JP3396277B2 - 遮音用樹脂組成物 - Google Patents

遮音用樹脂組成物

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JP3396277B2 JP26990693A JP26990693A JP3396277B2 JP 3396277 B2 JP3396277 B2 JP 3396277B2 JP 26990693 A JP26990693 A JP 26990693A JP 26990693 A JP26990693 A JP 26990693A JP 3396277 B2 JP3396277 B2 JP 3396277B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形性、引張り強さ、伸
びおよび柔軟性に優れ、遮音シートの「べたつき」や臭
気がなく、更に廃棄焼却時に有害ガスの発生がない遮音
用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種産業機器の動力部の周囲には
動力部から発生する騒音防止を目的とし遮音シートが装
着されている。例えば、自動車の場合はエンジンルーム
からのエンジン等の騒音や振動を車室内に伝えないよう
に、エンジンルームと車室内との境界、例えばインシュ
レーターダッシュ等に遮音シートが装着されている。上
記遮音シート用材料に要求される性質は以下の通りであ
る。
【0003】(1)遮音性に優れていること 遮音効果の目安としては、 透過率(τ)=透過した音の強さ(T)/入射音の強さ
(I) から求められるデシベル単位で表した透過損失が良く用
いられる。そして透過損失は、 透過損失(TL)=10×log(1/τ) =10×log(I/T) によって求められる。一般に上記透過損失は質量則に当
てはまり、 透過損失(TL)=18×logM・f−44(ランダ
ム入射)または 透過損失(TL0 )=20×logM・f−43(垂直
入射) (M;面密度(kg/m2 ),f;周波数(Hz)) で表され、遮音シートの面密度(単位面積当たりの重
量)が大きいほど遮音性能が良い。
【0004】(2)成形性が良いこと 通常遮音シートが装着される箇所は凹凸または曲面等の
種々の形状を有するので、通常プレス成形により遮音材
を装着面の形状に合せて賦形したのち、該賦形物を装着
面に篏合させる方法が取られている。
【0005】(3)耐熱性、耐寒性に優れていること
【0006】(4)寸法安定性に優れていること 通常遮音シートにはブレーキワイア、エアコン用ダク
ト、ハンドルパイプ等の補機類を貫通させるための貫通
孔を設ける。遮音シートの寸法安定性が悪いと貫通孔周
囲に隙間が生じ遮音性の低下をきたす。
【0007】(5)柔軟性に優れていること 遮音シートが柔軟性に欠けると遮音シート装着時および
補機類取り付け時の施工性が悪くなる。
【0008】(6)引張り強さおよび伸びに優れている
こと 遮音シートが引張り強さ及び伸びに欠けると遮音シート
のプレス成形時に該シートが破れやすくなる。
【0009】(7)臭気のないこと
【0010】(8)遮音シートに「べたつき」がないこ
と べたつきがあるとシート装着時の作業性を阻害し、シー
ト保存および運搬中にゴミが付着し商品価値を損なうと
共にゴミ付着により金属等の基材と該シートとの複合シ
ートとするときのシートの接着性を損なう恐れがある。
【0011】(9)廃棄処理時に問題のないこと
【0012】(10)低コストであること
【0013】上記自動車用、住宅用等の遮音材として、
現在ポリ塩化ビニル樹脂に充填剤と可塑剤を添加した配
合物が広く用いられているが、該ポリ塩化ビニル系遮音
材は廃棄焼却時に有害な塩化水素ガスが発生し、また脆
化温度が高いため耐寒性に劣り低温時の衝撃等により遮
音シートが破壊されることがあった。
【0014】そこで上記ポリ塩化ビニル系遮音材に見ら
れる問題の解決のため、廃棄焼却時に有害ガスの発生が
なく、耐寒性に優れたポリオレフィン系樹脂をベースと
した遮音材が提案されている(例えば特公平1−600
55号公報等)。しかしこれらポリオレフィン系樹脂ベ
ースの遮音材は可塑剤を必須成分とするため、遮音シー
トに「べたつき」が見られ臭気を発生しシート装着時の
作業環境や作業効率を著しく阻害したり、自動車室内に
臭気が発生し自動車の商品価値を低下せしめ好ましくな
かった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
性、引張り強さ、伸びおよび柔軟性に優れ、遮音シート
の「べたつき」や臭気がなく、更に廃棄焼却時に有害ガ
スの発生がない遮音用樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに
至った。すなわち本発明は、密度0.870〜0.91
0g/cm3 、差動走査熱量測定で示される最大ピーク
温度(Tm)が100℃以上のエチレン/α−オレフィ
ン共重合体(1)5〜60重量%、無機充填剤(2)3
5〜85重量%アスファルト(3)1〜25重量%から
なり、必要に応じて熱可塑性エラストマー(4)を0.
