JP3210977B2 - ダイヤモンド研磨用砥石及びダイヤモンド研磨方法並びにダイヤモンド研磨加工体 - Google Patents

ダイヤモンド研磨用砥石及びダイヤモンド研磨方法並びにダイヤモンド研磨加工体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤモンド(薄
膜およびバルクを含む。)の研磨、特に気相合成法によ
り基板上に形成したダイヤモンド又はダイヤモンド自立
膜(箔または板)を、クラックや破壊を生ずることなく
効率良く研磨するための研磨用砥石及び研磨方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、気相合成法(CVD法)等により
人工的に多結晶粒からなるダイヤモンド薄膜(基板上に
形成された薄膜及びダイヤモンド膜被覆部材)又はダイ
ヤモンド自立膜を工業的に得ることが可能となったが、
上記合成法により得られた多数の結晶粒からなるダイヤ
モンドは凹凸の激しい表面を持っている。このため、気
相合成法により形成されたダイヤモンドを、電子部品、
光学部品、超精密部品あるいは加工工具等に使用する場
合には、ダイヤモンドの表面を平滑化することが必要と
なってくる。
【0003】ダイヤモンドは、それ自体が他の金属やセ
ラミック等の硬質材料の研磨あるいは宝石類の微細研磨
に使用される程に、極めて硬い物質なので、ダイヤモン
ドを研磨することが難しいことは、誰でも容易に理解で
きる。このような多数の凹凸を持つ多結晶ダイヤモンド
膜又は自立体を平滑化する方法として、強靭鋳鉄板を高
速回転させながらダイヤモンド粉を介在させ、共擦り
(共削り)しながらダイヤモンドを研磨するスカイフ法
が挙げられる。この方法は、宝石のダイヤモンド研磨に
用いられてきた手法であるが、人工ダイヤモンドを研磨
する方法としては極めて加工能率が低く、残念ながら殆
ど役に立たない。
【0004】上記に述べたように、ダイヤモンドの硬さ
は代替物が無いほどに硬い材料なので、研磨材としてダ
イヤモンド(共擦り)以外にないと考えるのが普通であ
り、このために共擦り用のダイヤモンド砥粒を各種の結
合材に埋め込んだ研磨用砥石が考えられている。このよ
うな砥石例として、フェノール樹脂を用いたレジンボン
ド砥石、メタルボンド砥石、長石・石英を用いたビトリ
ファイドボンド砥石、電着砥石などが挙げられる。これ
らの手法の基本は、被研磨体であるダイヤモンド膜の表
面をダイヤモンド砥粒で引掻いて磨くということであ
り、砥石に含まれるダイヤモンド砥粒の耐摩耗性、ダイ
ヤモンド砥粒の数が加工能率を決めるポイントになり、
またダイヤモンドの支持体となる各種ボンド材が研磨の
支障にならず、さらにダイヤモンド砥粒が摩耗の度に常
に新しく研磨面に表出してこなければならない。
【0005】この手法の一つとして、鉄等の砥石ボンド
材をダイヤモンドの摩耗に伴なって鉄を電気的に溶解
(電解)させ(この場合、研磨に有効に作用するダイヤ
モンド砥粒が存在する間、鉄の酸化物不導体皮膜が形成
されて砥石ボンド材が電解されない状態となってい
る)、ダイヤモンドの摩耗量に応じて自動的に、ダイヤ
モンド砥粒の新生面が出るようにした研磨方法がある。
この方法が上記の中では最も効率が高い方法と考えられ
るが、砥粒となる良質なダイヤモンド粉の選定、砥石ボ
ンド材の選定と埋め込み作業及び品質の維持、電解設備
とその条件設定、研磨操作と制御などが必要となり、こ
れらがダイヤモンド研磨の良否を決定し、操作が煩雑、
コスト高、研磨品質が安定しないという問題がある。加
えて、被研磨材がダイヤモンド自身ということもあり、
研磨加工に作用するダイヤモンド砥粒の数に比較して被
研磨材であるダイヤモンド膜が圧倒的に多いため、加工
速度、加工能率には自ずと限界がある。
【0006】上記以外の方法として、鉄やステンレス鋼
をダイヤモンドに押し付けて研磨する提案がなされた。
ダイヤモンドは常温では化学的に安定であるが、空気中
で700°Cに加熱すると黒鉛化して燃焼し始め、真空
中でも1400°C以上になると黒鉛化する。上記の方
法はこのような高温における鉄とダイヤモンドとの反応
を利用して研磨する方法である。鉄とダイヤモンドの反
応(ダイヤモンド成分の炭素が金属中に溶解する)は8
00°C程度から生じ、FeC(セメンタイト)が生成
し、研磨中の摩擦面ではこれが剥離し、さらに研磨が進
行することを利用したものと理解されている。高温では
この反応がさらに進行し易くなり、FeCの生成・分
解が起り、炭酸ガス化して反応による研磨が進む。加工
能率を考慮すると900°C以上が必要といわれてい
る。
【0007】この鉄又は鉄系材料は安価な研磨材を使用
できるという点で良い方法と考えられたが、この方法の
一番の問題は、高温に加熱しなければ効率的な研磨がで
きないと言うことである。ところが、ステンレスや鉄系
材料は高温で軟化し、強度が著しく低下するので安定し
た研磨ができない。特に、高温の鉄を用いる場合には、
鉄の酸化を防止するために、真空中あるいは還元性雰囲
気中で研磨を実施する必要があるため、設備の面でも又
研磨作業が煩雑である(自在にできない)という点でも
問題がある。さらにまた、上記のような高温加熱は被研
磨体であるダイヤモンドに影響を与え、摩擦や加熱時の
急激な温度勾配による熱応力に起因して、ダイヤモンド
膜又は自立体にクラックが発生したり、破壊するなどの
問題を生じた。このため、この鉄に替えて炭素との親和
力が大きいクロムやチタンを使用したが、前者は脆くて
加工ができず、また後者は鉄と同様に軟らか過ぎ又酸化
しやすく酸化チタンとなり研磨材として使用できなかっ
た。この他レーザ加工等が考えられるが、面精度が劣り
