JP3391694B2 - 液状物用熱式流速センサ - Google Patents

液状物用熱式流速センサ

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JP3391694B2
JP3391694B2 JP10050998A JP10050998A JP3391694B2 JP 3391694 B2 JP3391694 B2 JP 3391694B2 JP 10050998 A JP10050998 A JP 10050998A JP 10050998 A JP10050998 A JP 10050998A JP 3391694 B2 JP3391694 B2 JP 3391694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体やスラリー等
の液状物の流速を検知するための熱式流速センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、液体の流量(あるいは流速)
を検出する流量センサとしては、面積式流量計、カルマ
ン渦流量計、タービン式流量計、電磁式流量計あるいは
超音波式流量計等が用いられている。これら流量計の適
用分野は極めて多岐にわたるものであるが、例えば酸や
アルカリ等の腐食性の高い液体や、セラミック原料粉末
や研粒(例えば半導体シリコンウェハ等の研磨用に使用
されるもの)等のスラリーなど、研磨性の高い液状物の
流量を測定したい場合には、種々制約が生ずることも多
い。
【0003】例えば、面積式流量計やタービン式流量計
では、浮きや羽根車(タービン)等の可動部が被測定流
体と常時接触する形になるので、腐食や研磨により可動
部が損傷して短寿命化したり、あるいは研磨粉等により
可動部のスムーズな運動が妨げられて測定精度が低下し
たりするなどの欠点がある。他方、可動部を有さないカ
ルマン渦流量計、電磁式流量計あるいは超音波式流量計
等ではそのような問題は生じないが、これらは次のよう
な別の欠点を抱えている。 カルマン渦流量計は、小流量(例えば500ml/分
程度)の測定では精度を確保できない欠点がある。例え
ば半導体シリコンウェハ等の精密研磨など、研粒スラリ
ー等の供給量を小流量で精度よく制御する目的等には向
かない。 電磁式流量計あるいは超音波式流量計は小流量も精度
よく測定できるが、非常に高価であり、経済上の理由か
ら用途が限定されてしまう欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、腐食
性の高い液体や研磨性の高い液状物の流量を、小流量で
も精度よく測定でき、しかも安価な流速センサを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本明細書の請求項に記載した発明は以下の通りであ
る。 (請求項1) アルミナ、炭化硅素、窒化硅素及びジル
コニアから選ばれる1種又は2種以上を主体とするセラ
ミック、又はフッ素樹脂からなる防護被覆層にて抵抗発
熱体を覆った本体部を有し、該本体部と液状物とが接触
することによる抵抗発熱体の電気抵抗値変化に基づいて
該液状物の流速を検知する流速検知素子を備え、液状物
の流路を形成する流路形成部材に対し流速検知素子を、
本体部が流路内に位置する状態で着脱可能に取り付ける
検知素子取付手段を有し、流路形成部材は管部材とさ
れ、検出素子取付手段は、管部材に着脱可能に取り付け
られるとともに、その取付状態において管部材とともに
流路の一部を形成する管状支持体を含んで構成され、流
速検知素子は管状支持体に対し、その内面から内向きに
突出する形態で一体的に取り付けられており、該管状支
持体とともに管部材に対して着脱されるものであり、管
状支持体の中間部が両端部よりも拡径する拡径部とさ
れ、流速検知素子はその拡径部に取り付けられており、
流速検知素子の検知出力に基づく拡径部内での流速情報
を、該拡径部での流速減少分を補正する形で、管状支持
体が装着される管部材内での流速情報に変換して出力す
る補正出力手段が設けられていることを特徴とする液状
物用熱式流速センサ。 (請求項2) セラミック、ガラス等の無機材料又はフ
ッ素樹脂からなる厚さ100μm以上の防護被覆層にて
抵抗発熱体を覆った本体部を有し、該本体部と液状物と
が接触することによる抵抗発熱体の電気抵抗値変化に基
づいて、該液状物の流速を検知する流速検知素子を備
、液状物の流路を形成する流路形成部材に対し流速検
知素子を、本体部が流路内 に位置する状態で着脱可能に
取り付ける検知素子取付手段を有し、流路形成部材は管
部材とされ、検出素子取付手段は、管部材に着脱可能に
取り付けられるとともに、その取付状態において管部材
とともに流路の一部を形成する管状支持体を含んで構成
され、流速検知素子は管状支持体に対し、その内面から
内向きに突出する形態で一体的に取り付けられており、
該管状支持体とともに管部材に対して着脱されるもので
あり、管状支持体の中間部が両端部よりも拡径する拡径
部とされ、流速検知素子はその拡径部に取り付けられて
おり、流速検知素子の検知出力に基づく拡径部内での流
速情報を、該拡径部での流速減少分を補正する形で、管
状支持体が装着される管部材内での流速情報に変換して
出力する補正出力手段が設けられていることを特徴とす
る液状物用熱式流速センサ。 (請求項3) 流速検知素子の本体部において、抵抗発
熱体は抵抗金属巻線部とされ、該抵抗金属巻線部がセラ
