JP3397348B2 - 音信号処理方法 - Google Patents

音信号処理方法

Info

Publication number
JP3397348B2
JP3397348B2 JP33037492A JP33037492A JP3397348B2 JP 3397348 B2 JP3397348 B2 JP 3397348B2 JP 33037492 A JP33037492 A JP 33037492A JP 33037492 A JP33037492 A JP 33037492A JP 3397348 B2 JP3397348 B2 JP 3397348B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
frequency
sound signal
recording
sampling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP33037492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06177756A (ja
Inventor
芳男 山崎
Original Assignee
芳男 山崎
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 芳男 山崎 filed Critical 芳男 山崎
Priority to JP33037492A priority Critical patent/JP3397348B2/ja
Publication of JPH06177756A publication Critical patent/JPH06177756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3397348B2 publication Critical patent/JP3397348B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音信号処理方法に係
り、より詳細にはCD(Compact disc)、DAT(Digital
Audio Tape-recorder) 等の記録媒体の記録・再生やデ
ィジタル放送、有線放送等の通信における音信号の処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】音信号をディジタルで記録・再生等する
メディアとして、CD、DAT等が知られている。この
CD、DATの記録・再生における信号処理の概略を図
12に示す。図12(A)にシステムの構成、図12
(B)に信号スペクトルを示す。図12(A)におい
て、音信号はLPF(Low Pass Filter) 1により帯域制
限された後、A/D変換器2によりディジタル信号に変
換され、光ディスク、磁気テ−プ等に記録される。ま
た、再生時には、光ディスク等より読み出されたディジ
タル信号がD/A変換器4によりアナログ信号に変換さ
れ、出力される。
【0003】ここで、A/D変換器前段のLPF1は、
図12(B)に示す折り返し雑音の防止のためのフィル
タであるが、CD、DAT等の場合には信号帯域(0〜
20kHz)と標本化周波数の1/2(fs/2)とが
接近しているため、阻止帯域で90dB程度の非常に急
峻な遮断特性をもったフィルタが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな急峻なフィルタを用いることは、その特性によって
は音質上好ましくない影響をもたらす場合がある。
【0005】また、DAT等を音響計測等に利用する場
合には人間の可聴帯域に拘束されない、より高域信号の
処理が要求されることもある。
【0006】本発明は、原信号の高域成分をカットする
ことなく折り返し雑音を除去し、数十kHzまでの高域
信号の処理を可能とする音信号の処理方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の一の態様では、
音信号処理装置において、予め定められた一定の規則に
従って周波数が既知の変化を呈する標本化信号を生成す
る標本化信号生成部と、前記標本化信号を用いて原信号
を標本化する標本化部と、標本化された信号を量子化す
ることにより、記録媒体に記録され又は伝送路により送
信されるべき記録・伝送用音信号を生成する信号生成部
と、を備える。
【0008】前記標本化信号生成部は、固定周波数を有
する発振信号を一定周期で振動させることにより前記標
本化信号を生成するように構成することができる。ま
た、前記標本化信号生成部は、前記固定周波数の発振信
号を生成する発振手段と、前記発振信号を前記固定周波
数を中心とする所定の周波数範囲内で周波数変調する変
調手段と、を備えるように構成することができる。
