JP4368459B2 - 流体識別機能を有する流量センサー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体流量検知技術に属するものであり、特に、配管内を流れる流体の流量を検知するとともに被検知流体が流量検知対象のものであるかどうかを識別する流量センサーに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、各種流体特に液体の流量(あるいは流速)を測定する流量センサー(あるいは流速センサー)としては、種々の形式のものが使用されているが、低価格化が容易であるという理由で、いわゆる熱式(特に傍熱型)の流量センサーが利用されている。
【0003】
この傍熱型流量センサーとしては、基板上に薄膜技術を利用して薄膜発熱体と薄膜感温体とを絶縁層を介して積層し、基板と配管内の流体とを熱的に接続させるように配置したものが使用されている。発熱体に通電することにより感温体を加熱し、該感温体の電気的特性例えば電気抵抗の値を変化させる。この電気抵抗値の変化(感温体の温度上昇に基づく)は、配管内を流れる流体の流量(流速)に応じて変化する。これは、発熱体の発熱量のうちの一部が基板を経て流体中へと伝達され、この流体中へ拡散する熱量は流体の流量(流速)に応じて変化し、これに応じて感温体へと供給される熱量が変化して、該感温体の電気抵抗値が変化するからである。この感温体の電気抵抗値の変化は、流体の温度によっても異なり、このため、上記感温体の電気抵抗値の変化を測定する電気回路中に温度補償用の感温素子を組み込んでおき、流体の温度による流量測定値の変化をできるだけ少なくすることも行われている。
【0004】
このような、薄膜素子を用いた傍熱型流量センサーに関しては、例えば、特開平8−146026号公報に記載がある。
【0005】
ところで、従来の傍熱型の流量センサーは、流量検知部の基板または該基板に対して熱的に接続されたケーシングを配管の壁面から流体中に露出させるようにして配管に取り付けられている。
【0006】
しかして、流体が粘性流体特に液体である場合には、配管内の流体の流れと直交する断面における流速分布が不均一となる(断面内の中央部と外周部とで流速が大きく異なる)。上記従来の管壁に単に基板またはそれに接続されたケーシング部分を露出させたものの場合には、上記流速分布が、流量測定の精度に大きな影響を与える。これは、流量検知に際して、配管の断面中央部分を流れる流体の流速が考慮されず、配管の管壁近傍における流体の流速のみが考慮されるからである。このように、従来の流量センサーでは、粘性流体の場合には、正確な流量測定が困難であるという問題点があった。尚、常温において粘度が低い流体であっても、温度が低下するにつれて粘度が上昇するので、以上のような流体の粘性に関連する問題が発生する。
【0007】
また、従来の傍熱型流量センサーでは、発熱体は所定の発熱状態とされるので、被検知流体の流量に応じて、該流体による吸熱量が異なるために発熱体周囲の温度は変化する。このため、流量が小さい場合には流体温度が上昇し、被検知流体がガソリン、軽油及び灯油などの可燃性及び揮発性の流体である場合には着火爆発のおそれがある。また、被検知流体が化学変化を生じやすい流体である場合には、温度上昇により変質する場合がある。
【0008】
一方、流体流量の測定においては、配管内に所定の測定対象流体以外の流体が予期せずして混入する場合がある。例えば、灯油タンクからポンプにより各種燃焼機器へと灯油を供給する配管において灯油流量を測定する場合には、灯油タンク内から或はポンプを経由して空気や水が混入することがある。この場合には、燃焼機器が不完全燃焼を生じたり燃焼機器の寿命を短縮したりすることになる。従って、このような場合には、直ちにポンプの作動を停止し、正常な灯油供給がなされるよう処置する必要がある。
【0009】
更に、例えば医療の分野において人体に対してポンプによりまたは点滴にて所定の薬液または血液などの流体を供給する配管においてこれら流体の流量を測定する場合にも、ポンプなどを経由して空気が混入する場合がある。この場合には、人体に対して悪影響があるので、直ちにポンプの作動を停止し、正常な薬液や血液などの流体の供給がなされるよう処置する必要がある。
【0010】
このために、被検知流体が所定の測定対象のものであるか否かを識別することが要求される。しかし、このような流体識別のための手段を流量センサーと別に設けることは、装置コストの上昇を招き好ましくない。
【0011】
