JP3390112B2 - 回路遮断器 - Google Patents

回路遮断器

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JP3390112B2 JP26743095A JP26743095A JP3390112B2 JP 3390112 B2 JP3390112 B2 JP 3390112B2 JP 26743095 A JP26743095 A JP 26743095A JP 26743095 A JP26743095 A JP 26743095A JP 3390112 B2 JP3390112 B2 JP 3390112B2
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和則 福谷
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H9/00Details of switching devices, not covered by groups H01H1/00 - H01H7/00

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路遮断器に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、回路遮断後、絶縁性能
が劣化しにくく、筐体および筐体内部部品が損傷されに
くい回路遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の回路遮断器の例として、図11お
よび図12に示すような回路遮断器が、実開昭63−4
4354号公報に記載されている。図11および図12
において、61は回路遮断器、62は可動接触子、63
は可動接触子62の一方の端部に接合されて設けられて
いる可動接点、64は可動接触子62の動作により可動
接点63と電気的に接続しうる固定接点、65は固定接
点64が接合されて設けられている固定接触子、66は
固定接触子65の端子部であり、ここに外部からの電源
が接続される。また67は消弧装置であり、67aは可
動接触子62の動作により可動接点63と固定接点64
とが開離したときに発生するアークを冷却、消弧する磁
性体の金属からなる消弧板であり、67bは消弧板67
aを保持するための消弧側板である。また、72はカバ
ー部であり、73はベース部であり、嵌合面74で嵌合
することにより、各部品を収納する筐体になる。また、
69はクロスバー79、トグルリンク機構68を介し
て、可動接触子62を手動で動作させるためのノブ69
aの付いたハンドルであり、70は引き外し装置であ
る。また、66および71は端子部である。75は端子
部66と筐体内部の固定接点64、可動接点63および
消弧装置67を含む消弧空間とを隔離するエンドプレー
トであり、アークによるホットガスを排出する排気孔7
5aを備え、ベース部73に設けられたガイド溝73a
に挿入して装着されている。また、76はアークを端子
66の方向へ走行させるアークランナーである。
【0003】この回路遮断器の動作について図11およ
び図12を用いて説明する。この回路遮断器は、図11
における、ハンドル69を操作すると、トグルリンク機
構68およびクロスバー79を介して可動接触子62が
回動し、可動接点63と固定接点64とが電気的に接
続、開放できる機構になっている。また、端子部66を
電源に、端子部71を負荷に接続し、可動接点63と固
定接点64とを接触させることにより、電力が電源側か
ら負荷側に供給される。このとき、通電の信頼性を確保
するために、可動接点63は固定接点64に適宜の接触
圧力で押さえ付けられている。ここで、負荷側に過電流
が生じたばあい、引き外し装置70で検出し、トグルリ
ンク機構68を動作させ、可動接触子62を回動させる
ことにより、図12に示すように可動接点63と固定接
点64とが開離し、この可動接点63と固定接点64と
の間に、図12に示すように、アーク80が発生する。
従来より、回路遮断器において、このようなアークは、
消弧装置67により、冷却、消弧させ、またアークラン
ナー76により、端子66の方向に走行させている。
【0004】しかし、短絡事故などが起こり、回路に過
大な電流が流れると、可動接点63と固定接点64との
間の接触面における電磁反発力が非常に強くなり、この
電磁反発力が、可動接点63に加わっている接触圧力に
打ち勝つために、可動接触子62は引き外し装置70の
動作を待たずに回動し、可動接点63と固定接点64と
の開離が起こる。アーク電圧は固定接点64から可動接
点63までの開離距離が増大するにしたがって上昇し、
また同時に、アーク80が消弧板67aの方向へ磁気力
によって引き付けられ伸長するために、アーク電圧はさ
らに上昇する。回路の遮断はアーク80を消弧し、アー
ク電流が零になったときに完了する。このような遮断動
作中において、可動接点63と固定接点64との間に
は、アーク80によって、短時間、すなわち数ミリ秒の
うちに大量のエネルギーが発生し、そのためにカバー部
72およびベース部73からなる筐体内の気体の温度お
よび圧力はこの間に急激に上昇する。この高温高圧の気
体は排気孔75aから大気中へ放出されるが、筐体内表
面にも吹き付けられる。
【0005】前記実用新案公報に記載されている回路遮
断器のばあい、前記ハンドルは、たとえばポリブチレン
テレフタレート70重量%程度およびガラス繊維30重
量%程度で構成されている。また前記カバー部は、たと
えば木粉30重量%程度、炭酸カルシウム15重量%程
度およびフェノール樹脂55重量%程度で構成されてい
る。また、前記ベース部は、たとえばガラス繊維15重
量%程度、炭酸カルシウム60重量%程度、ポリエステ
ル25重量%程度で構成されている。
【0006】このような材料から構成される回路遮断器
によれば、たとえば短絡電流などの過大な電流のアーク
が発生したばあい、このアークによる大量のエネルギー
が回路遮断器を構成する筐体や筐体内部部品に含まれる
樹脂成分を分解する。しかも、アークの発生と同時に回
路遮断器内部の気体圧力が急激に上昇するため、これら
の樹脂の分解により発生する遊離炭素は筐体内の細部に
至るまで拡散し、付着し、堆積されるので、回路遮断器
内部の絶縁抵抗値は大幅に低下し、充分に回路を遮断し
えない状態になる。さらに、回路遮断器を構成する部品
の変形や破壊がおこるばあいもある。前記絶縁抵抗値の
低下および前記部品の変形や破壊は、回路遮断器の高遮
断容量化や小型化および遮断回数の増加に従い、生じや
すいものになる。
【0007】また、特開平2−54609号公報に記載
されている別の従来の回路遮断器によれば、消弧側板
は、ガラス積層板の両面に水酸化アルミニウムを充填し
たポリエステル層が設けられており、この消弧側板はた
とえばポリエステル20〜25重量%程度、水酸化アル
ミニウム35〜40重量%程度およびガラス繊維40〜
45重量%程度で構成されている。
【0008】この回路遮断器によれば、回路遮断器内部
の絶縁抵抗値の低下をある程度抑制することができる
が、充分ではなく、また前記気体圧力の急激な上昇は避
けられない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の点に鑑
みてなされたものである。すなわち、本発明はアークの
発生に起因する回路遮断器の絶縁性能の低下を充分に抑
制しえ、またアークの発生による回路遮断器筐体内部の
気体圧力の急上昇に起因する回路遮断器の筐体や筐体内
の部品など構成部材の変形、破壊を充分に防止しうる安
全性の高い回路遮断器をうることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定接触子の
一端部に固定接点が接合して設けられ、可動接触子の一
端部に可動接点が接合して設けられており、該固定接点
と該可動接点とが電気的に開閉自在に接続しうるように
クロスバー、トグルリンク機構を介してハンドルで動作
しうる機構部を有し、かつ消弧装置を有する回路遮断器
であって、前記消弧装置の消弧側板がシリコーンポリマ
ー18〜26重量%、金属水酸化物28〜37重量%お
よびガラスクロス41〜50重量%からなる回路遮断器
に関する。
【0011】
【0012】
【0013】また、前記金属水酸化物が水酸化アルミニ
ウムであることが好ましい。
【0014】
【0015】また、本発明は、一対の消弧側板により複
数の消弧板が平行またはほぼ平行に保持され、回路遮断
器内に設置したときに、それぞれの消弧板が前記可動接
触子の動作を妨げないようにU字状の切込みを有する前
記消弧装置の該U字状の切込み部に、さらに前記可動接
触子の動作方向に平行またはほぼ平行に、シリコーンポ
リマーを含有する樹脂成形物からなる一対の板状体、シ
リコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物で被
覆された一対の板状体、もしくはシリコーンペーストが
塗布された一対の板状体が設けられている回路遮断器に
関する。