使用できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上から、本発明はダ
イヤモンド、特に気相合成法により基板上に形成したダ
イヤモンド膜あるいはダイヤモンド自立膜に、クラック
や破壊あるいは品質の劣化を生ずることなく低温で研磨
することができ、また研磨材の安定した性能を維持し、
かつ平面研削、ラップ研削、その他の従来の研磨装置を
使用することができ、さらに操作が簡単で研磨品質が安
定した低コストのダイヤモンドの研磨用砥石及び研磨方
法を得ることを課題とする。また、本発明の方法を用い
ることにより、今後ダイヤモンド膜の応用の進展に伴っ
て急増することが予想される3次元形状のダイヤ膜部
材、ダイヤモンド膜被覆部材の研削及び研磨加工も効率
良く、低コストで行うことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特殊な金属
材料がダイヤモンドとの反応を効率よく行うことがで
き、かつ低温若しくは常温または加熱下での研磨が可能
であり、さらに研磨材の摩耗と劣化をたとえ大気中にお
いても極力抑えることができるとの知見を得た。この知
見に基づき、本発明は(1)Al、Cr、Mn、Fe、
Co、Ni、Cuの群から選択した1種または2種以上
の元素とTiとの金属間化合物を主成分とすることを特
徴とするダイヤモンド研磨用砥石、(2)金属間化合物
の含有量が90体積%以上であることを特徴とする上記
(1)記載のダイヤモンド研磨用砥石、(3)ダイヤモ
ンド研磨用砥石の1部または全部が前記金属間化合物で
あることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のダイ
ヤモンド研磨用砥石、(4)Al、Cr、Mn、Fe、
Co、Ni、Cuの群から選択した1種または2種以上
の元素とTiとの金属間化合物を主成分とする砥石によ
りダイヤモンドを研磨する際に、研磨部を100〜80
0°Cに加熱しながら研磨することを特徴とするダイヤ
モンド研磨方法、(5)研磨部を300〜500°Cに
加熱することを特徴とする上記(4)記載のダイヤモン
ドの研磨方法、(6)金属間化合物の含有量が90体積
%以上であることを特徴とする上記(4)または(5)
に記載のダイヤモンドの研磨方法、(7)Al、Cr、
Mn、Fe、Co、Ni、Cuの群から選択した1種ま
たは2種以上の元素とTiとの金属間化合物を主成分と
するダイヤモンド研磨用砥石で研磨されたものであり、
研磨加工後のダイヤモンド膜研磨面の結晶粒境界部段差
が、ダイヤモンド膜の厚さが300μmを超える場合に
0.1μm以下であり、厚さが300μm以下の場合に
0.02μm以下であることを特徴とするダイヤモンド
研磨加工体、を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のダイヤモンド研磨用砥石
は、例えば粉末冶金法によって製造することができる。
この場合、原料粉末としてそれぞれ平均粒径150μm
以下(好ましくは10μm以下)のTi粉末とAl、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの群から選択した1
種または2種以上の元素からなる材料粉末(以下、特に
記載しない限り「砥石用粉末」と言う。)とを、それぞ
れの金属間化合物(以下、特に記載しない限り、「金属
間化合物の含有量が90体積%以上であるもの」を含
む。)が形成できる比率に調合し、例えばTiAl合金
(金属間化合物)の場合には、Ti粉末とAl粉末を、
Ti:Alが61〜41:39〜59となる比率(原子
%)に配合し、これらをボールミルで混合し、乾燥して
混合粉とする。原料粉としては、微細なアトマイズ粉を
使用することができる。予めメカニカルアロイング法に
より所定の比率に合金化した砥石用粉末を用いることも
できる。微細かつ均一な混合粉末を使用した場合には、
焼結体の密度が高く、その結果均一かつ緻密な砥石が得
られるという利点がある。
【0011】次に、上記混合粉砕粉をモールドに入れ予
備成形した後、例えば冷間静水圧処理(CIP処理)
し、さらに1000〜1300°C、圧力500Kgf
/cm の条件でホットプレス焼結(HP処理)する
か、又はCIP処理した後、同様に1000〜1300
°C、圧力500Kgf/cmの条件で熱間静水圧焼
結(HIP処理)して高密度(相対密度99%以上であ
ることが望ましい)の焼結体とする。CIP処理、HP
処理、HIP処理等の温度、圧力等の条件は上記に限ら
ず、原料の種類又は目的とする焼結体の密度等を考慮し
て他の条件を設定してもよい。また、上記のようなCI
P処理、HP処理、HIP処理等に替えて、黒鉛製のモ
ールドに混合粉末を充填し、これを上下パンチ(電極)
間で圧縮しながらパルス通電を行い燃焼合成を行う方
法、すなわちパルス通電燃焼合成焼結法により焼結体と
することもできる。この場合、特に上記メカニカルアロ
イ粉を使用すると緻密かつ均一な焼結体を得ることがで
きる。
【0012】本発明の金属間化合物を主成分とする合金
砥石は、真空アーク溶解、プラズマ溶解、電子ビーム溶
解、誘導溶解等の溶製法によっても製造できる。これら
の溶解に際してはガス、特に酸素の混入が著しく、また
上記アルミニウム等の金属間化合物を形成する元素およ
びチタンはいずれも酸素との結合力が強いので、真空中
又は不活性ガス中で溶解することが必要である。また、
これらの金属間化合物を主成分とする合金砥石の鋳造品
は機械的強度が焼結品よりも劣る傾向があるので、溶
解、凝固過程において偏析の発生や結晶粒が粗大化しな
いように、温度コントロールを実施して製造することが
