JP3382039B2 - 耐食性及び塗装性能に優れた白色クロメート処理方法 - Google Patents
耐食性及び塗装性能に優れた白色クロメート処理方法Info
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ルミとする)もしくはアルミ合金メッキ鋼板、亜鉛もし
くは亜鉛合金メッキ鋼板、及びアルミもしくはアルミ合
金系素材、亜鉛もしくは亜鉛合金系素材等の非鉄金属メ
ッキ鋼板または非鉄金属材料の耐食性、塗装性能に優れ
た外観が均一な白色系統のクロメート処理法に関する。
鉛メッキ鋼板あるいはアルミ材、亜鉛材等の腐食防止及
び塗装下地処理として広く使用されている。しかし、こ
れらに対する従来のクロメート処理では、優れた耐食性
と塗装性能を確保しながら均一な色調、むらのない外観
を必ずしも得ることが出来ず、その改善が要望されてき
た。
確保して、外観性能に優れる白色系統のクロメート処理
製品を得る方法について種々検討され、Cr6+とCr3+
が共存する還元クロム酸、リン酸化合物、無機コロイド
化合物をそれぞれ適性量含有して構成されるクロメート
浴、あるいはこれに水溶性もしくは水分散性の有機高分
子化合物が添加されたクロメート浴を亜鉛メッキ系鋼
板、アルミメッキ鋼板の表面に塗布して加熱乾燥する方
法が、公知技術として、例えば特公平3−68115号
公報、特公平3−66391号公報、特公平3−663
92号公報等に開示されている。
形成されるクロメート皮膜を黄着色させ易く、また付着
量のばらつきによって外観にむらを生じさせやすいCr
6+の一部を還元したCr3+を含む還元クロム酸をクロメ
ート浴の構成成分とすることにより、Cr3+の多いクロ
メート皮膜として形成させるとともに、透明度の高いC
r3+と無機コロイド化合物とリン酸塩からなる皮膜もし
くはCr3+と有機高分子化合物との透明度の高い皮膜を
生成させることによって、耐食性、塗装性能に優れた白
色系統のクロメート処理製品を製造するものである。
立ちにくい白色系統のクロメート皮膜の形成は可能であ
るものの、Cr6+がCr3+に還元されたクロム酸をクロ
メート浴の構成成分として使用するため、亜鉛メッキ鋼
板もしくはアルミメッキ鋼板表面のZnあるいはAlと
Cr6+との反応による不溶性のクロミウムクロメート、
例えば、Cr(OH)3CrO4の均一な生成が十分でな
いためか、処理されるアルミ系メッキ鋼板、亜鉛系メッ
キ鋼板の表面性状によっては、耐食性あるいは塗装性能
が必ずしも十分得られない等の問題点があった。特に、
この傾向はメッキ鋼板の製造過程において、その表面に
安定な酸化膜が生成され易いアルミメッキ鋼板、アルミ
合金メッキ鋼板あるいは溶融メッキ法による亜鉛メッキ
鋼板、亜鉛−アルミ系合金メッキ鋼板等のメッキ鋼板に
対して著しく、解決すべき問題点を有するのが現状であ
る。
亜鉛系メッキ鋼板もしくはアルミ系メッキ鋼板に対する
むらの少ない白色系統の外観を確保するためのクロメー
ト処理法は、耐食性および塗装性能が必ずしも十分では
なく、特に被処理材の表面に安定な酸化膜が生成され易
いアルミもしくはアルミメッキ鋼板、溶融メッキ法によ
る亜鉛メッキ鋼板もしくはアルミを含有する亜鉛−アル
ミ系合金鋼板等にこの傾向が著しい。本発明は、このよ
うな状況から、上記のメッキ鋼板のように表面に安定な
酸化膜を生成し易いアルミ系、亜鉛系の各種メッキ鋼板
および非鉄金属系素材の耐食性、塗装性能に著しく優れ
た外観が均一な白色系統のクロメート処理法を提供する
ことを目的としたものである。
の外観性能を確保するために還元クロメート処理浴の基
本構成成分とする塗布型クロメート処理において、耐食
性、塗装性能が必ずしも十分ではない従来の問題点を解
決するために種々検討を行った結果、アルミおよび亜鉛
に対して表面酸化膜のエッチング作用による除去機能な