1〜30重量%配合した樹脂組成物である。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
樹脂組成物の成分(1)として用いられるエチレン/α
−オレフィン共重合体は、遮音シートに引張り強さや柔
軟性および伸びを付与する等の目的で配合されるもので
あり、いわゆる線状超低密度ポリエチレンであり、その
密度(JIS K6760)が0.870〜0.910
g/cm3 、好ましくは0.885〜0.900g/c
3 で、かつ差動走査熱量測定で示される最大ピーク温
度(Tm)が100℃以上のものである。
【0018】この共重合体の密度が0.870g/cm
3 未満ではその工業的な製造が困難となると共に、一般
的に低分子量成分が増大する結果遮音シートにべたつき
が発生しやすく好ましくない。また同様に密度が0.9
10g/cm3 を超えると、無機充填剤を多量に配合し
た組成物ではカレンダー等によるシート作製が困難にな
ると共に、遮音シートが柔軟性に欠けプレス成形性に劣
るため好ましくない。またこの共重合体のTmが100
℃未満では引張り強さ、伸び、耐熱性およびプレス成形
性に劣るため好ましくない。
【0019】該共重合体のメルトフローレート(以下
「MFR」と略すことがある。JISK6760,19
0℃,荷重2160gの条件)は特に限定するものでは
ないが、0.1〜100g/10分が好ましく、1〜2
0g/10分が更に好ましく、MFRがこの範囲であれ
ばシート加工性及びシートの引張り強さに優れた組成物
が得られる。
【0020】この共重合体のコモノマーであるα−オレ
フィンとは、一般式R−CH=CH2 (式中Rは炭素数
1〜12のアルキル基を示す。)で表されるもので、そ
の具体例を示せばプロピレン、1−ブテン、1−オクテ
ン、1−ノネン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げ
られる。そしてこの共重合体はこれらα−オレフィンの
少なくとも1種以上をエチレンと共重合することにより
得られ、具体的にはエチレン/1−ブテン共重合体、エ
チレン/1−ヘキセン共重合体、エチレン/4−メチル
−1−ペンテン共重合体、エチレン/1−オクテン共重
合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン三元共重合体
等が挙げられる。
【0021】更に上記共重合体中のα−オレフィン含量
は概略該共重合体の密度により規制され、特に限定する
ものではないが、一般には5〜20モル%である。
【0022】なお前述した差動走査熱量測定装置による
Tmの測定方法は次のとおりである。 〔差動走査熱量測定装置によるTmの測定方法〕熱プレ
ス成形した厚みが約100μmのフィルムから約5mg
の試料を秤量し、80℃から80℃/分の昇温速度で2
30℃まで昇温し5分間保持する。次に10℃/分の速
度で−10℃まで降温し、−10℃で5分間保持した後
再び10℃/分の速度で230℃まで昇温し、昇温中に
現れたピークのうち最大のピークの頂点の位置の温度を
Tmとする。
【0023】本発明の樹脂組成物の成分(2)として用
いられる無機充填剤は、遮音材のコスト低下、遮音シー
トに遮音性能、寸法安定性および耐熱性を付与する等の
目的で配合されるものであり、その具体例を示せば炭酸
カルシウム、クレー、タルク、カオリン、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニ
ウム、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファ
イト、砂、ガラス粉、ガラス繊維、ガラス球、フライア
ッシュ球、マイカ、けい石粉、溶融けい石粉、石英粉、
けいそう土、けい酸カルシウム、けい酸アルミニウム、
金属粉、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ア
ルミナ、酸化鉄等の金属酸化物、シリカ、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、セメント、粘土等が挙げ
られ、単独でまたはこれらの混合物として利用される。
