JP3388632B2 - 空気入りタイヤのブレーカベルト - Google Patents
空気入りタイヤのブレーカベルトInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気入りタイヤのブレ
ーカベルトに関するものである。
ーカベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ラジラルタイヤにおいては、カ
ーカスコードがタイヤのラジアル(半径)方向に平行若
しくはほぼ平行に配置されるとともに、タイヤのトレッ
ド部にはこのカーカスコードを取り巻くようにしてブレ
ーカベルトが配置されている。このブレーカベルトは、
複数本のスチールコードよりなる撚り線を複数本並列に
並べたものをゴムで被覆して幅広の帯状体を形成すると
ともに、その帯状体を所望の角度に裁断して、その切断
端面がブレーカベルトの幅方向端部になるように帯状体
を順次継ぎ合わせて構成されている。
ーカスコードがタイヤのラジアル(半径)方向に平行若
しくはほぼ平行に配置されるとともに、タイヤのトレッ
ド部にはこのカーカスコードを取り巻くようにしてブレ
ーカベルトが配置されている。このブレーカベルトは、
複数本のスチールコードよりなる撚り線を複数本並列に
並べたものをゴムで被覆して幅広の帯状体を形成すると
ともに、その帯状体を所望の角度に裁断して、その切断
端面がブレーカベルトの幅方向端部になるように帯状体
を順次継ぎ合わせて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記ブレーカベルトの
幅方向端部はタイヤの肩部に位置しているが、このこと
がタイヤの性能上、大きな問題を提起している。即ち、
タイヤの走行に伴い、同タイヤの接地部とそれ以外の部
位とには連続的に圧縮、引っ張りの応力が繰り返し作用
するが、この応力はタイヤの肩部に集中する。しかし、
ブレーカベルトの幅方向端部には帯状体の切断端面より
スチールコードが露出しているので、この部分はタイヤ
ゴムとの間の接着力が最も弱い領域となる。従って、タ
イヤの肩部に作用する応力により、ブレーカベルトの幅
方向端部とタイヤゴムとが分離するという問題が生じ
る。
幅方向端部はタイヤの肩部に位置しているが、このこと
がタイヤの性能上、大きな問題を提起している。即ち、
タイヤの走行に伴い、同タイヤの接地部とそれ以外の部
位とには連続的に圧縮、引っ張りの応力が繰り返し作用
するが、この応力はタイヤの肩部に集中する。しかし、
ブレーカベルトの幅方向端部には帯状体の切断端面より
スチールコードが露出しているので、この部分はタイヤ
ゴムとの間の接着力が最も弱い領域となる。従って、タ
イヤの肩部に作用する応力により、ブレーカベルトの幅
方向端部とタイヤゴムとが分離するという問題が生じ
る。
【0004】又、ブレーカベルトはスチールコードの撚
り線により構成されているので、引っ張り伸びが少な
く、剛性の高いものである。このため、特に、タイヤに
大きな荷重が加わった状態での走行では、同タイヤに作
用する圧縮、引っ張りの応力に対して撚り線が柔軟に対
処できず、その撚り線が疲労し易くて、断線が生じるお
それがあるという問題もある。加えて、例えば荒れ地走
行において、タイヤが大きな突起物に乗り上げた場合等
にも、その乗り上げに応じてブレーカベルトが柔軟に変
形されず、タイヤのトレッド部表面に亀裂を生じやす
い。そして、その亀裂が成長してブレーカベルトにまで
達すると、その亀裂から侵入した水分により撚り線が錆
びて、ブレーカベルトとタイヤゴムとが分離し、タイヤ
の寿命を著しく縮めるという問題も発生する。
り線により構成されているので、引っ張り伸びが少な
く、剛性の高いものである。このため、特に、タイヤに
大きな荷重が加わった状態での走行では、同タイヤに作
用する圧縮、引っ張りの応力に対して撚り線が柔軟に対
処できず、その撚り線が疲労し易くて、断線が生じるお
それがあるという問題もある。加えて、例えば荒れ地走
行において、タイヤが大きな突起物に乗り上げた場合等
にも、その乗り上げに応じてブレーカベルトが柔軟に変
形されず、タイヤのトレッド部表面に亀裂を生じやす
い。そして、その亀裂が成長してブレーカベルトにまで
達すると、その亀裂から侵入した水分により撚り線が錆
