JP3396959B2 - 硝化方法および装置 - Google Patents

硝化方法および装置

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JP3396959B2 JP15498194A JP15498194A JP3396959B2 JP 3396959 B2 JP3396959 B2 JP 3396959B2 JP 15498194 A JP15498194 A JP 15498194A JP 15498194 A JP15498194 A JP 15498194A JP 3396959 B2 JP3396959 B2 JP 3396959B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被処理水中の窒素化合
物をプラグフロー型の硝化槽を用いて生物学的に硝化す
る硝化方法および装置に関し、窒素化合物含有排液の生
物学的硝化脱窒法に利用可能な硝化方法および装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】アンモニア性または有機性窒素化合物を
含む排液を処理する方法として、生物学的硝化脱窒処理
法がある。この方法は活性汚泥の存在下に好気性処理し
て排液中のCOD、BOD成分を分解するとともに、有
機性窒素化合物をアンモニア性窒素とし、その後硝化細
菌が増殖した活性汚泥の存在下に曝気してアンモニア性
窒素(NH4−N)を硝化細菌により亜硝酸性または硝
酸性窒素(以下、これらをまとめてNOx−Nという場
合がある)に硝化(酸化)した後、脱窒細菌が増殖した
活性汚泥の存在下に嫌気状態に維持することにより、亜
硝酸性また硝酸性窒素を窒素ガスに還元して脱窒する方
法である。
【0003】硝化および脱窒の両反応ともpH変化を伴
う反応であるが、特に硝化反応では、1モルのNH4 +
硝化される際に2モルのH+が発生するため、硝化処理
水のpHが大幅に低下する。ところが硝化細菌の硝化活
性は図4に示すようにpHによって大きく影響を受ける
ため、何らかの手段で硝化槽内のpHを硝化細菌の活性
が高い範囲内に制御することが必要である。
【0004】ところで硝化におけるpH変化は、被処理
水のNH4 +濃度およびアルカリ度によって決定される。
すなわち、被処理水のアルカリ度がNH4 +濃度と比較し
て十分に大きい場合は、硝化によるpH低下は小さくな
り、逆にアルカリ度がNH4 +濃度と比較して小さい場合
にはpH低下は大きくなる。
【0005】従来、硝化によるpH低下に対処するため
に、pH調整剤として水酸化ナトリウム等のアルカリを
添加して、pHを所定値に維持することが行われてお
り、pH調整剤としては炭酸アルカリの使用も可能とさ
れている(例えば特開昭56−111097号、同55
−102498号、同59−139987号)。しかし
これらの従来例に示されている硝化は完全混合型のもの
であって、プラグフロー型の硝化槽への適用については
示唆されていない。
【0006】活性汚泥法など、完全混合型の浮遊法によ
って硝化を行う場合、被処理水はほぼ完全混合状態とな
っているため、pH制御は硝化槽液中にpHセンサーを
入れ、pHが所定の範囲内になるようにNaOH等のア
ルカリを添加することにより、容易に制御することがで
きる。
【0007】これに対し、硝化細菌が増殖した生物ろ過
層を有する硝化槽を用いて硝化を行う場合は、被処理水
がプラグフローで流れているため、硝化槽全体のpHを
所定の範囲に調整することは困難であり、流下方向にp
Hが低下する。この場合でも硝化槽の前段にpH調整槽
を設け、硝化槽の入口でpH調整を行うことはできる
が、被処理水のアルカリ度がNH4 +濃度と比較して低い
場合は、硝化槽内でのpH低下が大きく、硝化細菌の活
性を高く維持することが困難となり、このため安定して
高い硝化速度(NH4−N除去速度)で硝化することは
できない。また、あらかじめ硝化槽内でのpH低下を見
越して、硝化槽入口でのpHを高く設定すると、硝化槽
入口のpHが高くなりすぎて、硝化細菌の反応が阻害さ
れる場合がある。
【0008】硝化槽内でのpHの低下を防止するには、
例えば硝化槽から流出する硝化処理水を再び入口に循環
し、被処理水と循環水とを混合した状態でpH調整する
ことが可能である。この場合、硝化槽入口でのNH4 +
度がアルカリ度と比較して小さくなるため、硝化槽内の
pH低下が小さくなる。理論的には、循環比(被処理水
流量に対する循環水量の割合)を大きくすればするだ