【0024】上記無機充填剤中では入手の容易さ、コス
トの点から炭酸カルシウムが好ましい。また炭酸カルシ
ウムは石灰石を機械的に粉砕したいわゆる重質炭酸カル
シウムでも、緻密質石灰石を原料とし石灰乳と炭酸ガス
との反応等で得られる沈降炭酸カルシウムでもよい。更
に樹脂組成物中の炭酸カルシウムの分散性や成形加工性
を向上させるため、脂肪酸またはその誘導体、界面活性
剤、シランまたはチタネート系カップリング剤等で表面
処理したものでもよい。
【0025】本発明の樹脂組成物の成分(3)として用
いられるアスファルトは、組成物の溶融粘度を低下せし
めプレス成形性を向上しシートに伸びを付与する等の目
的で配合されるものであり、メジウムまたはマルテンと
呼ばれる炭化水素油状成分を主成分とし、アスファルト
樹脂と呼ばれる保護質およびコロイド粒子状ないし超微
粒子状炭素からなるビチューメンであり、天然アスファ
ルトと石油アスファルトがある。
【0026】天然アスファルトとしては例えばギルソナ
イト、グラルマイト、グランスピッチ等のアスファルタ
イト、トリニダットアスファルト等のレークアスファル
ト、ロックアスファルト等を挙げることができる。石油
アスファルトとしては、原油の蒸留によって得られるス
トレートアスファルト、ストレートアスファルトを触媒
の存在下または不存在下で酸素含有ガスを吹込んで製造
されるブローンアスファルト、アスファルト質を含む留
分からプロパン等の溶剤によりアスファルト質を分離す
る際に生成する溶剤脱瀝アスファルト、ストレートアス
ファルトを揮発性の石油類と混合したカットバックアス
ファルト等が挙げられる。このうち針入度(JIS K
2207)が10〜200、軟化点(JIS K220
7)が30〜100℃のアスファルトが好ましく用いら
れる。
【0027】本発明の樹脂組成物の成分(4)として必
要に応じて用いられる熱可塑性エラストマーとは、遮音
シートに柔軟性および伸びを付与する等の目的で必要に
応じ配合され、弾性の顕著な熱可塑性物質を言い、張力
を受けるとエネルギーの散逸に伴う発熱などがなく迅速
に数倍に及ぶ伸長を示し、充分に伸長した状態では高い
弾性率と引張り強さを持ち、張力を除くとすぐに殆ど元
の状態に戻ることができる性質を有するポリマーであ
る。具体的には差動走査熱量測定で示される最大ピーク
温度(Tm)が100℃未満のエチレン/α−オレフィ
ン共重合体、ビニル芳香族炭化水素とオレフィンとから
なる熱可塑性ブロック共重合体またはこのブロック共重
合体の水素添加物等が例示でき、単独でまたはこれらの
混合物として用いることができる。
【0028】上記熱可塑性エラストマーの1種であるエ
チレン/α−オレフィン共重合体としては、その密度
(JIS K7112)が0.850〜0.900g/
cm3、好ましくは0.860〜0.890g/cm3
で、差動走査熱量測定で示される最大ピーク温度(T
m)が100℃未満のものである。α−オレフィンとは
一般式R−CH=CH2 (式中Rは炭素数1〜12のア
ルキル基を示す。)で表されるもので、具体的に例示す
れば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン、4−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。こ
のうちプロピレン、1−ブテンを用いて得られた共重合
体が物性、共重合性の点で好ましい。
【0029】また、この密度が0.850g/cm3
満では、工業的な製造が困難となり遮音シートにべたつ
きが発生することがあり、0.900g/cm3 を超え
ると遮音シートの柔軟性に劣るおそれがある。差動走査
熱量測定装置による最大ピーク温度(Tm)が100℃
以上では、遮音シートが柔軟性に欠け好ましくない。
【0030】該エチレン/α−オレフィン共重合体は、
低結晶性または非結晶性のものであり、α−オレフィン
の共重合割合は、特にその範囲を限定するものではない
が、3〜50モル%、好ましくは7〜40モル%であ
る。α−オレフィンの共重合割合が50モル%を超える
ものは工業的な製造が困難であり、3モル%未満では遮
音シートの柔軟性に劣る。
