JP3387058B2 - エアーバッグモジュール - Google Patents

エアーバッグモジュール

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JP3387058B2 JP2000570030A JP2000570030A JP3387058B2 JP 3387058 B2 JP3387058 B2 JP 3387058B2 JP 2000570030 A JP2000570030 A JP 2000570030A JP 2000570030 A JP2000570030 A JP 2000570030A JP 3387058 B2 JP3387058 B2 JP 3387058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、請求項1のプレアンブルに記載
されているようなエアーバッグモジュールに関する。
【0002】WO96/25309には、エアーバッグ
モジュールが開示されている。このモジュールにおいて
は、ディフューザがガス発生器上に取り付けられてお
り、ディフューザの断面積はガス発生器のそれよりも小
さい。このエアーバッグモジュールのガスバッグは主と
してディフューザの側部に折り畳まれた状態で延びてお
り、ディフューザ上にはガスバッグの一つの層のみが存
在する。ディフューザは主としてその側部、すなわち、
シート占有者に対して横方向に延びる方向にアウトレッ
ト開口を有する。このような配置の欠点は、ガスバッグ
が開かないときやガスバッグが収縮しているときに、乗
員がディフューザに打ち付けられた場合に、ディフュー
ザが乗員に対する危険発生原因となり得ることである。
【0003】EP0827875にはエアーバッグ拘束
システムを有するステアリングホイールが開示されてい
る。この場合、ガス発生器はポット形の変形部材内に取
り付けられている。変形部材はガス発生器上にそのベー
スといっしょに配置されている。ガス発生器のガスをガ
スバッグ内へと流入させるための開口が、変形部材の側
部において、ベースに設けられている。したがって、変
形部材はディフューザの役目を果たす。ガスバッグは主
としてこの変形部材の側部に折り畳まれた状態で延びて
おり、変形部材上にはガスバッグの一つの層のみが位置
している。
【0004】この配置の欠点は、ベースに設けられてい
る流出開口によって、ガスバッグが搭乗者の方向に直接
的に解かれ、所定位置から外れた搭乗者に対して好まし
くない影響を及ぼす傾向があることである。さらに、ガ
ス発生器の上方にガスバッグの収容スペースが確保でき
ない。これは、変形部材の側壁がそこでガス発生器の軸
に向かってほんのわずか傾斜しているためである。この
ことは、ステアリングホイールではエアーバッグ用のス
ペースが限られているため、ステアリングホイールにと
っては特に不都合である。この発明の目的は、エアーバ
ッグモジュールの少なくとも一部が変形部材として形成
され、折り畳まれたガスバッグのための収容スペースが
ガス発生器上に設けられ、また、第1段階において、ガ
スバッグが搭乗者に対して主として横方向に解かれるよ
うにエアーバッグモジュールを設計することである。
【0005】これは請求項1の特徴によって達成され
る。ガス発生器、ディフューザ及びガスバッグを備えた
エアーバッグモジュールの場合、これは本発明のエアー
バッグモジュールによって達成される。このエアーバッ
グモジュールにおいては、ガス発生器はガス発生器のデ
ィフューザすなわちハウジング内に取り付けられ、ディ
フューザはその縦断面において段付構造を有している。
ガス発生器のディフューザすなわちハウジングはガス発
生器から所定の距離をおいて位置する下部側壁領域へと
延び、下部側壁領域はガス発生器よりも乗員の側へと延
び、ガス発生器に隣接するその部分と少なくとも実質的
に同一の断面を取り囲んでいる。したがって、この領域
においては、ガス発生器のディフューザすなわちハウジ
ングの断面積はガス発生器の断面積よりも大きい。上部
側壁領域においては、ガス発生器のディフューザすなわ
ちハウジングはガス発生器よりも小さい断面積を有し、
この領域においては、ガス発生器のガスを乗員に対して
横方向に向けてガスバッグ内へと放出するための流出開
口が存在する。下部及び上部側壁領域は少なくとも一つ
の変形可能な中央側壁領域によって連結されている。