びて、ブレーカベルトとタイヤゴムとが分離し、タイヤ
の寿命を著しく縮めるという問題も発生する。
【0005】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、幅方向端部に線条が露
出することがないとともに、線条の幅方向への滑り運動
を防止でき、しかもタイヤに作用する応力に対して柔軟
に対処することができて、タイヤの長寿命化を図ること
ができる空気入りタイヤのブレーカベルトを提供するこ
とにある。
れたものであって、その目的は、幅方向端部に線条が露
出することがないとともに、線条の幅方向への滑り運動
を防止でき、しかもタイヤに作用する応力に対して柔軟
に対処することができて、タイヤの長寿命化を図ること
ができる空気入りタイヤのブレーカベルトを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、線条に屈曲又はカールを施
して、同線条を引っ張りに対して伸びが許容されるよう
に構成し、その線条を複数本配列したものをゴムで被覆
して第1帯状体を形成し、その第1帯状体を巻回するこ
とにより環状のコアを形成し、2本の線条を撚り合わせ
て撚り線を形成し、その撚り線を複数本配列したものを
ゴムで被覆して第2帯状体を形成し、その第2帯状体を
前記コアの周りに螺旋状に巻き付けて同コアの全周面を
被覆してなるものである。
めに、請求項1の発明では、線条に屈曲又はカールを施
して、同線条を引っ張りに対して伸びが許容されるよう
に構成し、その線条を複数本配列したものをゴムで被覆
して第1帯状体を形成し、その第1帯状体を巻回するこ
とにより環状のコアを形成し、2本の線条を撚り合わせ
て撚り線を形成し、その撚り線を複数本配列したものを
ゴムで被覆して第2帯状体を形成し、その第2帯状体を
前記コアの周りに螺旋状に巻き付けて同コアの全周面を
被覆してなるものである。
【0007】請求項2の発明では、前記コアはその幅方
向中央部が2層構造をなして厚くなっているものであ
る。請求項3の発明では、前記コアはその幅方向両端部
が2層構造をなして厚くなっているものである。
向中央部が2層構造をなして厚くなっているものであ
る。請求項3の発明では、前記コアはその幅方向両端部
が2層構造をなして厚くなっているものである。
【0008】請求項4の発明では、前記コアはその幅方
向全体が2層構造をなしているものである。
向全体が2層構造をなしているものである。
【0009】
【作用】従って、請求項1の発明によれば、コアの周り
に第2帯状体を巻き付けることにより、ブレーカベルト
の幅方向端部に線条が露出することはないとともに、線
条の幅方向への滑り運動も防止される。このため、ブレ
ーカベルトの幅方向端部とタイヤゴムとの間の接着強度
が向上される。又、コアを構成する線条は引っ張りに対
して伸びを許容されるので、タイヤに大きな荷重が加わ
った状態での走行や荒れ地走行等において、タイヤに大
きな或いは急激な圧縮、引っ張りの応力が作用しても、
その応力に対して柔軟に対処することができる。
に第2帯状体を巻き付けることにより、ブレーカベルト
の幅方向端部に線条が露出することはないとともに、線
条の幅方向への滑り運動も防止される。このため、ブレ
ーカベルトの幅方向端部とタイヤゴムとの間の接着強度
が向上される。又、コアを構成する線条は引っ張りに対
して伸びを許容されるので、タイヤに大きな荷重が加わ
った状態での走行や荒れ地走行等において、タイヤに大
きな或いは急激な圧縮、引っ張りの応力が作用しても、
その応力に対して柔軟に対処することができる。
【0010】請求項2の発明によれば、タイヤの走行に
伴い同タイヤに作用する遠心力が最も大きくなる幅方向
中央部において、タイヤの強度が向上される。請求項3
の発明によれば、タイヤの走行に伴い同タイヤに作用す
る応力が最も集中する肩部において、タイヤの強度が向
上される。
伴い同タイヤに作用する遠心力が最も大きくなる幅方向
中央部において、タイヤの強度が向上される。請求項3
の発明によれば、タイヤの走行に伴い同タイヤに作用す
る応力が最も集中する肩部において、タイヤの強度が向
上される。
【0011】請求項4の発明によれば、タイヤのトレッ
ド部の幅方向全体に亘って強度が向上される。
