JP3381784B2 - 光半導体素子、該光半導体素子を用いた光通信モジュール、および光半導体素子の製造方法 - Google Patents

光半導体素子、該光半導体素子を用いた光通信モジュール、および光半導体素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信技術で用い
られる光半導体素子、その光半導体素子を用いた光通信
モジュール、および光半導体素子の製造方法に関し、特
に、信号光の増幅や消光を機能とする光半導体素子、そ
の光半導体素子を用いた光通信モジュール、および光半
導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光半導体素子である半導体光増幅素子
(SOA: Semiconductor Optical Amplifier)は、導
波路を構成するための光増幅媒体を有し、信号光を電気
信号に変換することなく、信号光を増幅するものであ
る。その半導体光増幅素子の構造は半導体レーザと基本
的に共通であるが、半導体光増幅素子の端部における光
反射率を無反射被膜などで抑制し、光が共振しないよう
に構成されている。このため、半導体光増幅素子では、
電流を注入しても半導体光増幅素子自体のレーザ発振は
抑えられ、半導体光増幅素子に入力された信号光による
誘導放出で、増幅された光が半導体光増幅素子から出力
される仕組みとなっている。
【0003】半導体光増幅素子が記載された文献として
は、 (1)I. Cha. et al., Electron. Lett. Vol. 25, pp.
1241-1242, 1989. (2)C. E. Zah, et. al., Electron. Lett. Vol. 23,
pp. 990-991, 1987. (3)S. Kitamura, et. al., IEEE Phonics Technol.
Lett. Vol.7, pp.147-148,1995 (4)L. F. Tiemeijer, OAA’94 Technical Digest 34
/WD1-1, 1994 (5)P. Doussiere, et. al., ECOC’96 Proceeding V
ol. 3, WeD 2.4, 1996. (6)S. Chelles, et. al., ECOC’96 Proceeding, Vo
l.4 ThB 2.5, 1996. などが挙げられる。
【0004】これらのうち(4)〜(6)の文献には、
半導体光増幅素子と光ファイバを用いて半導体光増幅素
子をモジュール化することが記載されている。この場
合、入力側の光ファイバに入力した光の強度と、出力側
のファイバから出力された光の強度との比であるモジュ
ール利得を20dB以上とすることができ、半導体光増
幅素子により増幅された信号光の飽和出力は10dBm
近くになることが記載されている。
【0005】一方、半導体光増幅素子の機能としては、
上述した光増幅機能の他に、半導体光増幅素子がキャリ
ア注入型の光ゲートとして機能することが挙げられる。
つまり、半導体光増幅素子の活性層は、電流を注入して
いるオンの時に光を増幅する一方、電流を注入していな
いオフの時に高い光吸収特性を示すため、半導体光増幅
素子に注入する電流を制御することにより、半導体光増
幅素子への入力光のオン・オフを制御することができ
る。将来の大容量光通信ネットワークでは、信号光経路
の切り替え接続(クロスコネクト)用にマトリクス型光
スイッチが強く望まれており、このマトリクス型光スイ
ッチの光ゲートエレメントとして、半導体光増幅素子が
現在有望とされている。半導体光増幅素子は、電界吸収
型の半導体変調器や光結合カップラー型のスイッチに比
べて、オン時とオフ時の光出力強度の比である消光比が
大きい。このため、半導体光増幅素子をゲートエレメン
トとしてマトリクス光型スイッチを構成することによ
り、漏話(クロストーク)が大変小さく、通信エラーが
起こりにくい光ネットワークを実現することができる。
半導体光増幅素子の光ゲート機能が記載されている文献
