JP3383693B2 - アルミナセラミックス及びその製造方法 - Google Patents

アルミナセラミックス及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス及びその
製造方法に関し、特に高電位の電荷の蓄積をなくすアル
ミナセラミックス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは高い絶縁性を有している
ため、その特性を生かして電気部品としてIC基板の
他、高圧碍子、点火プラグ等に盛んに利用されている。
これら絶縁性の高いセラミックスの中では、安価である
などの利点からアルミナセラミックスが現在最も広く使
われており、このアルミナセラミックスの絶縁抵抗は、
体積抵抗率で1014Ω・cm以上と高い。
【0003】ところが、このアルミナをIC基板として
使用した場合、IC基板に搭載されている半導体などの
チップが静電破壊を起こすという問題があった。これ
は、アルミナが1014Ω・cm以上という非常に高い
体積抵抗率を有しているため、絶縁性が良い反面、基板
に形成された導体に通電されると基板に電荷が蓄積され
て高電位を生じ、その蓄積された高電位の電荷が放電さ
れた時に、ICチップに電流が流れて静電破壊に至らし
めるのである。
【0004】そこで、ICチップの静電破壊の原因とな
る高電位の電荷の蓄積をなくすため、IC基板であるア
ルミナ基板内部に一定量のリーク電流を流す方法が試み
られている。
【0005】この方法の中で、現在では、Al
焼結してアルミナ基板を作製する際に、原料の中にN
a、K、Ca等のアルカリ、又はアルカリ土類の酸化物
を添加して焼結することで、得られるAl焼結体
の体積抵抗率を1010〜1012Ω・cmに下げるこ
とにより、高電位の電荷の蓄積をなくす方法が有効とさ
れている。これは、体積抵抗率を1010〜1012Ω
程度に下げれば微量の電流(リーク電流)が流れ、その
結果、高電位の電荷が溜まらないからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなア
ルカリ、又はアルカリ土類の酸化物を添加する方法は、
体積抵抗率を1010〜1012Ω・cmに下げられる
が、焼結体の誘電率がNa、K、Ca等の影響で大きく
なってしまい、信号の伝搬遅延を引き起こすなど、IC
基板としては十分な特性を有していないという問題があ
った。
【0007】本発明は、上述した従来のアルミナセラミ
ックスが有する課題に鑑みなされたものであって、その
目的は、誘電率をアルミナセラミックス本来の値に抑え
ながら、絶縁抵抗を体積抵抗率で1010〜1012Ω
・cmに下げることで高電位の電荷の蓄積をなくすアル
ミナセラミックスとその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、90重量%以上の酸化アルミニウム
(Al)を含むアルミナ焼結体を用い、該焼結体
に炭素を含浸させれば、体積抵抗率を1010〜10
12Ω・cmに下げることが出来るとの知見を得て本発
明を完成した。
【0009】このアルミナセラミックスは、導電性の炭
素を含浸しているため、体積抵抗率を下げることが出来
る。そして、含浸される炭素の量を制御することによ
り、体積抵抗率を1010〜1012Ω・cmに調整す
ることが出来る。また、アルカリ、又はアルカリ土類の
酸化物を添加していないので、焼結体の誘電率を高くす
ることはない。
【0010】また、上記アルミナセラミックの製造方法
としては、90重量%以上の酸化アルミニウム(Al2
3)を含むアルミナ焼結体を、カーボン、又はマグネ
シア等のルツボ内に入れて、平均粒径が0.2〜5.0
μmのAl23粉末で埋めた後、該ルツボをヒーターと
して炭素を用いる炉内に収容し、アルゴン、又は窒素雰
