JP3395998B2 - 電子黒板装置 - Google Patents

電子黒板装置

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JP3395998B2
JP3395998B2 JP22277794A JP22277794A JP3395998B2 JP 3395998 B2 JP3395998 B2 JP 3395998B2 JP 22277794 A JP22277794 A JP 22277794A JP 22277794 A JP22277794 A JP 22277794A JP 3395998 B2 JP3395998 B2 JP 3395998B2
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忠男 小池
幹夫 三浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンドレスのシート体
を転動自在に張架して黒板面と処理面とを形成した電子
黒板装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な電子黒板装置は、エンド
レスのシート体が転動自在に平板状に張架されること
で、ペンなどで画像が記載される黒板面が形成されてお
り、この黒板面に記載された画像を画像読取機構で読み
取ってプリンタで印刷用紙に複写できる。
【0003】会議の最中に、電子黒板装置の黒板面に手
書きした画像を、多数の印刷用紙に複写して参加者に配
るようなことができ、参加者の各々が電子黒板装置の黒
板面の画像を書き写す必要がないので、会議の能率を向
上させることができる。
【0004】なお、上述のような電子黒板装置では、エ
ンドレスのシート体を一対の支持ローラで平板状に張架
して前面を黒板面とすると共に後面を処理面とし、この
処理面の位置に画像読取機構が配置されている。そこ
で、シート体の黒板面に手書きした画像を画像読取機構
で読み取る場合は、シート体を転動させて黒板面の画像
を処理面の位置に順次移動させ、この処理面の位置で画
像を画像読取機構で順次読み取る。
【0005】さらに、シート体の処理面と対向する位置
に、シート体に画像を印刷する画像印刷機構を配置する
ことも提案されている。
【0006】この場合、シート体に画像を印刷するに
は、シート体を転動させながら処理面の位置で画像印刷
機構により画像を印刷する。そこで、この状態からシー
ト体を順次転動させることで、処理面に画像印刷機構で
印刷した画像を黒板面に位置させて掲示することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した電子黒板装置
では、シート体の黒板面に手書きした画像を画像読取機
構で読み取ることができ、シート体に画像印刷機構で画
像を印刷することもできる。
【0008】しかし、画像読取機構や画像印刷機構の動
作時にはシート体を転動させるので、黒板面の位置でも
シート体が移動することになり、画像読取機構や画像印
刷機構の作動中に、黒板面に画像を手書きすることが困
難である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
エンドレスのシート体を第一の支持ローラと第二の支持
ローラとで内側から支持して黒板面を形成し、前記第一
の支持ローラに対向する第三の支持ローラと前記第二の
支持ローラに対向する第四の支持ローラとで前記シート
体を内側から支持して印刷がなされる処理面を前記黒板
面と平行に形成し、第五の支持ローラを前記第一の支持
ローラと前記第三の支持ローラとの間隙を通過する位置
で前記黒板面と前記処理面とに平行な位置の経路を移動
自在に支持して前記シート体を外側から支持させ、第六
の支持ローラを前記第二の支持ローラと前記第四の支持
ローラとの間隙を通過する位置で前記黒板面と前記処理
面とに平行な位置の経路を移動自在に支持して前記シー
ト体を外側から支持させ、前記第五の支持ローラと前記
第六の支持ローラとを前記各経路上で一体に移動させる
ローラ移動機構と、ローラ移動機構で第五と第六との支
持ローラを経路上で移動させる場合に当該経路上での移
動の向きに応じて、第一と第二との支持ローラを停止状
態にすると共に第三と第四との支持ローラを回転自在に
し、又、第三と第四との支持ローラを停止状態にすると
共に第一と第二との支持ローラを回転自在にする駆動制
御装置と、を設けた。
【0010】
【0011】請求項記載の発明は、請求項1記載の発
明において、シート体の処理面と対向する位置に画像処
理装置を配置し、ローラ移動機構による第五の支持ロー
ラと第六の支持ローラとの移動で前記シート体を移動さ
せる場合に、前記画像処理装置の作動時には前記シート