け、被処理水の流れが完全混合状態に近づき、浮遊法と
同様の条件に近づく。しかし、実際には循環ポンプの動
力コストの増加、硝化槽内の液流速が増加することによ
る圧力損失の増加などから、上記のような方法では限界
がある。このためプラグフロー型の硝化槽により硝化す
る場合、低コストで簡単にpH調整することができ、こ
れにより安定して高い硝化速度で硝化することが可能な
硝化方法が要望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、被処
理水中の窒素化合物をプラグフロー型の硝化槽を用いて
生物学的に硝化するに際し、被処理水中のpH、NH4 +
濃度、有機性窒素化合物含有量またはアルカリ度などが
変動する場合でも、硝化槽内のpHを、硝化細菌の硝化
活性が高くなるように低コストで簡単に維持することが
でき、これにより安定して高い硝化速度で硝化すること
が可能な硝化方法および装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は次の硝化方法お
よび装置である。 (1) プラグフロー型の硝化槽に被処理水を通水して
生物学的に硝化する方法において、処理水のpHを測
定し、その測定値がpH6.0〜9.7を維持するよう
にpH調整した状態で、 被処理水を硝化槽に通水して硝
化し、硝化処理水のpH値を測定し、その測定値がpH
6.0〜9.7を維持するように、被処理水に炭酸アル
カリを添加することを特徴とする硝化方法。 (2) 被処理水のpHを調整するpH調整槽と、pH
調整された被処理水を生物学的に硝化するプラグフロー
型の硝化槽と、この硝化槽に導入する被処理水のpHを
測定する第一のpH測定装置と、この第一のpH測定装
置の測定値がpH6.0〜9.7になるように、pH調
整槽にpH調整剤を添加する第一の薬注装置と、硝化処
理水のpHを測定する第二のpH測定装置と、この第二
のpH測定装置の測定値がpH6.0〜9.7を維持す
るように、被処理水に炭酸アルカリを添加する第二の薬
注装置とを備えていることを特徴とする硝化装置。
【0011】本発明の方法および装置において処理の対
象となる被処理水は、アンモニア性窒素または有機性窒
素化合物を含有する液であり、他の不純物を含んでいて
もよい。特にアルカリ度(M−アルカリ度、以下同じ)
がNH4 +濃度と比較して低く、硝化によりpHが大きく
低下する排液、あるいはpH、NH4 +濃度、有機性窒素
化合物含有量またはアルカリ度が変動する排液などが処
理に適している。このような被処理水は硝化槽に導入す
る前に、活性汚泥を用いた好気性処理により有機物を分
解し、あるいは硝化処理水の循環により脱窒工程を行う
などの処理を行ってもよい。
【0012】本発明で使用するプラグフロー型の硝化槽
は、硝化細菌が増殖した生物汚泥層を槽内に充填し、こ
の充填層に被処理水をプラグフロー(一方向流)で通水
して、好気性下に接触させて硝化する装置である。生物
汚泥層の形成方法としては、造粒化汚泥を充填するも
の、あるいは充填層に生物汚泥を付着させるものなど、
任意に選択することができる。
【0013】本発明では、硝化細菌の硝化活性が高くな
るように、被処理水のpHを測定し、その測定値がpH
6.0〜9.7、好ましくはpH6.5〜9.5を維持
するようにpH調整した状態で、プラグフロー型の硝化
槽に導入して生物学的に硝化する。上記pH範囲におい
て硝化細菌の硝化活性が高くなることは図4に示されて
いる。通常の排水は上記pH範囲に入るので、pH調整
することなく、そのまま硝化槽に導入することができる
が、上記pH範囲から外れる被処理水の場合は、pH調
整剤を添加して上記範囲にpH調整して硝化槽に導入す
る。
【0014】pH調整には、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ;硫酸、塩酸等の酸などが使用で
きるが、後述する炭酸アルカリ以外のpH調整剤を使用
するのが好ましい。pH調整はpH調整槽に被処理水を
導入し、ここにpH調整剤を添加して行われるが、硝化
槽から流出する硝化処理水をpH調整槽に循環するのが
好ましい。またpH調整は被処理水のpHを調整するた
めに、pH調整槽内のpHを測定し、その測定値が上記
範囲となるように、pH調整剤の添加量を制御して行う
のが一般的であるが、硝化槽の前に脱窒槽等が設けられ
る場合は、硝化槽入口のpHを測定しながらpH調整剤
の添加量を制御することも可能である。
【0015】また本発明では、硝化処理水のpHを測定
し、その測定値がpH6.0〜9.7、好ましくは6.