囲気中において、加熱温度が1000〜1600℃、雰
囲気圧力が10〜2000気圧、加熱時間が10分〜1
0時間で加熱処理する製造方法とした。
【0011】上記アルミナ焼結体の原料としては、Al
23の純度が95%以上、好ましくは99%以上で、平
均粒径が0.1〜5μm、好ましくは0.2〜1.5μ
のアルミナ粉末を用いて、プレス成形、CIP成形、
射出成形、鋳込み成形など汎用の方法で成形する。こう
して得られた成形体を、温度が1200〜1700℃、
好ましくは1350〜1600℃で、時間が1〜30時
間、好ましくは5〜20時間で大気中で焼成し、アルミ
ナ焼結体を作製する。このアルミナ焼結体のAl23
純度としては、上記原料の他に添加物等を加えた場合で
も90%以上であればよい
【0012】こうして得られたアルミナ焼結体を、カー
ボン、又はマグネシア等のルツボ内に入れて、アルミナ
粉末で埋めた後、炉内に収容してアルゴン、又は窒素雰
囲気中において加熱処理するが、この場合、加熱するヒ
ーターとして炭素質のヒーターを用いることが必要であ
る。この炭素質ヒーター中の炭素が、アルミナ焼結体の
加熱処理中に飛散し、その飛散した炭素がアルミナ焼結
体中に含浸して体積抵抗率を下げることになる。
【0013】炭素を含浸させる条件としては、単にアル
ゴン、又は窒素雰囲気中で焼成するだけでなく、高温、
高圧下で適切な時間熱処理しなければならない。即ち、
加熱温度が1000〜1600℃、好ましくは1200
〜1500℃、雰囲気圧力が10〜2000気圧、好ま
しくは1000〜2000気圧、加熱時間が10分〜1
0時間、好ましくは1〜10時間で加熱処理する必要が
ある。
【0014】これら、加熱温度、雰囲気圧力、加熱処理
時間をこの範囲で適宜選ぶことにより、アルミナ焼結体
に含浸される炭素の量を変えることが出来、アルミナ焼
結体の体積抵抗率を調整することが出来る。例えば、加
熱温度が高いほど、雰囲気圧力が高いほど、また、加熱
処理時間が長いほど体積抵抗率は小さくなり、つまり電
気を通し易くなって高電圧の電荷が蓄積しにくくなる。
しかし、これら加熱処理条件の上限は、経済的な面から
自ずと制限があり、また、アルミナ焼結体の体積抵抗率
も下がりすぎると絶縁性の面から支障を来すことになる
ので、適切な加熱処理条件及び体積抵抗率を選ぶ必要が
ある。
【0015】また、アルミナ焼結体をアルミナ粉末に埋
めるのは、熱処理の際に飛散して含浸される炭素の量を
調整するためで、アルミナ粉末の粒径が大きいほど含浸
される炭素の量が多く、また粒径が小さいほど少ない
が、その平均粒径は0.2〜5.0μmの範囲のものが
好ましい。
【0016】以上、アルミナ焼結体を、ヒーターとして
炭素を用いた炉内に収容し、アルゴン、又は窒素雰囲気
中で高温、高圧下で熱処理することにより、体積抵抗率
が1010〜1012Ω・cmであるアルミナセラミッ
クスを得ることが出来る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより詳細に説明する。
【0018】(実施例1) (1)アルミナ焼結体の作製 アルミナ粉末(大明化学工業(株)製:純度99.99
%)10gを、断面が50×30mmの金属金型を用い
て500kg/cmの圧力にて一軸加圧成形し、一次
成形体を作製した。この一次成形体をゴム袋に入れ真空
封入し、油中で1.5ton/cmで等方加圧成形
し、焼結用の成形体を得た。
【0019】得られた成形体を、大気中で昇温速度が1
00℃/minで1350℃まで昇温し、3時間保持し
た後、100℃/minの速度で降温して焼結体を得
た。
【0020】(2)炭素を含浸させたアルミナセラミッ
クスの製造方法得られた焼結体を、内面に窒化ほう素を
塗布したカーボンルツボの中に入れて、平均粒径が1.
μmのアルミナ粉末(昭和電工(株)製:純度99.