体の移動速度を低速とし、前記画像処理装置の非作動時
には前記シート体の移動速度を高速とした。
【0012】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、画像処理装置の作動時におけるシート体の
移動速度を遅い第一速度と速い第二速度とに切替自在と
した。
【0013】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、画像処理装置として画像読取機構と画像印
刷機構とを処理面に対向配置し、前記画像印刷機構の作
動時には前記シート体の移動速度を第一速度とし、前記
画像読取機構の作動時には前記シート体の移動速度を第
二速度とした。
【0014】請求項記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第五の支持ローラと第六の支持ローラとは
両端部より中央部が小径である。
【0015】なお、本案で云う黒板とは、画像を掲示す
るパネルを意味しており、黒色であることは意味してい
ない。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明は、第一の支持ローラと第
三の支持ローラとの間隙を通過する位置で黒板面と処理
面とに平行に移動自在な第五の支持ローラと、第二の支
持ローラと第四の支持ローラとの間隙を通過する位置で
黒板面と処理面とに平行に移動自在な第六の支持ローラ
とを、ローラ移動機構が一体に移動させることで、第二
の支持ローラと第四の支持ローラとから離反する第六の
支持ローラで、シート体を処理面の位置から内方に引き
込むと共に、第一の支持ローラと第三の支持ローラとに
近接する第五の支持ローラで、シート体を内方から処理
面に繰り出し、シート体を黒板面の位置では移動させる
ことなく処理面の位置では移動させる。そして、ローラ
移動機構が第五の支持ローラと第六の支持ローラとを移
動させる場合に、第一の支持ローラと第二の支持ローラ
とを停止状態にすると共に第三の支持ローラと第四の支
持ローラとを回転自在にすることで、シート体を黒板面
の位置で支持する第一の支持ローラと第二の支持ローラ
とは回転せず、シート体を処理面の位置で支持する第三
の支持ローラと第四の支持ローラとは回転するようにし
て、シート体を黒板面の位置では移動させることなく処
理面の位置では移動させる
【0017】
【0018】請求項記載の発明は、ローラ移動機構に
よる第五の支持ローラと第六の支持ローラとの移動でシ
ート体を移動させる場合に、画像処理装置の作動時には
シート体の移動速度を低速としたことで、シート体の処
理面に対する画像処理装置の処理動作を適正な速度と
し、さらに、画像処理装置の非作動時にはシート体の移
動速度を高速としたことで、シート体の画像を移動させ
る動作を高速とした。
【0019】請求項記載の発明は、画像処理装置の作
動時におけるシート体の移動速度を遅い第一速度と速い
第二速度とに切替自在としたことで、画像処理装置の種
類によりシート体の移動速度を切り替えることができ
る。
【0020】請求項記載の発明は、画像処理装置とし
て画像読取機構と画像印刷機構とを処理面に対向配置
し、画像印刷機構の作動時にはシート体の移動速度を第
一速度とし、画像読取機構の作動時にはシート体の移動
速度を第二速度としたことにより、動作速度が遅い画像
印刷機構と動作速度が速い画像読取機構との各々に適正
な速度でシート体を移動させる。
【0021】請求項記載の発明は、第五の支持ローラ
と第六の支持ローラとは両端部より中央部が小径である
ことで、シート体に外側から当接する第五の支持ローラ
と第六の支持ローラとが、シート体の表面の画像に接触
しないようにした。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて以下に説
明する。まず、本実施例の電子黒板装置1では、図1に
示すように、装置本体2の内部において、エンドレスの
シート体3が第一から第六の支持ローラ4〜9で転動自
在に張架されており、これらの支持ローラ4〜9は、軸
心方向が左右方向と平行になっている。
【0023】そして、前記第一から第四の支持ローラ4
〜7は、位置不動で回転自在に軸支されて前記シート体
3を内側から支持しており、前記第五と第六との支持ロ
ーラ8,9は、詳細には後述するように、移動自在で回
転自在に支持されて前記シート体3を外側から支持して
いる。なお、前記第一の支持ローラ4は前部上方、前記
第二の支持ローラ5は前部下方、前記第三の支持ローラ
6は後部上方、前記第四の支持ローラ7は後部下方、に
位置している。そして、前記第一から第四の支持ローラ
4〜7には、その回転を停止させるブレーキ(図示せ
ず)が設けられている。
【0024】また、図4に示すように、前記第五の支持