ミック、ガラス等の無機材料又はフッ素樹脂からなる基
体中に埋設されるとともに、その基体のうち、抵抗金属
巻線部の外側を覆っている部分が防護被覆層を形成して
いる請求項1又は2に記載の液状物用熱式流速センサ。 (請求項4) 液状物の温度変化に対応して電気抵抗値
が変化する感温抵抗体の外側を、セラミック、ガラス等
の無機材料又はフッ素樹脂からなる防護被覆層で覆った
温度補償素子が、流速検知素子と別体に設けられている
請求項1ないし3のいずれかに記載の液状物用熱式流速
センサ。 (請求項5) 温度補償素子は、流速検知すべき液状物
の流路内において流速検知素子よりも上流側に取り付け
られる請求項1ないし4のいずれかに記載の液状物用熱
式流速センサ。 (請求項6) 流速検知素子は、一軸方向に延びる棒状
に形成されるとともに、その軸線と直交する任意の向き
において略等価な検知特性を示す無指向性検知素子とさ
れ、 検知素子取付手段は、該棒状の流速検知素子を前記
流路形成部材に対し、その流路内面から内向きに突出す
る形で取り付けるものである請求項1ないし5のいずれ
かに記載の液状物用熱式流速センサ。 (請求項7) 流速検知素子と温度補償素子とは各々棒
状に形成されるとともに、管状支持体には、それら流速
検知素子と温度補償素子とが、該管状支持体の軸線方向
に並んだ形でそれぞれその内面から突出するように配置
される請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液状物
用熱式流速センサ。 (請求項8) 管状支持体には、液状物の流速に対応し
た流速検知素子の通電状態変化を検出する抵抗ブリッジ
回路が組み込まれている請求項1ないし7のいずれか1
項に記載の液状物用熱式流速センサ。 (請求項9) 流速検知素子の検知出力に基づく流速情
報を、測定対象となる液状物の種類に応じて補正し、そ
の補正後の流速情報を出力する流速情報補正・出力手段
が設けられている請求項1ないし8のいずれか1項に記
載の液状物用熱式センサ。
【0006】
【作用・効果】本発明の液状物用熱式流速センサ(以
下、単に流速センサという)の第一によれば、検知素子
本体部に組み込まれた抵抗発熱体の電気抵抗値変化に基
づいて該液状物の流速を検知するようにしているので、
流量が少ない場合でもその流速を精度よく測定でき、し
かも安価である。また、抵抗発熱体を、耐食性あるいは
耐磨耗性に優れたアルミナ、炭化硅素、窒化硅素及びジ
ルコニアから選ばれる1種又は2種以上を主体とするセ
ラミック、あるいは耐食性の良好なフッ素樹脂からなる
防護被覆層により覆った構造としたので耐久性が高めら
れ、酸やアルカリ等の腐食性の高い液体や、セラミック
原料粉末や研粒(例えば半導体シリコンウェハ等の研磨
用に使用されるもの)等のスラリーなど、研磨性の高い
液状物の流量の測定を行う場合でも、流速検知素子(以
下、単に検知素子ともいう)の寿命を長期間確保するこ
とができる。
【0007】なお、流速測定を行う流路部分(例えば管
路)の断面積が知れていれば、その断面積と流速とに基
づいて流量を測定することができる。従って、本発明に
おいて「流速の測定」とは、字義通りの流速測定のみで
なく、流量の測定もその概念に含まれるものとする。
【0008】また、本発明の流速センサの第二によれ
ば、検知素子本体部に組み込まれた抵抗発熱体の電気抵
抗値変化に基づいて該液状物の流速を検知するようにし
ているので、流量が少ない場合でもその流速を精度よく
測定でき、しかも安価である。また、抵抗発熱体を、セ
ラミック、ガラス等の無機材料又はフッ素樹脂からなる
厚さ100μm以上の防護被覆層により覆った構造とし
たので検知素子の耐久性が高められ、酸やアルカリ等の
腐食性の高い液体や、セラミック原料粉末や研粒(例え
ば半導体シリコンウェハ等の研磨用に使用されるもの)
等のスラリーなど、研磨性の高い液状物の流量の測定を
行った場合でも、長期間その寿命を確保することができ
る。防護被覆層の厚さが100μm未満では、上記腐食
性あるいは研磨性の液状物の流速測定を行う場合に、検
知素子の耐久性を十分に確保できないことがある。
【0009】また、防護被覆層の厚さが500μmを超
えると検知の応答性あるいは検出精度に支障を来たす場
合があるので、厚さは該値以下の範囲で調整するのがよ
い。また、この場合も防護被覆層は、アルミナ、炭化硅
素、窒化硅素及びジルコニアから選ばれる1種又は2種
以上を主体とするセラミック、あるいはフッ素樹脂にて
構成することが望ましい。
【0010】本発明の流速センサの第一ないし第二にお
ける特に望ましい態様としては、抵抗発熱体を抵抗金属
巻線部とし、これをセラミック、ガラス等の無機材料又
はフッ素樹脂からなる基体中に埋設する構成を例示する
ことができる。この構成では、その基体の抵抗金属巻線
部の外側を覆っている部分が防護被覆層を形成すること
となる。例えば基体をセラミックで構成する場合は、セ
ラミック原料粉末成形体中に抵抗金属巻線部を埋設し、
これを一体焼成することで、極めて効率よく検知素子の
製造を行うことができる。そして、そのセラミック基体
は、例えばアルミナ系セラミックで構成することが望ま
しい。アルミナ系セラミックは、安価でしかも耐食性と
耐磨耗性とが極めて良好であり、さらには熱伝導率も高
いため熱に対する応答性に優れる。これにより、高性能
で耐久性に優れた検知素子を低価格で提供することが可
能となる。
【0011】また、抵抗金属巻線部の材質としては、線