【0016】また、本発明は、前記固定接点とトグルリ
ンク機構との間にアークのバリア板が設けられており、
該アークのバリア板がシリコーンポリマーを含有する樹
脂成形物で構成されているか、該アークのバリア板がシ
リコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物で被
覆されているかもしくは該アークのバリア板にシリコー
ンペーストが塗布されている回路遮断器に関する。
【0017】また、本発明は、回路遮断器のカバー部と
ベース部とを嵌合させてなる筐体内部の固定接点、可動
接点および消弧装置を含む消弧空間と、固定接触子に接
続される外部電線との仕切り板であるエンドプレートが
シリコーンポリマーを含有する樹脂成形物で構成されて
いるか、該エンドプレートのシリコーンポリマーを含有
する樹脂または樹脂成形物で被覆されているか、もしく
は該エンドプレートにシリコーンペーストが塗布されて
いる回路遮断器に関する。
【0018】また、本発明は、カバー部とベース部とを
嵌合させてなる筐体の内表面にシリコーンポリマーを含
有する樹脂または樹脂成形物からなる薄膜が設けられて
いるか、もしくはシリコーンペーストが塗布されている
回路遮断器に関する。
【0019】また、本発明は、カバー部とベース部との
嵌合面にシリコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂
成形物からなる薄膜が設けられているか、もしくはシリ
コーンペーストが塗布されている回路遮断器に関する。
【0020】また、本発明は、クロスバーおよび/また
はトリップバーの表面にシリコーンポリマーを含有する
樹脂または樹脂成形物からなる薄膜が設けられている
か、もしくはシリコーンペーストが塗布されている回路
遮断器に関する。
【0021】また、本発明は、前記ハンドルのノブに対
する裏面にシリコーンポリマーを含有する樹脂または樹
脂成形物からなる薄膜が設けられているか、もしくはシ
リコーンペーストが塗布されている回路遮断器に関す
る。
【0022】また、本発明は、前記シリコーンポリマー
およびシリコーンペーストに含有されるつぎの式:
【0023】
【化2】
【0024】(ここで、mは3〜10の整数である)で
表わされるシリコーン低分子量環状体の含有量が、前記
シリコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物も
しくはシリコーンペーストの重量に対して重量基準で5
00ppm以下である回路遮断器に関する。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の回路遮断器は、固定接触
子の一端部に固定接点が接合して設けられ、可動接触子
の一端部に可動接点が接合して設けられており、該固定
接点と該可動接点とが電気的に開閉自在に接続しうるよ
うにクロスバー、トグルリンク機構を介してハンドルで
動作しうる機構部を有し、かつ消弧装置を有する従来と
同様の回路遮断器(図11参照)中のアークにさらされ
る樹脂製の部分がシリコーンポリマーを含有する樹脂成
形物で構成されているか、シリコーンポリマーを含有す
る樹脂または樹脂成形物で被覆されているか、もしくは
シリコーンペースト皮膜が設けられていることを特徴と
するものである。
【0026】前記回路遮断器のアークにさらされる樹脂
製の部分の少なくとも一部がシリコーンポリマーを含有
する樹脂成形物で構成されているか、この部分がシリコ
ーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物で被覆さ
れているか、もしくはこの部分にシリコーンペーストが
塗布されていれば、アークにさらされたばあい、シリコ
ーンポリマーまたはシリコーンオイル中の主鎖である
【0027】
【化3】
【0028】の繰り返し鎖はガス化されることはなく、
無機物シリカ(SiO2)となり絶縁体化する。
【0029】したがって、アークガス量は絶対的に減少
されるので、筐体内部の気体圧力の増加も低減されるた
め、筐体内部部品や筐体自体の変形、破壊を防止でき
る。さらにアーク熱により分解されたシリコーンポリマ
ーの表層およびシリコーンオイルを含有するシリコーン
ペーストの表層は、無機物シリカで覆われ、この部分の
絶縁抵抗値の低下を抑制できる。
【0030】前記のように、前記回路遮断器のアークに
さらされる樹脂製の部分の少なくとも一部がシリコーン
ポリマーを含有する樹脂成形物で構成されているか、こ
の部分がシリコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂
成形物で被覆されているか、もしくはこの部分にシリコ
ーンペーストが塗布されていれば、本発明の効果を奏す
るが、より多くの部分、具体的には、消弧側板、バリア
板、エンドプレート、筐体の内表面、カバー部とベース
部との嵌合面、クロスバーの表面、トリップバーの表面
などがシリコーンポリマーを含有する樹脂成形物で構成
されているか、もしくはこの部分がシリコーンポリマー
を含有する樹脂または樹脂成形物で被覆されているか、
もしくはこの部分にシリコーンペーストが塗布されてい
ることが好ましい。
【0031】従来の回路遮断器において、アークにさら
される樹脂製の部分としては、消弧側板、ハンドルのノ
ブに対する裏面、トリップバー、クロスバー、エンドプ
レート、カバー部とベース部とを嵌合させてなる筐体の
内表面およびバリア板などがあげられる。
【0032】これらのすべての部分がシリコーンポリマ
ーを含有する樹脂成形物で構成されているか、シリコー
ンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物で被覆され
ているか、もしくはシリコーンペーストが塗布されてい
ることがとくに好ましい。
【0033】前記のシリコーンポリマーとしては、たと
えばつぎの一般式:
【0034】
【化4】
【0035】(ここで、R1およびR2は同じかまたは異
なり、いずれもアルキル基、フェニル基、水酸基、ビニ
ル基またはアルコキシ基などであり、これらがエポキシ
変成またはポリエステル変成されていてもよく、R3
よびR4はおなじかまたは異なり、いずれもメチル基、
アルキル基、長鎖アルキル基、高級脂肪酸基、ヒドロキ
シアルキル基、アミノアルキル基、ポリオキシアルキレ
ン基、フェニル基、水素原子、ヒドロキシ基、エポキシ
基含有有機基、メルカプトアルキル基、フルオロアルキ
ル基またはクロロフェニル基などである。また、nはと
くに制限されるものではない)で表わすことができる直
鎖状ポリマー、またはつぎの一般式:
【0036】
【化5】
【0037】(ここで、R5は前記R1と、R6およびR7
は前記R3と、pは前記nと、それぞれ同じである)で
表わすことができる三次元ポリマーなどの1種もしくは
2種以上があげられる。これらのうち、式(I)および
式(II)において、R1、R2およびR5がアルキル
基、水酸基、ビニル基またはアルコキシ基であるもの
が、芳香族を含有しない点から好ましく、R3、R4、R
6およびR7がメチル基、アルキル基、長鎖アルキル基、
高級脂肪酸基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル
基、ポリオキシアルキレン基、水素原子、ヒドロキシ
基、エポキシ基含有有機基、メルカプトアルキル基また
はフルオロアルキル基であるものが芳香族を含有しない
点から好ましい。
【0038】シリコーンポリマーまたはシリコーンオイ
ルが芳香族基を含有するばあい、たとえば短絡遮断時の
アークにより、該シリコーンポリマーまたはシリコーン
オイルに含まれる芳香族基を有する官能基が分解して、
π電子を有する炭(すみ)になり、分解物が導電体とな
ることがある。
【0039】本発明に用いうるシリコーンポリマーを含
有する樹脂成形物としては、前記シリコーンポリマー、
水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物およびガラス繊
維、無機鉱物、セラミック繊維などの強化材からなるも
のなどがあげられ、この樹脂成形物中の前記シリコーン
ポリマーの含有量が18〜26重量%であるものが、絶
縁性能および加工性などの点から好ましい。
【0040】また、前記のシリコーンペーストとして
は、シリコーンオイルからなるものがあげられ、シリコ
ーンオイルとしては、たとえばつぎの一般式:
【0041】
【化6】
【0042】(ここで、R8は前記R1と、R9は前記R2
と、R10は前記R3と、R11は前記R4と、それぞれ同じ
である。また、qはとくに制限されるものではないが、
通常100〜1000の整数である)
【0043】
【化7】
【0044】(ここで、R12は前記R8と、R13は前記
10と、R14は前記R11と、rは前記qと、それぞれ同
じである)で表わすことができる分岐状シリコーンポリ
マーがあげられる。これらのうち式(III)および式
(IV)においてR8、R9およびR12がアルキル基、水
酸基、ビニル基またはアルコキシ基であるものが芳香族
を含有しない点から好ましく、R10、R11、R13および