ローラ8は支持部材10の上端部で回転自在に軸支され
ており、前記第六の支持ローラ9は前記支持部材10の
下端部で回転自在に軸支されている。前記支持部材10
がガイドレール(図示せず)で上下方向に移動自在に支
持されてステッピングモータ(図示せず)に連結される
ことで、前記第五と第六との支持ローラ8,9を一体に
移動させるローラ移動機構(図示せず)が形成されてい
る。そこで、このローラ移動機構により、前記第五の支
持ローラ8は、前記第一と第三との支持ローラ4,6の
間隙を通過する位置で上下方向に移動自在に支持され、
前記第六の支持ローラ9は、前記第二と第四との支持ロ
ーラ7,9の間隙を通過する位置で上下方向に移動自在
に支持されている。
【0025】なお、前記第一から第四の支持ローラ4〜
7は、単純な円筒形状に形成されているが、前記第五と
第六との支持ローラ8,9は、図3に示すように、両端
部11より中央部12が小径な形状に形成されている。
【0026】また、本実施例の電子黒板装置1では、前
記装置本体2の前面に開口孔13が形成されてガイドプ
レート14が配置されており、前記シート体3は、前記
第一と第二との支持ローラ4,5と前記ガイドプレート
14とで張架されて前記開口孔13から露出した部分
が、黒板面15とされている。さらに、前記シート体3
は、前記装置本体2の内部後方において前記第三と第四
との支持ローラ6,7で張架された部分が、前記黒板面
15と平行な処理面16とされている。そこで、前記シ
ート体3の全長は、前記黒板面15の三倍以上となって
いる。
【0027】また、前記シート体3から画像を読み取る
画像読取機構17と、前記シート体3に画像を印刷する
画像印刷機構18とが、画像処理装置として前記処理面
16と対向する位置に設けられている。
【0028】より詳細には、前記第三の支持ローラ6に
後方から対向する位置に、蛍光灯等の照明19と45°に
前傾した反射ミラー20とが配置され、この反射ミラー
20に下方から対向する位置に、CCD(Charge Couple
d Device)センサ21が配置されることで、前記画像読
取機構17が形成されている。また、前記処理面16の
下部に後方から対向する位置に、左右方向に細長いガイ
ドシャフト22,23が配置され、これらのガイドシャ
フト22,23でシリアル形式のインクジェットヘッド
24が左右方向に移動自在に支持されることで、前記画
像印刷機構18が形成されている。
【0029】さらに、読取原稿25の画像を読み取る用
紙読取機構26、印刷用紙27に画像を印刷する用紙印
刷機構28、ファクシミリ機構(図示せず)、キーボー
ド29も設けられている。そして、前記第一から第四の
支持ローラ4〜7の回転を停止させるブレーキ、前記第
五と第六との支持ローラ8,9を移動自在に支持する前
記ローラ移動機構、前記画像読取機構17、前記画像印
刷機構18、前記用紙読取機構26、前記用紙印刷機構
28、前記ファクシミリ機構の動作を制御する駆動制御
装置(図示せず)が設けられている。
【0030】そこで、この駆動制御装置は、前記ローラ
移動機構で前記第五と第六との支持ローラ8,9を移動
させる場合に、前記第一と第二との支持ローラ4,5を
停止状態にすると共に、前記第三と第四との支持ローラ
6,7を回転自在にすることで、前記シート体3を前記
黒板面15の位置では移動させることなく前記処理面1
6の位置では移動させる。同様に、前記第一と第二との
支持ローラ4,5を回転自在にすると共に、前記第三と
第四との支持ローラ6,7を停止状態にすることで、前
記シート体3を前記処理面16の位置では移動させるこ
となく前記黒板面15の位置では移動させる。
【0031】つまり、前記第一から第六の支持ローラ4
〜9の何れにも、これを回転駆動する機構は連結されて
おらず、上述のように前記第一から第四の支持ローラ4
〜7の回転を適宜規制した状態で、前記ローラ移動機構
により前記第五と第六との支持ローラ8,9を上下移動
させることで前記シート体3を順次転動させる。
【0032】そこで、前記ローラ移動機構による前記第
五と第六との支持ローラ8,9の移動で前記シート体3
を移動させる場合に、前記画像読取機構17と前記画像
印刷機構18との作動時には前記シート体3の移動速度
を低速とし、前記画像読取機構17と前記画像印刷機構
18との作動時には前記シート体3の画像処理装置の非
作動時にはシート体の移動速度を高速とする。より詳細
には、前記画像読取機構17と前記画像印刷機構18と
の作動時における前記シート体3の低速な移動速度は、
極めて遅い第一速度と比較的速い第二速度とに切替自在
であり、前記画像印刷機構18の作動時の前記シート体
3の移動速度は第一速度、前記画像読取機構17の作動
時の前記シート体3の移動速度は第二速度である。
