JP3382156B2 - アクティブマトリクス基板の製造方法 - Google Patents

アクティブマトリクス基板の製造方法

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JP3382156B2
JP3382156B2 JP16708498A JP16708498A JP3382156B2 JP 3382156 B2 JP3382156 B2 JP 3382156B2 JP 16708498 A JP16708498 A JP 16708498A JP 16708498 A JP16708498 A JP 16708498A JP 3382156 B2 JP3382156 B2 JP 3382156B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置など
に適用されるアクティブマトリクス基板の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来技術であるアクティブマト
リクス基板1を示す断面図である。図10は、アクティ
ブマトリクス基板1を示す平面図である。図9は図10
のI−I断面図である。アクティブマトリクス基板1
は、絶縁性基板2、ゲートライン3、ソースライン4、
画素電極7、スイッチング素子であるTFT(薄膜トラ
ンジスタ)素子8および陽極酸化膜10を含んで構成さ
れる。
【0003】絶縁性基板2の上には、互いに平行に間隔
を開けて複数のゲートライン3が配設され、またゲート
ライン3とは直交して絶縁性を保持し、互いに間隔を開
けて複数のソースライン4が配設される。さらに、絶縁
性基板2の上のゲートライン3とソースライン4とが交
差することによって形成される複数の矩形領域には、画
素電極7がそれぞれ設けられ、また画素電極7毎にTF
T素子8が設けられる。
【0004】TFT素子8は、ゲートライン3と接続さ
れるゲート電極9、ゲート電極9を覆って絶縁性基板2
の上に形成されるゲート絶縁膜11、ゲート絶縁膜11
の上に設けられる半導体膜12、半導体膜12の上に設
けられるエッチング保護膜15、半導体膜12の上にエ
ッチング保護膜15に一部重畳して設けられるコンタク
ト膜13、コンタクト膜13と同様に半導体膜12の上
にエッチング保護膜15に一部重畳して設けられるコン
タクト膜14、コンタクト膜13の上にソースライン4
と接続して設けられるソース電極16およびコンタクト
膜14の上に画素電極7と接続して設けられるドレイン
電極17を含んで構成される。
【0005】陽極酸化膜10は、ゲート電極9を覆って
形成される。前記ゲート絶縁膜11は、陽極酸化膜10
で覆われたゲート電極9を覆って設けられる。また、ソ
ースライン4は、第1導電層5と、該第1導電層5を覆
う第2導電層6とから成る。第2導電層6は、ゲート絶
縁膜11に設けられた開口部18によって第1導電層5
と接続され、ソース電極16は第2導電層6と接続され
る。ソースライン4をこのような第1および第2導電層
5,6の積層構造とすることによって、該ライン4の低
抵抗化および冗長構造を実現することができる。たとえ
ば、特開平1−134341号公報にはソースラインを
ゲートラインとの交差部で複数に分岐して断線の発生を
抑制した技術が開示されている。
【0006】陽極酸化膜10はゲート電極9のみを覆っ
て、すなわち第1導電層5は覆わずに設けられる。これ
は、ゲート電極9と第1導電層5とは同一工程で形成さ
れるが、ゲート電極9と第1導電層5とは導通されず、
陽極酸化によってゲート電極9のみを覆って陽極酸化膜
10が形成されるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図11は、ソースライ
ン4の第1導電層5に不良部分5aが発生した状態を示
す断面図である。図12は、前記不良発生状態を示す平
面図である。図11は図12のII−II断面図であ
る。ソースライン4に不良部分が発生した場合、すなわ
ち第1導電層5に第2導電層6を越えて画素電極7の領
域にまで形成される不良部分5aが発生した場合、第1
導電層5と画素電極7との間にはゲート絶縁膜11が1
層あるだけである。したがって、電気的な信頼性が低
く、微小の電流リークが発生する。このため、アクティ
ブマトリクス基板1を液晶表示装置に適用して表示を実
現した場合、欠陥画素が発生して表示品位および歩留り
が低下する。
【0008】また、第1導電層5としてアルミニウムを
用いた場合、第2導電層6の形成時の熱工程の影響を受
けて、第1導電層5にリークの原因となるヒロックなど
が発生する。
【0009】なお、陽極酸化膜10で覆われているゲー
ト電極9と同様に、第1導電層5を覆って陽極酸化膜を
形成することも可能である。すなわち、ゲート電極9と
第1導電層5とを接続しておき、同時に陽極酸化する。
これによって第1導電層5の上にも陽極酸化膜を形成す
ることができ、信頼性を向上することができる。しか
し、接続されているゲート電極9と第1導電層5とを分
離するための、たとえば露光工程やエッチング工程を陽
極酸化工程の後に加える必要であり、製造コストが増加
する。
【0010】本発明の目的は、ソースラインのパターン
不良発生時の微小リーク電流を抑制することができるア
クティブマトリクス基板を容易に形成することができる
アクティブマトリクス基板の製造方法を提供することで
ある。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、互いに平行に
間隔を開けて絶縁性基板上に配設される複数のゲートラ
インと、ゲートラインとは直交して絶縁性を保持し、互
いに間隔を開けて絶縁性基板上に配設される複数のソー
スラインであって、第1導電層および該第1導電層を覆
う第2導電層から成るソースラインと、絶縁性基板上の
ゲートラインとソースラインとが交差することによって
形成される複数の矩形領域にそれぞれ設けられる画素電
極と、画素電極毎に絶縁性基板上に設けられるスイッチ
ング素子であって、ゲートラインと接続されるゲート電
極、ゲート電極を覆うゲート絶縁膜、ゲート絶縁膜上に
設けられる半導体膜、半導体膜上にソースラインと接続
して設けられるソース電極および半導体膜上に画素電極