5〜9.5を維持するように炭酸アルカリを添加する
が、使用する炭酸アルカリとしては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸ナトリウムカリウム等のアルカリ金
属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等
のアルカリ金属の炭酸水素塩などがあげられる。これら
は一種単独で使用することもできるし、二種以上を組合
せて使用することもできる。これらの炭酸アルカリはp
H緩衝剤としての作用を有し、硝化により亜硝酸または
硝酸が生成してもpH低下を抑制する作用を有する。
【0016】本発明の硝化装置を構成するpH調整槽
は、被処理水を導入し、pH調整剤を添加して均一に混
合し、pH調整するように構成されたものである。均一
に混合するために任意の攪拌手段を用いることができ
る。pH調整槽には硝化槽から硝化処理水を循環して混
合するように構成するのが好ましく、また炭酸アルカリ
もpH調整槽に添加するのが好ましい。
【0017】第一のpH測定装置は硝化槽に導入する被
処理水のpHを測定し、その測定値に基づいて、被処理
水にpH調整剤としてアルカリまたは酸を添加し、被処
理水を前記pHに制御するように構成する。
【0018】第二のpH測定装置は、硝化槽で硝化した
硝化処理水のpHを測定し、その測定値が前記pH値を
維持するように、第二の薬注装置から被処理水に添加す
る炭酸アルカリの添加量を制御するように構成する。上
記の制御はフィードバック制御であり、硝化処理水のp
Hが上記下限値を超え、あるいは下限値に近づいたとき
に炭酸アルカリの添加量を増大させ、上限値を超え、あ
るいは上限値に近づいたときに炭酸アルカリの添加量を
減少させるように制御する。
【0019】本発明では、上記のようにしてpH調整し
た被処理水を、プラグフロー型の硝化槽に導入し、好気
性下にプラグフローで通水して、硝化細菌により硝化を
行う。硝化槽における硝化はアンモニア性窒素を亜硝酸
または硝酸性窒素に酸化するものであるから、被処理水
中に有機物が存在する場合はあらかじめ活性汚泥処理等
により除去しておくことにより、硝化槽における硝化細
菌を優勢にして効率よく硝化を行うことができる。
【0020】本発明では、被処理水のpHを前記範囲と
し、しかも硝化処理水のpHが前記範囲を維持するよう
に被処理水に炭酸アルカリを添加することにより、硝化
細菌の硝化活性が高くなるpH範囲で硝化が行われ、し
かも被処理水に緩衝性が付与されるため、硝化反応によ
り亜硝酸または硝酸が生成しても緩衝作用によりpHの
低下は防止されプラグフローの場合でも効率よく硝化が
行われる。
【0021】本発明の硝化方法および装置は、アンモニ
ア含有液または有機性排液の生物学的硝化脱窒法におけ
る硝化方法および装置として用いられるが、硝化のみを
対象とする場合にも利用可能である。
【0022】生物学的硝化脱窒法として利用する場合
は、予め活性汚泥法等の好気性処理により有機物を分解
すると同時に有機性窒素化合物をアンモニア性窒素に変
換しておくことが好適である。また脱窒槽を硝化槽の前
段に設けて硝化処理水を循環し、この脱窒槽に被処理水
を導入して、脱窒細菌の存在下に嫌気状態に維持するこ
とにより脱窒を行った後、硝化槽に導入して硝化を行う
ことができる。この場合は脱窒槽と硝化槽を1個の槽内
に設けることができ、例えば生物濾過装置の中間に散気
装置を設けて、上部を好気状態に保ち、上向流で被処理
水を通水すると、上部を硝化槽、下部を脱窒槽として一
体化することができる。このような場合でも、前記のよ
うに制御することにより、効率よく硝化を行うことがで
きる。
【0023】
【実施例】次に本発明の実施例を図面により説明する。
図1は実施例の硝化装置を示す系統図、図2は硝化槽お
よび脱窒槽が一体化した硝化装置を示す系統図である。
図1において、1はpH調整槽、2は第一のpH測定装
置、3はアルカリ貯槽、4は酸貯槽、5はプラグフロー
型の硝化槽、6は第二のpH測定装置、7は炭酸アルカ
