JP3391591B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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- JP3391591B2 JP3391591B2 JP32158194A JP32158194A JP3391591B2 JP 3391591 B2 JP3391591 B2 JP 3391591B2 JP 32158194 A JP32158194 A JP 32158194A JP 32158194 A JP32158194 A JP 32158194A JP 3391591 B2 JP3391591 B2 JP 3391591B2
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- tread
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレッドゴムの部分を
その残部となるタイヤ本体から自在に取付取外しでき、
例えば使用目的等に応じた種々のトレッドパターンを安
価に供給しうるとともに、トレッドゴムの摩損に際して
タイヤ本体のくり返しの使用を可能とし資源の有効活用
に役立つ空気入りラジアルタイヤに関する。
その残部となるタイヤ本体から自在に取付取外しでき、
例えば使用目的等に応じた種々のトレッドパターンを安
価に供給しうるとともに、トレッドゴムの摩損に際して
タイヤ本体のくり返しの使用を可能とし資源の有効活用
に役立つ空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、タイヤの摩耗寿命に比してカーカ
スの強度寿命が高いラジアル構造のタイヤにあっては、
資源の有効活用の観点から摩滅したトレッドゴムを貼換
えて再使用するタイヤ更生が一部行われている。
スの強度寿命が高いラジアル構造のタイヤにあっては、
資源の有効活用の観点から摩滅したトレッドゴムを貼換
えて再使用するタイヤ更生が一部行われている。
【0003】なおタイヤは従来、トレッドゴムとその残
部であるタイヤ基体とが加硫により一体結合されたもの
であり、従って前記タイヤ更生においては、トレッドゴ
ムをバフ切削等により除去した台タイヤに、未加硫のト
レッドゴム材を貼着し、しかる後金型内で加硫成形する
ことによって再度一体化している。
部であるタイヤ基体とが加硫により一体結合されたもの
であり、従って前記タイヤ更生においては、トレッドゴ
ムをバフ切削等により除去した台タイヤに、未加硫のト
レッドゴム材を貼着し、しかる後金型内で加硫成形する
ことによって再度一体化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前述のよ
うに、タイヤ更生には、バフ切削、ゴムの貼着、金型内
での加硫成形等多くの作業工程が必要となるなどコスト
が嵩むという問題がある。従って、タイヤ全数量のほぼ
60%以上を占める例えば乗用車用タイヤ、小型トラッ
ク用タイヤ等の比較的安価なタイヤでは、新品タイヤと
の価格差が極めて小となり、経済的にその実施を困難と
するなど資源の有効活用を十分に達成しえない。
うに、タイヤ更生には、バフ切削、ゴムの貼着、金型内
での加硫成形等多くの作業工程が必要となるなどコスト
が嵩むという問題がある。従って、タイヤ全数量のほぼ
60%以上を占める例えば乗用車用タイヤ、小型トラッ
ク用タイヤ等の比較的安価なタイヤでは、新品タイヤと
の価格差が極めて小となり、経済的にその実施を困難と
するなど資源の有効活用を十分に達成しえない。
【0005】他方、この種のタイヤにあっては、高性能
化、高出力化された車両の走行性能を十分に発揮させる
ために、例えばウエット用、ドライ用、オフロード用、
氷雪路用など使用目的、路面環境等に応じた種々の性能
のトレッドパターンが提供されている。このため、タイ
ヤ数量及び種類が増し、使用者への経済的負担を高める
とともに、未使用タイヤ、不必要タイヤの増加を招くな
ど資源有効活用をさらに妨げることとなる。
化、高出力化された車両の走行性能を十分に発揮させる
ために、例えばウエット用、ドライ用、オフロード用、
氷雪路用など使用目的、路面環境等に応じた種々の性能
のトレッドパターンが提供されている。このため、タイ
