JP3390561B2 - 液晶表示装置用遮光膜 - Google Patents

液晶表示装置用遮光膜

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JP3390561B2
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安彦 赤尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置(LCD)
用遮光膜、とくにカラーLCD用遮光膜に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】高いコントラストを得るために、従来L
CD用遮蔽膜として遮光性の高いクロム膜が用られる
が、可視光反射率が50%程度ある。したがって、コン
トラストをさらに向上させるためにクロム膜の可視光反
射率を低下させることを目的として、酸化クロム膜をク
ロム膜に積層した2層構造の遮光膜が現在用いられてい
る。
【0003】しかし、遮光膜製造にはクロムおよび酸化
クロムをエッチングする工程が含まれており、その際有
害な6価クロムが生じる。したがって、人および環境へ
の汚染を防ぐためエッチング液の取扱、廃液の保管およ
び処理などを厳格に行っており、人、環境および総合的
コストの面からこのような有害物を生じさせないで製造
できる遮光膜が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造工程で
有害物の発生がなく、クロム系多層膜と同等の遮光性お
よび低反射性とを有する遮光膜の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、可視光領域で
透明な基板上に液晶表示用絵素を形成するために格子状
に設けられた液晶表示装置用遮光膜において、該遮光膜
は、透明基板側の550nmでの光学定数の消衰係数が
0.15以上0.90以下のモリブデン化合物からなる
層と、その上に形成された550nmでの光学定数の消
衰係数が1.0以上のモリブデンおよび/またはモリブ
デン化合物からなる層とを有することを特徴とする液晶
表示装置用遮光膜を提供する。
【0006】本発明の遮光膜は、無害性の観点から、モ
リブデン系の層からなることが重要であり、また、遮光
性および低反射性の観点から、透明基板側の550nm
での光学定数の消衰係数が0.15以上0.90以下の
モリブデン化合物からなる層と、その上の550nmで
の光学定数の消衰係数が1.0以上(可視光領域で不透
明)のモリブデンおよび/またはモリブデン化合物から
なる層とを有することが重要である。
【0007】前記550nmでの光学定数の消衰係数が
1.0以上のモリブデンおよび/またはモリブデン化合
物からなる層としては、モリブデンおよび/または窒化
モリブデンからなる層であることが好ましく、より具体
的には、モリブデンからなる層、窒化モリブデンからな
る層、モリブデンおよび基板側に窒化モリブデンからな
る層、が好ましい。
【0008】前記透明基板側の550nmでの光学定数
の消衰係数が0.15以上0.90以下のモリブデン化
合物からなる層としては、酸化モリブデンおよび/また
は酸窒化モリブデンからなる層であることが好ましい。
【0009】したがって、好ましい遮光膜の層構成とし
ては、1)基板側から酸窒化モリブデンとモリブデンと
の2層、2)基板側から酸化モリブデンとモリブデンと
の2層、3)基板側から酸窒化モリブデンと窒化モリブ
デンとの2層、4)基板側から酸化モリブデンと窒化モ
リブデンとの2層、5)基板側から酸窒化モリブデンと
窒化モリブデンとモリブデンとの3層、6)酸化モリブ
デンと窒化モリブデンとモリブデンとの3層、を挙げる
ことができる。
【0010】本発明の多層膜構成の遮光膜は、製造工程
において有害物を発生させないことに加え、比視感度が
最大となる波長555nm付近はもちろん可視光全域に
わたり、反射率を著しく低くできる。
【0011】
【実施例】
[例1および例2]図1は本発明の2層構成の遮光膜の
一例である。図1において、2は酸窒化モリブデンから
なる層であり、1はモリブデンからなる層であり、3は
ガラス基板である。図1の酸窒化モリブデン層2および
モリブデン層1の550nmでの消衰係数はそれぞれ
0.40、2.6であり、また、膜厚はそれぞれ55n
m、100nmである。
【0012】図1の遮光膜は、モリブデンターゲットを
用い、窒素および酸素の混合ガス(窒素と酸素との流量
比は8:2)雰囲気中でスパッタリング法により酸窒化
モリブデン層2を形成し、次に、同じモリブデンターゲ
ットを用い、アルゴンガスのみの雰囲気中でスパッタリ
ング法によりモリブデン層1を形成して得た。
【0013】図2中の5は、図1の遮光膜(以下、例1
の遮光膜という)のガラス基板側から測定した分光反射
率曲線であり、図2中の4は、モリブデンからなる層1
のみの遮光膜(以下、例2の遮光膜という)のガラス基
板側から測定した分光反射率曲線である。
【0014】図2に示されるように、例1の遮光膜の反
射率は550nmで例2の遮光膜の約1/9であり、5
%程度であった。また、例1の遮光膜は、光学濃度が7
00nmで3.5であり、したがって、十分な低反射性
と遮光性とを有する遮光膜であった。
【0015】[例3]例1の遮光膜における酸窒化モリ
ブデン層の550nmでの消衰係数を、スパッタリング
時のガスの混合比を変えることで変化させた以外は例1
と同様にして2層構造の各種遮光膜(以下、例3の遮光
膜という)を得た。なお、この場合、酸窒化モリブデン
層の厚みは、550nmでの反射が極小になるように、
40〜55nmの間で調整した。
【0016】図3に、例3の遮光膜における酸窒化モリ
ブデン層の550nmでの消衰係数と、例3の遮光膜の
ガラス基板側から測定した550nmでの反射率との関
係をを示す。
