JP3387536B2 - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

内燃機関の吸気装置

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JP3387536B2 JP34376292A JP34376292A JP3387536B2 JP 3387536 B2 JP3387536 B2 JP 3387536B2 JP 34376292 A JP34376292 A JP 34376292A JP 34376292 A JP34376292 A JP 34376292A JP 3387536 B2 JP3387536 B2 JP 3387536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸気装置、
とりわけ過給された吸気の圧縮比を下げてノッキングを
防止する吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ガソリン機関にあって
は、吸気の充填効率を高めて高出力化の要請を満足する
ターボチャージャ等の過給機が多用されるに至っている
が、斯かる過給機によって吸気を燃焼室へ過剰に供給す
ると、圧縮行程時における吸気の圧縮比が上昇して燃焼
室内の吸気温度及び圧力が過上昇してしまう。この結
果、所謂ノッキングが発生し易くなり、却って出力の低
下等を招いている。
【0003】そこで、斯かるノッキング対策として、実
質的な圧縮比を下げる所謂ミラーサイクルと称される吸
気制御機構が提供されている。即ち、この吸気制御機構
を備えたガソリン機関1は、図12に示すように、シリ
ンダヘッド2とピストン3間の燃焼室4内に吸気弁5を
介して吸気を送り込む吸気通路6が設けられていると共
に、該吸気通路6の上流側に過給機7が設けられてい
る。また、該過給機7の下流側の吸気ポート6a付近
に、吸気制御機構であるロータリバルブ8が設けられて
いる。このロータリバルブ8は、略円筒状に形成された
バルブボディ9内に円形状の弁体10が回転自在に設け
られていると共に、該弁体10の直径方向に吸気通路6
を連通する連通孔11が形成されている。
【0004】そして、機関運転状態に応じてロータリバ
ルブ8の弁体10の回転位相を制御し、吸気弁5の閉作
動時期前に、図13に示すようにピストン3の下死点前
のaポイントで吸気ポート6aを閉じて吸気行程の終了
時期を早める。これによって、吸気弁5の実質的な開度
範囲(斜線部分)が小さくなり、実質的な圧縮行程が短
くなる。この結果、ブースタが高くても実圧縮比を低下
させることが可能になる。この結果、燃焼室の圧縮温度
上昇が抑制されて、ノッキングの発生が防止されるよう
になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、前記従来の
ミラーサイクル型の吸気装置にあっては、吸気通路6に
ロータリバルブ8を設けるようになっているため、該吸
気通路系の構造が極めて複雑になると共に、大型化して
しまい、エンジンルーム内のレイアウトの自由度が制約
されるばかりか機関1への搭載性も悪化する。
【0006】また、ロータリバルブ8は、弁体10のバ
ルブボディ9内での摺動抵抗等に起因して機関の損失仕
事が増大することとなると同時に、吸気通路6上の弁体
10が抵抗となって機関高速域での吸気充填効率が低下
する惧れがある。
【0007】更に、ロータリバルブ8の弁体10が、吸
気通路6内に臨んでいるため、該弁体10とバルブボデ
ィ9との間の良好なシール性能を得るための高精度な加
工が要求され、該加工作業の困難さとコストの高騰が余
儀なくされる。
【0008】しかも、ロータリバルブ8は、吸気弁5か
ら十分に離れた吸気ポート6aの上流端に設けられてい
るため、該ロータリバルブ8と吸気弁5との間の吸気ポ
ート6aがデッドボリューム空間となっている。したが
って、アドドリング運転時などに、ロータリバルブ8を
閉じても吸気ポート6a内の残留した吸気が燃焼室4内
に流入し、該燃焼室4内の吸気量制御精度が低下してし
まう。この結果、正確な吸気供給終了時期の制御が困難
となり、実圧縮比を高精度に制御できなくなる惧れがあ
る。
【0009】本発明は、前記従来の種々の問題点に鑑み
て案出されたもので、請求項1記載の発明は、 燃焼室
に吸気を強制的に供給する過給機と、前記燃焼室に対す
る吸気の供給終了時期を制御する吸気制御機構とを備え
た吸気装置において、前記吸気制御機構は、機関の回転
に同期して回転する駆動軸と、外周に吸排気弁を駆動す
るカムを有するカムシャフトと、前記駆動軸とカムシャ