と接続して設けられるドレイン電極を含むスイッチング
素子と、を備えるアクティブマトリクス基板の製造方法
において、絶縁性基板上に第1〜第3金属膜をこの順番
に積層し、第3金属膜上の領域であって、ゲート電極お
よび第1導電層となるべき領域にレジスト膜を形成する
工程と、前記レジスト膜をマスクとして金属膜をハーフ
エッチングすることによって、前記レジスト膜で覆われ
ていない領域の第3金属膜および第2金属膜をすべてエ
ッチング除去し、前記レジスト膜で覆われていない領域
の第1金属膜を一部分だけエッチング除去するようにパ
ターニングする工程と、前記レジスト膜を除去した後、
残余の前記第1〜第3金属膜を陽極酸化し、陽極酸化さ
れた金属膜の領域から成る陽極酸化膜と、陽極酸化され
なかった金属膜の領域から成るゲート電極および第1導
電層とを形成する工程と、前記陽極酸化膜上にゲート絶
縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にi型アモ
ルファスシリコン膜を形成し、ゲート電極上のi型アモ
ルファスシリコン膜上の領域にエッチング保護膜を形成
する工程と、前記i型アモルファスシリコン膜上にエッ
チング保護膜に一部重畳して第1および第2コンタクト
膜を形成する工程と、前記第1導電層上のゲート絶縁膜
および陽極酸化膜に開口部を形成する工程と、前記第1
コンタクト膜上にソース電極を形成し、前記開口部にソ
ース電極に接続して第2導電層を形成し、前記第2コン
タクト膜上にドレイン電極を形成する工程と、を備える
ことを特徴とするアクティブマトリクス基板の製造方法
である。
【0019】本発明に従えば、少なくとも表面が絶縁性
を有する基板上に、陽極酸化可能な3層の金属膜を積層
して形成し、該金属膜上にレジスト膜をパターン形成し
て金属膜をハーフエッチングする。ハーフエッチングで
は、前記レジスト膜で覆われていない領域の第3金属膜
および第2金属膜をすべてエッチング除去し、前記レジ
スト膜で覆われていない領域の第1金属膜を一部分だけ
エッチング除去する。レジスト膜を剥離し洗浄して取除
いた後、ハーフエッチングした金属膜を定電流で酸化
し、予め設定された電圧に達すると、定電圧で全面を陽
極酸化する。陽極酸化膜は、膜の薄い部分では電流密度
が大きくなり、酸化膜の成長速度が速くなるので、自動
調整作用が働き、全面にわたって均一な酸化膜が形成さ
れる。最終的に、金属膜は電気的に分離されて、第1導
電層とゲート電極とが形成されるとともに基板全面が均
質な陽極酸化膜で覆われる。したがって、金属膜を第1
導電層とゲート電極とに分離する特別な工程を追加する
ことなく、陽極酸化によって容易に第1導電層とゲート
電極とを形成することができる。また、第1〜第3の金
属膜をパターニングする際に、ハーフエッチングするこ
とによって、エッチングを終了する時点を精度よく検出
できるので、均一なアクティブマトリクス基板を効率的
に形成して良品率を向上することができる。
【0020】また、陽極酸化以降の工程で、第1導電層
上に形成されたゲート絶縁膜および陽極酸化膜を部分的
に除去して開口部を形成し、第1導電層と第2導電層と
を接続することによって、ソースラインの低抵抗化およ
び冗長構造を同時に実現することができ、信頼性の高い
アクティブマトリクス基板を提供することができる。
【0021】また本発明は、前記第1金属膜は窒化タン
タル膜であり、第2金属膜はタンタル膜であり、第3金
属膜は窒化タンタル膜であることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、上述したような材料を用
いることによって、ヒロックなどを防止してリークの発
生を抑制することができる。
【0023】また本発明は、前記ハーフエッチングは、
ドライエッチング装置によって行われ、該ドライエッチ
ング装置は、そのエッチングチャンバに、特定波長のみ
が分光できて光強度を測定できる装置を備え、ドライエ
ッチング時に、第1金属膜の窒化タンタル膜および第2
金属膜のタンタル膜の発光強度の違いが最も強く現れる
波長337nmを特定波長として用いることを特徴とす
る。
【0024】本発明に従えば、上記のエッチング条件に
従ってドライエッチングを行うことによって、良好なパ
ターニングを行うことができる。
【0025】また本発明は、互いに平行に間隔を開けて
絶縁性基板上に配設される複数のゲートラインと、ゲー
トラインとは直交して絶縁性を保持し、互いに間隔を開
けて絶縁性基板上に配設される複数のソースラインであ
って、第1導電層および第1導電層を覆う第2導電層か
ら成るソースラインと、絶縁性基板上のゲートラインと
ソースラインとが交差することによって形成される複数
の矩形領域にそれぞれ設けられる画素電極と、画素電極
毎に絶縁性基板上に設けられるスイッチング素子であっ
て、ゲートラインと接続されるゲート電極、ゲート電極
を覆うゲート絶縁膜、ゲート絶縁膜上に設けられる半導
体膜、半導体膜上にソースラインと接続して設けられる
ソース電極および半導体膜上に画素電極と接続して設け
られるドレイン電極を含むスイッチング素子と、を備え
るアクティブマトリクス基板の製造方法において、絶縁
性基板上に1層の金属膜を積層し、金属膜上の領域であ
って、ゲート電極および第1導電層となるべき領域にレ
ジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクと
して金属膜をハーフエッチングすることによって、前記
レジスト膜で覆われていない領域の金属膜を一部分だけ
エッチング除去するようにパターニングする工程と、前
記レジスト膜を除去した後、残余の前記金属膜を陽極酸
化し、陽極酸化された金属膜の領域から成る陽極酸化膜
と、陽極酸化されなかった金属膜の領域から成るゲート
電極および第1導電層とを形成する工程と、前記陽極酸
化膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶
縁膜上にi型アモルファスシリコン膜を形成し、ゲート
電極上のi型アモルファスシリコン膜上の領域にエッチ
ング保護膜を形成する工程と、前記i型アモルファスシ
リコン膜上にエッチング保護膜に一部重畳して第1およ
び第2コンタクト膜を形成する工程と、前記第1導電層