そこで、本発明の目的は、被測定流体が所定の測定対象のものであるか否かを識別することが可能な流量センサーを提供することにある。
【0012】
更に、本発明の目的は、被測定流体の過度の温度上昇を防止し、被測定流体の引火爆発や変質などの不具合の発生を防止することが可能な流量センサーを提供することにある。
【0013】
更に、本発明の目的は、粘性流体であっても、配管内を流れる該流体の流量を正確に測定できる流量センサーを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
発熱機能及び感温機能を有する流量検知部と、該流量検知部における発熱の影響を受けるように被検知流体の流通のための流体流通管路内に延出するように配置される流量検知用熱伝達部材とを備えており、前記流量検知部において発熱に基づき前記流量検知用熱伝達部材を介して前記被検知流体による吸熱の影響を受けた感温が実行され、該感温の結果に基づき前記流体流通管路内の被検知流体の流量の検知がなされる流量センサーであって、
前記流量検知部は前記流体流通管路外にて前記流量検知用熱伝達部材の上に形成された薄膜発熱体と該薄膜発熱体の発熱の影響を受けるように配置された流量検知用薄膜感温体とを含んでおり、
前記薄膜発熱体への通電経路に該薄膜発熱体の発熱を制御する発熱制御手段が接続されており、該発熱制御手段は前記感温の結果が目標と一致するように前記薄膜発熱体への通電を制御するものであり、前記発熱制御手段による通電制御状態が予め定められた所定範囲内の場合には該通電制御状態に基づき前記被検知流体の流量を測定するとともに前記通電制御状態が前記所定範囲外の場合には被検知流体が流量検知対象のもの以外の流体であると識別する流量測定・流体識別手段を有する、
ことを特徴とする、流体識別機能を有する流量センサー、
が提供される。
【0015】
本発明の一態様においては、前記流量測定・流体識別手段は前記通電制御状態に対応する出力信号に対して設定される閾値と前記出力信号との比較を行って前記通電制御状態が前記所定範囲内であるか否かを判別するものである。
【0016】
本発明の一態様においては、前記流量測定・流体識別手段は、前記比較を行って前記通電制御状態が前記所定範囲内であると判別した場合には前記出力信号の値をそのまま出力し、前記比較を行って前記通電制御状態が前記所定範囲外であると判別した場合には前記所定範囲の前記出力信号の範囲外であって前記閾値から離隔した値を出力するものである。
【0017】
本発明の一態様においては、前記通電制御状態を示す信号として前記薄膜発熱体に印加される電圧値の信号を用いる。
【0018】
本発明の一態様においては、前記薄膜発熱体に印加される電圧値の信号を増幅して前記流量測定・流体識別手段へと供給するための増幅器を有する。
【0019】
本発明の一態様においては、前記流量検知用熱伝達部材は前記流体流通管路の径方向に延出し該流体流通管路の中心線を通る。
【0020】
本発明の一態様においては、前記流量検知用熱伝達部材は、平板状をなしており、前記流体流通管路内において該管路の方向に沿うように配置される。
【0021】
本発明の一態様においては、前記流量検知の際の温度補償を行うための流体温度検知部を含んでおり、該流体温度検知部と前記流体流通管路内に延出するように配置される流体温度検知用熱伝達部材とが熱的に接続されている。
【0022】
本発明の一態様においては、前記流体温度検知用熱伝達部材は前記流体流通管路の径方向に延出し該流体流通管路の中心線を通る。
【0023】
本発明の一態様においては、前記流体温度検知用熱伝達部材は、平板状をなしており、前記流体流通管路内において該管路の方向に沿うように配置される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は本発明による流量センサーの一実施形態を示す回路構成図である。
【0026】
供給電源は、例えば+15V(±10%)であり、定電圧回路102に供給される。該定電圧回路102は、例えば+6V(±3%)で出力0.1Wであり、その出力はブリッジ回路104に供給される。ブリッジ回路104は流量検知用薄膜感温体104−1と温度補償用薄膜感温体104−2と可変抵抗104−3,104−4とを含んでなる。
【0027】
ブリッジ回路104のa,b点の電圧が差動増幅回路106に入力される。該差動増幅回路106は可変抵抗106aにより増幅率可変とされている。差動増幅回路106の出力は積分回路108に入力される。これら増幅率可変の差動増幅回路106と積分回路108とが、後述のように応答性設定手段として機能する。
