JP3385332B2 - 2電極片面ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

2電極片面ガスシールドアーク溶接方法

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JP3385332B2
JP3385332B2 JP01268297A JP1268297A JP3385332B2 JP 3385332 B2 JP3385332 B2 JP 3385332B2 JP 01268297 A JP01268297 A JP 01268297A JP 1268297 A JP1268297 A JP 1268297A JP 3385332 B2 JP3385332 B2 JP 3385332B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲面状の被溶接材
により形成された開先の2電極片面ガスシールドアーク
溶接に関し、特に、耐割れ性およびビード外観が良好で
溶接時のスパッタ発生量が少なく、かつ、高靱性が得ら
れる高能率な2電極片面ガスシールドアーク溶接に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、各種溶接構造物の建造において、
溶接コスト低減及び高能率化が図れることからガスシー
ルドアーク溶接法の適用が各分野において急速に増大し
ている。中でも突合せ溶接の比率が高い造船や橋梁等の
分野での適用が著しい。しかし、溶接のトータルコスト
低減の観点から短尺から長尺の片面溶接の高速化が大き
な課題となっている。
【0003】片面溶接方法としては、従来よりサブマー
ジアーク溶接法が造船の板継溶接として盛んに研究され
ている。例えば特公昭60-59072号公報に提示されたサブ
マージアーク溶接法は、特に電極揺動に伴う溶接ビード
溶込み深さの減少及びビード外観形状の劣化を防止し、
初層ビードにおける割れ防止をも、併せて実現しようと
するものである。しかし、このサブマージアーク溶接法
は実施設備が大がかりとなり、短尺溶接では煩雑で適用
できない等の問題がある。
【0004】また、特公昭61-49027号公報に提示の、フ
ラックス入りワイヤを用い高電流密度のガスシールド下
向溶接法は、細径複合ワイヤを使用し、ワイヤ突出し長
さを大とした上、大電流の高溶接速度で下向溶接を高能
率に行い溶接コストを低減している。しかし、ワイヤ突
出し長が35〜70mmと長いので、シールド不良やワイヤ曲
りぐせによる狙い位置のずれ、更に片面溶接時の初層ビ
ード割れ等の問題がある。
【0005】特公昭50-7543号公報には、裏当材を当接
した開先内に鋼粒または鉄粉を適量に充填し、細径ワイ
ヤを揺動させながら溶接することが開示されている。し
かし、この方法は、開先間隙を設けなければ良好な溶接
ができず、開先角度も大きいことから開先断面積が大き
く板継き作業能率面に問題がある。
【0006】また、前記いずれの方法も、曲面状の被溶
接材により形成された開先の溶接の自動化および実用化
に至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、曲面
状の被溶接材の短尺から長尺の溶接構造物の片面溶接の
溶接作業性,耐割れ性および裏ビードを良好にして健全
で高靱性の溶接部を得ることを第1の目的とし、板継ぎ
作業能率を安易に高能率にすることを第2の目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)2電極片面ガスシールドアーク溶接方法におい
て、曲面状の被溶接材の、内面を仮付けしたVまたはY
形状の開先の、開先角度を30〜65°とし、開先裏面
に裏当材を当て、該開先内に鋼粒または鉄粉を被溶接材
板厚の1/4以上2/3以下の高さまで充填し、先行および後
行の溶接電極ワイヤ間の極間距離を100mm以上600mm以下
とし、先行および後行の溶接電極ワイヤの溶接電流密度
をそれぞれ200A/mm2以上および150A/mm2以上とし、
かつ先行および後行の溶接電極ワイヤをそれぞれ40回/
分以上150回/分以下および30回/分以上120回/分以下
で揺動駆動することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
(2)後行溶接電極ワイヤは、ワイヤ全重量に対して重
量%で、 TiO2:2.5%以上 7.0%以下 ZrO2:0.4%以上 1.0%以下 Al22:0.1%以上 1.0%以下 Si:0.2%以上 1.2%以下 Mn:1.0%以上 4.0%以下 Mg:0.1%以上 1.0%以下 を含有し、更にNaおよびKの1種または2種の合計が
0.03%以上0.3%以下であるフラックスを充填したフラ
ックス入りワイヤである。