【0031】該共重合体のMFR(JIS K721
0,230℃,2.16kgf)は特にその範囲を限定
するものではないが、シート加工性の点から0.01〜
100g/10分が好ましく、0.1〜50g/10分
が更に好ましい。上記エチレン/α−オレフィン共重合
体は市販されている(例えばタフマー(商標名,三井石
油化学工業(株)製)、JSR EP(日本合成ゴム
(株)製)、JSREBM(日本合成ゴム(株)製)
等)。
【0032】上記熱可塑性エラストマーの1種であるビ
ニル芳香族炭化水素とオレフィンとからなる熱可塑性ブ
ロック共重合体またはこの共重合体の水素添加物とは、
一般式(A−B)n または (但し、式中AおよびA′各々はビニル芳香族炭化水素
重合体ブロック、Bはオレフィン重合体ブロック、nは
1〜5の整数、mは2〜7の整数、Xはm価の多官能性
化合物を表す。)で表される直鎖構造、放射構造または
分岐構造からなる少なくとも片末端がビニル芳香族炭化
水素重合体ブロックであるブロック構造を有する重合体
またはその水素添加物である。
【0033】上記ビニル芳香族炭化水素の例としては、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−
tert−ブチルスチレン、ビニルキシレン、エチルビ
ニルキシレン、ビニルナフタレンおよびこれらの混合物
等が挙げられる。これらのうちではスチレンが特に好ま
しい。
【0034】一方上記オレフィンの例としては、ブタジ
エン、イソプレン等の共役ジオレフィンおよびエチレ
ン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィン等が挙
げられる。ブロックBはオレフィン単位が優勢である限
り、共役ジオレフィンとビニル芳香族炭化水素との共重
合体であってもよい。
【0035】またビニル芳香族炭化水素とオレフィンと
からなる熱可塑性ブロック共重合体中のビニル芳香族炭
化水素重合体ブロックの量は8〜55重量%が好まし
く、10〜40重量%が更に好ましい。このブロック共
重合体としては、例えばスチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体等の両末端にビニル芳香族炭化水素重
合体ブロックを有するビニル芳香族炭化水素とオレフィ
ンとからなる熱可塑性ブロック共重合体またはその水素
添加物が好ましく、このうちスチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体の水素添加物が特に好ましく用
いられる。
【0036】なお、これら熱可塑性ブロック共重合体の
製造方法は公知であり、例えば特公昭40−23798
号公報に記載されている方法によりブロック共重合が行
われる。またこのブロック共重合体の水素添加処理は例
えば特公昭43−6636号公報に記載された方法によ
り、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に行うことが
できる。この水素添加では、重合体ブロックB中のオレ
フィン型二重結合の少なくとも50%、好ましくは90
%以上が水素添加される。
【0037】これら熱可塑性ブロック共重合体およびそ
の水素添加物は市販されている(例えばカリフレックス
(Cariflex)TR、クレイトン(Krato
n)G、クレイトンD(いずれも商標名、シェルジャパ
ン(株)製)、セプトン(商標名、クラレ(株)
製))。
【0038】上記樹脂組成物成分(1)〜(4)のそれ
ぞれの割合は、成分(1)が5〜60重量%、好ましく
は10〜30重量%、成分(2)が35〜85重量%、
好ましくは50〜75重量%、成分(3)が1〜25重
量%、好ましくは2〜20重量%である。
【0039】成分(1)が5重量%未満ではカレンダー
等による遮音シートの作製が困難になると共に該シート
が引張り強さや柔軟性に劣り、60重量%を超えると成
分(2)が35重量%未満となる結果遮音性能に劣る。
成分(2)が35重量%未満では遮音性能に劣り、85
重量%を超えるとカレンダー等による遮音シートの作製
が困難になると共にプレス成形性が悪くなる。成分
