JP3392540B2 - 半導体メモリ装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体メモリ装置及びその製造方法

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JP3392540B2
JP3392540B2 JP23082894A JP23082894A JP3392540B2 JP 3392540 B2 JP3392540 B2 JP 3392540B2 JP 23082894 A JP23082894 A JP 23082894A JP 23082894 A JP23082894 A JP 23082894A JP 3392540 B2 JP3392540 B2 JP 3392540B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体メモリ装置及び
その製造方法に係り、特に容量部内のキャリアの分布状
態の変化による分極の変化を用いてデータを記憶するこ
とを特徴とした不揮発性メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体メモリの一つとしてDRA
M(Dynamic Random Access Memory)が広く使用されて
いる。代表的なDRAMの単位メモリセル(メモリセ
ル)は1個の蓄積容量と1個のスイッチングMOSトラ
ンジスタからなり、選択されたメモリセルの蓄積容量に
書き込まれた“0”状態または“1”状態のデータに対
応する電圧をビット線から信号として取り出し、センス
アンプで増幅してデータを読み出す。DRAMのデータ
は1回読み出すと破壊されるので、リフレッシュ動作
(読み出したデータを再書き込みする動作)が必要であ
る。更にDRAMの場合、電源を切ると記憶していたデ
ータは消えてしまう。
【0003】一方、電源を切っても記憶していたデータ
が保持されていることを特徴とする不揮発性メモリとし
てフラッシュEEPROM(Electrically Erasable Pro
grammable Read Only Memory)などがある。代表的なフ
ラッシュEEPROMのメモリセルは制御ゲート電極と
半導体基板の間に浮遊ゲート電極を有するいわゆるスタ
ックトゲート(Stacked gate)構造の1個のMOSFET
からなり、この浮遊ゲートに蓄積された電荷の量による
MOSFETのしきい値変化で、データを記憶する。デ
ータを書き込むには、ドレイン領域に高電圧を印加して
発生したホットキャリアがゲート酸化膜のエネルギ障壁
を乗り越えることで、あるいはゲート酸化膜に高電界を
印加してF−N(Fowler-Nordheim)トンネル電流を流す
ことで、キャリア(一般には電子)を半導体基板から浮
遊ゲートに注入する。データの消去は、上記とは逆方向
の高電界をゲート酸化膜に印加し浮遊ゲートから半導体
基板にキャリアをF−Nトンネルによって引き抜くこと
により行なう。しかし、F−N電流やホットキャリア注
入にはメモリセル内部に高電界を生じさせる必要がある
ので、書き込み・消去時の低電圧化が困難であった。さ
らに、書き込み・消去時に浮遊ゲート電極とメモリセル
外部とのキャリアのやり取りが必要であることが低電圧
化の障害となっている。また、従来のフラッシュEEP
ROMはDRAMの様なリフレッシュ動作が不要な反
面、DRAMに較べデータ書込み及び消去に要する時間
が桁違いに長い。
【0004】さらに、ゲート絶縁膜を構成するシリコン
酸化膜をF−N電流やホットキャリア注入によりキャリ
アが頻繁に通過することで、シリコン酸化膜ブレークダ
ウンが生じるという問題もあった。例えば下記技術文献
“Oxcide breakdown dependence on thickness and hol
e current ”(I.C.Chenet. al. International Electr
on Device Meeting, Technical Digest p.660 −663 )
に開示されるように、シリコン酸化膜におけるホールの
発生や局在点へのトラッピングによって生じる正帰還効
果によって、シリコン酸化膜のブレークダウンが生じる
ことが示唆されている。一方、同文献には、ホールの発
生には大きなエレクトロンエネルギーを要するが、シリ
コン酸化膜が薄ければエレクトロンエネルギーも小さく
なるので、極めて薄いシリコン酸化膜では信頼性が向上
することが示されている。
【0005】その他の不揮発性メモリとしてNV−RA
M(Non-Volatile RAM )があり、代表的なNV−RAM
のメモリセルはゲート絶縁膜として強誘電体膜を用いた
1個のMFS(Metal-Ferrodielectric-Semiconductor)
FETからなり、この強誘電体膜のイオン分極の状態を
電界を印加する向きにより変化させることで、該MFS
FETのしきい値を変えデータを記憶するものがある。
【0006】また、例えば特開平4−97564号公報
に開示されるように、上記強誘電体膜のイオン分極をあ
たかも“電子双極子”による分極に置き換えた半導体装
置がある。これは、図19(a)に示すように、Si基
板の表面領域形成されたドレイン領域及びソース領域
と、ゲート電極とを有するFETの構造を有している。
そして、ゲート電極とSi基板との間に、多層膜からな
る容量部を設けたものである。この容量部において、絶
縁膜障壁の間に設けられた複数の活性領域が上記強誘電
体膜の単位結晶格子に各々対応し、図19(b)に示す
ように、印加する電界により該各活性領域内に設けられ
たトンネル障壁を介してキャリアが行き来することで、
該キャリアを局在させデータを記憶するように構成され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公報のような電子
双極子を利用する構成では、キャリアが移動するトンネ
ル膜は極めて薄いので、キャリアの移動に要するエネル
ギーが小さくて済み、キャリアの通過に伴うブレークダ
ウンという問題はほとんど生じない。しかし、電子双極
子によって生じる双極子モーメントの大きさは、電荷の
大きさと正電荷−負電荷間の距離とを乗じたものとなる
ので、上記公報のような極めて薄いトンネル膜を介して
キャリアを局在させても、大きな双極子モーメントを生
ぜしめることはできない。このため、電子双極子によっ
て生じる電界の変化はごく小さいものであり、下方のド
レイン領域とソース領域との間に流れる電流特性の変化
によってデータを読み取るのが困難である。一方、この
問題を解決すべくトンネル障壁を構成する膜の厚みを厚
くすると、データの書き込み・消去のための電圧が高く
なり、高電圧化を招いて消費電力が増大する。また、キ
ャリアの移動に要するエネルギーも増大するので、前述
のようなシリコン酸化膜のブレークダウンが生じる虞れ
がある。
【0008】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、半導体メモリ装置に、印加電圧に応
じてキャリアの分極状態が変化する構造を有する容量部
を設けるとともに、この容量部内における分極状態から
得られる双極子モーメントの大きさを増大させる手段を
講ずることにより、データの書き込み・消去時における
所要電圧の低い、かつデータ保持力の優れた半導体メモ
リ装置及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が講じた手段は、キャリアの捕獲が可能なエネ
ルギーレベルを有する層のキャリア捕獲状態の相違を利
用して、双極子モーメントの大きい分極状態を生ぜし
め、この分極状態の相違をデータに対応させて保持する
ことにある。
【0010】本発明の第1の半導体メモリ装置は、第1
導電性部材と第2導電性部材との間に情報を記憶するた
めの容量部を配置した少なくとも1つの単位メモリセル
を有する半導体メモリ装置を対象とする。そして、上記
容量部に、上記第1導電性部材に隣接し、キャリアの通
過を妨げる高いエネルギー障壁を有する第1障壁層と、
上記第1障壁層を介して上記第1導電性部材と対向し、
キャリアの移動が可能なエネルギーレベルを有するキャ
リア移動層と、上記キャリア移動層と上記第2導電性部
材との間に介設され、キャリアの通過を妨げる高いエネ
ルギー障壁を有する第2障壁層と、上記キャリア移動層
と上記第1障壁層,第2障壁層のうちの少なくともいず
れか一方との間に介設され、キャリアの捕獲が可能なエ