としては、上記の文献(4)〜(6)や、 (7)S. Kitamura, et. al., ECOC’96 Proceeding Vo
l. 3, WeP 17, 1996. (8)G. Soulage, et. al., ECOC’96 Proceeding, Vo
l. 4, ThD 2.1, 1996. などが挙げられる。上記の文献(4)〜(8)のぞれぞ
れに開示された半導体光増幅素子は、レンズ光学系を用
いて光ファイバからの光を半導体光増幅素子へ結合する
ことによって半導体光増幅素子がモジュール化されてお
り、このモジュール化された半導体光増幅素子では、光
の結合効率が極めて高いことから50dB以上の消光比
を容易に実現している。
【0006】しかし、このようにレンズを用いた結合方
法では、レンズを含む光学系の構造が複雑で、しかも部
品点数も多く生産性が低いため、半導体光増幅素子と光
ファイバとを直接、光結合することが近年取り組まれて
いる。その場合、光ファイバからの光をレンズを用いず
に半導体光増幅素子へと結合するため、結合損失が比較
的高いという問題点がある。その光ファイバと半導体光
増幅素子との光結合における光損失を補うため、光ファ
イバの半導体光増幅素子側の先端を球状に加工すること
や、半導体光増幅素子に光スポットサイズの変換構造を
集積することなどが試みられている。
【0007】また、レンズ系を用いずに半導体光増幅素
子の両端に光ファイバを直接接続した場合、レンズ系を
用いた場合のように光結合効率がそれほど高くならない
ので、一方の光ファイバから半導体光増幅素子に入射し
た信号光の一部が半導体光増幅素子の光導波路である活
性層に伝搬されず、その活性層に伝搬されなかった光が
非導波光となって活性層の周囲を透過した後に、透過し
た非導波光が他方の光ファイバに直接到達して結合して
しまう。ここで、半導体光増幅素子をスイッチングゲー
トとして利用した場合、この非導波光は、半導体光増幅
素子に電流を注入していないオフの時にも半導体光増幅
素子の活性層へと伝搬されずに、すなわちその活性層で
吸収されることなく出力側光ファイバから出力されるた
め、結果として消光比を劣化させることになる。
【0008】レンズ系を用いずに半導体光増幅素子に光
ファイバを直接接続する場合に消光比を向上させる方法
が記載された文献としては、 (9)玉貫岳正らによる、電子情報通信学会、1998年総
合大会、C-4-35が挙げられる。この文献(9)に開示さ
れた半導体光増幅素子では、導波路を湾曲した形状にす
ることで光入射側と光出射側の光軸にオフセットを持た
せている。この半導体光増幅素子では、活性層へと伝搬
されない非導波光が出力側の光ファイバに直接結合する
ことを防止できることから、50dB以上の消光比を実
現している。次では、このような湾曲した導波路を有す
る半導体光増幅素子について図20および図21を参照
して説明する。
【0009】図20は、上記の文献(9)に記載された
従来の光半導体素子を示す平面図であり、図21は図2
0のA−A’線断面図である。図21に示されるよう
に、従来の光半導体素子である半導体光増幅素子101
では、基板102の裏面にn側電極106が形成され、
基板102の表面における所定の部分にバッファ層10
5を介して導波コア層103が形成されている。この導
波コア層103を被覆するように、基板102の表面に
おける導波コア層103の周囲の部分、および導波コア
層103の表面にクラッド層104が形成されている。
従って、導波コア層103はクラッド層104内に埋め
込まれていて、導波コア層103によって半導体光増幅
素子101内の光導波路が構成されている。
【0010】また、基板102の表面には、クラッド層
104から距離をおいて配置された外側クラッド層13
1が形成されている。この外側クラッド層131は、ク
ラッド層104の両外側に配置されており、クラッド層
104の外側クラッド層131側の側面と、外側クラッ
ド層131のクラッド層104側の側面と、基板102
の表面におけるクラッド層104と外側クラッド層13
1との間の部分とから溝108が構成されている。すな