必要である。上記粉末冶金法又は溶製法によって得られ
た焼結体又はインゴットから必要な砥石形状に切り出
し、平面研削盤、ラップ研削盤等の砥石に適合する形状
に仕上げ、かつこの合金砥石保持具等の構成部品等で固
定してダイヤモンド研磨用砥石工具とする。
【0013】被研磨体となるダイヤモンド薄膜又はダイ
ヤモンド自立体は一般に知られている気相成長法(CV
D法)によって作成できる。一例を挙げれば、例えば高
温(2000°C前後)に加熱したタングステンフィラ
メントの近傍位置に開口する石英管を配置し、この石英
管を通してメタン等の炭化水素ガスを水素で希釈した混
合ガスを導入し、500°C〜1100°Cに加熱した基
板上にダイヤモンドを前記混合ガスから分解析出させる
方法、上記タングステンフィラメントに替えて、プラズ
マ放電を利用したマイクロ波プラズマCVD法、RF
(高周波)プラズマCVD法、DC(直流)アークプラ
ズマジェット法、さらには大気中で酸素アセチレンの火
炎を高速で基板に当て、ダイヤモンドを炭化水素含有ガ
スから分解析出させる方法がある。本発明においてはこ
れらの方法あるいは他の方法によって製作されたダイヤ
モンド薄膜又はダイヤモンド自立体に適応できる。また
天然のダイヤモンドの研磨にも使用できる。
【0014】本発明の砥石による研磨に際しては、研磨
部を室温(常温)で、あるいは100〜800°Cに加
熱しながらダイヤモンドに対して相対的に回転又は移動
させながら、押し付けて該ダイヤモンドを研磨する。上
記のように基板上に形成されたダイヤモンド薄膜等の厚
みが薄い場合、例えば10μm程度であると、ダイヤモ
ンド表面の凹凸が数μm程度なので、研磨の抵抗が小さ
く、常温でも十分に研磨できる。ダイヤモンドと砥石の
接触点では、摩擦熱により、局部的にかなりの高温とな
るが、このような状況において単なる物理的・機械的研
磨だけでなく、脆いTiC、TiAlC、TiAlCN
などが生成し、かつこれが剥離するなどによって、より
効果的にダイヤモンドの研磨(化学的研磨)が進行して
いるものと推測される。
【0015】これに対し、ダイヤモンドの厚みが大き
く、結晶粒径が大きい(数十μm以上の膜厚を有し、数
μm〜数十μmの結晶粒を持つケース)場合、研磨の抵
抗が増加するが、このような場合に加熱が有効である。
加熱に際しては砥石及び又は研磨する個所の少なくとも
一部を加熱し、研磨部の温度が上記100〜800°C
になるように調節して研磨する。外部から加熱の温度が
100°C未満では合金砥石の靭性が劣り、砥石の割れ
が発生し易くなる。また、ダイヤモンド自体も上記加熱
及び摩擦熱によりほぼ同等の加熱を受けるが、800°
Cを超えるとダイヤモンド等が受ける熱影響によりクラ
ックが生じたり、割れたりすることが多くなり、ダイヤ
モンド等を損傷し易くなるので避ける必要がある。この
加熱温度としては300〜500°Cがより好適であ
る。研磨部にかかる外部加熱の全熱が上記の温度範囲と
なるように調節する。摩擦熱による温度上昇を考慮し
て、温度設定することが必要であるが、摩擦熱により突
発的に800°Cを超える場合があってもよい。本発明
において設定する加熱温度は、そのような突発的温度上
昇は本発明の加熱温度に含めない。
【0016】本発明のダイヤモンド研磨用砥石は、例え
ばTiAl金属間化合物砥石はステンレス鋼に比べ室温
での硬さが極めて大きいという特徴がある。粉末法によ
って得たTiAl金属間化合物砥石の硬度がHv500
〜1000Kg/mmであるのに対して、ステンレス
鋼のそれはHv〜200Kg/mm程度に過ぎない。
すなわちTiAl金属間化合物砥石の硬度はステンレス
鋼の2.5〜5倍に達する。また、TiAl金属間化合
物砥石は高温になっても硬さの減少が少なく、約600
°Cまでは温度上昇と共に強度が上昇するという優れた
性質を持っている。本発明のダイヤモンド研磨用砥石に
おいて、さらに重要なことは、ダイヤモンドに対して驚
くほど大きな耐摩耗性を示すことである。これは硬さが
はるかに大きい超硬合金(WC+16%Co:Hv〜1
500Kg/mm)よりも少ない摩擦減量を示すこと
からも容易に理解できる。
【0017】本発明のダイヤモンド研磨用砥石の少ない
摩耗減量はダイヤモンドの研磨に好適なばかりでなく、
ダイヤモンドの摩耗量が著しく増大するという特徴を有
している。単独のTiは炭素との反応を促進するが、温
度上昇と共に軟化し、特に大気中では、容易に酸化して
酸化チタンを生成するため、殆ど研磨材としての役割を
持たない。しかし、本発明のダイヤモンド研磨用砥石
は、室温または100〜800°Cに加熱しながら押し
当て、相対的に回転又は移動することにより、割れを発
生することなく研磨することが可能となった。外部加熱
を行って研磨する場合の、特に有効な加熱温度範囲は3
00〜500°Cである。ダイヤモンドは上記加熱によ
る熱影響を受け、本発明のダイヤモンド研磨用砥石との
反応性が高まり、ダイヤモンドの成分の炭素と砥石中の
Tiとの反応が容易になり、ダイヤモンドの結晶粒の微
細な突起部が効果的に摩耗減少する。
【0018】このように、ダイヤモンドの薄膜の製造工
程において、特に厚いダイヤモンドの膜を形成する場合
には、ダイヤモンドの結晶粒が粗大化し、かつ結晶表面
の凹凸が激しくなって研磨が著しく困難となるが、本発
明の砥石を使用して100〜800°Cに加熱しながら
研磨することにより、このような難研磨性のダイヤモン
ドも砥石の破壊や極端な摩耗を発生することなく容易に
研磨することが可能となった。さらに、上記温度範囲へ
の加熱により、合金砥石の結晶粒界が強化され、粒界割
れが起こりにくくなることが確認された。ダイヤモンド