フトとの間に配置されて、駆動軸の回転力を前記カムシ
ャフトに伝達する回転伝達部材と、機関運転状態に応じ
前記回転伝達部材の回転軸心を駆動軸の軸心に対して
変化させる駆動機構とを備えたことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、前記駆動軸に設けられたフラン
ジ部とカムシャフトに設けられたフランジ部とを互いに
対向配置すると共に、該両フランジ部間に前記駆動軸の
軸心を中心として揺動自在な制御環を設け、かつ該制御
環の内周に駆動軸の回転力をカムシャフトに伝達する環
状ディスクを回転自在に支持し、前記駆動機構によって
制御環を揺動させることにより、前記駆動軸の軸心に対
して環状ディスクの回転中心を変化させるように構成し
たことを特徴としている。
【0010】
【作用】前記構成の本発明によれば、回転伝達部材であ
環状ディスクの中心が駆動軸の中心と合致している場
合は、カムシャフトは前記環状ディスク等を介して駆動
軸に同期して位相差なしで回転する。
【0011】一方、機関運転状態の変化に伴い駆動機構
により制御環を介して環状ディスクが一方向へ揺動する
と、その中心が駆動軸の中心と偏心する。したがって、
駆動軸側のフランジ部の係止溝と一方側ピン並びにカム
シャフト側のフランジ部の係止溝と他方側のピンの摺動
位置が、駆動軸の1回転毎に移動する。つまり、例えば
駆動軸側の係合溝とピンの摺動位置が駆動軸の中心に接
近する場合は、カムシャフト側の係合溝とピンの摺動位
置が逆に駆動軸中心から離間するため、環状ディスクの
角速度が駆動軸に対して小さくなり、カムシャフトの角
速度も環状ディスクに対して小さくなる。依って、カム
シャフトは駆動軸に対して2重に減速された形になり、
一方、環状ディスクを前記とは逆の位置に偏心させた場
合は、カムシャフトは駆動軸に対して2重に増速され
る。斯かる減速、増速作用によりカムを介して所望の吸
気弁の開閉時期を得ることができる。
【0012】また、本発明は、吸気制御機構を吸気通路
ではなく、シリンダヘッド内に設けて、直接、吸気弁の
作動角を可変制御するようにしたため、吸気通路の構造
が簡素化されると共に、装置のコンパクト化が図れる。
【0013】また、シール性能等を全く考慮する必要が
ないばかりか、デッドボリューム空間が存在しないの
で、吸気供給量を高精度に制御でき、実圧縮比制御の精
度が向上する。
【0014】
【実施例】図7は、本発明の吸気装置を示し、図中1は
DOHC型動弁機構を備えたガソリン機関、3はシリン
ダヘッド2との間に燃焼室4を形成するピストン、5は
シリンダヘッド2に設けられて、吸気ポート6aの燃焼
室4側開口端を開閉する吸気弁、7は吸気通路6を構成
する吸気マニホルド6bの上流側に設けられた過給機た
るターボチャージャである。また、前記シリンダヘッド
2の内部には、吸気弁5の作動角(開閉時期)を可変制
御する吸気制御機構20が設けられている。
【0015】この吸気制御機構20は、図1〜図6に示
すように構成され、図1の21は図外の機関のクランク
軸からスプロケットを介して回転力が伝達される駆動
軸、22は該駆動軸21の外周に一定の隙間をもって配
置され、かつ駆動軸21の中心Xと同軸上に設けられた
カムシャフトであって、前記駆動軸21は、機関前後方
向に延設されていると共に、軽量化等の要請から内部中
空状に形成されている。
【0016】前記カムシャフト22は、中空状に形成さ
れ、シリンダヘッド2上端部に有する図外のカム軸受に
回転自在に支持されていると共に、図2に示すように外
周の所定位置に吸気弁5をバルブスプリング24のばね
力に抗してバルブリフター25を介して開作動させる複
数のカム26…が一体に設けられている。また、カムシ
ャフト22は、長手方向の所定位置で軸直角方向から分
割形成されていると共に、一方側の分割端部にフランジ
部27が設けられている。また、この両分割端部間にス
リーブ28と回転伝達部材である環状ディスク29が配
置されている。前記フランジ部27は、図4にも示すよ
うに中空部から半径方向に沿った細長い矩形状の係合溝
30が形成されていると共に、その外周面の円周方向に
環状ディスク29の一側面に摺接する突起面27aが一
体に設けられている。
【0017】前記スリーブ28は、小径な一端部がカム
シャフト22の前記他方側の分割端部内に回転自在に挿
入している共に、略中央位置に直径方向に貫通した連結
軸31を介して駆動軸21に連結固定されている。ま
た、スリーブ28の他端部に設けられたフランジ部32
は、図5にも示すように前記係止溝30と反対側に半径
方向に沿った細長い矩形状の係合溝33が形成されてい