ヤ数量及び種類が増し、使用者への経済的負担を高める
とともに、未使用タイヤ、不必要タイヤの増加を招くな
ど資源有効活用をさらに妨げることとなる。
【0006】本発明は、トレッドゴムの部分をタイヤ基
体から自在に取付取外し可能とすることを基本として、
タイヤの再使用を簡易とするとともに、種々のトレッド
パターンを安価に供給でき、前記問題点を解決しうる空
気入りラジアルタイヤの提供を目的としている。
体から自在に取付取外し可能とすることを基本として、
タイヤの再使用を簡易とするとともに、種々のトレッド
パターンを安価に供給でき、前記問題点を解決しうる空
気入りラジアルタイヤの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、加硫済みの環
状のトレッドリングと、このトレッドリングを外周面に
取付けることによりタイヤのトレッド部をなすトレッド
底部を有する加硫済みのタイヤ基体とからなり、前記タ
イヤ基体は、トレッド底部からサイドウォール部をへて
ビード部のビードコアの回りで折り返されるとともにラ
ジアル配列のカーカスコードを有するカーカスと、前記
トレッド底部の外周面を形成し前記カーカスを被覆する
とともに、ゴム厚が0.5〜5mmのゴム組成物によって
形成される支持層とを具える一方、前記トレッド底部の
外周面は、前記カーカスと略平行にかつ半径方向外向き
にやや凸に湾曲してのび、かつその両端はサイドウォー
ル外面に滑らかに連なるとともに、前記トレッドリング
は、ベルトコードをタイヤ赤道に対して30度以下の角
度で配列したベルト層を具え、しかも内圧充填による前
記タイヤ基体の半径方向外側への膨張によってタイヤ基
体と一体に連結され、かつそのタイヤ軸方向両端に、前
記外周面のタイヤ軸方向両側に向く外向き面9S1、9
S1に接する下傾斜の翼面部を具えることを特徴とする
空気入りラジアルタイヤである。
状のトレッドリングと、このトレッドリングを外周面に
取付けることによりタイヤのトレッド部をなすトレッド
底部を有する加硫済みのタイヤ基体とからなり、前記タ
イヤ基体は、トレッド底部からサイドウォール部をへて
ビード部のビードコアの回りで折り返されるとともにラ
ジアル配列のカーカスコードを有するカーカスと、前記
トレッド底部の外周面を形成し前記カーカスを被覆する
とともに、ゴム厚が0.5〜5mmのゴム組成物によって
形成される支持層とを具える一方、前記トレッド底部の
外周面は、前記カーカスと略平行にかつ半径方向外向き
にやや凸に湾曲してのび、かつその両端はサイドウォー
ル外面に滑らかに連なるとともに、前記トレッドリング
は、ベルトコードをタイヤ赤道に対して30度以下の角
度で配列したベルト層を具え、しかも内圧充填による前
記タイヤ基体の半径方向外側への膨張によってタイヤ基
体と一体に連結され、かつそのタイヤ軸方向両端に、前
記外周面のタイヤ軸方向両側に向く外向き面9S1、9
S1に接する下傾斜の翼面部を具えることを特徴とする
空気入りラジアルタイヤである。
【0008】なお前記トレッドリングは、前記ベルト層
の半径方向外側に、1本のコード又は数本のコードを引
揃えてトッピングゴムに埋設した帯状の帯状プライをタ
イヤ赤道に対して小角度で螺旋巻きしてなる少なくとも
一層以上のジョイントレスバンド層を設けることが出来
る。
の半径方向外側に、1本のコード又は数本のコードを引
揃えてトッピングゴムに埋設した帯状の帯状プライをタ
イヤ赤道に対して小角度で螺旋巻きしてなる少なくとも
一層以上のジョイントレスバンド層を設けることが出来
る。
【0009】又前記タイヤ基体は、前記カーカスの半径
方向外側に、コードをタイヤ軸方向に配列した一層以上
のプライからなる補強層を設けることが出来る。
方向外側に、コードをタイヤ軸方向に配列した一層以上
のプライからなる補強層を設けることが出来る。
【0010】
【作用】タイヤを、カーカスを有するタイヤ基体と、そ
の外側のトレッド形成用のトレッドリングとに区分し、
これらを夫々加硫済みの独立体として構成している。タ
イヤ基体は、充填内圧によってゴムまり状に膨張すると
ともに、トレッドリングは、ベルトコードをタイヤ赤道
に対して30度以下の角度で配列したベルト層を具え
る。よって半径方向に対して非伸張となる。従って、前
