JP3383116B2 - 連続鋳造用ノズルの詰まり防止方法 - Google Patents
連続鋳造用ノズルの詰まり防止方法Info
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造における
ノズル詰まり防止方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、連続鋳造においては、溶鋼を酸化
させることなくタンディッシュからモールド内に供給す
るために、浸漬ノズルが利用されている。浸漬ノズルの
材質としては、Al2O3及びCを主体とし、これに20
wt%程度のSiO2 を含有するものが主流となってい
る。このような浸漬ノズルでは、鋳造時間の経過ととも
に鋼中析出物のアルミナ及び地金がノズル内壁に付着
し、激しい場合にはノズル閉塞を引き起こし鋳造を停止
する場合もあった。また、ノズル閉塞は鋳型内の溶鋼流
動を乱す原因にもなるため、パウダー巻き込みによる介
在物欠陥を増加させる。 【0003】この問題を解決する手段の1つとして、例
えば、特公昭58−3467号公報に示されるように、
浸漬ノズル内孔と同心円となる多孔質の筒状耐火物(内
孔体)を浸漬ノズル本体に内挿し、この多孔質耐火物内
壁からArその他の不活性ガスを吹き込むことが知られ
ている。このガス吹き込みは、ノズル内壁と溶鋼との接
触面積を減少させ、さらに溶鋼を撹拌すること、あるい
は付着物をガス気泡により強制的に剥離させることによ
りノズル内壁面へのアルミナ介在物の付着成長を防止す
る効果がある。 【0004】また、別の手段として、例えば特開昭64
−40154号公報に記載されているように、ZrO2
−CaO−C質材料からなるノズルの使用が試みられて
いる。このZrO2 −CaO−C質材料をノズル内壁に
用いることで、耐火物中CaOと溶鋼中Al2O3とを反
応させカルシウムアルミネートの低融物を生成させる。
この低融物を溶鋼流により洗い流し、微少な溶損を与え
ることにより付着を防止するものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノズル
内壁へのアルミナの付着を確実に防止するためには溶鋼
中に多量のArガスを吹き込む必要があり、この場合吹
き込まれたAr気泡は完全に浮上せず、モールド内で凝
固界面に捕捉され、熱間圧延、冷間圧延後に発生する気
泡系欠陥の原因となる。これに対し、浸漬ノズル内壁か
らのガス吹き込みを効果的に実施するための各種方法が
提案されているが、気泡系欠陥が発生しない程度までA
r流量を低減し、その上でアルミナの付着を確実に防止
できる技術は開発されていない。 【0006】一方、Arガス吹き込みを実施せず、ノズ
ル閉塞を防止するためにZrO2 −CaO−C材質のノ
ズルが使用されているが、鋳造時間が長いか、或は溶鋼
清浄性が低下する場合には、ノズル内壁に付着したアル
ミナを低融点化するのに十分なCaOを供給できなくな
り、鋳造後半でノズル閉塞が発生する。このため、Zr
O2 −CaO−C質ノズルも確実な閉塞防止対策になっ
ていないのが現状である。これらの問題点を鑑み、本発
明は、ノズル閉塞を防止した上で、常に安定して介在物
欠陥のない加工用鋼板素材を鋳造できる連続鋳造方法を
提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、鋼の連続鋳造
において、Alよりも高い還元能を有するガス単独又は
不活性ガスを併用し該還元ガス濃度0.1%以上の混合
ガスを、ZrO2 、MgO、CaOの1種又は2種以上
の総含有率が50%以上の耐火物を通して溶鋼供給用ノ
ズル内に連続的又は断続的に供給することを特徴とする
連続鋳造用ノズルの詰まり防止方法に関するものであ
る。 【0008】 【作用】本発明者等は、浸漬ノズルの詰まりを防止する
方法について種々の検討を行った結果、高い還元能を有
するガスを浸漬ノズル内に吹き込み、付着アルミナを分
解すことによりノズル詰まりを防止する方法を発明し
た。すなわち、浸漬ノズル内にCaガスやMgガス等の
Alよりも還元能の高いガスを吹き込み、(1)式、
(2)式により付着アルミナを分解させ、再びAlに戻
す効果を持たせた。また、不活性ガスを併用することも
可能であり、この場合不活性ガスには従来と同様の付着
防止効果(ノズル内壁と溶鋼との接触面積を減少させる
効果、溶鋼の撹拌または付着物をガス気泡により強制的
に剥離させる効果)を、高還元ガスには付着アルミナを
分解させる効果を持たせ、従来の不活性ガス単独吹き込
みに比べて効率的にノズル詰まりを防止できる。 【0009】 Al2O3+3Ca=3CaO+2Al (1) Al2O3+3Mg=3MgO+2Al (2) 【0010】さらに、還元ガスとしてCaガスを用いた