巻きの容易性と、アルミナとの一体焼成可能性との両面
から考慮して、PtあるいはPt合金(以下、Pt系金
属という)線にて構成するのがよい。この場合、そのP
t系金属線の線径は、必要な抵抗値確保の観点と、線製
造及び線巻きの容易性を考慮して、20〜50μmの範
囲で調整するのがよい。また、この巻線部を覆うアルミ
ナ系セラミック層の厚さは、少なくともこのPt系金属
線の線径よりは大きくするのがよく、望ましくは100
〜500μm、さらに望ましくは200〜400μmと
するのがよい。
【0012】検知素子を流路形成部材(例えば管部材)
に対し着脱可能に取り付ける検知素子取付手段を設ける
ことにより、該検知素子の取り付けや交換を容易に行う
ことができる。
【0013】また、感温抵抗体の外側を、セラミック、
ガラス等の無機材料又はフッ素樹脂からなる防護被覆層
で覆った温度補償素子を、流速検知素子と別体に設ける
構成とした。温度補償素子を設けることで、流速測定値
に対する液体の温度変化による影響を補正することが可
能となり、より精度の高い流速測定が可能となる。ま
た、その温度補償素子を検知素子と別体に設けたので、
検知素子の抵抗発熱体からの発熱を液体の温度上昇と誤
認する不具合が生じにくくなり、さらに精度の高い測定
が可能となる。そして、その感温抵抗体が、検知素子と
同様の防護被覆層で覆われているので、腐食性や研磨性
の高い液状物の流量の測定を行った場合でも、長期間そ
の寿命を確保することができる。
【0014】この場合、温度補償素子の防護被覆層の厚
さは、検知素子の場合と同様の理由により、100〜5
00μm、望ましくは200〜400μmの範囲で調整
するのがよい。また、その材質も、アルミナ、炭化硅
素、窒化硅素及びジルコニアから選ばれる1種又は2種
以上を主体とするセラミック、あるいはフッ素樹脂にて
構成することが望ましい。そして、特に望ましい態様と
しては、感温抵抗体を検知素子の抵抗発熱体と同様な抵
抗金属巻線部とし、防護被覆層は該抵抗金属巻線が埋設
されるアルミナ系セラミック基体とする構成を例示する
ことができる。
【0015】温度補償素子は流速検知すべき液状物の
流路内において流速検知素子よりも上流側に取り付ける
ことで、検知素子の抵抗発熱体からの発熱の影響をさら
に受けにくくなり、一層精度の高い測定が可能となる。
【0016】また流速検知素子を棒状の無指向性検知
素子とし、該棒状の検知素子を検知素子取付手段により
流路形成部材に対し、その流路内面から内向きに突出す
る形で取り付ける構成とすることで、棒状の検知素子に
側方から液状物が当たる形となり、しかも検知素子以外
の構造部(例えば検知素子の支持体)が流路内に突出し
にくくなるので、流れが阻害されにくく、乱流発生等に
よる検出精度の低下が抑制される。
【0017】流路形成部材が管部材であれば管部材に
着脱可能に取り付けられる管状支持体を含むものとして
検知素子取付手段を構成し、この管状支持体に検知素子
を一体的に取り付け、該管状支持体とともにこれを管部
材に対して着脱する構成とすれば、検知素子の取り付け
あるいは交換がさらに容易となる。また、管状支持体と
管部材との間のシールも確保しやすい。
【0018】この場合、この管状支持体に検知素子と温
度補償素子とを一体的に設ける構造とすれば、検知素子
とともに温度補償素子の取り付けも一括して行うことが
でき、ひいてはそれらの取り付けあるいは交換作業がさ
らに楽になる。そして、請求項9のように、検知素子と
温度補償素子とが無指向性素子等の形で各々棒状に形成
される場合は、それら検知素子と温度補償素子とを、該
管状支持体の軸線方向に並んだ形でそれぞれその内面か
ら突出するように(例えば半径方向に突出するように)
配置することで、上流側の素子による流れの乱れの影響
が下流側の素子に及びにくくなり、より精度の高い測定
が可能となる。この場合も、温度補償素子は検知素子の
上流側に配置するのが望ましいが、検知素子からの発熱
の影響を少なくできる状況においてはこの限りではな
い。
【0019】管状支持体には液状物の流速に対応した
流速検知素子の通電状態変化を検出する抵抗ブリッジ回
路を組み込むようにすれば、流速検知素子(あるいは流
速検知素子と温度補償素子)と抵抗ブリッジ回路との配
線距離が短くなるので、流速検出出力の配線内での減衰
やノイズの影響等を少なくでき、測定精度を高めること
ができる。
【0020】また管状支持体の中間部を両端部よりも
拡径する拡径部とし、流速検知素子をその拡径部に取り
付けるようにすることで、流速検知素子を直接配置しに
くい細径の管部材内の流れも容易に測定することができ
る。また、拡径部を設けることで流速が下がり、乱流が
生じにくくなるので測定精度を高める効果も得られる。
この場合流速検知素子の検知出力に基づく拡径部内で
の流速情報を、該拡径部での流速減少分を補正する形
で、管状支持体が装着される管部材内での流速情報に変
換して出力する補正出力手段を設けることで、拡径部形
成による流速低下の影響が自動補正され、流路内の流速
を正確に把握することが可能となる。
【0021】また、同じ流速検知素子を用いて種類の異
なる液状物の流速を検知しようとした場合、流速検知素
子の検知出力レベルが同一であっても、液状物の種類に
よって該検知出力レベルに対応する流速レベルが異なる
場合がある。この場合流速情報補正・出力手段によ
り、流速検知素子の検知出力に基づく流速情報を測定対
象となる液状物の種類に応じて補正し、その補正後の流