わち、クラッド層104と外側クラッド層131の間に
溝108が設けられている。
【0011】クラッド層104および外側クラッド層1
31の表面にはキャップ層107が形成されている。ク
ラッド層104上のキャップ層107の表面における導
波コア層103に対応する部分、およびその部分の周囲
を除く部分、すなわちクラッド層104上のキャップ層
107の表面における外側クラッド層131側の部分
や、溝108の内壁全体、外側クラッド層131上のキ
ャップ層107の表面には絶縁膜109が形成されてい
る。クラッド層104上のキャップ層107の表面にお
ける絶縁膜109を除く部分、およびクラッド層104
上のキャップ層107の表面に形成された絶縁膜109
の表面の一部にp側電極110が形成されている。
【0012】このように積層された半導体光増幅素子1
01では、図20に示されるように、導波コア層103
が、光入力側導波路領域111と光出力側導波路領域1
12の部分が利得領域113に対して傾斜したS字形状
に湾曲している。より詳細には、導波コア層103の光
入力側導波路領域111の部分と光出力側導波路領域1
12の部分とは270μmの長さの直線状に形成され、
かつ、それら2つの領域の部分が互いに平行な状態で2
4μmの距離にオフセットされており、導波コア層3
の、光入力側導波路領域111と光出力側導波路領域1
12との間に挟まれる光増幅領域としての利得領域11
3の部分が半径1.2mmの曲率でS字状に湾曲してい
る。また、導波コア層103の、光入力側導波路領域1
11および光出力側導波路領域112のそれぞれの部分
は、半導体光増幅素子101の端面に対して垂直な方向
から7°傾けて形成されている。
【0013】また、図20に示されるように、導波コア
層103を覆うクラッド層の、導波コア層103の両外
側には、導波コア層103から一定の距離で離れて導波
コア層103に沿うように溝108が形成されている。
溝108は、導波コア層103の光入力側導波路領域1
11、利得領域113および光出力側導波路112の部
分、すなわち導波コア層103の全ての部分の両外側に
形成されている。
【0014】上述したように構成された半導体光増幅素
子101の両端には、端面が平坦な光ファイバ115,
116が直接に光接続され、p側電極110からn側電
極106へ流れる電流を制御することにより、入力側光
ファイバ115から入力される信号光を増幅して出力側
光ファイバ116に出力することや、入力される信号光
を消光させて出力しないことができる。この時、入力側
光ファイバ115から入力された光で、導波コア層10
3に結合されない非導波光は、直進する非導波光121
のように伝搬し再び出力側光ファイバ16に結合しな
い。このように、光導波路を構成する導波コア層103
を湾曲した形状にし、光入射側と光出射側の光ファイバ
の光軸にオフセットを持たせたことにより、非導波光が
出力側の光ファイバに直接結合することを防ぐことがで
きることから、高い消光比を実現している。
【0015】一方、大容量の信号をクロスコネクトで経
路切り替えするためには、非同期転送モード(ATM:
Asynchronous Transfer Mode)のスイッチシステムに
代表されるように経路の切り替えが非常に高速でなけれ
ばならない。このため半導体光増幅素子を光ゲートエレ
メントとして用いてマトリクス光スイッチを構成した場
合、半導体光増幅素子がオンからオフ、オフからオンへ
切り替わる時間を短くすれば、信号光を伝送できる能力
(スループット)が大変大きく、輻輳が起こりにくい光
クロスコネクトを実現することができる。半導体光増幅
素子を高速スイッチ動作させるためには、その素子の静
電容量を低減することによって駆動電流の変化に対する
素子の応答速度を向上させる必要がある。
【0016】半導体光増幅素子の高速スイッチ機能に関
することが記載された文献としては、 (10)T. Kato et. al., OFC’98, PD3, pp. PD3-1-P
D3-4, 1998. (11)M. Bachmann et. al., Electron. Lett., vol.