記充填内圧によってトレッド底部とトレッドリングとの
間に強い圧接力が発生し、これによって、両者がすべり
を生じることなく強固にかつ一体に連結され、しかも、
前記トレッドリングはベルト層及び前記ジョイントレス
バンド層を配しているため、タイヤ基体の過度の形状変
化を防ぎかつトレッドリングの組込に起因するタイヤ性
能のバラツキを抑制でき、従来タイヤと同様の操縦性能
を発揮できる。さらにタイヤ基体は、カーカスの半径方
向外側にコードをタイヤ軸方向に配列した一層以上のプ
ライからなる補強層を設けることによって、トレッド部
におけるカーカスをより一層確実に補強でき、走行安全
性を維持しうる。
の外側のトレッド形成用のトレッドリングとに区分し、
これらを夫々加硫済みの独立体として構成している。タ
イヤ基体は、充填内圧によってゴムまり状に膨張すると
ともに、トレッドリングは、ベルトコードをタイヤ赤道
に対して30度以下の角度で配列したベルト層を具え
る。よって半径方向に対して非伸張となる。従って、前
記充填内圧によってトレッド底部とトレッドリングとの
間に強い圧接力が発生し、これによって、両者がすべり
を生じることなく強固にかつ一体に連結され、しかも、
前記トレッドリングはベルト層及び前記ジョイントレス
バンド層を配しているため、タイヤ基体の過度の形状変
化を防ぎかつトレッドリングの組込に起因するタイヤ性
能のバラツキを抑制でき、従来タイヤと同様の操縦性能
を発揮できる。さらにタイヤ基体は、カーカスの半径方
向外側にコードをタイヤ軸方向に配列した一層以上のプ
ライからなる補強層を設けることによって、トレッド部
におけるカーカスをより一層確実に補強でき、走行安全
性を維持しうる。
【0011】他方、本願構成のタイヤにあっては、充填
内圧の排出によって、トレッドリングをタイヤ基体から
簡易に取外しできる。従って、例えばトレッド面が摩損
した際及び氷雪路面を走行する際などにおいて、摩損の
ない新トレッドリング及び氷雪路用のトレッドパターン
を有するトレッドリングを、使用者が自在に交換でき
る。このことによりタイヤ自体のむだな廃棄、不必要な
種類の増加等を防止でき資源を有効活用しうるととも
に、種々の性能のトレッドパターンを低コストで提供し
うる。
内圧の排出によって、トレッドリングをタイヤ基体から
簡易に取外しできる。従って、例えばトレッド面が摩損
した際及び氷雪路面を走行する際などにおいて、摩損の
ない新トレッドリング及び氷雪路用のトレッドパターン
を有するトレッドリングを、使用者が自在に交換でき
る。このことによりタイヤ自体のむだな廃棄、不必要な
種類の増加等を防止でき資源を有効活用しうるととも
に、種々の性能のトレッドパターンを低コストで提供し
うる。
【0012】しかも再使用するタイヤ基体を使用者自身
で管理できるため、カーカスの疲労損傷状態を掌握で
き、従来のタイヤ更生に比して信頼性を高めかつ、くり
返し使用をも可能とする。
で管理できるため、カーカスの疲労損傷状態を掌握で
き、従来のタイヤ更生に比して信頼性を高めかつ、くり
返し使用をも可能とする。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、空気入りラジアルタイヤ1(以下タイヤ1
という)を標準リムRにリム組みしかつ標準内圧を充填
した状態のタイヤの子午断面を示し、本例ではタイヤ1
は、タイヤ巾に対するタイヤ高さの比である偏平率が8
0%以下の乗用車用のラジアルタイヤとして形成され
る。
る。図1は、空気入りラジアルタイヤ1(以下タイヤ1
という)を標準リムRにリム組みしかつ標準内圧を充填
した状態のタイヤの子午断面を示し、本例ではタイヤ1
は、タイヤ巾に対するタイヤ高さの比である偏平率が8
0%以下の乗用車用のラジアルタイヤとして形成され
る。
【0014】図1において、タイヤ1は、ビードコア
2、2を各々有する一対のビード部3、3と、各ビード
部3、3からタイヤ半径方向外方にのびるサイドウォー
ル部4、4と、このサイドウォール部4、4の外方端間
を継ぎかつ外周面にトレッドパターンPを凹設したトレ
ッド部5とを具える。
2、2を各々有する一対のビード部3、3と、各ビード
部3、3からタイヤ半径方向外方にのびるサイドウォー
ル部4、4と、このサイドウォール部4、4の外方端間
を継ぎかつ外周面にトレッドパターンPを凹設したトレ