【0010】(3)後行溶接電極ワイヤは更に、ワイヤ
全重量に対して重量%で、 Ni:0.3%以上 3.0%以下 Ti:0.02%以上 0.2%以下 B:0.002%以上 0.015%以下 を含有するフラックスを充填したフラックス入りワイヤ
である。
【0011】(4)少なくとも先行電極ワイヤを第1シ
−ルドガスおよび第2シ−ルドガスで二重シールドす
る。
【0012】図1,図2および図3を参照して、本発明
の実施に用いた片面ガスシールドアーク溶接装置の概要
を説明する。これらの図面に示した溶接装置は、特願平
8−298439号8(特開平10−137933号)
にて本出願人が特許出願した開先倣い溶接装置である。
図1〜図3において、Z矢印方向が上方向であり、X矢
印およびY矢印方向は水平方向である。以下の説明で
は、Y矢印方向を前方向と、X矢印方向を右方向と表現
する。図1は、溶接装置1を斜め上方から見下した斜視
図相当の、機構概要を表す簡略図である。ワーク(被溶
接材)W1,W2は、図5および図6の(a)に示すよ
うに、互いに向いあう縁を突き当てた状態で、作業床面
F上に設置された図示しない複数の油圧ジャッキにより
下支持され、各ジャッキの支持高の調整により所望の曲
面形状となっている。すなわち3次元的に曲がってい
る。ワ−クW1,W2の突き当てられた縁と縁の間にで
きた開先bは、ワークW1,W2が所要の角度で3次元
的に曲げられているので、図示例においては、ワ−クは
左前方が高い登り傾斜になっている。このような曲面形
状を維持するために、開先内面は仮付溶接により仮付け
されている。
【0013】図1において、床面F上には、水平X方向
に延びるX方向レールX1が敷設されており、該レール
X1よりも前方上方に(床面Fより離れて)、レールX
1と平行なX方向レールX2が、図示しない支持柱によ
り支持されている。2本のレールX1とX2をXレール
対RXとする。レールX1にX走行台Y1が、レ−ルX
2にX走行台Y2が載っており、これらのX走行台Y1
とY2が支持柱YzおよびY方向レ−ルRYを支持して
いる。支持柱YzおよびY方向レ−ルRYは直交し一体
連続である。X走行台Y1の駆動車輪は、X走行台Y1
に搭載されたモータM1により図示しない減速機構を介
して回転駆動される。モータM1が通電され、X走行台
Y1の駆動車輪が回転駆動されてX走行台Y1がレール
X1上を走行すると、支持柱YzおよびY方向レ−ルR
YがレールX1,X2に沿ってY軸に平行な状態でX方
向左または右に移動する。
【0014】Y方向レ−ルRYに溶接装置1の走行台車
(Y走行台)4の車輪4a〜dが載せられている。走行
台車4の車輪4a〜dの回転軸には、図示しないスプロ
ケットホイールが一体固着されており、該スプロケット
ホイールに、レールRYに沿って配設された輪状の図示
しないチェーンベルトが噛み合う。チェーンベルトは、
走行台車4に載置されたモータM2により回転駆動さ
れ、それに伴い走行台車4がレールRY上をY方向に移
動する。
【0015】図2に、溶接装置1を図1に示した一点鎖
線矢印2A方向より見た図を示し、図3には、溶接装置
1を図1に示した一点鎖線矢印3A方向より見た図を示
す。走行台車4の中央部には、上下に貫通する穴が開い
ており、該穴を中空で柱状の昇降管12がZ方向に昇降
自在に貫通している。昇降管12の外面には、それぞれ
Z方向に延びるレール13a〜cが装着されており、そ
れらは、それと対向する走行台車4の穴の内面に設けら
れたスライダに、Z方向に昇降自在にはまっている。昇
降管12の下部の外壁には、z方向に延びるネジ棒M4
sを回転駆動する昇降モータM4が固着支持されてい
る。走行台車4には、台車部をZ方向に貫通するねじ穴
があり、該ねじ穴とネジ棒M4sがねじ結合している。
ここで、走行台車4は、Yレ−ルRYで下支持されてい
るので、昇降モータM4がネジ棒M4sを回転駆動する
と、走行台車4に対して昇降管12が、Z方向に昇降す
る。昇降管12の軸心を、Z方向に延びる中空の旋回軸
10が水平回転自在に貫通する。走行台車4の上面から
突出する昇降管12の上開口近くの外壁に、回転モータ
M3が固着支持されている。回転モータM3の回転軸に
は平歯車が固着されており、水平方向に回転する。旋回
軸10の上開口の縁には平ギアが一体になっており、該
ギアに回転モータM3の平歯車が噛み合う。回転モータ
M3が通電されると、その回転軸に一体の平歯車が回転
し、ギアを介して旋回軸10が昇降管12に対して回転
中心線Oを中心として回転する。
【0016】旋回軸10の下端部には、センサベース2
が支持されている。旋回軸10の回転に伴いセンサベー
ス2が水平方向に回転する。回転モータM3の回転軸に
は、ポテンショメータP1の回転軸が連結されており、
ポテンショメータP1は、旋回軸10の旋回角θを示す
電気信号を発生する。
【0017】センサベース2の下部の、回転中心線Oの