【0009】さらに、本発明の他の態様では、音信号再
生装置において、予め定められた一定の規則に従って周
波数が既知の変化を呈する標本化信号により原信号を標
本化し、さらに量子化することにより生成された記録・
伝送用音信号を取得する手段と、前記一定の規則に従っ
て周波数が既知の変化を呈する標本化信号を生成する標
本化信号生成部と、前記標本化信号を用いて前記記録・
伝送用音信号をディジタル−アナログ変換することによ
り前記原信号を再生する再生部と、を備える。
【0010】本発明の他の態様では、音信号再生装置に
おいて、予め定められた一定の規則に従って周波数が既
知の変化を呈する標本化信号により原信号を標本化し、
さらに量子化することにより生成された記録・伝送用音
信号を取得する手段と、前記記録・伝送用音信号のスペ
クトルを分析することにより、前記記録・伝送用音信号
に含まれる原信号成分と折り返し成分の対称性に基づい
て前記標本化信号を推定する推定手段と、推定された標
本化信号に基づいて前記折り返し成分を除去する手段
と、折り返し成分が除去された後の前記記録・伝送用音
信号をディジタル−アナログ変換することにより原信号
を再生する再生部と、を備える。
【0011】また、本発明の他の態様では、音信号処理
装置において、時間的に変化する原信号のスペクトルを
分析し、原信号に含まれる周波数成分を検出するスペク
トル分析部と、前記原信号に含まれる周波数成分を通過
するように時間的に変化するフィルタ特性を使用して、
前記原信号をフィルタリングする適応フィルタと、前記
フィルタリングされた信号をアナログ−ディジタル変換
してディジタル音信号を生成するアナログ−ディジタル
変換器と、前記ディジタル音信号と、前記適応フィルタ
のフィルタ特性を示すフィルタ特性情報とを含む記録・
伝送用音信号を生成する手段と、を備える。
【0012】さらに、上記音信号処理装置により生成さ
れた記録・伝送用音信号を取得する手段と、取得した記
録・伝送用音信号から前記ディジタル信号と前記フィル
タ特性情報とを抽出する手段と、前記ディジタル信号を
アナログ音信号に変換するディジタル−アナログ変換器
と、前記フィルタ特性情報に従って前記アナログ音信号
をフィルタリングして原信号を再生する再生部と、を備
える。
【0013】本発明の他の態様では、音信号処理装置に
おいて、原信号を、所定の境界周波数以上の周波数を有
する高周波信号と、前記境界周波数未満の周波数を有す
る低周波信号とに分割する分割部と、前記高周波信号を
一定の規則に従ってスクランブル処理するスクランブル
処理部と、前記スクランブル処理された高周波信号を前
記低周波信号と加算し、記録・伝送用音信号を生成する
生成部と、を備える。
【0014】前記スクランブル処理部は、前記高周波信
号を周波数スペクトル上で複数の帯域に分割し、前記複
数の帯域の成分を一定の規則に従って入れ替えることに
よりスクランブル処理を行うように構成することができ
る。また、前記スクランブル処理部は、前記複数の帯域
の成分の入れ替えを、前記境界周波数帯域以上の帯域で
行うように構成することができる。さらに、本発明によ
る音信号再生装置においては、上記音信号処理装置によ
り生成された記録・伝送用音信号を取得する手段と、取
得した記録・伝送用音信号から、前記境界周波数以上の
周波数を有する高周波再生信号と、前記境界周波数未満
の周波数を有する低周波再生信号とに分割する分割部
と、前記高周波再生信号を逆スクランブル処理する逆ス
クランブル処理部と、前記逆スクランブル処理された高
周波再生信号を前記低周波再生信号と加算する加算器
と、前記加算器の出力信号をディジタル−アナログ変換
して原信号を再生するディジタル−アナログ変換器と、
を備えることができる。
【0015】本発明の他の態様では、音信号処理装置に
おいて、原信号を所定の標本化周波数を用いてディジタ
ル信号に変換するアナログ−ディジタル変換器と、前記
ディジタル信号を、所定の境界周波数以上で前記原信号
の周波数領域を含む高周波信号と、前記境界周波数未満
の周波数を有する低周波信号とに分割する分割部と、前
記高周波信号を、前記標本化周波数の1/2の周波数を
有するキャリアで変調する変調器と、変調された高周波
信号を前記低周波信号に加算して記録・伝送用音信号を
生成する生成部と、を備える。
【0016】また、本発明の音信号再生装置において
は、上記音信号処理装置により生成された記録・伝送用
音信号を取得する手段と、取得した記録・伝送用音信号
を、前記境界周波数以上の周波数を有する高周波信号
と、前記境界周波数未満の周波数を有する低周波信号と
に分割する分割部と、前記高周波信号を復調する復調器
と、復調した前記高周波信号と前記低周波信号とを加算
する加算器と、前記加算器の出力信号をディジタル−ア
ナログ変換して原信号を再生する再生部と、を備えるこ
