無機材の表面より該樹脂面は突出するもの
の、他の金属又は無機材表面にカーボンビーズが接触し
始める。逆に凹部の割合が大きすぎると、金属又は無機
材表面は突起が点在したような形態になり、相手樹脂材
を削るだけでなく、樹脂の堆積も生じなくなる。
【0013】本出願に係る第4の発明は、前記凹部を形
成する具体的な加工方法として、焼結、溶射、ブラス
ト、エッチング、アルマイトのいずれかを用いることが
できるものである。
【0014】本出願に係る第5の発明は、前記凹部には
予めフッ素樹脂などを充填させておくことで、初期の目
づまりの期間に生じる樹脂側の摩耗も減少させようとす
るものである。
【0015】本出願に係る第6の発明は、前記凹部を有
する摩擦表面には母材より硬質の膜が形成されているこ
とである。
【0016】この構成では、第2の発明のねらいを容易
に実施出来る。
【0017】本出願に係る第7の発明は、表面に平滑面
を形成するためにラップ加工、研削加工などの平滑化処
理を施したものである。
【0018】この構成では、相手材を削ることを防ぐた
めに突起部を平滑化処理することを加えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)図1は第1の実施の形態を示す。
【0020】図1は本発明の振動波駆動装置を適用した
円環型の振動波モータの概略図を示し、(a)は概略斜
視図、(b)は振動体の側面図、(c)は駆動原理を示
す側面図である。本実施の形態の振動波モータは、円環
形状の振動体1の片側に圧電素子3を貼り付け、他方に
突起1bを形成すると共に突起1bの先端部に摩擦材1
aを形成した振動体と、前記振動体と加圧接触する移動
体2とにより構成され、移動体2には前記振動子の摩擦
材1aと接触する摩擦材2aが形成されていて、不図示
の駆動回路より圧電素子3に交番信号の駆動信号が印加
されると、図1の(c)に示すように振動体1に進行波
が形成され、振動変位が拡大された突起1bにより移動
体2が矢印X’方向に移動される。
【0021】本実施の形態において、前記振動体側の摩
擦材1aは、材料として母材としてのフッ素樹脂に直径
0.01mm、長さ0.03mmのピッチ系カーボンフ
ァイバーを20wt%含有させたものを使用した。
【0022】また、移動体2との加圧接触における振動
子の摩擦材1aへの垂直応力を1.3MPa、振動体の
摩擦材1aと移動体2の摩擦2aとの摩擦材同士の相対
速度を0.8m/sとした。
【0023】一方、移動体2の摩擦材2aとしては、図
2に示すように31種のサンプル(試料No.1〜3
1)を用いて、20時間の耐久テストを行い、移動体側
および振動体(ステータ)側の摩耗量を計り、評価を下
した。
【0024】この実験結果によると、移動体2の金属又
は無機材料の表面をRs0.3μm以下に仕上げたもの
については、移動体2の材質が硬い材料程摩耗量は減少
する傾向にあるが、相手材の穴に樹脂が詰まっており、
摩耗は殆どしていなかった。さらに、相手のステータ側
の摩擦材1aの摩耗量を比較しても、移動体2にブラス
ト処理したものは著しく少なくなっている。その量は3
μmであったが、これは初期の段階で移動体側の摩擦面
に存在する凹部にフッ素樹脂を主成分とした摩耗粉が詰
まるまで発生する摩耗である。一度、この詰まりが生じ
てしまえば、後はステータ側の摩擦材の摩耗は殆ど進行
しないことが、耐久途中の測定・観察で確認されてい
る。
【0025】試料No.1のアルミ合金や試料No.2
の純チタン製の移動体2では、ステータ側の摩擦材が破
壊してしまった。この破壊とはフッ素樹脂の表面に深さ
0.1mm以上の深い穴が形成されてしまう現象であ
る。アルミ合金やチタンは空気中で比較的安定な材料で
はあるが、これはその表面に数ナノメートルという非常
に薄い不働態皮膜が形成されているからである。
【0026】ところが、新しい膜が形成されると摩耗量
は必ずしも一定の傾向はない。この場合、金属又は無機
材料側の表面を図2に示す種々の加工法にて形成した
上、その表面をラッピング加工すると、図3の(a)〜
(d)に示すように、当然平滑面に一定割合の凹部2b
が出来る。すなわち、突起部2cは消失する。これらの
サンプルは凹部2bの存在により、同じ材質であっても
著しく摩耗量は減少することになる。
【0027】この事は、同じマルテンサイト系ステンレ
ス鋼を使用した試料No.5とNo.8を比較すれば明