ッド部5とを具える。
【0015】又タイヤ1は図2に拡大して示すように、
前記トレッド部5の半径方向の外側部分をなすトレッド
リング6と、この残部であるタイヤ基体7とから形成さ
れ、トレッドリング6及びタイヤ基体7は夫々加硫済み
の独立体として構成される。
前記トレッド部5の半径方向の外側部分をなすトレッド
リング6と、この残部であるタイヤ基体7とから形成さ
れ、トレッドリング6及びタイヤ基体7は夫々加硫済み
の独立体として構成される。
【0016】前記タイヤ基体7は、ビード部3、3から
のびるサイドウォール部4、4の外方端間を、小厚さの
トレッド底部9で継ぐトロイド状をなし、このトレッド
底部9の外周面9S上に前記トレッドリング6を着脱自
在に取付けることによって、トレッド底部9とトレッド
リング6とが協働して前記トレッド部5を構成する。
のびるサイドウォール部4、4の外方端間を、小厚さの
トレッド底部9で継ぐトロイド状をなし、このトレッド
底部9の外周面9S上に前記トレッドリング6を着脱自
在に取付けることによって、トレッド底部9とトレッド
リング6とが協働して前記トレッド部5を構成する。
【0017】又前記タイヤ基体7には、トレッド底部9
からサイドウォール部4、4をへてビードコア2、2の
回りで内から外に折返されるカーカス10が配されると
ともに、このカーカス10の半径方向外方には、サイド
ウォール部4、4を各々形成するサイドウォールゴム4
A、4Aの半径方向外端間に架け渡されかつ前記トレッ
ド底部9の外周面9Sを形成する支持層12が配着され
る。
からサイドウォール部4、4をへてビードコア2、2の
回りで内から外に折返されるカーカス10が配されると
ともに、このカーカス10の半径方向外方には、サイド
ウォール部4、4を各々形成するサイドウォールゴム4
A、4Aの半径方向外端間に架け渡されかつ前記トレッ
ド底部9の外周面9Sを形成する支持層12が配着され
る。
【0018】前記カーカス10は、カーカスコードをタ
イヤ赤道Cに対して70度〜90度の角度でラジアル又
はセミラジアル配列した1枚以上、本例では1枚のカー
カスプライ10Aから形成され、カーカスコードとして
はポリエステル繊維コードを用いている。なおカーカス
コードとしては他に、ナイロン、レーヨン、芳香族ポリ
アミド等の有機繊維コード及びスチール等の金属繊維コ
ードも、要求するタイヤ性能に応じて使用しうる。
イヤ赤道Cに対して70度〜90度の角度でラジアル又
はセミラジアル配列した1枚以上、本例では1枚のカー
カスプライ10Aから形成され、カーカスコードとして
はポリエステル繊維コードを用いている。なおカーカス
コードとしては他に、ナイロン、レーヨン、芳香族ポリ
アミド等の有機繊維コード及びスチール等の金属繊維コ
ードも、要求するタイヤ性能に応じて使用しうる。
【0019】なおカーカス10の本体部と折返し部との
間には、ビードコア2からタイヤ半径方向外方にのびる
断面略三角形状の硬質ゴムからなるビードエーペックス
11が介在し、ビード部3からサイドウォール部4に至
り補強し、タイヤの横剛性を向上させる。
間には、ビードコア2からタイヤ半径方向外方にのびる
断面略三角形状の硬質ゴムからなるビードエーペックス
11が介在し、ビード部3からサイドウォール部4に至
り補強し、タイヤの横剛性を向上させる。
【0020】又前記トレッド底部9の外周面9Sは、前
記カーカス10と略平行にかつ半径方向外方にやや凸に
湾曲してのびるとともに、その両端は前記サイドウォー
ルゴム4A、4Aがなすサイドウォール外面に滑らかに
連なる。
記カーカス10と略平行にかつ半径方向外方にやや凸に
湾曲してのびるとともに、その両端は前記サイドウォー
ルゴム4A、4Aがなすサイドウォール外面に滑らかに
連なる。
【0021】又トレッド底部9の外周面9Sは、カーカ
スコード内に水分等が浸入するのを防止しかつタイヤの
気密性を高めるために、カーカスコードを露出させるこ
となく完全に被覆することが必要であり、本例では、さ
らにトレッドリング6とのこすれ等によるカーカスの損
傷を防止するために、カーカス10の外側にトレッドリ
ング6を支持する前記支持層12を形成し、この支持層
12の外面が前記外周面9Sを構成している。
スコード内に水分等が浸入するのを防止しかつタイヤの