とができる。
【0017】
【作用】記録されるべき原信号は一定の規則に基づき周
波数の変化する標本化信号により標本化され記録され、
再生・受信側では同一の信号によりD/A変換され、再
生される。また、原信号は一定の規則に基づき遮断特性
の変化するフィルタによりフィルタリングされ、記録・
送信される。再生・受信側ではこれと逆の特性でフィル
タリングされ、原信号が再生される。さらに、原信号は
所定の周波数で帯域分割され、高い周波数成分は、スク
ランブル、変調等の処理を施された後、低い周波数成分
と加算され、記録される。再生側では、同様の帯域分割
を行い、高い周波数成分に逆スクランブル処理または復
調を施した後、低い周波数成分と加算され、出力され
る。
【0018】従って、原信号の高域成分をカットするこ
となく、かつ、折り返し雑音の影響を除去して広帯域信
号の処理が可能となる。
【0019】
【実施例】図面を参照して、以下に本発明の好適な実施
例について説明する。なお、以下の説明では本発明に係
る信号処理を音信号の記録媒体への記録再生を例にとっ
て説明するが、ディジタル放送等の通信等における信号
処理にも適用可能である。
【0020】第1実施例 図1(A)に本発明の第1実施例の原理を示す。図1
(A)では、音信号がある周波数(f0 )及びその倍音
(f1 〜f4 )からなるスペクトルを有する信号を示
す。このような信号を標本化するとfs/2以上の成分
がfs/2の周波数を境に折り返されることになる。し
かし、この折り返し成分は現信号(f0 )の倍音系列に
は乗っていないので、折り返し成分を除去するには、
信号の周波数f0 の倍音にある成分のみをフィルタ等に
より抽出すれば良い。即ち、図1(A)を参照すれば、
原信号はf0 ,f1 〜f4 という系列に乗っているが、
折り返し成分であるf0 ´,f1 ´〜f4 ´はこの系列
には乗っていないため、折り返し成分であることが判別
できる。この方法によれば、ある周波数の倍音系列のス
ペクトルを有する信号については折り返し成分は完全に
除去できる。ただし、実際の楽曲等は複数の周波数の信
号が複雑に混ざり合った信号であるので、上記の方法で
は完全に折り返し雑音成分を除去することは困難な場合
がある。
【0021】次に、折り返し成分除去の他の方法の原理
を図1(B)に示す。折り返し成分は、周波数fs/2
を中心に生じるので、そのスペクトルは標本化周波数f
sに依存する。このため、標本化周波数を変化させれ
ば、折り返し成分のスペクトルも変化するが、原信号の
スペクトルは変化しない。従って、図1(B)に示すよ
うに、標本化周波数を一定の周波数範囲(例えば、44
kHz〜48kHz)で揺らしてやると、fs/2以下
の本来の周波数成分は不動であるが、折り返し雑音成分
のスペクトルは標本化周波数の揺れに対応して変化す
る。標本化周波数の変化方法としては、一定の周波数で
継続して変化させる方法や、疑似ランダム系列のように
ランダムかつ既知の変化を与える方法等、種々の方法が
考えられる。
【0022】図2、3にこの一例としてFM変調により
標本化周波数を変化させる場合の構成を示す。図2は従
来のシステム構成図であり、A/D変換側の標本化器1
1及びD/A変換器14の周波数は共に48kHzで固
定されている。一方、図3に示すように、本実施例では
標本化器21及びD/A変換器24の標本化周波数はF
M変調器26、27により±αの範囲で周波数変調され
ている。この場合、変調器26、27は同期させるか、
または同一の規則に基づいて変調をかけることが必要で
ある。このように標本化周波数を変化させると、これに
対応してスペクトルが変化する折り返し成分は長時間平
均的には一種の白色化した雑音の如き成分となる。従っ
て、ある音楽信号が存在する場合に雑音信号が聞えにく
くなる、いわゆるマスキング効果により、この雑音成分
を人間の聴感上目立たなくすることができ、図2のLP
F10、15に相当する急峻なフィルタを省略すること
ができる。なお、図3においてLPFを完全に省略しな
い場合でも図2における急峻なLPFに比べ遮断特性の
滑らかなLPFを利用することができる。
【0023】また、通常、人間の耳の周波数変動に対す
る検知限は0.1%程度とされているので、標本化周波
数を48kHzに対し±500Hz程度の範囲で変化さ
せる場合は前述のFM変調器26、27の同期を不要と
することもできる。
【0024】さらにこの応用として、得られた信号スペ
クトルから再生側で標本化周波数及び折り返し成分を推
定して、折り返し成分を除去することもできる。
【0025】図1等に示すように、信号成分と折り返
し成分とはfs/2を中心に対称となるので、f0 とf
0 ´,f1 とf1 ´等の対応をスペクトル上で判別すれ
ば、これらの中心にある周波数が標本化周波数の1/2
であるので標本化周波数が推定できる。また、標本化さ