ネルギーレベルを有する少なくとも1つのキャリア捕獲
層とを設ける。そして、上記容量部を、上記第1導電性
部材と第2導電性部材間に印加される少なくとも2値の
電圧の変化に応じ、上記キャリア捕獲層によるキャリア
の捕獲状態を変化させて、これにより生じる少なくとも
2つの相異なる分極状態を記憶データとして保持するよ
うに構成したものである。
【0011】これにより、第1導電性部材と第2導電性
部材との間に印加される電圧に応じて、容量部内におけ
る分極状態が変化するので、各導電性部材間の電圧に対
応した各分極状態をデータとして記憶することが可能と
なる。その場合、キャリア移動層の厚みを大きくしても
キャリアの移動に要するエネルギーは小さくて済む。し
たがって、容量部内における分極の各極間距離を大きく
することができるので、分極により生じる双極子モーメ
ントが極めて大きくなり、大きなデータ保持機能が得ら
れることになる。しかも、キャリア捕獲層の捕獲状態を
変化させるのに必要なエネルギーは、キャリア捕獲層内
の捕獲レベルを適度に調整することで、キャリアが絶縁
膜を通過するときに必要とするエネルギーに比べて小さ
くすることができる。したがって、容量部内の分極状態
を変化させるために印加する第1導電性部材と第2導電
性部材間の電圧は、F−N電流やホットキャリアを発生
させるための電圧に比べて大幅に低減され、半導体メモ
リ装置の低電圧化が可能となる。
【0012】記キャリア捕獲層を、キャリアの捕獲が
可能なエネルギーレベルを有する少なくとも1層の薄膜
で構成することができる。
【0013】記第1,第2障壁層を、シリコン酸化膜
で構成し、上記キャリア捕獲層を、少なくともシリコン
窒化膜を含む膜で構成することにより、シリコン窒化膜
とシリコン酸化膜との境界付近に捕獲中心が多数形成さ
れ、シリコン窒化膜へのキャリアの蓄積が可能となる。
したがって、特に大きなデータの保持機能が得られる。
【0014】記キャリア捕獲層を、上記第1,第2障
壁層のうち少なくともいずれか一方を構成する材料と同
じ材料で構成される層の内部でかつ上記キャリア移動層
との界面近傍に形成された捕獲中心を含むように構成
ることにより、障壁膜とは別の材料からなる膜を設ける
必要がないので、単位メモリセルの構造が単純化され、
製造コストが低減する。
【0015】上記第1,第2障壁層のうち少なくともい
ずれか一方をシリコン酸化膜で構成し、上記キャリア移
動層をシリコン膜で構成し、上記キャリア捕獲層の上記
捕獲中心を、上記シリコン酸化膜で構成される障壁層の
内部に導入されたIV族元素により形成することにより、
障壁膜を構成するシリコン酸化膜内に注入されたシリコ
ン等のIV族元素は、キャリア移動層を構成するシリコン
膜のキャリア濃度に悪影響を及ぼさず、容量部内の分極
状態が良好となる。
【0016】記キャリア移動層の厚みをその誘電率で
徐した値を、上記各障壁層の厚みをその誘電率で徐した
値のいずれよりも大きくすることにより、キャリア移動
層の厚みをその誘電率で徐した値が大きく確保されるこ
とで、キャリアの分極から得られる双極子モーメントが
確実に大きくなり、データ保持機能が向上する。
【0017】記キャリア捕獲層の厚みをその誘電率で
徐した値を、上記キャリア移動層の厚みを誘電率で徐し
た値よりも小さくすることにより、キャリア捕獲層の厚
みをその誘電率で徐した値が小さいことから、キャリア
の分極状態のバラツキが小さく抑制され、正確にデータ
を記憶することができる。
【0018】記キャリア捕獲層とキャリア移動層との
間に、キャリアのトンネリングによる通過が可能に構成
されたトンネル障壁層を介設することにより、キャリア
捕獲層とキャリア移動層のとに間にキャリアのトンネリ
ングによる通過を許容するトンネル障壁層が介設されて
いるので、キャリア捕獲層でキャリアを保持する機能が
さらに大きくなり、データ保持機能が向上する。
【0019】上記キャリア捕獲層を、上記キャリア移動
層と上記第1障壁層との間及び上記キャリア移動層と上
記第2障壁層との間に形成するか、上記各キャリア捕獲
層と各キャリア移動層との間に、キャリアのトンネリン
グによる通過が可能に構成されたトンネル障壁層をそれ
ぞれ介設することにより、各導電性部材間に所定の電圧
が印加されると、各キャリア捕獲層から放出されるキャ
リアがキャリア移動層を介して移動する結果、各キャリ
ア捕獲層に互いに逆極性のキャリアが保持され、キャリ
ア移動層を隔てた分極によって特に大きな電界の変化が
得られることになる。
【0020】本発明の第2の半導体メモリ装置は、第1
導電性部材と第2導電性部材との間に情報を記憶するた
めの容量部を配置してなる少なくとも1つの単位メモリ
セルを介設してなる半導体メモリ装置を対象とする。そ
して、上記容量部に、上記第1導電性部材に隣接し、キ
ャリアの通過を妨げる高いエネルギー障壁を有する第1
障壁層と、上記第1障壁層を介して上記第1導電性部材
と対向し、キャリアの移動が可能な上記第1障壁層より
も低いエネルギーレベルを有するキャリア移動層と、上
記キャリア移動層と上記第2導電性部材との間に介設さ
れ、キャリアの通過を妨げる高いエネルギー障壁を有す
る第2障壁層と、上記キャリア移動層と各障壁層との間
に介設され、キャリアが安定に存在し得るエネルギーレ
ベルを有する2つのキャリア貯蔵層と、上記各キャリア
貯蔵層と上記キャリア移動層との間に介設され、キャリ
アのトンネリングによる通過が可能に構成された2つの
トンネル障壁層とを設ける。そして、上記容量部を、上
記第1導電性部材と第2導電性部材間に印加される少な
くとも2つの電圧値に応じ、上記2つのキャリア貯蔵層
におけるキャリアの貯蔵状態を変化させて、これにより
生じる少なくとも2つの分極状態を記憶データとして保
持するように構成することができる。
【0021】これにより、各導電性部材間に所定の電圧
が印加されると、キャリア移動層を挟んで設けられた各
キャリア貯蔵層に互いに逆極性のキャリアがそれぞれ貯
蔵される結果、大きな双極子モーメントを有する分極状
態が生じる。そして、大きなデータ保持能力と、データ
の書き込み・消去に要する電圧が低電圧化された半導体
メモリ装置が得られることになる。
【0022】記キャリア移動層の厚みをその誘電率で
徐した値を、上記第1,第2障壁層の厚みをその誘電率
でそれぞれ徐した値のいずれよりも大きくすることがで
きる。
【0023】上記第1及び第2の半導体メモリ装置にお
いて、上記単位メモリセルをフラッシュEEPROMの
メモリセルとし、上記単位メモリセルの第1導電性部材
を上記フラッシュEEPROMのメモリセルのソース領
域とドレイン領域との間のチャネル領域とし、上記単位
メモリセルの第2導電性部材を上記フラッシュEEPR
OMのメモリセルの制御ゲート電極とし、上記容量部を
上記フラッシュEEPROMのメモリセルの浮遊ゲート
電極及びその上下の絶縁膜に対応させることにより、単
位メモリセルを搭載した半導体メモリ装置がデータの消
去・書き換えに伴う絶縁膜の劣化のほとんどない,信頼
性の高いフラッシュEEPROMとなり、フラッシュE
EPROMの信頼性が高くなる。
【0024】上記第1及び第2の半導体メモリ装置にお
いて、上記単位メモリセルを、1個のスイッチングトラ
ンジスタと1個のストレージノードとを備えたDRAM
のメモリセルとし、上記容量部を、上記DRAMメモリ
セルのストレージノードとプレート電極との間に介設さ
れるストレージキャパシタとして機能させることによ
り、単位メモリセルを搭載した半導体メモリ装置が、不
揮発性のDRAMとして機能するので、DRAMの性能
が向上する。
【0025】上記第1及び第2の半導体メモリ装置にお
いて、上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間
に所定の電位差を与え、これにより生じる容量部内の分
極状態を“1”データとして書き込む一方、上記第1導
電性部材と上記第2導電性部材との間に上記“1”書き
込み電圧の電位差とは逆の電位差を与え、これにより生
じる容量部内の分極状態を“0”データとして書き込む
2値書き込み手段と、上記第1導電性部材と上記第2導
電性部材との間に、上記2値書き込み手段で与えた各電
位差よりも小さくかつ上記容量部内の分極状態を変化さ
せない電位差を与え、上記容量部内の分極状態で生じる
少なくとも1つの導電性部材の導電特性の変化に基づい
て、上記2値書き込み手段で書き込まれたデータを読み
出す読み出し手段とを設けることにより、2値書き込み
手段による“1”データの書き込み時と“0”データの