リ貯槽、8は制御装置である。
【0024】pH調整槽1には被処理水路11、アルカ
リ注入路12、酸注入路13、連絡路14、循環路15
および炭酸アルカリ注入路16が接続し、槽内液のpH
を測定する第一のpH測定装置2と攪拌機17が設けら
れている。被処理水路11には被処理水ポンプ21、循
環路15には循環ポンプ22が設けられている。アルカ
リ注入路12、酸注入路13および炭酸アルカリ注入路
16には、それぞれ薬注ポンプ23、24、25が設け
られている。
【0025】硝化槽5の内部には、硝化細菌を有する生
物ろ過層31が形成されている。生物ろ過層31の下部
には散気装置32が設けられて空気供給路33に接続
し、硝化槽5の上部には硝化処理水のpHを測定する第
二のpH測定装置6が設けられている。また硝化槽5の
下部にはpH調整槽1からの連絡路14、生物ろ過層3
1の上部には処理水路34およびpH調整槽1への循環
路15、ならびに硝化槽5の上部には排ガス路35が接
続している。
【0026】制御装置8は第一のpH測定装置2の測定
pH信号を入力し、測定値がpH6.0、好ましくは
6.5より低い場合には薬注ポンプ23に駆動信号を出
力し、測定値がpH9.7、好ましくは9.5より高い
場合には薬注ポンプ24に駆動信号を出力するように構
成されている。また制御装置8は第二のpH測定装置6
の測定pH信号を入力し、フィードバック制御により測
定値がpH6.0、好ましくは6.5より低い場合は必
要薬注量を演算して薬注ポンプ25に駆動信号を出力す
るように構成されている。
【0027】アルカリ貯槽3、アルカリ注入路12、酸
貯槽4、酸注入路13および薬注ポンプ23、24が第
一の薬注装置を構成し、第一のpH測定装置2の測定p
H値に応じて、制御装置8の制御信号によりアルカリま
たは酸を注入するように構成されている。また炭酸アル
カリ貯槽7、炭酸アルカリ注入路16および薬注ポンプ
25が第二の薬注装置を構成し、第二のpH測定装置6
の測定pH値に応じて、制御装置8の制御信号により炭
酸アルカリを注入するように構成されている。
【0028】図2において、10は脱窒硝化槽であっ
て、上部の硝化槽5と下部の脱窒槽9とが一体化した構
造になっている。この脱窒硝化槽10では、槽内に一体
的に充填された生物ろ過層31a、31bの中間に、空
気供給路33に接続する散気装置32が設けられ、散気
装置32の上部に硝化細菌を含む生物ろ過層31a、下
部に脱窒細菌を含む生物ろ過層31bが形成されてい
る。他の構成は図1と同様である。
【0029】図1の装置により硝化を行うには、まず被
処理水ポンプ21を駆動して被処理水路11から被処理
水をpH調整槽1に導入し、循環ポンプ22を駆動して
循環路15から硝化処理水を導入し、攪拌機17で攪拌
する。そしてpH調整槽1の槽内液のpHを第一のpH
測定装置2で測定し、測定pHを制御装置8に入力す
る。この測定pH値に応じて制御装置8から制御信号を
出力して、薬注ポンプ23または24を駆動し、槽内液
がpH6.5〜9.5となるように、アルカリ貯槽3ま
たは酸貯槽4中のアルカリまたは酸を、アルカリ注入路
12または酸注入路13を通して注入する。
【0030】上記pHに調整した被処理水(槽内液)は
連絡路14を通して硝化槽5に導入する。ここでは、空
気供給路33から供給する空気を散気装置32で散気し
た状態で、被処理水を生物ろ過層31中を上向流で通水
し、硝化細菌の作用により、被処理水中のNH4−Nを
NOx−Nに生物学的に硝化する。被処理水中に有機性
窒素化合物が含有されている場合は、この有機物性窒素
化合物はBOD分解細菌の作用によりNH4−Nに分解
され、さらに硝化細菌の作用によりNOx−Nに硝化さ
れる。
【0031】硝化処理水の一部は、循環路15から循環
ポンプ22によりpH調整槽1に循環する。残部は処理
水として処理水路34から取出す。硝化処理水の一部を
循環して被処理水と混合することにより、硝化槽5入口
におけるNH4 +濃度がアルカリ度と比較して小さくなる