【0006】本発明による配置の利点は、乗員がディフ
ューザに打ち付けられたときに、ガス発生器の上方に位
置するディフューザ部分が、変形可能な中央側壁領域に
よって、乗員から離れる方向へシフトされるため、傷害
を受ける危険性が低減される。下部側壁領域はガス発生
器よりも上方へ突出しているため、隣接する中央側壁領
域はガス発生器の方向へ変形するための十分な空間を有
している。ガス発生器より上方に位置するガス発生器の
ディフューザすなわちハウジングは小さいため、ディフ
ューザすなわちハウジングに隣接するガス発生器の上方
に折り畳まれたガスバッグを収納するのに十分なスペー
スが存在する。構造上形成されるスペースを利用するこ
とによって、モジュールの縮小化の目標値は容易に達成
される。
【0007】ディフューザすなわちハウジングに乗員に
対して横方向に開口が設けられている結果として、ガス
は乗員に対して横方向にガスバッグ内へと流入し、ガス
バッグは主として横方向に解かれる。それにより、ガス
流は、先ず、下部側壁領域内を上方へ案内され、中央側
壁領域にあたる。ガス流の一部は流出開口へと偏向さ
れ、他の一部はガス発生器の上方のスペース内で渦流を
形成する。この多段偏向によってシステム全体からエネ
ルギーが引き出される。これは、ガスバッグのファブリ
ックに加えられる熱負荷及びガスバッグの展開時の攻撃
性に対して正の効果を有する。
【0008】流出開口から放出されるガス流によって、
先ず、上部モジュール領域において、ディフューザすな
わちハウジング上に位置するファブリック層からのバブ
ルが形成される。このプロセスはディフューザが段付で
あるためにこの領域に存在している下部パッケージ圧に
よって容易に行われる。バブルは、その後、ガスバック
パッケージが完全に解かれるまで内側から外側へ向かっ
てが段階的に解かれることによって、横方向に膨張す
る。
【0009】横方向に解かれるために、ガスバッグが乗
員の方向へ延出することは最小限に抑制される。したが
って、正規の位置にいる乗員は攻撃されず、その位置か
ら外れた位置にいる乗員が傷害を受ける危険性は小さく
なっている。このガスバッグには防護ストラップもリッ
プシームも必要ない。さらに、ガスバッグの振動は低減
されており、ガスバッグは早期に乗員を保護するために
その最適位置を占めている。
【0010】中央側壁領域の変形性はこの領域に脆弱化
手段、たとえば、スリットを設けることによって達成さ
れる。これらのスリットは、それらがガス発生器からの
ガスのためのアウトレット開口として機能しないよう
に、少なくともほぼ零ミリメートルの幅を有している。
円形断面を有するディフューザの場合には、半径方向に
延びていることが好ましい。
【0011】上部側壁領域はエアーバッグモジュールの
高さの半分よりも低い高さを有していることが好まし
い。さらに、ガス発生器のディフューザすなわちハウジ
ングの上部エッジは実質的にモジュールカバーまで延び
ていることが好ましい。上部側壁領域は円筒状又は円錐
状であることが好ましい。
【0012】ガスバッグはディフューザの周りに配置さ
れ、ガスバッグの一つの層のみがディフューザの上方に
配置されていることが好ましい。一実施の形態において
は、圧力経路に影響を及ぼさせるために、補助流出開口
がガス発生器のディフューザすなわちハウジングの下部
側壁領域に設けられている。補助流出開口はガス発生器
の流出開口と重なり合わないように配置されていること
が望ましい。たとえば、補助流出開口はガス発生器の流
出開口よりも上方に設けられている。補助流出開口の全
断面積はガス発生器の流出開口の全断面積よりも小さ
い。一実施の形態においては、4つの補助流出開口が設
けられている。本発明は実施の形態において図面を参照
して説明される。
【0013】図1はディフューザを示している。このデ
ィフューザは下部側壁領域2、中央側壁領域3及び上部
側壁領域4を有し、上部側壁領域には上部エッジ4aが
設けられている。下部側壁領域2はその中に一つの空間
を形成している。その空間の断面積はその中に取り付け
られるガス発生器5(図3)の断面積よりも大きく、ガ
ス発生器よりも乗員側へ突出している。上部側壁領域4
はガス発生器5よりも明らかに小さい断面積を有してお
り、楕円形のアウトレット開口6を有している。中央側
壁領域3は下部側壁領域を上部側壁領域へ連結してお
り、ディフューザ1の長手軸7に対して鋭角的に傾斜さ