と砥石の接触点では、摩擦熱と外部加熱により、Ti
C、TiAlC、TiAlCNなどの生成による化学的
研磨が強く起こり、より効果的なダイヤモンドの研磨が
進行しているものと推測される。
【0019】本発明の砥石のこのような著しい特徴を利
用し、他のダイヤモンド研磨方法の一部にこの砥石を利
用することも当然可能である。本発明はこのような使用
の全てを包含するものである。ダイヤモンド研磨用砥石
中に本発明の金属間化合物の含有量が90体積%以上で
あれば、砥石としての機能を十分に持つことができる。
したがって、残余の砥石の成分に、これらの金属間化合
物元素の一部からなる金属若しくは該金属間化合物以外
の合金、又はこれら以外の金属元素単体若しくは合金、
又は超硬合金若しくはセラミックス等が存在していても
よい。例えば、本発明の金属間化合物からなるダイヤモ
ンド研磨用砥石の強度又は靭性等を増すために、金属間
化合物を構成する主たる元素であるAl、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cuの群から選択した少なくとも1
種以上の元素又はこれら以外の元素をさらに付加的に添
加することができる。また、ダイヤモンド研磨用砥石の
硬さを向上させるために、セラミックスを添加すること
もできる。本発明はこれらを全て包含する。また、本発
明はダイヤモンド研磨用砥石の1部または全部を前記金
属間化合物とするものであるが、例えば従来のダイヤモ
ンド砥石を担持した複合砥石とすることもできる。本発
明の方法により容易かつ精度よく研磨した平滑面を持つ
ダイヤモンド、特にダイヤモンド薄膜又はダイヤモンド
自立体は、回路基板、高周波デバイス、ヒートシンク、
各種光学部品、表面弾性波素子(フイルター)、平面デ
ィスプレー、半導体や放射線センサー等の電子デバイス
部品、精密機械部品、各種摺動部品等に好適な材料とし
て、用途がさらに拡大する効果を有する。
【0020】
【実施例および比較例】次に、本発明を実施例および比
較例に基づいて説明する。なお、本実施例は好適な例を
示し、かつ本発明の理解を容易にするためのものであ
り、これらの例によって本発明が制限されるものではな
い。すなわち、本発明の技術思想の範囲における他の態
様および例は、当然本発明に含まれるものである。
【0021】(砥石及びその製造条件)Al、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cuの群から選択した元素とT
iとの金属間化合物を形成するために、それぞれの材料
の粉末(2〜10μm)とTi粉とを、タービュラー撹
拌機により数時間から24時間撹拌した後、燃焼合成−
パルス通電焼結法により、50MPaの加圧下、900
°Cで5分間焼結して、各金属間化合物焼結体砥石を得
た。 (被削体) ・ダイヤモンド薄膜 :H/CH混合ガスを用い、
厚み4mmの多結晶Si基板に熱フィラメント法により
ダイヤモンド薄膜を形成する。 ・ダイヤモンド薄膜の厚さ :10μm(凹凸は数μm
以下) ・寸法 :19mmx19mm (砥石による研磨条件) ・温度 :室温(15〜30°C)または研磨部を10
0〜800°Cに加熱 ・回転速度 :400〜3000rpm ・砥石形状 :φ30mm ・押し付け荷重:1kgf〜10kgf ・時間:1〜10分
【0022】(実施例1)TiNi金属間化合物砥石を
上記条件で製造し、上記ダイヤモンド薄膜に対し室温で
研磨を実施した。砥石回転速度は3000rpmで、1
分間及び5分間の2種類の研磨を行った。この結果を図
1及び図2に示す。図1及び図2はそれぞれ1分間及び
5分間の研磨を実施したダイヤモンド薄膜の研磨後の微
分干渉顕微鏡写真である(倍率x1000)。なお、未
研磨のダイヤモンド薄膜の光学顕微鏡写真(倍率x10
00)は後述する図11と同様な凹凸のある表面を有し
ている。図1において、黒色陰影部分は未研磨部を示
し、図の白色の部分(写真では灰色に見える)は研磨部
である。同図において結晶粒に沿う段差は殆ど見られ
ず、1分という僅かな時間で急速に研磨が進んでいるこ
とが分かる。図2は5分間の研磨を行ったもので、さら
に研磨が進行し、未研磨部分が殆ど消失している。ま
た、TiNi金属間化合物砥石は、室温で研磨を実施し
ているにもかかわらず、砥石の磨耗が少なく割れや亀裂
も発生しないという、極めて強い研磨能力を示した。
【0023】(実施例2)TiFe金属間化合物砥石
を上記条件で製造し、上記ダイヤモンド薄膜に対し室温
で研磨を実施した。砥石回転速度は3000rpmで、
1分間の研磨を行った。この結果を図3及び図4に示
す。図3及び図4はダイヤモンド薄膜の研磨後の、倍率
x400と倍率x1000の微分干渉顕微鏡写真であ
る。図において、黒色陰影部分は未研磨部を示し、図の
白色の部分(写真では灰色に見える)は研磨部である。
1分という僅かな時間で急速に研磨が進んでいることが
分かる。また、このTiFe金属間化合物砥石は、室
温で研磨を実施しているにもかかわらず、砥石の磨耗が
少なく割れや亀裂も発生しないという、強い研磨能力を
示した。
【0024】(実施例3)TiCo金属間化合物砥石を
上記条件で製造し、上記ダイヤモンド薄膜に対し室温で
研磨を実施した。砥石回転速度は3000rpmで、1
分間の研磨を行った。この結果を図5及び図6に示す。
図5及び図6はダイヤモンド薄膜の研磨後の、倍率x4
00と倍率x1000の微分干渉顕微鏡写真である。図
において、黒色陰影部分は未研磨部を示し、図の白色部
分(写真では灰色に見える)は研磨部である。上記実施
例と同様に、1分という僅かな時間で急速に研磨が進ん
でいることが分かる。また、このTiCo金属間化合物