場合、(1)式により生成したCaOは、さらに(3)
式により付着アルミナを低融点のカルシウムアルミネー
トに変化させるため、付着防止効果は格段に向上する。 【0011】 mAl2O3+nCaO=(CaO)n(Al2O3)m (3) 【0012】しかし、本発明を実施する場合、浸漬ノズ
ルのガス吹き込み部がシリカ材質やアルミナ材質であれ
ば、CaやMg等の高還元ガスがこれら材質を還元分解
するため、浸漬ノズルの耐蝕性が低下するといった問題
が生じる。したがって、本発明を実施する場合には、高
還元ガスを吹き込む部位は非常に安定なMgO、Ca
O、ZrO2 を主成分とする材質で構成することが重要
である。その際、MgO、CaO、ZrO2 の総含有量
が50%未満であれば高還元ガスにより耐蝕性が低下す
るため、MgO、CaO、ZrO2 の1種又は2種以上
の総含有量は50%以上にする必要がある。 【0013】従来、不活性ガスの吹き込み流量は20
リットル/min程度であり、これを全量Caガスまた
はMgガスで吹き込んだとしても、鋳造量4t/min
でCaは9ppm程度、Mgは5ppm程度増加するだ
けである。ここで、溶鋼中へのガス成分の歩留りは10
0%としているが、実際CaやMgの歩留りは10%程
度と低く、溶鋼成分はほとんど変化しないため、鋼板の
材質特性が変化するといった問題もなく、100%高還
元ガス吹き込みでも良い。 【0014】本発明のノズル詰まり防止効果は極めて高
いため、不活性ガスと高還元ガスの混合ガスは鋳造中に
連続的に吹き込む必要はなく、湯面変動や浸漬ノズル開
度等の情報から付着進行時に短時間吹き込むだけでもノ
ズル詰まり防止に十分効果を有する。本発明における吹
き込みガス中の高還元ガス濃度は0.1%以上にする必
要がある。これは、高還元ガス濃度が0.1%未満にな
ると従来の不活性ガス吹き込みによるノズル付着防止効
果と同等の効果しか得られないためである。 【0015】不活性ガスと高還元ガスの混合ガスはタン
ディッシュ上ノズル、タンディッシュストッパー、浸漬
ノズル内孔体、スライディングノズル等から吹き込めば
良く、その際、高還元ガスにより耐蝕性低下を防止する
ために高還元ガス吹き込みを実施する部分のみMgO、
CaO、ZrO2 の1種又は2種以上の総含有率が50
%以上になる材質で構成する必要がある。また、最適な
吹き込みガス流量、還元ガス濃度及び吹き込み時間は鋳
造条件や吹き込み位置により異るため、ノズル開度、湯
面変動、偏流等の指標を基に最適な吹き込み条件を設定
すれば良い。 【0016】 【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
について説明する。 【0017】 【表1A】 【0018】 【表1B】【0019】 【表1C】【0020】Tiを0.08wt%含有する炭素濃度3
0ppmの極低炭素鋼を400分間鋳造した。浸漬ノズ
ルの通過溶鋼量は4t/minで、鋳造中は浸漬ノズル
内孔体、タンディッシュ上ノズルから表1の吹き込み条
件でガスを吹き込んだ。なお、吹き込み方法が断続的と
は、湯面変動やノズル開度からノズル詰まりが進行した
と判断される時だけ、表1の吹き込み条件でガスを吹き
込んだことを示す。 【0021】本発明の実施例及び比較例とも鋳造寸法は
厚み245mm×幅1500mmで、8500mm長さ
に切断して1コイル単位とした。このスラブを常法によ
り熱間圧延、冷間圧延し、最終的に厚み0.7mm×幅
1500mmコイルの冷延鋼板とした。鋳片品質につい
ては、冷間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コ
イル当りに発生する介在物欠陥の発生個数を評価した。
また、浸漬ノズルの詰まり状況は、鋳造後に浸漬ノズル
を回収し吐出孔直上の内壁に付着したアルミナの付着厚
みで評価した。 【0022】表1に示す如く、実施例は、Alよりも高
い還元能を有するガス単独又は不活性ガスを併用し該還
元ガス濃度0.1%以上の混合ガスを、ZrO2 、Mg
O、CaOの1種又は2種以上の総含有率が50%以上
の耐火物を通して溶鋼供給用ノズル内に連続的又は断続
的に供給したことにより、ノズル詰まりを確実に防止で
きた。その結果、湯面変動は抑制され、パウダー巻き込
みに起因する介在物欠陥は全く発生しなかった。さら
に、溶鋼中のCa及びMg濃度上昇量は1ppm以下
で、鋼板の材質特性が変化するといった問題はなかっ
た。 【0023】これに対し、比較例1、比較例2および比
較例3は吹き込みガス中の高還元ガス濃度が0.1%未
満であったため、十分なアルミナ付着防止効果が得られ
なかった。そのため、湯面変動が大きくなり、パウダー
巻き込みによる介在物欠陥が多発した。比較例4と比較