【0028】
一方、上記供給電源は、NPNトランジスター110のコレクタに接続されており、該トランジスター110のエミッタは発熱体112に接続されている。また、トランジスター110のベースには、上記積分回路108の出力が入力される。即ち、供給電源はトランジスター110を経て薄膜発熱体112へと通電し、該発熱体112にかかる電圧はトランジスター110の分圧により制御される。そして、トランジスター110の分圧は、抵抗を介してベースへと入力される積分回路108の出力により制御され、トランジスター110は可変抵抗体として機能し、発熱体112の発熱を制御する発熱制御手段として機能する。
【0029】
薄膜発熱体112への通電制御状態を示す信号として、薄膜発熱体112に印加される電圧値の信号(出力P)が用いられる。この出力Pは、増幅器121により増幅され信号P’として流量測定・流体識別手段122へと入力される。図2に示されているように、流量測定・流体識別手段122は比較器123を有しており、該比較器123は通電制御状態に対応する信号P’に対し設定される2つの閾値M,N(N<M)と信号P’との比較を行って信号P’の値がN〜Mの範囲内であるか否かを判別して、その判別結果に従って後述のような流量測定及び流体識別の信号(出力Q)を出力する。
【0030】
図3及び図4は本実施形態の流量センサーの断面図であり、図3は被検知流体が流通する流体流通管路に沿った断面を示し、図4は流体流通管路と直交する断面を示す。
【0031】
これらの図において、2はケーシング本体部であり、該ケーシング本体部を貫通して被検知流体の流通のための流体流通管路4が形成されている。該管路4はケーシング本体部2の両端まで延びている。Aは管路4の中心線を示す。ケーシング本体部2の両端において、外部配管と接続するための接続部(例えば詳細には図示されていないクイックカップリング構造)6a,6bが形成されている。ケーシング本体部2は合成樹脂製たとえば塩化ビニル樹脂や耐薬品性及び耐油性が大きいガラス繊維強化のポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等からなる。このケーシング本体部2には、管路4の上方にて素子収容部5が形成されており、該素子収容部5にはケーシング蓋体部8がネジまたは嵌合などにより固定されている。該ケーシング蓋体部8と上記ケーシング本体部2とによりケーシングが構成されている。
【0032】
本実施形態では、ケーシング本体部2の素子収容部5の内側(即ち管路4側)に、管路4に隣接して2つの素子ユニット保持部50,60が形成されている。これら素子ユニット保持部50,60はいずれも管路4の径方向を中心とする2段円筒状内面を有する。第1の素子ユニット保持部50により流量検知ユニット51が保持されており、第2の素子ユニット保持部60により流体温度検知ユニット61が保持されている。
【0033】
図5に、流量検知ユニット51の断面図を示す。図5に示されているように、流量検知ユニット51は、流量検知部12と、該流量検知部12に熱伝導性良好な接合材16により接合された熱伝達用部材としてのフィンプレート14と、電極端子52と、流量検知部12の電極を対応する電極端子52と電気的に接続するボンディングワイヤ28と、合成樹脂製の基体部53とを有する。該基体部53は、特に、熱伝達性が低く(すなわち熱絶縁性を有する)耐薬品性や耐油性が大きい合成樹脂からなるのが好ましい。基体部53は素子ユニット保持部50の内周面に対応した2段円筒形状外周面を有する。基体部53から、フィンプレート14の一部が管路4の側へと延出しており、電極端子52の一部が管路4と反対の側(外側)へと延出している。すなわち、流量検知部12と、接合材16とフィンプレート14の一部と、電極端子52の一部とボンディングワイヤ28とが基体部53により封止されている。
【0034】