上のゲート絶縁膜および陽極酸化膜に開口部を形成する
工程と、前記第1コンタクト膜上にソース電極を形成
し、前記開口部にソース電極に接続して第2導電層を形
成し、前記第2コンタクト膜上にドレイン電極を形成す
る工程と、を備えることを特徴とするアクティブマトリ
クス基板の製造方法である。
【0026】本発明に従えば、少なくとも表面が絶縁性
を有する基板上に、陽極酸化可能な1層の金属膜を形成
し、1層の該金属膜に上述したのと同様のハーフエッチ
ングによるパターニングおよび陽極酸化を行うことによ
って、ソースラインの低抵抗化および冗長構造を同時に
実現することができる信頼性の高いアクティブマトリク
ス基板を容易に提供することができる。
【0027】また本発明は、前記金属膜はアルミニウム
とジルコニウムとの合金膜であることを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、上述したような材料を用
いることによって、ヒロックなどを防止してリークの発
生を抑制することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
あるアクティブマトリクス基板21を示す断面図であ
る。図2は、アクティブマトリクス基板21を示す平面
図である。図1は図2のIII−III断面図である。
アクティブマトリクス基板21は、絶縁性基板22、ゲ
ートライン23、ソースライン24、画素電極27、ス
イッチング素子であるTFT素子28および陽極酸化膜
30を含んで構成される。
【0030】絶縁性基板22は少なくとも一方表面が絶
縁性を有する基板で実現され、たとえばガラス基板が用
いられる。絶縁性基板22の一方表面にはベースコート
膜38が形成される。絶縁性基板22のベースコート膜
38の上には互いに平行に間隔を開けて複数のゲートラ
イン23が配設され、またゲートライン23とは直交し
て絶縁性を保持し、互いに間隔を開けて複数のソースラ
イン24が配設される。さらに、絶縁性基板22のベー
スコート膜38の上のゲートライン23とソースライン
24とが交差することによって形成される複数の矩形領
域には、画素電極27がそれぞれ設けられ、また画素電
極27毎にTFT素子28が設けられる。
【0031】TFT素子28は、ゲートライン23と接
続されるゲート電極29、ゲート電極29を覆って絶縁
性基板22のベースコート膜38の上のほぼ全面に形成
されるゲート絶縁膜31、ゲート絶縁膜31の上に設け
られ、真性非晶質シリコン薄膜で実現される半導体膜3
2、半導体膜32の上に設けられるエッチング保護膜3
5、半導体膜32の上にエッチング保護膜35に一部重
畳して設けられ、n型非晶質シリコン薄膜で実現される
コンタクト膜33、コンタクト膜33と同様に半導体膜
32の上にエッチング保護膜35に一部重畳して設けら
れ、n型非晶質シリコン薄膜で実現されるコンタクト膜
34、コンタクト膜33の上にソースライン24と接続
して設けられるソース電極36およびコンタクト膜34
の上に画素電極27と接続して設けられるドレイン電極
37を含んで構成される。
【0032】また、ソースライン24は、第1導電層2
5と、該第1導電層25を覆う第2導電層26とから成
る。陽極酸化膜30は、ゲート電極29およびゲート絶
縁膜31の間と、第1導電層25および第2導電層26
の間とに、一体的に設けられる。第2導電層26は、陽
極酸化膜30およびゲート絶縁膜31に設けられた開口
部52によって第1導電層25と接続される。ソースラ
イン24をこのような第1および第2導電層25,26
の積層構造とすることによって、該ライン24の低抵抗
化および冗長構造を実現することができる。
【0033】図3および図4は、アクティブマトリクス
基板21の製造方法を段階的に示す断面図である。図3
(A)を参照して、まず、絶縁性基板22の一方表面に
ベースコート膜38が形成される。具体的には、Ta2
5をスパッタリング法によって2000Å〜5000
Åの膜厚に成膜することによって、ベースコート膜38
が形成される。次に、ベースコート膜38の上に第1〜
第3金属膜として、窒化タンタル膜45、タンタル膜4
6および窒化タンタル膜47がこの順番に連続的に成膜
され、積層される。窒化タンタル膜45,47の窒素モ
ル濃度は、たとえば10%〜13%の範囲に選ばれる。
窒化タンタル膜45、タンタル膜46および窒化タンタ
ル膜47の膜厚は、たとえば1000Å、2000Åお
よび750Åに選ばれる。さらに、窒化タンタル膜47
の上にレジスト膜48が形成される。レジスト膜48は
フォトリソグラフィ工程によって形成され、窒化タンタ
ル膜47の上の領域であって、ゲート電極29および第
1導電層25となる領域に所定の形状にそれぞれパター
ン形成される。
【0034】図3(B)を参照して、次に、ドライエッ
チング装置を用いてレジスト膜48をマスクとしたハー
フエッチングが行われる。すなわち、レジスト膜48で
覆われていない領域の窒化タンタル膜47およびタンタ
ル膜46をすべてエッチングして除去し、レジスト膜4
8で覆われていない領域の窒化タンタル膜45を一部分
だけエッチングして除去する。たとえば、窒化タンタル
膜45は250Åだけエッチングして除去し、残りの7
50Åはエッチングせずにそのまま残す。
【0035】具体的に、ハーフエッチングの方法を説明
する。ドライエッチング装置のエッチングチャンバに
は、特定波長のみが分光できて発光強度を測定すること
ができる装置が付属されている。また、窒化タンタル膜
45およびタンタル膜46の窒素含有率には差がある。
そこで、ドライエッチング時に発光強度の違いが最も強
く現れる波長、たとえば337nmを特定波長として用
いる。エッチング時において、該特定波長が最も強く現
れた時点が窒化タンタル膜45とタンタル膜46との界
面であるので、該時点よりも窒化タンタル膜を250Å
だけエッチングするようなオーバエッチング時間を予め
設定しておき、該時間が経過するとエッチングを終了す
る。たとえば、エッチングガスとして流量400scc
mのCF4と流量100sccmのO2 との混合ガスを
用い、電力1500W、圧力250mTorr、オーバ
エッチング時間10secとして、ハーフエッチングを
行った。第1導電膜25とゲート電極29の作製にこの