(3)が1重量%未満ではプレス成形性および柔軟性に
劣り、25重量%を超えるとシートの引張り強さおよび
伸びに欠け、臭気がひどくなり、べたつきが発生しやす
くなり、プレス成形性が悪くなる。
【0040】本発明の遮音用樹脂組成物は上記の成分
(1)〜(3)を上記割合で配合してなるものである
が、遮音シートに充分な柔軟性を付与するために更に成
分(4)を配合することが好ましい。成分(4)の配合
量は0.1〜30重量%が好ましく2〜10重量%が更
に好ましく、成分(4)の配合量を0.1重量%以上と
することにより柔軟性の著しい向上効果が得られるが、
一方30重量%を超えると遮音シートの引張り強さの
点、コストの点で問題が生じることがある。
【0041】成分(1)〜(3)と必要に応じ成分
(4)を上記割合で配合して得られる組成物の密度(J
IS K6760)は特に限定するものではないが、遮
音性能の点から1.2g/cm3 以上であることが好ま
しい。
【0042】本発明の樹脂組成物の調製は、成分(1)
〜(3)、必要に応じ成分(4)をリボンブレンダー、
Vブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いて機械的に
混合する方法、機械的混合後押出し機、ニーダー、熱ロ
ール、バンバリーミキサー等で溶融混練し冷却後ペレッ
ト化する方法等従来公知の方法が採用される。
【0043】本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を
損なわない範囲で必要に応じ酸化防止剤、帯電防止剤や
防曇剤などの界面活性剤、滑剤、ブロッキング防止剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、触媒中和剤、透明化剤、造核
剤、有機過酸化物、着色剤等の一般に熱可塑性プラスチ
ックに添加される添加剤を添加することができる。可塑
剤は遮音シートにべたつきを発生し臭気がひどくなるた
め添加しないことが好ましい。
【0044】本発明の樹脂組成物は通常Tダイを備えた
押出し機またはカレンダー成形機により面密度が通常2
kg/m2 以上となるように適宜の厚みのシートに成形
し、次いで該シートを成形型で挟持してプレス成形機に
より110〜150℃の温度で加熱、押圧後冷却し装着
面の形状に合った賦形物を形成する。
【0045】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお実施例および比較例における性能の測定は下記
の方法によった。また実施例および比較例中の%は重量
%である。
【0046】(a)密度 JIS K6760に準拠し測定した。密度が1.2g
/cm3 以上であれば遮音性能には問題がないと評価し
た。
【0047】(b)引張り強さおよび伸び JIS K6760に準拠し引張り破壊強さおよび引張
り破壊伸びを測定した。
【0048】(c)プレス成形性 50tのプレス成形機(東邦機器工業(株)製,TIB
−50型)を用いて2mmのシートを図1に示すような
凸部を設けた雄金型と雄金型に対応した凹部を設けた雌
金型との間で挟持し、温度120℃でプレスして得た成
形物を目視で観察し次の基準で評価した。 ○;プレス成形シートに割れの発生がない ×;プレス成形シートに割れが発生する
【0049】(d)べたつき プレス成形直後のシートおよび該シートを70℃のオー
ブン中に1週間放置後のシートの表面べたつきを観察し
次の基準で評価した。 ○;べたつきがない △;若干のべたつきがある ×;べたつきがひどい
【0050】(e)臭気 250cm2 のシートを入れた1000mlの密封容器
を65℃のオーブン中に1時間放置し、取りだして直ち
に密封容器を開封し臭いをかぎ次の基準で評価した。 1;目立った臭いはない 2;僅かに目立つ臭いがある 3;明確な臭いはあるが不快な臭いではない 4;強い不快な臭いがある 5;非常に不快な臭いがある
【0051】(f)柔軟性 JIS K7106に準拠し曲げこわさを測定した。こ
の値が1000kg/cm2 以上のものは遮音シートの
施工性が悪く実用上問題がある。
【0052】(実施例1〜3および比較例1〜2)成分