例5は高還元ガス吹き込み部のZrO2 、MgO、Ca
Oの1種又は2種以上の総含有率が50%未満であった
ため、吹き込みノズルの耐蝕性が低下し、湯漏れが生じ
た。このため、340分後に鋳造を停止した。しかし、
ノズル詰まり防止の効果は得られたため、鋳造時間内で
は湯面変動が抑制され、介在物欠陥は発生しなかった。 【0024】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明により連
続鋳造用ノズルの閉塞を確実に防止できるため、鋳片の
品質向上と安定化を実現でき、歩留りも格段に良くな
る。また、ノズル閉塞に起因する種々の非定常作業を省
略することができ、操業性も良好となる。
ノズル詰まり防止方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、連続鋳造においては、溶鋼を酸化
させることなくタンディッシュからモールド内に供給す
るために、浸漬ノズルが利用されている。浸漬ノズルの
材質としては、Al2O3及びCを主体とし、これに20
wt%程度のSiO2 を含有するものが主流となってい
る。このような浸漬ノズルでは、鋳造時間の経過ととも
に鋼中析出物のアルミナ及び地金がノズル内壁に付着
し、激しい場合にはノズル閉塞を引き起こし鋳造を停止
する場合もあった。また、ノズル閉塞は鋳型内の溶鋼流
動を乱す原因にもなるため、パウダー巻き込みによる介
在物欠陥を増加させる。 【0003】この問題を解決する手段の1つとして、例
えば、特公昭58−3467号公報に示されるように、
浸漬ノズル内孔と同心円となる多孔質の筒状耐火物(内
孔体)を浸漬ノズル本体に内挿し、この多孔質耐火物内
壁からArその他の不活性ガスを吹き込むことが知られ
ている。このガス吹き込みは、ノズル内壁と溶鋼との接
触面積を減少させ、さらに溶鋼を撹拌すること、あるい
は付着物をガス気泡により強制的に剥離させることによ
りノズル内壁面へのアルミナ介在物の付着成長を防止す
る効果がある。 【0004】また、別の手段として、例えば特開昭64
−40154号公報に記載されているように、ZrO2
−CaO−C質材料からなるノズルの使用が試みられて
いる。このZrO2 −CaO−C質材料をノズル内壁に
用いることで、耐火物中CaOと溶鋼中Al2O3とを反
応させカルシウムアルミネートの低融物を生成させる。
この低融物を溶鋼流により洗い流し、微少な溶損を与え
ることにより付着を防止するものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノズル
内壁へのアルミナの付着を確実に防止するためには溶鋼
中に多量のArガスを吹き込む必要があり、この場合吹
き込まれたAr気泡は完全に浮上せず、モールド内で凝
固界面に捕捉され、熱間圧延、冷間圧延後に発生する気
泡系欠陥の原因となる。これに対し、浸漬ノズル内壁か
らのガス吹き込みを効果的に実施するための各種方法が
提案されているが、気泡系欠陥が発生しない程度までA
r流量を低減し、その上でアルミナの付着を確実に防止
できる技術は開発されていない。 【0006】一方、Arガス吹き込みを実施せず、ノズ
ル閉塞を防止するためにZrO2 −CaO−C材質のノ
ズルが使用されているが、鋳造時間が長いか、或は溶鋼
清浄性が低下する場合には、ノズル内壁に付着したアル
ミナを低融点化するのに十分なCaOを供給できなくな
り、鋳造後半でノズル閉塞が発生する。このため、Zr
O2 −CaO−C質ノズルも確実な閉塞防止対策になっ
ていないのが現状である。これらの問題点を鑑み、本発
明は、ノズル閉塞を防止した上で、常に安定して介在物
欠陥のない加工用鋼板素材を鋳造できる連続鋳造方法を
提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、鋼の連続鋳造
において、Alよりも高い還元能を有するガス単独又は
不活性ガスを併用し該還元ガス濃度0.1%以上の混合
ガスを、ZrO2 、MgO、CaOの1種又は2種以上
の総含有率が50%以上の耐火物を通して溶鋼供給用ノ
ズル内に連続的又は断続的に供給することを特徴とする
連続鋳造用ノズルの詰まり防止方法に関するものであ
る。 【0008】 【作用】本発明者等は、浸漬ノズルの詰まりを防止する
方法について種々の検討を行った結果、高い還元能を有
するガスを浸漬ノズル内に吹き込み、付着アルミナを分
解すことによりノズル詰まりを防止する方法を発明し
た。すなわち、浸漬ノズル内にCaガスやMgガス等の
Alよりも還元能の高いガスを吹き込み、(1)式、
(2)式により付着アルミナを分解させ、再びAlに戻
す効果を持たせた。また、不活性ガスを併用することも
可能であり、この場合不活性ガスには従来と同様の付着
防止効果(ノズル内壁と溶鋼との接触面積を減少させる