14がメチル基、アルキル基、長鎖アルキル基、高級脂
肪酸基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、ポ
リオキシアルキレン基、水素原子、ヒドロキシ基、エポ
キシ基含有有機基、メルカプトアルキル基またはフルオ
ロアルキル基であるものが芳香族を含有しない点から好
ましい。
【0045】本発明に用いうるシリコーンペーストとし
ては、前記シリコーンオイル、石鹸系増ちょう剤および
固体潤滑剤からなるものなどがあげられ、このシリコー
ンペースト中の前記シリコーンオイルの含有量が60〜
75重量%であるものが、シリコーンペーストの塗布作
業上好ましい。
【0046】これらシリコーンポリマーまたはシリコー
ンオイルがアーク熱により分解されても、シリコーンポ
リマーまたはシリコーンオイル中の主鎖である
【0047】
【化8】
【0048】の繰り返し鎖はガス化されることはなく、
無機物シリカ(SiO2)となり絶縁体化する。
【0049】前記シリコーンポリマーを含有する樹脂成
形物である部分、もしくはシリコーンポリマーを含有す
る樹脂または樹脂成形物で被覆されている部分がアーク
にさらされるとアーク熱により該樹脂または樹脂成形物
の表層のシリコーンポリマーが分解され、この樹脂また
は樹脂成形物の表層が前記無機物シリカで覆われるの
で、この樹脂または樹脂成形物の絶縁抵抗値が低下する
ことを抑制できる。
【0050】また、前記シリコーンペーストが塗布され
ている回路遮断器の樹脂製の部分がアークにさらされる
と、アーク熱により、該シリコーンペースト中のシリコ
ーンオイルが分解され、この樹脂製の部分表面が前記無
機物シリカで覆われるので、この樹脂製の部分およびシ
リコーンオイルを含有するシリコーンペーストの表層の
絶縁抵抗値が低下することを抑制できる。
【0051】また、シリコーンポリマーを含有せず、か
つシリコーンペーストが塗布されていない樹脂成形物や
樹脂製の部分がアークにさらされるばあいに比べて、こ
れらシリコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形
物、もしくはシリコーンペーストが塗布されている樹脂
製の部分がアークにさらされるばあいは、シリコーンポ
リマーまたシリコーンペーストの前記主鎖である繰り返
し鎖がガス化しないためにアーク熱による分解ガス量が
少ないので、発弧時に生じる前記筐体の内部の気体圧力
の増加が低減され、筐体内部部品や筐体の変形、破損を
防止することができる。
【0052】回路遮断器において、アークにさらされる
樹脂製の部分の一つとして、消弧装置の消弧側板があげ
られる。前記消弧装置は、図2にその一例を示すよう
に、消弧板7aと消弧側板7bから構成される。前記消
弧板は、通常、磁性体の金属からなり、前記可動接触子
の動作を防げないように切り込み、たとえばU字状の切
り込みを有する。また前記消弧側板は、被アーク時のガ
ス発生量低減および耐熱性向上の点などからシリコーン
ポリマーを含有する樹脂成形物からなることが好まし
い。消弧側板がシリコーンポリマーを含有する樹脂成形
物からなることにより前記のように消弧側板がアークに
さらされたばあいでも、この消弧側板の絶縁抵抗値の低
下を抑制でき、消弧板側の絶縁性の低下を防止できる。
また消弧板間にアーク電圧がかかったとき、消弧板間が
同電位になることを防止できる。消弧板間が同電位にな
ると、消弧板間のアーク電圧が維持できず、遮断不能に
なるばあいがある。
【0053】また、前記消弧側板がシリコーンポリマー
18〜26重量%、とくに21〜23重量%、金属水酸
化物28〜37重量%、とくに31〜34重量%および
強化材41〜50重量%、とくに41〜50重量%から
なることが好ましい。このような組成比からなる樹脂成
形物は、強化材の含有量が前記の範囲内にあることによ
り、打ち抜き加工時にクラックが生じにくい。
【0054】また、金属水酸化物の含有量が前記の範囲
内にあることにより、この消弧側板がアークにさらされ
たときアーク熱により消弧側板を構成する金属水酸化物
が分解されてH2O、O2およびO(原子状酸素)が好適
に発生する。消弧装置や筐体がアークさらされることに
より金属蒸気、金属液滴および遊離炭素が回路遮断器の
筐体内に発生するが、消弧側板に含まれる金属水酸化物
が分解して発生するH2O、O2およびOが、この金属蒸
気、金属液滴および遊離炭素を充分に酸化して、非導電
性の金属酸化物、一酸化炭素および二酸化炭素にするの
で、アーク発生後の消弧側板および回路遮断器内表面の
絶縁性が低下することを抑制できる。
【0055】また、シリコーンポリマーの含有量が前記
の範囲内にあることにより、該消弧側板がアークにさら
されたばあい、該消弧側板の表面が無機物シリカで覆わ
れ、絶縁体化できる。
【0056】通電中の回路遮断器を電極開離して電極接
点間にアークが発生するばあい、回路遮断器内部は通
常、瞬間的に局所的に4000〜6000℃程度の温度
になる。この結果、電極、接点および回路遮断器内部の
金属材料が加熱され、この金属材料から、前述のように
金属蒸気や溶融金属液滴が発生して飛散する。このと
き、アークのみならず、これら金属蒸気や溶融金属液滴
によって、回路遮断器筐体および回路遮断器の内部部材
を構成する有機材料が分解され、遊離炭素が発生する。
このような遊離炭素も前記金属酸化物の分解ガスが非導
電性化する。また、前記強化材がアーク発生時の消弧側
板のクラック発生を防止する。
【0057】前記消弧側板を構成するシリコーンポリマ
ーの成分比が前記の範囲より低いばあい、シリコーンポ
リマーの強化材への含浸が不充分になり、えられた消弧
側板に空孔が生じ、そのため湿気を取り込み絶縁性能が
低下する傾向があり、一方前記の範囲より高いばあい、
消弧側板の加工時に樹脂成形物の表層にクラックが生じ
やすくなる傾向がある。また前記消弧側板を構成する金
属水酸化物の成分比が前記の範囲より低いばあい、消弧
側板の絶縁性が低下する傾向があり、一方前記の範囲よ
り高いばあい、前記シリコーンポリマーと金属水酸化物
との混合物の強化材への含浸が不充分になり、えられた
消弧側板に空孔が生じ、そのため湿気を取り込み絶縁性
能が低下する傾向がある。また、前記消弧側板を構成す
る強化材の成分比が前記範囲より低いばあい、回路遮断
時に消弧側板にクラックが生じるなど、強度面で問題と
なる傾向があり、一方前記の範囲より高いばあい、シリ
コーンポリマーおよび金属水酸化物が強化材に充分に含
浸できず、えられた消弧側板に空孔が生じ、そのため湿
気を取り込み絶縁性能が低下する傾向がある。
【0058】前記水酸化物としては、水酸化アルミニウ
ム(Al(OH)3)、ホウ酸亜鉛(2ZnO・3B2
3・3.5H2O)、ドーソナイト(NaAl(OH)2
CO3)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、カルシ
ウムアルミネート(Ca3Al12(OH)12)、水酸化
マグネシウム(Mg(OH)2)、塩基性炭酸水素マグ
ネシウム(Mg4(CO33(OH)2・4H2O)など
の粒子状、繊維状またはリン片状などの形状を有するも
のなどの1種または2種以上があげられ、これらのうち
消弧側板製造時の打ち抜き加工時に微粉の発生が少な
く、また消弧側板の加工後の洗浄が容易であり、回路遮
断器に組み込まれたのちの振動による微粉の発生が少な
く接点間導電不良が生じにくい点から水酸化アルミニウ
ムが好ましい。また、前記金属水酸化物の大きさはとく
に制限されるものではない。
【0059】前記強化材としては、ガラス繊維、無機鉱
物およびセラミック繊維からなる群から選ばれた1種ま
たは2種以上のものがあげられる。これら強化材は耐圧
強度および消弧性能向上のために用いられる。
【0060】前記強化材には、つぎの一般式:M2
(ここでMは周期律表1A族の金属(Li、Na、K、
Rb、Cs、Fr)である)で表わされる化合物(たと
えば、Na2O、Li2Oなど)の合計含有量が1重量%
以下であることが好ましい。この化合物を1重量%を超
えて含有するばあいには、消弧性能が低下する。また、
この金属の化合物の合計含有量が0.6重量%以下、さ
らには0.15重量%以下であることが消弧性能向上の
点から好ましい。
【0061】前記ガラス繊維としては、長繊維、短繊
維、グラスウール、ガラスマットまたはガラスクロスな
どのガラスからなる繊維状物であればよく、前記の一般
式:M2Oで表わされる化合物の合計含有量が前記範囲
にあれば、とくに制限はされるものではない。これらガ
ラス繊維の素材としては、Eガラス、Sガラス、Dガラ
ス、Tガラスまたはシリカガラスなどがあげられる。
【0062】これらガラス繊維の直径が6〜13μm、
アスペクト比が10以上であることが耐圧強度向上の点
から好ましい。また、これらガラス繊維はシランカップ
リング剤などの表面処理剤により処理されていることが
耐圧強度をさらに向上させる点から好ましい。
【0063】前記無機鉱物としては、炭酸カルシウム、
クレー、タルク、マイカ、過酸化バリウム、酸化アルミ