ると共に、外周面に環状ディスク29の他側面に摺接す
る突起面28aが一体に設けられている。
【0018】前記環状ディスク29は、略ドーナツ板状
を呈し、内径がカムシャフト22の内径と略同径に形成
されて、駆動軸21の外周面との間に環状の隙間部Sが
形成されていると共に、小巾の外周部29aが環状ベア
リング34を介して制御環35の内周面に回転自在に支
持されている。また、直径線上の対向位置に貫通形成さ
れたピン孔29b,29cには、各係合溝30,33に
係入する一対のピン36,37が設けられている。この
各ピン36,37は、互いにカムシャフト軸方向へ逆向
きに突出しており、基部がピン孔29b,29c内に回
転自在に支持されていると共に、先端部の両側縁に図4
及び図5に示すように前記係合溝30,33の対向内面
30a,30b、33a,33bと当接する2面巾状の
平面部36a,36b、37a,37bが形成されてい
る。
【0019】前記制御環35は、図1〜図3に示すよう
に略円環状を呈し、外周の一端部に有するボス部35a
及び該ボス部35aを貫通した枢支ピン38を支点とし
て図2中上下に揺動自在に設けられている一方、該ボス
部35aと反対側の外周面にレバー部35bが半径方向
に沿って突設されている。また、この制御環35は、レ
バー部35bを介して駆動機構39により揺動するよう
になっている。
【0020】前記駆動機構39は、図2及び図6に示す
ようにシリンダヘッド2の所定部位に対向して形成され
た第1,第2シリンダ40,41と、該各シリンダ4
0,41内から出没自在に設けられて各先端縁で前記レ
バー部35aの円弧状先端を上下方向から挾持する油圧
ピストン42及びプランジャ43と、前記第1シリンダ
40内の受圧室40aに油圧を給排して油圧ピストン4
2を進退動させる油圧回路44とを備えている。
【0021】前記第2シリンダ41内に設けられたプラ
ンジャ43は、略有底円筒状に形成され、第2シリンダ
41内に弾装されたコイルスプリング45のばね力で進
出方向(レバー部方向)に付勢されている。
【0022】前記油圧回路44は、一端部がオイルパン
46内に、他端部が受圧室40aに夫々連通した油通路
47と、該油通路47のオイルパン46側に設けられた
オイルポンプ48と、該オイルポンプ48の下流側に設
けられた3ポート2位置型の電磁切換弁49とから主と
して構成されている。前記電磁切換弁49は、機関回転
数や吸入空気量等の信号に基づいて現在の機関運転状態
を検出するコントローラ50からのON−OFF信号に
よって流路を切り換え作動し、ON信号によって油通路
47全体を連通する一方、OFF信号によって油通路4
7とドレン通路51を連通するようになっている。
【0023】以下、本実施例の作用について説明する。
【0024】機関が低速低負荷域などの場合は、コント
ローラ50から電磁切換弁49にOFF信号が出力され
て、油通路47の上流側を遮断すると共に、油通路47
の下流側とドレン通路51を連通する。このため、受圧
室40a内の作動油は、油通路47を逆流してドレン通
路51からオイルパン46内に戻され、したがって、受
圧室40aの内圧低下に伴い油圧ピストン42はバルブ
スプリング24及びコイルスプリング45のばね力でプ
ランジャ43を介して後退移動する。これにより、制御
環35は、図2,図6の一点鎖線で示すようにプランジ
ャ43により押し上げられて枢支ピン38を支点として
上方へ揺動し、環状ディスク29の中心Yが駆動軸21
の中心Xと偏心する。したがって、スリーブ28の係止
溝33とピン37並びにカムシャフト22の係止溝30
とピン36との摺動位置が駆動軸21の1回転毎に移動
し、環状ディスク29の角速度が変化して不等角速度回
転になる。
【0025】即ち、係止溝33とピン37の摺動位置が
駆動軸21の中心Xに接近する場合は、係止溝30とピ
ン36の摺動位置が中心Xから離れる関係になる。この
場合は、環状のディスク29は、駆動軸21に対して角
速度が小さくなり、環状ディスク29に対しカムシャフ
ト22の角速度も小さくなる。したがって、カムシャフ
ト22は、駆動軸21に対して2重に減速された状態に
なる。
【0026】一方、機関が高速高負荷域になった場合
は、前述とは逆に油圧ピストン42によりレバー部35
bが押し下げられ環状ディスク29が図2,図6の2点
鎖線で示すように中心合致位置よりもさらに下方へ揺動
して、係止溝33とピン37の摺動位置が駆動軸21の
中心Xから離れ、係止溝30とピン36の作動位置が中
心Xに接近する関係になると、逆にカムシャフト22
は、駆動軸21に対して2重に増速された状態になる。