らびに水分の存在する腐食環境下で防食機能を有するヒ
ドロキシアルキルジホスホン酸、アミノアルキルホスホ
ン酸に着目し、還元クロム酸を使用するクロメート浴に
添加、その作用効果を活用することによって、従来例の
抱える問題点を解決し本発明を完成したものである。す
なわち、表面に酸化膜が生成され易い溶融メッキ法によ
って製造されたアルミもしくはアルミ合金メッキ鋼板、
亜鉛もしくは亜鉛合金メッキ鋼板、アルミもしくはアル
ミ合金メッキ系素材および亜鉛もしくは亜鉛合金系素材
等に対して、上記ホスホン酸による表面酸化膜の除去と
活性化によってクロメート皮膜を均一に形成せしめると
ともに、クロメート皮膜中に含有されるホスホン酸の水
分の存在する腐食環境下での防食効果によって、クロメ
ート処理材は耐食性、塗装性能および外観性能の向上が
達成される。
は非鉄金属材料の表面に、(イ)Cr+3/Cr6+の組成
比が3/7〜7/3の還元クロム酸を無水クロム酸換算
で7.5〜100g/lと、(ロ)該還元クロム酸の無
水クロム酸換算に対して重量比で0.5〜3.0のリン
酸化合物と、(ハ)該還元クロム酸の無水クロム酸換算
に対して重量比で0.5〜5.0のシリカ及び/又はケ
イ酸塩のコロイダルシリカと、及び(ニ)ホスホン酸又
はホスホン酸塩化合物1.0〜20g/lとを含有する
クロメート処理液を塗布し、加熱乾燥して、Cr量換算
で片面当たり7.5〜100mg/m2のクロメート皮
膜を形成することを特徴とする非鉄金属メッキ鋼板又は
非鉄金属材料の耐食性及び塗装性能に優れた白色クロメ
ート処理方法を提供する。
鉄金属材料の表面に、(イ)Cr+3/Cr6+の組成比が
3/7〜7/3の還元クロム酸を無水クロム酸換算で
7.5〜100g/lと、(ロ)該還元クロム酸の無水
クロム酸換算に対して重量比で0.5〜3.0のリン酸
化合物と、(ハ)該還元クロム酸の無水クロム酸換算に
対して重量比で0.5〜5.0のシリカ及び/又はケイ
酸塩のコロイダルシリカと、(ニ)ホスホン酸又はホス
ホン酸塩化合物1.0〜20g/lと、及び(ホ)水溶
性もしくは水分散性の有機高分子化合物1.0〜30g
/lとを含有するクロメート処理液を塗布し、加熱乾燥
して、Cr量換算で片面当たり7.5〜100mg/m
2のクロメート皮膜を形成することを特徴とする非鉄金
属メッキ鋼板又は非鉄金属材料の耐食性及び塗装性能に
優れた白色クロメート処理方法を提供する。
性、塗装性能および白色系統の均一な外観性能を達成す
るためのクロメート処理浴を構成する各成分、塗装方法
及び対象となる被処理材について詳述する。(イ)の還
元クロム酸は、無水クロム酸の水溶液を還元剤と反応さ
せてCr3+/Cr6+の組成比が3/7〜7/3に調整し
たクロム酸水溶液を使用する。また、クロメート処理液
中の還元クロム酸の濃度は、無水クロム酸で7.5〜1
00g/lの範囲に規制され、塗布する方法、条件によ
って使用濃度は決定される。Cr6+がCr3+に部分還元
された還元クロム酸は次の方法によって作成される。
すなわち、高濃度の無水クロム酸水溶液に無機アニオン
(例えば、リン酸イオン等)を加え、有機還元剤、無機
還元剤を加えて、Cr6+を還元反応によってCr3+にか
える。還元剤としては、澱粉、糖類、アルコール等の有
機化合物、あるいはヒドラジン、次亜リン酸等の無機化
合物が使用される。
は、可溶性のCr6+が形成されるクロメート皮膜中に多
く含まれるため、皮膜が着色されるとともに、塗装後腐
食環境に曝された場合の塗料密着性、いわゆる二次塗料
密着性及び塗装後耐食性が劣化する。一方、Cr3+/C
r6+の組成比が7/3を超える場合には、クロメート処
理浴が経時によりゲル化し易く、耐食性が劣化する。し
たがって、(イ)の還元クロム酸のCr3+/Cr6+の組
成比は、3/7〜7/3の範囲に規制され、好ましくは
5/5〜6/4の範囲である。