れた信号の周波数スペクトルは図4(A)に示すよう
に、マクロ的に見ればfs/2及びその正数倍の周波数
が折り返しの対称軸となり、スペクトル上の谷の部分が
できるため、まず、マクロ的におおよその標本化周波数
を推定し、さらにその折り返し軸(谷の部分)付近のス
ペクトルの対称性をミクロ的に考察して標本化周波数を
推定することができる。標本化周波数が推定できれば、
原信号成分と折り返し成分の対称性より折り返し成分を
推定し、除去することができる。この手法の具体的な構
成を図4(B)に示す。このように、再生側で記録等さ
れた信号のスペクトルから標本化周波数、折り返し成分
を推定すれば図3のように録音側と再生側とを必ずしも
同期させる必要はなくなる。
【0026】また、この方法でさらに前述の標本化周波
数を変化させる方法を併用すれば、原信号成分は不動で
あるが折り返し成分はスペクトルが変化するという性質
より、折り返し成分の推定、除去がより正確となる。
【0027】第2実施例 次に、本発明の第2実施例について説明する。上述の第
1実施例では、A/D変換器前段のLPFを不要とする
ものであるが、第2実施例では、このLPFの特性を適
応制御するものである。図4(A)に、その概略構成を
示し、図4(B)に適応フィルタ30の伝達特性例を示
す。フィルタ30の特性は、図4(B)に示すように、
例えば0〜20kHzの帯域を通過域とし、20kHz
以上の帯域では原信号のスペクトルに応じて減衰特性を
制御する。例えば、原信号に20kHz以上の成分が含
まれていない場合には、特性C1のように減衰させ、原
信号に30kHzまでの成分が含まれている場合には、
特性C3のようにこの成分を通過させるように減衰させ
る。また、別の方法として、高域成分の有無に無関係に
あらかじめ定められた一定の規則に基づいて、フィルタ
特性を変化させてもよい。
【0028】フィルタリングされた信号は、通常と同様
にA/D変換後記録される。一方、再生時には、D/A
変換された後、フィルタ30の逆特性を持つ適応フィル
34によりフィルタリングされ、出力される。このよ
うに、フィルタの特性を時々刻々と変化させることによ
り、折り返された雑音成分をマスキング効果により人間
の聴感上気にならないものとすることができる。
【0029】また、従来のLPFの特性をこの適応フィ
ルタの1特性と考えれば、従来のCD等との完全な共存
性を確保できる。すなわち、この方法により録音された
CDを従来のプレーヤにより再生する場合には、従来の
フィルタ特性に固定して再生すればよい。
【0030】図6(A)は従来のフィルタ特性に固定し
た場合のスペクトルを示す。また、図6(B)には、フ
ィルタ特性を適応制御した場合で、原信号が30kHz
までの成分を持つ場合のスペクトルを示す。図6(B)
では、48kHzで標本化するので24kHzを中心に
折り返し雑音が生じるが、前述のマスキング効果及び人
間の可聴領域の特性より折り返し雑音成分は聴覚上目立
たないものとすることができる。このフィルタ特性につ
いては、CD、DATのサブコードエリア等にその規則
をあらかじめ記録しておけば再生時に逆特性によるフィ
ルタリングが可能となる。この場合、録音側では録音す
る音楽信号のスペクトルがわかっているので、各時刻毎
に高域成分の有無に応じてフィルタ特性を変化させるこ
ともできる。このようにフィルタ特性を変化させれば、
高域成分の存在するときのみその成分を記録、再生する
ことができる。
【0031】またさらに、本実施例を第1実施例と併用
し、標本化周波数を変化させながらフィルタの適応制御
を行うことも可能である。
【0032】第3実施例 次に、本発明の第3実施例について説明する。この第3
実施例は、原信号を低域成分と高域成分とに帯域分割し
て信号処理する方法である。即ち、例えば標本化周波数
が48kHzの場合には24kHzで、標本化周波数が
44.1kHzの場合には22.05kHzで帯域分割
する。以下、標本化周波数が44.1kHzの場合を例
に説明する。図7(A)に信号記録側のシステム、図7
(B)に信号再生側のシステムの構成を示す。図7にお
いて、記録すべき入力信号はA/D変換後、LPF42
と減算器43により帯域分割される。LPF42は、0
〜24kHzの信号を抽出し、減算器43により、24
kHz以上の信号を抽出する。LPF42により抽出さ
れた0〜24kHzの信号は、特別の処理を施されるこ
となく、加算器45へ入力される。一方、24kHz以
上の信号は、スクランブル処理部44へ入力される。ス
クランブル処理の方法については、種々の方法が考えら
れ、例えば電話等で用いられている方法(時間軸を入れ
替えるいわゆるインターリーブ)の他、DCT(Discre
te Fourier Transform)、FFT(Fast Fourier Trans