(1)としてエチレン/1−ブテン共重合体(密度;
0.900g/cm3 ,MFR;1g/10分,Tm;
115℃)を、成分(2)として炭酸カルシウム(比
重;2.7,平均粒径;10μm)を、成分(3)とし
てブローンアスファルト(針入度;10/20)を表1
および表2の割合で配合し、加圧ニーダーで混練しカレ
ンダーロールにて樹脂温度140℃、加工速度6m/分
の条件で厚みが2mmのシートを作製した。次にこのシ
ートを図1に示すような凸部を設けた雄金型と雄金型に
対応した凹部を設けた雌金型との間で挟持し、温度12
0℃、圧力35kg/cm2 で15秒プレス成形して成
形物を得た。
【0053】樹脂組成物およびシートの物性、並びにシ
ートの成形性を表1及び表2に示すが、本実施例の樹脂
組成物は遮音シートとして具備すべき性質に優れてい
る。成分(1)が5%未満で成分(2)が85%を超え
る比較例1の樹脂組成物はカレンダーロールによるシー
ト化ができなかった。成分(3)が25%を超える比較
例2の樹脂組成物は引張り強さおよび伸びに欠け、臭気
がひどくべたつきが若干発生しプレス成形性も悪かっ
た。
【0054】(実施例4)成分(3)としてストレート
アスファルト(針入度;150/200)を用いた以外
は実施例1と同様の成分を用い表1に示す割合で配合
し、実施例1と同様にシートを作製し、実施例1と同様
にプレス成形した。
【0055】樹脂組成物およびシートの物性、並びにシ
ートの成形性を表1に示すが、本実施例の樹脂組成物は
遮音シートとして具備すべき性質に優れている。
【0056】(比較例3)成分(3)を無添加とし成分
(1)、(2)として実施例1と同様の成分を用い表2
に示す割合で配合し、実施例1と同様にシートを作製
し、実施例1と同様にプレス成形した。
【0057】樹脂組成物およびシートの物性、並びにシ
ートの成形性を表2に示すが、アスファルトを含まない
本比較例の樹脂組成物は柔軟性に劣りプレス成形時にシ
ートに割れが発生した。
【0058】(比較例4)成分(1)としてエチレン/
プロピレン共重合体(密度;0.860g/cm3 ,T
m;18℃,商品名;EP−02P,日本合成ゴム
(株)製)を用いた以外は実施例1と同様の成分を用い
表2に示す割合で配合し、実施例1と同様にシートを作
製し、実施例1と同様にプレス成形した。
【0059】樹脂組成物およびシートの物性、並びにシ
ートの成形性を表2に示すが、成分(1)にTmが10
0℃未満のものを用いた本比較例の樹脂組成物は引張り
強さおよび伸びに劣り、またプレス成形時に割れが発生
した。
【0060】(比較例5)成分(1)としてエチレン/
1−ブテン共重合体(密度;0.920g/cm3 ,M
FR;2g/10分,Tm;123℃)を用いた以外は
実施例1と同様の成分を用い表2に示す割合で配合し
た。成分(1)に密度が0.910g/cm3 を超える
ものを用いた本比較例の樹脂組成物を用いて、実施例1
と同様にシートを作製せんとしたがシート作製ができな
かった。
【0061】(比較例6)成分(3)の代りに可塑剤と
してナフテン系プロセスオイル(AH−16,出光興産
(株)製)を用いた以外は成分(1)、(2)として実
施例1と同様の成分を用い表2に示す割合で配合し、実
施例1と同様にシートを作製し、実施例1と同様にプレ
ス成形した。
【0062】樹脂組成物およびシートの物性、並びにシ
ートの成形性を表2に示すが、成分(3)の代りにナフ
テン系プロセスオイルを用いた本比較例の樹脂組成物は
べたつきおよび臭気がひどかった。
【0063】(比較例7)成分(3)の代りに可塑剤と
してフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)を用い
た以外は成分(1)、(2)として実施例1と同様の成
分を用い表2に示す割合で配合し、実施例1と同様にシ
ートを作製し、実施例1と同様にプレス成形した。
【0064】樹脂組成物およびシートの物性、並びにシ
ートの成形性を表2に示すが、成分(3)の代りにDO
Pを用いた本比較例の樹脂組成物はべたつきおよび臭気
がひどかった。
【0065】(実施例5)成分(1)としてエチレン/
1−ブテン共重合体(密度;0.890g/cm3 ,M