砥石は、上記実施例と同様に、室温で研磨を実施してい
るにもかかわらず、砥石の磨耗が少なく割れや亀裂も発
生しないという、強い研磨能力を示した。
【0025】(実施例4)TiMn金属間化合物砥石
を上記条件で製造し、上記ダイヤモンド薄膜に対し室温
で研磨を実施した。砥石回転速度は3000rpmで、
1分間の研磨を行った。この結果を図7に示す。図7は
ダイヤモンド薄膜の研磨後の、倍率x400の微分干渉
顕微鏡写真である。図において、黒色陰影部分は未研磨
部を示し、図の筋条の白色部分(写真では灰色に見え
る)は研磨部である。上記実施例3と同様に、1分とい
う僅かな時間で急速に研磨が進んでいることが分かる。
また、このTiMn金属間化合物砥石は、室温で研磨
を実施しているにもかかわらず、強い研磨能力を示し
た。但し、このTiMn金属間化合物砥石は、本発明
の他の砥石に比べて若干脆いという傾向があった。
【0026】(実施例5)TiCr金属間化合物砥石
を上記条件で製造し、上記ダイヤモンド薄膜に対し室温
で研磨を実施した。砥石回転速度は3000rpmで、
1分間の研磨を行った。この結果を図8に示す。同図は
ダイヤモンド薄膜の研磨後の、倍率x1000の微分干
渉顕微鏡写真である。図において、黒色陰影部分は未研
磨部を示し、同図の白色部分(写真では灰色に見える)
は研磨部である。上記実施例3と同様に、1分という僅
かな時間で急速に研磨が進んでいることが分かる。ま
た、このTiCr金属間化合物砥石は、室温で研磨を
実施しているにもかかわらず、強い研磨能力を示した。
【0027】(実施例6)TiAl金属間化合物砥石を
上記条件で製造し、上記ダイヤモンド薄膜に対し室温で
研磨を実施した。砥石回転速度は500rpmと300
0rpmの2種類で、それぞれ5分間の研磨を行った。
この結果を図9および図10に示す。図はそれぞれダイ
ヤモンド薄膜の研磨後の、倍率x1000の微分干渉顕
微鏡写真である。図において、黒色陰影部分は未研磨部
を示し、白色部分(写真では灰色に見える)は研磨部で
ある。5分という僅かな時間で急速に研磨が進んでいる
ことが分かる。また、このTiAl金属間化合物砥石
は、室温で研磨を実施しているにもかかわらず、強い研
磨能力を示した。また、本研磨後に表面粗さ計で結晶粒
の境界部の段差を計測した結果、この段差は0.02μ
m以下であり、優れた平坦性をもつことが分かった。
【0028】近年、ダイヤモンド薄膜の高い音速を利用
して、研磨加工処理したダイヤモンド薄膜表面にZnO
膜等を成膜し、櫛形電極を配置したダイヤモンド薄膜表
面弾性波デバイスがGHz帯通信における高周波帯域フ
イルター又は光通信タイミングクロックとして利用が検
討されているが、この場合従来の技術では、ダイヤモン
ド薄膜の加工面の段差が0.02〜0.04μmであ
り、このようなダイヤモンド膜表面の大きな段差は、櫛
形電極間距離のばらつき、あるいは電極を含む圧電体薄
膜の動作の不安定性を誘発し、表面弾性波デバイスの性
能低下やばらつきの原因となっていた。しかながら、本
発明の砥石による研磨後のダイヤモンド薄膜研磨加工体
は、上記の通り表面の結晶粒の境界部の段差が極めて小
さく、高荷重下の摺動材料として、あるいは表面弾性波
デバイスとして極めて有効である。
【0029】(実施例7)次に、上記TiAl金属間化
合物砥石を使用し、砥石回転速度は400rpmで、上
記ダイヤモンド薄膜に対し室温で研磨を実施し、未研磨
および4分〜20分まで段階的(4分、8分、12分、
16分の5段階毎)に研磨される様子を観察した。な
お、押し付け荷重も1〜5kgfの範囲で段階的に増加
させた。この結果を図11〜図16(倍率x1000の
光学顕微鏡写真)に示す。図11に未研磨のダイヤモン
ド薄膜表面を示すが、微小な結晶粒が集合しているのが
分かる。図12および図13では、研磨の進行と共にダ
イヤモンドの結晶凸部先端が次第に平坦化し(灰色)、
これらが相互につながっていく様子が見える。図14〜
図16にかけて平坦化し、未研磨部(黒の陰影部分)が
次第に減少した。また、TiAl金属間化合物砥石は研
磨加工後も良好な平滑性が維持され、研磨加工中の磨耗
量も著しく小さかった。このように、本発明の金属間化
合物砥石を使用することにより、ダイヤモンド薄膜の研
磨が効果的に実施できることが確認できた。
【0030】(実施例8)TiCu金属間化合物砥石を
製造し、上記ダイヤモンド薄膜に対し室温で研磨を実施
した。砥石回転速度は3000rpmで、1分間の研磨
を行った。本発明の他の砥石に比較してやや研磨性に劣
る(図示せず)が、ダイヤモンド薄膜の研磨が室温で可
能あることが分かった。
【0031】(実施例9)TiAl、TiFe、Ti
Cr及びTiNiからなる複合金属間化合物の砥石を
製造し、砥石回転速度は3000rpmで、1分間の研
磨を行った。この結果、この砥石はTiAl金属間化合
物砥石と同程度の研磨能力を示した(図示せず)。これ
により、上記組成による複合金属間化合物でも、同等の
研磨能力があることが確認できた。
【0032】(比較例1)比較として非常に強度及び靭
性が高いTi−6wt%Al−4wt%V合金を用い
て、ダイヤモンド薄膜に対し室温で研磨を実施した。こ
の場合のTi−6wt%Al−4wt%V合金は溶製品
を使用した。砥石回転速度は3000rpmで、5分間
の研磨を行った。この結果、Ti−6wt%Al−4w
t%V合金がダイヤモンドの表面に付着し、該合金が急
速に摩減するだけで、ダイヤモンド薄膜は全く研磨でき
なかった。これにより、TiとAlを含有するというだ
けの合金組成では、ダイヤモンドの研磨ができないこと
が確認できた。
【0033】(比較例2)比較として金属間化合物であ