form)等の処理により周波数スペクトル上で一定の帯域
ごとにさらに細かく帯域分割した後、それぞれの帯域成
分を一定の規則に従って入れ替えを行う方法等がある。
但し、この入れ替え動作は、24kHz以下の成分に影
響を与えないよう、24kHz以上の帯域内で行う。こ
の場合、分割する帯域幅や、帯域成分の入れ替え規則等
は予め定められるか、あるいはサブコード等に記録して
おけば再生側での信号の復元が可能となる。なお、以上
の説明では入力信号をA/D変換後ディジタル信号とし
て処理したが、アナログで処理後A/D変換して記録し
ても良い。再生側も同様である。なお、帯域分割、スク
ランブルの処理系は図8のように構成してもよい。
【0033】スクランブル処理前後の信号のスペクトル
を図9に示す。図9(A)のように原信号が30数kH
zまでの成分を含んでいるとすると、24kHz以下の
成分はスクランブル後もそのままのスペクトルを維持す
るが、24kHz以上の成分は前述のスクランブル処理
により周波数軸上のスペクトルはほぼランダムとなり、
一種の白色化した成分とすることができる。このように
スクランブル処理を施された信号は加算器43で、24
kHz以下の成分に加えられ、CD、DAT等に記録さ
れる。図9(B)にA/D変換後の信号スペクトルを示
す。図9(B)からわかるように、原信号の24kHz
以下の成分は高域側へ折り返され、20kHz以上の成
分は低域側へ折り返されるが、20kHz以上の成分は
前述のように白色化したものとなっている。
【0034】一方、再生側ではCD等から読み出され、
一定の処理をされた信号が得られる。この信号は、図9
(B)に示すようなスペクトルを有しており、LPF4
8等により記録側と同様の周波数帯域に分割される。分
割された24kHz以下の信号には、高域側の折り返し
成分が含まれているが、この成分はほぼ白色化している
ので問題はなく、そのまま加算器51へ入力される。一
方、24kHz以上の信号は逆スクランブル処理部50
で前述のスクランブル処理の逆の処理を行い、原信号を
復元する。減算器49で抽出された24kHz以上の成
分は図9(B)に示すように原信号の20kHz以下の
信号の折り返し成分を含んでいるが、逆スクランブル処
理により周波数軸上または時間軸上でのスペクトルの入
れ替え(復元)が行われるため、この折り返し成分も一
種の白色化した成分となり、目的の高域信号に聴覚上影
響を与えることなく復元が可能となる。復元された24
kHz以上の信号は加算器51により24kHz以下の
信号に加えられ、D/A変換後再生信号として出力され
る。
【0035】第4実施例 次に、本発明の第4実施例について説明する。図10
(A)に、本実施例の信号記録側のシステムの構成を、
図10(B)に信号再生側のシステムの構成を示す。本
実施例が第3実施例と異なる点は、24kHz以上の信
号を変調して24kHz以下の成分に加える点である。
この方法について図11を参照して説明する。今、標本
化周波数を48kHzとすれば、図11のように24k
Hzの点を中心に折り返し成分が生じる。通常の音信号
においても20kHz以上の成分は存在するがその成分
は20kHz以下の成分に比べれば非常に少ない。そこ
で、20kHz以上の成分を原信号から分離した後、こ
の帯域内に変調する。例えば、標本化周波数を48kH
zとし、20kHz以下の信号を低域信号として分離す
る場合、20kHz〜28kHzの8kHzの帯域を変
調に利用することができる。従って、例えば、24kH
zをキャリア周波数として高域成分(原信号の20kH
z以上の成分)を変調し、これを低域信号(20kHz
以下の成分)に加えてやれば良い。図10(A)にこの
構成を示す。変調部74により変調された信号は、加算
器75で低域信号に加えられ記録される。一方、再生側
では、図10(B)に示すように、20kHz以下の成
分はLPF78により、変調された20〜28kHzの
成分はBPF79で抽出される。高域信号はその後、復
調部80で復調され低域信号に加えられ、再生信号とし
て出力される。このような、処理により、高域成分をカ
ットすることなく、原信号の忠実な再生が可能となる。
【0036】また、以上の説明では、分離した高域成分
を変調して低域成分に加える処理を行ったが、この高域
成分を高能率符号化等により情報量を圧縮した後、C
D、DATのサブコードに記録しても良い。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原信号の高域成分をカットすることなく、かつ、折り返
し雑音の影響を除去して広帯域信号の処理が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】音信号のスペクトルを示す図である。
【図2】音信号記録・再生システムの構成図である。
【図3】本発明の第1実施例の説明図である。