気密性を高めるために、カーカスコードを露出させるこ
となく完全に被覆することが必要であり、本例では、さ
らにトレッドリング6とのこすれ等によるカーカスの損
傷を防止するために、カーカス10の外側にトレッドリ
ング6を支持する前記支持層12を形成し、この支持層
12の外面が前記外周面9Sを構成している。
【0022】支持層12は、ゴム厚さが0.5〜5mm、
さらに好ましくは2〜4mmのゴム組成物からなり、その
硬度をJIS A硬度の60〜96度、弾性率を20〜
50kgf/cm2 の範囲とするのが好ましい。
さらに好ましくは2〜4mmのゴム組成物からなり、その
硬度をJIS A硬度の60〜96度、弾性率を20〜
50kgf/cm2 の範囲とするのが好ましい。
【0023】なお前記カーカス10の半径方向外側かつ
前記支持層12の内側に、例えばナイロン、ポリエステ
ルなどの有機材料からなる補強層14を配設することが
出来る。この補強層14は、カーカスコードと同方向に
コードを配列した1枚のプライ又はコードをタイヤ赤道
Cに対して30°〜90°の範囲の角度に配列した2枚
のプライからなり、カーカス10をタイヤ基体7のトレ
ッド底部9で補強し、耐パンク性などを向上しうる。
前記支持層12の内側に、例えばナイロン、ポリエステ
ルなどの有機材料からなる補強層14を配設することが
出来る。この補強層14は、カーカスコードと同方向に
コードを配列した1枚のプライ又はコードをタイヤ赤道
Cに対して30°〜90°の範囲の角度に配列した2枚
のプライからなり、カーカス10をタイヤ基体7のトレ
ッド底部9で補強し、耐パンク性などを向上しうる。
【0024】又前記補強層14は、コードを実質的にタ
イヤ軸方向に配列した一層以上のプライを用いて形成す
ることも出来る。この場合、補強層をなすプライのコー
ドをカーカスコードと略平行に配向させうるため、タイ
ヤ基体7のトレッド底部9における横剛性を高めること
も可能となる。
イヤ軸方向に配列した一層以上のプライを用いて形成す
ることも出来る。この場合、補強層をなすプライのコー
ドをカーカスコードと略平行に配向させうるため、タイ
ヤ基体7のトレッド底部9における横剛性を高めること
も可能となる。
【0025】前記トレッドリング6は、外周面に、トレ
ッド溝GからなるトレッドパターンPを形設した加硫済
みの環状体であって、前記トレッド底部9の外周面9S
とすき間なく密に接合して取付くように、その内周面6
Sは前記外周面9Sに沿う曲面で形成している。すなわ
ち内周面6Sは、そのタイヤ軸方向両端に、前記外周面
9Sのタイヤ軸方向両側に向く外向き面9S1、9S1
に接する下傾斜の翼面部6S1、6S1を具え、これに
よりトレッドリング6はタイヤ軸方向への位置ずれが拘
束される。
ッド溝GからなるトレッドパターンPを形設した加硫済
みの環状体であって、前記トレッド底部9の外周面9S
とすき間なく密に接合して取付くように、その内周面6
Sは前記外周面9Sに沿う曲面で形成している。すなわ
ち内周面6Sは、そのタイヤ軸方向両端に、前記外周面
9Sのタイヤ軸方向両側に向く外向き面9S1、9S1
に接する下傾斜の翼面部6S1、6S1を具え、これに
よりトレッドリング6はタイヤ軸方向への位置ずれが拘
束される。
【0026】又前記トレッドリング6には、ベルト層1
5が設けられるとともに、本実施例では、高速走行に際
して前記ベルト層15のリフティングを防止するため該
ベルト層15の半径方向外側に、ジョイントレスバンド
層16が配設される。
5が設けられるとともに、本実施例では、高速走行に際
して前記ベルト層15のリフティングを防止するため該
ベルト層15の半径方向外側に、ジョイントレスバンド
層16が配設される。
【0027】又ベルト層15は、少なくとも1枚以上、
本例では内、外2枚のベルトプライ15A、15Bから
形成される。各ベルトプライ15A、15Bは、高強力
のベルトコードをタイヤ赤道Cに対して30度以下の浅
い角度で配列するとともに、各ベルトコードをプライ間
相互で交差させる。これによりトレッドリング6の剛性
を高めている。
本例では内、外2枚のベルトプライ15A、15Bから
形成される。各ベルトプライ15A、15Bは、高強力
のベルトコードをタイヤ赤道Cに対して30度以下の浅
い角度で配列するとともに、各ベルトコードをプライ間