ような積層した金属膜をハーフエッチングする手法を採
用することは、エッチングを終了する時点を精度よく検
出できるので、均一なアクティブマトリクス基板21を
効率的に形成して良品率を向上することができる。
【0036】さらに、ハーフエッチング後、レジスト膜
48が所定の剥離液を用いて除去される。これによっ
て、残余の窒化タンタル膜45と、残余のタンタル膜4
6から成るタンタル膜49と、残余の窒化タンタル膜4
7から成る窒化タンタル膜50とが形成される。
【0037】図3(C)を参照して、次に、絶縁性基板
22の一方表面側の露出している全表面が陽極酸化され
て陽極酸化膜30が形成される。たとえばシュ石酸アン
モニウム溶液が用いられ、予め定められた電圧値および
電流値で陽極酸化される。ここで、予め定められる電圧
値および電流値は、少なくとも残余の窒化タンタル膜4
5がすべて陽極酸化されるような値に選ばれる。このよ
うにして形成された陽極酸化膜30は五酸化タンタルか
ら成り、たとえば1500Åの膜厚に形成される。ま
た、残余のタンタル膜49から成るタンタル膜40,4
2と、残余の窒化タンタル膜45から成る窒化タンタル
膜39,41とが形成される。タンタル膜39および窒
化タンタル膜40によってゲート電極29が構成され、
タンタル膜41および窒化タンタル膜42によって第1
導電層25が構成される。
【0038】図4(A)を参照して、次に、RF−PC
VD法(高周波プラズマ気相成長法)によって、陽極酸
化膜30の上にゲート絶縁膜31としての窒化シリコン
膜、半導体膜32となるi型アモルファスシリコン膜5
1、およびエッチング保護膜35となる窒化シリコン膜
がこの順番に連続的に成膜されて、積層される。たとえ
ばゲート絶縁膜31としての窒化シリコン膜の膜厚は1
500Å〜4000Åの範囲に選ばれ、半導体膜32と
なるi型アモルファスシリコン膜51の膜厚は200Å
〜450Åの範囲に選ばれ、エッチング保護膜35とな
る窒化シリコン膜の膜厚は1500Å〜2500Åの範
囲に選ばれる。さらに、最上面の窒化シリコン膜がフォ
トリソグラフィ工程によって所定の形状に、すなわちゲ
ート電極29の上にパターン形成されて、エッチング保
護膜35が形成される。
【0039】図4(B)を参照して、次に、RF−PC
VD法によって、i型アモルファスシリコン膜51およ
びエッチング保護膜35を覆って、コンタクト膜33,
34となるn型微結晶シリコン膜が、たとえば400Å
〜700Åの膜厚に成膜される。該n型微結晶シリコン
膜は、前記i型アモルファスシリコン膜51と同時にフ
ォトリソグラフィ工程によって所定の形状にパターン形
成される。すなわち、i型アモルファスシリコン膜51
はゲート電極29を覆う所定の形状にパターン形成され
て、半導体膜32とされる。また、n型微結晶シリコン
膜は半導体膜32の上でエッチング保護膜35に一部分
が重畳する所定の形成にパターン形成されて、コンタク
ト膜33,34とされる。
【0040】図4(C)を参照して、次に、フォトリソ
グラフィ工程によって第1導電層25を除く絶縁性基板
22の一方表面側の露出している表面にレジスト膜がパ
ターン形成され、ゲート絶縁膜31、陽極酸化膜30お
よびタンタル膜42がハーフエッチングされる。これに
よって第1導電層25と最2導電層26とを接続するた
めの開口部52が形成される。具体的にハーフエッチン
グは次のようにして行われる。
【0041】すなわち、タンタル膜42および陽極酸化
膜30の酸素含有率には差がある。そこで、ドライエッ
チング時に発光強度の違いが最も強く現れる波長、たと
えば475nmを特定波長として用いる。エッチング時
において、該特定波長が最も強く現れた時点がタンタル
膜42と陽極酸化膜30との界面であるので、該時点よ
りもタンタル膜42を250Åだけエッチングするよう
なオーバエッチング時間を予め設定しておき、該時間が
経過するとエッチングを終了する。たとえば、エッチン
グガスとして流量が350sccmのCF4 と流量が1
50sccmのO2 との混合ガスを用い、電力1000
W、圧力150mTorr、オーバエッチング時間20
secとして、ハーフエッチングを行った。さらに、ハ
ーフエッチング後、レジスト膜が所定の剥離液を用いて
除去される。
【0042】図4(D)を参照して、最後に、スパッタ
装置を用いて、絶縁性基板22の一方表面側の露出して
いる全表面にITO(インジウム錫酸化物)膜が、たと
えば600Å〜1700Aの範囲の膜厚に形成される。
そして、ITO膜がフォトリソグラフィ工程によって所
定の形状にパターン形成されて、画素電極27、ドレイ
ン電極37、第2導電層26およびソース電極36が形
成される。
【0043】このようにして完成したアクティブマトリ
クス基板21では、ゲートライン23を介して供給され
る制御信号によってTFT素子28がオン/オフする。
たとえば、TFT素子28のオン時にソースライン24
を介して供給される表示などの信号が画素電極27に与
えられ、アクティブマトリクス基板21を用いた液晶表
示装置では表示状態が得られる。
【0044】図5は、本発明の第2実施形態であるアク
ティブマトリクス基板61を示す断面図である。図6
は、アクティブマトリクス基板61を示す平面図であ
る。図5は図6のIV−IV断面図である。アクティブ
マトリクス基板61は、前記アクティブマトリクス基板
21と同様の絶縁性基板62、ゲートライン63、ソー
スライン64、画素電極67、TFT素子68および陽
極酸化膜70を含んで構成される。
【0045】絶縁性基板62は少なくとも一方表面が絶
縁性を有する基板で実現され、たとえばガラス基板が用
いられる。絶縁性基板62の一方表面上には、複数のゲ
ートライン63が配設され、またゲートライン63とは
直交して絶縁性を保持して複数のソースライン64が配
設される。さらに、絶縁性基板62の上のゲートライン
63とソースライン64とが交差することによって形成
される複数の矩形領域には、画素電極67がそれぞれ設
けられ、また画素電極67毎にTFT素子68が設けら
れる。
【0046】TFT素子68は、ゲートライン63と接
続されるゲート電極69、ゲート電極69を覆って絶縁
性基板62の上のほぼ全面に形成されるゲート絶縁膜7