ニウム、ジルコン、コーディエライト、ムライト、ウォ
ラスナイト、白雲母、炭酸マグネシウム、ドロマイト、
硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、フッ
化亜鉛またはフッ化マグネシウムなどがあげられ、これ
らはともに熱変形温度および寸法安定性を向上させると
いう点で好ましく用いられる。
【0064】なお、前記の一般式:M2Oで表わされる
化合物の合計含有量が前記の好適な範囲にあるという点
からは、炭酸カルシウム、タルク、ウォラスナイト、過
酸化バリウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、
硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、
硫酸バリウム、フッ化亜鉛またはフッ化マグネシウムな
どが好ましい。
【0065】前記セラミック繊維としては、ケイ酸アル
ミニウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ホウ酸アルミ
ニウムウィスカまたはアルミナウィスカなどのセラミッ
クからなる繊維状物であればよく、前記一般式:M2
で表わされる化合物の合計含有量が前記の範囲にあれ
ば、とくに限定はされるものではない。これらセラミッ
ク繊維は消弧性能の向上および耐圧強度の点から好まし
い。
【0066】これらセラミック繊維の直径が1〜10μ
m、アスペクト比が10以上であることが耐圧強度向上
の点から好ましい。
【0067】前記強化材としては、前記の1種または2
種以上の材料が用いられる。2種類以上が用いられるば
あいには、前記ガラス繊維と前記無機鉱物、前記ガラス
繊維と前記セラミック繊維、前記無機鉱物と前記セラミ
ック繊維、前記ガラス繊維どうし、前記無機鉱物どう
し、前記セラミック繊維どうし、前記ガラス繊維と前記
無機鉱物と前記セラミック繊維との組合わせがあり、と
くに制限されるものではない。
【0068】また、前記強化材は、短絡などによる回路
遮断時の耐圧強度の点、および接点不導通を引き起こす
恐れのある微粉が打ち抜き加工時に発生しにくい点か
ら、ガラスクロスであることが好ましい。このガラスク
ロスとしては、たとえば平織、目抜平織、朱子織または
綾織などの構造のものがあげられる。
【0069】図3に、本発明の回路遮断器に用いうる別
の好適な消弧装置を示す。図3において、41は消弧装
置、41aは消弧板、41bは消弧側板、42細隙板を
示す。消弧板41aおよび消弧側板41bは前記本発明
の回路遮断器に用いうる消弧装置と同じ材料からなり
え、消弧板41aは可動接触子の回動を防げないように
切込みを有し、この切込みの内側に前記可動接触子の回
動方向に平行またはほぼ平行に1対の細隙板42が可動
接触子の回動を防げないように設けられている。この1
対の細隙板42が設けられていることにより、接点が開
離されたときに生じるアークが、消弧側板の方向に広が
ることを、この細隙板によって防止されるために接点間
に発生したアークの断面積の拡大を抑制することができ
るので、アークが冷却でき、短絡電流を小さく絞り込む
限流が起こる細隙板効果を奏する。
【0070】また、この細隙板は前記消弧側板と同様の
組成の材料からなることが同様の理由から好ましい。
【0071】本発明の回路遮断器において、前述のよう
にバリア板が設けられることが好ましい。
【0072】バリア板が設けられている本発明の好まし
い回路遮断器の一実施態様を図1に示す。図1におい
て、1は回路遮断器、2は可動接触子、3は可動接触子
2の一方の端部に接合されて設けられている可動接点、
4は可動接触子2の動作により可動接点3と電気的に接
続しうる固定接点、5は固定接点4が接合されて設けら
れている固定接触子、6は固定接触子5の端子部であ
り、ここに外部からの電源が接続される。また7は消弧
装置であり、7aは可動接触子2の動作により可動接点
3と固定接点4とが開離されたときに発生するアークを
冷却、消弧する磁性体の金属からなる消弧板であり、7
bは消弧板7aを保持するための消弧側板である。ま
た、12はカバー部であり、13はベース部であり、嵌
合面14で嵌合することにより、各部品を収納する筐体
になる。また、9はクロスバー19、トグルリンク機構
8を介して、可動接触子2を手動で動作させるためのノ
ブ9aの付いたハンドルであり、10は引き外し装置で
ある。また、11は、負荷側の端子部である。15は端
子部6と筐体内を隔離するエンドプレートであり(図4
に、このエンドプレートの斜視図を示す)、アークによ
るホットガスを排出する排気孔15aを備え、ベース部
13に設けられたガイド溝13aに挿入して装着されて
いる。また、16はアークを端子6の方向へ走行させる
アークランナーである。
【0073】また、本発明の一例であるこの回路遮断器
には固定接点4とトグルリンク機構8との間にアークの
バリアのためのバリア板17が設けられている。また、
消弧側板7b、バリア板17およびエンドプレート15
はシリコーンポリマーを含有する樹脂成形物からなり、
カバー部12とベース部13とを嵌合させてなる筐体の
内表面にはシリコーンポリマーを含有する樹脂または樹
脂成形物からなる薄膜を形成しているばあい、もしくは
シリコーンペーストが塗布されているばあいがあり、ハ
ンドル9のノブ9aに対する裏面にはシリコーンポリマ
ーを含有する樹脂からなる薄膜を形成しているばあい、
またはシリコーンペーストが塗布されているばあいがあ
る。
【0074】このバリア板は回路遮断器の電極の開閉時
に可動接点3と固定接点4との間に発生するアークによ
り、回路遮断器を構成する樹脂材料から発生する遊離炭
素、および可動接点、固定接点ならびに回路遮断器を構
成する金属材料から発生する金属蒸気や飛散する溶融金
属液滴が回路遮断器筐体内で負荷側方向に広がることを
防止する。このことにより、アークが発生しても回路遮
断器の筐体内におけるバリア板より負荷側の樹脂部分の
絶縁性能が低下することを抑制でき、回路遮断器全体と
して、回路遮断時の好適な絶縁性が維持できる。
【0075】前記バリア板は、アークにさらされるばあ
いがあるので、前記と同じシリコーンポリマーを含有す
る樹脂成形物で構成されているか、シリコーンポリマー
を含有する樹脂または樹脂成形物で被覆されているか、
もしくはシリコーンペーストが塗布されていることが同
様の理由から好ましい。またバリア板の形状は、可動接
触子の回動を妨たげない必要最小限の溝または穴を有す
る形状であることが好ましい。
【0076】また、本発明の回路遮断器において、エン
ドプレート15が前記消弧側板と同様の組成の材料から
なることが、同様の理由から好ましい。
【0077】また、エンドプレート15の形状として
は、図4に示すように排気孔15aを有することが好ま
しい。エンドプレート15はベース部13のガイド溝1
3aに挿入して装着され、前記筐体内部の固定接点4、
可動接点3および消弧装置7を含む消弧空間と端子部6
とを仕切っているが、この排気孔を有することでアーク
が発生しても筐体内の気体圧力が急激に上昇することを
抑制する。また、回路遮断時などに可動接点3と固定接
点4との間に生じるアークは、消弧板7aの磁性力で端
子部6の方向へ引き伸ばされ、エンドプレート15に接
触することがある。このとき、エンドプレート15が前
記消弧側板と同様の組成の材料からなることにより、ア
ークにさらされたばあいも、このエンドプレートの表面
部が絶縁体化するので、複数回にわたる高電流遮断を行
なったあとでも、カバー部12とベース部13との絶縁
性能の低下を抑制することができる。また、アーク電流
がこのエンドプレートより端子部6側に流れることを防
止できる。
【0078】図5に本発明の回路遮断器に用いうるベー
ス部の斜視図を、図6にこのベース部の内部を明瞭にす
るために一部切り欠いたベース部の斜視図を示す。図5
および図6において、ベース部13は、たとえば、ガラ
ス繊維(直径9.5〜15μm程度、長さ1/4〜1イ
ンチ程度のものが好ましい)15重量%程度、炭酸カル
シウム60重量%程度、および不飽和ポリエステル25
重量%程度からなるものがあげられ、ベース部13の内
表面13bには、前記と同様のシリコーンポリマーを含
有する樹脂または樹脂成形物である薄膜が、たとえばス
プレーコーティング法などにより、シリコーンが噴霧さ
れることにより設けられるか、もしくは前記と同様のシ
リコーンペーストが塗布されていることが好ましい。こ
のようにして、シリコーンポリマーを含有する樹脂また
は樹脂成形物である薄膜、もしくはシリコーンペースト
塗膜が内表面13bに設けられていることにより、回路
遮断器の回路遮断時などに生じるアークにベース部13
がさらされたばあいでも、前記のように、シリコーンコ
ーティング中のシリコーンポリマーおよび/またはシリ
コーンオイルが分解して無機物シリカとなり、内表面1
3bが絶縁体化する。このことにより、回路遮断器の絶
縁性能の低下を抑制できる。また、アークによる樹脂成
分などの分解によるガス発生量が低減するため、前記筐
体内部のガス圧が急激に上昇することを防止でき、筐体