の濃度が7.5g/l未満では、耐食性及び塗装性能を
満足するクロメート皮膜の形成が困難であり、またその
濃度が100g/lを超える場合には、クロメート処理
浴が経時によりゲル化する傾向が増大する。したがっ
て、(イ)の還元クロム酸の濃度は、無水クロム酸換算
で7.5〜100g/lで、好ましくは10〜60g/
lの範囲である。
ロメート皮膜の白色度の向上を目的とした(ロ)のリン
酸化合物とクロメート処理液の均一塗布性と耐食性、塗
装性能の向上のために(ハ)のシリカ及び/またはケイ
酸塩のコロイダルシリカが添加される。(ロ)リン酸化
合物としては、リン酸(H3PO4)、ポリリン酸(H2
P2O7、H5P3O10、H6P4O13)、及びそのアンモニ
ウム塩、Al塩、Mg塩である。これらは単独又は二種
以上複合して使用してもよい。
還元クロム酸の無水クロム酸換算1に対して0.5〜
3.0の範囲に規制される。(ロ)リン酸化合物の添加
量が(イ)還元クロム酸に対して0.5未満では、白色
系統のクロメート皮膜が生成されにくく、またこの添加
量が還元クロム酸に対して3.0を超える場合には、ク
ロメート皮膜が水に溶解し易くなり、耐食性が劣化す
る。したがって、(ロ)リン酸化合物の添加量は、
(イ)還元クロム酸に対して0.5〜3.0で好ましく
は0.75〜2.0の範囲である。
のコロイダルシリカは、(イ)還元クロム酸の無水クロ
ム酸換算1に対して0.5〜5.0の範囲で添加され
る。(ハ)コロイダルシリカの添加量が(イ)還元クロ
ム酸に対して0.5未満の場合には、均一塗布性が劣化
するために、本発明の目的とする外観性能及び耐食性、
塗装性能の性能確保が困難である。一方、(ハ)コロイ
ダルシリカの添加量が(イ)還元クロム酸に対して5.
0を超える場合には、クロメート皮膜の加工密着性が劣
化するとともに、外観が干渉色を呈し劣化する等の問題
が生じる。したがって、(ハ)コロイダルシリカの添加
量は(イ)還元クロム酸に対して0.5〜5.0で、好
ましくは1.5〜3.5の範囲である。
カは、平均粒径1〜100mμの微粒子コロイドが主と
して用いられるが、目的とする外観に対応して一次もし
くは二次の平均粒度が500〜3,000mμの比較的
大きな粒径のコロイダルシリカを複合添加して使用して
も構わない。
性、塗装性能に優れた白色系統のクロメート皮膜を形成
せしめるため、下記に示すホスホン酸又はその塩化合物
が1.0〜20g/l添加される。ホスホン酸は、次式
(I)〜(IV)で示されるものである。
異なってもよく、水素原子、炭素数1〜5の低級アルキ
ル基を表し、Z1〜Z6は各々同一もしくは異なってもよ
く、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウムを表
す。
なってもよく、次の基(A)を表す。
低級アルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。
ル基を表し、Yは水素原子、炭素数1〜5の低級アルキ
ル基、水酸基、アンモニウムを表し、Z1〜Z4は(I)
と同じ。
よく、水素原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、カル
ボキシル基を表し、X1〜X3及びZ1、Z2は(I)と同
じ。
又は2種以上の化合物でもよい。上記の中より選定した
ホスホン酸又はその塩化合物を単独もしくは2種以上を
複合してクロメート浴に添加する。ホスホン酸の中で特
にヒドロキシアルキルジホスホン酸とアミノアルキルホ
スホン酸及びその塩化合物が、クロム酸溶液中に溶解し
やすく、工業的規模での溶液作成及び取り扱いが比較的
容易であり、実用上好ましい。
g/l未満では、本発明の目的とするホスホン酸の作用
効果、すなわち被処理材表面のエッチング作用による表
面清浄化とそれに伴うクロメート皮膜の均一な形成及び
