JP2001086964A - 有害微生物の完全殺菌方法 - Google Patents

有害微生物の完全殺菌方法

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JP2001086964A
JP2001086964A JP26955799A JP26955799A JP2001086964A JP 2001086964 A JP2001086964 A JP 2001086964A JP 26955799 A JP26955799 A JP 26955799A JP 26955799 A JP26955799 A JP 26955799A JP 2001086964 A JP2001086964 A JP 2001086964A
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Minoru Murakami
実 村上
Noriaki Kuroda
憲彰 黒田
Yutaka Kimura
豊 木村
Katsuhiko Narita
勝彦 成田
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Tokai Bussan Co Ltd
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UMEDA JIMUSHO KK
Tokai Bussan Co Ltd
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  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物中に存在する有害微生物の完全殺菌
方法を提供する。 【解決手段】 殺菌剤を被処理物中に残存させることな
く被処理物中に存在する好熱菌及び耐熱性芽胞菌を完全
殺菌する方法であって、被処理物を殺菌剤で処理した
後、低圧過熱水蒸気で処理することを特徴とする殺菌方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品製造過程等に
おいて、食材等の被処理物中に存在する有害微生物を確
実に完全殺菌する方法に関する。本発明は、特に、従来
技術では、完全殺菌が困難であった被処理物中に存在す
る好熱菌及び耐熱性芽胞菌類を完全殺菌する方法として
有用である。
【0002】
【従来の技術】一般に、殺菌は、有害な微生物を制御す
るための一手段である。その他の有害微生物の制御法と
して、例えば、遮断(汚染防止)、除菌、抑制(静菌)
等の手段があるが、何れも対症療法的なものであり、決
め手に欠ける面がある。また、殺菌法についても、従来
の殺菌法、即ち、加熱、薬剤、照射、及びその他の超音
波、超高圧、電気的衝撃等による殺菌法は、一長一短が
あり、各々、コスト、被処理物の品質保持、安全性、性
能等に何らかの問題を抱えているという点で、必ずしも
コスト/パフォーマンス等を満足させられる方法ではな
い。
【0003】一方、例えば、殺菌が最も必要かつ重要と
される食品産業の分野においては、消費者ニーズの多様
化、即ち、低価格志向、高級化・個性化志向、利便性志
向、健康志向等に即応して、食品の本来の品質を損なう
ことなく、しかも、有害な微生物を確実に制御し、安全
かつ確実に殺菌する方法を開発することが、強く要請さ
れている。即ち、強力な殺菌剤の必然である残存毒性の
問題を確実に解決すること、被処理物の品質劣化とコス
ト高を招くことなく残存薬剤を完全に除去すること等の
問題を同時的に満足させることが可能な新しい殺菌処理
方法を開発することが重要であり、そのために強力殺菌
剤の使用量及びその処理時間を極小化すること、これに
伴う不完全殺菌を補完し、しかも被処理物中に残存する
当該殺菌剤の完全除去を可能とする新しい殺菌システム
の構築が強く求められているのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、鋭意研究を積み重ねた結果、酸化性
の殺菌剤と還元性低圧過熱水蒸気処理とを複合的に組み
合わせることによって、被処理物の品質劣化を極小に保
ち、しかも、殺菌剤を被処理物に残存させることなく、
被処理物中に存在する好熱菌及び耐熱性芽胞菌を含む有
害微生物を完全に殺菌することに成功し、本発明を完成
するに至った。本発明は、有害な微生物に対して強力な
殺菌効果を有する殺菌剤の作用を最大限に活かしつつ、
これと還元性低圧過熱水蒸気処理とを併用することによ
って、従来の殺菌法では完全殺菌が不可能であった被処
理物中に存在する好熱菌及び耐熱性芽胞菌を完全殺菌す
ることを可能とする新しい殺菌方法を提供することを目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)殺菌剤を被処理物中に残存させることなく被処理
物中に存在する好熱菌及び耐熱性芽胞菌を完全殺菌する
方法であって、被処理物を殺菌剤で処理した後、低圧過
熱水蒸気で処理することを特徴とする殺菌方法。 (2)殺菌剤が、酸化性物質である前記(1)に記載の