【図4】本発明の第2実施例の説明図である。
【図5】本発明の第2実施例の他の説明図である。
【図6】フィルタ特性を変化させた場合の音信号のスペ
クトルを示す図である。
【図7】本発明の第3実施例の構成図である。
【図8】本発明の第3実施例の他の構成図である。
【図9】本発明の第3実施例による折り返し成分の説明
図である。
【図10】本発明の第4実施例の構成図である。
【図11】本発明の第3実施例による音信号スペクトル
の説明図である。
【図12】従来の音信号記録再生システムの説明図であ
る。
【符号の説明】
25、28…信号発生器 26、27…FM変調器 30、34…適応フィルタ 44、62…スクランブラー 50、68…逆スクランブラー 74…変調器 80…復調器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−252016(JP,A) 特開 昭47−37908(JP,A) 特開 昭63−26033(JP,A) 特開 昭50−122915(JP,A) 特開 平2−132919(JP,A) 特開 昭63−152236(JP,A) 特開 平6−77824(JP,A) 特開 平4−372226(JP,A) 特開 昭60−257632(JP,A) 山崎芳男,広帯域音響信号の量子化へ の大振幅ディザの適用,日本音響学会 誌,日本,第39巻第7号 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 1/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた一定の規則に従って周波
    数が既知の変化を呈する標本化信号を生成する標本化信
    号生成部と、 前記標本化信号を用いて原信号を標本化する標本化部
    と、 標本化された信号を量子化することにより、記録媒体に
    記録され又は伝送路により送信されるべき記録・伝送用
    音信号を生成する信号生成部と、を備えることを特徴と
    する音信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記標本化信号生成部は、固定周波数を
    有する発振信号を一定周期で振動させることにより前記
    標本化信号を生成することを特徴とする請求項1に記載
    の音信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記標本化信号生成部は、前記固定周波
    数の発振信号を生成する発振手段と、前記発振信号を前
    記固定周波数を中心とする所定の周波数範囲内で周波数
    変調する変調手段と、を備えることを特徴とする請求項
    2に記載の音信号処理装置。
  4. 【請求項4】 予め定められた一定の規則に従って周波
    数が既知の変化を呈する標本化信号により原信号を標本
    化し、さらに量子化することにより生成された記録・伝
    送用音信号を取得する手段と、 前記一定の規則に従って周波数が既知の変化を呈する標
    本化信号を生成する標本化信号生成部と、 前記標本化信号を用いて前記記録・伝送用音信号をディ
    ジタル−アナログ変換することにより前記原信号を再生
    する再生部と、を備えることを特徴とする音信号再生装
    置。
  5. 【請求項5】 予め定められた一定の規則に従って周波
    数が既知の変化を呈する標本化信号により原信号を標本
    化し、さらに量子化することにより生成された記録・伝
    送用音信号を取得する手段と、 前記記録・伝送用音信号のスペクトルを分析することに
    より、前記記録・伝送用音信号に含まれる原信号成分と
    折り返し成分の対称性に基づいて前記標本化信号を推定
    する推定手段と、 推定された標本化信号に基づいて前記折り返し成分を除
    去する手段と、 折り返し成分が除去された後の前記記録・伝送用音信号
    をディジタル−アナログ変換することにより原信号を再
    生する再生部と、を備えることを特徴とする音信号再生
    装置。
  6. 【請求項6】 時間的に変化する原信号のスペクトルを
    分析し、原信号に含まれる周波数成分を検出するスペク
    トル分析部と、 前記原信号に含まれる周波数成分を通過するように時間
    的に変化するフィルタ特性を使用して、前記原信号をフ
    ィルタリングする適応フィルタと、 前記フィルタリングされた信号をアナログ−ディジタル
    変換してディジタル音信号を生成するアナログ−ディジ
    タル変換器と、 前記ディジタル音信号と、前記適応フィルタのフィルタ
    特性を示すフィルタ特性情報とを含む記録・伝送用音信
    号を生成する手段と、を備えることを特徴とする音信号