【0027】この結果、該夫々の角速度の変化に基づき
カムシャフト22及びカム26と駆動軸21との回転位
相差は、図8Bに示すように変化し、吸気弁5の作動角
は同図Aに示すようにバルブリフトを一定のままカムシ
ャフト22の位相差に応じて変化する。
【0028】つまり、カムシャフト22の角速度が相対
的に大きい場合は、駆動軸21に対する回転位相は両者
21,22が等速になるまで進み、やがてカムシャフト
22の角速度が相対的に小さくなると回転位相は両者2
1,22が等速になるまで遅れる。そして、図8Bで示
すように回転位相差の最大,最小点の途中に同位相点
(P点)が存在し、同図の破線で示す回転位相の変化で
は、P点よりも前の吸気弁23の開弁時期が遅れ、P点
より後の閉弁時期は進み、作動角が図8Aの破線で示す
ように従来の作動角(図中実線)よりも小さくなる。一
方、図8Bの一点鎖線で示す回転位相の変化では、P点
よりも前では開弁時期は進み、P点より後の閉弁時期は
遅れ、作動角が図8Aの一点鎖線で示すように従来の作
動角よりも大きくなる。
【0029】このように、高速高負荷運転時には、吸気
弁5の閉時期を、図9の一点鎖線で示すように下死点を
通過した後、しばらく経てから閉じるように設定し、従
来の通常エンジン(実線)よりも十分に遅角制御し、し
たがって、ここから実際の圧縮行程が開始される。これ
により、実質的な圧縮行程が短くなり、つまり有効圧縮
比が小さくなるため、図10の一点鎖線で示すように圧
縮終了後の燃焼室4温度の上昇が従来の通常エンジン
(実線)に比較して十分に抑制される。この結果、過給
機7によって過給を行っても、ノッキングの発生が十分
に防止され、出力を大巾に向上させることができる。
尚、斯かる効果は、吸気マニホルド6にインタークーラ
を設けた場合にさらに顕著になる。(図11参照)。
【0030】一方、機関低速低負荷域では、吸気弁5の
閉時期を、図9の破線で示すように下死点の通過と略同
時に閉じるように設定し、従来よりも十分に進角制御し
た。したがって、有効な圧縮行程が長くなり、有効圧縮
比が大きくなるため、圧縮終了後の燃焼室4温度が上昇
し、これによって、燃焼効率が向上して燃費を改善でき
ると共に、排気ガス中のHC,CO等の発生を低減でき
る。また、燃焼が安定し、機関回転の安定化が図れ、運
転性が向上する。
【0031】しかも、吸気制御機構20を、吸気ポート
6aではなくシリンダヘッド2内に設けたため、吸気通
路系構造の簡素化と装置のコンパクト化が図れると共
に、従来のようなシールの必要性が全くなくなるので、
加工作業の煩雑化やコストの上昇が回避できる。また、
吸気通路抵抗がなくなり、前記高速域での吸気弁23の
閉時期遅角制御と相俟って充填効率が一層向上し、出力
をさらに向上させることが可能になる。
【0032】更に、本実施例では、前記図8Aに示すよ
うに吸気弁23のバルブリフト量を変化させることなく
一定のままで単に作動角を変化させて、特に開時期では
なく閉時期を大きく変化させるだけであるから、燃焼室
4の圧縮比を効果的に低下させることが可能になる。こ
の結果、ノッキングを有効に防止することができ、該ノ
ッキング防止装置としては、最適な構造である。
【0033】即ち、吸気弁の開閉時期やバルブリフトを
可変制御する装置は、他にも種々提供されており、例え
ば特開平4−241914号公報に記載されているもの
は、吸気弁を早く閉じて吸気の供給終了時期を早める制
御を行うが、同時に開弁時期も早める制御を行うように
なっている。したがって、吸気弁と排気弁の両方が開い
た状態、つまりオーバラップが大きくなる。このため、
高温の燃焼ガスが燃焼室に残留してしまい、却ってノッ
キングが発生し易くなる。
【0034】また、特開平3−33438号公報に記載
されている装置は、弁の開閉時期とともにバルブリフト
量も可変制御しており、吸気弁の閉時期を早くする制御
を行うとバルブリフト量も小さく制御されてしまう。こ
のため、吸気弁の開口面積が小さくなり、吸気の絞り膨
張度合が非常に高くなる。そして、この絞り膨張は、等
温変化に極めて近いため、断熱膨張と比較して燃焼室内
の温度低下が起こらない。このため、燃焼室内の温度が
過上昇してノッキングが発生し易くなる。したがって、
同じバルブタイミング制御装置でもノッキング対策用と
しては不適用である。
【0035】また、本実施例では、前述のように各ピン
36,37は両側縁が平面部36a,36b,37a,
37bに形成されているため、各係止溝30,33の対
向内面30a,30b、33a,33bと面接触状態で
当接する。したがって、駆動軸21からカムシャフト2
2への回転伝達時及び環状ディスク29の偏心状態にお