ド部の幅方向全体に亘って強度が向上される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。図3に示すように、タイヤ10はそ
の内部にカーカスコード11を備え、そのカーカスコー
ド11はタイヤ10のラジアル(半径)方向に平行若し
くはほぼ平行に配置されている。リング状のビードワイ
ヤ12はタイヤ10のビード部に配置されている。ブレ
ーカベルト8はタイヤ10のトレッド部にカーカスコー
ド11を取り巻くようにして配置され、その幅がトレッ
ド部の幅とほぼ同一となっている。つまり、ブレーカベ
ルト8の幅方向両端部は、タイヤ10の肩部に位置して
いる。
基づいて説明する。図3に示すように、タイヤ10はそ
の内部にカーカスコード11を備え、そのカーカスコー
ド11はタイヤ10のラジアル(半径)方向に平行若し
くはほぼ平行に配置されている。リング状のビードワイ
ヤ12はタイヤ10のビード部に配置されている。ブレ
ーカベルト8はタイヤ10のトレッド部にカーカスコー
ド11を取り巻くようにして配置され、その幅がトレッ
ド部の幅とほぼ同一となっている。つまり、ブレーカベ
ルト8の幅方向両端部は、タイヤ10の肩部に位置して
いる。
【0013】ここで、前記ブレーカベルト8について詳
述する。図1に示すように、線条1は高炭素硬鋼線材よ
りなり、周面に凹凸を有する図示しない一対のローラ間
を通すことによって屈曲が施されることにより、縮れた
状態となっている。これにより、線条1はその長手方向
への引っ張りに対して伸びを許容されるようになってい
る。尚、図示しない周知のコイリングマシンによって線
条1にカールを施すことにより、同線条1をその長手方
向への引っ張りに対して伸長可能としてもよい。第1帯
状体2は、並列に配列された複数本の線条1を図示しな
いゴム押出機によりゴム3で被覆することにより形成さ
れている。
述する。図1に示すように、線条1は高炭素硬鋼線材よ
りなり、周面に凹凸を有する図示しない一対のローラ間
を通すことによって屈曲が施されることにより、縮れた
状態となっている。これにより、線条1はその長手方向
への引っ張りに対して伸びを許容されるようになってい
る。尚、図示しない周知のコイリングマシンによって線
条1にカールを施すことにより、同線条1をその長手方
向への引っ張りに対して伸長可能としてもよい。第1帯
状体2は、並列に配列された複数本の線条1を図示しな
いゴム押出機によりゴム3で被覆することにより形成さ
れている。
【0014】図1及び図2(a)に示すように、コア4
は、前記第1帯状体2を所定の外径を有する図示しない
ドラムの外周上に連続的に巻回することにより、環状に
形成されている。第1帯状体2は、隣接する第1帯状体
2の幅方向端部どうしが密着するように、自身の幅に相
当するピッチでドラムの軸線方向に順次変移されながら
所定回数巻回される。タイヤ10の周方向に対する第1
帯状体2の配列角度は、その帯状体2の幅の大きさによ
り決定される。つまり、第1帯状体2の幅を変更するこ
とにより、タイヤ10の周方向に対する第1帯状体2の
配列角度を所望の角度に容易に調整することができる。
そして、本実施例では、タイヤ10の周方向に対する第
1帯状体2の配列角度が5度以下という小さな角度にな
るように、第1帯状体2の幅が設定されている。
は、前記第1帯状体2を所定の外径を有する図示しない
ドラムの外周上に連続的に巻回することにより、環状に
形成されている。第1帯状体2は、隣接する第1帯状体
2の幅方向端部どうしが密着するように、自身の幅に相
当するピッチでドラムの軸線方向に順次変移されながら
所定回数巻回される。タイヤ10の周方向に対する第1
帯状体2の配列角度は、その帯状体2の幅の大きさによ
り決定される。つまり、第1帯状体2の幅を変更するこ
とにより、タイヤ10の周方向に対する第1帯状体2の
配列角度を所望の角度に容易に調整することができる。
そして、本実施例では、タイヤ10の周方向に対する第
1帯状体2の配列角度が5度以下という小さな角度にな
るように、第1帯状体2の幅が設定されている。
【0015】図1に示すように、撚り線5は、前記線条
1と同一構成の線条或いは高炭素硬鋼線材よりなる通常
の一直線状の線条を2本撚り合わせることにより形成さ
れている。第2帯状体6は、並列に配列された複数本の
撚り線5を図示しないゴム押出機によりゴム7で被覆す