速情報を出力するように構成すれば、各種液状物の流速
をより正確に測定できるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明の
一実施例たる液状物用熱式流速センサ(以下、単に流速
センサという)1と、それを用いた流速測定システム1
00とを示す外観斜視図である。流速センサ1は、測定
対象となる液状物の流路を形成する管部材150,15
1の間に着脱可能に取り付けられるようになっており、
管状支持体5と、その内部に配置される流速検知素子6
及び温度補償素子7、さらにはそれら流速検知素子6及
び温度補償素子7が接続される抵抗ブリッジ回路(後
述)等を収容して管状支持体5の外周面に一体化された
回路収容部8等を備えている。そして、流速測定システ
ム100は、上記流速センサ1と、検出制御部3と、両
者をつなぐケーブル2とを含んで構成される。
【0023】図2に示すように、流速検知素子6及び温
度補償素子7はそれぞれ棒状に形成されるとともに、略
円形の断面を有する管状支持体5の壁部をそれぞれ貫通
孔5bにおいて外側から貫く形で挿入され、その内面か
ら半径方向に突出するように配置されている。両素子
6,7は、それぞれ回路収容部8に対して基端側が固定
されるとともに、該基端側において、その回路収容部8
の内側に収容された抵抗ブリッジ回路部101に接続さ
れている。他方、その回路収容部8が管状支持体5の外
周面に対して接着層8aにより接着され、一体化されて
いる。
【0024】管状支持体5は、金属あるいはプラスチッ
クのうち耐食性に優れたもの、例えばTi、Zr、T
a、Nb、Ni等を主体とする金属やステンレス鋼、あ
るいはフッ素樹脂等のほか、アルミナ系セラミック等の
セラミックで構成され、その外周面両端部には取付用の
雄ねじ部5aが形成されており、管部材150,151
の各接続端側の内面に形成された雌ねじ部150a、1
51aと螺合することで、これに取り付けられるように
なっている。そして、その取り付け状態において、管部
材150,151及び管状支持体5の内面が流路Pとな
り、その軸線方向に液状物Fが流れる形となる(図中、
流れ方向を矢印で示している)。ここで、液状物Fは、
例えば酸やアルカリ等の腐食性の高い液体や、セラミッ
ク原料粉末や研粒(例えば半導体シリコンウェハ等の研
磨用に使用されるもの)等のスラリーなど、研磨性の高
い液状物である。なお、管部材150,151の雌ねじ
部150a、151aと、管状支持体5の雄ねじ部5a
との間には、フッ素樹脂系シーラント等の図示しないシ
ール材が配置される場合がある。
【0025】これにより、流速検知素子6及び温度補償
素子7は、各軸線が液状物Fの流れ方向と直交する形で
配置されることとなる。また、流速検知素子6及び温度
補償素子7は、液状物Fの流れ方向(すなわち管状支持
体5の中心軸線方向)に沿う形で、温度補償素子7が上
流側に位置するように配置される。
【0026】これら流速検知素子6及び温度補償素子7
は、図3に示すように、いずれも線径20〜50μmの
Pt細線を巻き回して形成された抵抗金属巻線部21
が、アルミナ系セラミック等のセラミック、ガラス、あ
るいはフッ素樹脂等で構成された基体10中に埋設され
た本体部9を有する。抵抗金属巻線部21は、流速検知
素子6においては抵抗発熱体として機能し、温度補償素
子7においては感温抵抗体として機能する。抵抗金属巻
線部21は、図3(b)に示すように、例えば螺旋状巻
線を中間部で曲げ返すことによりU字状とされ、そのU
字開口側に形成された端子部21a,21bが基体10
の基端側端面から突出する形となっている。そして、図
3(c)に示すように、基体10の抵抗金属巻線部21
の外側を覆っている部分が防護被覆層12となる。な
お、この防護被覆層12の厚さは、少なくとも抵抗金属
巻線部21の線径以上とされ、望ましくは100〜50
0μm、さらに望ましくは200〜400μmの範囲で
調整するのがよい。
【0027】なお、温度補償素子7に使用する抵抗金属
線は、温度変化に伴う抵抗変化が大きく、またその温度
係数が正の金属であればPt以外のもの、例えばNi等
を使用することも可能である。
【0028】また、基体10をフッ素系樹脂で構成する
場合、フッ素系樹脂としてはポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂の他、テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル樹脂、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリトリクロロト
リフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレ
ン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共
重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフル
オライド等の使用が可能である。
【0029】さらに、図4(a)に示すように、本体部
9は、セラミック等の基体10の外側をさらに他の材
質、例えばフッ素樹脂等の防護被覆層12で覆う構成と
することも可能である。また、同図(b)に示すよう
に、本体部9は、セラミックあるいはガラス等の耐候性
材料からなる棒状のセラミック母材11の外周に、抵抗
金属線を巻き回して巻線部21を形成し、その外側をガ