【0017】図3から、酸窒化モリブデン層の550n
mでの消衰係数を0.15から0.90の範囲内にする
ことでガラス基板の反射を含めても9%以下の低い反射
率にできることが示される。
【0018】例3の遮光膜においては、酸窒化モリブデ
ン層を用いたが、酸窒化モリブデン以外のモリブデン化
合物であっても、550nmでの消衰係数を0.15か
ら0.90の範囲内とすれば、図3に示されるような低
反射化の性能が得られる。
【0019】例えば、酸化モリブデン膜の消衰係数は酸
窒化モリブデンと同様に、アルゴン、酸素、一酸化炭素
もしくは二酸化炭素などからなる混合ガスにおけるガス
比で制御できる。例3の遮光膜における酸窒化モリブデ
ン層の替わりに、550nmでの消衰係数0.4の酸化
モリブデン層を用いた2層構成の遮光膜は550nmで
反射率が5%である。
【0020】なお、消衰係数の制御は、上記の混合ガス
比による制御による以外に、膜中にモリブデン以外の一
種類以上の他の元素を添加することにより、より容易に
かつ精密に行える。この場合の他の元素としては、炭
素、銅、ニオビウム、タングステン、白金などを挙げる
ことができる。また、添加の方法は、前記元素を含んだ
モリブデンを主成分とする合金をスパッタリングターゲ
ットとして用いることにより行う。
【0021】また、炭素のような元素は、メタンガスを
混合ガス中に用いることで膜中に添加できる。
【0022】前記のモリブデン合金ターゲットは、光学
的に不透明の層の形成に用いることもでき、可視光で不
透明である限り問題なく、コスト低減の面から好まし
い。
【0023】消衰係数の制御は、他の元素の添加と、前
述の混合ガス比による制御とを併用することで効果的に
行うことができる。
【0024】[例4]図1の2層構成の遮光膜における
光学的に不透明の層であるモリブデン層1の替わりに、
550nmでの消衰係数1.8程度の窒化モリブデンを
用いると消衰係数が小さいため図1と同じ構成では遮光
性にやや劣るものの、反射率をより低くできるので、低
反射を重視した簡易型の遮光膜として利用できる。
【0025】[例5]図4は本発明の3層構成の遮光膜
の一例である。図4において、6は窒化モリブデンから
なる層である。酸窒化モリブデン層2、窒化モリブデン
層6、およびモリブデン層1の膜厚は、それぞれ55n
m、20nm、および100nmである。
【0026】図4における酸窒化モリブデン層およびモ
リブデン層は例1の遮光膜と同じ方法で作製し、窒化モ
リブデン層は、同じモリブデンターゲットを用い、アル
ゴンと窒素との混合ガスを用いたスパッタリング法によ
り形成した。窒化モリブデン層の550nmでの消衰係
数は1.8である。
【0027】図5中の7は、図4に示した3層構成の遮
光膜(以下、例5の遮光膜という)のガラス基板側から
測定した分光反射率曲線であり、図5中の5は、例1の
遮光膜のガラス基板側から測定した分光反射率曲線であ
る。
【0028】図4に示した3層構成の遮光膜の700n
mでの光学濃度は3.8であり、かつ、図5に示したよ
うに2層構成の遮光膜よりもさらに低反射である。この
ように、本発明の3層構成の遮光膜は低反射性および高
遮光性ともに備えている。
【0029】
【発明の効果】本発明の遮光膜は、製造工程で有害物の
発生がなく、また、従来と同等の可視光領域で十分に低
い反射性と大きな遮光性とを有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1の遮光膜の構成を示す断面図
【図2】例1および例2の遮光膜の分光反射特性を示す
【図3】例3の遮光膜における酸窒化モリブデン層の5
50nmでの消衰係数と、例3の遮光膜のガラス基板側
から測定した550nmでの反射率との関係を示す図
【図4】例5の遮光膜の構成を示す断面図
【図5】例1および例5の遮光膜の分光反射特性を示す
【符号の説明】
1:モリブデン層 2:酸窒化モリブデン層 3:ガラス基板 4:例2の遮光膜の分光反射率曲線 5:例1の遮光膜の分光反射率曲線 6:窒化モリブデン層 7:例5の遮光膜の分光反射率曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−222354(JP,A) 特開 平6−324326(JP,A) 特開 平3−246516(JP,A) 特開 平3−37627(JP,A) 特開 平4−109220(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 500 G02B 5/20 101

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可視光領域で透明な基板上に液晶表示用絵
    素を形成するために格子状に設けられた液晶表示装置用
    遮光膜において、該遮光膜は、透明基板側の550nm
    での光学定数の消衰係数が0.15以上0.90以下の
    モリブデン化合物からなる層と、その上に形成された5
    50nmでの光学定数の消衰係数が1.0以上のモリブ
    デンおよび/またはモリブデン化合物からなる層とを有
    することを特徴とする液晶表示装置用遮光膜。
  2. 【請求項2】前記550nmでの光学定数の消衰係数が
    1.0以上のモリブデンおよび/またはモリブデン化合
    物からなる層は、モリブデンおよび/または窒化モリブ
    デンからなる層であることを特徴とする請求項1の液晶
    表示装置用遮光膜。
  3. 【請求項3】前記透明基板側の550nmでの光学定数
    の消衰係数が0.15以上0.90以下のモリブデン化
    合物からなる層は、酸化モリブデンおよび/または酸窒
    化モリブデンからなる層であることを特徴とする請求項
    1または2の液晶表示装置用遮光膜。
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