1、ゲート絶縁膜71の上に設けられる半導体膜72、
半導体膜72の上に設けられるコンタクト膜73、コン
タクト膜73と同様に半導体膜72の上に設けられるコ
ンタクト膜74、コンタクト膜73の上にソースライン
64と接続して設けられるソース電極76およびコンタ
クト膜74の上に画素電極67と接続して設けられるド
レイン電極77を含んで構成される。
【0047】また、ソースライン64は、第1導電層6
5と、該第1導電層65を覆う第2導電層66とから成
る。陽極酸化膜70は、ゲート電極69およびゲート絶
縁膜71の間と、第1導電層65および第2導電層66
の間とに、一体的に設けられる。第2導電層66は、陽
極酸化膜70およびゲート絶縁膜71に設けられた開口
部52によって第1導電層65と接続され、このような
ソースライン64によって、該ライン64の低抵抗化お
よび冗長構造を実現することができる。
【0048】次に、アクティブマトリクス基板61の製
造方法を段階的に説明する。アクティブマトリクス基板
61は前記アクティブマトリクス基板21とほぼ同様に
して製造されるので、図3および図4を参照して簡単に
説明する。図3(A)を参照して、まず、絶縁性基板6
2の一方表面に第1〜第3金属膜として窒化タンタル膜
45、タンタル膜46および窒化タンタル膜47がこの
順番に連続的に成膜されて、積層される。さらに、窒化
タンタル膜47の上のゲート電極69および第1導電層
65となる領域に、所定の形状のレジスト膜48が形成
される。図3(B)を参照して、次に、レジスト膜48
をマスクとしてハーフエッチングが行われた後、レジス
ト膜48が除去される。これによって、残余の窒化タン
タル膜45と、タンタル膜49と、窒化タンタル膜50
とが形成される。図3(C)を参照して、次に、絶縁性
基板62の一方表面側の露出している全表面が陽極酸化
され、陽極酸化膜70と、タンタル膜40および窒化タ
ンタル膜39から成るゲート電極69と、タンタル膜4
2および窒化タンタル膜41から成る第1導電層65と
が形成される。
【0049】図4(A)を参照して、次に、陽極酸化膜
70の上にゲート絶縁膜71としての窒化シリコン膜、
半導体膜72となるi型アモルファスシリコン膜51、
およびコンタクト膜73,74となるn型微結晶シリコ
ン膜がこの順番に連続的に成膜されて、積層される。た
とえば、ゲート絶縁膜71としての窒化シリコン膜の膜
厚は3000Åに選ばれ、半導体膜72となるi型アモ
ルファスシリコン膜51の膜厚は1000Åに選ばれ、
コンタクト膜73,74となるn型微結晶シリコン膜の
膜厚は500Åに選ばれる。さらに、最上面のn型微結
晶シリコン膜上のゲート電極29の上に、所定形状のレ
ジスト膜が形成される。図4(B)を参照して、次に、
n型微結晶シリコン膜とi型アモルファスシリコン膜5
1とが同時に所定の形状にパターン形成される。図4
(C)を参照して、次に、第1導電層65を除く絶縁性
基板62の一方表面側の露出している表面にレジスト膜
がパターン形成され、ゲート絶縁膜71、陽極酸化膜7
0およびタンタル膜42がハーフエッチングされる。こ
れによって、第1導電層65および第2導電層66を接
続するための開口部52が形成される。さらに、ハーフ
エッチング後、レジスト膜が除去される。
【0050】図4(D)を参照して、次に、絶縁性基板
62の一方表面側の露出している全表面にITO膜が、
たとえば1000Åの膜厚に形成される。そして、IT
O膜が所定の形状にパターン形成されて、画素電極6
7、ドレイン電極77、第2導電層66およびソース電
極76が形成される。最後に、ITO膜をマスクとして
ソース電極76およびドレイン電極77の間のn型微結
晶シリコン膜およびi型アモルファスシリコン膜51が
エッチングされる。n型微結晶シリコン膜はすべてエッ
チングされて除去され、i型アモルファスシリコン膜5
1は500Åだけエッチングされる。これによって、残
余のi型アモルファスシリコン膜51から成る半導体膜
72と、残余のn型微結晶シリコン膜から成るコンタク
ト膜73,74とが形成される。
【0051】このようにして完成したアクティブマトリ
クス基板61でも、アクティブマトリクス基板21と同
様に、ゲートライン63からの制御信号によってTFT
素子68をオン/オフし、TFT素子68のオン時にソ
ースライン64から供給される表示信号を画素電極67
に与えて、アクティブマトリクス基板61を用いた液晶
表示装置で表示状態を得ることができる。
【0052】図7は、本発明の第3実施形態であるアク
ティブマトリクス基板81を示す断面図である。図8
は、アクティブマトリクス基板81を示す平面図であ
る。図7は図8のV−V断面図である。アクティブマト
リクス基板81はアクティブマトリクス基板21と同様
に絶縁性基板82、ゲートライン83、ソースライン8
4、画素電極87、TFT素子88および陽極酸化膜9
0を含んで構成される。
【0053】絶縁性基板82は少なくとも一方表面が絶
縁性を有する基板で実現され、たとえばガラス基板が用
いられる。絶縁性基板82の一方表面上には、ベースコ
ート膜98が形成される。絶縁性基板82のベースコー
ト膜98の上には複数のゲートライン83が配設され、
またゲートライン83とは直交して絶縁性を保持して複
数のソースライン84が配設される。さらに、絶縁性基
板82の上のゲートライン83とソースライン84とが
交差することによって形成される複数の矩形領域には、
画素電極87がそれぞれ設けられ、また画素電極87毎
にTFT素子88が設けられる
【0054】TFT素子88は、ゲートライン83と接
続されるゲート電極89、ゲート電極89を覆って絶縁
性基板82の上のベースコート膜98の上のほぼ全面に
形成されるゲート絶縁膜91、ゲート絶縁膜91の上に
設けられる半導体膜92、半導体膜92の上に設けられ
るエッチング保護膜95、半導体膜92の上にエッチン
グ保護膜95に一部重畳して設けられるコンタクト膜9
3、コンタクト膜93と同様に半導体膜92の上にエッ
チング保護膜95に一部重畳して設けられるコンタクト
膜94、コンタクト膜93の上にソースライン84と接
続して設けられるソース電極96およびコンタクト膜9
4の上に画素電極87と接続して設けられるドレイン電
極97を含んで構成される。