確である。試料No.18はアルミナ砥粒#180を使
用してこのステンレス鋼表面にブラスト加工した上で、
表面をラップ加工したもので、その結果深さ3μmの凹
部が面積割合で50%形成された。
【0028】この両者を20時間耐久テストした結果、
摩耗形態に著しい差が認められた。試料No.5ではス
テンレス鋼表面は1.5μm摩耗し、赤茶色の摩耗粉が
発生し、表面には樹脂の堆積がほとんど生じていなかっ
た。
【0029】一方、試料No.18ではステンレス鋼表
面の凹部より速く、この膜を破壊してしまうと、金属自
体がたいへん活性なため、相手の材料と焼付きを生じて
しまう。この焼付きによって生じる材料の移着により同
種金属同士の摩擦が起こり、その部分の面圧が高くなっ
て疲労破壊を生じると考えられた。
【0030】この不働態皮膜(又は酸化皮膜)が簡単に
は破壊されないようにするには、金属母材を硬くするこ
とが効果的である。実際、本実験でも試料No.3のオ
ーステナイト系ステンレス鋼(圧延してあるのでマルテ
ンサイトが誘起している)を使用すると、前記の破壊現
象は生じなくなった。なお、ここで評価の基準を述べて
おくが、「×」は摩擦材に前記の破壊が起こるもの、
「△」は移動体側の摩耗量が3μm以下でかつステータ
側の摩耗量が20μm以下のものである。「○」は移動
体側で1μm以下、ステータ側で5μm以下である。
【0031】この程度であると、モータの寿命として広
く求められている1000時間程度の目標に応えること
が可能である。
【0032】試料No.13は高速度鋼(実験で使用し
た材料は粉末ハイス)の表面を硝酸でエッチングした。
その結果、母材のマルテンサイトが除去され、タングス
テンやクロムの炭化物はほとんど除去されず平らな面と
して残る。本発明のねらいとして理想的な形態を示す。
すなわち、ビッカース硬さで1500以上もある炭化物
が、カーボンファイバーを含有した相手材からの攻撃に
耐え、凹部のマルテンサイト部に樹脂に堆積するのであ
る。
【0033】試料No.14〜24はブラストの条件を
変えたものである。これによると凹部の面積が10〜9
0%位が望ましいことがわかる。それが10%未満だ
と、堆積する樹脂の面積が少なすぎて、相手のカーボン
ファイバーが直接金属面を攻撃してしまうし、逆に90
%を超えると硬い突起部が相手の樹脂をアブレッシング
に削ってしまう。
【0034】試料No.25は図4に模式図を示してあ
るとおり、凹部がある面に薄く硬い膜を形成したもので
ある。この結果も非常に良好である。試料No.28、
29は溶射加工により、多孔質で硬い膜を形成した例で
ある。この場合もこの多孔質部に樹脂が詰まり、やはり
非常に良好な結果であった。
【0035】試料No.30は特殊なアルマイト処理で
アルマイト形成工程で同時にアルマイトをアルミナに変
えてしまう。この場合は図1の移動体2は軽量なアルミ
合金A5052をプレス加工で作り、その上に直接この
アルマイト処理が出来る。
【0036】試料No.31はブラスト処理した面にフ
ッ素樹脂を焼付けたものである。この狙いは図5のよう
にはじめからフッ素樹脂を凹部に詰めておくことであ
る。こうすることで、耐久の初期に発生するステータ側
摩擦材の摩耗も極小におさえられた。言うまでもなくこ
の効果はフッ素樹脂に限るものではなく、又、樹脂を堆
積させるための凹部の形成手段はブラスト加工に限ら
ず、溶射加工、特殊アルマイト加工、焼結加工、エッチ
ング加工などでも良い。樹脂を表面に形成した後はラッ
プ加工など平滑化処理をすると同時に前述したように一
定の金属又は無機材料の平滑面も露出させることは言う
までもない。
【0037】上記した実施の形態においては、振動波駆
動装置として円環形状の振動波モータを例としたが、楕
円形状の振動波モータ、棒状の振動波モータ等であって
もよい。また、振動体を固定し、移動体を振動体に対し
て移動させているが、逆であってもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
樹脂を主成分とした摩擦材に対し、片方の摩擦材に金属
又は無機材料を使用した時、該金属又は無機材料の表面
に凹部を設ければ、そこに相手材の樹脂が目づまりし、
その後の摩耗は著しく低下させることが出来た。その結
果、振動波駆動装置の寿命が著しく延びた。表面の突起
部を除く処理をすることでその効果はさらに著しい。そ
の上、金属又は無機材料の硬さを高めることで、その寿
