JP3395116B2 - 茶飲料の製造方法 - Google Patents

茶飲料の製造方法

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仁 衣笠
賢一 中里
忠一 竹尾
徹 秦野
研治 福元
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株式会社 伊藤園
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、中性飲料である茶飲料
の製造方法に関するものであって、特に食品衛生法で決
められた過酷な加熱殺菌条件(120°C、4分間)以
下の温度領域で茶抽出液を殺菌し、風味等の品質を長期
保存できるようにした茶飲料の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】現在、中性飲料である茶飲料を加工する
際の保存方法として、通常加熱殺菌法、すなわちレトル
ト殺菌法(UHT殺菌法)が使用されており、食品衛生
法により少なくとも120°C、4分間、またはそれと
同等の効果条件で殺菌することが義務づけられている。
ただし、この条件では、完全な殺菌が困難であるため、
121°C、7分間の条件で加熱殺菌するのが一般的で
ある。 【0003】この方法によれば、簡便で安全性が高い反
面、処理した茶飲料の風味や品質を激しく劣化させるも
のであった。この劣化の原因は、一つに高温雰囲気下で
の二重結合基を持つ化合物(カテキン、ビタミンC、脂
質、揮発性成分等)の酸化分解、熱分解、或いは重合に
よるものであり、二つ目に高温多水系雰囲気下での不揮
発性高分子化合物(フラボン、テルペン類等の配糖類
等)の加水分解による揮発成分への変化等であり、これ
ら二つの主原因が新しい臭気成分を形成し、風味のバラ
ンスを崩し、風味の劣化を起こすものである。 【0004】そこで、これまでに本発明者らは、300
0気圧以上の高圧の下、100°C以下の温度領域で殺
菌処理する製造方法を開示している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】この方法によれば、確
かに上記食品衛生法で決められた温度領域以下で加工処
理することができるが、さらに加熱殺菌条件を緩和する
ことができれば一層香味や風味などの品質を維持するこ
とができて望ましい。また、上記の高圧処理法によれ
ば、栄養細胞の殺菌には有効であるが、胞子を持つ細菌
類を完全に殺菌するのは困難であった。 【0006】そこで本発明者は、新たな発想、すなわち
二段階処理により殺菌処理することにより、加熱最高温
度を抑えると共に高温領域での処理時間を短縮すること
により、食品衛生法で決められた過酷な加熱殺菌条件に
よる茶主要成分変化を最小限に抑えると共に、安全性が
高く、風味等の品質も一層長期保存できるようにした茶
飲料の製造方法を提供せんとするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明者は、茶抽出液を先ず第一段階の処理として
約40乃至90°Cの温度領域で、約3000気圧以上
の圧力を加えて約10分間以上処理した後、次に第二段
階の処理として約100乃至110°Cの温度領域で適
宜時間加熱処理することにより、茶の風味や品質の劣化
を最小限に抑え、かつ茶抽出液中の各殺菌類、特に芽胞
を持つ殺菌類を従来必要とされているよりも低い温度領
域で十分な殺菌効果が得られることを究明したものであ
る。 【0008】上記第一段階の処理において、加温は約4
0°Cよりも著しく低温とすると充分な殺菌効果を得る
ことができない一方、約90°Cよりも著しく高温とす
ると茶の香味などの品質を保持することが困難になる。
加圧は小であれば必要設備の費用を抑えることができて
経済的に好ましく、従来の高圧殺菌法に関する研究から
加熱温度及び加圧圧力をそれぞれ100°C・3000
kg/cm2 、60°C・6000kg/cm2 、30
°C・10000kg/cm2 とすれば充分な殺菌効果
を得られることが明らかになっているので、この加熱温
度と加圧圧力の相関関係と本発明において40°C・3
000気圧で完全な殺菌を行うことができた結果とか
ら、上記圧力3000気圧よりも低い1000気圧前後
であっても同様の効果を得ることができると推測でき
る。 【0009】上記第二段階の処理において、加熱は約1
00°Cよりも著しく低温とすると充分な殺菌効果を得
ることができない一方、約110°Cよりも著しく高温
とすると上記茶成分の化学変化により風味の劣化が生じ
て好ましくない。加熱時間は、約5分間乃至10分間と
した場合に完全な殺菌効果を得ることができ、かつ処理
後の品質が良好に保持されることが確かめられており、
10分間よりも著しく長とすると品質を保持することが
困難になり、5分間よりも著しく短とすると大型の処理
装置で工業的に製造する場合に均等に熱が伝わりにくく
なり充分な殺菌をするのが困難である。 【0010】また、一定の品質の茶を得る製造方法にお
いて処理時間と温度領域との関係は反比例的な関係にあ
るため、それぞれの温度領域を上記温度より高温に設定
して処理時間を短縮することが可能である一方、逆に処
理時間を延長して温度領域を低く設定することが可能で
ある。 【0011】なお、本発明においては、茶は、醗酵茶、
半醗酵茶、又は不醗酵茶のいずれのものであっても、同
様の効果を得ることができる。 【0012】 【実施例】本発明の実施例として、茶ポリフェノール類
を含有する茶を用いた。この茶抽出液を先ず約40乃至
90°Cの範囲内の所定温度に温度制御の下で約300
0気圧以上の圧力を加えて約10間以上加熱した後、次
に約100乃至110°Cの範囲内の所定温度に温度制
御のもとで数分間、好ましくは5乃至10分間加熱処理