流量検知部12は、図6に示されている様に、基板12−1の上面(第1面)上に絶縁層12−2を形成し、その上に薄膜発熱体12−3(上記薄膜発熱体112)を形成し、その上に該薄膜発熱体のための1対の電極層12−4,12−5を形成し、その上に絶縁層12−6を形成し、その上に流量検知用薄膜感温体12−7(上記薄膜感温体104−1) を形成し、その上に絶縁層12−8を形成したチップ状のものからなる。基板12−1としては例えば厚さ0.5mm程度で大きさ2〜3mm角程度のシリコンやアルミナなどからなるものを用いることができ(アルミナなどの絶縁基板を用いる場合には、絶縁層12−2を省略することができる)、薄膜発熱体12−3としては膜厚1μm程度で所望形状にパターニングしたサーメットからなるものを用いることができ、電極層12−4,12−5としては膜厚0.5μm程度のニッケルからなるもの又はこれに膜厚0.1μm程度の金を積層したものを用いることができ、絶縁層12−2,12−6,12−8としては膜厚1μm程度のSiO2 からなるものを用いることができ、薄膜感温体12−7としては膜厚0.5〜1μm程度で所望形状例えば蛇行形状にパターニングした白金やニッケルなどの温度係数が大きく安定な金属抵抗膜を用いることができる(あるいは酸化マンガン系のNTCサーミスターからなるものを用いることもできる)。このように、薄膜発熱体12−3と薄膜感温体12−7とが薄膜絶縁層12−6を介して極く近接して配置されていることにより、薄膜感温体12−7は薄膜発熱体12−3の発熱の影響を直ちに受けることになる。
【0035】
図5に示されているように、流量検知部12の一方の面すなわち基板12−1の第2面に、熱伝達用部材としての平板状フィンプレート14が接合材16により接合されている。フィンプレート14としては例えば銅、ジュラルミン、銅−タングステン合金からなる平板状のものを用いることができ、接合材16としては例えば銀ペーストを用いることができる。
【0036】
図3及び図4に示されているように、流量検知ユニット51(の基体部53)の外周面と素子ユニット保持部50の内周面との間には、管路4に対するシール部材としてのO−リング54が介在している。
【0037】
フィンプレート14は、上部分が流量検知部12に接合されており、下部分が管路4内へと延びている。該フィンプレート14は、ほぼ円形の断面を持つ管路4において、その断面内の中央を通って上部から下部へと該管路4を横切って延在している。但し、管路4は必ずしも断面が円形である必要はなく、適宜の断面形状が可能である。管路4内において、上記フィンプレート14の幅(管路方向の寸法)は該フィンプレート14の厚さより十分大きい。このため、フィンプレート14は、管路4内における流体の流通に大きな影響を与えることなしに、流量検知部12と流体との間の熱伝達を良好に行うことが可能である。
【0038】
上記ケーシング本体部2には、素子ユニット保持部50から管路4に沿って隔てられた位置において、素子ユニット保持部60が配置されている。素子ユニット保持部60により流体温度検知ユニット61が保持されている。
【0039】
流体温度検知ユニット61は、基本的には、流量検知部12の代わりに流体温度検知部を用いたことが、流量検知ユニット51と異なる。即ち、流体温度検知ユニット61は、流体温度検知部に熱伝導性良好な接合材により接合された熱伝達用部材としてのフィンプレート14’と、電極端子62と、流体温度検知部の電極を対応する電極端子62と電気的に接続するボンディングワイヤと、合成樹脂製の基体部とを有する。基体部から、フィンプレート14’の一部が管路4の側へと延出しており、電極端子62の一部が管路4と反対の側(外側)へと延出している。
【0040】
温度検知部は、上記流量検知部12と同様な基板上に、同様な薄膜感温体(流体温度補償用薄膜感温体)を形成したチップ状のものからなる。即ち、温度検知部は、図6における薄膜発熱体12−3、1対の電極層12−4,12−5及び絶縁層12−6を除去したものと同様にして構成することができる。また、温度検知部には、流量検知部12と同様にして、接合材によりフィンプレート14’が接合されている。
【0041】
図3に示されているように、流体温度検知ユニット61の外周面と素子ユニット保持部60の内周面との間には、管路4に対するシール部材としてのO−リング64が介在している。
【0042】
流体温度検知ユニット61は、管路4内の流体流通方向に関して流量検知ユニット51の下流側に配置するのが好ましい。
【0043】
上記ケーシング本体部2の素子収容部5内には、流量検知ユニット51及び流体温度検知ユニット61のための押え板32が配置されており、その上に配線基板26が固定配置されている。該配線基板26の電極のうちのいくつかは、上記流量検知ユニット51の電極端子52とワイヤボンディング等により電気的に接続されており(図示省略)、同様に上記流体温度検知ユニット61の電極端子62とワイヤボンディング等により電気的に接続されている(図示省略)。配線基板26の電極のうちの他のいくつかは外部リード線30と接続されていて、該外部リード線30はケーシング外へと延びている。この外部リード線30は予めケーシング本体部2の所定の箇所に一体的に配置しておき、ケーシング本体部2への配線基板26の取り付けの際に該配線基板26の電極との電気的接続を行うようにすることができる。