相互で交差させる。これによりトレッドリング6の剛性
を高めている。
【0028】又ベルト層15は、タイヤ赤道C上に中心
を有してトレッドリング6外周面(トレッド面)と略平
行にのびる円弧状をなし、ベルト巾はトレッド巾のほぼ
全長さに亘る。
を有してトレッドリング6外周面(トレッド面)と略平
行にのびる円弧状をなし、ベルト巾はトレッド巾のほぼ
全長さに亘る。
【0029】又ベルトコードとしては、カーカス10を
保護してパンク等の発生を防止し走行の安全性を高める
ために、スチールコード等の金属繊維コードが好適に使
用される。
保護してパンク等の発生を防止し走行の安全性を高める
ために、スチールコード等の金属繊維コードが好適に使
用される。
【0030】又本例ではベルト層15の半径方向外側
に、ジョイントレスバンド層16を設けている。ジョイ
ントレスバンド層16は、少なくともベルト層15のタ
イヤ軸方向の外端を覆うことにより、高速走行における
ベルト層15外端の外径成長を防止する。
に、ジョイントレスバンド層16を設けている。ジョイ
ントレスバンド層16は、少なくともベルト層15のタ
イヤ軸方向の外端を覆うことにより、高速走行における
ベルト層15外端の外径成長を防止する。
【0031】従って前記ジョイントレスバンド層16
は、例えば芳香族ポリアミドなどの有機繊維を用いた1
本のコード、又は2〜3本のコードを引揃えてトッピン
グゴムに埋設した帯状の帯状プライを、タイヤ赤道Cに
対して5度以下の小角度で螺旋巻きすることにより形成
される。なお本例では、ジョイントレスバンド層16
は、ベルト層15の一端から他端に至り1本のコードを
螺旋状に巻回して形成した広巾をなし、ベルト層15を
全巾に亘ってより効果的に拘束することによって、ベル
ト層15の外径成長を抑制する。これにより、高速走行
の際の外径成長に起因するトレッドリング6とタイヤ基
体7とのずれを防止する。
は、例えば芳香族ポリアミドなどの有機繊維を用いた1
本のコード、又は2〜3本のコードを引揃えてトッピン
グゴムに埋設した帯状の帯状プライを、タイヤ赤道Cに
対して5度以下の小角度で螺旋巻きすることにより形成
される。なお本例では、ジョイントレスバンド層16
は、ベルト層15の一端から他端に至り1本のコードを
螺旋状に巻回して形成した広巾をなし、ベルト層15を
全巾に亘ってより効果的に拘束することによって、ベル
ト層15の外径成長を抑制する。これにより、高速走行
の際の外径成長に起因するトレッドリング6とタイヤ基
体7とのずれを防止する。
【0032】なおジョイントレスバンド層16は、ベル
ト層15のタイヤ軸方向外端部分のみ覆いうるよう中抜
きに形成してもよい。
ト層15のタイヤ軸方向外端部分のみ覆いうるよう中抜
きに形成してもよい。
【0033】然して図3に示すように、タイヤ基体7へ
の内圧充填に先がけて、より好ましくはリム組に先がけ
て、タイヤ基体7のトレッド底部9の外周面9S上に、
トレッドリング6を載置して取付ける。しかる後、タイ
ヤ基体7の内腔内へ標準内圧を充填する。タイヤ基体7
は、充填内圧によってタイヤ半径方向外方に膨張し、こ
の時ベルト層15とジョイントレスバンド層16とを有
する非伸張性のトレッドリング6とタイヤ基体7とは強
い圧接力を有して一体にかつ確実に連結でき、従来の偏
平ラジアルタイヤに等しい優れた走行性能を発揮でき
る。
の内圧充填に先がけて、より好ましくはリム組に先がけ
て、タイヤ基体7のトレッド底部9の外周面9S上に、
トレッドリング6を載置して取付ける。しかる後、タイ
ヤ基体7の内腔内へ標準内圧を充填する。タイヤ基体7
は、充填内圧によってタイヤ半径方向外方に膨張し、こ
の時ベルト層15とジョイントレスバンド層16とを有
する非伸張性のトレッドリング6とタイヤ基体7とは強
い圧接力を有して一体にかつ確実に連結でき、従来の偏
平ラジアルタイヤに等しい優れた走行性能を発揮でき
る。
【0034】他方、トレッドリング6とタイヤ基体7と
は、前述のごとく内圧充填によるタイヤ膨張によって一
体連結されるものであるため、トレッドリング6のトレ
ッド底部9からの取外しも、充填内圧の排出によって特
殊工具等を用いることなく容易に行なうことができ、使
用者による、例えば摩損のない新しいトレッドリングへ
の交換及び氷雪路用等の他のトレッドパターンを有する