位置には、該中心線Oと直交する水平方向(図2では紙
面と垂直な方向,図3ではx方向)とZ方向に移動自在
の第1の開先倣いロ−ラがあり、この第1の開先倣いロ
−ラに2軸型のポテンショメ−タP3が結合されてい
る。ポテンショメ−タP3は、第1の開先倣いロ−ラを
回転自在に支持する支持杆の水平方向位置を検出するポ
テンショメ−タと、該支持杆のZ位置を検出するポテン
ショメ−タを有し、回転中心線Oの位置での、センサベ
−ス2に対する開先の水平方向位置およびZ位置を表わ
す電気信号を発生する(図2)。
【0018】センサベース2の下部の、回転中心線Oか
ら所定距離離れた位置には、水平方向(図2では紙面と
垂直な方向,図3ではx方向)とZ方向に移動自在の第
2の開先倣いロ−ラがあり、この第2の開先倣いロ−ラ
に2軸型のポテンショメ−タP2が結合されている。ポ
テンショメ−タP2も、第2の開先倣いロ−ラを回転自
在に支持する支持杆の水平方向位置を検出するポテンシ
ョメ−タと、該支持杆のZ位置を検出するポテンショメ
−タを有し、回転中心線Oから所定距離離れた位置で
の、センサベ−ス2に対する開先の水平方向位置および
Z位置を表わす電気信号を発生する(図2)。
【0019】ポテンショメ−タP3とP2が検出した水
平方向位置の差は、センサベース2(の水平な基準線)
に対する開先の水平方向の曲り(斜め角)に対応し、ポ
テンショメ−タP3とP2が検出したZ位置の差は、水
平面に対する開先線の傾斜角(前後角)α(図2)に対
応する。
【0020】センサベース2の下部の、第1および第2
の開先倣いロ−ラ(P3,P2)を結ぶ縦線と直交し、
回転中心線Oから所定距離離れた位置に、第1のワ−ク
倣いロ−ラがあり、このロ−ラを回転自在に支持する支
持杆のZ位置を、ポテンショメ−タP5が検出し、該Z
位置を表わす電気信号を発生する(図3)。また、セン
サベース2の下部の、前記縦線と直交し、回転中心線O
から所定距離離れかつ回転中心線Oに関して第1のワ−
ク倣いロ−ラと対向する位置に、第2のワ−ク倣いロ−
ラがあり、このロ−ラを回転自在に支持する支持杆のZ
位置を、ポテンショメ−タP4が検出し、該Z位置を表
わす電気信号を発生する(図3)。ポテンショメ−タP
5とP4が検出したZ位置の差は、水平面に対するワ−
クの傾斜角(左右)β(図3)に対応する。
【0021】第1のワ−ク倣いロ−ラ(P5)には、ロ
−タリエンコ−ダP6が結合されており、該ロ−ラ(P
5)の所定小角度の回転につき1パルスの電気信号を発
生する。このパルスをカウントすることにより、センサ
ベース2の、開先に沿った移動量が分かり、所定時間の
間のカウントアップ値は、センサベース2の、開先に沿
った移動の速度V(溶接速度)を表わす。
【0022】図2を参照すると、第1および第2のワ−
ク倣いロ−ラ(P5,P4)の配列方向(図2の紙面に
垂直な方向)に延びる回転軸31aが、センサベース2
の略中央を回転自在に貫通している。センサベース2に
はモータM7があり、その出力軸は減速機構を介して、
回転軸31aに連結され、モータM7に通電があると、
モータM7の回転軸の回転は減速機構により減速されて
回転軸31aに伝えられる。回転軸31aには、ト−チ
支持フレ−ム3が固着されている。回転軸31aの回転
に伴いト−チ支持フレ−ム3が回転軸31aを中心とし
て回動し、フレ−ム3で支持された溶接トーチ30L,
30Tの、ワ−クに対する前後角γが変わる。回転軸3
1aの回転角度を表わす電気信号をポテンショメ−タP
7が発生する。
【0023】溶接トーチ30Lは、トーチの突き出し,
引き込み(接離)駆動を行うモータM8を含む接離機
構、ならびに、溶接トーチ30Lを開先の幅方向にオシ
レ−ト(揺動)駆動するオシレートモータM9を含むオ
シレ−ト機構を介して、ト−チ支持フレ−ム3で、開先
の深さ方向に昇降(接離)可および開先の幅方向にオシ
レ−ト可に支持されている。溶接ト−チ30Tも、トー
チの突き出し,引き込み(接離)駆動を行うモータM1
0を含む接離機構、ならびに、溶接トーチ30Tを開先
の幅方向にオシレ−ト駆動するオシレートモータM11
を含むオシレ−ト機構を介して、ト−チ支持フレ−ム3
で、開先の深さ方向に昇降(接離)可および開先の幅方
向にオシレ−ト可に支持されている。
【0024】センサベース2にはさらに、ワイヤ供給装
置5がある。ワイヤ供給装置5は、2組のワイヤフィー
ダとそれらを駆動するモータM5,M6からなる。2本
の溶接ワイヤwa1,wa2は、走行台車4の上部に載
置されているワイヤパックwpより、旋回軸10内軸心
部をZ方向に貫通する管14内を通り、管14の排出口
14aよりワイヤ供給装置5に供給され、その中のワイ
ヤフィーダを通り、溶接トーチ30L,30Tにそれぞ
れ供給される。
【0025】溶接が開始されると、モータM5,M6が