することにより殺菌するものである。 【0013】これまでの高圧殺菌処理に関する研究によ
り、耐熱性芽胞菌類は加熱処理を併用しないと完全殺菌
が困難であることが明らかになっているので、この状況
を踏まえ、耐熱性芽胞菌類に対する本発明による殺菌効
果について調べた。 【0014】(実施例1)市販の中級煎茶などを用い
て、従来の高圧殺菌処理と、高圧処理後105°Cに加
熱処理したもの(本発明処理)との殺菌効果について比
較を行った。 【0015】茶抽出液に各供試菌を106 個/mlにな
るように調整し、以下の各条件で処理した。供試菌とし
ては、耐熱芽胞菌類の中でも特に強いとされている以下
の3菌種を使用した。 【0016】即ち、 A:バチルス リケニフォルミス IFO 1220
0、 B:バチルス セレウス IFO 1220
0、 C:バチルス コアグランス IFO 1220
0、 である。 【0017】処理条件としては、1:未処理、2:30
00気圧、70°Cで20分間処理(従来の高圧処理)
した。又、本発明の処理として、以下の条件で処理し
た。即ち、 3−1:3000気圧、40°Cで20分間処理後10
5°Cで5分間加熱処理、 3−2:3000気圧、70°Cで20分間処理後11
0°Cで5分間加熱処理、 3−3:7000気圧、40°Cで20分間処理後10
5°Cで5分間加熱処理、 3−4:7000気圧、70°Cで20分間処理後11
0°Cで5分間加熱処理、 を行った。 【0018】この結果を下記の表1乃至表3に示した。
表1乃至表3はそれぞれ、表1は各処理条件で煎茶を殺
菌処理した後の生存細胞菌胞子数を、表2は各処理条件
でウーロン茶を殺菌処理した後の生存細胞菌胞子数を、
表3は各処理条件で紅茶を殺菌処理した後の生存細胞菌
胞子数を示すものである。 【0019】 【表1】 【0020】 【表2】 【0021】 【表3】【0022】この結果より、従来の加圧処理方法では困
難であった3菌種の完全殺菌が本発明の殺菌方法によれ
ば、上記の全ての条件下で行われており、少なくとも3
000気圧、40°Cで20分間処理後105°Cで5
分間加熱処理すれば上記菌種の完全殺菌を行うことがで
きることが判明した。 【0023】(実施例2)市販の中級煎茶を用いて、本
発明処理後の保存試験を行った。茶抽出液(煎茶、ウー
ロン茶、紅茶)を3000気圧、40°Cで20分間処
理後105°Cで5分間加熱処理し、これを37°C、
55°Cの下でそれぞれ一か月保存した。保存中、7日
ごとにサンプリングして微生物の生存数の経時的変化を
調べた。 【0024】その結果を下記の表4に示した。 【0025】 【表4】 【0026】この結果より、1か月保存後も微生物の発
生変化は見られないことを確認した。このことから、本
発明の処理によれば、殺菌類を増殖させないで処理した
茶を保存できることが判明した。 【0027】(実施例3) 【0028】従来の加熱殺菌処理(レトルト殺菌)と本
発明処理による官能検査について比較した。 【0029】処理条件としては、レトルト殺菌は121
°Cで7分間処理する一方、本発明の処理は3000気
圧、70°Cで20分間処理後110°Cで5分間加熱
処理した。 【0030】そして、こうして殺菌処理された茶をパネ
ラー6名により、味、香り、水色について官能検査を行
った。その結果を以下の表5に示した。 【0031】 【表5】【0032】これより、レトルト殺菌処理と本発明処理
を比較すると、この条件下ではレトルトの場合よりも本
発明処理の方が、味、香り、水色の官能面について顕著
に優れていることが判明した。また、温度領域を110
°C以下に設定した場合、さらに顕著な結果を得ること
ができるのは明らかである。したがって本発明によれ
ば、従来のレトルト殺菌に比べて味、香り、色などの品
質を確実に良好に保持できることが確かめられた。 【0033】 【発明の効果】本発明によれば、食品衛生法に定められ
た殺菌効果以上の効果を得ることができるばかりか、従
来の高圧殺菌処理では困難であった殺菌も完全に行うこ
とができるなど一層優れた殺菌効果を得ることができ
る。さらには、食品衛生法で義務付けられている過酷な
高温領域での殺菌条件を、殺菌処理を二段階に分け、高
温領域の処理時間を短縮することにより緩和し、長期的
に殺菌類が増殖せず安全性を確保でき、風味等の品質が
保持された茶飲料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秦野 徹 北九州市戸畑区大字中原46番地の59 新 日本製鐵株式会社化学プラント・タンク 部内 (72)発明者 福元 研治 川崎市中原区井田1618 新日本製鐵株式 会社ライフサイエンスセンター内 (56)参考文献 特開 平5−49401(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23F 3/00 - 3/40

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 殺菌工程を第一段階の殺菌処理と第二段
    階の殺菌処理とに分割し、第一段階の殺菌処理として、
    茶抽出液を約40乃至90℃の温度領域で、約3000
    気圧以上の圧力を加えて約10分間以上処理した後、
    二段階の殺菌処理として、約100乃至110℃の温度
    領域加熱処理することを特徴とする茶飲料の製造方
    法。
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CN101778571B (zh) * 2007-08-08 2013-10-30 花王株式会社 茶提取物的制造方法
JP5111096B2 (ja) * 2007-12-27 2012-12-26 花王株式会社 茶抽出物の製造法

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