【0044】
次に、本実施形態における流量測定及び流体識別の動作について説明する。本実施形態では所定の流量検知対象流体が灯油である場合について説明する。
【0045】
流量検知部12において、薄膜発熱体12−3の発熱に基づき、フィンプレート14を介して被検知流体による吸熱の影響を受けて、薄膜感温体12−7による感温が実行される。そして、該感温の結果として、ブリッジ回路104のa,b点の電圧Va,Vbの差が得られる。
【0046】
(Va−Vb)の値は、流体の流量に応じて流量検知用薄膜感温体104−1の温度が変化することで、変化する。予め可変抵抗104−3,104−4の抵抗値を適宜設定することで、基準となる所望の流体流量の場合において(Va−Vb)の値を零とすることができる。この基準流量では、差動増幅回路106の出力は零であり、積分回路108の出力が一定となり、トランジスター110の抵抗値も一定となる。その場合には、発熱体112に印加される分圧も一定となり、この時の流量出力が上記基準流量を示すものとなる。
【0047】
流体流量が基準流量から増減すると、差動増幅回路106の出力は(Va−Vb)の値に応じて極性(流量検知用感温体104−1の抵抗−温度特性の正負により異なる)及び大きさが変化し、これに応じて積分回路108の出力が変化する。積分回路108の出力の変化の速さは差動増幅回路106の可変抵抗106aによる増幅率設定により調節することができる。これら積分回路108と差動増幅回路106とにより、制御系の応答特性が設定される。
【0048】
流体流量が増加した場合には流量検知用感温体104−1の温度が低下するので、発熱体112の発熱量を増加させる(即ち電流量を増加させる)よう、積分回路108からはトランジスター110のベースに対して、トランジスター110の抵抗を低下させるような制御入力がなされる。
【0049】
他方、流体流量が減少した場合には流量検知用感温体104−1の温度が上昇するので、発熱体112の発熱量を減少させる(即ち電流量を減少させる)よう、積分回路108からはトランジスター110のベースに対して、トランジスター110の抵抗を増加させるような制御入力がなされる。
【0050】
以上のようにして、流体流量の変化によらず、常に流量検知用感温体104−1により検知される温度が目標値となるように、発熱体112の発熱がフィードバック制御される(流量検知用感温体104−1の抵抗−温度特性の正負に応じて、必要な場合には差動増幅回路106の出力の極性を適宜反転させる)。
【0051】
図7は、被検知流体が灯油、水及び空気のそれぞれである場合において、それらの流量の値が変化した時に、発熱体112に印加される電圧である出力P[V]の値がどのように変化するかを示したものである。流体が空気である場合には、図示されている所定の流量範囲において出力Pはn[V]より小さい。流体が水である場合には、図示されている所定の流量範囲において出力Pはm[V]より大きい。流体が灯油である場合には、図示されている所定の流量範囲において出力Pはn〜m[V]の範囲内にある。
【0052】
従って、増幅器121の増幅率がαに設定されているとして、流量測定・流体識別手段122の比較器123で設定される閾値N,Mをそれぞれαn,αmとすることにより、比較器123からの出力Qを図8に示されるようにすることができる。即ち、比較器123では、増幅器121の出力信号P’が入力されると、信号P’が閾値Nより小さい場合には、出力Qとして0(零)[V]を出力し、閾値Mより大きい場合には出力QとしてL[V](M<L)を出力する。出力Qとして信号0(零)[V]またはL[V]が出力された場合には、被検知流体が流量検知対象のものではない(即ち、灯油ではなく空気または水である)ことを意味する。一方、信号P’が閾値N〜閾値Mの範囲内である場合には、出力Qとして信号P’[V]をそのまま出力する。N〜Mの範囲の出力Qが得られた場合には、被検知流体が所定の流量検知対象流体(灯油)であることを意味し、この出力Qの値に応じた流量が測定されたことになる。
【0053】