殺菌方法。 (3)殺菌剤が、オゾン、過酸化水素から選択される1
種以上である前記(1)に記載の殺菌方法。 (4)被処理物が、食品である前記(1)に記載の殺菌
方法。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明は、好適には、第1段階として、オゾ
ン、過酸化水素等の強酸化剤による処理を、耐熱性菌類
に損傷を与える程度に施し(即ち、この段階では敢えて
完全殺菌に必須な過酷な処理を施さない)、然る後に、
第2段階として、低圧過熱水蒸気で被処理物を処理する
ことを特徴とするものである。これにより、本発明は、
被処理物中に残存する酸化剤を完全に還元分解し、か
つ、還元性の過熱水蒸気により処理することによって、
強酸化剤で一次処理した微生物(特に、好熱菌及び耐熱
性芽胞菌)を二次的に完全殺菌するものである。
【0007】本発明において、殺菌剤としては、酸化性
物質、例えば、強酸化剤のオゾン、過酸化水素、次亜塩
素酸ソーダ、二酸化塩素等を、また、過熱水蒸気として
は、低圧過熱水蒸気、高圧過熱水蒸気を好適に使用する
ことが出来る。
【0008】オゾンの好ましい使用形態としては、オゾ
ン水が例示される。オゾンは水難溶性であり、従来はオ
ゾンガスを水中に吹き込む形で使用されて来た。しかし
ながら、オゾン気泡が粗いために、被処理物との接触が
不充分で、必ずしも効果的にその殺菌力を発揮させるこ
とが出来ないという問題があった。近年、微小多孔性中
空管が開発され、これを使ってオゾンを微小気泡体とし
て、水中に拡散させることによって、従来法に比較し
て、はるかに効率良く殺菌効果を発揮出来る様になって
いる。本発明においても、例えば、この様な微細オゾン
気泡分散水を用いることが好ましい。この種の新しいオ
ゾン水製造装置としては、例えば、(株)ニッスイのN
ー550、神鋼ファドラー(株)のDーOZONE、等
が例示される。過酸化水素、次亜塩素酸ソーダ等は、市
販品を使用することが出来る。
【0009】過熱水蒸気としては、低圧過熱水蒸気と高
圧過熱水蒸気が知られている。本発明においては、何れ
の過熱水蒸気も使用可能であるが、例えば、食材の殺菌
システムとしては、コスト/パフォーマンス等の観点か
ら、好ましくは低圧過熱水蒸気が用いられる。 低圧過
熱水蒸気処理装置としては、例えば、株式会社中国メン
テナンス製のSHS焼成機が例示される。この種の過熱
水蒸気(以下、SHSと記載することがある)の特徴
は、還元性雰囲気下での対流と熱放射性ガス(過熱水蒸
気)によって被処理物を効率よく加熱等の処理が出来る
ことである。このために、SHSは、具体的には、以下
のようなメリットがあると考えられる。 ・被処理物の熱酸化による劣化がない。 ・伝熱が良く、熱効率が良い。 ・特に、食材に適用した場合、ドリップの発生が少な
い。 ・被処理物の表面硬化が無く、ポーラスに仕上がる。 ・歩留が良い。 ・火力や電力(電磁波)を使用しないので安全性が高
い。 ・連続処理が簡便に出来る。 しかし、SHSでは水分蒸発を不可避的に伴うために、
SHS処理だけでは、好熱菌及び耐熱性芽胞菌を含む有
害微生物の完全殺菌を望むことは無理である。
【0010】本発明の、殺菌剤処理とSHS処理とを組
合わせて成る新しい殺菌システムにおいて、その処理対
象としては、例えば、農産物、畜産物、水産物等の食材
及びその加工品、その他、医療器具、食器類、等が例示
されるが、特に好適な例として、好熱菌、耐熱性芽胞菌
等を含む又は汚染された食材等が挙げられる。これらの
微生物は、何れも耐熱性であって、最も良く使用されて
いる高温短時間殺菌法を適用しても完全には殺菌され
ず、また、完全殺菌まで高温加熱処理することは、被処
理物の熱劣化の点で限界がある。品質よりも完全殺菌を
優先して、このような処理を施した加工食品の典型が缶
詰である。
【0011】一方、強力な殺菌剤による処理について
も、薬剤の被処理物への接触が不均一になること及びそ
れに起因する不完全殺菌の問題を回避することが出来
ず、また、そのために、殺菌剤の処理濃度を上げること
も、例えば、過酸化脂質の生成、抗酸化性成分の減少、
蛋白や糖質の過酸化物質に由来する変異原性の発現、等
の指摘があるように、特に、安全性の問題から困難であ
る。従来、強力なオゾンでも、被処理物の安全性及び品
質を損なうことなしに、耐熱性芽胞菌を完全殺菌するこ
とは出来なかった。
【0012】従来法では、完全殺菌が困難な有害な微生
物である耐熱性芽胞子菌の代表例としては、グラム陽性
菌に属するBacillus類、例えば、B. cereus B. polymy
xaB. circulans B. coagulans B. subtilis B. stea
rothermopholis B. mesentricus B. licheniformis
B. macerns B. brevis B. megaterium 、等が、Clostri
dium.類、例えば、Cl. thermoaceticum Cl. thermosac
charolyticum Cl. pasturianum Cl. sporongenes Cl.