ラスやフッ素系樹脂等からなる防護被覆層12で覆う構
成とすることもできる。
【0030】図5(a)は、流速測定システム100の
電気的構成の一例を示す回路図である。以下、その構成
と作動について説明する。この回路では、流速検知素子
6の抵抗金属巻線部21の冷却による抵抗変化を、該抵
抗金属巻線部21と、温度補償素子7を含んで構成され
る温度補償ユニット7’と、電気抵抗値が既知の抵抗R
1及び可変抵抗R2とを各辺に有する抵抗ブリッジ回路
部101で測定するようになっている。なお、この回路
にて、図1の検出制御部3に組み入れられる部分を、対
応する符号の一点鎖線枠で示しており、抵抗ブリッジ回
路部101との接続配線となる部分が、図1のケーブル
2の形で束ねられる形となっている。
【0031】なお、回路収容部8には、ブリッジ回路部
101のほかにトランジスタ105、オペアンプ102
等を含む、図5(a)の符号300の枠線に囲った部分
が収容されている。ただし、接続配線となるケーブル2
の長さを所定値に規定することができる場合は、符号3
00の枠内の構成要素のうち、流速検知素子6及び温度
補償素子7を除く全てを検出制御部3側に組み入れてし
まうことも可能である。この場合、回路収容部8を省略
してもよい。
【0032】抵抗ブリッジ回路部101においては、流
速検知素子6と温度補償ユニット7’との結接点cが接
地されている。また、抵抗R1と流速検知素子6との結
接点dと、可変抵抗R2と温度補償ユニット7’の結接
点bはオペアンプ102の入力端子にそれぞれ接続され
ている。
【0033】一方、オペアンプ102の出力側は抵抗R
3を介してトランジスタ105のベースに接続されてい
る。また、トランジスタ105のコレクタ側には図示し
ない電源(電圧+Vcc)が接続され、エミッタ側には
抵抗ブリッジ回路部101が接続されている。なお、R
3はトランジスタ105のベースへの入力電圧調整の抵
抗器である。
【0034】このような流速測定システム100を用い
て液状物の流速を検出する際には、オペアンプ102を
作動状態とし、まず流速がほぼゼロの状態(以下、基準
状態という)において、上記d点と接地間の電圧値が例
えば既知の所定電圧(例えば3〜4V程度)となるよう
に可変抵抗R2の抵抗値を調整し、これを基準電圧V0
として設定する。オペアンプ102は、抵抗ブリッジ回
路部101の結接点dとbとの差電圧に応じた出力を該
抵抗ブリッジ回路部に向けて出力する。この出力はトラ
ンジスタ105で電流増幅されて抵抗ブリッジ回路部1
01に供給される。
【0035】なお、抵抗ブリッジ回路部101において
は、本来は温度補償素子7が配置されるべき辺部に温度
補償ユニット7’が配置されている。これは、温度補償
素子7に過大な電流が流れてこれが抵抗発熱するするこ
とを防ぐために、該温度補償素子7を組み込んだ副ブリ
ッジ回路により構成されている。図5(b)は、温度補
償ユニット7’の回路構成の一例を示すもので、そのブ
リッジの一辺に温度補償素子7が入っている。すなわ
ち、温度補償素子7の電流による過熱を避けるためには
大きな抵抗値の素子を用いる必要があるが、これを抵抗
金属線による単一の抵抗部で構成しようとすると形状が
大きくなり、流速検知素子6(図2)との応答性にも差
が生じやすくなるので、液温が急変する場合の温度補償
が困難となる。そこで、温度補償素子7を上記ブリッジ
回路に組み込むことで、それほど抵抗値の高くない温度
補償素子であってもその見掛けの抵抗値を大きくするこ
とができる。
【0036】このブリッジは、温度補償素子7(電気抵
抗値R)、トランジスタ201(電圧又は電流によって
抵抗値の変わる素子であれば、FETや傍熱型サーミス
タなども使用できる)、抵抗器202及び203(電気
抵抗値はそれぞれr1、r2)、及びオペアンプ204
で構成されている。なお、205はトランジスタ201
へのベース入力電圧調整用の抵抗器である。ここで、ブ
リッジの平衡が常に取られるようにオペアンプ204に
より帰還をかけると次の式(1)が成り立つ。 r1・rT=r2・R ‥‥‥(1) rTは、トランジスタの抵抗値である。ここで、抵抗器
202として、その電気抵抗値r1が温度補償素子7の
電気抵抗値Rよりも十分大きいものを選択すれば、 r1>>R ‥‥‥(2) である。そして、ブリッジ全体の合成抵抗は、次の数1
により表される。
【0037】
【数1】
【0038】 (1)式より、rT=R・(r2/r1)‥‥‥(3) この(3)を数1に代入すると、次の数2が得られる。
【0039】
【数2】
【0040】ここで、(2)式より、数2の分母の第1項
は非常に小さく無視できるから、結局合成抵抗は、近似
的に次式により得られる。 R(1+r2/r1) ‥‥‥(4) すなわち、温度補償ユニット7’としての電気抵抗値は
等価的に大きくなり、温度補償素子7の形状は小さくて
も抵抗値が大きく、応答性の高い補償辺として機能す
る。
【0041】これにより、図5(a)において、トラン
ジスタ105で増幅された電流は主に流速検知素子6側
に流れてこれを抵抗発熱させた後、c点の接地に流れ込
むこととなる。そして、流速検知素子6の電気抵抗値は
その発熱により変化するが、オペアンプ102は、結接
点dとbとの差電圧が可及的に小さくなるように該抵抗
ブリッジ回路部101への帰還出力電圧を調整するか
ら、基準状態が維持される限り抵抗ブリッジ回路部10
1の平衡が維持され、抵抗金属巻線部21にはほぼ一定