実際には、出力Qは、所望によりレベル調整された上で、A/D変換され、コンピュータに入力される。該コンピュータは、記憶手段に予め記憶されている上記出力Qの値(N〜M)と灯油流量値との関係に従って出力Qの値に対応する灯油流量値に換算して表示手段に表示し、或は上記出力Qの値が0(零)[V]の場合及びL[V]の場合にはそれぞれ空気が検知されたこと及び水が検知されたことを表示手段に表示すると共に警報信号を発する。更に、該警報信号に基づき自動的に流体供給停止などの対処を行うようにすることができる。
【0054】
以上のような流体識別は、流体の種類に応じて比熱及び熱伝導率などの相違に基づき熱伝達が異なることを利用するものであり、このような熱伝達の相違が顕著である複数の流体であれば、互いに識別することが可能である。
【0055】
以上の実施形態においては、被検知流体の流量の如何にかかわらず、発熱体112周囲の流量検知用感温体104−1の温度がほぼ一定に維持されるので、流量センサーの経時劣化が少なく、また可燃性の被検知流体の着火爆発の発生を防止することができる。また、発熱体112には定電圧回路が不要であるので、ブリッジ回路104のための低出力の定電圧回路102を用いれば良いという利点がある。このため、定電圧回路の発熱量を小さくでき、流量センサーを小型化しても流量検知精度を良好に維持することができる。
【0056】
更に、本実施形態においては、所定の流量範囲内にて被測定流体が所定の測定対象のものであるか否かを識別しながら、所定の測定対象流体の流量を測定することが可能である。
【0057】
また、本実施形態では、流量検知部12として薄膜発熱体と薄膜感温体とを積層してなるチップ状のものを用いているので、応答性が良好であり、精度の良い流量測定及び流体識別を行うことができる。
【0058】
また、本実施形態では、フィンプレート14は流体流通管路の径方向に延出し管路の中心線Aを通っているので、流体が粘性流体である場合にも精度よく流量測定及び流体識別を行うことができる。
【0059】
以上の実施形態では、比較器123において2つの閾値N,Mを用いて出力P’の値がN〜Mの範囲内にあるかどうかを判別することで、出力P’の値がNより小さい第1の流体及びMより大きい第2の流体との識別を行うようにしているが、本発明は、それ以外の形態も可能である。例えば、水を所定の流量検知対象流体とし、灯油又は空気の混入を識別する場合には、比較器123において1つの閾値Mのみを用い、信号P’がM[V]より小さい場合には出力Qとして0(零)[V]を出力して被検知流体が流量検知対象のものではない(即ち、水ではなく灯油または空気である)ことを識別し、一方、信号P’がM[V]以上である場合には出力Qとして信号P’[V]をそのまま出力して被検知流体が所定の流量検知対象流体(水)であることを識別し且つ出力Qの値に応じた流量を測定するようにしてもよい。また、例えば、空気を所定の流量検知対象流体とし、灯油又は水の混入を識別する場合には、比較器123において1つの閾値Nのみを用い、信号P’がN[V]より大きい場合には出力QとしてL[V]を出力して被検知流体が流量検知対象のものではない(即ち、空気ではなく灯油または水である)ことを識別し、一方、信号P’がN[V]以下である場合には出力Qとして信号P’[V]をそのまま出力して被検知流体が所定の流量検知対象流体(空気)であることを識別し且つ出力Qの値に応じた流量を測定するようにしてもよい。更に、所定の検知対象流体として、灯油、水及び空気以外の各種流体例えば人体注入用薬液または化学剤流体などを用いることができ、その場合には、混入が予想される流体として空気または水を予定することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の流量センサーによれば、発熱制御手段により薄膜発熱体への通電を制御し、この通電制御状態に基づき、流量検知対象の被検知流体の流量を検知するとともに、通電制御状態が予め定められた所定範囲外の場合には被検知流体が流量検知対象のもの以外の流体であると識別することが可能である。
【0061】
更に、本発明の流量センサーによれば、被検知流体の流量の如何にかかわらず、発熱体周囲の流量検知用感温体の温度がほぼ一定に維持されるので、流量センサーの経時劣化が少なく、また可燃性の被検知流体の着火爆発の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流量センサーの一実施形態の回路構成図である。
【図2】流量測定・流体識別手段の構成図である。
【図3】本発明による流量センサーの一実施形態を示す流体流通管路に沿った断面図である。