    処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の音信号処理装置により
    生成された記録・伝送用音信号を取得する手段と、 取得した記録・伝送用音信号から前記ディジタル信号と
    前記フィルタ特性情報とを抽出する手段と、 前記ディジタル信号をアナログ音信号に変換するディジ
    タル−アナログ変換器と、 前記フィルタ特性情報に従って前記アナログ音信号をフ
    ィルタリングして原信号を再生する再生部と、を備える
    ことを特徴とする音信号再生装置。
  8. 【請求項8】 原信号を、所定の境界周波数以上の周波
    数を有する高周波信号と、前記境界周波数未満の周波数
    を有する低周波信号とに分割する分割部と、 前記高周波信号を一定の規則に従ってスクランブル処理
    するスクランブル処理部と、 前記スクランブル処理された高周波信号を前記低周波信
    号と加算し、記録・伝送用音信号を生成する生成部と、
    を備えることを特徴とする音信号処理装置。
  9. 【請求項9】 前記スクランブル処理部は、前記高周波
    信号を周波数スペクトル上で複数の帯域に分割し、前記
    複数の帯域の成分を一定の規則に従って入れ替えること
    によりスクランブル処理を行うことを特徴とする請求項
    8に記載の音信号処理装置。
  10. 【請求項10】 前記スクランブル処理部は、前記複数
    の帯域の成分の入れ替えを、前記境界周波数帯域以上の
    帯域で行うことを特徴とする請求項9に記載の音信号処
    理装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の音信号処理装置によ
    り生成された記録・伝送用音信号を取得する手段と、 取得した記録・伝送用音信号から、前記境界周波数以上
    の周波数を有する高周波再生信号と、前記境界周波数未
    満の周波数を有する低周波再生信号とに分割する分割部
    と、 前記高周波再生信号を逆スクランブル処理する逆スクラ
    ンブル処理部と、 前記逆スクランブル処理された高周波再生信号を前記低
    周波再生信号と加算する加算器と、 前記加算器の出力信号をディジタル−アナログ変換して
    原信号を再生するディジタル−アナログ変換器と、を備
    えることを特徴とする音信号再生装置。
  12. 【請求項12】 原信号を所定の標本化周波数を用いて
    ディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換器
    と、 前記ディジタル信号を、所定の境界周波数以上で前記原
    信号の周波数領域を含む高周波信号と、前記境界周波数
    未満の周波数を有する低周波信号とに分割する分割部
    と、 前記高周波信号を、前記標本化周波数の1/2の周波数
    を有するキャリアで変調する変調器と、 変調された高周波信号を前記低周波信号に加算して記録
    ・伝送用音信号を生成する生成部と、を備えることを特
    徴とする音信号処理装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の音信号処理装置に
    より生成された記録・伝送用音信号を取得する手段と、 取得した記録・伝送用音信号を、前記境界周波数以上の
    周波数を有する高周波信号と、 前記境界周波数未満の周波数を有する低周波信号とに分
    割する分割部と、 前記高周波信号を復調する復調器と、 復調した前記高周波信号と前記低周波信号とを加算する
    加算器と、 前記加算器の出力信号をディジタル−アナログ変換して
    原信号を再生する再生部と、を備えることを特徴とする
    音信号再生装置。
JP33037492A 1992-12-10 1992-12-10 音信号処理方法 Expired - Lifetime JP3397348B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33037492A JP3397348B2 (ja) 1992-12-10 1992-12-10 音信号処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33037492A JP3397348B2 (ja) 1992-12-10 1992-12-10 音信号処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06177756A JPH06177756A (ja) 1994-06-24
JP3397348B2 true JP3397348B2 (ja) 2003-04-14

Family