の電圧が印加される。
【0042】この状態で、発熱した流速検知素子6に液
状物F(図2)が当たって冷却されると、その抵抗金属
巻線部21の抵抗値は減少し、抵抗ブリッジ回路部10
1の平衡が破れる。しかしながら、その不平衡電圧がオ
ペアンプ102及びトランジスタ105を介して該抵抗
ブリッジ回路部101に帰還されるため、抵抗金属巻線
部21にはもとの電気抵抗値に近づくように、すなわち
さらに発熱するように電流Ifが供給される。これによ
り、流速検知素子6には、基準状態の場合と比べて液状
物Fにより奪われた熱量に対応する分だけ余分な電流が
流れ、また電流が増加した分だけ余分な電圧が印加され
る。ここで、電流Ifは、液状物F(図2)によって奪
われた抵抗金属巻線部21の発熱に対応し、流速が増す
ほど奪われる発熱量も多くなることから、上記電圧の基
準電圧からの増分を測定することにより流速を検出する
ことができる。この場合、例えば上記抵抗ブリッジ回路
部101の接地レベルからみたd点の電圧を流速信号と
して取り出すことができる。なお、図2において、流速
の値ρに管状支持体5の流路断面積Sを乗ずることで、
流量λを知ることができる。
【0043】流速信号を取り出す部分の回路構成は各種
可能であるが、本実施例では例えば次のようにしてい
る。すなわち、d点の電圧は流速がほぼゼロの状態でも
基準電圧V0を示すが、流速はその基準電圧V0からの増
分に反映されるから、d点電圧Vdから基準電圧V0を減
じて流速信号出力とする。具体的には、周辺の抵抗器1
03a〜103dとともに差動増幅器を構成するオペア
ンプ103の一方の端子にd点電圧Vdを入力し、他方
の端子に電源103eにより基準電圧V0を入力すれ
ば、該オペアンプ103の出力は両者の差Vd−V0に比
例するものとなり、これを流速信号出力として取り出す
ことができる。本実施例では、Vd−V0をオペアンプ1
03によりユニティゲインで反転増幅して取り出し、さ
らにオペアンプ104により再度ユニティゲインで反転
増幅して、出力電圧極性をもとに戻す構成としている。
なお、該回路には、上述のようにして得られる流速信号
を線形化する線形化回路106を設けることができる。
なお、オペアンプ103及びオペアンプ104の少なく
ともいずれかのゲインの絶対値を、必要に応じて1以外
の値に設定してもよい。
【0044】さて、本発明の流速センサ1においては、
上記説明したように、流速検知素子6の抵抗金属巻線部
21の電気抵抗値変化に基づいて液状物Fの流速を検知
するようにしているので、流量が少ない場合でもその流
速を精度よく測定でき、しかも安価である。また、図3
に示すように、流速検知素子6ないし温度補償素子7の
本体部9において、抵抗金属巻線部21の外側をアルミ
ナ系セラミック、ガラス、フッ素樹脂からなる厚さ10
0μm以上の防護被覆層12により覆っているので、酸
やアルカリ等の腐食性の高い液体や、セラミック原料粉
末や研粒(例えば半導体シリコンウェハ等の研磨用に使
用されるもの)等のスラリーなど、研磨性の高い液状物
Fの場合でも、その寿命を長期間確保することができ
る。
【0045】なお、流速検知素子6と温度補償素子7と
は、例えば図6に示すように、管状支持体5の中心軸線
Oを挟んで、その両側に配置する構成とすることもでき
る。
【0046】また、図7に示すように、管状支持体5の
中間部に、その両端部よりも拡径する拡径部5dを形成
し、その拡径部5d内に流速検知素子6と温度補償素子
7とを配置するようにしてもよい。これにより、細径の
管部材内の流れも容易に測定することができる。本実施
例では、両端の雄ねじ部5a,5aと拡径部5dとの間
に、それぞれ内面がテーパ面状とされた接続部5cが形
成されている。この接続部5c内側のテーパ面角度θ
は、6〜10°以下の範囲で調整するのがよい。該角度
θが10°を超えると、乱流が発生しやすくなり、流速
測定精度が確保できなくなる場合がある。他方6°未満
になると、所期の拡径部5dを形成するために必要な接
続部5cの長さが大きくなり過ぎ、管状支持体5のいた
ずらな寸法増大を招く結果につながる場合がある。
【0047】この場合、拡径部5d内の流路断面積をS
1、流速をρ1、管状支持体5の前後に接続される管部材
(図1の150,151に相当)の流路断面積をS2、
流速をρ2として、接続部5cでの圧力損失がほとんど
無視できると考えれば、拡径部5dと管部材とで流量は
互いに等しくなるから、 S1×ρ1=S2×ρ2‥‥‥(1) すなわち、 ρ1=(S2/S1)×ρ2‥‥(1)' となる。従って、測定すべき管部材内の流速ρ1は、拡
径部5d内の流速の(S2/S1)倍となる。
【0048】そこで、図5において、例えばオペアンプ
104による反転増幅器のゲインをユニティゲインとせ
ず、(S2/S1)に対応するゲインで出力を増幅するよ
うにすれば、上記流速ρ1に対応した流速測定出力が得
られる。そのためには、例えばオペアンプ104の入力
側の抵抗器111の抵抗値をRA、同じく負帰還部の抵
抗器110の抵抗値をRBとして、(RB/RA)=(S2
/S1)となるように、RA及びRBの値を設定すればよ
い。この場合、オペアンプ104(反転増幅器)が補正
出力手段を構成することとなる。
【0049】次に、同じ流速検知素子を用いて種類の異
なる液状物の流速を検知しようとした場合、流速検知素
子の検知出力レベルが同一であっても、液状物の種類に
よって該検知出力レベルに対応する流速レベルが異なる