【0033】なお、本実施例の図面では、構造を簡易に
理解できるように、支持ローラ4〜9を実際より大径に
誇張して図示している。
【0034】このような構成において、本実施例の電子
黒板装置1は、シート体3の黒板面15に手書きした画
像を、処理面16まで移動させて画像読取機構17で読
み取り、用紙印刷機構28で印刷用紙27に複写するこ
とができる。また、用紙読取機構26で読取原稿25か
ら読み取った画像を、画像印刷機構18でシート体3の
処理面16に印刷し、黒板面15まで移動させて掲示す
ることもできる。そして、上述のような場合、第一から
第四の支持ローラ4〜7の回転を適宜規制すると共に、
第五と第六との支持ローラ8,9を上下移動させること
で、シート体3を転動させる。
【0035】そこで、シート体3の黒板面15の画像を
処理面16まで移動させて画像読取機構17で読み取る
場合の動作を、以下に詳細に説明する。
【0036】まず、図4(c),(d)に示すように、第
一と第二との支持ローラ4,5は回転自在にすると共に
第三と第四との支持ローラ6,7を停止状態にしてか
ら、第五と第六との支持ローラ8,9を上方から下方に
移動させることで、シート体3の画像が記載された部分
を、黒板面15の位置から装置本体2の内部上方の位置
まで移動させる。
【0037】つぎに、図4(a),(b)に示すように、
第一と第二との支持ローラ4,5は停止状態にすると共
に第三と第四との支持ローラ6,7を回転自在にしてか
ら、第五と第六との支持ローラ8,9を下方から上方に
移動させることで、シート体3の画像の部分を、装置本
体2の内部上方の位置から処理面16の位置まで移動さ
せる。そこで、この移動に同期して画像読取機構17が
作動することで、装置本体2の内部上方から処理面16
に移動するシート体3の画像を画像読取機構17が順次
読み取る。
【0038】そして、上述のようにシート体3の画像を
黒板面15から装置本体2の内部上方まで移動させる際
には、ローラ移動機構による第五と第六との支持ローラ
8,9の移動を高速としてシート体3を高速で移動さ
せ、シート体3の画像を装置本体2の内部上方から処理
面16まで移動させる際には、ローラ移動機構による第
五と第六との支持ローラ8,9の移動を比較的低速とし
てシート体3を第二速度で移動させる。
【0039】すると、画像読取機構17が読取動作を開
始するまでは、シート体3が高速移動するので、読取動
作を迅速に開始することができ、画像読取機構17が読
取動作を開始すると、シート体3は第二速度で移動する
ので、読取動作を良好に実行することができる。
【0040】さらに、このようにシート体3を装置本体
2の内部上方から処理面16まで第二速度で移動させる
際には、シート体3は黒板面15の位置では移動しない
ので、画像読取機構17で処理面16の画像を読み取る
最中に、同時に黒板面15に次の画像を手書きすること
もできる。
【0041】つぎに、シート体3の処理面16に画像印
刷機構18で画像を印刷して黒板面15まで移動させる
場合の動作を、以下に詳細に説明する。
【0042】まず、図4(a),(b)に示すように、第
一と第二との支持ローラ4,5は停止状態にすると共
に、第三と第四との支持ローラ6,7を回転自在にして
から、第五と第六との支持ローラ8,9を下方から上方
に移動させることで、シート体3を処理面16の位置か
ら装置本体2の内部下方の位置まで移動させる。そこ
で、この移動に同期して画像印刷機構18が作動するこ
とで、処理面16から装置本体2の内部下方に移動する
シート体3に、画像印刷機構18が画像を印刷する。
【0043】つぎに、図4(c),(d)に示すように、
第一と第二との支持ローラ4,5は回転自在にすると共
に、第三と第四との支持ローラ6,7を停止状態にして
から、第五と第六との支持ローラ8,9を上方から下方
に移動させることで、シート体3の画像が印刷された部
分を、装置本体2の内部下方の位置から黒板面15の位
置まで移動させる。
【0044】そして、上述のようにシート体3を処理面
16から装置本体2の内部下方まで移動させる際には、
ローラ移動機構による第五と第六との支持ローラ8,9
の移動を極めて低速としてシート体3を第一速度で移動
させ、シート体3の画像を装置本体2の内部下方から黒
板面15まで移動させる際には、ローラ移動機構による
第五と第六との支持ローラ8,9の移動を高速としてシ
ート体3を高速で移動させる。
【0045】すると、画像印刷機構18による印刷動作
の実行中は、シート体3は最低の第一速度で移動するの
で、印刷動作を良好に実行することができ、画像印刷機
構18による印刷動作が終了すると、シート体3は高速
移動するので、画像掲示を迅速に実行することができ
る。