や筐体内部部品などが変形や破壊することがない。
【0079】前記のシリコーンポリマーを含有する樹脂
または樹脂成形物である薄膜、もしくはシリコーンペー
スト塗膜は、前記カバー部の内表面にも同様の理由から
同様にして設けられることが好ましい。
【0080】また、ベース部13と前記カバー部との嵌
合面14に、シリコーンペーストが前記と同様の方法な
どにより塗布されるか、またはシリコーンポリマーを含
有する樹脂からなる薄膜が設けられることが好ましい。
このことにより、この嵌合面が回路遮断器の回路遮断時
などに生じるアークにさらされたばあいでも回路遮断器
のカバー部とベース部との絶縁性の低下を抑制できる。
また、前記と同様にしてアーク発生時に前記筐体内部の
ガス圧が急激に上昇することも防止できる。
【0081】なお、図1は回路遮断器の一実施態様の概
略断面図であり、回路遮断器の1相を断面にして示して
あるが、実際は、図5にそのベース部の斜視図を示すよ
うに3相の構造になっており、可動接触子、可動接点、
固定接触子、固定接点、消弧装置などは各相にそれぞれ
配置、すなわち合計3組配置されているものが一般的で
ある。回路遮断器としては、そのほか1相、2相、4相
のものもある。
【0082】図7は、前記各相の可動接触子を連結して
いるクロスバー19を示す。このクロスバー19は前記
トグルリンク機構を介してハンドルに連動するように構
成されている。
【0083】クロスバー19は、通常、ガラス繊維50
重量%程度、フェノール樹脂35重量%程度、およびそ
のほか添加剤15重量%程度のガラス繊維強化フェノー
ル樹脂からなり、その表層部にはシリコーンペーストが
前記と同様の方法や浸漬塗布などの方法で塗布されてい
るか、または前記と同様のシリコーンポリマーを含有す
る樹脂または樹脂成形物である薄膜が設けられているこ
とが好ましい。このことにより、回路遮断器の回路遮断
時に生じるアークに、このクロスバーがさらされたばあ
いでもクロスバーの絶縁性の低下が、前記と同様に、抑
制できる。また、アーク発生時に、前記筐体内部のガス
圧が急激に上昇することも、前記と同様に防止できる。
【0084】図8は、本発明の回路遮断器に用いるハン
ドル9を示す斜視図である。図9において、9aはハン
ドルのノブを示す。このハンドル9のノブ9aに対する
裏面9bにシリコーンペーストが前記クロスバーと同様
の方法などにより塗布されているか、または前記と同様
のシリコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物
である薄膜が設けられていることが好ましい。このこと
により、回路遮断器の回路遮断時に生じるアークにハン
ドルのノブに対する裏面9bがさらされたばあいでも、
この裏面9bの絶縁性の低下が抑制できる。また、アー
ク発生時に、前記筐体内部のガス圧が急激に上昇するこ
とも、前記と同様に防止できる。
【0085】図9には本発明の別の回路遮断器の一例の
概略部分断面図を示す。この回路遮断器には、固定接触
子5のアークが端子部方向に走行する過程で、アークが
暴露する部分にシリコーンポリマーを含有する樹脂シー
ト40が貼り付けられており、このことにより、発弧時
の、回路遮断器の筐体内、とくに消弧板、消弧側板、固
定接点および可動接点などからなる消弧空間の絶縁性を
維持し、前記筐体内の気体圧力の上昇を抑制し、筐体自
体や筐体内部部品などの変形や破壊を防止するという効
果を奏する。
【0086】また、本発明における前記シリコーンポリ
マー、またはシリコーンペースト中にシリコーン低分子
量環状体が多量に含まれているばあい、これらシリコー
ン低分子量環状体が揮発し、数ミリアンペアの微少電流
が流れるマイクロスイッチの接点間で発生するアークに
より、このシリコーン低分子量環状体が分解し無機物シ
リカとなり、マイクロスイッチの接点不導通を生じるば
あいがある。
【0087】なお、前記マイクロスイッチは、通常遮断
器に取り付けられる付属装置の中に設けられており、こ
の付属装置はトリップを検出する機能および/またはO
N/OFF(開閉)状態を検出する機能を有する。ま
た、この付属装置は、通常筐体内に設けられる。前記マ
イクロスイッチには、前記検出機能を果たすために通常
数ミリアンペアから数アンペア程度の微少電流が流れ
る。
【0088】また、前記シリコーンポリマーおよび前記
シリコーンペースト中の、一般式:
【0089】
【化9】
【0090】(ここで、mは3〜10の整数である)で
表わされるシリコーン低分子量環状体の含有量が、前記
シリコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物も
しくはシリコーンペーストの重量に対して重量基準で5
00ppm以下であることにより、シリコーン低分子量
環状体の揮発量が極めて少くなり、この揮発分が接点間
に侵入し接点導通不良をおこすことを防止できる。
【0091】
【実施例】
[実験例1]回路遮断器のアークにさらされる部分にシ
リコーンポリマーを含有する樹脂成形物で被覆した回路
遮断器の評価を行なった。
【0092】回路遮断器において、固定接触子と消弧装
置との間には隙間があり、この隙間のためにベース部表
面がアーク発生時アークにさらされる。そこで、この隙
間をシリコーンポリマーを含有する樹脂シートで被覆
し、この回路遮断器を評価した。
【0093】前記の隙間を前記樹脂シートで被覆する前
の回路遮断器として、三菱電機株式会社製配線用遮断器
(100AF)を用いた。なお、前記回路遮断器の可動
接触2は銅合金、可動接点3は銀合金、固定接点4は銀
合金、固定接触子5は銅、端子部6は銅、消弧板7aは
鋼板、トグルリンク機構8は鋼板、ハンドル9はガラス
繊維強化ポリブチレンテレフタレート、引き外し装置1
0は鋼合金、鋼板など、端子部11は銅、カバー部12
は木粉フェノール、ベース部13は木粉フェノール、エ
ンドプレート16はガラスポリエステル、バリア板18
は紙ファイバー、トリップバー19はガラス繊維強化ポ
リブチレンテレフタレート、クロスバー20はガラス強
化フェノールからなる。この回路遮断器の前記の隙間を
被覆するために20×30×1mmのシリコーンポリマ
ーを含有する樹脂シートを作製した。
【0094】このシリコーンポリマーを含有する樹脂シ
ートを図9に示すような状態に、前記隙間を充分に被覆
できるようにして設けた。
【0095】このようにして作製されたシリコーンポリ
マーを含有する樹脂シートが設けられた回路遮断器は、
定格遮断電流が、25kA、AC460V、3相、に対
して、推定短絡電流30kAの回路で短絡遮断を2回行
ない、そののち、回路遮断後の電源側端子と負荷側端子
間の中央極の絶縁抵抗値をJIS C1302記載の絶
縁抵抗計を用いて測定(以下、メグ測定という)する方
法により評価した。その結果、筐体および内部部品に変
形や亀裂などがなく、回路遮断後の電源側端子と負荷側
端子間の中央極の絶縁抵抗値も5〜15MΩであり良好
な結果であった。なお、回路遮断試験後の絶縁抵抗値は
通常0.5MΩ以上必要である(JIS−C8370参
照)。
【0096】[比較例1]シリコーンポリマーを含有す
る樹脂シートを設けなかったほかは実験例1と同じ回路
遮断器を用い、同じ方法でこの回路遮断器を評価した。
その結果、筐体や内部部品に微小な亀裂が発生し、回路
遮断後の電源側端子と負荷側端子間の中央極の絶縁抵抗
値が0.2〜0.4MΩであった。また、トリップバー
両端間の絶縁抵抗値は、0.05〜0.10MΩであっ
た。
【0097】[実験例2]つぎに、シリコーンポリマー
を含有する樹脂成形物からなる消弧側板についての評価
を行なった。
【0098】表1に示すシリコーンポリマー、金属水酸
化物である水酸化アルミニウムおよび強化材である平織
のガラスクロスを用い、つぎの方法により消弧装置側板
を作製した。この消弧側板作製時の加工性を表1に示
す。
【0099】シリコーンポリマーと水酸化アルミニウム
との混合液に厚さ約0.4mmの前記ガラスクロスを浸
漬し、約80℃の乾燥炉で予備加熱を行なう。つぎに1
70〜180℃の温度、約100kg/cm2の圧力で
2〜3時間硬化させる。えられた樹脂成形物を規定の大
きさにカッティングし、消弧板6aを保持する穴を打ち
抜く。この消弧側板に消弧板7aを取り付け、図2に示
すような消弧装置をえる。
【0100】この消弧装置を用い、前記シリコーンポリ
マーを含有する樹脂シートを用いないほかは実験例1と
同じ回路遮断器に設置して、2回の短絡遮断試験を行な
い、そののち、メグ測定を行った。結果を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】シリコーンポリマーが18重量%未満のば
あい、ガラスクロス内部への含浸が不充分であり、えら
れた消弧側板に空孔を生じ、その結果として、湿気を取
り込み、絶縁性能が低下する。シリコーンポリマーが2
6重量%を超えるばあい、上記加工時に樹脂成形物の表
面にクラックを生じるため、好ましくない。
【0103】水酸化アルミニウムが28重量%未満のば
あい、遮断後の電源側と負荷側とのメグ測定にて、0.