効果、溶鋼の撹拌または付着物をガス気泡により強制的
に剥離させる効果)を、高還元ガスには付着アルミナを
分解させる効果を持たせ、従来の不活性ガス単独吹き込
みに比べて効率的にノズル詰まりを防止できる。 【0009】 Al2O3+3Ca=3CaO+2Al (1) Al2O3+3Mg=3MgO+2Al (2) 【0010】さらに、還元ガスとしてCaガスを用いた
場合、(1)式により生成したCaOは、さらに(3)
式により付着アルミナを低融点のカルシウムアルミネー
トに変化させるため、付着防止効果は格段に向上する。 【0011】 mAl2O3+nCaO=(CaO)n(Al2O3)m (3) 【0012】しかし、本発明を実施する場合、浸漬ノズ
ルのガス吹き込み部がシリカ材質やアルミナ材質であれ
ば、CaやMg等の高還元ガスがこれら材質を還元分解
するため、浸漬ノズルの耐蝕性が低下するといった問題
が生じる。したがって、本発明を実施する場合には、高
還元ガスを吹き込む部位は非常に安定なMgO、Ca
O、ZrO2 を主成分とする材質で構成することが重要
である。その際、MgO、CaO、ZrO2 の総含有量
が50%未満であれば高還元ガスにより耐蝕性が低下す
るため、MgO、CaO、ZrO2 の1種又は2種以上
の総含有量は50%以上にする必要がある。 【0013】従来、不活性ガスの吹き込み流量は20
リットル/min程度であり、これを全量Caガスまた
はMgガスで吹き込んだとしても、鋳造量4t/min
でCaは9ppm程度、Mgは5ppm程度増加するだ
けである。ここで、溶鋼中へのガス成分の歩留りは10
0%としているが、実際CaやMgの歩留りは10%程
度と低く、溶鋼成分はほとんど変化しないため、鋼板の
材質特性が変化するといった問題もなく、100%高還
元ガス吹き込みでも良い。 【0014】本発明のノズル詰まり防止効果は極めて高
いため、不活性ガスと高還元ガスの混合ガスは鋳造中に
連続的に吹き込む必要はなく、湯面変動や浸漬ノズル開
度等の情報から付着進行時に短時間吹き込むだけでもノ
ズル詰まり防止に十分効果を有する。本発明における吹
き込みガス中の高還元ガス濃度は0.1%以上にする必
要がある。これは、高還元ガス濃度が0.1%未満にな
ると従来の不活性ガス吹き込みによるノズル付着防止効
果と同等の効果しか得られないためである。 【0015】不活性ガスと高還元ガスの混合ガスはタン
ディッシュ上ノズル、タンディッシュストッパー、浸漬
ノズル内孔体、スライディングノズル等から吹き込めば
良く、その際、高還元ガスにより耐蝕性低下を防止する
ために高還元ガス吹き込みを実施する部分のみMgO、
CaO、ZrO2 の1種又は2種以上の総含有率が50
%以上になる材質で構成する必要がある。また、最適な
吹き込みガス流量、還元ガス濃度及び吹き込み時間は鋳
造条件や吹き込み位置により異るため、ノズル開度、湯
面変動、偏流等の指標を基に最適な吹き込み条件を設定
すれば良い。 【0016】 【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
について説明する。 【0017】 【表1A】 【0018】 【表1B】【0019】 【表1C】【0020】Tiを0.08wt%含有する炭素濃度3
0ppmの極低炭素鋼を400分間鋳造した。浸漬ノズ
ルの通過溶鋼量は4t/minで、鋳造中は浸漬ノズル
内孔体、タンディッシュ上ノズルから表1の吹き込み条
件でガスを吹き込んだ。なお、吹き込み方法が断続的と
は、湯面変動やノズル開度からノズル詰まりが進行した
と判断される時だけ、表1の吹き込み条件でガスを吹き
込んだことを示す。 【0021】本発明の実施例及び比較例とも鋳造寸法は
厚み245mm×幅1500mmで、8500mm長さ
に切断して1コイル単位とした。このスラブを常法によ
り熱間圧延、冷間圧延し、最終的に厚み0.7mm×幅
1500mmコイルの冷延鋼板とした。鋳片品質につい
ては、冷間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コ
イル当りに発生する介在物欠陥の発生個数を評価した。
また、浸漬ノズルの詰まり状況は、鋳造後に浸漬ノズル
を回収し吐出孔直上の内壁に付着したアルミナの付着厚
みで評価した。 【0022】表1に示す如く、実施例は、Alよりも高
い還元能を有するガス単独又は不活性ガスを併用し該還
元ガス濃度0.1%以上の混合ガスを、ZrO2 、Mg
O、CaOの1種又は2種以上の総含有率が50%以上
の耐火物を通して溶鋼供給用ノズル内に連続的又は断続
的に供給したことにより、ノズル詰まりを確実に防止で
きた。その結果、湯面変動は抑制され、パウダー巻き込
みに起因する介在物欠陥は全く発生しなかった。さら