butyricum Cl. bifermentans等が例示される。
【0013】本発明において、酸化剤等の酸化性物質に
より食材等を処理する方法は、酸化剤水溶液に食材等を
浸漬することが基本であるが、それには、酸化剤の殺菌
効果を最大限に発揮させるための条件を設定することが
必要である。例えば、食材の場合、被処理物の表面に付
着している無機塩類、有機物、例えば、血液、脂質等を
予め除去しておくこと、被処理物の種類に応じて酸化剤
の濃度の最適化、撹袢により酸化剤水溶液と被処理物と
の均一な接触を図ること、酸化剤水溶液の液温を制御す
ること(例えば、0℃〜90℃)、浸漬時間の最適化
(例えば、数秒〜4 時間)等を重要な要素として、適宜
設定する。
【0014】酸化剤で処理した被処理物は、その処理の
終了後、直ちに、あるいは所定の条件下に静置後に、そ
のまま又は水洗して、過熱水蒸気により所定の条件で処
理される。過熱水蒸気は、高圧及び低圧の何れの過熱水
蒸気も使用可能であるが、低圧過熱水蒸気が好ましく、
その場合、処理装置として、例えば、中国メンテナンス
(株)のSHS蒸焼機/焼成コンベアユニットKー50
00を使用することが出来る。装置の操作条件は、被処
理物及び使用する殺菌剤の種類に応じてその最適条件が
異なるが、具体的には、例えば、被処理物を所定速度の
ベルトコンベアで移動させながら、先ず、飽和水蒸気に
より予備加熱をした後、100℃以上300℃以下の過
熱水蒸気を被処理物に放射して、被処理物中に残存する
殺菌剤の完全分解及び残存有害微生物の完全殺菌を同時
的に、しかも、被処理物の品質劣化を最小限に留めて、
連続的に行う方法が例示される。被処理物が食材の場
合、残存薬剤の完全分解及び残存有害微生物の完全殺菌
とともに、必要に応じて、加熱調理を同時的に行うこと
も適宜可能である。
【0015】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、以下の実施例は本発明の好適な例を示すもの
であり、本発明は、当該実施例によって何ら限定される
ものではない。 実施例1 本実施例では、オゾン水による耐熱性芽胞菌 Bacillus
stearothermophilusの殺菌試験を実施した。 1)B. stearothermophilus 芽胞菌の懸濁液の調製 当該耐熱性芽胞菌((財)発酵研究所から入手)を常法
に従って滅菌水に懸濁させ、所定の芽胞菌の懸濁液を調
製した。 2)当該芽胞菌のオゾン水による殺菌試験 当該芽胞菌の懸濁液を15℃で10分間、2.0,4.