ワイヤフィーダを駆動し、ワイヤwa2,wa1をワイ
ヤパックwpから溶接トーチ30T,30Lにそれぞれ
供給する。溶接トーチ30LのモータM8は、溶接トー
チ30Lの突出長(開先bとの距離)を所定値(後述す
る制御回路からの通電指令に基づく)に調整し、モータ
M9が溶接速度Vに応じた速さで、溶接トーチ30Lを
オシレート駆動する。また、溶接トーチ30Tのモータ
M10は、溶接トーチ30Tの突出長(開先bとの距
離)を所定値(後述する制御回路からの通電指令に基づ
く)に調整し、モータM11が溶接速度Vに応じた速さ
で、溶接トーチ30Tをオシレート駆動する。
【0026】溶接ト−チ30Lおよび30Tのそれぞれ
の先端には、本発明の実施のために二重シールド(2
0)が装着されている。図4に、溶接ト−チ30Lに装
着されている二重シールド20の縦断面を拡大して示
す。溶接ト−チ30Lはその先端の溶接チップ6から溶
接ワイヤwa1を開先内に給送しかつシ−ルドガスを吹
出すものである。この溶接ト−チ30Lに二重シ−ルド
20が装着されている。二重シ−ルド20は、溶接ト−
チ30Lに固着されたアタッチメント21,このアタッ
チメント21に固着されている内ノズル22および外ノ
ズル23を含む。内ノズル22は溶接チップ6を包囲し
溶接ト−チ30Lから吹き出されるシ−ルドガス(第1
シ−ルドガス)をチップ6に沿って下方に案内する。こ
の第1シ−ルドガスは、内ノズル22の下端開口から、
チップ6の外方に露出する溶接ワイヤwa1の周辺に吹
き出す。外ノズル23は下半分が円錐筒状に拡がったも
のであり、この外ノズル23に溶接ト−チ30Lの外部
から第2シ−ルドガスGが供給され、これが内ノズル2
3の外周面に沿って下端開口から、第1シ−ルドガスの
外側に吹き出される。溶接ワイヤwa1直下の溶融部
は、第1シ−ルドガスと第2シ−ルドガスで二重にシー
ルドされる。以下において、第1シ−ルドガスに加えて
第2シ−ルドガスをも吹き出す態様を「二重シ−ルド」
と称し、第1シ−ルドガスのみを吹き出す態様を「二重
シ−ルドなし」、又は「単一シ−ルド」と称す。
【0027】次に、連続的に溶接線方向(Y方向)およ
びそれと直交する直角方向(X方向)に傾斜したが傾斜
(以下スロープという)し、及び溶接線直角方向(X方
向)傾斜(以下ローテーションという)を有した曲面状
のワ−クW1とW2の、上述の溶接装置1を用いた片面
溶接を説明する。なお、溶接線方向(Y方向)のワ−ク
の傾斜をスロープと称し、直角方向(X方向)のワ−ク
の傾斜をローテーションという。
【0028】ワ−クW1,W2(被溶接材)が形成する
開先は、図6に示すように開先角度30〜65°のV
(図6の(a))またはY(図6の(b))形状とし、
溶接中に開先ずれを起こさないように、開先内面を仮付
け溶接により仮付けする。開先の裏面には裏当材BPを
当て、開先内に鋼粒または鉄粉を板厚の1/4以上2/3以下
の高さに散布し、先行溶接電極ワイヤwa1(ト−チ3
0L)に40回/分以上150回/分以下、後行溶接電極ワ
イヤwa2(ト−チ30T)に30回/分以上120回/分
以下の揺動を与える。この揺動の一単位すなわち一回
は、一往復動である。先行溶接電極ワイヤwa1の溶接
電流密度をワイヤ断面積当り200A/mm2以上、後行溶
接電極ワイヤwa2の溶接電流密度をワイヤ断面積当り
150A/mm2以上とし、先行(L極)および後行(T
極)の溶接電極ワイヤwa1,wa2の極間距離Dwを
100mm以上600mm以下として2電極片面ガスシールドアー
ク溶接を行うことにより、アークが安定し耐割れ性およ
び良好な表,裏ビードが得られるとともに高能率な溶接
ができる。なお、極間距離Dwは、図8に示すように、
ワ−クに沿っての、先行溶接電極ワイヤwa1と後行溶
接電極ワイヤwa2との距離である。
【0029】図7に、数種の板厚の多電極片面ガスシー
ルドアーク溶接における鋼粒散布高さと裏ビードの形状
の関係を示す。その時の溶接諸条件を表1に示す。実験
にあたっては、各板厚に応じて電流,揺動幅(オシレ−
ト幅),揺動回数(オシレ−ト回数;回/分)を変化さ
せた。なお、表1上の「ル−トギャップ」は、開先横断
面での、相対向ワ−クW1,W2間の最短距離を意味す
る。図6の(b)にル−トギャップを示した。
【0030】
【表1】
【0031】なお、図7の評価の欄の丸記号はは裏ビー
ド形状良好を意味し、三角記号は裏ビード形状不良を意
味し、×記号は裏ビード形状悪いあるいは溶け落ちが発
生したことを意味する。
【0032】図7より、各板厚の開先内に鋼粒を板厚の
1/4以上2/3以下の高さに散布して溶接することにより、
裏ビード形状が良好になることが分かる。散布高さが板
厚の2/3を超えると裏ビード形状が悪いか、裏ビードが
形成されない。また1/4未満では溶け落ちが発生した。
【0033】なお、鋼粒または鉄粉の粒度分布は粒径1.