FR;1g/10分,Tm;112℃)を、成分(2)
として炭酸カルシウム(比重;2.7,平均粒径;50
μm)を、成分(3)としてブローンアスファルト(針
入度;10/20)を、成分(4)としてスチレン/イ
ソプレン/スチレン ブロック共重合体(商品名;クレ
イトンKX−400B,シェルジャパン(株)製)を表
1の割合で配合し実施例1と同様にシートを作製し、実
施例1と同様にプレス成形した。
【0066】樹脂組成物およびシートの物性、並びにシ
ートの成形性を表1に示すが、本実施例の樹脂組成物は
遮音シートとして具備すべき性質に優れている。
【0067】(実施例6)成分(4)としてエチレン/
プロピレン共重合体(密度;0.880g/cm3 ,T
m;45℃,商品名;タフマーP−0180,三井石油
化学工業(株)製)を用いた以外は実施例5と同様の成
分を用い表1に示す割合で配合し、実施例5と同様にシ
ートを作製し、実施例1と同様にプレス成形した。
【0068】樹脂組成物およびシートの物性、並びにシ
ートの成形性を表1に示すが、本実施例の樹脂組成物は
遮音シートとして具備すべき性質に優れている。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は遮音性、プレス成
形性、引張り強さ、伸びおよび柔軟性に優れ、シートの
「べたつき」や臭気がなく、また廃棄焼却時に有害ガス
の発生がなく住宅・ビル等建築物用、自動車用等の遮音
シートとして好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例においてプレス成
形性測定に用いたプレス金型の正面図である。(図中数
字の単位はmm)
【符号の説明】
1 雄金型 2 雌金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G10K 11/162 G10K 11/16 A (72)発明者 山本 一美 広島県東広島市志和町志和堀1153−10 株式会社ヒロタニ 志和工場内 (56)参考文献 特開 昭62−86038(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 E04B 1/82 G10K 11/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.870〜0.910g/c
    3 、差動走査熱量測定で示される最大ピーク温度(T
    m)が100℃以上のエチレン/α−オレフィン共重合
    体(1)5〜60重量%、無機充填剤(2)35〜85
    重量%およびアスファルト(3)1〜25重量%からな
    る遮音用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 密度0.870〜0.910g/c
    3 、差動走査熱量測定で示される最大ピーク温度(T
    m)が100℃以上のエチレン/α−オレフィン共重合
    体(1)5〜60重量%、無機充填剤(2)35〜85
    重量%、アスファルト(3)1〜25重量%および熱可
    塑性エラストマー(4)0.1〜30重量%からなる遮
    音用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマーが密度0.850
    〜0.900g/cm3 、差動走査熱量測定で示される
    最大ピーク温度(Tm)が100℃未満のエチレン/α
    −オレフィン共重合体、ビニル芳香族炭化水素とオレフ
    ィンとからなる熱可塑性ブロック共重合体及び該ブロッ
    ク共重合体の水素添加物の中から選ばれた少なくとも1
    種以上である請求項2に記載の遮音用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 充填剤が炭酸カルシウムである請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の遮音用樹脂組成物。
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