書き込み時とでは、生じる容量部内の分極状態が逆極性
となる。また、読み出し手段によるデータの読み出しの
際、容量部内の分極状態が影響を受けないので、非破壊
読み出しとなる。したがって、単位メモリセル内で デー
タが確実に保持される。
【0026】上記第1及び第2の半導体メモリ装置にお
いて、上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間
に互いに異なる3種以上の電位差を与え、これにより生
じる3種以上の分極状態を3値以上のデータとして書き
込む多値書き込み手段と、上記第1導電性部材と上記第
2導電性部材との間に、上記多値書き込み手段が与える
各電位差よりも小さくかつ上記容量部内の分極状態を変
化させない電位差を与え、上記容量部内の分極状態で生
じる少なくとも1つの導電性部材の導電特性の変化に基
づいて、上記多値書き込み手段で書き込まれたデータを
読み出す読み出し手段とを設けることにより、単位メモ
リセルを多値のデータを記憶するメモリセルとして利用
することが可能となり、単位メモリセルの用途が拡大す
る。
【0027】上記第1及び第2の半導体メモリ装置にお
いて、上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間
に、容量部の分極特性から定まる所定範囲の電位差を与
え、これにより生じる連続的に変化する分極状態をアナ
ログデータとして書き込むアナログデータ書き込み手段
と、上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間
に、上記アナログデータ書き込み手段で与える電位差の
範囲の下限値よりも小さくかつ上記容量部内の分極状態
を変化させない電位差を与え、上記容量部内の分極状態
で生じる少なくとも1つの導電性部材の導電特性の変化
に基づいて、上記アナログデータ書き込み手段で書き込
まれたデータを読み出す読み出し手段とを設けることに
よっても、単位メモリセルをアナログデータを記憶する
メモリセルとして利用することが可能となり、単位メモ
リセルの用途が拡大する。
【0028】本発明の第1の半導体メモリ装置の製造方
法は、第1導電性部材を形成する工程と、上記第1導電
性部材の上に、キャリアの通過を妨げる高いエネルギー
障壁を有する第1障壁層とキャリアの捕獲が可能なエネ
ルギーレベルを有するキャリア捕獲層とを順次形成する
工程と、上記第1キャリア捕獲層の上に、キャリアの移
動が可能なエネルギーレベルを有するキャリア移動層を
形成する工程と、上記キャリア移動層の上に、キャリア
の通過を妨げるエネルギー障壁を有する第2障壁層を形
成する工程と、上記第2障壁層の上に、第2導電性部材
を形成する工程とを設ける方法である。
【0029】この方法により、第1導電性部材と第2導
電性部材との間に印加される電圧に応じて、容量部内に
おける分極状態が変化するので、各導電性部材間の電圧
に対応した各分極状態をデータとして記憶することが可
能となる。その場合、キャリア移動層の厚みを大きくし
てもキャリアの移動に要するエネルギーは小さくて済
む。したがって、容量部内における分極の各極間距離を
大きくすることができるので、分極により生じる双極子
モーメントが極めて大きくなり、大きなデータ保持機能
が得られることになる。しかも、キャリア捕獲層の捕獲
状態を変化させるのに必要なエネルギーは、キャリア捕
獲層内の捕獲レベルを適度に調整することで、キャリア
が絶縁膜を通過するときに必要とするエネルギーに比べ
て小さくすることができる。したがって、容量部内の分
極状態を変化させるために印加する第1導電性部材と第
2導電性部材間の電圧は、F−N電流やホットキャリア
を発生させるための電圧に比べて大幅に低減され、半導
体メモリ装置の低電圧化が可能となる。
【0030】本発明の第2の半導体メモリ装置の製造方
法は、半導体メモリ装置の製造方法として、第1導電性
部材を形成する工程と、上記第1導電性部材の上に、キ
ャリアの通過を妨げる高いエネルギー障壁を有する第1
障壁層とキャリアの捕獲が可能なエネルギーレベルを有
する第1キャリア捕獲層とを順次形成する工程と、上記
第1キャリア捕獲層の上に、キャリアの移動が可能なエ
ネルギーレベルを有するキャリア移動層を形成する工程
と、上記キャリア移動層の上に、キャリアの捕獲が可能
なエネルギーレベルを有する第2キャリア捕獲層とキャ
リアの通過を妨げるエネルギー障壁を有する第2障壁層
とを順次形成する工程と、上記第2障壁層の上に、第2
導電性部材を形成する工程とを設ける方法である。
【0031】この方法により、各導電性部材間に所定の
電圧が印加されると、各キャリア捕獲層から放出される
キャリアがキャリア移動層を介して移動する結果、各キ
ャリ ア捕獲層に互いに逆極性のキャリアが保持され、キ
ャリア移動層を隔てた分極によって特に大きな電界の変
化が得られることになる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の各実施例について、各々図面
を参照しながら説明する。
【0033】(第1実施例) まず、第1実施例の半導体メモリ装置について、図1−
図7を参照しながら説明する。
【0034】図1(a)は第1実施例におけるEEPR
OMのメモリセルの構造を示す断面図である。図1
(a)において、1はp型シリコン基板、2は第1導電
性部材として機能するチャネル領域、3はn型不純物を
高濃度にドープしてなるドレイン領域、4はn型不純物
を高濃度にドープしてなるソース領域、5は素子分離で
ある。11は厚みが約10nmのSiO2 膜からなる第
1障壁層として機能する第1ゲート絶縁膜、12は厚み
が約8nmのSi3 N4 膜からなる第1キャリア捕獲
層、13は厚みが約400nmのn- 型ポリシリコン膜
からなるキャリア移動層、14は厚みが約8nmのSi
3 N4 膜からなる第2キャリア捕獲層、15は厚みが約
10nmのSiO2 膜からなる第2障壁層として機能す
る第2ゲート絶縁膜である。上記第1ゲート絶縁膜1
1,第1キャリア捕獲層12,キャリア移動層13,第
1キャリア捕獲層14及び第2障壁層15により、容量
部10が構成されている。また、16は厚みが約250
nmのポリシリコン膜からなる第2導電性部材として機
能する制御ゲート電極(ワード線)、17はBPSG膜
からなる層間絶縁膜、18はビット線である。すなわ
ち、本実施例におけるメモリセルは、チャネル領域2と
ドレイン領域3とソース領域4と制御ゲート電極16と
を有する1つのMISFETを備えている。そして、M
ISFETの制御ゲート電極16とチャネル領域2との
間に容量部10が介設された構造となっている。この構
造は従来のフラッシュEEPROMのメモリセルの構造
とほぼ対応するものであり、容量部10のうち第1,第
2ゲート絶縁膜11,15を除く部分、つまり上記第1
キャリア捕獲層12,キャリア移動層13及び第2キャ
リア捕獲層14が、PROMのメモリセルにおける浮遊
ゲート電極に相当する構造となっている。
【0035】ここで、図1(b)は上記チャネル領域2
から制御ゲート電極16に至る部分のエネルギーバンド
構造を示す。同図に示すように、第1ゲート絶縁膜11
及び第2ゲート絶縁膜15はキャリアの通過を妨げる高
いエネルギーレベルを有し、第1,第2キャリア捕獲層
12,14はキャリアの捕獲が可能なエネルギーレベル
を有し、キャリア移動層13はキャリアの移動が可能な
エネルギーレベルを有する。そして、第1,第2キャリ
ア捕獲層12、14内におけるキャリアの捕獲状態の変
化に応じた分極状態の変化を記憶データに対応させ、こ
の容量部10内の分極状態を保持するようになされてい
る。
【0036】なお、第1,第2キャリア捕獲層12,1
4とキャリア移動層13との間にそれぞれトンネリング
が可能な程度に薄い例えばシリコン酸化膜からなるトン
ネル障壁層を介在させてもよい。このようなトンネル障
壁層を設けることで、キャリアを保持する束縛力が増大
し、後述するような記憶の書き込み、読み出しにおける
記憶の保持機能が大きくなる利点がある。
【0037】また、図2(a)は、上記図1(a)の構
造における第2キャリア捕獲層14を設けない場合の構
造を示し、この場合、第1ゲート絶縁膜11,キャリア
捕獲層12,キャリア移動層13及び第2ゲート絶縁膜
15により、容量部10が構成されている。図2(b)
は、図2(a)の構造におけるエネルギーバンドを示
す。後述のように、このような構造でも、図1(a),