に、溶鋼中のCa及びMg濃度上昇量は1ppm以下
で、鋼板の材質特性が変化するといった問題はなかっ
た。 【0023】これに対し、比較例1、比較例2および比
較例3は吹き込みガス中の高還元ガス濃度が0.1%未
満であったため、十分なアルミナ付着防止効果が得られ
なかった。そのため、湯面変動が大きくなり、パウダー
巻き込みによる介在物欠陥が多発した。比較例4と比較
例5は高還元ガス吹き込み部のZrO2 、MgO、Ca
Oの1種又は2種以上の総含有率が50%未満であった
ため、吹き込みノズルの耐蝕性が低下し、湯漏れが生じ
た。このため、340分後に鋳造を停止した。しかし、
ノズル詰まり防止の効果は得られたため、鋳造時間内で
は湯面変動が抑制され、介在物欠陥は発生しなかった。 【0024】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明により連
続鋳造用ノズルの閉塞を確実に防止できるため、鋳片の
品質向上と安定化を実現でき、歩留りも格段に良くな
る。また、ノズル閉塞に起因する種々の非定常作業を省
略することができ、操業性も良好となる。
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(56)参考文献 特開 昭57−177914(JP,A)
特開 平5−318059(JP,A)
特開 平4−127942(JP,A)
特開 平3−216249(JP,A)
特開 昭64−40154(JP,A)
特公 昭58−3467(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B22D 11/10 360
B22D 11/10 330
B22D 41/58
B22D 41/42
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 鋼の連続鋳造において、Alよりも高い
還元能を有するガス単独又は不活性ガスを併用し該還元
ガス濃度0.1%以上の混合ガスを、ZrO2 、Mg
O、CaOの1種又は2種以上の総含有率が50%以上
の耐火物を通して溶鋼供給用ノズル内に連続的又は断続
的に供給することを特徴とする連続鋳造用ノズルの詰ま
り防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09010695A JP3383116B2 (ja) | 1994-10-24 | 1995-03-24 | 連続鋳造用ノズルの詰まり防止方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28246994 | 1994-10-24 | ||
JP7-47876 | 1995-02-14 | ||
JP4787695 | 1995-02-14 | ||
JP6-282469 | 1995-02-14 | ||
JP09010695A JP3383116B2 (ja) | 1994-10-24 | 1995-03-24 | 連続鋳造用ノズルの詰まり防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08281393A JPH08281393A (ja) | 1996-10-29 |
JP3383116B2 true JP3383116B2 (ja) | 2003-03-04 |
Family
ID=27293118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09010695A Expired - Fee Related JP3383116B2 (ja) | 1994-10-24 | 1995-03-24 | 連続鋳造用ノズルの詰まり防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3383116B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040072722A (ko) | 2002-01-28 | 2004-08-18 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 강의 연속주조용 침지노즐 및 강의 연속주조방법 |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP09010695A patent/JP3383116B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08281393A (ja) | 1996-10-29 |
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