皮膜中への含有による防食効果が不十分なため、目的と
する優れた耐食性、塗装性能が得られない。また(ニ)
ホスホン酸の添加量が20g/lを超える場合には、そ
の添加効果が飽和すると共に、クロメート処理浴中にお
いてCr6+の還元を促進せしめて処理浴の安定性を劣化
させるので好ましくない。したがって(ニ)該ホスホン
酸のクロメート処理浴への添加量は1.0〜20g/
l、好ましくは1.5〜10g/lの範囲に規制され
る。
クロメート処理浴により、塗布処理後に加熱乾燥するこ
とにより、被処理材表面に耐食性、塗装性能に優れ、ま
た均一な白色系統の外観を有するクロメート皮膜が形成
される。さらに、本発明においては、前記に記載したク
ロメート皮膜よりさらに塗装性能、特に塗膜の加工密着
性、腐食水溶液中に長時間曝された後の塗料密着性(い
わゆる二次塗料密着性)及び塗装後の耐食性を向上せし
めるために、(ホ)の水溶性もしくは水分散性の有機高
分子化合物がクロメート処理液中に添加される。該有機
高分子化合物としては、カルボキシル基を有するアニオ
ン系のポリアクリル酸とその共重化合物、マレイン酸共
重化合物、酢酸ビニル共重化合物が使用される。これら
有機高分子化合物は、主として単独で添加、使用される
が、二種以上を複合添加して使用しても構わない。
〜30g/lの範囲に規制される。この添加量が1.0
g/l未満では、本発明の目的とする塗装性能の向上効
果が得られない。また、この添加量が30g/lを超え
る場合には、クロメート処理浴が発泡し易くなり、経時
により処理浴がゲル化する等の処理浴の安定性が劣化す
るので好ましくない。したがって、有機高分子化合物の
添加量は1.0〜30g/lの範囲、好ましくは2.5
〜15g/lの範囲に規制される。
((イ)還元クロム酸−(ロ)リン酸化合物−(ハ)コ
ロイダルシリカ−(ニ)ホスホン酸又はその塩化合物の
一種以上)、もしくは((イ)還元クロム酸−(ロ)リ
ン酸化合物−(ハ)コロイダルシリカ−(ニ)ホスホン
酸又はその塩化合物の一種以上−(ホ)水溶性もしくは
水分散性の有機高分子化合物からなるクロメート処理液
を被処理材の表面に塗布し、Cr換算量で片面当たり
7.5〜100mg/m2に調整、加熱乾燥される。
行われている方法で可能である。例えば、浸漬あるいは
スプレイ法により塗布して、絞りロール法、エアーナイ
フ法により余剰のクロメート処理液を払拭してクロメー
ト皮膜量を調整する方法、ロールコーター法によりクロ
メート皮膜量を調整する方法等が採用される。次いで、
該クロメート処理液を塗布後、加熱乾燥処理が施される
が、加熱乾燥方法についても、従来からの公知の方法が
採用される。例えば、熱風乾燥、ガスもしくは電気加
熱、赤外線加熱法等が用いられ、板温が40℃〜200
℃、好ましくは60℃〜150℃の温度範囲で加熱乾燥
される。
されるクロメート皮膜の付着量は、Cr換算量で片面当
たり7.5〜100mg/m2の範囲に規制される。こ
のCr付着量が7.5mg/m2未満の場合、本発明の
目的とする白色系統の均一外観が得られるものの、耐食
性及び塗装後の耐食性が不十分であり、好ましくない。
一方、Cr付着量が100mg/m2を超える場合に
は、クロメート皮膜の密着加工性が劣化し、塗装後の加
工密着性も同様に劣化するので好ましくない。したがっ
て、本発明におけるクロメート皮膜量は、Cr量換算で
片面当たり7.5〜100mg/m2の範囲で、好まし
くは10〜60mg/m2である。
は、溶融メッキ法によるAlメッキ鋼板、Al−Si系
合金メッキ鋼板、Znメッキ鋼板、Zn−Al系合金メ
ッキ鋼板、Zn−Al−Si系合金メッキ鋼板、Zn−
Al−Mg系合金メッキ鋼板、Zn−Fe系合金メッキ
鋼板、電気メッキ法によるZnメッキ鋼板、Zn−Ni
系合金メッキ鋼板、Zn−Cr系合金メッキ鋼板、Zn
−Ni−Cr系合金メッキ鋼板、Zn−Fe系合金メッ