(b)に示す構造のメモリセルとほぼ同様の機能を有す
る。
【0038】次に、図3(a)−(e)を参照しなが
ら、図2(a)に示す構造を有するメモリセルの製造工
程について説明する。
【0039】まず、図3(a)に示すように、p型シリ
コン基板1に素子分離5を形成し、素子分離5で囲まれ
る活性領域にボロンイオンを注入して(表面に保護酸化
膜が形成された状態で)、チャネル領域2を形成し、保
護酸化膜を除去後、シリコン基板1の表面を900℃で
熱酸化して、厚みが10nmのシリコン酸化膜21を堆
積する。
【0040】次に、図3(b)に示すように、シリコン
酸化膜21の上に、減圧CVD法を用いて、厚みが8n
mのシリコン窒化膜22を堆積する。さらに、図3
(c)に示すように、シリコン窒化膜22の上に、低濃
度の砒素がドープされたポリシリコン膜23を例えば6
50℃で400nm程度の厚みで堆積する。
【0041】次に、図3(d)に示すように、厚みが1
0nmのシリコン酸化膜25を堆積した後、その上に、
リンがドープされたn型ポリシリコン膜26を例えば6
50℃で250nm程度の厚みで堆積する。
【0042】その後、図3(e)に示すように、上記図
3(a)−(d)の工程で形成された多層膜をパターニ
ングして、シリコン酸化膜からなる第1,第2ゲート絶
縁膜11,15と、第1キャリア捕獲層12と、キャリ
ア移動層13と、制御ゲート電極16とを形成し、さら
にこれをマスクとしてリンのイオン注入を行い、ドレイ
ン領域3及びソース領域4を形成する。その後の工程は
省略するが、公知の技術により、層間絶縁膜17,ビッ
ト線18等を形成する。以上の工程により、図2(a)
に示すメモリセルの構造が実現される。
【0043】なお、図1(a)に示す構造を有するメモ
リセルの製造工程については、説明を省略するが、上記
図3(c)に示す工程の次に、ポリシリコン膜23の上
に第2キャリア捕獲層14となるシリコン窒化膜を形成
し、その後、図3(d),(e)に示す工程を行えばよ
い。
【0044】次に、上記図1(a)及び図2(a)に示
す構造を有するメモリセルに情報の書き込みを行う場合
のキャリアの分布状態の変化つまり分極の変化について
説明する。図4(a)−(c)及び図5(a)−(c)
は、制御ゲート電極16−チャネル領域2間への印加電
圧Vg(以下、「制御ゲート電圧」と呼ぶ)の変化に伴
うメモリセル各部のエネルギーバンド及び電荷の分布状
態の変化を示す図であって、図4(a)−(c)は図1
(a)に示す構造のメモリセルの場合、図5(a)−
(c)は図2(a)に示す構造のメモリセルの場合の図
である。制御ゲート電圧Vgを“1”書き込み電圧Vw1
(=+3V)にすると、図4(a)に示すように、図1
(a)に示す構造のメモリセルでは、第1キャリア捕獲
層12の電子がキャリア移動層13に放出された後、第
2キャリア捕獲層14に捕獲される。したがって、第1
キャリア捕獲層12が正に帯電して正極になり、第2キ
ャリア捕獲層14が負に帯電して負極になる。つまり、
容量部10の内部が分極状態となる。図2(a)に示す
構造のメモリセルでは、図5(a)に示すように、第1
キャリア捕獲層12の電子がキャリア移動層13に放出
され、第1キャリア捕獲層12が正極にキャリア移動層
13が負極になる分極状態が生じる。次に、制御ゲート
電圧Vgを“2”書き込み電圧Vw2(=+4V)にする
と、図4(b)及び図5(b)に示すように、正極及び
負極のキャリア量が増大し、分極量が大きくなる。そし
て、制御ゲート電圧Vgを消去(“0”書き込み)電圧
Vw0(=−4V)にすると、図4(c)に示すように、
図1(a)に示す構造のメモリセルでは、第2キャリア
捕獲層14の電子がキャリア移動層13に放出された
後、第1キャリア捕獲層12に捕獲され、第1キャリア
捕獲層12が負極に第2キャリア捕獲層14が正極にな
る分極状態が生じる。図2(a)に示す構造のメモリセ
ルでは、図5(c)に示すように、キャリア移動層13
の電子が第1キャリア捕獲層12に放出され、第1キャ
リア捕獲層12が負極にキャリア移動層13が正極にな
る分極状態が生じる。
【0045】次に、上記の作用で得られる分極状態の特
性について説明する。上記図4(a)−(c)で説明し
た“1”書き込み電圧vw1と“0”書き込み電圧Vw0と
を容量部10の両端に印加した場合、容量部10内の分
極量は、図6(a)に示すようなヒステリシス特性を示
す。制御ゲート電圧Vgを“1”書き込み電圧Vw1とす
ると、第1キャリア捕獲層12が正極にキャリア移動層
13が負極となるよう分極して“1”データが書き込ま
れる。その後、制御ゲート電圧Vgを0Vに戻しても、
第1キャリア捕獲層12及び第2キャリア捕獲層14
(又はキャリア移動層13)間に残留分極があり、
“1”データが保持される。一方、制御ゲート電圧Vg
を負の電圧Vw0とすると、図4(c)に示すように、第
1キャリア捕獲層12が負極に第2キャリア捕獲層14
(又はキャリア移動層13)が正極になるよう分極して
消去状態(または“0”書き込み状態)となる。その
後、制御ゲート電圧Vgを0Vに戻しても、第1キャリ
ア捕獲層12及び第2キャリア捕獲層14(又はキャリ
ア移動層13)間に残留分極があり、“0”データが保
持される。すなわち、上記分極のヒステリシス特性を利
用して“1”書き込みと消去(“0”書き込み)とを行
うことができる。
【0046】以上は2値の情報の書き込みを行う場合に
ついて説明したが、上記図4(a)−(c)又は図5
(a)−(c)の作用に対応して3値のデータを書き込
む場合も基本的には同じである。図7(a)は3値状態
を記憶する場合の分極状態のヒステリシス特性を示し、
制御ゲート電圧を正の電圧Vw1,Vw2及び負の電圧Vw0
の3値に設定することで、“1”書き込み,“2”書き
込み、“0”書き込みの3値の書き込みを行うことがで
きる。
【0047】次に、情報の読み出しについて説明する。
図6(b)は、メモリセルに2値(“1”と“0”)の
書き込みを行った場合の制御ゲート電圧Vgの変化に対
するドレイン電流Idの変化特性、つまりメモリセル内
のトランジスタの動作特性を示す。“1”状態のメモリ
セルは第1キャリア捕獲層12が正に帯電しキャリア移
動層13が負に帯電しているため、トランジスタのしき
い値電圧がVth1 に低下する。一方、“0”状態のメモ
リセルは第1キャリア捕獲層12が負に帯電しキャリア
移動層13が正に帯電しているため、トランジスタのし
きい値がVth0に上昇する。そこで、制御ゲート電圧V
gを各しきい値電圧Vth0 とVht1 との間の電圧でかつ
分極状態に影響を与えない電圧Vrにすると、メモリセ
ルが“1”状態の場合にはトランジスタがONするが、
メモリセルが“0”状態の場合にはトランジスタがON
しない。したがって、メモリセルの制御ゲート電圧Vg
を読み出し電圧Vrにした場合にトランジスタのビット
線に流れる電流(ドレイン電流Id)の値の差によって
データの読み出しが可能になる。
【0048】図7(b)はメモリセルに3値の書き込み
を行った場合の制御ゲート電圧Vgの変化に対するドレ
イン電流Idの変化特性を示す。図6(b)に示す場合
と同様に、読み出し電圧Vrを印加することにより生じ
る電流値Idの相違から、3値のデータの読み出しが可
能になることが容易に理解される。
【0049】特に、このような構造のメモリセルでは、
第1キャリア捕獲層12の中の電子の束縛エネルギーを
制御することによって、図6(a)や図7(a)に示す
読み出し電圧Vrを加えても、第1キャリア捕獲層12
及び第2キャリア捕獲層14(又はキャリア移動層1
3)における分極状態はほとんど変化しない。したがっ
て、メモリセルに記憶されたデータは読み出し後も保持
され、非破壊読み出しである。例えば上記3値書き込み
の場合、ヒステリシスが生じる制御ゲート電圧を2.5
V程度となるように束縛エネルギーを設定しておき、制
御ゲート電圧4V下で“2”書き込みを、制御ゲート電
圧3V下で“1”書き込みを、制御ゲート電圧−4V下
で消去をそれぞれ行うとともに、制御ゲート電圧1V下
でデータの読み出しを行うことができる。このように、
本実施例の構造のメモリセルを利用して、3値あるいは
それ以上の多値書き込みと多値読み出しとを行うことが
できる。
【0050】次に、図8は、上記図1の構造のメモリセ
ルを搭載したメモリ装置であるフラッシュEEPROM
の構成を示す。以下、図8を参照しながら、書き込み読
み出し等の動作について説明する。図8に示すように、