5mm以下であることがアークの安定性および裏ビードの
形状を良好にすることから好ましい。また、成分は主に
Feからなるが、耐割れ性からCは0.10%以下、S
およびPは0.020%以下が好ましく、他の成分は、溶接
金属の強度靱性を考慮してSi,Mn,Moを、その他に
脱酸剤や合金剤を含有させることもできる。以上の粒度
と成分を満足すれば、各種サイズの鋼ワイヤをカットし
た粒状体でも良い。
【0034】開先角度30°未満では裏ビードの均一性が
悪くなり、開先角度が65°を超えると開先断面積が大き
くなるので溶接能率が低下する。
【0035】開先内面を仮付けをすることにより、溶接
中のギャップ変動を少なくできる。また、裏当材BPと
してセラミック固形裏当材を使用の場合は、被溶接部裏
面に裏当材BPを接合させるだけの弱い支持力で、被溶
接材に対して裏当材BPを支持すればよく、マグネット
や拘束用治具を用いる必要がなくなる。したがって、労
力の低減が図れる。裏当材BPは、セラミック固形裏当
材の他に、ガラステープ併用の銅板裏当材またはフラッ
クス銅裏当材のいずれを用いても同様の効果が得られ
る。
【0036】なお、開先内面への仮付けは溶接長全線ま
たは部分的でも良い。また、仮付けビードの高さは裏ビ
ードを安定に出すために7mm以下で、かつ、仮付けを完
全にするために2mm以上とすることが好ましい。
【0037】また、ルートギャップは5mm以下、Y開先
でのルートフェイス(図6の(b)参照)は3mm以下で
あることが、板継ぎ溶接の安易さおよび裏ビードが安定
して出るので好ましい。ルートギャップが5mmを超える
と開先断面積が広くなるので溶接能率が低下する。
【0038】先行溶接電極ワイヤwa1のワイヤ断面積
当りの溶接電流密度が200A/mm2未満では、安定した裏
ビードが得られない。特に仮付け部での未溶融部が発生
する。
【0039】後行溶接電極ワイヤwa2のワイヤ断面積
当りの溶接電流密度が150A/mm2未満では、溶け込み
不良が発生する。
【0040】なお、先行溶接電極ワイヤwa1は、JIS
Z 3312およびZ 3325に規定される軟鋼および高張力鋼
用,低温用鋼用のソリッドワイヤのいずれにおいても良
好な結果が得られるが、特に溶接金属に高い靱性を要求
される場合はJIS Z 3325に規定される低温用鋼用ソリッ
ドワイヤを用いることが好ましい。
【0041】また、ワイヤ径は、ワイヤ断面積当りの溶
接電流密度が高いことから、溶接作業性および裏ビード
形状を良好とするために、先行電極ワイヤwa1では1.
4mm以上2.0mm以下、後行電極ワイヤwa2では1.2mm以
上2.0mm以下であることが好ましい。
【0042】先行電極ワイヤwa1(ト−チ30L)の
揺動回数(回/分)は、裏ビード形状を良好にするため
に40回/分以上150回/分以下とする。40回/分未満で
はビード波形が粗くなり良好な裏ビード形状が得られな
い。150回/分超ではアークが不安定となり良好な裏ビ
ード形状が得られない。また、後行電極ワイヤwa2の
揺動回数(回/分)は、表ビード形状を良好にするため
に30回/分以上120回/分以下とする。30回/分未満で
はビード波形が粗くなり良好な表ビード形状が得られな
い。120回/分超ではアークが不安定となり良好な表ビ
ード形状が得られない。
【0043】電極揺動幅(オシレ−ト幅)は、ビード表
面を良好にする目的で板厚に応じて段階的に変化させ
る。板厚10mm程度では先行電極ワイヤwa1の揺動幅は
4mm、後行電極ワイヤwa2の揺動幅は6mmとするのが好
ましく、板厚25mm程度では先行電極ワイヤwa1の揺動
幅を10mm、後行電極ワイヤwa2の揺動幅を15mmとする
のが好ましい。
【0044】先行(L極)と後行電極(T極)の電極間
距離Dw(図8)は、100mm未満ではアークが不安定と
なり、かつ裏ビードが出すぎとなり、600mmを超えると
靱性改善には効果があるものの装置が大きくなるので好
ましくない。
【0045】なお、溶接速度は板厚に応じて決められる
が、板厚10mm程度の場合40cm/min以上45cm/min以下、板
厚25mm程度では15cm/min以上20cm/min以下で良好な溶接
が可能となる。
【0046】電極(ワイヤwa1,wa2)の揺動は、
溶接線と直角方向かつ被溶接材板面と平行、または、溶
接線と直角方向かつ水平面と平行のいずれとしても、同
様の効果が得られる。
【0047】板面に対するワイヤ進入角度γ(図2)
は、先行および後行電極とも垂直または前進角15°程
度まで良好なビード形状が得られる。
【0048】次に本発明における後行電極ワイヤwa2
に用いるフラックス入りワイヤの成分限定根拠を記述す
る。 TiO2:2.5%以上 7.0%以下 TiO2は、溶接ビードに対するスラグ形成剤およびア
ーク安定剤としての性質を示すが、ワイヤ全重量に対し
て2.5%未満では良好な表ビード形状が得られない。ま
た7.0%を超えると溶接金属中に酸素量が増加し、大形
の非金属介在物が増加するためミクロ組織が微細化され
ず、靱性が低下するのでその範囲を2.5%以上 7.0%以
下とした。 ZrO2:0.4以上1.0% 以下 ZrO2は、スラグの凝固速度と溶融金属のスラグ被包
性を高めビード外観を良好にする。またTiO2と同様
に、高温での蒸気圧が低く溶滴の細粒化にも効果があり
スパッタが減少する。しかし、0.4%未満ではこの効果
が得られず、表ビード外観が不良になるとともにスパッ
タ発生量が多くなる。また1.0%を超えると凝固温度が
高いためスラグ巻き込み等の欠陥が発生し易くなるので
その範囲を0.4以上1.0% 以下とした。 Al23:0.1%以上 1.0%以下 Al23は、ZrO2と同様にスラグの凝固速度と溶融
金属のスラグ被包性を高めビード外観を良好にする。し
かし、0.1%未満ではこの効果が得られない。また1.0%
を超えるとスラグ巻き込み等の欠陥が発生し、スラグの
剥離性が低下するのでその範囲を0.1%以上 1.0%以下
とした。 Si:0.2以上 1.2%以下 Siは、脱酸剤として作用し溶接金属の酸素量を低減さ
せる上で効果がある。しかし、0.2%未満では脱酸力が
不足しブローホールが発生し、また1.2%を超えるとフ
ェライトを固溶硬化させ靱性を低下させるので、その範
囲を0.2以上 1.2%以下とした。 Mn:1.0以上 4.0%以下 Mnは、脱酸を補助し溶融金属の流動性を高め、ビード