るNbAlを用いて、ダイヤモンド薄膜に対し室温で
研磨を実施した。この場合のNbAlは上記実施例と
同様に製造した燒結体である。砥石回転速度は3000
rpmで、1分間の研磨を行った。この結果、Nb
lがダイヤモンドの表面に付着し、該合金が急速に摩減
するだけで、ダイヤモンド薄膜は全く研磨できなかっ
た。また、NbAl焼結体は非常に脆く、亀裂や割れ
が生じ易く研磨体として役割を維持するのが困難であっ
た。このことから、単に金属間化合物というだけでは、
ダイヤモンドの研磨ができないことが確認できた。
【0034】(実施例10)原料粉末として等量のTi
粉末とAl粉末とのメカニカルアロイングTiAl合金
粉をモールドに入れ予備成形した。この後、さらに10
00〜1300°C、圧力500Kgf/cmの条件
でホットプレス焼結(HP処理)し、直径30mm、厚
さ5mmの焼結TiAl金属間化合物円板を得た。この
TiAl金属間化合物円板の相対密度は99.9%であ
った。これを砥石形状に仕上げ、さらにこれを旋盤に固
定し、次の研磨条件で複数のダイヤモンド自立体の研磨
を実施した。研磨前のダイヤモンド自立体の表面の電子
顕微鏡写真を、図17に示す。 (被削体) ・ダイヤモンド自立体 :マイクロ波プラズマCVD法
により基板上に500μmのダイヤモンド膜を形成し、
さらにこの基板を除去して自立体とした。 (研磨条件) ・旋盤の回転速度:1600rpm ・加熱方法:ガスバーナにより研磨部を100〜800
°Cの温度に加熱した。 ・押し付け荷重:5kgf〜10kgf ・時間:1〜10分
【0035】この研磨結果の表面電子顕微鏡写真を図1
8及び図19に示す。図19は図18の一部拡大図(写
真)である。なお、この例における加熱温度は350°
C±50°Cであり、押し付け圧力は10kgf、時間
は3分である。図17に示す研磨前のダイヤモンド自立
体表面の電子顕微鏡写真では、ダイヤモンド結晶粒の凹
凸が激しく見られる(結晶粒サイズは20〜100μ
m)が、図18に示す研磨後の同写真は凹凸が減少し、
丸みを帯びた表面形状を呈していることが分かる。この
ように、極めて短時間でダイヤモンドの研磨ができるこ
とが確認できた。またクラックや割れも発生せず、ダイ
ヤモンドの品質低下ということもなかった。TiAl金
属間化合物円板の砥石の研磨後を調べると、10回の研
磨を実施しても、殆ど摩耗がなく再使用が可能であっ
た。
【0036】上記について、200°C、300°C、
400°C、500°C、600°C、700°C、8
00°Cの各温度で、押し付け圧力、旋盤の回転数、研
磨時間を変えて研磨を実施した。この結果、100°C
未満ではTiAl金属間化合物円板の砥石靭性が低下
し、砥石にクラックが入るので、結晶粒径が大きいダイ
ヤモンドでは、この温度未満では研磨性に劣ることが分
かった。また、800°Cを超えると、ダイヤモンドに
クラックや割れが発生し易くなり、好ましくないことが
分かった。加熱温度条件として、より好ましい範囲は3
00〜500°Cである。
【0037】特に、この300〜500°C温度では、
TiAl金属間化合物砥石にクラックや割れが発生する
ことなく、強度及び硬度が高い状態に維持でき、品質の
安定した迅速な研磨が可能であり、摩耗も少ないという
極めて好適な条件であることが確認できた。ダイヤモン
ドと砥石の接触点では、摩擦熱と外部加熱によりかなり
の高温となるが、このような状況においては、TiC、
TiAlC、TiAlCNなどが生成するなどにより化
学的な研磨が生起し、より効果的にダイヤモンドの研磨
が進行しているものと推測される。また、この温度範囲
はダイヤモンドを損傷させることもなく、いずれの場合
にも優れた条件であることが分かった。
【0038】以上から、ダイヤモンドの研磨時の加熱
は、ダイヤモンド膜厚みが数十ミクロン以上の膜におい
て、特に重要である。一般に、数十ミクロン以上のダイ
ヤモンド膜では、膜の成長とともに、膜表面に数ミクロ
ンから数十ミクロンの結晶方位の異なる結晶粒ができ、
これらの結晶粒同士で激しい凹凸が形成される。上記の
500μm厚のダイヤモンドでは、膜表面の結晶凹凸が
20〜100μm程度になっていた。このようなダイヤ
モンド膜の研磨では、砥石研磨面内に不均一な引張り、
圧縮歪が発生し、該砥石中に脆性モード破壊の起点を多
数提供することになる。そして、この場合室温で研磨す
ると砥石の磨耗が激しくなり、また上記のような激しい
凹凸により砥石に微小な亀裂が発生し、それらが研磨の
進行とともに拡大して研磨加工中の破壊となることがあ
る。研磨部の加熱はこのような破壊起点を鈍化させるこ
とができるという特徴を有している。
【0039】本実施例では研磨部の加熱方法としてガス
バーナを用いたが、他の加熱方法も当然利用できる。特
に、砥石への直接通電加熱、RF誘導加熱等が有効であ
る。また、上記にも述べたように、本発明の研磨加工は
砥石をダイヤモンド膜に接触させて加工する方法である
から、接触部の摩擦熱が当然発生する。したがって、砥
石等の加熱操作は外部加熱と摩擦熱の双方を総合した熱
を考慮して決定する。なお、押し付け圧力や砥石の回転
数が大きいと、相互に過剰な力がかかり、ダイヤモンド
や砥石を損傷させることがあるが、この条件は必要によ
り任意に変えられるものであり、特に固定された制限的
要件になるものではない。また、研磨時間は適宜変更で
きるものであるが、本発明の砥石を使用した場合には、
短時間で研磨が効率よく実施できるので、特に研磨時間
の長短が問題となることはない。
【0040】(摩擦・摩耗試験)上記実施例10で得ら
れたダイヤモンド研磨加工体及びこれと同一条件で作製
した厚み500μmの多結晶ダイヤモンド膜を基板を除