フラッシュEEPROMには、多数のメモリセルM11−
Mmnをマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイ5
0と、各メモリセルM11−Mmnのビット線B1−Bnを
選択するためのカラムデコーダ51と、ビット線B1−
Bnに印加する電圧を発生するためのビット線電圧発生
回路52と、各メモリセルM11−Mmnのワード線W1−
Wmを選択するためのロウデコーダ53と、ワード線W
1−Wmに印加する電圧を発生するためのワード線電圧
発生回路54とを備えている。ここで、上記ワード線電
圧発生回路54の内部には、書き込み用電圧発生部WV
と、読み出し用電圧発生部RVと、消去用電圧発生部E
Vとが配設されている。なお、Td1−Tdnはビット線用
スイッチングトランジスタ、Ts1−Tsnはソース線用ス
イッチングトランジスタである。
【0051】次に、本実施例のフラッシュ型EEPRO
Mのメモリセルにデータを書き込む場合、読み出す場合
及び消去する場合の各動作について説明する。例えばメ
モリセルM22に“1”データを書き込む場合、図8に示
すように、選択ワード線W2の電位を書き込み電圧+4
Vに他の非選択ワード線の電位を接地電位0Vに設定
し、選択ビット線B2の電位を接地電位0Vに非選択ビ
ット線の電位を中間電位+2V(書き込み電圧の1/2
程度)に設定し、ソース電位をフローティングに設定す
ると、選択されたメモリセルM22のみ制御ゲート電極1
6(ワード線)−チャネル領域2間の電位差が書き込み
電圧Vw1となり、“1”データが書き込まれる。
【0052】次に、記憶データを消去する(“0”書き
込み)場合、メモリセルの基板電位を接地電位0Vに設
定し、全ワード線(制御ゲート電極(6))に消去電圧
−4Vを印加する。これにより、全メモリセルM11−M
mnのデータが消去(“0”書き込み)される。
【0053】なお、図は省略するが、3値等の多値書き
込みの場合には、図8に示す選択ワード線W2の電位を
多値に設定することで、“1”書き込み、“2”書き込
み、“0”書き込み等が可能であることは容易に理解し
得る。
【0054】次に、例えばメモリセルM22に記憶された
データを読み出す場合、図9に示すように、選択ワード
線W2の電位を読みだし電圧1Vに非選択ワード線の電
位を接地電位0Vに、選択ビット線B2の電位を1Vに
非選択ビット線の電位を接地電位0Vにして、選択ビッ
ト線B2に流れる電流を検知することで、メモリセルM
22の記憶データを読み出すことができる。
【0055】本実施例の半導体メモリ装置の場合、書き
込み・消去時に高電界を必要とするF−N電流やホット
キャリア注入を用いないので、第1キャリア捕獲層12
及び第2キャリア捕獲層14の捕獲レベルを適度に調整
することによって書き込み電圧及び消去電圧の低電圧化
が可能である。
【0056】また本実施例の半導体メモリ装置は、書き
込み・消去時にメモリセル外部からの電流供給を必要と
しないので、書き込み動作及び消去動作における低消費
電力化が可能である。
【0057】更に本実施例の半導体メモリ装置は、書き
込み・消去時に容量部10にF−N電流やホットキャリ
アを注入しないので、第1ゲート絶縁膜11等の破壊を
生じることがなく、信頼性劣化を招くことはない。
【0058】なお、本実施例のメモリセルを用いて、ア
ナログデータの記憶も可能である。図10は、メモリセ
ル内のトランジスタのドレイン電流の対数log(I
d)の書き込み電圧Vw への依存特性(ドレイン電流−
書き込み電圧特性)を示す。同図に示されるように、書
き込み電圧Vw が所定範囲(Vs1≦Vw ≦Vs2)の間で
は、優れた線形性を示すので、この間の線形性を利用す
れば、アナログデータの記憶させることができる。
【0059】なお、上記キャリア移動層13の厚みは、
分極で生じる双極子モーメントを大きくするために厚い
ことが好ましい。ただし、金属等の導電性の極めて高い
材料でキャリア移動層13を構成すると、キャリア移動
層13のキャリア捕獲層12,14との境界付近に、キ
ャリア捕獲層12,14で捕獲されているキャリアと逆
極性のキャリアが蓄積され、双極子モーメントが低減さ
れてしまう。つまり、キャリア移動層13の厚みをその
誘電率で徐した値は、各ゲート絶縁膜11,15no厚
みを誘電率で徐した値よりも大きいことが好ましい。ま
た、キャリア捕獲層12,14の厚みをその誘電率で徐
した値は、キャリア移動層の厚みをその誘電率で徐した
値よりも小さくすることで、キャリアの局在部分が狭
く、双極子モーメントのバラツキが小さくなる,つまり
データがより正確に保持される。
【0060】(第2実施例) 次に、第2実施例について説明する。図11(a)は第
2実施例に係るメモリセルの構造を示し、図11(b)
はこのメモリセルのチャネル領域2から制御ゲート電極
16に至る部分におけるエネルギーバンド構造を示す。
本実施例では、基本的な構造は上記第1実施例における
図1(a)に示すメモリセルの構造とほぼ同じである
が、容量部10内において、第1ゲート絶縁膜11及び
第2ゲート絶縁膜15は厚みが16nm程度のシリコン
酸化膜で構成されており、第1キャリア捕獲層12及び
第2キャリア捕獲層14は、それぞれ第1ゲート絶縁膜
11及び第2ゲート絶縁膜15へのシリコンイオンの注
入によって形成された捕獲中心を有する領域で構成され
ている。他の部分の構造は上記図1(a)のメモリセル
の構造と同じである。
【0061】図12(a)は、上記図11(a)におけ
る第2キャリア捕獲層14を設けない場合のメモリセル
の構造を示し、上記図2(a)に示すメモリセルの構造
に対応するものである。また、図12(b)はこのメモ
リセルのエネルギーバンド構造を示す。
【0062】次に、図13(a)−(e)を参照しなが
ら、第2実施例におけるメモリセルの製造工程について
説明する。
【0063】図13(a)−(e)は、図11(a)に
示す構造を有するメモリセルの製造工程における構造の
変化を示す断面図である。p型シリコン基板1に素子分
離5を形成した後、図13(a)に示すように、素子分
離5で囲まれる活性領域の基板表面上にボロンイオンの
注入を行って、チャネル領域2を形成した後、例えば9
00℃でパイロ酸化を行って、基板表面上に厚み16n
mのシリコン酸化膜21を形成する。
【0064】次に、図13(b)に示すように、シリコ
ン酸化膜21の上方からシリコンイオン(Si+ )を注
入して、シリコン酸化膜21の表面からシリコン酸化膜
21の内部に数nm入った部分にまで亘る領域にイオン
注入層22′を形成する。シリコンイオンの注入条件
は、注入エネルギーが3KeV,ドーズ量1×1016cm
-2である。さらに、図13(c)に示すように、シリコ
ン窒化膜22の上に、低濃度の砒素がドープされたポリ
シリコン膜23を例えば650℃で400nm程度の厚
みで堆積する。
【0065】次に、厚みが16nmのシリコン酸化膜2
5を堆積した後、シリコン酸化膜25の上方からシリコ
ンイオン(Si+ )の注入を行って、シリコン酸化膜2
5とポリシリコン膜23との境界面からシリコン酸化膜
25の内部に数nm入った部分にまで亘る領域にイオン
注入層24を形成する。シリコンイオンの注入条件は、
注入エネルギーが15KeV,ドーズ量1×1016cm-2
である。
【0066】次に、図13(d)に示すように、リンが
ドープされたn型ポリシリコン膜26を例えば650℃
で250nm程度の厚みで堆積する。
【0067】その後、図3(e)に示すように、上記図
13(a)−(d)の工程で形成された多層膜をパター
ニングして、シリコン酸化膜からなる第1,第2ゲート
絶縁膜11,15と、各ゲート絶縁膜11,15内部に
シリコンイオンを注入してなる第1キャリア捕獲層12
及び第2キャリア捕獲層14と、キャリア移動層13
と、制御ゲート電極16とを形成し、さらにこれをマス
クとしてリンのイオン注入を行い、ドレイン領域3及び
ソース領域4を形成する。その後の工程は省略するが、
公知の技術により、層間絶縁膜17,ビット線18等を
形成する。以上の工程により、図11(a)に示すメモ
リセルの構造が実現される。
【0068】なお、図12(a)に示す構造を有するメ
モリセルの製造工程については、説明を省略するが、上
記図13(c)に示す工程において、シリコン酸化膜2
5内にシリコンイオンの注入を行う工程を省略すればよ
い。
【0069】なお、本実施例ではシリコンイオン(Si
+ )の注入を用いて捕獲中心を多く含んだ第1キャリア