ける平面部36a,36b、37a,37bと対向内面
30a,30b、33a,33bとの摺動時に両者間の
集中荷重の発生が防止されて、面圧が低下する。この結
果、係止溝30,33とピン36,37間に経時的な摩
耗の発生が防止されて、カムシャフト22の回転トルク
変動に伴う各フランジ部27,32と各ピン36,37
との打音の発生やバルブタイミングのズレによる制御精
度の低下等が防止される。
【0036】また、この装置は、吸気弁5がカムシャフ
ト22のカム26によって機械的に駆動されるようにな
っているため、吸気弁5の開閉作動が安定かつ正確にな
る。また、装置全体の構造が簡素化され、製造性が良好
になる。
【0037】尚、吸気通路に可変吸気管長ディバイスを
組み合わせることも可能になる。
【0038】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
吸気装置によれば、吸気制御機構によって吸気弁の閉時
期を可変制御して、有効圧縮比を小さくすることができ
るため、過給された吸気の圧縮温度上昇を十分に抑制で
き、ノッキングの発生を効果的に防止できる。
【0039】しかも、吸気制御機構を、従来のように吸
気通路ではなく、シリンダヘッド内に設けて、吸気弁を
直接制御するようにしたため、吸気系の構造の簡素化と
装置のコンパクト化が図れる。また、吸気の通路抵抗が
小さくなり、吸気の充填効率も向上すると共に、シール
が不要となるので、煩雑な加工作業やコストの高騰を回
避できる。
【0040】さらに、デッドボリューム空間が全くなく
なるので、吸気量制御精度が向上し、前述の実圧縮比を
高精度に制御できる。
【0041】また、本発明は、吸気弁のバルブリフト量
を変化させずに、単に作動角を変化させて閉時期を大き
く変化させるだけであるから、燃焼室の圧縮比を効果的
に低下させることが可能になり、ノッキング防止装置と
しては最適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を示す一部破断図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】本実施例の要部を示す平面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】図3のC−C線断面図。
【図6】本実施例の駆動手段を示す概略図。
【図7】本実施例の全体構成を示す概略図。
【図8】本実施例の駆動軸とカムシャフトとの回転位相
差とバルブリフト量の特性図。
【図9】本実施例のP−V線図。
【図10】本実施例の吸気温度特性を示すグラフ。
【図11】インタークーラを用いた場合の吸気温度特性
を示すグラフ。
【図12】従来の吸気装置を示す概略図。
【図13】同従来の吸気制御機構による吸気制御特性
図。
【符号の説明】
1…ガソリン機関 2…シリンダヘッド 4…燃焼室 5…吸気弁 6…吸気マニホルド 7…ターボチャージャ(過給機) 21…駆動軸 22…カムシャフト 27…フランジ部 32…フランジ部 29…環状ディスク 30,33…係合溝 30a,30b、33a,33b…対向内面 35…制御環 36,37…ピン 39…駆動機構。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に吸気を強制的に供給する過給機
    と、前記燃焼室に対する吸気の供給終了時期を制御する
    吸気制御機構とを備えた吸気装置において、 前記吸気制御機構は、機関の回転に同期して回転する駆
    動軸と、 外周に吸排気弁を駆動するカムを有するカムシャフト
    と、前記駆動軸とカムシャフトとの間に配置されて、駆動軸
    の回転力を前記カムシャフトに伝達する回転伝達部材
    と、 機関運転状態に応じて前記回転伝達部材の回転軸心を駆
    動軸の軸心に対して変化させる駆動機構とを備えたこと
    を特徴とする内燃機関の吸気装置。
  2. 【請求項2】前記駆動軸に設けられたフランジ部とカム
    シャフトに設けられたフランジ部とを互いに対向配置す
    ると共に、該両フランジ部間に前記駆動軸の軸心を中心
    として揺動自在な制御環を設け、かつ該制御環の内周に
    駆動軸の回転力をカムシャフトに伝達する環状ディスク
    を回転自在に支持し、前記駆動機構によって制御環を揺
    動させることにより、前記駆動軸の軸心に対して環状デ
    ィスクの回転中心を変化させるように構成したことを特
    徴とする請求項1記載の内燃機関の吸気装置。
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