去せずに従来のダイヤモンド砥石を用いて研磨加工した
ものを比較材として、双方の摩擦・摩耗試験を行った。
摩擦・摩耗試験は、先端曲率半径を種々変化させた棒状
単結晶ダイヤモンドピン(曲率半径R=0.025m
m、0.25mm)を用い、大気中無潤滑下でピン・オ
ン・ディスクの摩擦・摩耗試験を実施した。なお、上記
試験前の測定によれば、比較材のダイヤモンド研磨加工
体結晶粒境界部の研磨面平均段差は0.12μmであ
り、実施例10で得られたダイヤモンド研磨加工体の結
晶粒境界部の研磨面の平均段差は0.03μmであっ
た。上記のそれぞれについて、荷重と平均動摩擦係数を
すべり距離500m付近の安定した値で比較計測する
と、いずれも0.02〜0.03の低い値を示した。し
かし、荷重の増加に伴い比較材では、特にピン曲率半径
がR=0.025mmの場合、摩擦後の加工面体の最大
粗さが急激に増加し、荷重が1.96Nでは表面粗さR
yが1μmを超えた。この比較材をレーザ顕微鏡で摩耗
面を観察すると、摩耗痕の両側にはピンの摩耗粒子が存
在していることが確認され、また荷重の増加(ヘルツ最
大接触圧力の増加)に伴い加工面体の摩耗率も急激に増
加した。
【0041】一方、実施例10で得られたダイヤモンド
研磨加工体の同様な試験結果では、ピン曲率半径がR=
0.025mm、荷重が1.96Nにおいて、表面粗さ
Ryは初期の粗さを維持し、摩耗率も4.0x10
−12mm/mm以下の非常に小さい値を示した。以
上から、ヘルツ最大接触圧力下では、部分的に加工面段
差部で亀裂が伝播し、摩耗が進行することを示してい
る。このように、摩擦・摩耗試験ではダイヤモンド研磨
加工体結晶粒境界部の研磨面段差が強く影響を与えてい
ることが分かる。上記の通り、本発明において研磨加工
面段差が0.1μm以下であるダイヤモンド研磨加工体
が実現でき、低い摩耗係数、長期に渡る信頼性の高い摩
擦挙動、さらには過酷な条件下での安定した低摩耗特性
を備え、超精密機械部品、人工関節、歯科用部品等、工
学や医学面での利用価値が極めて高いという特徴を有す
る。
【0042】(比較例3)次に、超硬合金(WC+16
%Co)の砥石を使用して、上記実施例と同様にダイヤ
モンド自立体を使用し、かつ同一条件で研磨を実施し
た。この結果、100〜800°Cの温度の加熱では、
全く研磨ができなかった。すなわち、砥石が逆に削られ
る結果となった。このため、さらに温度を1000°C
に上げ研磨したところ、研磨初期に一部ダイヤモンドと
反応し、ダイヤモンド膜は研磨されたが、研磨用砥石が
軟化し、その後持続して研磨することはできなかった。
【0043】(比較例4)外径φ204mmx厚み5m
m円板状SUS304ステンレス鋼の砥石の外周を使用
して、同様なダイヤモンド自立体を使用し、平面研削盤
にて室温で研磨を実施した。砥石外周の円板先端幅は
0.1mm厚みに形成し、回転速度は5,000rpm
とした。上記の条件で、Z方向の強制送り込み量を変化
させながら研磨を約20秒実施した。最大荷重が250
kg/cm以下(Z方向反力3kgf)では砥石が削
れるだけで、ダイヤモンドは研磨されなかった。最大荷
重を540kg/cm(Z方向反力8kgf)とした
ところ、火花を発生しながらダイヤモンドは研磨された
が、研磨部には砥石成分が強固に溶着し、この溶着物は
強酸でもなかなか除去できなかった。そして上記の場
合、いずれもダイヤモンド体には割れが発生した。さら
に研磨能力を向上させるために、砥石を1000°C程
度まで加熱し研磨を実施した。これによりダイヤモンド
の研磨はやや促進するが、砥石成分の溶着が一層激しく
なり、かつ全ての加熱研磨テストでもダイヤモンド体は
破損した。上記円板砥石端面を用いた定圧切り込み研磨
テストも実施したが、研磨結果は同様であった。
【0044】上記の砥石は熱膨張が大きいため、高温に
加熱すればするほど加工中のわずかな温度変化により研
磨接触位置が変化して安定せず、過大な研磨圧力が付加
され、ダイヤモンド膜加工中の破壊の原因となる。さら
に、ダイヤモンドへの熱衝撃によりクラックを発生し、
またあるものは破損して研磨不能となる。他の超硬合金
や硬質あるいは軟質金属の砥石を使用しても、殆ど同じ
ような結果となった。以上から、本発明の砥石に比べ明
らかに研磨性に劣り、また本発明の砥石と同等の研磨特
性を有するものを既存の材料から見出すことはできなか
った。
【0045】(比較例5)実施例1と同様のダイヤモン
ド自立体を、外部加熱をせずに室温とし、他については
同一の研磨条件で研磨を実施した。この結果、TiAl
金属間化合物砥石にクラックや割れが発生し、むしろ凹
凸の激しいダイヤモンド膜でTiAl金属間化合物砥石
が研磨される状況を呈した。以上から、結晶粒サイズは
20〜100μmの場合、特に数十μm以上のダイヤモ
ンドの厚膜では、膜の成長とともに膜表面に数μm〜数
十μmの結晶方位の異なる結晶粒同士で凹凸が生じてい
たが、これが室温での研磨を困難にしていることが分か
った。したがって、ダイヤモンドの結晶面の状況、すな
わち結晶粒が粗大化し、膜表面の凹凸が著しい場合に
は、外部加熱が有効であることが分った。
【0046】
【発明の効果】以上、本発明は、Al、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cuの群から選択した1種または2種
以上の元素とTiとの金属間化合物を主成分とする砥石
を使用することにより、また必要により研磨部を100
〜800°Cに加熱しながら相対的に回転又は移動する
被研磨体であるダイヤモンドに押し当てて研磨すること
により、ダイヤモンド、特に気相合成法により基板上に
形成したダイヤモンドあるいはダイヤモンド自立膜に、