【0055】また、ソースライン84は、第1導電層8
5と、該第1導電層85を覆う第2導電層86とから成
る。陽極酸化膜90は、ゲート電極89およびゲート絶
縁膜91の間と、第1導電層85および第2導電層86
の間とに、一体的に設けられる。第2導電層86は、陽
極酸化膜90およびゲート絶縁膜91に設けられた開口
部52によって第1導電層85と接続され、このような
ソースライン84によって、該ライン84の低抵抗化お
よび冗長構造を実現することができる。
【0056】次に、アクティブマトリクス基板81の製
造方法を段階的に説明する。アクティブマトリクス基板
81も前記アクティブマトリクス基板21とほぼ同様に
して製造されるので、図3および図4を参照して簡単に
説明する。図3(A)を参照して、まず、絶縁性基板8
2の一方表面にベースコート膜98が形成される。具体
的には、Ta25をスパッタリング法によって3000
Åの膜厚に成膜することによって、ベースコート膜98
が形成される。次に、ベースコート膜98の上に第1〜
第3金属膜に代わる1層の金属膜として、アルミニウム
とジルコニウムとの合金膜が成膜される。該合金膜は、
たとえばジルコニウムの原子割合が2%に選ばれ、その
膜厚が3000Åに選ばれる。さらに、合金膜の上にレ
ジスト膜48が形成される。レジスト膜48は、合金膜
の上の領域であって、ゲート電極89および第1導電層
85となる領域で、所定の形状にパターン形成される。
【0057】図3(B)を参照して、次に、レジスト膜
48をマスクとしてハーフエッチングが行われる。すな
わち、合金膜を2000Åだけエッチングして除去し、
残りの1000Åはエッチングせずにそのまま残す。具
体的には、エッチングガスとして流量250sccmの
BCl3 と流量250sccmのCl2 との混合ガスを
用い、電力1500W、圧力100mTorr、エッチ
ング時間180secとして、ハーフエッチングを行っ
た。さらに、ハーフエッチング後、レジスト膜48が除
去される。
【0058】図3(C)を参照して、次に、絶縁性基板
82の一方表面側の露出している全表面が陽極酸化され
て、陽極酸化膜90が形成される。たとえば、シュ石酸
アンモニウムとエチレングリコールの溶液を用い、予め
定められた電圧値および電流値が通電される。陽極酸化
膜90は、たとえば1500Åの膜厚に形成される。ま
た、残余の合金膜から成るゲート電極89および第1導
電層85が形成される。
【0059】図4(A)を参照して、次に、陽極酸化膜
90の上に、ゲート絶縁膜91としての窒化シリコン
膜、半導体膜92となるi型アモルファスシリコン膜5
1、およびエッチング保護膜95となる窒化シリコン膜
がこの順番に連続的に成膜されて、積層される。たとえ
ば、ゲート絶縁膜91としての窒化シリコン膜の膜厚は
3000Åに選ばれ、半導体膜92となるi型アモルフ
ァスシリコン膜51の膜厚は300Åに選ばれ、エッチ
ング保護膜95となる窒化シリコン膜の膜厚は2000
Åに選ばれる。さらに、最上面の窒化シリコン膜がゲー
ト電極89の上にパターン形成されて、エッチング保護
膜95となる。
【0060】図4(B)を参照して、次に、i型アモル
ファスシリコン膜51およびエッチング保護膜95を覆
ってコンタクト膜93,94となるn型微結晶シリコン
膜が、たとえば500Åの膜厚に成膜される。該n型微
結晶シリコン膜は、前記i型アモルファスシリコン膜5
1と同時に所定の形状にパターン形成される。すなわ
ち、i型アモルファスシリコン膜51はゲート電極89
を覆う所定の形状にパターン形成されて、半導体膜92
となる。また、n型微結晶シリコン膜は半導体膜92の
上にエッチング保護膜95に一部分が重畳する所定の形
成にパターン形成されて、コンタクト膜93,94とな
る。
【0061】図4(C)を参照して、次に、第1導電層
85を除く絶縁性基板82の一方表面側の露出している
表面にレジスト膜がパターン形成され、ゲート絶縁膜9
1および陽極酸化膜90がエッチングされ、これによっ
て第1導電層95と最2導電層96とを接続するための
開口部52が形成される。さらに、ハーフエッチング
後、レジスト膜が除去される。
【0062】図4(D)を参照して、次に、絶縁性基板
82の一方表面側の露出している全表面にチタン膜が、
たとえば3000Åの膜厚に形成される。そして、フォ
トリソグラフィ工程によって所定の形状にパターン形成
されて、ドレイン電極97、第2導電層86およびソー
ス電極96が形成される。最後に、スパッタ装置を用い
て、絶縁性基板82の一方表面側の露出している全表面
にITO膜が、たとえば1000Åの膜厚に形成され
る。そして、ITO膜がフォトリソグラフィ工程によっ
て所定の形状にパターン形成されて、画素電極87が形
成される。
【0063】このようにして完成したアクティブマトリ
クス基板81でも、アクティブマトリクス基板21,6
1と同様に、ゲートライン83からの制御信号によって
TFT素子88をオン/オフし、TFT素子88のオン
時にソースライン84から供給される表示信号を画素電
極87に与えて、アクティブマトリクス基板81を用い
た液晶表示装置で表示状態を得ることができる。
【0064】以上のように第1〜第3実施形態のアクテ
ィブマトリクス基板21,61,81によれば、TFT
素子28,68,88のゲート電極29,69,89お
よびゲート絶縁膜31,71,91の間と、ソースライ
ン24,64,84の第1導電層25,65,85およ
び第2導電層26,66,86の間とには、陽極酸化膜
30,70,90が一体的に設けられる。該陽極酸化膜
30,70,90によって、第1導電層25,65,8
5にパターン不良が発生した場合であっても、電気的な
信頼性を高く保持して、微小電流のリークの発生を抑制
することができる。したがって、アクティブマトリクス
基板21,61,81を用いた液晶表示装置において欠
陥画素の発生が抑制され、優れた表示品位を得ることが
でき、また歩留りを向上することができる。また、積層
構造のソースライン24,64,84によって該ライン
24,64,84の低抵抗化を図るとともに冗長構造を
実現することができる。
【0065】また、第1および第2実施形態のアクティ
ブマトリクス基板21,61では、ゲート電極29,6
9および第1導電層25,65は窒化タンタル膜39,