れている。この側壁領域3は半径方向に配置されたスリ
ット8を有している。このスリットの幅は零に近いもの
であり、これらのスリットがガス発生器から放出される
ガスのためのアウトレット開口として機能しないように
なっている。スリット8が設けられている結果として、
この側壁領域3は意図的に脆弱化され、乗員がディフュ
ーザに打ち付けられたときに、壁がガス発生器の方へ変
形できる。中央側壁領域3はガス発生器5の上方に所定
の距離をもって位置しており、その距離は数センチメー
トルであるので、両者の間にスペース9が形成され、側
壁領域3はそのスペース内へ向かって変形可能である
(図3)。
【0014】図3に示されるように、ディフューザ1が
段付の構造を有すると共に、ディフューザの上部側壁領
域4の断面積がガス発生器5に比べて小さいため、折り
畳まれたガスバッグ10は少なくともその一部がガス発
生器5上に位置することが可能であり、ガスバッグがガ
ス発生器上に折り畳まれている場合に通常発生するよう
な不具合は、このガスバッグが解かれるときには起こら
ない。ガスバッグ10はモジュールカバー12内に取り
付けられ、その折り畳み部11は乗員の方へ向かって整
列配置されている。ガスバッグ10の層13のみがディ
フューザ上に配置されている。この層は、ガスバッグが
上部及び下部を有している場合には、前記上部によって
形成されている。
【0015】ガス発生器5が作動すると、このガス発生
器から放出されたガス流が下部側壁領域2において上方
へ導かれ、中央側壁領域3にあたる。ガス流の一部はそ
こから流出開口6へと偏向され、他の一部はガス発生器
の上方のスペース内で渦流を形成する。この渦流が形成
される結果として、ガス流のエネルギーの一部が消耗さ
れ、ガスバッグのファブリックに加えられる熱負荷が低
減され、ガスバッグの展開時の攻撃性が低減される。ガ
スの流れ経路は図3に矢印で示されている。
【0016】ガス流はディフューザ1からその半径方向
に流出し、最初に、上部モジュール領域において、ディ
フューザ1の上方に位置するガスバッグ10の層13か
らバブル14を形成する。このプロセスはディフューザ
が段付であるためにこの領域に存在している下部パッケ
ージ圧によって容易に達成される。展開のこの第1段階
において、エアーバッグモジュール17のモジュールカ
バー12はバブル14によって裂き開かれる。バブル1
4は、その後、ガスバッグパッケージが完全に解かれる
まで内側から外側へ向かって(図4)段階的に解かれる
ことによって、横方向に膨張する。
【0017】ディフューザの別の実施の形態が図5に示
されている。この実施の形態においては、下部側壁領域
2は上部15を有し、この上部がディフューザの長手軸
7に対してほんの少し傾斜されている。この上部は中央
側壁領域3に連結されている。図6は段付のディフュー
ザを示している。このディフューザにおいては、先の実
施の形態における楕円形の流出開口の代わりに、上下2
列の円形の流出開口16が設けられている。
【0018】図7にはエアーバッグモジュールが示され
ている。このエアーバッグモジュールにおいては、ディ
フューザは4つの補助流出開口18を有している。この
補助流出開口はガス発生器5のの流出開口19より上方
に配置されている。すなわち、これらの流出開口及び補
助流出開口は相互に重なり合っていない。ガスバッグ内
の圧力経路はこれらの補助流出開口18によってさらに
影響され得る。 [図面の簡単な説明]
【図1】段付のディフューザの縦断面図である。
【図2】図1のディフューザの平面図である。
【図3】図1のディフューザを備えたエアーバッグモジ
ュールの縦断面図である。
【図4】ガスバッグが部分的に解かれた状態における図
3のエアーバッグモジュールを示す図である。
【図5】第2の実施の形態のディフューザの縦断面図で
ある。
【図6】第3の実施の形態のディフューザの縦断面図で
ある。
【図7】予備的なアウトレット開口を有するディフュー
ザを有するエアーバッグモジュールの縦断面図である。
【符号の説明】