捕獲層12及び第2キャリア捕獲層14を形成したが、
n-型ポリシリコン膜26のキャリア濃度に悪影響を及
ぼさないシリコンと同じIV族元素のイオン(Si+,Ge
+,Sn+,Pb+ )もしくは砒素等のV族元素のイオン
(P+,Sb+,Bi+ )がイオン種として適当である。た
だし、捕獲中心の形成領域を狭く限定するためには質量
数の大きいIV族元素のイオンの方が有利である。
【0070】次に、図14(a)−(c)は、制御ゲー
ト電圧Vgの変化に伴うメモリセル各部のエネルギーバ
ンド構造及び電荷の分布状態の変化を示す図であって、
図11(a)に示す構造のメモリセルの場合の実を示
し、図12(a)に示す構造のメモリセルの場合につい
ては図示を省略する。本実施例においても、制御ゲート
電圧Vgの変化に伴うキャリアの分布の変化は、上記図
4(a)−(c)について説明した変化と同じである。
【0071】したがって、上記図11(a)又は図12
(a)の構造を有するメモリセルにおいても、上記図6
(a),(b)又は図7(a),(b)に示すような分
極状態のヒステリシス特性やトランジスタの動作特性を
得ることができ、2値,3値,多値,アナログデータの
記憶が可能なことが分かる。
【0072】また、図11(a)又は図12(a)に示
す構造のメモリセルをマトリクス状に配置したメモリセ
ルアレイを用いて、図8に示すデータ書き込みや図9に
示すデータの読みだし、あるいはデータの消去等を行う
ことができる。
【0073】さらに、本実施例のメモリセル内のトラン
ジスタにおいても、図10に示すようなドレイン電流−
書き込み電圧特性が得られるので、アナログデータの記
憶が可能となる。
【0074】(第3実施例) 次に、第3実施例について説明する。図15は、第3実
施例に係るDRAMメモリセルの構造を示す。図15に
おいて、1はp型シリコン基板、2はチャネル領域、3
はドレイン領域、4はソース領域、5は素子分離、6は
ゲート酸化膜、7はゲート電極(ワード線)、17a,
17bはいずれもシリコン酸化膜からなる第1層間絶縁
膜及び第2層間絶縁膜、18はビット線、31はストレ
ージノード、37はプレート電極である。そして、本実
施例では、第1導電性部材であるストレージノード31
と第2導電性部材であるプレート電極37との間に介在
する部分(いわゆるストレージキャパシタとなる部分)
が、下記の多層膜からなる容量部10で構成されてい
る。すなわち、容量部10は、ストレージノード31の
上に堆積された厚み10nmのシリコン酸化膜からなる
第1容量絶縁膜32と、第1容量絶縁膜32の上に堆積
された厚み8nmのシリコン窒化膜からなる第1キャリ
ア捕獲層33と、第1キャリア捕獲層33の上に堆積さ
れた厚み400nmのポリシリコン膜からなるキャリア
移動層34と、キャリア移動層34の上に堆積された厚
み8nmのシリコン窒化膜からなる第2キャリア捕獲層
35と、第2キャリア捕獲層35の上に堆積された厚み
10nmのシリコン酸化膜からなる第2容量絶縁膜36
とで構成されている。
【0075】本実施例のDRAMでは、上記第1,第2
実施例と同様に、容量部10において、第1キャリア捕
獲層33と第2キャリア捕獲層35との間には、図16
に示すように、ストレージノード31−プレート電極3
7間の電圧の変化に応じた分極状態のヒステリシス特性
が得られる。したがって、この分極特性を利用して情報
の記憶を行うことができる。
【0076】特に、本実施例のDRAMでは、容量部1
0(ストレージキャパシタ部)が、外部からキャリアの
やり取りを行うことなく内部のキャリアの分布の変化
(分極ヒステリシス)により情報を記憶する構造となっ
ているので、不揮発メモリとして機能するDRAMメモ
リセルを構成することができる。その場合、電源電圧V
ccをVcc/2>Vp1かつVcc/2≧−Vp0(vp1及びV
poは図16に示す所定の電圧)となるように設定し、プ
レート電極37の電位をVcc/2に固定する。データの
書き込みは、ビット線18をVcc/2にプリチャージし
た後、選択したワード線7を昇圧してスイッチングトラ
ンジスタをON状態にし、選択したビット線18の電位
を“1”書き込みの場合にVcc、“0”書き込みの場合
に0Vに設定すると選択されたメモリセルのみ“1”ま
たは“0”のデータが書き込まれる。データの読み出し
は、ビット線17をVcc/2にプリチャージした後、選
択したワード線7を昇圧してスイッチングトランジスタ
をON状態にして行う。その際、ストレージノード9に
誘起されている電位(“1”の場合にはVcc、“0”の
場合には0V)がビット線18に伝達されるので、ビッ
ト線18に流れる電流の相違に応じてデータが“1”か
“0”かが読み出される。なお、データの読み出しの
際、容量部10の残留分極によってデータは読み出し後
も保持される。
【0077】なお、上記各キャリア捕獲層33,35
は、上記第2実施例と同様に、シリコン酸化膜等の内部
にシリコンイオン,砒素イオン等を注入して形成しても
よく、また、必ずしもキャリア移動層34の両側にキャ
リア捕獲層を設ける必要はなく、いずれか一方だけに設
けてもよい。
【0078】なお、本実施例のDRAMメモリセルの特
徴部分である容量部10の構造が上記第1,第2実施例
と同じであるので、このDRAMメモリセルの製造工程
については説明を要せず、省略する。
【0079】(第4実施例) 次に、第4実施例について説明する。図17(a)は第
4実施例に係るメモリセルの構造を示す。図17(a)
に示すメモリセルの構造は、上記第1実施例の図1
(a)に示す構造と類似しており、同じ部材は同じ符号
を付して説明を省略する。本実施例では、容量部10に
おいて、第1ゲート絶縁膜11とキャリア移動層13と
の間に、厚み8nmのアモルファスシリコン膜からなる
第1キャリア貯蔵層19aが介設され、さらにこの第1
キャリア貯蔵層19aとキャリア移動層13との間に
は、厚み4nmのシリコン酸化膜からなる第1トンネル
酸化膜20aが介設されている。同様に、第2ゲート絶
縁膜15とキャリア移動層13との間には、第2キャリ
ア貯蔵層19bと第2トンネル酸化膜20bとが介設さ
れている。
【0080】また、図17(b)はこのメモリセルのエ
ネルギーバンド構造を示す。図17(b)に示すよう
に、上記各キャリア貯蔵層19a,19bはキャリアが
安定に存在し得る低いエネルギーレベルを有し、各トン
ネル酸化膜20a,20bはキャリアのトンネリングが
可能な厚みとなっている。
【0081】図18(a)−(b)は、本実施例に係る
メモリセルの制御ゲート電圧の変化に対するキャリアの
分布の変化を示す。制御ゲート電圧Vgを“1”書き込
み電圧Vw1(=+4V)にすると、図18(a)に示す
ように、第1キャリア貯蔵層19aの電子がキャリア移
動層13に放出された後、第2キャリア貯蔵層19bに
捕獲され、第1キャリア貯蔵層19aが正極になり、第
2キャリア貯蔵層19bが負極となって、容量部10の
内部が分極状態となる。そして、制御ゲート電圧Vgを
消去(“0”書き込み)電圧Vw0(=−4V)にする
と、図18(b)に示すように、第2キャリア貯蔵層1
9bの電子がキャリア移動層13に放出された後、第1
キャリア貯蔵層19aに捕獲され、第1キャリア貯蔵層
19aが負極になり、第2キャリア貯蔵層19bが正極
になって、容量部10の内部が分極状態となる。
【0082】また、上記第1,第2実施例と同様に、分
極の程度を変えることによって、3値,多値の情報の記
憶も可能である。
【0083】したがって、本実施例のような構造のメモ
リセルを利用して、上記第1,第2実施例と同様の機能
を有するフラッシュEEPROMを構成することがで
き、あるいは第3実施例のような機能を有するDRAM
を構成することができる。
【0084】
【発明の効果】本発明の半導体メモリ装置又はその製造
方法によれば、半導体メモリ装置のメモリセルに、キャ
リア捕獲層を有する容量部を設け、このキャリア捕獲層
のキャリアの捕獲状態に応じて変化する分極状態の変化
をデータに対応させて保持するようにしたので、容量部
内における分極の各極間距離を大きくすることができ、
データ保持機能の向上を図ることができるとともに、容
量部内の分極状態を変化させるために必要な印加電圧を
大幅に低減することができ、半導体メモリ装置の低電圧
化を図ることができ、かつ、絶縁膜の信頼性の低下を有
効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る2つのキャリア捕獲層を有す