9%)でアルミナ焼結体を埋めた後、炭素ヒーターを使
用した炉の中に収容し、室温時に圧力が600kg/c
2であるアルゴンを炉内に充填し、その雰囲気中で昇
温速度が200℃/minで1300℃まで昇温し、1
800気圧で5時間保持した後、100℃/minの速
度で降温した。
【0021】(3)評価 得られた炭素を含浸させたアルミナセラミックスに50
0Vの電圧を印加し、その時の体積抵抗率を測定した。
また、該セラミックスの誘電率εをLCRメータにて
測定した。それらの結果を表1に示す。
【0022】(実施例2〜15)実施例1の加熱処理条
件を表1に示す条件に変えてアルミナセラミックスを製
造(実施例2〜10)し、また、実施例1のアルミナ粉
末のAlの純度を99.9%に変えてアルミナセ
ラミックスを製造(実施例11〜15)して実施例1と
同じく評価した。その結果を表1に示す。
【0023】(比較例1〜3)比較のために、実施例1
の加熱処理条件を、表1の如く本発明の範囲外にしてア
ルミナセラミックスを製造し、実施例1と同じ方法で評
価した。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】(比較例4)また、アルカリ、又はアルカ
リ土類の酸化物を添加したアルミナセラミックスとの対
比をみるため、アルミナ粉末(大明化学工業(株)製:
純度99.99%)99重量%と添加物として酸化カリ
ウム(KO)1重量%を、700ccの樹脂製ポット
ミルで直径10mmのアルミナボールを用いて水中で1
6時間混合し、それを乾燥した10gを、断面が50×
30mmの金属金型を用いて500kg/cmの圧力
にて一軸加圧成形し、一次成形体を作製した。この一次
成形体をゴム袋に入れ真空封入し、油中で1.5ton
/cmで等方加圧成形し、焼結用の成形体を得た。
【0026】得られた成形体を実施例1と同様にアルミ
ナ焼結体を作製し、作製した焼結体を実施例1と同じ方
法で評価した。その結果を表1に示す。
【0027】(比較例5)さらに、炭素を含浸させるこ
となく、アルカリ、又はアルカリ土類の酸化物を添加し
ないアルミナセラミックスとの対比をみるため、実施例
1と同様にアルミナ焼結体を作製し、作製した焼結体を
実施例1と同じ方法で評価した。その結果を表1に示
す。
【0028】表1から明らかなように、実施例1〜15
においては、炭素を含浸させる加熱温度、加熱する雰囲
気の種類、雰囲気圧力、加熱処理時間が本発明の範囲に
あるので、体積抵抗率はいずれも1010〜1012Ω
・cmの範囲にあり、また誘電率も8.0前後と従来の
アルミナセラミックス(比較例5)の値とほぼ同じであ
る。
【0029】これに対して本発明の範囲外、即ち、加熱
処理条件が範囲外にある比較例1〜3においては、体積
抵抗率が1012Ω・cmを超えている。また炭素を含
浸させないで酸化カリウムを添加した焼結体(比較例
4)は、体積抵抗率は1010〜1012Ω・cmの範
囲にあるものの誘電率が大きくなっている。さらに炭素
を含浸させることなく、アルカリ、又はアルカリ土類の
酸化物を添加しない焼結体(比較例5)は、体積抵抗率
が大幅に1012Ω・cmを上回っていて、いずれも満
足なアルミナセラミックスが得られなかった。。
【0030】
【発明の効果】以上の通り、本発明にかかるアルミナセ
ラミックスの製造方法を採用することにより、誘電率を
アルミナセラミックス本来の値に抑えながら、絶縁抵抗
を体積抵抗率で1010〜1012Ω・cmに下げるこ
とで高電位の電荷の蓄積をなくすアルミナセラミックス
を得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岸 千丈 東京都杉並区荻窪2−17−4 (56)参考文献 特開 平3−271183(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/111 C04B 41/85 C04B 41/87

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 90重量%以上の酸化アルミニウム(Al
    2O3)を含むアルミナ焼結体にアルカリ又はアルカリ土
    類金属酸化物を添加する替わりに炭素を含侵させ、該焼
    結体の体積抵抗率を1010 〜1012 Ω・cm且つ誘電
    率8.2以下としたことを特徴とするアルミナセラミッ
    クス。
  2. 【請求項2】 90重量%以上の酸化アルミニウム(Al
    2O3)を含むアルミナ焼結体を、カーボン、又はマグネ
    シウムのルツボ内に入れて、平均粒子径が0.2〜5.
    μmのAl2O3粉末で埋めた後、該ルツボをヒーターと
    して炭素を用いる炉内に収納し、アルゴン、又は窒素雰
    囲気下において、加熱温度が1000〜1600℃、雰
    囲気圧力が10〜2000気圧、加熱時間が10分から
    10時間で加熱処理することを特徴とするアルミナセラ
    ミックスの製造方法。
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WO2013047087A1 (ja) * 2011-09-29 2013-04-04 京セラ株式会社 発光素子実装用基板および発光装置
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