5MΩ未満となり、絶縁性の低下をもたらす。水酸化ア
ルミニウムが37重量%を超えるばあい、シリコーンポ
リマーと水酸化アルミニウムとの混合液のガラスクロス
内部への含浸が不充分であり、えられた消弧側板に空孔
を生じ、その結果として、湿気を取り込み、絶縁性能が
低下する。加えて、上記加工時に樹脂成形物の表面にク
ラックが生じるため、好ましくない。
【0104】ガラスクロスが41重量%未満のばあい、
遮断時に消弧側板がクラックを生じ、強度面で問題があ
る。ガラスクロスが50重量%を超えるばあい、ガラス
クロス内部への含浸が不充分であり、えられた消弧側板
に空孔を生じ、その結果として、湿気を取り込み、絶縁
性能が低下する。
【0105】また、水酸化アルミニウムのほかの金属水
酸化物、前記のガラスクロスのほかの強化材を用いても
前記と同様の結果がえられた。従って、シリコーンポリ
マーが18〜26重量%、金属水酸化物が28〜37重
量%、強化材が41〜50重量%である樹脂成形物は、
加工性が良好であり、この樹脂成形物を消弧側板として
用いた消弧装置を配置した回路遮断器は、絶縁後の絶縁
性能が良好であることがわかる。
【0106】[実験例3]つぎに、別のシリコーンポリ
マーを含有する樹脂成形物からなる消弧側板についての
加工性の評価を行なった。
【0107】表2に示す配合にしたほかは実験例2と同
様にして消弧側板を作製し、同様の方法で消弧装置を作
製した。この消弧装置を用いたほかは実験例2と同じ方
法で回路遮断器を作製した。なお、金属水酸化物として
は、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを用
い、強化材およびガラスクロスとしては実験例2と同じ
ものを用いた。
【0108】この消弧側板作製時の加工性を表2に示
す。
【0109】
【表2】
【0110】実験例3−(1)〜(6)の組成は、いず
れもシリコーンポリマー20〜29重量%、強化材とし
てガラスクロス43〜45重量%であるが、金属水酸化
物として、実験例3−(1)〜(3)は水酸化アルミニ
ウム23〜37重量%、実験例3−(4)〜(6)は水
酸化マグネシウム28〜37重量%である。実験例3−
(4)〜(6)の組成では、加熱硬化してえられた樹脂
成形物のカッティング時、消弧板を保持する穴の打ち抜
き時に多量の微粉末が発生した。実験例3−(1)〜
(3)の組成では、微粉末の発生量は少量であった。実
験例3−(4)〜(6)のばあいと比較して、次工程の
微粉末洗浄工程時間が短縮可能であった。
【0111】また、ガラスクロスのほかの強化材を用い
ても前記と同様な結果がえられた。
【0112】以上のように、シリコーンポリマー18〜
26重量%、水酸化アルミニウム28〜37重量%、強
化材41〜50重量%である樹脂成形物からなる消弧側
板は、樹脂成形物製造時および、打ち抜き加工時の微粉
末発生を防止でき、微粉末の洗浄が容易である。さらに
は、当該消弧側板を配置した回路遮断器も振動による粉
の発生量が少なく、接点不導通が防止できる。
【0113】[実験例4]つぎに、さらに別のシリコー
ンポリマーを含有する樹脂成形物からなる消弧側板につ
いての加工性の評価を行なった。
【0114】表3に示す配合にしたほかは実験例2と同
様にして消弧板を作製し、同様の方法で消弧装置を作製
した。この消弧装置を用いたほかは実験例2と同じ方法
で回路遮断器を作製した。なお、金属水酸化物として
は、水酸化カルシウムを用いた。また、強化材として
は、約50mmの長さに切断してあるガラス繊維を平面
上に無定方向に散布し、接着剤を加えてマット状にした
ガラスマットまたは実験例2と同じガラスクロスを用い
た。
【0115】この回路遮断器を用いて実験例2と同じ方
法にて回路遮断試験を行なった後の回路遮断器の状態を
目視で観察した。結果を表3に示す。
【0116】
【表3】
【0117】実験例4−(1)〜(6)の組成は、いず
れもシリコーンポリマー22〜24重量%、金属酸化物
として水酸化カルシウム28〜35重量%であるが、強
化材として、実験例4−(1)〜(3)はガラスクロス
41〜50重量%、実験例4−(4)〜(6)はガラス
マット41〜50重量%である。実験例4−(4)〜
(6)の組成でえられた樹脂成形物からなる消弧側板を
用いた消弧装置を回路遮断器に配置し、短絡遮断を実施
したところ、消弧側板に亀裂が発生した。実験例4−
(1)〜(3)のばあいは、亀裂の発生は良好であっ
た。
【0118】また、水酸化カルシウムのほかの金属水酸
化物を用いても前記と同様な結果がえられた。
【0119】以上のように、シリコーンポリマー18〜
26重量%、金属酸化物28〜37重量%、ガラスクロ
ス41〜50重量%である樹脂成形物のカッティング
時、消弧側板を保持する穴の打ち抜き時での亀裂発生を
防止でき、短絡遮断後の消弧側板の破損を防止できる。
【0120】[実験例5]つぎに、シリコーンポリマー
を含有する樹脂成形物からなるエンドプレートについて
の評価を行なった。
【0121】エンドプレートを、シリコーンポリマー2
2重量%、金属水酸化物として水酸化アルミニウム33
重量%および強化材として平織りのガラスクロス45重
量%により構成したほかは比較例1と同じ方法により回
路遮断器を作製し、実験例1と同じ方法により回路遮断
実験を行なった。その結果、筐体および筐体内部部品に
変形や亀裂が生じておらず、メグ測定による回路遮断後
の電源側端子と負荷側端子間の中央極の絶縁抵抗値が2
〜5MΩであり、良好な結果であった。
【0122】[実験例6]つぎに、シリコーンポリマー
を含有する樹脂成形物からなるバリア板についての評価
を行なった。
【0123】シリコーンポリマー22重量%、金属水酸
化物として水酸化アルミニウム33重量%および強化材
として平織りのガラスクロス45重量%により構成した
バリア板を固定接点とトグルリンク機構との間に設けた
ほかは比較例1と同じ方法により、回路遮断器を作製
し、実験例1と同じ方法により回路遮断実験を行なっ
た。その結果、筐体および筐体内部部品に変形や亀裂が
生じておらず、メグ測定による回路遮断後の電源側端子
と負荷側端子間の中央極の絶縁抵抗値が8〜12MΩで
あり、良好な結果であった。
【0124】[実験例7]つぎに、別の消弧装置につい
ての評価を行なった。
【0125】図3に示すような消弧板41aの切込みの
内側に細隙板42を設けた消弧装置を作製した。なお、
この消弧装置は、鋼板からなる消弧板41a、ポリエス
テル20重量%、水酸化アルミニウム35重量%および
ガラスマット45重量%からなる消弧側板41b、およ
びシリコーンポリマー22重量%、金属水酸化物として
水酸化アルミニウム33重量%および強化材としてガラ
スクロス45重量%からなる細隙板42により作製し
た。
【0126】この消弧装置を用いたほかは、比較例1と
同じ方法により、回路遮断器を作製し、実施例1と同じ
方法で回路遮断実験を行なった。その結果、筐体および
筐体内部部品に変形や亀裂が生じておらず、メグ測定に
よる回路遮断後の電源側端子と負荷側端子間の中央極の
絶縁抵抗値が14〜20MΩであり、良好な結果であっ
た。
【0127】[実験例8]ベース部とカバー部との嵌合
面にシリコーンペーストを塗布した回路遮断器について
の評価を行なった。
【0128】ベース部とカバー部との嵌合面に、シリコ
ーンオイル69重量%を含むシリコーンペーストを塗布
したほかは比較例1と同じ方法で回路遮断器を作製し、
メグ測定を異極端子間で測定するほかは、実験例1と同
じ方法により回路遮断実験を行なった。その結果、筐体
および筐体内部部品に変形や亀裂が生じておらず、メグ
測定による回路遮断後の異極端子間の絶縁抵抗値が2〜
5MΩであり、良好な結果であった。
【0129】[実験例9]ハンドルのノブに対する裏面
にシリコーンペーストを塗布した回路遮断器についての
評価を行なった。
【0130】ハンドルのノブに対する裏面に実験例8と
同じシリコーンペーストを塗布したほかは比較例1と同
じ方法で回路遮断器を作製し、回路遮断器をON状態に
して、ノブ以外の外部から接触可能なハンドル表面と電
源側端子間とのメグ測定を行なうほかは、実験例1と同
じ方法により回路遮断実験を行なった。その結果、筐体
および筐体内部部品に変形や亀裂が生じておらず、メグ
測定による回路遮断後の電源側端子とノブ以外の外部か
ら接触可能なハンドル表面との絶縁抵抗値が2〜10M
Ωであり、良好な結果であった。
【0131】[実験例10]クロスバーの表面にシリコ
ーンペーストを塗布した回路遮断器についての評価を行
なった。
【0132】クロスバーの表面に実験例8と同じシリコ
ーンペーストを塗布したほかは比較例1と同じ方法で回
路遮断器を作製し、メグ測定を異極端子間で測定するほ
かは、実験例1と同じ方法により回路遮断実験を行なっ
た。その結果、筐体および筐体内部部品に変形や亀裂が
生じておらず、メグ測定による回路遮断後の異極端子間
の絶縁抵抗値が5〜8MΩであり、良好な結果であっ
た。
【0133】[実験例11]トリップバーの表面にシリ
コーンペーストを塗布した回路遮断器についての評価を
行なった。
【0134】トリップバーの表面に実験例8と同じシリ
コーンペーストを塗布したほかは比較例1と同じ方法で
回路遮断器を作製し、メグ測定をトリップバー表面の両
極間で測定するほかは、実験例1と同じ方法により回路
遮断実験を行なった。その結果、回路遮断後のトリップ
バー表面の両極間の絶縁抵抗値が0.8〜2.0MΩで
あり、良好な結果であった。
【0135】[実施例12]筐体の内表面全体にシリコ
ーンペーストを塗布した回路遮断器についての評価を行
なった。
【0136】回路遮断器の筐体の内表面全体に実施例8
と同じシリコーンペーストを塗布したほかは、比較例1
と同じ方法で回路遮断器を作製し、実験例1と同じ方法
により回路遮断実験を行なった。その結果、筐体および
筐体内部部品に変形や亀裂が生じておらず、メグ測定に
よる回路遮断後の電源側端子と負荷側端子間の中央極の
絶縁抵抗値が10〜20MΩであり、良好な結果であっ
た。
【0137】[実験例13]シリコーンポリマーおよび