ることにより形成されている。そして、図2(b)に示
すように、この第2帯状体6を前記コア4の外面に密着
するように同コア4の周りに螺旋状に巻き付けて、コア
4の全周面を被覆することにより、図1及び図2(c)
に示すような本実施例のブレーカベルト8が得られる。
1と同一構成の線条或いは高炭素硬鋼線材よりなる通常
の一直線状の線条を2本撚り合わせることにより形成さ
れている。第2帯状体6は、並列に配列された複数本の
撚り線5を図示しないゴム押出機によりゴム7で被覆す
ることにより形成されている。そして、図2(b)に示
すように、この第2帯状体6を前記コア4の外面に密着
するように同コア4の周りに螺旋状に巻き付けて、コア
4の全周面を被覆することにより、図1及び図2(c)
に示すような本実施例のブレーカベルト8が得られる。
【0016】尚、第1及び第2帯状体2,6はそれらの
長手方向両端部がゴム被覆されて、内部の線条1や撚り
線5が露出しないようになっている。そして、それら端
部を機械的に押さえ付けるだけで、帯状体2,6の外面
を構成するゴム3,7どうしが充分接着されるので、帯
状体2,6の端部を固定するために特別の手段を講ずる
必要はない。
長手方向両端部がゴム被覆されて、内部の線条1や撚り
線5が露出しないようになっている。そして、それら端
部を機械的に押さえ付けるだけで、帯状体2,6の外面
を構成するゴム3,7どうしが充分接着されるので、帯
状体2,6の端部を固定するために特別の手段を講ずる
必要はない。
【0017】さて、本実施例では、線条1をゴム3で被
覆してなる第1帯状体2を巻回することによりコア4が
形成され、タイヤ10の周方向に対する第1帯状体2の
配列角度が5度以下という小さな角度となっている。し
かも、第1帯状体2の長手方向両端部はゴム被覆されて
いる。このため、コア4の幅方向端部に線条1が露出す
ることはない。
覆してなる第1帯状体2を巻回することによりコア4が
形成され、タイヤ10の周方向に対する第1帯状体2の
配列角度が5度以下という小さな角度となっている。し
かも、第1帯状体2の長手方向両端部はゴム被覆されて
いる。このため、コア4の幅方向端部に線条1が露出す
ることはない。
【0018】又、前記のように構成されたコア4の周り
に、撚り線5をゴム7で被覆してなる第2帯状体6を巻
き付けることにより、ブレーカベルト8が構成されてい
る。このため、ブレーカベルト8の幅方向端部に線条1
が露出することは全くないとともに、線条1すなわち第
1帯状体2の幅方向への滑り運動も防止される。従っ
て、ブレーカベルト8の幅方向端部とタイヤ10のゴム
との間の接着強度が向上される。その結果、タイヤ10
の走行に伴い、同タイヤ10の肩部に圧縮、引っ張りの
応力が集中的に作用しても、ブレーカベルト8の幅方向
端部とタイヤ10のゴムとが分離するおそれはない。
に、撚り線5をゴム7で被覆してなる第2帯状体6を巻
き付けることにより、ブレーカベルト8が構成されてい
る。このため、ブレーカベルト8の幅方向端部に線条1
が露出することは全くないとともに、線条1すなわち第
1帯状体2の幅方向への滑り運動も防止される。従っ
て、ブレーカベルト8の幅方向端部とタイヤ10のゴム
との間の接着強度が向上される。その結果、タイヤ10
の走行に伴い、同タイヤ10の肩部に圧縮、引っ張りの
応力が集中的に作用しても、ブレーカベルト8の幅方向
端部とタイヤ10のゴムとが分離するおそれはない。
【0019】又、コア4の内部の線条1は、屈曲やカー
ルを施されることにより、引っ張りに対して伸びを許容
される。このため、タイヤ10に大きな荷重が加わった
状態での走行や荒れ地走行等において、タイヤ10に大
きな或いは急激な圧縮、引っ張りの応力が作用しても、
その応力に対して柔軟に対処することができる。その結
果、線条1が早期に疲労して断線するというおそれがな
いとともに、タイヤ10のトレッド部表面に亀裂を生じ
るというおそれもなく、タイヤ10の長寿命化を図るこ
とができる。
ルを施されることにより、引っ張りに対して伸びを許容
される。このため、タイヤ10に大きな荷重が加わった
状態での走行や荒れ地走行等において、タイヤ10に大
きな或いは急激な圧縮、引っ張りの応力が作用しても、
その応力に対して柔軟に対処することができる。その結
果、線条1が早期に疲労して断線するというおそれがな