ことがある。この場合、流速検知素子の検知出力に基づ
く流速情報を測定対象となる液状物の種別に応じて補正
し、その補正後の流速情報を出力するように構成すれ
ば、各種液状物の流速をより正確に測定できるようにな
る。図8はその場合の回路構成を示している(なお、図
5と共通の部分には同一の符号を付して詳細な説明を省
略する)。
【0050】ここでは、図5の検出制御部3と略同様の
構成の出力補正回路250が、測定対象となる液状物の
種類に応じて複数設けられており、アナログスイッチ回
路251によって一つのものが選択的にブリッジ回路1
01に接続されるようになっている。なお、アナログス
イッチ回路251は各出力補正回路250に対応するア
ナログスイッチを有して構成されている。また、スイッ
チ操作部254は、接続すべき出力補正回路250を指
定するためのものであり、押しボタン操作部あるいはダ
イヤル式操作部等で構成される。そして、スイッチ制御
信号発生部253は、該スイッチ操作部254の操作状
態を認識して、これに対応するアナログスイッチがオン
となるようなスイッチ制御信号を、アナログスイッチ回
路251に対して送信する。
【0051】また、各出力補正回路250は、対応する
種類の液状物に対し、流速信号の線形化に最適な基準電
圧V0が与えられるよう、電源103eの電圧が互いに
異なる値に設定されている。また、線形化回路106
も、線形化後の流速−出力曲線の勾配が対応する液状物
の正しい流速値を与えるものとなるように、その回路定
数が互いに異なる内容に設定されている。
【0052】そして、測定時には、スイッチ操作部25
4を測定対象となる液状物の種類に対応する操作状態と
することにより、スイッチ回路251により対応する出
力補正回路250が選択されてブリッジ回路101に接
続される。これにより、ブリッジ回路101からの出力
Vdは、選択された液状物に固有の基準電圧V0との差分
がオペアンプ103により増幅され、さらに該液状物に
固有の回路定数を有する線形化回路106にて線形化さ
れ、その線形化後の流速信号が補正済流速信号として出
力されることとなる。
【0053】なお、出力補正回路250は、図9に示す
ようにマイクロプロセッサを主体に構成することもでき
る。マイクロプロセッサは、I/Oポート251とこれ
に接続されたCPU252、RAM253及びROM2
54を備える。ブリッジ回路101からの出力VdはA
/D変換器255を介してマイクロプロセッサに入力さ
れ、そのCPU252はROM254に格納された制御
プログラム254aに基づき、RAM253をワークエ
リアとしてVd入力に対応する流速値の補正出力処理を
行う。ROM254には、各種液状物の種類毎にVdの
値(Vd1,Vd2,‥‥)と、流速ρの値(流体1に対し
てはρ11,ρ12,‥‥、流体2に対してはρ21,ρ22,
‥‥等)との関係を表す情報(以下、電圧−流速関係情
報という)254bが記憶されている。そして、入力部
257(キーボード、マウス等)からの入力内容に応じ
て測定対象となる液状物の種別を選択した後、Vdの値
が取り込まれると、選択された液状物に対応する電圧−
流速関係情報254bを用いて、Vdに対応する流速値
ρの値が算出され、これがD/A変換器256を介して
流速信号として出力される(なお、デジタル出力の場合
はD/A変換器256は不要となる)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液状物用熱式流速センサと、それを用
いた流速測定システムの一例を示す外観分解斜視図。
【図2】液状物用熱式流速センサの内部構造を、取付状
態にて示す横断面図。
【図3】流速検知素子及び温度補償素子の本体部の外観
斜視図、その内部構造を示す模式図、及びその要部を拡
大して示す説明図。
【図4】上記本体部のいくつかの変形例を示す断面図。
【図5】図1の流速測定システムの電気的構成の一例を
示す回路図。
【図6】液状物用熱式流速センサの変形例を示す軸断面
図。
【図7】同じく別の変形例を示す斜視図。
【図8】測定すべき液状物の種類に応じて、流速信号を
補正出力する場合の構成の一例を示す回路図。
【図9】補正出力回路をマイクロプロセッサを主体に構
成した例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 液状物用熱式流速センサ 5 管状支持体(検知素子取付手段) 6 流速検知素子 7 温度補償素子 8 回路収容部 9 本体部 10 基体 12 防護被覆層 21 抵抗金属巻線部(抵抗発熱体、感温抵抗体) 150,151 管部材 250 出力補正回路(流速情報補正・出力手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−62008(JP,A) 特開 平8−304136(JP,A) 特開 平7−63587(JP,A) 特開 昭54−97451(JP,A) 実開 昭57−132245(JP,U) 実開 昭58−178633(JP,U) 実開 平6−51828(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/00 - 9/02 G01P 5/12

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ、炭化硅素、窒化硅素及びジル
    コニアから選ばれる1種又は2種以上を主体とするセラ
    ミック、又はフッ素樹脂からなる防護被覆層にて抵抗発