キ鋼板、Sn系合金メッキ鋼板等の各種非鉄金属メッキ
鋼板及びAl材、Al−Mg−Si、Al−Mg−Si
−Cu、Al−Mg−Si−Cu−Mn合金系素材、Z
n材、Zn−Al、Zn−Mg、Zn−Al−Mg合金
系素材等の非鉄金属材料が挙げられる。
来法に比較して、(ニ)ホスホン酸又はその塩化合物の
作用効果が顕著に得られる被処理材、すなわち安定な酸
化膜の生成される溶融メッキ法によるアルミメッキ鋼
板、アルミ合金メッキ鋼板、Znメッキ鋼板、Zn合金
メッキ鋼板及びアルミ材、アルミ合金材、Zn合金材等
に対して、極めて有効な性能向上効果が得られる。
一般的には油脂分の付着していない被処理材はそのま
ま、また油脂分の付着している被処理材はアルカリビル
ダーを含有する脱脂液等により表面清浄化後にクロメー
ト処理がほどこされるが、特にこれに限定されるもので
はない。例えば、被処理材の表面が脱脂処理により著し
く変色しない場合には、油脂分の付着していない被処理
材をアルカリビルダー等を含む脱脂剤で脱脂洗浄処理後
に本発明の方法を適用しても何ら差し支えない。
ート処理液中に添加、含有される(ニ)ホスホン酸又は
その塩化合物のエッチング作用により、被処理材表面に
おける酸化膜の除去を含めた表面の活性化が促進され、
Cr3+の含有量が多い不溶性のクロミウムクロメート、
白色もしくは無色の(ロ)リン酸塩、(ハ)シリカ三者
の複合化合物、あるいはこれに(ホ)有機高分子化合物
が加熱重合により架橋結合されたクロメート皮膜が、均
一に形成される。さらには、クロメート皮膜中に含有さ
れる(ニ)ホスホン酸又はその塩化合物の前記した被処
理材に対する防食作用、ならびに加熱乾燥過程における
クロメート皮膜中におけるCr6+のCr3+への還元作用
の効果も得られる。そのため、本発明の方法により形成
されるクロメート皮膜は、耐食性、塗装性能に著しく優
れるとともに、白色系統の極めて均一な外観が得られ
る。
かの実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。 実施例1〜5及び比較例1〜5 本発明の方法により構成されたクロメート処理液の組成
を実施例として第1表に示す。また、比較例として用い
たクロメート処理液の組成を第2表に示す。次に第3表
に、各種非鉄金属系素材の代表例を試験材として用い、
本発明の方法によるクロメート処理液と比較クロメート
処理液の該試験材に対するクロメート処理条件とCr付
着量ならびにクロメート処理材の性能評価結果を併せて
示す。
付着している非鉄金属材料及び油脂分の付着していない
実施例4と比較例4の非鉄金属メッキ鋼板は、10g/
lNaOHと5g/lNa2CO3を主成分とするアルカ
リ系脱脂剤で脱脂後クロメート処理を施した。また、他
の実施例及び比較例の非鉄金属メッキ鋼板については、
そのままクロメート処理を行い、評価試験に供した。ま
た、クロメート処理材の性能評価は、以下の方法に準拠
して行った。
発生率(%)及び変色(しみ状の変色も含む)発生率
(%)を測定して評価。
色度YI値の測定(ASTM E313)と白色度WI
値の測定(ASTM E313)により評価した。な
お、均一性の評価においては、次の評価基準により外観
評価を行った。 ◎:極めて良好 ○:比較的良好 △:やや外観むら発生 ×:著しく外観むら発生
装した評価材について、エリクセン加工試験による塗料
密着性及び塩水噴霧試験による塗装後耐食性を評価し
た。すなわち、 (a)塗料密着性(一次及び二次密着性)の評価 一次塗料密着性の評価法として塗装材をそのまま、また
二次塗料密着性の評価法として評価材を100℃の純水
中に30分間浸漬後にエリクセン試験機で板厚0.6m
mの評価材を6mm厚さ押し出し、セロテープを貼り付
け、剥離試験を行い、押し出し加工部の塗膜の剥離程度
を調査し、以下に示す5点法による評価基準により評価