トレッドリングへの交換を可能とする。このことによっ
てタイヤ基体7のくり返し使用が可能となり、資源の有
効活用を計りつつ使用目的等に応じた種々の性能のトレ
ッドパターンを安価に提供することができる。
は、前述のごとく内圧充填によるタイヤ膨張によって一
体連結されるものであるため、トレッドリング6のトレ
ッド底部9からの取外しも、充填内圧の排出によって特
殊工具等を用いることなく容易に行なうことができ、使
用者による、例えば摩損のない新しいトレッドリングへ
の交換及び氷雪路用等の他のトレッドパターンを有する
トレッドリングへの交換を可能とする。このことによっ
てタイヤ基体7のくり返し使用が可能となり、資源の有
効活用を計りつつ使用目的等に応じた種々の性能のトレ
ッドパターンを安価に提供することができる。
【0035】(具体例)トレッドリングとタイヤ基体と
を夫々独立体で構成したタイヤサイズ185/70R1
4の本実施例のタイヤ(実施例品1、2)及びトレッド
リングとタイヤ基体とを加硫により一体成形した従来タ
イヤ(従来品)を夫々表1の仕様に基づき試作し、各タ
イヤの操縦安定性能及び走行中におけるトレッドリング
とタイヤ基体との間のスベリの発生状況をテストした。
を夫々独立体で構成したタイヤサイズ185/70R1
4の本実施例のタイヤ(実施例品1、2)及びトレッド
リングとタイヤ基体とを加硫により一体成形した従来タ
イヤ(従来品)を夫々表1の仕様に基づき試作し、各タ
イヤの操縦安定性能及び走行中におけるトレッドリング
とタイヤ基体との間のスベリの発生状況をテストした。
【0036】
【表1】
【0037】なお操縦安定性能テストは、標準内圧状態
で実車両に装着し、一般のドライ路面上を実車走行した
時のドライバーのフィーリングを5点法で評価した。又
スベリのテストは、タイヤの充填内圧を3.0ksc、
1.9ksc、1.4ksc、1.0kscに変化さ
せ、80km/h(直進)+20km/h(Uターン)の走
行サイクルを繰り返して10kmの距離を実車走行した時
のトレッドリングとタイヤ基体との間のずれを測定し
た。又スベリのテストとしては、充填内圧1.9ks
c、荷重400kgfの条件下でスリップ角5度を付与し
てドラム上で10分間走行させた時のトレッドリングと
タイヤ基体との間のずれも測定した。
で実車両に装着し、一般のドライ路面上を実車走行した
時のドライバーのフィーリングを5点法で評価した。又
スベリのテストは、タイヤの充填内圧を3.0ksc、
1.9ksc、1.4ksc、1.0kscに変化さ
せ、80km/h(直進)+20km/h(Uターン)の走
行サイクルを繰り返して10kmの距離を実車走行した時
のトレッドリングとタイヤ基体との間のずれを測定し
た。又スベリのテストとしては、充填内圧1.9ks
c、荷重400kgfの条件下でスリップ角5度を付与し
てドラム上で10分間走行させた時のトレッドリングと
タイヤ基体との間のずれも測定した。
【0038】表1のごとく、53%標準内圧状態におい
てもトレッドリングとタイヤ基体はずれを生じることな
く強固に一体に連結される、このことにより、従来と同
様の操縦性能を発揮しうる。
てもトレッドリングとタイヤ基体はずれを生じることな
く強固に一体に連結される、このことにより、従来と同
様の操縦性能を発揮しうる。
【0039】
【発明の効果】本発明の空気入りラジアルタイヤは叙上
のごとく構成しているため、トレッドリングをタイヤ基
体から自在に取付取外しでき、種々なトレッドパターン
の低コストでの提供及びタイヤ基体のくり返しの使用を
可能とし、資源を有効に活用しうる。
のごとく構成しているため、トレッドリングをタイヤ基
体から自在に取付取外しでき、種々なトレッドパターン
の低コストでの提供及びタイヤ基体のくり返しの使用を
可能とし、資源を有効に活用しうる。
【図1】本発明の一実施例を示すタイヤの子午断面図で
ある。
ある。
【図2】トレッド部を拡大して示すタイヤの分解断面図
である。
である。
【図3】トレッドリングとタイヤ基体との連結を説明す
る略断面図である。
る略断面図である。
2 ビードコア
3 ビード部
4 サイドウォール部
5 トレッド部
6 トレッドリング
7 タイヤ基体
9 トレッド底部
9S 外周面
10 カーカス
12 支持層
14 補強層