0,6.0,及び8.0ppmのオゾン水で処理し、残
存する芽胞菌を常法に従って検定した。その結果、有効
オゾン濃度は、4.0ppmであった。 3)オゾン濃度2ppmにおける当該芽胞菌の半減期の
測定試験 当該芽胞菌懸濁液を15℃で、2ppmのオゾン水で各
20,40,60,80,及び100分間処理して、常
法に従って生存する芽胞菌数を測定した。その結果、当
該芽胞菌の半減期は、40分であった。 4)半減期処理条件下でオゾン処理された当該芽胞菌の
耐熱性試験 オゾン無処理を対照として、半減期処理条件下でオゾン
処理された当該芽胞菌(即ち、オゾン不完全殺菌処理芽
胞菌)の121℃における完全殺菌時間を測定した。そ
の結果、完全殺菌時間は、5分であることが判明した。
当該条件下での対照の殺菌率は、僅かに10%で且つ完
全殺菌時間も1時間であった。以上の試験の結果、上記
オゾン不完全殺菌処理芽胞菌は、その熱耐性を低下させ
ることが判明した。
【0016】実施例2 本実施例では、耐熱性芽胞菌 Bacillus syearophilusの
オゾン処理及び低圧過熱水蒸気による殺菌試験を実施し
た。実施例1の1)−4)に準じて、半減期処理条件下
でオゾン処理された当該芽胞菌の懸濁液を用いて、常法
に従って、グラスフィルターGF− 7 5(アドバンテッ
ク東洋(株)製)に芽胞菌を固定し、当該固定芽胞菌
を、100,120,150,及び200℃で3分間S
HS(過熱水蒸気)処理した。その結果、完全殺菌温度
は100℃であり、対照の120℃のみならず、実施例
1の1)−4)の処理例の通常の加熱完全殺菌温度11
0℃、に比較して、著しく低いことが判明した。この試
験結果は、オゾン処理及びSHS処理が、耐熱性芽胞菌
に対して著しい相乗殺菌効果を示し、且つ通常の高温加
熱とオゾン処理との組合わせに比較しても、遥かに優れ
た殺菌効果を有することを示す。
【0017】実施例3 本実施例では、過酸化水素水による耐熱性芽胞菌 Bacil
lus stearophilusの殺菌試験を実施した。 1)有効過酸化水素濃度の測定 実施例1に準じて、所定濃度の過酸化水素水で120分
間殺菌試験を実施し、有効H22 濃度が6.0%であ
ることを確認した。 2)3.0%過酸化水素水処理条件下での当該芽胞菌の
半減期の測定 実施例1の1)−3)に準じて、3.0%過酸化水素に
よる当該芽胞菌の殺菌試験を実施し、当該芽胞菌の半減
期は、3.0時間であることを確認した。 3)半減期条件下で過酸化水素水殺菌処理された当該芽
胞菌の耐熱性試験 実施例1の1)−4)に準じて、無処理を対照として、
121℃加熱殺菌試験を実施した。その結果、完全殺菌
時間は10分であることが判明した。この条件下での対
照の殺菌率は10%で、且つ完全殺菌時間も1時間であ
った。この試験の結果、過酸化水素水処理によって、当
該芽胞菌の耐熱性が低下することが判明した。
【0018】実施例4 本実施例では、半減期条件下で過酸化水素水処理された
耐熱性芽胞菌のSHS処理試験を実施した。実施例2に
準じて、SHS処理試験を実施した。その結果、完全殺
菌温度が100℃で、対照の120℃はもとより、実施
例3の1)−3)の処理例の120℃に比較しても、著
しく低下していることが判明した。この結果、過酸化水
素水処理及びSHS処理は優れた相乗効果を示すことが
明らかとなった。
【0019】実施例5 本実施例では、耐熱性芽胞菌で汚染された、廃鶏中抜屠
体から常温流通無菌パック低濃縮チキンエキスを製造し
た。 1)生中抜屠体からの無菌充填チキンエキスの製造及び
保存試験 中抜屠体400kgに1200l加水し、98〜100
℃で7時間加熱して、Bx°1.7のエキス1300l
を得た。これを定法により濃縮して、Bx°10.6の
濃縮エキス206kgを得た。当該エキスを常法によっ
て130℃で30秒間殺菌し、無菌充填した。この2k
gパックエキスの細菌を検査した結果、一般生菌数、細
菌芽胞数、大腸菌群及び好熱菌は何れもゼロであった。
当該充填エキスの無菌試験を常法により実施した結果、
37℃では陰性、55℃では陽性であった。当該エキス
のアンセリン・カルノシン含量、品質及び官能検査の評
価結果を表1に示す。
【0020】2)SHS処理中抜屠体からの無菌充填チ
キンエキスの製造及び保存試験 中抜屠体1300gをSHSで260℃で3分間処理
し、3900ml加水して98〜100℃で5時間抽出
し、抽出エキスを濃縮して、Bx°10の濃縮エキス6
50gを得た。これを常法によって殺菌し、無菌充填し
た。当該エキスの一般生菌数、細菌芽胞数、大腸菌群及
び好熱菌は何れもゼロであった。この無菌パックエキス
(2区)の無菌試験の結果、37℃では何れも陰性、5
5℃では1区が陰性、他は陽性であった。当該エキスの
アンセリン・カルノシン含量、品質及び官能検査の評価