形状を改善するとともに、強度靱性を改善する上でも効
果がある。しかし、1.0%未満では脱酸不足となり溶接
欠陥が発生し易く、また4.0%を超えると溶接金属が脱
酸過剰となりピットやブローホールが発生し易くなるの
でその範囲を1.0以上 4.0%以下とした。
【0049】Mg:0.1以上 1.0%以下 Mgは、高温のアーク中において酸素と反応し、ワイヤ
先端の溶滴の段階で脱酸反応が行われる。その結果、脱
酸生成物が溶融池内に残留しないこと、更には溶融池内
で反応するSi,Mnの脱酸反応を助け、溶接金属の酸
素量を減少させ靱性を向上する上で効果がある。しか
し、0.1%未満では上記効果が不足し、また1.0%を超え
るとアーク長が過大となりビード形状が悪くなるので、
その範囲を0.1以上 1.0%以下とした。Na,K:N
a,Kの1種または2種の合計で0.003以上 0.3%以下 Na,Kは、アーク安定性を高め母材の掘り込みを緩和
する効果がある。しかし、0.03%未満では上記効果が得
られない。また0.3%を超えるとアーク長が長くなりす
ぎスパッタ量,ヒューム量が増加する。
【0050】また、低温における靱性を要求される場合
は、前記フラックス入りワイヤに、更にNi,Tiおよ
びBを下記の範囲で添加する。 Ni:0.3以上 3.0%以下 Niは、強度,低温靱性を確保するために添加するが、
0.3%未満では十分な靱性改善効果が得られず、また3.0
%を超えると高温割れが発生し易くなるので0.3以上 3.
0%とした。 Ti:0.02以上 0.2%以下 Tiは、強脱酸剤であり溶接金属の酸化を防ぎ、かつT
i酸化物の生成により溶接金属のミクロ組織を微細化
し、靱性改善に効果がある。しかし、0.02%未満ではミ
クロ組織の微細化による靱性改善効果が得られず、また
0.2%を超えると炭化物を著しく形成し靱性を損なうの
で、その範囲を0.02以上 0.2%以下とした。
【0051】B:0.002以上 0.015%以下 Bは、溶接金属のミクロ組織を微細化し、靱性改善に効
果がある。しかし、0.002%未満ではミクロ組織の微細
化による靱性改善効果が得られず、また0.015%を超え
ると耐割れ性が劣化するとともに、炭化物を形成し著し
く靱性を損なうので、その範囲を0.002以上 0.015%以
下とした。
【0052】なお、溶接金属のミクロ組織をさらに微細
にして靱性を改善するためにAl:0.30%以下、Zr:
0.20%以下の範囲で添加できる。また、溶接金属の強度
の調整として、Crを2.5%以下、Moを2%以下で添加
できる。
【0053】本発明では、開先内に鋼粒または鉄粉を散
布するため、先行電極ワイヤwa1にはフラックス入り
ワイヤに比べ溶け込みの深い鋼ワイヤを用いるが、ワイ
ヤ断面積当りの電流密度を高くし、さらには電極ワイヤ
を揺動するためスパッタの発生量が多い。したがって、
シールド効果が高く、スパッタ発生量を少なくするため
に、少なくとも先行電極ワイヤwa1を二重シールドす
る。
【0054】表2に示す溶接諸条件により、特にスパッ
タ発生量の多い先行溶接におけるスパッタ発生量を調査
した。
【0055】
【表2】
【0056】電流を300A、400A、500A、の3段階に
変化させ、従来法(単一シ−ルド)と2重シールドした
場合のスパッタ発生量を調査した。通常、従来法でのス
パッタ発生量は電流を高めるにつれて増加するが2.0〜
5.0g/min程度であるので、それ以下を良好と評価し
た。図9に溶接電流とスパッタ発生量の関係を示す。二
重シールドすると、従来法(単一シ−ルド)に比べ電流
の変化に関係なくスパッタ発生量は2.0g/min以下であ
った。
【0057】以下実施例と比較例を説明する。
【0058】
【実施例】
−実施例1− 表3に示す鋼材と表4に示す先行電極(wa1)用鋼ワ
イヤおよび表5に示す後行電極(wa2)用のフラック
ス入りワイヤとを組合せ、表6〜表11に示す開先形
状,鋼粒または鉄粉の散布、曲面状態および溶接条件
で、溶接長1500mmの2電極片面ガスシールドアーク溶接
を行った。溶接速度は板厚に応じて、15m/min以上 450m
/min以下で行った。なお、開先内面の仮付けは、被覆ア
ーク溶接棒を用い300mmおきに30mm長さで6カ所行っ
た。
【0059】溶接後に、表,裏ビード外観,割れの有無
および衝撃値を調査した。衝撃値は、溶接後の試験体の
板厚中央部からJIS Z2202 4号の衝撃試験片を採取して
0℃でその衝撃値を測定した。
【0060】なお、割れの有無は浸透探傷試験およびマ
クロ断面で調査した。それらの結果も表6〜表11にま
とめて示す。なお、表6〜表11は、1つの大きな表を
6分割したものであり、それらの表を、次の配列として 表6 表8 表10 表7 表9 表11 隣り合う表中の重複表記部を重ね合せて同一面上に並べ
ることにより、1つの表が現われる。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】
【表11】
【0070】表6〜表11中のNo.1〜8が本発明に
よる溶接方法の実施例、No.9〜28が比較例であ
る。本発明の実施例であるNo.1〜8は、開先形状,
鋼粒または鉄粉の散布高さ,電極の揺動回数,溶接電流
密度および後行電極wa2のワイヤ成分が適正で、しか
も少くとも先行溶接電極ワイヤwa1を二重シールドし
たので、表,裏ビード外観共良好であり高温割れ等の欠
陥も無く衝撃値も極めて良好な結果であった。
【0071】比較例中No.9は、開先角度が狭いので
裏ビードが不均一になり、後行電極ワイヤwa2(表5
上のF5)のSiおよびMnが低いので、ブローホール
が発生した。No.10は、開先が広く、溶接による盛
り上がりが少なく、また裏ビードが出過ぎた。さらに、
後行電極ワイヤwa2(F6)のSiが高いので靱性が
低く、またMgが高いので表ビードの外観が不揃いとな
った。No.11は、鋼粒の散布量が低いので、溶融金
属の溶け落ちが発生した。No.12は、鋼粒の散布量
が高いので、裏ビードが出なかった。No.13は、後
行電極ワイヤwa2(F7)のMnが高いので、ブロー
ホールが発生した。またNa,Kの合計量が多いので、
スパッタ発生量が多くなった。
【0072】No.14は、後行電極ワイヤwa2(F
8)のMgが少ないので、靱性が低く、またNa,Kの
合計量が少ないので、アークが不安定となった。No.