32 pp. 206-2078, 1996. などが挙げられる。上記の文献(10)には、前記の文
献(3)に記載されているものと同様の構成の半導体光
増幅素子を平面型光回路(PLC: Planer Lightwave Circ
uit)に実装して構成されたマトリク光スイッチが記載
されている。この半導体光増幅素子の構造は図21に示
した構造と同じであり、導波コア層の近傍に半導体クラ
ッド層を選択的に形成した構造であって、導波コア層近
傍の半導体クラッド層の周囲に形成された溝によって外
側クラッド層がその半導体クラッド層から隔てられてい
る。この半導体光増幅素子では、導波コア層近傍のp/
n接合の面積が狭いため、素子容量が低く、1ナノ秒以
下のスイッチング特性が得られることが記載されてい
る。
【0017】また、文献(11)に記載の半導体光増幅
素子では、導波コア層の近傍の領域にプロトンを打ち込
み、その領域を絶縁化することによって高速なスイッチ
ングが可能な構造が採用されている。このように、半導
体光増幅素子の静電容量を低減させるためには、導波コ
ア層の利得領域における導波コア層近傍以外の領域を絶
縁化し、導波コア層近傍のp/n接合の領域を狭くする
ことが行われている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述の文献(11)に
開示された半導体光増幅素子では導波コア層の近傍にプ
ロトンを打ち込み、この領域を絶縁化することによって
高速スイッチングできる構造を採用している。
【0019】しかしながら、このようにプロトンの打ち
込みで半導体光増幅素子の静電容量を低減させる方法で
は、プロトン打ち込みのための高価な設備が必要である
ためにコストがかかること、プロトンを打ち込む領域を
正確に制御することが困難であり高い生産歩留まりが得
られにくいこと、打ち込まれたプロトンが経時的に移動
するため、長期的な信頼性に欠けること等の問題点があ
った。
【0020】また、上述の文献(9),(10)に開示
された半導体光増幅素子は、導波コア層を含む光導波路
の近傍にクラッド層を選択的に形成することによって高
速スイッチが可能となるような構成を採用している。さ
らに、導波路を、S字形状に湾曲した形状にすること
で、光入射側と光出射側の光軸にオフセットを持たせて
おり、非導波光が出力側の光ファイバに直接結合するこ
とを防げる構造になっていることから50dB以上の消
光比を実現しているが、一部の素子において、消光比が
40dB程度の場合があった。この原因について図20
を参照して説明する。
【0021】図20および図21に示した半導体光増幅
素子101では、入力側光ファイバ115から入力され
た光で、導波コア層103に結合されない非導波光は、
直進する非導波光121の他に、クラッド層を伝搬する
非導波光122、溝を伝搬する非導波路光123も存在
する。これらのうち、直進する非導波光121は再び出
力側光ファイバ116に結合することはないが、クラッ
ド層を伝搬する非導波光122と、溝を伝搬する非導波
光123の一部は再び出力側光ファイバ116に結合す
ることがある。このため、半導体光増幅素子101に電
流を流していない状態でも、出力側光ファイバ116に
信号光の一部が漏洩することから、一部の素子におい
て、消光比が40dB程度の場合があった。このよう
に、文献(9)に記載の半導体光増幅素子では、全ての
素子において50dBの消光比を達成することが困難で
あり、消光比の歩留まりの点で問題があった。
【0022】本発明の目的は、消光比が高く、高速なス
イッチング動作が可能で、かつ、生産性の歩留りを向上
させることが可能な光半導体素子、その光半導体素子を
用いた光通信モジュール、およびそのような光半導体素
子を、歩留まりが高く生産することが可能な光半導体素
子の製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の光半導体素子は、基板と、該基板の表面に
部分的に形成されて光導波路を構成し、少なくとも一部
が、前記光導波路を伝搬する光のスイッチングを行うた
めの、前記光を増幅する光増幅領域となった導波コア層
と、該導波コア層を覆うように前記基板および前記導波
コア層のそれぞれの表面に形成されたクラッド層とを有
し、前記クラッド層における前記導波コア層の外側の部
分に溝が部分的に形成されている。
【0024】上記の発明では、基板の表面に形成され
た、光導波路となる導波コア層を覆っているクラッド層
における導波コア層の外側の部分に溝が部分的に形成さ