した。 評点5:塗膜の剥離面積0.5%未満 評点4:塗膜の剥離面積0.5%以上〜5.0未満 評点3:塗膜の剥離面積5.0%以上〜15%未満 評点2:塗膜の剥離面積15.0%以上〜40%未満 評点1:塗膜の剥離面積40%以上
塩水噴霧試験(JISZ2371)240時間実施後、
試験面にセロテープを貼り付け、剥離試験を行い、クロ
スカット部周辺における塗膜の剥離程度を調査し、以下
に示す5点法による評価基準により評価した。 評点5:クロスカット部の塗膜の剥離幅が片側 最大
2.5mm未満 評点4:クロスカット部の塗膜の剥離幅が片側 最大
2.5以上〜5.0mm未満 評点3:クロスカット部の塗膜の剥離幅が片側 最大
5.0mm以上〜7.5mm未満 評点2:クロスカット部の塗膜の剥離幅が片側 最大
7.5mm以上 評点1:クロスカット部の周辺のみならず他の塗膜面の
剥離が著しく発生 これらの結果から、本発明の方法によるクロメート処理
材は、比較材に比べて、外観性能、耐食性及び塗装性能
に著しく優れる。
ミもしくはアルミ合金メッキ鋼板、亜鉛もしくは亜鉛合
金メッキ鋼板等の非鉄金属メッキ鋼板、及びアルミもし
くはアルミ合金系素材、亜鉛もしくは亜鉛系合金素材等
の非鉄金属材料に対して、耐食性、塗装性能に著しく優
れた白色系統の均一外観を有するクロメート処理が可能
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 非鉄金属メッキ鋼板又は非鉄金属材料の
表面に、(イ)Cr+3/Cr6+の組成比が3/7〜7/
3の還元クロム酸を無水クロム酸換算で7.5〜100
g/lと、(ロ)該還元クロム酸の無水クロム酸換算に
対して重量比で0.5〜3.0のリン酸化合物と、
(ハ)該還元クロム酸の無水クロム酸換算に対して重量
比で0.5〜5.0のシリカ及び/又はケイ酸塩のコロ
イダルシリカと、及び(ニ)ホスホン酸又はホスホン酸
塩化合物1.0〜20g/lとを含有するクロメート処
理液を塗布し、加熱乾燥して、Cr量換算で片面当たり
7.5〜100mg/m2のクロメート皮膜を形成する
ことを特徴とする非鉄金属メッキ鋼板又は非鉄金属材料
の耐食性及び塗装性能に優れた白色クロメート処理方
法。 - 【請求項2】 非鉄金属メッキ鋼板又は非鉄金属材料の
表面に、(イ)Cr+3/Cr6+の組成比が3/7〜7/
3の還元クロム酸を無水クロム酸換算で7.5〜100
g/lと、(ロ)該還元クロム酸の無水クロム酸換算に
対して重量比で0.5〜3.0のリン酸化合物と、
(ハ)該還元クロム酸の無水クロム酸換算に対して重量
比で0.5〜5.0のシリカ及び/又はケイ酸塩のコロ
イダルシリカと、(ニ)ホスホン酸又はホスホン酸塩化
合物1.0〜20g/lと、及び(ホ)水溶性もしくは
水分散性の有機高分子化合物1.0〜30g/lとを含
有するクロメート処理液を塗布し、加熱乾燥して、Cr
量換算で片面当たり7.5〜100mg/m2のクロメ
ート皮膜を形成することを特徴とする非鉄金属メッキ鋼
板又は非鉄金属材料の耐食性及び塗装性能に優れた白色
クロメート処理方法。
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JP30289094A JP3382039B2 (ja) | 1993-11-12 | 1994-11-11 | 耐食性及び塗装性能に優れた白色クロメート処理方法 |
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1994
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JPH07180065A (ja) | 1995-07-18 |
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