【0046】さらに、このようにシート体3を処理面1
6から装置本体2の内部上方まで第一速度で移動させる
際には、シート体3は黒板面15の位置では移動しない
ので、画像印刷機構18で処理面16に画像を印刷する
最中に、同時に黒板面15に次の画像を手書きすること
もできる。
【0047】しかも、上述のように画像読取機構17と
画像印刷機構18との作動中は、シート体3の移動速度
が低速とされるが、この速度が第一速度と第二速度とに
切り替わるので、読取動作と印刷動作とが各々最適な速
度で実行される。
【0048】また、第五と第六との支持ローラ8,9
は、シート体3の外面に当接するが、その中央部12は
両端部11より小径なので、シート体3の外面の画像に
は接触しない。そこで、黒板面15に手書きした画像を
処理面16まで移動させて画像読取機構17で読み取る
場合や、処理面16に画像印刷機構18で印刷した画像
を黒板面15まで移動させる場合でも、第五と第六との
支持ローラ8,9が画像を乱すことがない。
【0049】さらに、第一から第四の支持ローラ4〜7
の回転を停止させるブレーキと、第五と第六との支持ロ
ーラ8,9を上下移動させるローラ移動機構とで、シー
ト体3を順次転動させているので、駆動モータはローラ
移動機構の一個のステッピングモータだけで良く、第一
から第六の支持ローラ4〜9を回転駆動させる機構は要
しないので、構造が簡易で小型軽量化も容易である。な
お、ローラ移動機構の駆動モータとしては、第五と第六
との支持ローラ8,9との移動を精緻に制御するために
ステッピングモータが好ましいが、他のモータも利用可
能である。
【0050】なお、本実施例の電子黒板装置1では、軸
心方向が左右方向の支持ローラ4〜9でシート体3を上
下方向に転動自在に張架することを示したが、本発明は
上記実施例に限定されるものではなく、軸心方向が上下
方向の支持ローラでシート体を左右方向に転動自在に張
架することも可能である。
【0051】また、画像印刷機構18をインクジェット
方式とすることを示したが、本発明は上記実施例に限定
されるものでもなく、画像印刷機構として電子写真装置
やペンプロッタなど各種装置が利用可能である。
【0052】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、エンドレスのシ
ート体を第一の支持ローラと第二の支持ローラとで内側
から支持して黒板面を形成し、第一の支持ローラに対向
する第三の支持ローラと第二の支持ローラに対向する第
四の支持ローラとでシート体を内側から支持して印刷が
なされる処理面を黒板面と平行に形成し、第五の支持ロ
ーラを第一の支持ローラと第三の支持ローラとの間隙を
通過する位置で黒板面と処理面とに平行な位置の経路を
移動自在に支持してシート体を外側から支持させ、第六
の支持ローラを第二の支持ローラと第四の支持ローラと
の間隙を通過する位置で黒板面と処理面とに平行な位置
の経路を移動自在に支持してシート体を外側から支持さ
せ、第五の支持ローラと第六の支持ローラとを一体に移
動させるローラ移動機構と、ローラ移動機構で第五と第
六との支持ローラを経路上で移動させる場合に当該経路
上での移動の向きに応じて、第一と第二との支持ローラ
を停止状態にすると共に第三と第四との支持ローラを回
転自在にし、又は、第三と第四との支持ローラを停止状
態にすると共に第一と第二との支持ローラを回転自在に
する駆動制御装置と、を設けたことにより、ローラ移動
機構で第五と第六との支持ローラを移動させ、第二の支
持ローラと第四の支持ローラとから離反する第六の支持
ローラで、シート体を処理面の位置から内方に引き込む
と共に、第一の支持ローラと第三の支持ローラとに近接
する第五の支持ローラで、シート体を内方から処理面に
繰り出すことで、シート体を黒板面の位置では移動させ
ることなく処理面の位置では移動させることができるの
で、処理面の位置で画像印刷などを実行しながら黒板面
に画像を手書きするようなことができ、第一から第六の
支持ローラを回転駆動する機構を設ける必要もない
【0053】
【0054】請求項記載の発明は、ローラ移動機構に
よる第五の支持ローラと第六の支持ローラとの移動でシ
ート体を移動させる場合に、画像処理装置の作動時には
シート体の移動速度を低速としたことにより、シート体
の処理面に対する画像処理装置の処理動作を適正な速度
として、画像処理を良好に実行させることができ、さら
に、画像処理装置の非作動時にはシート体の移動速度を
高速としたことにより、画像を移動させる動作を高速と
して、ユーザの待ち時間を短縮することができる。
【0055】請求項記載の発明は、画像処理装置の作
動時におけるシート体の移動速度を遅い第一速度と速い
第二速度とに切替自在としたことにより、画像処理装置
の種類によりシート体の移動速度を切り替えるようなこ