ため、pHの低下を小さくすることができ、これにより
循環しない場合に比べて炭酸アルカリの添加量を少なく
することができる。なお、硝化処理水の循環は必ずしも
必要ではなく、場合によっては省略することもできる。
【0032】上記の処理において、硝化処理水のpHを
第二のpH測定装置6により測定し、測定pH値を制御
装置8に入力する。制御装置8ではこの測定pH値によ
り必要炭酸アルカリ量を演算して、制御信号を出力し、
薬注ポンプ25を駆動する。これにより硝化処理水のp
Hが前記範囲となるように、炭酸アルカリ貯槽7中の炭
酸アルカリが炭酸アルカリ注入路16を通してpH調整
槽1に添加される。この場合、炭酸アルカリの添加信号
とpH測定位置とが離れているので、フィードバック制
御により必要添加量を演算して制御するのが好ましい。
炭酸アルカリの添加および硝化処理水の循環によりpH
調整槽1内の槽内液のpHが所定のpHの範囲外になる
場合には、制御装置8の判定によりアルカリまたは酸を
添加してpH調整が行われる。
【0033】被処理水の水質に応じて、pH調整剤、炭
酸アルカリとして表1のような使い分けが好ましい。
【表1】 表1において、NaOH、H2SO4はそれぞれ炭酸アル
カリ以外の他のアルカリまたは酸でもよく、それぞれア
ルカリ貯槽3または酸貯槽4から注入される。
【0034】以上のような操作を繰返して行うことによ
り、硝化槽5内でのpHの低下を防止して、高い硝化速
度で安定して硝化を行うことができる。また被処理水の
pH、NH4 +濃度、有機性窒素化合物含有量またはアル
カリ度などが変動しても、それに応じてpH調整がなさ
れるので、高い硝化速度を維持でき、しかも注入する薬
品の量を必要最低限に抑えることができる。
【0035】図2の装置においても、図1の場合と同様
にして操作することができる。この場合、脱窒硝化槽1
0の内部は、散気装置32より下が嫌気状態となるの
で、生物ろ過層は下部に脱窒細菌を有する生物ろ過層3
1b、および上部に硝化細菌を有する生物ろ過層31a
が形成され、1つの槽内で脱窒および硝化が行われる。
なお図2の場合、脱窒槽9におけるpH変化は無視でき
る程度であるため、第一のpH測定装置2をpH調整槽
1に設けているが、硝化槽5の被処理水のpHを測定す
るためには、第一のpH測定装置2を生物ろ過層31a
と31bの間に設けることもできる。
【0036】実施例1、比較例1 NH4 +=50mg−N/l、BOD=2〜5mg/l、
M−アルカリ度=70〜160mg−CaCO3/l、
pH=6.6〜7.3(ただしNH4 +濃度は50mg−
N/lになるように人為的に制御したが、他は上記値の
範囲内で変動した)の工場廃水を被処理水として、図1
の装置により硝化を行った。硝化槽5内部には、直径
3.5mmのポリスチレン性の浮上性ろ材に硝化細菌を
含む微生物汚泥を付着させて生物ろ過層31を形成し
た。炭酸アルカリとしては炭酸ナトリウムを用いた。p
H調整剤としては、水酸化ナトリウムおよび硫酸を用い
た。循環路15からの循環量は被処理水路11からの被
処理水量と同量とした。
【0037】硝化の操作は次のようにして行った。すな
わち、生物ろ過層31が定常になった後、最初の1か月
間は炭酸ナトリウムの添加は行わず、水酸化ナトリウム
または硫酸を添加してpH調整槽1内をpH8.5に制
御して硝化を行った(比較例1)。次の1か月間は、p
H調整槽1内がpH8.5になるように水酸化ナトリウ
ムまたは硫酸を添加し、さらに硝化処理水がpH6.5
になるように炭酸ナトリウムを添加して制御を行った
(実施例1)。その他の条件は試験期間中全く同じと
し、硝化負荷1.5kg−N/m3・dayで運転し
た。試験期間中の硝化槽5出口の硝化処理水のpHおよ
びNH4 +の除去率を図3に示す。
【0038】図3からわかるように、被処理水のアルカ
リ度の変動によって最初の1か月間(比較例となる試験
期間)は硝化処理水のpHが変動し、それに伴いNH4 +
の除去率も変動している。それに対して、硝化処理水の
pHが6.5になるように炭酸ナトリウムを添加した次