41とタンタル膜40,42との積層構造をそれぞれ有
し、陽極酸化膜30,70は五酸化タンタル膜である。
また、第3実施形態のアクティブマトリクス基板81で
は、ゲート電極89および第1導電層85はそれぞれア
ルミニウムとジルコニウムとの合金膜であり、陽極酸化
膜90は酸化アルミニウム膜である。したがって、第1
導電層25,65,85をアルミニウムで実現した場合
に第2導電層26,66,86を形成する際に生じるヒ
ロックなどを防止することができ、リークの発生を抑制
することができる。
【0066】また、第1および第2実施形態のアクティ
ブマトリクス基板21,61の製造方法によれば、第1
〜第3の金属膜を陽極酸化するだけで、陽極酸化膜3
0,70、第1導電層25,65およびゲート電極2
9,69を容易に形成することができる。第2実施形態
では特に、3回の成膜工程、4回のフォトリソグラフィ
工程および5回のエッチング工程という比較的少ない工
程数によって、不良率の低い、良好な特性のアクティブ
マトリクス基板61を完成することができる。また、第
3実施形態のアクティブマトリクス基板81の製造方法
によれば、1層の金属膜を陽極酸化するだけで、陽極酸
化膜90、第1導電層85およびゲート電極89を容易
に形成することができる。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1〜第
3の金属膜を第1導電層とゲート電極とに分離する特別
な工程を追加することなく、金属膜を陽極酸化するだけ
で容易に第1導電層とゲート電極と作製し、信頼性の高
いアクティブマトリクス基板を提供することができる。
また、第1〜第3の金属膜をパターニングする際に、ハ
ーフエッチングすることによって、エッチングを終了す
る時点を精度よく検出できるので、均一なアクティブマ
トリクス基板を効率的に形成して良品率を向上すること
ができる。
【0068】また本発明によれば、第1金属膜を窒化タ
ンタル膜とし、第2金属膜をタンタル膜とし、第3金属
膜を窒化タンタル膜として、ヒロックなどを防止してリ
ークの発生が抑制できる信頼性の高いアクティブマトリ
クス基板を提供することができる。
【0069】また本発明によれば、上記のエッチング条
件に従ってドライエッチングを行うことによって、良好
なパターニングを行うことができる。
【0070】また本発明によれば、1層の金属膜を第1
導電層とゲート電極とに分離する特別な工程を追加する
ことなく、金属膜を陽極酸化するだけで容易に第1導電
層とゲート電極とを作製し、信頼性の高いアクティブマ
トリクス基板を提供することができる。また、1層の金
属膜をパターニングする際に、ハーフエッチングするこ
とによって、エッチングを終了する時点を精度よく検出
できるので、均一なアクティブマトリクス基板を効率的
に形成して良品率を向上することができる。
【0071】また本発明によれば、金属膜をアルミニウ
ムとジルコニウムとの合金膜として、ヒロックなどを防
止してリークの発生を抑制できる信頼性の高いアクティ
ブマトリクス基板を提供することができる。
【0072】
【0073】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるアクティブマトリ
クス基板21を示す断面図である。
【図2】アクティブマトリクス基板21を示す平面図で
ある。
【図3】アクティブマトリクス基板21の製造方法を段
階的に示す断面図である。
【図4】アクティブマトリクス基板21の製造方法を段
階的に示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態であるアクティブマトリ
クス基板61を示す断面図である。
【図6】アクティブマトリクス基板61を示す平面図で
ある。
【図7】本発明の第3実施形態であるアクティブマトリ
クス基板81を示す断面図である。
【図8】アクティブマトリクス基板81を示す平面図で
ある。
【図9】従来技術であるアクティブマトリクス基板1を
示す断面図である。
【図10】アクティブマトリクス基板1を示す平面図で
ある。
【図11】ソースライン4の第1導電層5に不良部分5
aが発生した状態を示す断面図である。
【図12】不良発生状態を示す平面図である。
【符号の説明】
21,61,81 アクティブマトリクス基板 22,62,82 絶縁性基板 23,63,83 ゲートライン 24,64,84 ソースライン 25,65,85 第1導電層 26,66,86 第2導電層 27,67,87 画素電極 28,68,88 TFT素子 29,69,89 ゲート電極 30,70,90 陽極酸化膜 31,71,91 ゲート絶縁膜 32,72,92 半導体膜 33,34,73,74,93,94 コンタクト膜 35,95 エッチング保護膜 36,76,96 ソース電極 37,77,97 ドレイン電極 39,41,45,47,50 窒化タンタル膜 40,42,46,49 タンタル膜 48 レジスト膜 51 i型アモルファスシリコン膜 52 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−134343(JP,A) 特開 平7−15017(JP,A) 特開 平8−325721(JP,A) 特開 平2−73330(JP,A) 特開 平10−90717(JP,A) 特開 平3−270163(JP,A) 特開 平6−84943(JP,A) 特開 平7−94752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1368 G02F 1/1343 G02F 1/13 101 H01L 29/78

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行に間隔を開けて絶縁性基板上
    に配設される複数のゲートラインと、 ゲートラインとは直交して絶縁性を保持し、互いに間隔
    を開けて絶縁性基板上に配設される複数のソースライン
    であって、第1導電層および該第1導電層を覆う第2導
    電層から成るソースラインと、 絶縁性基板上のゲートラインとソースラインとが交差す
    ることによって形成される複数の矩形領域にそれぞれ設