1 ディフューザ 2 下部側壁領域 3 中央側壁領域 4 上部側壁領域 4a 上部エッジ 5 ガス発生器 6,16 アウトレット開口 8 スリット 10 ガスバッグ 12 モジュールカバー 13 層 17 エアーバッグモジュール 18 補助流出開口 19 流出開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭52−78229(JP,U) 独国特許出願公開19642694(DE,A 1) 独国特許出願公開19645373(DE,A 1) 国際公開96/25309(WO,A1) 欧州特許出願公開773142(EP,A 1) 欧州特許出願公開827875(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/16 - 21/32

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス発生器(5)と、裂開領域を備えた
    モジュールカバー(12)と、ガス発生器(5)のガス
    で展開するガスバッグ(10)とを有するエアーバッグ
    モジュールであって、 ディフューザ(1)は下部側壁領域(2)と中央側壁領
    域(3)と流出開口(6)を形成の上部側壁領域(4)
    を有し、 ガス発生器(5)は前記ディフューザ(1)の下部側壁
    領域(2)内に取り付けられ、この下部側壁領域(2)
    の断面積はガス発生器(5)の断面積より大きく、 前記ディフューザ(1)とモジュールカバー(12)の
    間にガスバッグ(10)が配置してあると共に、このガ
    スバッグ(10)の上方には裂開領域を備えるモジュー
    ルカバー(12)が配置してあり、 ディフューザ(1)の上部側壁領域(4)の断面積はガ
    ス発生器(5)の断面積より小さく、 前記ディフューザ(1)の中央側壁領域(3)は変形可
    能に設計されているエアーバッグモジュール。
  2. 【請求項2】 中央側壁領域(3)は脆弱化手段を有し
    ている請求項1に記載のエアーバッグモジュール。
  3. 【請求項3】 中央側壁領域(3)は脆弱化手段として
    スリット(8)を有している請求項1又は請求項2に記
    載のエアーバッグモジュール。
  4. 【請求項4】 スリット(8)は少なくともほぼ零ミリ
    メートルの幅を有する請求項3のエアーバッグモジュー
    ル。
  5. 【請求項5】 円形断面のディフューザに形成のスリッ
    ト(8)は半径方向に延びている請求項3又は4に記載
    のエアーバッグモジュール。
  6. 【請求項6】 上部側壁領域(4)はエアーバッグモジ
    ュール(17)の高さの半分よりも低い高さを有してい
    る請求項1から5の何れか1項記載のエアーバッグモジ
    ュール。
  7. 【請求項7】 上部側壁領域(4)は円筒状又は円錐状
    に延びている請求項1から6の何れか1項記載のエアー
    バッグモジュール。
  8. 【請求項8】 ガス発生器のディフューザ(1)の上部
    エッジ(4a)は実質的にモジュールカバー(12)ま
    で延びている請求項1から7の何れか1項記載のエアー
    バッグモジュール。
  9. 【請求項9】 ガスバッグ(10)はディフューザ
    (1)の周りに配置され、ガスバッグの一つの層(1
    3)のみがディフューザ(1)の上方に配置されている
    請求項1から8の何れか1項記載のエアーバッグモジュ
    ール。
  10. 【請求項10】 補助流出開口(18)がガス発生器
    (5)のディフューザの下部側壁領域(2)に設けられ
    ている請求項1から9の何れか1項記載のエアーバッグ
    モジュール。
  11. 【請求項11】 補助流出開口(18)はガス発生器
    (5)の流出開口(19)と重なり合わないように配置
    されている請求項10に記載のエアーバッグモジュー
    ル。
  12. 【請求項12】 補助流出開口(18)はガス発生器
    (5)の流出開口(19)よりも上方に設けられている
    請求項10又は11に記載のエアーバッグモジュール。
  13. 【請求項13】 補助流出開口(18)の全断面積はガ
    ス発生器(5)の流出開口(19)の全断面積よりも小
    さい請求項10から12の何れか1項記載のエアーバッ
    グモジュール。
  14. 【請求項14】 4つの補助流出開口(18)が設けら
    れている請求項10から13の何れか1項記載のエアー
    バッグモジュール。
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