るEEPROMのメモリセルの断面図及びエネルギーバ
ンド図である。
【図2】第1実施例に係る1つのキャリア捕獲層を有す
るEEPROMのメモリセルの断面図及びエネルギーバ
ンド図である。
【図3】第1実施例に係るEEPROMのメモリセルの
製造工程における構造の変化を示す断面図である。
【図4】第1実施例において2つのキャリア捕獲層を有
する容量部内におけるゲート制御電圧とキャリア捕獲層
のキャリア捕獲状態との関係を説明する図である。
【図5】第1実施例において1つのキャリア捕獲層を有
する容量部内におけるゲート制御電圧とキャリア捕獲層
のキャリア捕獲状態との関係を説明する図である。
【図6】第1実施例における2値書き込み時のメモリセ
ル内の分極のヒステリシス特性、及びFETの制御ゲー
ト電圧とドレイン電流との関係を示す図である。
【図7】第1実施例における3値書き込み時のメモリセ
ル内の分極のヒステリシス特性とFETの制御ゲート電
圧とドレイン電流との関係を示す図である。
【図8】第1実施例におけるメモリセルを配置したフラ
ッシュEEPROMのメモリセルアレイにおけるデータ
書き込み動作を説明する電気回路図である。
【図9】第1実施例におけるメモリセルを配置したフラ
ッシュEEPROMのメモリセルアレイにおけるデータ
読み出し動作を説明する電気回路図である。
【図10】第1実施例におけるEEPROMのメモリセ
ルにアナログデータを記憶させる場合の書き込み電圧と
FETのドレイン電流との関係を示す図である。
【図11】第2実施例に係る2つのキャリア捕獲層を有
するEEPROMのメモリセルの断面図及びエネルギー
バンド図である。
【図12】第2実施例に係る1つのキャリア捕獲層を有
するEEPROMのメモリセルの断面図及びエネルギー
バンド図である。
【図13】第2実施例に係るEEPROMのメモリセル
の製造工程における構造の変化を示す断面図である。
【図14】第2実施例において2つのキャリア捕獲層を
有する容量部内におけるゲート制御電圧とキャリア捕獲
層のキャリア捕獲状態との関係を説明する図である。
【図15】第3実施例に係るDARMのメモリセルの断
面図である。
【図16】第3実施例に係るDRAMのメモリセルのス
トレージノード−プレート電極間の電圧の変化に対する
分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図17】第4実施例に係るEEPROMのメモリセル
の断面図及びエネルギーバンド構造図である。
【図18】第4実施例において容量部内におけるゲート
制御電圧とキャリア捕獲層のキャリア捕獲状態との関係
を説明する図である。
【図19】従来の不揮発性メモリの斜視図及びエネルギ
ーバンド図である。
【符号の説明】
1 p型シリコン基板 2 チャネル領域(第1導電性部材) 3 ドレイン領域 4 ソース領域 5 素子分離 6 ゲート絶縁膜 7 ゲート電極(ワード線) 10 容量部 11 ゲート絶縁膜(第1障壁層) 12 第1キャリア捕獲層 13 キャリア移動層 14 第2キャリア捕獲層 15 第2ゲート絶縁膜(第2障壁層) 16 制御ゲート電極(第2導電性部材) 17 層間絶縁膜 18 ビット線 21 シリコン酸化膜 22 シリコン窒化膜 23 n- ポリシリコン膜 25 シリコン酸化膜 26 ポリシリコン膜 31 ストレージノード 32 第1容量絶縁膜(第1障壁層) 33 第1キャリア捕獲層 34 キャリア移動層 35 第2キャリア捕獲層 36 第2容量絶縁膜(第2障壁層) 37 プレート電極 50 メモリセルアレイ 51 カラムデコーダ 52 ビット線電圧発生回路 53 ロウデコーダ 54 ワード線電圧発生回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 27/115 29/788 29/792 (56)参考文献 特開 平3−76272(JP,A) 特開 昭64−55868(JP,A) 特開 平5−36991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 H01L 21/822 H01L 21/8242 H01L 27/04 H01L 27/108 H01L 27/115 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電性部材と第2導電性部材との間
    に情報を記憶するための容量部を配置した少なくとも1
    つの単位メモリセルを有する半導体メモリ装置であっ
    て、 上記容量部は、 上記第1導電性部材に隣接し、キャリアの通過を妨げる
    高いエネルギー障壁を有する第1障壁層と、 上記第1障壁層を介して上記第1導電性部材と対向し、
    キャリアの移動が可能なエネルギーレベルを有するキャ
    リア移動層と、 上記キャリア移動層と上記第2導電性部材との間に介設
    され、キャリアの通過を妨げる高いエネルギー障壁を有
    する第2障壁層と、 上記キャリア移動層と上記第1障壁層,第2障壁層のう
    ちの少なくともいずれか一方との間に介設され、キャリ
    アの捕獲が可能なエネルギーレベルを有する少なくとも
    1つのキャリア捕獲層とを備え、 上記容量部は、上記第1導電性部材と第2導電性部材間
    に印加される少なくとも2値の電圧の変化に応じ、上記
    キャリア捕獲層によるキャリアの捕獲状態を変化させ
    て、これにより生じる少なくとも2つの相異なる分極状
    態を記憶データとして保持するように構成されているこ
    とを特徴とする半導体メモリ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体メモリ装置におい
    て、 上記キャリア捕獲層は、キャリアの捕獲が可能なエネル
    ギーレベルを有する少なくとも1層の薄膜からなること
    を特徴とする半導体メモリ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体メモリ装置におい
    て、 上記第1,第2障壁層は、シリコン酸化膜で構成され、 上記キャリア捕獲層は、少なくともシリコン窒化膜を含
    む膜で構成されていることを特徴とする半導体メモリ装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項記載の半導体メモリ装置におい
    て、 上記キャリア捕獲層は、上記第1,第2障壁層のうち少
    なくともいずれか一方を構成する材料と同じ材料で構成
    される層の内部でかつ上記キャリア移動層との界面近傍
    に形成された捕獲中心を含むことを特徴とする半導体メ
    モリ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の半導体メモリ装置におい
    て、 上記第1,第2障壁層のうち少なくともいずれか一方
    は、シリコン酸化膜で構成され、 上記キャリア移動層は、シリコン膜で構成され、 上記キャリア捕獲層の上記捕獲中心は、上記シリコン酸
    化膜で構成される障壁層の内部に導入されたIV族元素に
    より形成されていることを特徴とする半導体メモリ装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    の半導体メモリ装置において、 上記キャリア移動層の厚みをその誘電率で徐した値は、
    上記各障壁層の厚みをその誘電率で徐した値のいずれよ
    りも大きいことを特徴とする半導体メモリ装置。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3記載の半導体メモリ装置
    において、 上記キャリア捕獲層の厚みを誘電率で徐した値は、上記
    キャリア移動層の厚みをその誘電率で徐した値よりも小
    さいことを特徴とする半導体メモリ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載
    の半導体メモリ装置において、 上記キャリア捕獲層とキャリア移動層との間には、キャ
    リアのトンネリングによる通過が可能に構成されたトン
    ネル障壁層が介設されていることを特徴とする半導体メ
    モリ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のうちいずれか1つに記載
    の半導体メモリ装置において、 上記キャリア捕獲層は、上記キャリア移動層と上記第1