【図4】本発明による流量センサーの一実施形態を示す流体流通管路と直交する断面図である。
【図5】本発明による流量センサーの一実施形態の流量検知ユニットの断面図である。
【図6】本発明による流量センサーの一実施形態の流量検知部の分解斜視図である。
【図7】本発明による流量センサーの一実施形態における流体流量と出力P[V]との関係の一例を示すグラフである。
【図8】本発明による流量センサーの一実施形態における流体流量と出力Q[V]との関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
2 ケーシング本体部
4 流体流通管路
5 素子収容部
6a,6b 接続部
8 ケーシング蓋体部
12 流量検知部
12−1 基板
12−2 絶縁層
12−3 薄膜発熱体
12−4,12−5 電極層
12−6 絶縁層
12−7 流量検知用薄膜感温体
12−8 絶縁層
14,14’ フィンプレート
16 接合材
26 配線基板
28 ボンディングワイヤ
30 外部リード線
32 押え板
50 素子ユニット保持部
51 流量検知ユニット
52 電極端子
53 基体部
54 O−リング
60 素子ユニット保持部
61 流体温度検知ユニット
62 電極端子
63 基体部
64 O−リング
104−1 流量検知用薄膜感温体
104−2 温度補償用薄膜感温体
112 薄膜発熱体
A 管路中心線
Claims (8)
- 流体流通管路内に延出するように配置された流量検知用熱伝達部材と、前記流体流通管路外にて前記流量検知用熱伝達部材上に形成された発熱体を含み且つ感温機能を有する流量検知部とを備え、該流量検知部を用いて前記流体流通管路内の被検知流体の流量の検知がなされる流量センサーであって、
前記発熱体への通電経路に該発熱体の発熱を制御する発熱制御手段が接続されており、該発熱制御手段は前記流量検知部が目標の感温状態を維持するように前記発熱体への通電を制御するものであり、前記発熱制御手段による前記発熱体の通電制御の状態が予め流量検知対象の流体につき定められた所定範囲内の場合には該通電制御状態を示す信号に基づき前記被検知流体の流量を測定するとともに前記通電制御状態が前記所定範囲外の場合には被検知流体が流量検知対象のもの以外の流体であると識別する流量測定・流体識別手段を有し、
該流量測定・流体識別手段は、前記通電制御状態を示す信号に対して設定される上側閾値及び/または下側閾値と前記通電制御状態を示す信号との比較を行って前記通電制御状態が前記所定範囲内であるか否かを判別し、前記通電制御状態が前記所定範囲内であると判別した場合には前記流量の値を出力し、前記通電制御状態が前記所定範囲外であると判別した場合には前記上側閾値及び/または下側閾値と前記通電制御状態を示す信号との大小関係に応じて前記上側閾値より大きいか又は前記下側閾値より小さい予め定められた値を出力するものであることを特徴とする流量センサー。 - 前記通電制御状態を示す信号として前記発熱体に印加される電圧値の信号を用いることを特徴とする、請求項1に記載の流量センサー。
- 前記発熱体に印加される電圧値の信号を増幅して前記流量測定・流体識別手段へと供給するための増幅器を有することを特徴とする、請求項2に記載の流量センサー。
- 前記流量検知用熱伝達部材は前記流体流通管路の径方向に延出し該流体流通管路の中心線を通ることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の流量センサー。
- 前記流量検知用熱伝達部材は、平板状をなしており、前記流体流通管路内において該管路の方向に沿うように配置されることを特徴とする、請求項4に記載の流量センサー。
- 更に、前記流体流通管路内に延出するように配置された流体温度検知用熱伝達部材と、前記流体流通管路外にて前記流体温度検知用熱伝達部材上に形成され前記流量検知の際の温度補償を行う流体温度検知部とを備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の流量センサー。
- 前記流体温度検知用熱伝達部材は前記流体流通管路の径方向に延出し該流体流通管路の中心線を通ることを特徴とする、請求項6に記載の流量センサー。
- 前記流体温度検知用熱伝達部材は、平板状をなしており、前記流体流通管路内において該管路の方向に沿うように配置されることを特徴とする、請求項7に記載の流量センサー。
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