命はさらに延びた。
【0039】さらに、平らな面に対する凹部の面積の割
合を適当に定めると一段と摩耗が減少した。そして、前
記凹部は本発明の方法により、安価に形成出来た。
【0040】又、予め前記凹部に樹脂を充填しておけば
初期摩耗もおさえられ、振動波駆動装置の特性が安定し
た。
【0041】前述した材料の硬さ向上は表面に膜を設け
ることで安価に達成出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を振動波モータに適用した第1の実施の
形態を示し、(a)は外観斜視図、(b)は振動体(ス
テータ)の側面図、(c)は駆動状態を示す図。
【図2】移動体の摩擦材と摩耗量との実験結果を示す図
【図3】移動体の凹凸面を平滑化加工する過程で生じる
凹部を示す図
【図4】試料No.25の摩擦面に硬質膜を形成した図
【図5】試料No.31の摩擦面を示す図
【符号の説明】
1…ステータ 1a…ステータ側摩擦材 2…移動体 2a…移動体側摩擦材 3…圧電素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を発生する振動体と、前記振動体と
    接触し、前記振動によって前記振動体と相対移動する接
    触体とを有する振動波駆動装置において、前記振動体の
    少なくとも前記接触体と接触する第1の部分の摩擦材料
    及び前記接触体の少なくとも前記振動体と接触する第2
    の摩擦材料を有し、前記第1又は第2の摩擦材料のいず
    れか一方は樹脂を主成分とするもので、他方は金属又は
    無機材料を主成分とするものでかつその表面には凹みを
    有することを特徴とする振動波駆動装置。
  2. 【請求項2】 上記金属又は無機材料の骨部となる部分
    の硬さはビッカース硬さで400以上あることを特徴と
    する請求項1に記載の振動波駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記金属又は無機材料の摩擦表面に存在
    する凹部の面積は摩擦表面全体の10%以上90%以下
    の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の振動波
    駆動装置。
  4. 【請求項4】 上記金属又は無機材料の凹部の形成方法
    は焼結、溶射、ブラスト、エッチング、アルマイトのい
    ずれかであることを特徴とする請求項3に記載の振動波
    駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記金属又は無機材料の凹部には予め樹
    脂が充填されていることを特徴とする請求項3に記載の
    振動波駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記凹部を有する摩擦表面には母材より
    硬質の膜が形成されていることを特徴とする請求項3に
    記載の振動波駆動装置。
  7. 【請求項7】 表面に平滑面を形成するためにラップ加
    工、研削加工などの平滑化処理を施したことを特徴とす
    る請求項4に記載の振動波駆動装置。
JP8338192A 1996-12-18 1996-12-18 振動波駆動装置 Pending JPH10178789A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017225333A (ja) * 2016-06-10 2017-12-21 キヤノン株式会社 摩擦材、摩擦材の作製方法、振動型アクチュエータ及び電子機器
JP2019017238A (ja) * 2017-07-05 2019-01-31 キヤノン株式会社 振動型駆動装置、電子機器及び移動体
US11664746B2 (en) 2016-06-10 2023-05-30 Canon Kabushiki Kaisha Friction member to contact opposite member, method for manufacturing friction member, vibration-type actuator, and electronic device

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