15 ベルト層
16 ジョイントレスバンド層
G トレッド溝
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平7−276918(JP,A)
特開 平8−25913(JP,A)
特開 平7−81320(JP,A)
特開 平7−81321(JP,A)
特開 昭56−130335(JP,A)
特公 昭39−17453(JP,B1)
特公 昭40−3482(JP,B1)
特公 昭46−1481(JP,B1)
実公 昭44−12321(JP,Y1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60C 11/02,11/00,9/18
Claims (3)
- 【請求項1】加硫済みの環状のトレッドリングと、 このトレッドリングを外周面に取付けることによりタイ
ヤのトレッド部をなすトレッド底部を有する加硫済みの
タイヤ基体とからなり、 前記タイヤ基体は、 トレッド底部からサイドウォール部をへてビード部のビ
ードコアの回りで折り返されるとともにラジアル配列の
カーカスコードを有するカーカスと、 前記トレッド底部の外周面を形成し前記カーカスを被覆
するとともに、ゴム厚が0.5〜5mmのゴム組成物によ
って形成される支持層とを具える一方、前記トレッド底部の外周面は、前記カーカスと略平行に
かつ半径方向外向きにやや凸に湾曲してのび、かつその
両端はサイドウォール外面に滑らかに連なるとともに 、 前記トレッドリングは、ベルトコードをタイヤ赤道に対
して30度以下の角度で配列したベルト層を具え、しか
も内圧充填による前記タイヤ基体の半径方向外側への膨
張によってタイヤ基体と一体に連結され、かつそのタイヤ軸方向両端に、前記外周面のタイヤ軸方
向両側に向く外向き面9S1、9S1に接する下傾斜の
翼面部を具える ことを特徴とする空気入りラジアルタイ
ヤ。 - 【請求項2】前記トレッドリングは、前記ベルト層の半
径方向外側に、1本のコード又は数本のコードを引揃え
てトッピングゴムに埋設した帯状の帯状プライをタイヤ
赤道に対して小角度で螺旋巻きしてなる少なくとも一層
以上のジョイントレスバンド層を設けたことを特徴とす
る請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項3】前記タイヤ基体は、前記カーカスの半径方
向外側に、コードをタイヤ軸方向に配列した一層以上の
プライからなる補強層を設けたことを特徴とする請求項
1記載の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32158194A JP3391591B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32158194A JP3391591B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08150811A JPH08150811A (ja) | 1996-06-11 |
JP3391591B2 true JP3391591B2 (ja) | 2003-03-31 |
Family
ID=18134157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32158194A Expired - Fee Related JP3391591B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3391591B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5232670B2 (ja) * | 2009-01-22 | 2013-07-10 | 株式会社ブリヂストン | タイヤの更生方法及び更生タイヤ用プレキュアトレッド |
-
1994
- 1994-11-29 JP JP32158194A patent/JP3391591B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08150811A (ja) | 1996-06-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |