JP3382785B2 - ポリこはく酸イミドの製造方法 - Google Patents

ポリこはく酸イミドの製造方法

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JP3382785B2
JP3382785B2 JP20602496A JP20602496A JP3382785B2 JP 3382785 B2 JP3382785 B2 JP 3382785B2 JP 20602496 A JP20602496 A JP 20602496A JP 20602496 A JP20602496 A JP 20602496A JP 3382785 B2 JP3382785 B2 JP 3382785B2
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品、化粧品、
香粧品等の中間体として有用なポリこはく酸イミドの製
造方法に関する。より具体的には、アスパラギン酸塩を
特定の有機溶剤中で脱水縮合し、高分子量のポリこはく
酸イミドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリアミノ酸類はタンパク質の
モデル化合物として、医学、生化学の分野で頻繁に用い
られる。ポリこはく酸イミドは、環境に適合する水溶性
ポリマーとして有用であるポリアスパラギン酸合成の前
駆体でもある。また特公昭48−20638号公報に
は、ポリこはく酸イミドを中間体として、薬学的に有用
なポリ−(アスパラギン酸)−ヒドロキシアルキルアミ
ドを合成する技術が開示されている。
【0003】有機溶剤中でポリこはく酸イミドを製造す
る方法としては、例えば、イオン交換樹脂を触媒として
用い、アスパラギン酸を高沸点有機溶剤中で200〜2
30℃で脱水縮合する方法が、米国特許第436379
7号に記載されている。具体的には、例えば、アスパラ
ギン酸と、触媒としてのイオン交換樹脂(商品名アンバ
ーライト)と、高沸点溶剤としてのジフェニルエーテル
とを容器内に装入し、230〜240℃まで徐々に昇温
すると200℃で脱水縮合が始まり、更に230〜24
0℃で2〜3時間反応させ、その後、冷却、濾過してイ
オン交換樹脂とポリこはく酸イミドを回収し、イオン交
換樹脂を濾別する処理等を行なってポリこはく酸イミド
を得る方法等が記載されている。
【0004】また、原料としてアスパラギン酸無水物の
塩酸塩を用いてポリこはく酸イミドを製造する方法が、
特公昭52−8873号公報に記載されている。具体的
には、例えば、L−アスパラギン酸無水物の塩酸塩を、
不活性有機溶剤であるキシレンに懸濁させ、還流下で加
熱し、冷却、濾過する方法等が記載されている。
【0005】また、特開平7−196796号公報に
は、原料としてアスパラギン酸等を用い、o−クレゾー
ル等の溶媒中で硫酸等の酸系触媒の存在下、ポリこはく
酸イミドを製造する方法が記載されている。また、特開
平6−256504号公報には、原料としてアスパラギ
ン酸等を用い、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2
−ピロリドン等の溶媒中で、ポリこはく酸イミドを製造
する方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、米国特許第4
363797号に記載の方法で得られるポリこはく酸イ
ミドの重量平均分子量は1万程度と低く、高分子量のポ
リこはく酸イミドは得られていない。また、ポリこはく
酸イミドとイオン交換樹脂との分離等の処理が必要なの
で、製造工程が複雑になり、工業化に適さない。また、
反応系の温度が比較的高いので樹脂等の劣化、変性、変
色等を伴うおそれがある。
【0007】同様に、特公昭52−8873号公報に記
載の方法で得られるポリこはく酸イミドの重量平均分子
量も1万程度と低く、更にポリマー中に未反応の原料も
かなり混入しており単離収率が低い。また同様に、特開
平7−196796号公報や特開平6−256504号
公報に記載の方法で得られるポリこはく酸イミドの分子
量も低く、高分子量のポリこはく酸イミドは得られてい
ない。
【0008】本発明の目的は、上述の従来技術の課題を
解決し、高分子量のポリこはく酸イミドを簡易な工程に
より良好に製造できる工業化に適したポリこはく酸イミ
ドの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
のポリこはく酸イミドを得る為に鋭意検討した結果、ア
スパラギン酸非プロトン性極性有機溶剤中で脱水縮
合することにより、重量平均分子量が約3万以上のポリ
こはく酸イミドを工業的に容易に得ることが可能となる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明はアスパラギン酸塩を、
非プロトン性極性有機溶剤を含む溶剤中で脱水縮合する
ことを特徴とするポリこはく酸イミドの製造方法であ
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な態様につい
て説明する。
【0012】本発明においては、原料としてアスパラギ
ン酸を用いる。このアスパラギン酸は、L体、D
体、DL体のいずれでもよい。アスパラギン酸として
は、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩等が挙げられる。特
に、塩酸塩が好ましい。例えばアスパラギン酸塩酸塩
は、アスパラギン酸に塩酸水(通常は35%塩酸水)又
は塩酸ガスを反応させて得られる。また例えばアスパラ
ギン酸臭化水素酸塩は、アスパラギン酸に臭化水素酸溶
液(通常は47%臭化水素酸溶液)を反応させて得られ
【0013】また本発明において、原料としてアスパラ
ギン酸塩を用いる場合は、予め合成されたアスパラギン
酸塩等を有機溶剤中に投入して脱水縮合してもよいし、
アスパラギン酸と塩酸水又は臭化水素酸溶液等を有機溶
剤中に投入して塩を形成すると共に脱水縮合してもよ
い。この塩酸水、塩酸ガス又は臭化水素酸溶液は、アス
パラギン酸に対して0.8〜3.0当量の範囲で使用す
ることが望ましい。この使用量が0.8当量以上である
と、ポリこはく酸イミドの分子量を高くする上でより好
ましい。また、この使用量が3.0当量以下であること
は経済的に有利である。
【0014】本発明において、原料としてアスパラギン
酸塩を用い、非プロトン性極性有機溶剤(及び必要に応
じてフェノール類有機溶剤を含む溶剤中で脱水縮合す
【0015】アスパラギン酸塩に用いる非プロトン性極
性有機溶剤としては、水より高い沸点を有するものが望
ましく、従来より公知の各種非プロトン性極性有機溶剤
を制限無く使用できる。例えば、ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−
メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチ
ルイミダゾリジノン(DMI)等の非プロトン性極性有
機溶剤や、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホ
ラン、ジメチルスルホン等の脂肪族含硫有機溶剤である
非プロトン性極性有機溶剤が、得られるポリこはく酸イ
ミドに対して溶解性が高いので、反応初期は懸濁状態で
あるが、やがて溶解状態を経てポリマー化が良好に進行
する等の点から好ましい。
【0016】
【0017】アスパラギン酸塩に必要に応じて用いるフ
ェノール類有機溶剤としては、フェノール、クレゾール
(一般に工業的に得られるo、m、pの混合物)、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレ
ノール等が望ましい。
【0018】以上の非プロトン性極性有機溶剤フェノ
ール類有機溶剤は、単独で用いても良いし、2種類以上
を混合しても良い。さらに、共沸脱水を促進させるため
に他の有機溶剤を1種類以上混合して用いてもよい。ま
た、有機溶剤は、水と分液するものでもしないものでも
よい。
【0019】共沸脱水を促進させるために使用する他の
有機溶剤としては、具体的には、メシチレン、ナフタレ
ン、ジエチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭
化水素;ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の芳
香族ハロゲン化炭化水素;フェネトール、ジフェニルエ
ーテル、ジメトキシベンゼン等の芳香族エーテル類;ニ
トロベンゼン等の芳香族ニトロ化合物が好適に併用でき
る。上述の芳香族エーテル類であるジフェニルエーテル
は、置換基を有していてもよい。例えば、4,4’−ジ
メチルジフェニルエーテル、3,3’−ジメチルジフェ
ニルエーテル等のアルキル置換ジフェニルエーテル;
4,4’ジクロロジフェニルエーテル等のハロゲン置換
ジフェニルエーテル;4−メトキシジフェニルエーテル
等のアルコキシ置換ジフェニルエーテル;ジベンゾフラ
ン等の環状ジフェニルエーテル等も好適に併用できる。
これら有機溶剤を併用する場合は、その使用割合は全有
機溶媒中70重量%以下であることが望ましい。これら
有機溶剤の併用は、縮合反応で副生する水を効率良く共
沸脱水し、ポリマー化を促進するなどの点から好まし
い。
【0020】上述した各有機溶剤は、単独で用いてもよ
いし、2種類以上を混合して用いてもよい。更に、共沸
脱水を促進させる目的で、水より低い沸点を有する任意
の有機溶剤を1種類以上混合して用いてもよい。また、
有機溶剤は、水と分液するものでもしないものでもよ
い。
【0021】アスパラギン酸塩に対して用いる非プロト
ン性極性有機溶剤の使用量は、アスパラギン酸塩100
重量部に対して50〜800重量部の範囲が好ましい。
この使用量が800重量部以下であると、ポリこはく酸
イミドの分子量を高くする上でより好ましく、同時に経
済的にも有利である。また、この使用量が50重量部以
上であると、ポリこはく酸イミドの析出や粘性増加を防
止する上でより好ましい。
【0022】
【0023】アスパラギン酸塩に対して必要に応じて
いるフェノール類有機溶剤の使用量は、アスパラギン酸
塩酸100重量部に対して20〜1500重量部の範
囲が望ましく、30〜1200重量部の範囲が好まし
く、50〜1000重量部の範囲がより好ましい。この
使用量が特定量(望ましくは1500、好ましくは12
00、より好ましくは1000重量部)以下であること
は、ポリこはく酸イミドの分子量を高くする上でより好
ましく、同時に経済的にも有利である。また、この使用
量が特定量(望ましくは20、好ましくは30、より好
ましくは50重量部)以上であることは、ポリこはく酸
イミドの析出や粘性増加を防止する上でより好ましい。
なお、クレゾール系の溶剤については、o−クレゾール
を単独で用いるよりも、溶解性に優れたm−クレゾール
やp−クレゾールを用いる方が、溶剤の使用量が少ない
場合でも反応系が固化し難く攪拌が容易である等の点で
好ましい。例えばo−クレゾールを単独で用いる場合、
その使用量はアスパラギン酸塩100重量部に対し20
0重量部以上が望ましいが、m−クレゾールやp−クレ
ゾールを用いる場合はかなり少ない量でも優れた結果が
得られる。
【0024】本発明においては、この様な有機溶剤中
で、アスパラギン酸を脱水縮合してポリこはく酸イミ
ドを得る。この脱水縮合反応は、単に反応系を所望の温
度に加熱するだけで進行する。脱水縮合の際の反応系の
温度は、特に制限されない。ただし塩を用いる場合は、
温度を100℃以上にすることが塩の脱離の点から望ま
しい。また、温度を230℃以下、更に200℃以下に
することが、アスパラギン酸無水物の塩やポリこはく酸
イミド等の熱分解反応が起こり難くなる点から好まし
い。脱水縮合反応は、必要に応じて不活性ガス雰囲気下
で行うことが望ましく、不活性ガスを溶媒中にバブリン
グしながら行うことも望ましい。この反応は常圧下でも
行うことができ、溶媒の沸点によっては減圧下で行って
もよい。
【0025】本発明においては、高分子量のポリこはく
酸イミドを良好に製造する為に、触媒として縮合りん酸
を用いることもできる。この縮合りん酸としては従来よ
り知られるものを適宜使用でき、必要に応じて所望のP
25 含量のもの(即ち所望の組成のもの)を使用すれ
ばよい。具体的には、りん酸、オルトりん酸、ピロりん
酸、トリポリりん酸、テトラりん酸等が挙げられる。
【0026】本発明に用いられる縮合りん酸の使用量
は、アスパラギン酸100重量部に対して1〜100重
量部の範囲内が望ましく、5〜55重量部の範囲内が好
ましく、25〜55重量部の範囲内がより好ましい。こ
の使用量が特定量(望ましくは100、好ましくは55
重量部)以下であることは、ポリこはく酸イミドの着色
や収率の低下を防止する点で好ましい。この使用量が特
定量(望ましくは1、好ましくは5、より好ましくは2
5重量部)以上であることは、ポリこはく酸イミドの分
子量をより高くする点で好ましい。
【0027】
【0028】また、縮合りん酸以外の触媒も適宜使用で
きる。すなわち、この脱水縮合反応は、無触媒でも進行
するが、反応温度を下げ反応時間を短くできることか
ら、触媒を用いることが好ましい。この触媒としては、
塩酸、燐酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、トリフル
オロメタンスルホン酸等のプロトン酸、周期表第II、II
I 、IV、V族の金属、または、その塩等が挙げられる。
具体的には、亜鉛末、錫末、アルミニウム、マグネシウ
ム等の金属;酸化亜鉛、酸化錫、酸化マグネシウム、酸
化チタン等の金属酸化物;塩化錫、塩化マグネシウム、
塩化アルミニウム、塩化リチウム、塩化カルシウム等の
金属ハロゲン化物;炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム等の金
属炭酸塩;オクタン酸錫、酢酸錫、酢酸亜鉛等の有機カ
ルボン酸塩;硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム等の硫酸塩;
トリフルオロメタンスルホン酸錫、トリフルオロメタン
スルホン酸亜鉛、メタンスルホン酸錫、p−トルエンス
ルホン酸亜鉛等の有機スルホン酸塩;等が挙げられる。
その他、ジブチルチンオキサイド等の上記各金属の有機
金属酸化物;チタニウムイソプロポキサイド等の上記各
金属の金属アルコキシド;商品名ダウエックス、商品名
アンバーライト等のイオン交換樹脂;等が挙げられる。
上述の各触媒の使用量は、通常、アスパラギン酸、その
塩、又はその無水物の塩100重量部に対して0.00
1〜50重量部である。
【0029】また触媒として、塩化リチウム、塩化カル
シウム等の金属ハロゲン化物を使用すると、有機溶剤の
使用量を削減できる。特に、反応系内でポリこはく酸イ
ミドが析出する場合でも、この金属ハロゲン化物を使用
すれば、反応マスの流動性を失わせることなく高分子量
のポリこはく酸イミドが得られる。
【0030】
【0031】本発明において、副生した水を反応系外に
留去させる方法は特に限定されず、有機溶剤と水との共
沸による留去でもよいし、共沸せずに留去してもよい。
また、水と共沸等により反応系から有機溶剤の少なくと
も一部を除去し、モレキュラシーブ等で脱水する等して
水分量を少なくした有機溶剤を系内に戻す操作等を行な
うこともできる。ただし、本発明において、特に、水よ
り高い沸点を有する有機溶剤を用いる場合は、有機溶剤
を反応系に残しつつ脱水するという簡易な工程が可能と
なり、工業化する上で溶剤を脱水することに伴う設備が
不要となる。
【0032】以上の様な工程に従い、高分子量のポリこ
はく酸イミドが容易に得られる。本発明においては、特
に、重量平均分子量約3万以上のポリこはく酸イミドが
得られるので、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮
合剤で高分子化処理する工程なども不要となる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0034】<実施例A1>撹拌装置を備えた反応容器
に、L−アスパラギン酸(L−Asp)塩酸塩16.9
g(0.1モル)およびスルホラン26.6gを装入
し、窒素気流下、30〜40mmHg減圧下に150℃
まで昇温し、150〜160℃で4時間共沸脱水反応を
行った。引き続き、160〜170℃で3時間、170
〜180℃で15時間反応させた。この後常圧に戻し、
一部ポリマーが析出していたので、スルホラン53.2
gを添加して完溶させた。次いで、この溶液を55℃で
メタノール66.6gに排出し、25〜30℃で濾過
し、濾塊をメタノール26.6gで洗浄し、更に水6
6.6gで洗浄し、その後乾燥して、ポリこはく酸イミ
ドを得た。収量は9.6g、収率は99.0%、重量平
均分子量(Mw)は6万であった。なお、Mwはポリス
チレンを標準としてGPCにより測定した。
【0035】単離したポリこはく酸イミドの元素分析結
果は、下記の通りであった。 <実施例A2>撹拌装置を備えた反応容器に、L−As
p塩酸塩16.9g(0.1モル)、スルホラン26.
6gおよびo−ジクロロベンゼン26.6gを装入し、
窒素気流下に、150℃まで昇温し、150〜160℃
で3時間共沸脱水反応を行った。引き続き160〜17
0℃で3時間、180〜190℃で10時間反応させ
た。この後、一部ポリマーが析出していたので、スルホ
ラン53.2gを追加して完溶させた。次いで、この溶
液を55℃でメタノール66.6gに排出し、25〜3
0℃で濾過し、濾塊をメタノール26.6gで洗浄し、
更に水66.5gで洗浄し、その後乾燥して、ポリこは
く酸イミドを得た。収量は9.5g、収率は97.9
%、Mwは11万であった。
【0036】<実施例A3>実施例A2において使用し
た予め合成されたL−Asp塩酸塩に代えて、L−アス
パラギン酸13.3g(0.1モル)および35%塩酸
水10.4g(0.1モル)、スルホラン39.9gお
よびo−ジクロロベンゼン39.9gを反応容器に装入
して用いたこと以外は、実施例A2と同様にしてポリこ
はく酸イミドを得た。収量は9.4g、収率は96.9
%、Mwは8.5万であった。
【0037】<実施例A4>反応容器に、更にp−トル
エンスルホン酸0.67gを添加したこと以外は、実施
例A2と同様にしてポリこはく酸イミドを得た。収量は
9.5g、収率は97.9%、Mwは9.8万であっ
た。
【0038】<実施例A5>o−ジクロロベンゼンに代
えてジフェニルエーテル26.6gを用いたこと以外
は、実施例A2と同様にしてポリこはく酸イミドを得
た。収量は9.5g、収率は97.9%、Mwは9.5
万であった。
【0039】<実施例A6>スルホランに代えてN−メ
チル−2−ピロリドン26.6gを用いたこと以外は、
実施例A2と同様にしてポリこはく酸イミドを得た。収
量は9.3g、収率は95.9%、Mwは9.5万であ
った。
【0040】<実施例A7>スルホランの使用量を1
3.3gに変更し、反応容器に更に塩化リチウム1.3
gを添加したこと以外は、実施例A1と同様にしてポリ
こはく酸イミドを得た。収量は9.5g、収率は97.