クラックや破壊あるいは品質の劣化を生ずることなく低
温で研磨することができ、また研磨材の寿命を大きく延
ばすことができると共に安定した研磨性能を維持し、か
つ平面研削等の従来の研磨装置を使用することができ、
3次元形状のダイヤモンド膜被覆部材の研磨加工も効率
良く行うことができ、さらに操作が簡単で研磨品質が安
定した低コストのダイヤモンドの研磨ができるという優
れた効果を有する。また、本発明は、研磨加工後のダイ
ヤモンド膜研磨面の結晶粒境界部段差が著しく少ない研
磨加工体を得ることができるという優れた特徴を有して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のTiNi金属間化合物砥石による1
分間の室温研磨を実施した場合の、ダイヤモンド薄膜の
微分干渉顕微鏡写真である。
【図2】同上、5分間の室温研磨を実施したダイヤモン
ド薄膜の微分干渉顕微鏡写真である。
【図3】実施例2のTiFe金属間化合物砥石による
1分間の室温研磨を実施した場合の、倍率x400のダ
イヤモンド薄膜の微分干渉顕微鏡写真である。
【図4】同上、倍率x1000のダイヤモンド薄膜の微
分干渉顕微鏡写真である。
【図5】実施例3のTiCo金属間化合物砥石による1
分間室温研磨を実施した場合の、倍率x400のダイヤ
モンド薄膜の微分干渉顕微鏡写真である。
【図6】同上、倍率x1000のダイヤモンド薄膜の微
分干渉顕微鏡写真である。
【図7】実施例4のTiMn金属間化合物砥石による
1分間室温研磨を実施した場合の、倍率x400のダイ
ヤモンド薄膜の微分干渉顕微鏡写真である。
【図8】実施例5のTiCr金属間化合物砥石による
1分間室温研磨を実施した場合の、倍率x1000のダ
イヤモンド薄膜の微分干渉顕微鏡写真である。
【図9】実施例6のTiAl金属間化合物砥石による回
転速度500rpmで室温において研磨を実施した場合
の、倍率x1000のダイヤモンド薄膜の微分干渉顕微
鏡写真である。
【図10】同上、回転速度3000rpmで研磨した場
合の、倍率x1000のダイヤモンド薄膜の微分干渉顕
微鏡写真である。
【図11】実施例7の中で、参考として示したダイヤモ
ンド薄膜の未研磨面の光学顕微鏡写真である。
【図12】実施例7のTiAl金属間化合物砥石によ
り、回転速度は400rpmで、室温で4分研磨を実施
した場合の、光学顕微鏡写真(倍率x1000)であ
る。
【図13】同上、8分研磨を実施した場合の、光学顕微
鏡写真(倍率x1000)である。
【図14】同上、12分研磨を実施した場合の、光学顕
微鏡写真(倍率x1000)である。
【図15】同上、16分研磨を実施した場合の、光学顕
微鏡写真(倍率x1000)である。
【図16】同上、20分研磨を実施した場合の、光学顕
微鏡写真(倍率x1000)である。
【図17】実施例10において説明する研磨前のダイヤ
モンド自立体の表面の電子顕微鏡写真である。
【図18】実施例10のTiAl金属間化合物砥石によ
る加熱研磨後のダイヤモンド自立体の表面の電子顕微鏡
写真である。
【図19】同上、ダイヤモンド表面の拡大電子顕微鏡写
真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 修一 神奈川県平塚市日向岡1−8−32 審査官 横溝 顕範 (56)参考文献 特開 平11−71198(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 3/00 B24D 3/02 B24B 9/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、
    Cuの群から選択した1種または2種以上の元素とTi
    との金属間化合物を主成分とすることを特徴とするダイ
    ヤモンド研磨用砥石。
  2. 【請求項2】 金属間化合物の含有量が90体積%以上
    であることを特徴とする請求項1記載のダイヤモンド研
    磨用砥石。
  3. 【請求項3】 ダイヤモンド研磨用砥石の1部または全
    部が前記金属間化合物であることを特徴とする請求項1
    又は2記載のダイヤモンド研磨用砥石。
  4. 【請求項4】 Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、
    Cuの群から選択した1種または2種以上の元素とTi
    との金属間化合物を主成分とする砥石によりダイヤモン
    ドを研磨する際に、研磨部を100〜800°Cに加熱
    しながら研磨することを特徴とするダイヤモンド研磨方
    法。
  5. 【請求項5】 研磨部を300〜500°Cに加熱する
    ことを特徴とする請求項4記載のダイヤモンドの研磨方
    法。
  6. 【請求項6】 金属間化合物の含有量が90体積%以上
    であることを特徴とする請求項4または5に記載のダイ
    ヤモンドの研磨方法。
  7. 【請求項7】 Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、
    Cuの群から選択した1種または2種以上の元素とTi
    との金属間化合物を主成分とするダイヤモンド研磨用砥
    石で研磨されたものであり、研磨加工後のダイヤモンド
    膜研磨面の結晶粒境界部段差が、ダイヤモンド膜の厚さ
    が300μmを超える場合に0.1μm以下であり、厚
    さが300μm以下の場合に0.02μm以下であるこ
    とを特徴とするダイヤモンド研磨加工体。
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