    けられる画素電極と、 画素電極毎に絶縁性基板上に設けられるスイッチング素
    子であって、ゲートラインと接続されるゲート電極、ゲ
    ート電極を覆うゲート絶縁膜、ゲート絶縁膜上に設けら
    れる半導体膜、半導体膜上にソースラインと接続して設
    けられるソース電極および半導体膜上に画素電極と接続
    して設けられるドレイン電極を含むスイッチング素子
    と、を備えるアクティブマトリクス基板の製造方法にお
    いて、 絶縁性基板上に第1〜第3金属膜をこの順番に積層し、
    第3金属膜上の領域であって、ゲート電極および第1導
    電層となるべき領域にレジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜をマスクとして金属膜をハーフエッチン
    グすることによって、前記レジスト膜で覆われていない
    領域の第3金属膜および第2金属膜をすべてエッチング
    除去し、前記レジスト膜で覆われていない領域の第1金
    属膜を一部分だけエッチング除去するようにパターニン
    グする工程と、 前記レジスト膜を除去した後、残余の前記第1〜第3金
    属膜を陽極酸化し、陽極酸化された金属膜の領域から成
    る陽極酸化膜と、陽極酸化されなかった金属膜の領域か
    ら成るゲート電極および第1導電層とを形成する工程
    と、 前記陽極酸化膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にi型アモルファスシリコン膜を形
    成し、ゲート電極上のi型アモルファスシリコン膜上の
    領域にエッチング保護膜を形成する工程と、 前記i型アモルファスシリコン膜上にエッチング保護膜
    に一部重畳して第1および第2コンタクト膜を形成する
    工程と、 前記第1導電層上のゲート絶縁膜および陽極酸化膜に開
    口部を形成する工程と、 前記第1コンタクト膜上にソース電極を形成し、前記開
    口部にソース電極に接続して第2導電層を形成し、前記
    第2コンタクト膜上にドレイン電極を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするアクティブマトリクス基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1金属膜は窒化タンタル膜であ
    り、第2金属膜はタンタル膜であり、第3金属膜は窒化
    タンタル膜であることを特徴とする請求項1記載のアク
    ティブマトリクス基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ハーフエッチングは、ドライエッチ
    ング装置によって行われ、該ドライエッチング装置は、
    そのエッチングチャンバに、特定波長のみが分光できて
    光強度を測定できる装置を備え、ドライエッチング時
    に、第1金属膜の窒化タンタル膜および第2金属膜のタ
    ンタル膜の発光強度の違いが最も強く現れる波長337
    nmを特定波長として用いることを特徴とする請求項2
    記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 互いに平行に間隔を開けて絶縁性基板上
    に配設される複数のゲートラインと、 ゲートラインとは直交して絶縁性を保持し、互いに間隔
    を開けて絶縁性基板上に配設される複数のソースライン
    であって、第1導電層および第1導電層を覆う第2導電
    層から成るソースラインと、 絶縁性基板上のゲートラインとソースラインとが交差す
    ることによって形成される複数の矩形領域にそれぞれ設
    けられる画素電極と、 画素電極毎に絶縁性基板上に設けられるスイッチング素
    子であって、ゲートラインと接続されるゲート電極、ゲ
    ート電極を覆うゲート絶縁膜、ゲート絶縁膜上に設けら
    れる半導体膜、半導体膜上にソースラインと接続して設
    けられるソース電極および半導体膜上に画素電極と接続
    して設けられるドレイン電極を含むスイッチング素子
    と、を備えるアクティブマトリクス基板の製造方法にお
    いて、 絶縁性基板上に1層の金属膜を積層し、金属膜上の領域
    であって、ゲート電極および第1導電層となるべき領域
    にレジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜をマスクとして金属膜をハーフエッチン
    グすることによって、前記レジスト膜で覆われていない
    領域の金属膜を一部分だけエッチング除去するようにパ
    ターニングする工程と、 前記レジスト膜を除去した後、残余の前記金属膜を陽極
    酸化し、陽極酸化された金属膜の領域から成る陽極酸化
    膜と、陽極酸化されなかった金属膜の領域から成るゲー
    ト電極および第1導電層とを形成する工程と、 前記陽極酸化膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にi型アモルファスシリコン膜を形
    成し、ゲート電極上のi型アモルファスシリコン膜上の
    領域にエッチング保護膜を形成する工程と、 前記i型アモルファスシリコン膜上にエッチング保護膜
    に一部重畳して第1および第2コンタクト膜を形成する
    工程と、 前記第1導電層上のゲート絶縁膜および陽極酸化膜に開
    口部を形成する工程と、 前記第1コンタクト膜上にソース電極を形成し、前記開
    口部にソース電極に接続して第2導電層を形成し、前記
    第2コンタクト膜上にドレイン電極を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするアクティブマトリクス基板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属膜はアルミニウムとジルコニウ
    ムとの合金膜であることを特徴とする請求項4記載のア
    クティブマトリクス基板の製造方法。
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