れており、クラッド層における導波コア層の外側の部分
に、溝が形成された領域と、溝が形成されていない領域
が存在している。このような光半導体素子では、クラッ
ド層の、導波コア層の光増幅領域の部分の外側の部分に
溝が形成されていることにより、光半導体素子の静電容
量が低くなるので、導波コア層を伝搬する光を導波コア
層の光増幅領域によってスイッチングする際に、高速な
スイッチング動作が可能となる。また、このような光半
導体素子では、光導波路を構成する導波コア層に光が入
力されるように、例えばレンズ系などを用いずに光半導
体素子に光ファイバを光接続した場合に、導波コア層の
近傍を伝搬する非導波光が、クラッド層の、導波コア層
の外側の部分における溝が形成されていない領域で回折
され、回折された後に再び導波コア層の近傍を伝搬する
非導波光がわずかとなる。ここで、光半導体素子の光導
波路の一端に入力側光ファイバからの光が入力され、そ
の光導波路の他端から出力側光ファイバへと光が出力さ
れるように光半導体素子に入力側光ファイバおよび出力
側光ファイバを接続した際に、入力側光ファイバから光
半導体素子に入力された光のうち、導波コア層の近傍を
伝搬して出力側光ファイバへと出力される光、すなわち
光半導体素子の光導波路を伝搬せずに入力側光ファイバ
から出力側光ファイバへと伝搬される光が減少する。従
って、導波コア層の光増幅領域によって、光半導体素子
の導波コア層を伝搬する光のスイッチングを行った場
合、高い消光比が得られる。また、このように高速なス
イッチング動作が可能で、消光比の高い光半導体素子を
実現するために、導波コア層の外側に部分的に溝を形成
した構成の光半導体素子は、生産性の歩留り良く製造さ
れる。
【0025】また、本発明は、基板と、該基板の表面に
部分的に形成されて光導波路を構成し、少なくとも一部
が、前記光導波路を伝搬する光のスイッチングを行うた
めの、前記光を増幅する光増幅領域となった導波コア層
と、該導波コア層を覆うように前記基板および前記導波
コア層のそれぞれの表面に形成されたクラッド層とを有
し、前記クラッド層における前記導波コア層の両外側の
部分に、前記導波コア層から離れて前記導波コア層に沿
うように溝が形成された光半導体素子において、前記ク
ラッド層の、前記導波コア層の両外側の溝の間に挟まれ
た部分の幅が部分的に異なっている。
【0026】上記の発明では、導波コア層を覆うクラッ
ド層の、導波コア層の両外側に形成された溝の間に挟ま
れた部分の幅が部分的に異なっていることにより、クラ
ッド層内の導波コア層の近傍を伝搬する非導波光が、ク
ラッド層の幅の広い領域で回折され、回折された後に再
び導波コア層の近傍を伝搬する非導波光がわずかにな
る。従って、このような光半導体素子では、上述したの
と同様に、導波コア層の光増幅領域の部分の両外側に溝
が形成されていることにより静電容量が低くなり、高速
なスイッチング動作が可能であり、かつ、光半導体素子
に入力された光のうち、導波コア層を伝搬せずに光半導
体素子から出力光として出力される光がわずかとなり、
スイッチング動作を行う際に高い消光比が得られる。
【0027】さらに、本発明は、基板と、該基板の表面
に部分的に形成されて光導波路を構成し、少なくとも一
部が、前記光導波路を伝搬する光のスイッチングを行う
ための、前記光を増幅する光増幅領域となった導波コア
層と、該導波コア層を覆うように前記基板および前記導
波コア層のそれぞれの表面に形成されたクラッド層とを
有し、前記クラッド層における前記導波コア層の外側の
部分に溝が形成された光半導体素子において、前記溝の
前記導波コア層側の壁面が波形の形状に形成されてい
る。
【0028】上記の発明では、導波コア層を覆うクラッ
ド層における導波コア層の外側の部分に形成された溝の
壁面が波形の形状に形成されていることにより、導波コ
ア層の近傍、および溝の内部を伝搬する非導波光が、溝
の内壁に形成された波形の面で散乱され、これらの非導
波光のうち、光半導体素子から出力光として出力される
光がわずかとなる。従って、このような光半導体素子で
も、上述したのと同様に、高速なスイッチング動作が可
能であり、かつ、スイッチング動作を行う際に高い消光
比が得られる。
【0029】さらに、このように前記溝の導波コア層側
の壁面が波形の形状に形成されている場合、前記溝の前
記導波コア層側の壁面における波形の波面が、前記導波
コア層を伝搬する光の進行方向に対して斜めになってい
ることにより、非導波光がこの波形の壁面で散乱した際
に、波形の波面が、導波コア層を伝搬する光の進行方向
に対して垂直となっている場合と比較して、導波コア層