結果は、表1に示すように、無処理に比べ、優るとも劣
らない結果が得られた。
【0021】
【表1】
【0022】実施例6 本実施例では、オゾン処理後にSHS処理した中抜屠体
からの無菌充填チキンエキスの製造及び保存試験を実施
した。十分に洗浄して血液、油分等を予め除去した中抜
屠体を、先ず8ppmのオゾン水に15℃で40分間浸
漬した後、SHSで270℃で2分間処理した屠体を、
実施例5の1)と同様にして、無菌充填チキンエキスを
調製し、これを同様に、保存試験に供した。その結果、
一般生菌数、細菌芽胞数、大腸菌群数及び好熱菌は何れ
もゼロであった。更に、無菌試験を行った結果、37℃
及び55℃においても全て陰性であった。尚、当該エキ
スの歩留は48%、アンセリン・カルノシン含量、品質
及び官能検査の評価結果は、前記表1に示すように、無
処理に比べて何ら遜色がないものであった。以上の結果
から、当該殺菌方法は、従来方法にない殺菌システムと
して、常温流通が可能で安全性の高い、高呈味・高機能
性丸鶏チキンエキスの製造に極めて有用であることがわ
かった。
【0023】実施例7 本実施例では、過酸化水素水処理及びSHS処理中抜屠
体からの無菌充填チキンエキスの製造及び保存試験を実
施した。十分に洗浄して血液、油分等を予め除去した中
抜屠体を、先ず6%の過酸化水素水に1時間浸漬後、S
HSで270℃で2分間処理し、これから実施例5の
1)と同様にして、無菌充填チキンエキスを調製し、こ
れを保存試験に供した。その結果、一般生菌数、細菌芽
胞数、大腸菌群数及び好熱菌は何れもゼロであり、無菌
試験の結果も、37℃及び55℃の何れに於いても陰性
であった。過酸化水素水で処理した後の屠体に含まれる
残存過酸化水素は、0.1%であったが、これを上記条
件下でSHS処理した屠体中では、残存過酸化水素は検
出されなかった。当該エキスの歩留は49%、アンセリ
ン・カルノシン含量、品質及び官能検査の評価結果は、
前記表1に示すように、無処理と比較しても何ら遜色が
ないことが判明した。これらの結果から、当該殺菌方法
は、安全性が高く、有用成分の劣化を最小に留め、食材
の常温流通を可能にするものとして有用であることがわ
かった。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、殺菌剤
を被処理物中に残存させることなく被処理物中に存在す
る好熱菌及び耐熱性芽胞菌を完全殺菌する方法であっ
て、被処理物を殺菌剤で処理した後、低圧過熱水蒸気で
処理することを特徴とする殺菌方法であり、本発明によ
り、1)好適菌及び耐熱性芽胞菌類を簡便かつ確実に完
全殺菌することができる、2)殺菌剤による残存毒性の
問題を確実に解決することができる、3)本発明によっ
て開発された殺菌剤・過熱水蒸気処理の複合的殺菌方法
は、従来の殺菌法では不可能であった、デリケートな食
材の品質を損なうことなく、食材中にコンタミする有害
微生物、特に、耐熱性芽胞菌を効果的に完全殺菌すると
ができる、4)食品の安全性の向上を図ることができ
る、5)この新技術の応用によって、食材の本来の栄養
成分を損なうことなく常温で流通・保存出来る加工食品
を提供することができる、等の効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 2/16 A61L 2/16 Z (72)発明者 黒田 憲彰 北海道勇払郡早来町字富岡254番 東海物 産株式会社北海道工場内 (72)発明者 木村 豊 北海道勇払郡早来町字富岡254番 東海物 産株式会社北海道工場内 (72)発明者 成田 勝彦 北海道勇払郡早来町字富岡254番 東海物 産株式会社北海道工場内 Fターム(参考) 4B021 LA41 LP04 LP07 MC01 MK01 MK13 MK15 4C058 AA21 BB05 BB07 JJ14 JJ16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺菌剤を被処理物中に残存させることな
    く被処理物中に存在する好熱菌及び耐熱性芽胞菌を完全
    殺菌する方法であって、被処理物を殺菌剤で処理した
    後、低圧過熱水蒸気で処理することを特徴とする殺菌方
    法。
  2. 【請求項2】 殺菌剤が、酸化性物質である請求項1に
    記載の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 殺菌剤が、オゾン、過酸化水素から選択
    される1種以上である請求項1に記載の殺菌方法。
  4. 【請求項4】 被処理物が、食品である請求項1に記載
    の殺菌方法。
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