の1か月間(実施例の試験期間)は、NH4 +の除去率が
安定した値を示しており、しかも平均で除去率が17%
増加した。
【0039】
【発明の効果】本発明の硝化方法は、被処理水のpHが
特定の範囲となるようにpH調整し、硝化処理水のpH
が特定の範囲となるように、被処理水に炭酸アルカリを
添加して硝化を行うので、被処理水のpH、NH4 +
度、有機性窒素化合物含有量またはアルカリ度などが変
動する場合でも、低コストかつ簡単な操作で、硝化槽内
のpHを硝化細菌の硝化活性が高くなる範囲に維持する
ことができ、これにより安定して高い硝化速度で硝化を
行うことができる。
【0040】本発明の硝化装置は、硝化処理水のpHを
測定するpH測定装置、およびこの装置の測定pH値に
応じて、硝化処理水のpHが特定の範囲になるように、
被処理水に炭酸アルカリを添加する薬注装置を備えてい
るので、被処理水のpH、NH4 +濃度、有機性窒素化合
物含有量またはアルカリ度などが変動する場合でも、簡
単な構造の装置を用いかつ簡単な操作により、硝化槽内
のpHを硝化細菌の硝化活性が高くなる範囲に維持する
ことができ、これにより安定して高い硝化速度で硝化を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の硝化装置を示す系統図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例の硝化装置を示す系統図で
ある。
【図3】実施例1および比較例1の試験結果を示すグラ
フである。
【図4】硝化細菌の硝化活性とpHとの関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 pH調整槽 2 第一のpH測定装置 3 アルカリ貯槽 4 酸貯槽 5 硝化槽 6 第二のpH測定装置 7 炭酸アルカリ貯槽 8 制御装置 9 脱窒槽 10 脱窒硝化槽 11 被処理水路 12 アルカリ注入路 13 酸注入路 14 連絡路 15 循環路 16 炭酸アルカリ注入路 17 攪拌機 21 被処理水ポンプ 22 循環ポンプ 23、24、25 薬注ポンプ 31、31a、31b 生物ろ過層 32 散気装置 33 空気供給路 34 処理水路 35 排ガス路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−23795(JP,A) 特開 平4−277099(JP,A) 特開 平6−170390(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/34 101 C02F 3/30 C02F 3/02 - 3/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラグフロー型の硝化槽に被処理水を通
    水して生物学的に硝化する方法において、 処理水のpHを測定し、その測定値がpH6.0〜
    9.7を維持するようにpH調整した状態で、 被処理水を 硝化槽に通水して硝化し、 硝化処理水のpH値を測定し、その測定値がpH6.0
    〜9.7を維持するように、 被処理水に炭酸アルカリを添加することを特徴とする硝
    化方法。
  2. 【請求項2】 被処理水のpHを調整するpH調整槽
    と、 pH調整された被処理水を生物学的に硝化するプラグフ
    ロー型の硝化槽と、 この硝化槽に導入する被処理水のpHを測定する第一の
    pH測定装置と、 この第一のpH測定装置の測定値がpH6.0〜9.7
    になるように、pH調整槽にpH調整剤を添加する第一
    の薬注装置と、 硝化処理水のpHを測定する第二のpH測定装置と、 この第二のpH測定装置の測定値がpH6.0〜9.7
    を維持するように、被処理水に炭酸アルカリを添加する
    第二の薬注装置とを備えていることを特徴とする硝化装
    置。
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