シリコーンペースト中のシリコーン低分子量環状体の含
有量についての評価を行なった。
【0138】表4に記載の量のシリコーン低分子量環状
体を含むシリコーンペーストを用いて、実験例1と同じ
方法で回路遮断器を作製し、回路開閉を繰り返し、マイ
クロスイッチの可動接点と固定接点との抵抗値が無限大
になる開閉回数をつぎの方法で測定した。
【0139】図10はシリコーンポリマーまたはシリコ
ーンペーストに含有されるシリコーン低分子量環状体が
マイクロスイッチ開閉接点に与える影響を評価するため
の装置の略図である。図10において、51は回路遮断
器、52はマイクロスイッチを搭載した付属部品、53
はシリコーンペースト、54はデシケータ、55は恒温
槽、56は制御電源である。回路遮断器51にマイクロ
スイッチを搭載した付属部品52を配置し、制御電源5
6とつなぎ、デシケータ54の中に設置する。シリコー
ンポリマーまたはシリコーンペースト53は、マイクロ
スイッチを搭載した付属部品52の近傍に設置する。こ
のデシケータ54を恒温槽55に入れ、温度を85℃に
保つ。マイクロスイッチは125V、100mAの通電
を行ない、30分間に1回マイクロスイッチの接点が開
離する制御が施されている。この試験はマイクロスイッ
チの開閉を10000回まで実施する。開閉10000
回までに、マイクロスイッチが不導通になるばあいは、
その開閉回数を記録する。
【0140】なお、低分子量シリコーン量とは、つぎの
式:
【0141】
【化10】
【0142】(ここで、mは3〜10の整数である)で
表わされるシリコーン低分子量環状体の合計含有量(シ
リコーンペーストの重量に対するシリコーン低分子量環
状体の重量(ppm)で表わす)のことである。
【0143】低分子量シリコーン環状体の合計含有量の
定量化はつぎの方法で行なった。
【0144】 分析装置 :島津製作所製ガラスクロマトグラフGC−16A カラム :OV−17 溶 媒 :油分分析用の四塩化炭素 キャリアガス:純度99.99%以上の窒素ガス 定 量 :デカメチルシクロペンタシロキサンにて面積換算 シリコーンポリマーからなる樹脂成形物は、1g分を約
1mm程度に細かく刻み、油分分析用の四塩化炭素10
ccで常温24時間放置し、低分子量シリコーンを抽出
した。シリコーンペースト中のシリコーンオイルは、シ
リコーンオイル液を油分測定用の四塩化炭素で10%に
希釈後、試料とした。
【0145】
【表4】
【0146】表4の結果から、低分子量シリコーン10
00ppm以上では、4000回以下の開閉回数で接点
不導通を発生した。低分子量シリコーン500ppm以
下では、10000回の開閉後も接点の状態は良好であ
った。従って、本発明の回路遮断器に用いうるシリコー
ンポリマーを含有する樹脂成形物、シリコーンポリマー
を含有する樹脂または樹脂成形物の皮膜、もしくはシリ
コーンペーストに含有される前記シリコーン低分子量環
状体の合計含有量が、500ppm以下のばあい、回路
遮断器に備えられる付属装置中に設けられるマイクロス
イッチ、および回路遮断器が設置されている配電盤内の
他の装置に用いられるマイクロスイッチの接点不導通を
防止する。
【0147】以上、各実験例を説明したが、各実験例に
おいて説明したそれぞれの構成を組み合わせて回路遮断
器を製造することは、その効果に重畳作用があることは
明白である。
【0148】
【発明の効果】本発明の回路遮断器はアークにさらされ
る樹脂製の部分がシリコーンポリマーを含有する樹脂成
形物で構成されているか、シリコーンポリマーを含有す
る樹脂または樹脂成形物で構成されているか、もしくは
該樹脂製の部分にシリコーンペーストが塗布されている
ので、これらシリコーンポリマーまたはシリコーンオイ
ルがアーク熱により分解されても、シリコーンポリマー
またはシリコーンオイル中の主鎖である
【0149】
【化11】
【0150】の繰り返し鎖はガス化されることはなく、
無機物シリカ(SiO2)となり絶縁体化する。そのた
め前記シリコーンポリマーを含有する樹脂成形物がアー
クにさらされるとアーク熱により該樹脂または樹脂成形
物の表層のシリコーンポリマーが分解され、この樹脂成
形物の表層が前記無機物シリカで覆われるので、この樹
脂または樹脂成形物の絶縁抵抗値が低下することを抑制
できる。また、前記シリコーンペーストが塗布されてい
る回路遮断器がアークにさらされると、アーク熱によ
り、該シリコーンペーストのシリコーンオイルが分解さ
れ、この樹脂製の部分の表面が前記無機物シリカで覆わ
れるので、この樹脂製の部分の絶縁抵抗値が低下するこ
とを抑制できる。また、シリコーンポリマーを含有せ
ず、かつシリコーンペーストが塗布されていない樹脂成
形物や樹脂製の部分がアークにさらされるばあいに比べ
て、これらシリコーンポリマーを含有する樹脂成形物や
シリコーンペーストが塗布されている樹脂製の部分がア
ークにさらされるばあい、シリコーンポリマーまたはシ
リコーンペースト中の前記主鎖である繰り返し鎖はガス
化されず、無機物シリカとなるためにアーク熱による分
解ガス量が少ないので、発弧時の前記筐体の内部の気体
圧力の増加が低減され、筐体内部部品や筐体の変形、破
損を防止することができる。
【0151】また前記回路遮断器の消弧側板がシリコー
ンポリマーを含有する樹脂成形物からなることにより前
記のように消弧側板がアークにさらされたばあいでも、
この消弧側板の絶縁抵抗値の低下を抑制でき、消弧板側
の絶縁性の低下を防止できる。また消弧板間が同電位に
なり、消弧板間のアーク電圧が維持できず、遮断不能に
なることを防止できる。
【0152】また、前記消弧側板がシリコーンポリマー
18〜26重量%、とくに21〜23重量%、金属水酸
化物28〜37重量%、とくに31〜34重量%および
強化材41〜50重量%、とくに44〜46重量%から
なることにより、前記消弧側板の打ち抜き加工時にクラ
ックが生じにくい。また、前記消弧側板を含む消弧装置
や筐体がアークにさらされたときアーク熱により消弧側
板を構成する金属水酸化物が分解されてH2O、O2およ
びO(原子状酸素)が発生する。このH2O、O2および
Oが、このアークにより同時に発生する金属蒸気、金属
液滴および遊離炭素を充分に酸化して、非導電性の金属
酸化物、一酸化炭素および二酸化炭素にするので、アー
ク発生後の消弧側板および回路遮断器内表面の絶縁性が
低下することを抑制できる。また、通電中の回路遮断器
の電極開離時には、電極接点間でアークが発生し、通常
4000〜6000℃程度の温度になる。この結果、電
極、接点および回路遮断器内部構成金属材料が加熱さ
れ、この金属材料から金属蒸気や溶融金属液滴が発生し
て飛散する。このとき、アークのみならず、これら金属
蒸気や溶融金属液滴によって、回路遮断器筐体および回
路遮断器内部構成有機材料が分解され、遊離炭素が発生
する。このような遊離炭素も前記金属酸化物の分離ガス
が非導電性化する。また、前記強化材がアーク発生時の
消弧側板のクラック発生を防止する。
【0153】前記金属水酸化物として、水酸化アルミニ
ウムを用いることにより、消弧側板製造時の打ち抜き加
工時に微粉の発生が少なく、また加工後の消弧側板の洗
浄が容易であり、回路遮断器に組み込まれたのちの振動
による微粉の発生が少ないので接点間導電不良が生じに
くくなる。
【0154】前記強化材としては、ガラス繊維、無機鉱
物およびセラミック繊維からなる群から選ばれた1種ま
たは2種以上のものがあげられる。これら強化材は耐圧
強度および消弧性能向上のために用いられる。この強化
材として、ガラスクロスを用いることにより、短絡遮断
時の耐圧強度の点、および接点不導通を引き起こす恐れ
にある微粉が打ち抜き加工時に発生しにくくなる。
【0155】また、一対の消弧側板により複数の消弧板
が平行またはほぼ平行に保持され、回路遮断器内に設置
したときに、それぞれの消弧板が前記可動接触子の動作
を妨げないようにU字状の切込みを有する前記消弧装置
の該U字状の切込み部に、さらに前記可動接触子の動作
方向に平行またはほぼ平行に、シリコーンポリマーを含
有する樹脂成形物からなる一対の板状体、シリコーンポ
リマーを含有する樹脂または樹脂成形物で被覆された一
対の板状体、もしくはシリコーンペーストが塗布された
一対の板状体が設けられていることにより、さらに好適
にアークを冷却でき、アーク電流を小さく絞り込む限流
が起こる細隙板効果を奏する。
【0156】本発明の回路遮断器において、バリア板が
設けられることにより、回路遮断器の電極の開離時に可
動接点と固定接点との間に発生するアークにより、回路
遮断器を構成する樹脂材料から発生する遊離炭素、およ
び可動接点、固定接点ならびに回路遮断器を構成する金
属材料から発生する金属蒸気や飛散する溶融金属液滴が
回路遮断器筐体内で負荷側方向に広がることを防止す
る。このことにより、アークが発生しても回路遮断器筐
体内におけるバリア板より負荷側の樹脂部分の絶縁性能
の低下が抑制でき、回路遮断器全体として、回路遮断後
の絶縁性は維持できる。また、バリア板が前記消弧側板
と同様の組成の材料からなることにより、バリア板がア
ークにさらされたばあいでも、前記と同様の理由から、
回路遮断後のバリア板、消弧装置、筐体内表面の絶縁性
を維持できる。
【0157】また、本発明の回路遮断器において、エン
ドプレートが前記消弧側板と同様の組成の材料からなる
ことにより、アークにさらされたばあいでもエンドプレ
ートの表面は絶縁体化されるので、複数回にわたる高電
流遮断を行なったあとでも、カバー部とベース部との絶
縁性能の低下を抑制することができる。また、アーク電
流が端子部側に流れることを防止できる。
【0158】また、本発明の回路遮断器におけるカバー
部とベース部とを嵌合させてなる筐体の内表面にシリコ
ーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物からなる
薄膜が設けられているか、もしくはシリコーンペースト
が塗布されていることにより、回路遮断器の回路遮断時
に生じるアークにカバー部とベース部とを嵌合させてな