いとともに、タイヤ10のトレッド部表面に亀裂を生じ
るというおそれもなく、タイヤ10の長寿命化を図るこ
とができる。
【0020】更に、本実施例では、コア4に巻き付けら
れる第2帯状体6の内部に、2本の線条よりなる撚り線
5が複数配置されている。このため、第2帯状体6の内
部に、線条を1本ずつ配置したり、或いは2本の線条を
撚ることなく単なる束にしたものを複数束配置したりし
た場合と比較して、その強度が向上され、断線のおそれ
が少なくなる。尚、強度を向上させるために、撚り線5
を3本以上の線条により構成することも考えられるが、
このようにした場合には撚り線の中心部に空隙ができ易
く、被覆ゴム7との接着性が低下するおそれがある。し
かし、撚り線5を2本の線条により構成した場合には、
そのような問題は生じることがなく、被覆ゴム7との接
着性が良好となる。
れる第2帯状体6の内部に、2本の線条よりなる撚り線
5が複数配置されている。このため、第2帯状体6の内
部に、線条を1本ずつ配置したり、或いは2本の線条を
撚ることなく単なる束にしたものを複数束配置したりし
た場合と比較して、その強度が向上され、断線のおそれ
が少なくなる。尚、強度を向上させるために、撚り線5
を3本以上の線条により構成することも考えられるが、
このようにした場合には撚り線の中心部に空隙ができ易
く、被覆ゴム7との接着性が低下するおそれがある。し
かし、撚り線5を2本の線条により構成した場合には、
そのような問題は生じることがなく、被覆ゴム7との接
着性が良好となる。
【0021】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば以下のように変更して具体化するこ
とも可能である。 (1) 図4に示すように、ブレーカベルト8の幅方向
中央部においてコア4を2層構造とすることにより、そ
の中央部を両端部と比較して厚くすること。このように
すれば、タイヤ10の走行に伴い同タイヤ10に作用す
る遠心力が最も大きくなる部位において、タイヤ10の
強度が向上される。 (2) 図5に示すように、コア4の幅方向両端部をそ
れぞれコア4の反対面側に折り返すことにより、その両
端部を2層構造として、中央部より厚くすること。この
ようにすれば、タイヤ10の走行に伴い同タイヤ10に
作用する応力が最も集中する肩部において、タイヤ10
の強度が向上される。尚、コア4の幅方向両端部をそれ
ぞれコア4の同一面側に折り返してもよい。 (3)図6に示すように、前記(2)の別例において、
コア4の幅方向両端部を同コア4の幅方向中央部にまで
折り返すことにより、その幅方向全体を2層構造とする
こと。このようにすれば、タイヤ10のトレッド部の幅
方向全体に亘って強度が向上される。尚、この場合も、
コア4の幅方向両端部をそれぞれコア4の同一面側に折
り返してもよい。
のではなく、例えば以下のように変更して具体化するこ
とも可能である。 (1) 図4に示すように、ブレーカベルト8の幅方向
中央部においてコア4を2層構造とすることにより、そ
の中央部を両端部と比較して厚くすること。このように
すれば、タイヤ10の走行に伴い同タイヤ10に作用す
る遠心力が最も大きくなる部位において、タイヤ10の
強度が向上される。 (2) 図5に示すように、コア4の幅方向両端部をそ
れぞれコア4の反対面側に折り返すことにより、その両
端部を2層構造として、中央部より厚くすること。この
ようにすれば、タイヤ10の走行に伴い同タイヤ10に
作用する応力が最も集中する肩部において、タイヤ10
の強度が向上される。尚、コア4の幅方向両端部をそれ
ぞれコア4の同一面側に折り返してもよい。 (3)図6に示すように、前記(2)の別例において、
コア4の幅方向両端部を同コア4の幅方向中央部にまで
折り返すことにより、その幅方向全体を2層構造とする
こと。このようにすれば、タイヤ10のトレッド部の幅
方向全体に亘って強度が向上される。尚、この場合も、
コア4の幅方向両端部をそれぞれコア4の同一面側に折
り返してもよい。
【0022】上述した別例(1)〜(3)のように、ブ
レーカベルト8として、その幅方向における強度が異な
るものを複数種用意することにより、各種タイヤの使用
目的に応じて、最適なブレーカベルト8を適宜選択して
使用することができる。
レーカベルト8として、その幅方向における強度が異な