    熱体を覆った本体部を有し、該本体部と液状物とが接触
    することによる前記抵抗発熱体の電気抵抗値変化に基づ
    いて該液状物の流速を検知する流速検知素子を備え 前記液状物の流路を形成する流路形成部材に対し前記流
    速検知素子を、前記本体部が前記流路内に位置する状態
    で着脱可能に取り付ける検知素子取付手段を有し、 前記流路形成部材は管部材とされ、 前記検出素子取付手段は、前記管部材に着脱可能に取り
    付けられるとともに、その取付状態において前記管部材
    とともに流路の一部を形成する管状支持体を含んで構成
    され、 前記流速検知素子は前記管状支持体に対し、その内面か
    ら内向きに突出する形態で一体的に取り付けられてお
    り、該管状支持体とともに前記管部材に対して着脱され
    るものであり、 前記管状支持体の中間部が両端部よりも拡径する拡径部
    とされ、前記流速検知素子はその拡径部に取り付けられ
    ており、 前記流速検知素子の検知出力に基づく前記拡径部内での
    流速情報を、該拡径部での流速減少分を補正する形で、
    前記管状支持体が装着される前記管部材内での流速情報
    に変換して出力する補正出力手段が設けられている こと
    を特徴とする液状物用熱式流速センサ。
  2. 【請求項2】 セラミック、ガラス等の無機材料又はフ
    ッ素樹脂からなる厚さ100μm以上の防護被覆層にて
    抵抗発熱体を覆った本体部を有し、該本体部と液状物と
    が接触することによる前記抵抗発熱体の電気抵抗値変化
    に基づいて、該液状物の流速を検知する流速検知素子を
    備え 前記液状物の流路を形成する流路形成部材に対し前記流
    速検知素子を、前記本体部が前記流路内に位置する状態
    で着脱可能に取り付ける検知素子取付手段を有し、 前記流路形成部材は管部材とされ、 前記検出素子取付手段は、前記管部材に着脱可能に取り
    付けられるとともに、その取付状態において前記管部材
    とともに流路の一部を形成する管状支持体を含んで構成
    され、 前記流速検知素子は前記管状支持体に対し、その内面か
    ら内向きに突出する形態で一体的に取り付けられてお
    り、該管状支持体とともに前記管部材に対して着脱され
    るものであり、 前記管状支持体の中間部が両端部よりも拡径する拡径部
    とされ、前記流速検知素子はその拡径部に取り付けられ
    ており、 前記流速検知素子の検知出力に基づく前記拡径部内での
    流速情報を、該拡径部での流速減少分を補正する形で、
    前記管状支持体が装着される前記管部材内での流速情報
    に変換して出力する補正出力手段が設けられている こと
    を特徴とする液状物用熱式流速センサ。
  3. 【請求項3】 前記流速検知素子の前記本体部におい
    て、前記抵抗発熱体は抵抗金属巻線部とされ、該抵抗金
    属巻線部がセラミック、ガラス等の無機材料又はフッ素
    樹脂からなる基体中に埋設されるとともに、その基体の
    うち、前記抵抗金属巻線部の外側を覆っている部分が前
    記防護被覆層を形成している請求項1又は2に記載の液
    状物用熱式流速センサ。
  4. 【請求項4】 前記液状物の温度変化に対応して電気抵
    抗値が変化する感温抵抗体の外側を、セラミック、ガラ
    ス等の無機材料又はフッ素樹脂からなる防護被覆層で覆
    った温度補償素子が、前記流速検知素子と別体に設けら
    れている請求項1ないし3のいずれかに記載の液状物用
    熱式流速センサ。
  5. 【請求項5】 前記温度補償素子は、流速検知すべき液
    状物の流路内において前記流速検知素子よりも上流側に
    取り付けられる請求項1ないし4のいずれかに記載の液
    状物用熱式流速センサ。
  6. 【請求項6】 前記流速検知素子は、一軸方向に延びる
    棒状に形成されるとともに、その軸線と直交する任意の
    向きにおいて略等価な検知特性を示す無指向性検知素子
    とされ、 前記検知素子取付手段は、該棒状の流速検知素子を前記
    流路形成部材に対し、 その流路内面から内向きに突出す
    る形で取り付けるものである請求項1ないし5のいずれ
    かに記載の液状物用熱式流速センサ。
  7. 【請求項7】 前記流速検知素子と前記温度補償素子と
    は各々棒状に形成されるとともに、 前記管状支持体には、それら流速検知素子と温度補償素
    子とが、該管状支持体の軸線方向に並んだ形でそれぞれ
    その内面から突出するように配置される請求項1ないし
    6のいずれか1項に記載の液状物用熱式流速センサ。
  8. 【請求項8】 前記管状支持体には、前記液状物の流速
    に対応した前記流速検知素子の通電状態変化を検出する
    抵抗ブリッジ回路が組み込まれている請求項1ないし7
    のいずれか1項に記載の液状物用熱式流速センサ。
  9. 【請求項9】 前記流速検知素子の検知出力に基づく流
    速情報を、測定対象となる前記液状物の種類に応じて補
    正し、その補正後の流速情報を出力する流速情報補正・
    出力手段が設けられている請求項1ないし8のいずれか
    1項に記載の液状物用熱式流速センサ。
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