る筐体がさらされたばあいでも、シリコーンペースト中
のシリコーンオイルが分解して無機物シリカとなり、内
表面が絶縁体化する。このことにより、回路遮断器の絶
縁性能の低下を抑制できる。また、アークによる樹脂成
分などの分解によるガス発生量が低減するため、前記筐
体内部のガス圧が急激に上昇することを防止でき、筐体
などの変形や破壊することがない。
【0159】また、本発明の回路遮断器におけるベース
部とカバー部との嵌合面に、シリコーンペーストが塗布
されるかまたは、シリコーンポリマーを含有する樹脂ま
たは樹脂成形物からなる薄膜が設けられることにより、
回路遮断器の回路遮断時に生じるアークに、この嵌合面
がさらされたばあいでも回路遮断器のカバー部とベース
部との絶縁性の低下を抑制できる。また、前記と同様に
してアーク発生時に前記筐体内部のガス圧が急激に上昇
することも防止できる。
【0160】また、本発明の回路遮断器におけるクロス
バーの表層部にはシリコーンペーストが塗布されている
ことにより、回路遮断器の回路遮断時に生じるアーク
に、このクロスバーがさらされたばあいでもクロスバー
の絶縁性の低下を抑制できる。また、アーク発生時に前
記同様、前記筐体内部のガス圧が急激に上昇することも
防止できる。また、トリップバー表面の絶縁性の低下を
防止できる。このことは、たとえば引き外し装置を介し
ての、異極間の耐電圧試験(たとえば、短絡遮断後10
00V、1分間印加する)で、絶縁破壊などを防止でき
ることで判る。
【0161】また、本発明の回路遮断器におけるハンド
ルのノブに対する裏面にシリコーンペーストが塗布され
ていることにより、回路遮断器の回路遮断時に生じるア
ークにハンドルのノブに対する裏面がさらされたばあい
でも、この裏面の絶縁性の低下が抑制できる。また、ア
ーク発生時に前記と同様、前記筐体内部のガス圧が急激
に上昇することも防止できる。
【0162】また、前記シリコーンポリマーおよび前記
シリコーンペースト中の、一般式:
【0163】
【化12】
【0164】(ここで、mは3〜10の整数である)で
表わされるシリコーン低分子量環状体の含有量が、前記
シリコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物も
しくはシリコーンペーストの重量に対して重量基準で5
00ppm以下であることにより、シリコーンポリマー
およびシリコーンペーストの揮発量が少くなり、この揮
発分がマイクロスイッチの接点間に侵入し接点導通不良
をおこすことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の回路遮断器の一例を示す概略断面図
である。
【図2】 本発明の回路遮断器に用いうる消弧装置の一
例を示す斜視図である。
【図3】 本発明の回路遮断器に用いうる消弧装置の別
の一例を示す斜視図である。
【図4】 本発明の回路遮断器に用いうるエンドプレー
トの一例を示す斜視図である。
【図5】 本発明の回路遮断器に用いうるベース部の一
例を示す斜視図である。
【図6】 本発明の回路遮断器に用いうるベース部の一
例を一部切欠いて示した斜視図である。
【図7】 本発明の回路遮断器に用いうるクロスバーを
示す斜視図である。
【図8】 本発明に用いうるハンドルを示す斜視図であ
る。
【図9】 本発明の回路遮断器の概略部分断面図であ
る。
【図10】 本発明に回路遮断器のマイクロスイッチの
接点の導電性の評価装置の構成の説明図である。
【図11】 従来の回路遮断器を示す概略側断面図であ
り電気的接続状態を示す。
【図12】 従来の回路遮断器を示す概略部分側断面図
であり、遮断状態を示す。
【符号の説明】
1 回路遮断器、2 可動接触子、3 可動接点、4
固定接点、5 固定接触子、6 端子部、7 消弧装
置、7a 消弧板、7b 消弧側板、8 トグルリンク
機構、9 ハンドル、9a ノブ、9b 裏面、10
引き外し装置、11 端子部、12 カバー部、13
ベース部、13a ガイド溝、13b 内表面、14
カバー部とベース部との嵌合面、15 エンドプレー
ト、15a エンドプレートの排気孔、16 アークラ
ンナー、17 バリア板、19 クロスバー、30 ア
ーク、40 シリコーンポリマーを含有する樹脂シー
ト、41 消弧装置、41a 消弧板、41b 消弧側
板、42 細隙板、51 回路遮断器、52 マイクロ
スイッチを搭載した附属部品、53 シリコーンペース
ト、54 デシケータ、55 恒温槽、56 制御電
源、61 回路遮断器、62 可動接触子、63 可動
接点、64 固定接点、65 固定接触子、66 端子
部、67 消弧装置、67a 消弧板、67b 消弧側
板、68 トグルリンク機構、69 ハンドル、69a
ノブ、70 引き外し装置、71 端子部、72 カ
バー部、73 ベース部、73a ガイド溝、74カバ
ー部とベース部との嵌合面、75 エンドプレート、7
5a エンドプレートの排気孔、76 アークランナ
ー、79 クロスバー、80 アーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福谷 和則 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 山県 伸示 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−159926(JP,A) 特開 昭63−310533(JP,A) 特開 昭63−257138(JP,A) 特開 昭59−127326(JP,A) 実開 昭63−93042(JP,U) 特公 昭32−8831(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 73/18 H01H 73/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定接触子の一端部に固定接点が接合し
    て設けられ、可動接触子の一端部に可動接点が接合して
    設けられており、該固定接点と該可動接点とが電気的に
    開閉自在に接続しうるようにクロスバー、トグルリンク
    機構を介してハンドルで動作しうる機構部を有し、かつ
    消弧装置を有する回路遮断器であって、前記消弧装置の
    消弧側板がシリコーンポリマー18〜26重量%、金属
    水酸化物28〜37重量%およびガラスクロス41〜5
    0重量%からなる回路遮断器。
  2. 【請求項2】 前記金属水酸化物が水酸化アルミニウム
    である請求項記載の回路遮断器。
  3. 【請求項3】 一対の消弧側板により複数の消弧板が平
    行またはほぼ平行に保持され、回路遮断器内に設置した
    ときに、それぞれの消弧板が前記可動接触子の動作を妨
    げないようにU字状の切込みを有する前記消弧装置の該
    U字状の切込み部に、さらに前記可動接触子の動作方向
    に平行またはほぼ平行に、シリコーンポリマーを含有す
    る樹脂成形物からなる一対の板状体、シリコーンポリマ
    ーを含有する樹脂または樹脂成形物で被覆された一対の
    板状体、もしくはシリコーンペーストが塗布された一対
    の板状体が設けられている請求項1記載の回路遮断器。
  4. 【請求項4】 前記固定接点とドクルリンク機構との間
    にアークのバリア板が設けられており、該アークのバリ
    ア板がシリコーンポリマーを含有する樹脂成形物で構成
    されているか、該アークのバリア板がシリコーンポリマ
    ーを含有する樹脂または樹脂成形物で被覆されている
    か、もしくは該アークのバリア板にシリコーンペースト
    が塗布されている請求項1記載の回路遮断器。
  5. 【請求項5】 回路遮断器のカバー部とベース部とを嵌
    合させてなる筐体内部の固定接点、可動接点および消弧
    装置を含む消弧空間と、固定接触子に接続される外部電
    線との仕切り板であるエンドプレートがシリコーンポリ
    マーを含有する樹脂成形物で構成されているか、該エン
    ドプレートがシリコーンポリマーを含有する樹脂または
    樹脂成形物で被覆されているか、もしくは該エンドプレ
    ートにシリコーンペーストが塗布されている請求項1記
    載の回路遮断器。
  6. 【請求項6】 カバー部とベース部とを嵌合させてなる
    筐体の内表面にシリコーンポリマーを含有する樹脂また
    は樹脂成形物からなる薄膜が設けられているか、もしく
    はシリコーンペーストが塗布されている請求項1記載の
    回路遮断器。
  7. 【請求項7】 カバー部とベース部との嵌合面にシリコ
    ーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物からなる
    薄膜が設けられているか、もしくはシリコーンペースト
    が塗布されている請求項1記載の回路遮断器。
  8. 【請求項8】 クロスバーおよび/またはトリップバー
    の表面にシリコーンポリマーを含有する樹脂または樹脂
    成形物からなる薄膜が設けられているか、もしくはシリ
    コーンペーストが塗布されている請求項1記載の回路遮
    断器。
  9. 【請求項9】 前記ハンドルのノブに対する裏面にシリ
    コーンポリマーを含有する樹脂または樹脂成形物からな
    る薄膜が設けられているか、もしくはシリコーンペース
    トが塗布されている請求項1記載の回路遮断器。
  10. 【請求項10】 前記シリコーンポリマーおよびシリコ
    ーンペーストに含有されるつぎの式: 【化1】 (ここで、mは3〜10の整数である)で表わされるシ
    リコーン低分子量環状体の含有量が、前記シリコーンポ
    リマーを含有する樹脂または樹脂成形物もしくはシリコ
    ーンペーストの重量に対して重量基準で500ppm以
    下である請求項1ないしのいずれかに記載の回路遮断
    器。
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