るものを複数種用意することにより、各種タイヤの使用
目的に応じて、最適なブレーカベルト8を適宜選択して
使用することができる。
【0023】上記実施例から把握できる請求項以外の技
術思想について、以下にその効果とともに記載する。 (1)請求項1において、タイヤの周方向に対する第1
帯状体の配列角度は5度以下である空気入りタイヤのブ
レーカベルト。
術思想について、以下にその効果とともに記載する。 (1)請求項1において、タイヤの周方向に対する第1
帯状体の配列角度は5度以下である空気入りタイヤのブ
レーカベルト。
【0024】このようにすれば、コアの幅方向端部に線
条が露出することはない。
条が露出することはない。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、次
のような優れた効果を奏する。請求項1の発明によれ
ば、ブレーカベルトの幅方向端部に線条が露出すること
がないとともに、線条の幅方向への滑り運動を防止でき
る。このため、ブレーカベルトの幅方向端部とタイヤゴ
ムとの間の接着強度が向上され、両者が分離するおそれ
がなくなる。しかも、タイヤに作用する応力に対して柔
軟に対処することができて、タイヤの長寿命化を図るこ
とができる。
のような優れた効果を奏する。請求項1の発明によれ
ば、ブレーカベルトの幅方向端部に線条が露出すること
がないとともに、線条の幅方向への滑り運動を防止でき
る。このため、ブレーカベルトの幅方向端部とタイヤゴ
ムとの間の接着強度が向上され、両者が分離するおそれ
がなくなる。しかも、タイヤに作用する応力に対して柔
軟に対処することができて、タイヤの長寿命化を図るこ
とができる。
【0026】請求項2の発明によれば、タイヤの走行に
伴い同タイヤに作用する遠心力が最も大きくなる部位に
おいて、タイヤの強度が向上される。請求項3の発明に
よれば、タイヤの走行に伴い同タイヤに作用する応力が
最も集中する肩部において、タイヤの強度が向上され
る。
伴い同タイヤに作用する遠心力が最も大きくなる部位に
おいて、タイヤの強度が向上される。請求項3の発明に
よれば、タイヤの走行に伴い同タイヤに作用する応力が
最も集中する肩部において、タイヤの強度が向上され
る。
【0027】請求項4の発明によれば、タイヤのトレッ
ド部の幅方向全体に亘って強度が向上される。
ド部の幅方向全体に亘って強度が向上される。
【図1】本発明を具体化した空気入りタイヤのブレーカ
ベルトの一実施例を拡大して示す部分破断斜視図であ
る。
ベルトの一実施例を拡大して示す部分破断斜視図であ
る。
【図2】そのブレーカベルトの製造工程を順に示す斜視
図である。
図である。
【図3】タイヤの断面図である。
【図4】ブレーカベルトの別例を示す断面図である。
【図5】ブレーカベルトの別例を示す断面図である。
【図6】ブレーカベルトの別例を示す断面図である。
1…線条、2…第1帯状体、3…ゴム、4…コア、5…
撚り線、6…第2帯状体、7…ゴム、8…ブレーカベル
ト、10…タイヤ。
撚り線、6…第2帯状体、7…ゴム、8…ブレーカベル
ト、10…タイヤ。
Claims (4)
- 【請求項1】 線条に屈曲又はカールを施して、同線条
を引っ張りに対して伸びが許容されるように構成し、そ
の線条を複数本配列したものをゴムで被覆して第1帯状
体を形成し、その第1帯状体を巻回することにより環状
のコアを形成し、2本の線条を撚り合わせて撚り線を形
成し、その撚り線を複数本配列したものをゴムで被覆し
て第2帯状体を形成し、その第2帯状体を前記コアの周
りに螺旋状に巻き付けて同コアの全周面を被覆してなる
空気入りタイヤのブレーカベルト。 - 【請求項2】 前記コアはその幅方向中央部が2層構造
をなして厚くなっている請求項1に記載の空気入りタイ
ヤのブレーカベルト。 - 【請求項3】 前記コアはその幅方向両端部が2層構造
をなして厚くなっている請求項1に記載の空気入りタイ
ヤのブレーカベルト。 - 【請求項4】 前記コアはその幅方向全体が2層構造を
なしている請求項1に記載の空気入りタイヤのブレーカ
ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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