15は、先行電極ワイヤwa1の溶接電流密度が低いの
で、裏ビードが出なかった。No.16は、後行電極ワ
イヤwa2の溶接電流密度が低いので、表ビードの外観
が不良であった。No.17は、先行電極ワイヤwa1
の揺動回数が少ないので、裏ビードが不揃いになった。
No.18は、後行電極ワイヤwa2の揺動回数が少な
いので、表ビード外観が不良であった。No.19は、
先行電極ワイヤwa1の揺動回数が多いので、アークが
不安定となり裏ビードが不揃いになった。No.20
は、後行電極ワイヤwa2の揺動回数が多いので、アー
クが不安定となり表ビードが不良であった。No.21
は、先行および後行電極ワイヤwa1,wa2の極間距
離Dwが小さいので、アークが不安定となり、また溶接
金属の溶け落ちが発生した。No.22は、後行電極ワ
イヤwa2(F9)のTiO2が少ないので、表ビード
の外観が不良であった。No.23は、後行電極ワイヤ
wa2(F10)中のTiO2が多いので、靱性が低か
った。No.24は、後行電極ワイヤwa2(F11)
のZrO2が少ないので、溶融金属へのスラグ被包性が
悪く、ビード外観が不良で、スパッタ発生量も多くなっ
た。No.25は、後行電極ワイヤwa2(F12)の
ZrO2が多いので、スラグ巻込みが発生した。No.
26は、後行電極ワイヤwa2(F13)のAl23
少ないので、溶接金属へのスラグ被包性が悪く表ビード
外観が不良であった。No.27は、後行電極ワイヤw
a2(F14)のAl23が多いので、スラグ巻き込み
欠陥が発生し、かつスラグ剥離が悪くなった。No.2
8は、二重シールドしていないので、スパッタ発生量が
多くなった。 −実施例2− 表12に示す低温用鋼材と表4に示す鋼ワイヤおよび表
13に示すフラックス入りワイヤとを組合せ、実施例1
と同様に2電極片面ガスシールドアーク溶接を行った。
なお、各試験とも先行および後行電極ワイヤwa1,w
a2を二重シールドした。また、靱性の評価は、−20℃
での衝撃値を調べた。それらの結果を表14,表15,
表16にまとめて示す。なお、表14〜表16は、1つ
の大きな表を3分割したものであり、それらの表を、次
の配列として 表14 表15 表16 隣り合う表中の重複表記部を重ね合せて同一面上に並べ
ることにより、1つの表が現われる。
【0073】
【表12】
【0074】
【表13】
【0075】
【表14】
【0076】
【表15】
【0077】
【表16】
【0078】表14〜表16中のNo.29〜33が本
発明による溶接方法の実施例、No.34〜39が比較
例である。本発明例であるNo.29〜33は、開先形
状,鋼粒または鉄粉の散布高さ,電極の揺動回数,溶接
電流密度および後行電極ワイヤwa2(F15〜F1
8:表13)の充填フラックス成分が適正で、しかも先
行および後行溶接電極ワイヤwa1,wa2を二重シー
ルドしてあるので、表,裏ビード外観共良好であり、高
温割れ等の欠陥も無く靱性も極めて良好な結果であっ
た。
【0079】比較例中No.34は、後行電極ワイヤw
a2(F19)のNiが少ないので、靱性が低かった。
No.35は、後行電極ワイヤwa2(F20)のNi
が多いので、高温割れが発生した。No.36は、後行
電極ワイヤwa2(F21)のTiが少ないので、靱性
が低かった。No.37は、後行電極ワイヤwa2(F
22)のTiが多いので、靱性が低かった。No.38
は、後行電極ワイヤwa2(F23)のBが少ないの
で、靱性が低かった。No.39は、後行電極ワイヤw
a2(F24)中のBが多いので、靱性が低かった。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、短
尺から長尺の曲面状の溶接構造物の片面溶接を、溶接作
業性,耐割れ性および裏、表ビードが良好で、健全で高
靱性の溶接部が得られるとともに、開先断面積を小さく
でき、溶接中に複雑な操作を必要としない1ラン溶接の
ため、板継ぎ作業能率を安易に大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を一態様で実施する装置装置1を斜め
上方から見下した斜視図であり、機構要素は簡略化して
示す。
【図2】 図1に示す溶接装置1を図1に示した一点鎖
線矢印2A方向より見た側面図であり、一部分は断面を
示す。
【図3】 図1に示す溶接装置1を図1に示した一点鎖
線矢印3A方向より見た正面図であり、一部分は断面を
示す。
【図4】 図1に示す溶接ト−チ30Lに装備された二
重シールド20の拡大縦断面図である。
【図5】 図1に示す被溶接材W1,W2の斜視図であ
る。
【図6】 (a)は、図1に示す被溶接材W1,W2間
のV開先を示す拡大正面図、(b)は被溶接材W1,W