とができる。
【0056】請求項記載の発明は、画像印刷機構の作
動時にはシート体の移動速度を第一速度とし、画像読取
機構の作動時にはシート体の移動速度を第二速度とした
ことにより、動作速度が遅い画像印刷機構と動作速度が
速い画像読取機構との各々に適正な速度でシート体を移
動させるので、画像印刷と画像読取とを各々に最適な速
度で実行できる。
【0057】請求項記載の発明は、第五の支持ローラ
と第六の支持ローラとは両端部より中央部が小径である
ことにより、シート体に外側から当接する第五の支持ロ
ーラと第六の支持ローラとが、シート体の表面の画像に
接触しないので、シート体の画像を第五と第六との支持
ローラが乱すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電子黒板装置の内部構造を
示す縦断側面図である。
【図2】電子黒板装置の外観を示す斜視図である。
【図3】第五と第六との支持ローラの外観を示す正面図
である。
【図4】シート体を順次移動させる動作を示す縦断側面
図である。
【符号の説明】
1 電子黒板装置 3 シート体 4 第一の支持ローラ 5 第二の支持ローラ 6 第三の支持ローラ 7 第四の支持ローラ 8 第五の支持ローラ 9 第六の支持ローラ 11 両端部 12 中央部 15 黒板面 16 処理面 17,18 画像処理機構 17 画像読取機構 18 画像印刷機構
フロントページの続き (72)発明者 広野 龍夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 実開 昭62−159692(JP,U) 実開 昭62−85483(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B43L 1/04 H04N 1/00 H04N 1/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドレスのシート体を第一の支持ロー
    ラと第二の支持ローラとで内側から支持して黒板面を形
    成し、前記第一の支持ローラに対向する第三の支持ロー
    ラと前記第二の支持ローラに対向する第四の支持ローラ
    とで前記シート体を内側から支持して印刷がなされる
    理面を前記黒板面と平行に形成し、第五の支持ローラを
    前記第一の支持ローラと前記第三の支持ローラとの間隙
    を通過する位置で前記黒板面と前記処理面とに平行な位
    置の経路を移動自在に支持して前記シート体を外側から
    支持させ、第六の支持ローラを前記第二の支持ローラと
    前記第四の支持ローラとの間隙を通過する位置で前記黒
    板面と前記処理面とに平行な位置の経路を移動自在に支
    持して前記シート体を外側から支持させ、前記第五の支
    持ローラと前記第六の支持ローラとを前記各経路上で
    体に移動させるローラ移動機構と、 前記ローラ移動機構で前記第五と第六との支持ローラを
    前記経路上で移動させる場合に当該経路上での移動の向
    きに応じて、前記第一と第二との支持ローラを停止状態
    にすると共に前記第三と第四との支持ローラを回転自在
    にし、又は、前記第三と第四との支持ローラを停止状態
    にすると共に前記第一と第二との支持ローラを回転自在
    にする駆動制御装置と、 を設けたことを特徴とする電子
    黒板装置。
  2. 【請求項2】 シート体の処理面と対向する位置に画像
    処理装置を配置し、ローラ移動機構による第五の支持ロ
    ーラと第六の支持ローラとの移動で前記シート体を移動
    させる場合に、前記画像処理装置の作動時には前記シー
    ト体の移動速度を低速とし、前記画像処理装置の非作動
    時には前記シート体の移動速度を高速としたことを特徴
    とする請求項1記載の電子黒板装置。
  3. 【請求項3】 画像処理装置の作動時におけるシート体
    の移動速度を遅い第一速度と速い第二速度とに切替自在
    としたことを特徴とする請求項記載の電子黒板装置。
  4. 【請求項4】 画像処理装置として画像読取機構と画像
    印刷機構とを処理面に対向配置し、前記画像印刷機構の
    作動時には前記シート体の移動速度を第一速度とし、前
    記画像読取機構の作動時には前記シート体の移動速度を
    第二速度としたことを特徴とする請求項記載の電子黒
    板装置。
  5. 【請求項5】 第五の支持ローラと第六の支持ローラと
    は両端部より中央部が小径であることを特徴とする請求
    項1記載の電子黒板装置。
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