ID=18231891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33037492A Expired - Lifetime JP3397348B2 (ja) 1992-12-10 1992-12-10 音信号処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3397348B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011007033A1 (de) * 2011-04-08 2012-10-11 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Entsörung eines Abtastprozesses sowie Vorrichtung zur Durchführung des Verfahrens

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
山崎芳男,広帯域音響信号の量子化への大振幅ディザの適用,日本音響学会誌,日本,第39巻第7号

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06177756A (ja) 1994-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5787334A (en) Method and apparatus for automatically identifying a program including a sound signal
AU626605B2 (en) Coder for incorporating extra information in a digital audio signal having a predetermined format, decoder for extracting such extra information from a digital signal, device for recording a digital signal on a record carrier, comprising such a coder, and record carrier obtained by means of such a device
JPH0472909A (ja) オーディオ信号の量子化誤差低減装置
KR100419837B1 (ko) 샘플링레이트변환방법및장치
JP3137995B2 (ja) Pcmディジタルオーディオ信号再生装置
JP2005502920A (ja) Dsd信号のための堅牢なウォーターマーク
US20090259476A1 (en) Device and computer program product for high frequency signal interpolation
JP4075167B2 (ja) ディジタル信号再生装置及び処理装置
JP3397348B2 (ja) 音信号処理方法
US5831565A (en) Signal processing apparatus for converting multi-bit signal having sub-data added thereto into one-bit signal
US5719574A (en) Digital audio transmission apparatus
JP3560087B2 (ja) 音信号処理装置およびサラウンド再生方法
JPH0955634A (ja) 高調波付加回路
JPH0479180B2 (ja)
JPS6412012B2 (ja)
KR940003389B1 (ko) 카세트 테이프 플레이어의 헤드주파수특성 개선회로
JPH07236193A (ja) 高音域創成装置
US5231542A (en) Method and device for improving bass response in magnetic tape recording
JPH059760Y2 (ja)
JPH0436800A (ja) 録音再生装置
EP0801386A2 (en) Recording and reproducing apparatus for 1-bit digital signal
JPS59171011A (ja) 記録再生方式
JPH097298A (ja) 情報信号記録装置及び情報信号再生装置
JPH0481279B2 (ja)
JPH10334595A (ja) 記録装置、再生装置、伝送装置及び記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130214

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term