9%、Mwは9.8万であった。
【0041】<実施例A8>L−Asp塩酸塩に代えて
L−Asp臭化水素酸塩を用いたこと以外は、実施例A
2と同様にしてポリこはく酸イミドを得た。収量は9.
0g、収率は92.8%、Mwは7.0万であった。
【0042】<比較例A1>撹拌装置を備えた反応容器
に、L−Asp13.3g(0.1モル)およびスルホ
ラン30gを装入した後、窒素気流下に150℃まで昇
温し、150〜160℃で4時間、160〜170℃で
3時間、170〜180℃で15時間反応させた。この
後、この溶液をメタノール100gに排出し、その後乾
燥したところ、収量13.1gで結晶が得られた。この
結晶を分析した結果、ほとんど原料のアスパラギン酸で
あった。
【0043】<比較例A2>撹拌装置を備えた反応容器
に、L−Asp20.0g(0.15モル)、スルホラ
ン26.6gおよびo−ジクロロベンゼン26.6gを
装入し、窒素気流下に150℃まで昇温し、150〜1
60℃で3時間共沸脱水反応を行った。引き続き160
〜170℃で3時間、180〜190℃で10時間反応
させた。この後、この溶液を55℃でメタノール66.
6gに排出し、25〜30℃で濾過し、濾塊をメタノー
ル26.6gで洗浄し、更に水66.5gで洗浄し、そ
の後乾燥して、ポリこはく酸イミドを得た。収量は1
1.0g、収率は75.5%、Mwは1.5万であっ
た。
【0044】<比較例A3>撹拌装置を備えた反応容器
に、L−Asp塩酸塩16.9g(0.1モル)および
ベンゼン26.6gを装入し、窒素気流下に80℃まで
昇温し、79〜80℃で6時間撹拌した後、濾過し、濾
塊をベンゼン26.6gで洗浄し、その後乾燥したとこ
ろ収量16.8gで結晶が得られた。この結晶を分析し
た結果、原料のアスパラギン酸塩酸塩であった。
【0045】<比較例A4>撹拌装置を備えた反応容器
に、L−Asp13.3g(0.1モル)およびキシレ
ン30.0gを装入し、窒素気流下に137℃まで昇温
し、137〜138℃で6時間撹拌した後、濾過し、濾
塊をキシレン30.0gで洗浄し、その後乾燥したとこ
ろ収量13.2gで結晶が得られた。この結晶を分析し
た結果、原料のアスパラギン酸であった。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【発明の効果】以上説明した本発明の製造方法によれ
ば、重量平均分子量約3万以上の高分子量のポリこはく
酸イミドを容易かつ高収率で製造でき、しかも反応系の
温度が比較的低温でも反応が進行するのでポリこはく酸
イミドの熱劣化のおそれも少ない。したがって、本発明
の方法は、工業化に非常に適している。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−196796(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスパラギン酸塩を、非プロトン性極性
    有機溶剤を含む溶剤中で脱水縮合することを特徴とする
    ポリこはく酸イミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 非プロトン性極性有機溶剤が、ジメチル
    ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2
    −ピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノン、
    ジメチルスルホキシド、スルホラン及びジメチルスルホ
    ンからなる群から選択された少なくとも1種である請求
    項1記載のポリこはく酸イミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 アスパラギン酸塩が塩酸塩である請求項
    1又は2記載のポリこはく酸イミドの製造方法。
JP20602496A 1995-08-04 1996-08-05 ポリこはく酸イミドの製造方法 Expired - Lifetime JP3382785B2 (ja)

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