    障壁層との間、及び上記キャリア移動層と上記第2障壁
    層との間に形成されていることを特徴とする半導体メモ
    リ装置。
  10. 【請求項10】 請求項記載の半導体メモリ装置にお
    いて、 上記各キャリア捕獲層と各キャリア移動層との間には、
    キャリアのトンネリングによる通過が可能に構成された
    トンネル障壁層がそれぞれ介設されていることを特徴と
    する半導体メモリ装置。
  11. 【請求項11】 第1導電性部材と第2導電性部材との
    間に情報を記憶するための容量部を配置してなる少なく
    とも1つの単位メモリセルを介設してなる半導体メモリ
    装置であって、 上記容量部は、 上記第1導電性部材に隣接し、キャリアの通過を妨げる
    高いエネルギー障壁を有する第1障壁層と、 上記第1障壁層を介して上記第1導電性部材と対向し、
    キャリアの移動が可能な上記第1障壁層よりも低いエネ
    ルギーレベルを有するキャリア移動層と、 上記キャリア移動層と上記第2導電性部材との間に介設
    され、キャリアの通過を妨げる高いエネルギー障壁を有
    する第2障壁層と、 上記キャリア移動層と各障壁層との間に介設され、キャ
    リアが安定に存在し得るエネルギーレベルを有する2つ
    のキャリア貯蔵層と、 上記各キャリア貯蔵層と上記キャリア移動層との間に介
    設され、キャリアのトンネリングによる通過が可能に構
    成された2つのトンネル障壁層とを備え、 上記容量部は、上記第1導電性部材と第2導電性部材間
    に印加される少なくとも2つの電圧値に応じ、上記2つ
    のキャリア貯蔵層におけるキャリアの貯蔵状態を変化さ
    せて、これにより生じる少なくとも2つの分極状態を記
    憶データとして保持するように構成されていることを特
    徴とする半導体メモリ装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の半導体メモリ装置に
    おいて、 上記キャリア移動層の厚みをその誘電率で徐した値は、
    上記第1,第2障壁層の厚みをその誘電率でそれぞれ徐
    した値のいずれよりも大きいことを特徴とする半導体メ
    モリ装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のうちいずれか1つに
    記載の半導体メモリ装置において、 上記単位メモリセルは、フラッシュEEPROMのメモ
    リセルであり、 上記単位メモリセルの第1導電性部材は、上記フラッシ
    ュEEPROMのメモリセルのソース領域とドレイン領
    域との間のチャネル領域であり、 上記単位メモリセルの第2導電性部材は、上記フラッシ
    ュEEPROMのメモリセルの制御ゲート電極であり、 上記容量部は、上記フラッシュEEPROMのメモリセ
    ルの浮遊ゲート電極及びその上下の絶縁膜に対応するこ
    とを特徴とする半導体メモリ装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12のうちいずれか1つに
    記載の半導体メモリ装置において、 上記単位メモリセルは、1個のスイッチングトランジス
    タと、ストレージキャパシタとを備えたDRAMのメモ
    リセルであり、 上記容量部は、上記DRAMメモリセルのストレージノ
    ードとプレート電極との間に介設されるストレージキャ
    パシタとして機能することを特徴とする半導体メモリ装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のうちいずれか1つに
    記載の半導体メモリ装置において、 上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間に所定
    の電位差を与え、これにより生じる容量部内の分極状態
    を“1”データとして書き込む一方、上記第1導電性部
    材と上記第2導電性部材との間に上記“1”書き込み電
    圧の電位差とは逆の電位差を与え、これにより生じる容
    量部内の分極状態を“0”データとして書き込む2値書
    き込み手段と、 上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間に、上
    記2値書き込み手段で与えた各電位差よりも小さくかつ
    上記容量部内の分極状態を変化させない電位差を与え、
    上記容量部内の分極状態で生じる少なくとも1つの導電
    性部材の導電特性の変化に基づいて、上記2値書き込み
    手段で書き込まれたデータを読み出す読み出し手段とを
    備えたことを特徴とする半導体メモリ装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜14のうちいずれか1つに
    記載の半導体メモリ装置において、 上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間に互い
    に異なる3種以上の電位差を与え、これにより生じる3
    種以上の分極状態を3値以上のデータとして書き込む多
    値書き込み手段と、 上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間に、上
    記多値書き込み手段が与える各電位差よりも小さくかつ
    上記容量部内の分極状態を変化させない電位差を与え、
    上記容量部内の分極状態で生じる少なくとも1つの導電
    性部材の導電特性の変化に基づいて、上記多値書き込み
    手段で書き込まれたデータを読み出す読み出し手段とを
    備えたことを特徴とする半導体メモリ装置。
  17. 【請求項17】 請求項1〜14のうちいずれか1つに
    記載の半導体メモリ装置において、 上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間に、容
    量部の分極特性から定まる所定範囲の電位差を与え、こ
    れにより生じる連続的に変化する分極状態をアナログデ
    ータとして書き込むアナログデータ書き込み手段と、 上記第1導電性部材と上記第2導電性部材との間に、上
    記アナログデータ書き込み手段で与える電位差の範囲の
    下限値よりも小さくかつ上記容量部内の分極状態を変化
    させない電位差を与え、上記容量部内の分極状態で生じ
    る少なくとも1つの導電性部材の導電特性の変化に基づ
    いて、上記アナログデータ書き込み手段で書き込まれた
    データを読み出す読み出し手段とを備えたことを特徴と
    する半導体メモリ装置。
  18. 【請求項18】 第1導電性部材を形成する工程と、 上記第1導電性部材の上に、キャリアの通過を妨げる高
    いエネルギー障壁を有する第1障壁層とキャリアの捕獲
    が可能なエネルギーレベルを有するキャリア捕獲層とを
    順次形成する工程と、 上記第1キャリア捕獲層の上に、キャリアの移動が可能
    なエネルギーレベルを有するキャリア移動層を形成する
    工程と、 上記キャリア移動層の上に、キャリアの通過を妨げるエ
    ネルギー障壁を有する第2障壁層を形成する工程と、 上記第2障壁層の上に、第2導電性部材を形成する工程
    とを有することを特徴とする半導体メモリ装置の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 第1導電性部材を形成する工程と、 上記第1導電性部材の上に、キャリアの通過を妨げる高
    いエネルギー障壁を有する第1障壁層とキャリアの捕獲
    が可能なエネルギーレベルを有する第1キャリア捕獲層
    とを順次形成する工程と、 上記第1キャリア捕獲層の上に、キャリアの移動が可能
    なエネルギーレベルを有するキャリア移動層を形成する
    工程と、 上記キャリア移動層の上に、キャリアの捕獲が可能なエ
    ネルギーレベルを有する第2キャリア捕獲層とキャリア
    の通過を妨げるエネルギー障壁を有する第2障壁層とを
    順次形成する工程と、 上記第2障壁層の上に、第2導電性部材を形成する工程
    とを有することを特徴とする半導体メモリ装置の製造方
    法。
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