2がY開先の場合の、該開先を示す拡大正面図である。
【図7】 明細書上の表1に示す溶接条件で、数種の板
厚の被溶接材の開先を溶接したときの、板厚と鋼粒散布
高さとの組合せの分布を示すグラフであり、組合せ点
に、裏ビ−ド形状の良否を示す記号を付した。
【図8】 図1に示す溶接装置1の、先行電極ワイヤw
a1と後行電極ワイヤwa2との間の距離すなわち極間
距離Dwを示す側面図である。
【図9】 溶接電流値とスパッタ発生量との関係を示す
グラフであり、従来法は単一シ−ルドの場合を示す。
【符号の説明】
1:溶接装置 2:センサ
ベース 3:ト−チ支持フレ−ム 4:Y走行
台車 4a〜d:車輪 5:ワイヤ
供給装置 6:溶接チップ 8:制御回
路 9:ペンダント 10:旋回
軸 12:昇降管 13a〜
c:レール 14:管 14a:排
出口 20:二重シ−ルド 21:アタ
ッチメント 22:内ノズル 23:外ノ
ズル 30L,30T:溶接トーチ 31a:回
転軸 b:開先 F:水平床
面 M1〜M11:モータ M4s:ネ
ジ棒 X1,X2:X方向レール RX:Xレ
ール対 Y1,Y2:X走行台 Yz:支持
柱 RY:Y方向レ−ル O:回転中
心線 P1〜P5,P7:ポテンショメータ P6:ロー
タリエンコーダ W1,W2:ワーク(被溶接材) wa1,w
a2:溶接電極ワイヤ wp:ワイヤパック
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B23K 9/095 501 B23K 9/095 501F 9/127 503 9/127 503L 9/16 9/16 M 9/29 9/29 L 35/368 35/368 B (72)発明者 和 田 達 郎 千葉県習志野市東習志野7丁目6番1号 日鐵溶接工業株式会社 機器事業部内 (72)発明者 宮 崎 建 雄 熊本県玉名郡長洲町大字有明1番地 日 立造船株式会社有明工場内 (72)発明者 中 島 義 男 熊本県玉名郡長洲町大字有明1番地 日 立造船株式会社有明工場内 (56)参考文献 特開 平9−206945(JP,A) 特開 昭52−3545(JP,A) 特開 平10−109165(JP,A) 特開 昭50−67245(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/00 - 9/29

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2電極片面ガスシールドアーク溶接方法
    において、曲面状の被溶接材の、内面を仮付けしたVま
    たはY形状の開先の、開先角度を30〜65°とし、開
    先裏面に裏当材を当て、該開先内に鋼粒または鉄粉を被
    溶接材板厚の1/4以上2/3以下の高さまで充填し、先行お
    よび後行の溶接電極ワイヤ間の極間距離を100mm以上600
    mm以下とし、先行および後行の溶接電極ワイヤの溶接電
    流密度をそれぞれ200A/mm2以上および150A/mm2以上
    とし、かつ先行および後行の溶接電極ワイヤをそれぞれ
    40回/分以上150回/分以下および30回/分以上120回/
    分以下で揺動駆動することを特徴とする2電極片面ガス
    シールドアーク溶接方法。
  2. 【請求項2】 後行溶接電極ワイヤは、ワイヤ全重量に
    対して重量%で、 TiO2:2.5%以上 7.0%以下 ZrO2:0.4%以上 1.0%以下 Al22:0.1%以上 1.0%以下 Si:0.2%以上 1.2%以下 Mn:1.0%以上 4.0%以下 Mg:0.1%以上 1.0%以下 を含有し、更にNaおよびKの1種または2種の合計が
    0.03%以上0.3%以下であるフラックスを充填したフラ
    ックス入りワイヤである、請求項1記載の2電極片面ガ
    スシールドアーク溶接方法。
  3. 【請求項3】 後行溶接電極ワイヤは、ワイヤ全重量に
    対して重量%で、 Ni:0.3%以上 3.0%以下 Ti:0.02%以上 0.2%以下 B:0.002%以上 0.015%以下 を含有するフラックスを充填したフラックス入りワイヤ
    である請求項2記載の2電極片面ガスシールドアーク溶
    接方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも先行電極ワイヤを第1シ−ル
    ドガスおよび第2シ−ルドガスで二重シールドする、請
    求項1、請求項2又は請求項3記載の2電極片面ガスシ
    ールドアーク溶接方法。
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