の近傍および溝を伝搬する非導波光がさらに低減され
る。
【0030】さらに、上述した光半導体素子において、
前記導波コア層の少なくとも一部が湾曲した形状となっ
ていることにより、光半導体素子の光導波路の一端に入
力側光ファイバからの光が入力され、その光導波路の他
端から出力側光ファイバへと光が出力されるように光半
導体素子に入力側光ファイバおよび出力側光ファイバを
接続した際に、入力側および出力側の光ファイバのそれ
ぞれの光半導体素子側の端部の光軸がオフセットされる
ので、入力側光ファイバから光半導体素子に入力された
光のうち、導波コア層の近傍を伝搬して出力側光ファイ
バへと出力される光、すなわち光半導体素子の光導波路
を伝搬せずに入力側光ファイバから出力側光ファイバへ
と伝搬される光がさらに減少する。
【0031】さらに、上記の光半導体素子において、前
記光導波路の両端部に、前記光導波路を伝搬する光を集
光させる集光手段が備えられるように、前記導波コア層
の両端部の厚さが前記導波コア層の端面に向かって徐々
に薄くなっていることが好ましい。
【0032】さらに、本発明は、光が入力される光入力
部と、該光入力部に入力された光のスイッチングを行う
ための光半導体素子と、該光半導体素子のスイッチング
動作を制御する制御手段と、前記光半導体素子から出力
された光が伝搬される光出力部と、前記光入力部に入力
された光を前記光半導体素子に伝搬する入力光導波手段
と、前記光半導体素子から出力された光を前記光出力部
に伝搬する出力光導波手段とを有する光通信モジュール
であって、前記光半導体素子として、上述した光半導体
素子のいずれかのものが用いられている。
【0033】上記の発明では、上述した光半導体素子が
用いられて光通信モジュールが構成されているので、低
損失で、かつ、高い消光比で、良好なスイッチング動作
が可能な光通信モジュールが得られる。
【0034】さらに、本発明は、基板と、該基板の表面
に部分的に形成されて光導波路を構成し、少なくとも一
部が、前記光導波路を伝搬する光のスイッチングを行う
ために前記光を増幅する光増幅領域となり、かつ、少な
くもと両端部が前記基板と平行な方向に帯状に延びる直
線部分となった導波コア層と、該導波コア層を覆うよう
に前記基板および前記導波コア層のそれぞれの表面に形
成されたクラッド層とを有し、前記クラッド層における
前記導波コア層の外側の部分に溝が部分的に形成された
光半導体素子の製造方法であって、複数の前記光半導体
素子を製造するために、基板の表面に複数の前記導波コ
ア層を配列させて形成し、複数の前記導波コア層を覆う
ように前記基板および複数の前記導波コア層の表面にク
ラッド層を形成した後に、前記クラッド層の、前記溝に
対応する部分を除去することにより、それぞれの前記導
波コア層に対応する溝を前記クラッド層に複数形成する
際、前記基板の表面に複数の前記導波コア層を形成する
工程で、隣り合う前記導波コア層のうち一方の導波コア
層の直線部分が、他方の導波コア層の直線部分を通る、
該他方の導波コア層の直線部分に平行な一直線上と異な
る位置に配置されるように複数の前記導波コア層をそれ
ぞれ配置させる。
【0035】上記の発明では、複数の光半導体素子を複
数個製造するために基板の表面に複数の前記導波コア層
を配列させて形成する工程で、隣り合う前記導波コア層
のうち一方の導波コア層の直線部分が、他方の導波コア
層の直線部分に平行に該他方の直線部分を通る一直線上
とは異なる位置に配置されるように複数の前記導波コア
層をそれぞれ配置させることにより、それぞれの導波コ
ア層の両外側に形成される溝についても、隣り合う2つ
の溝の互いの端部部分が、それらの導波コア層3の直線
部分のうちいずれか一方の直線部分に平行な直線上の配
置されることを防止することができる。このようにする
ことで、光半導体素子の製造工程で生じるわずかなスト
レスにより、クラッド層の、隣り合う溝の間の部分に亀
裂が入ることが防止され、光半導体素子を製造する際の
歩留まりが向上する。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0037】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態の光半導体素子を示す平面図である。図2
は図1のA−A’線断面図であり、図3は図1のB−
B’線断面図である。本実施形態の光半導体素子は、埋
め込みヘテロ(BH;Buried Heterostructure)型レー
ザダイオード(LD)として形成されたものであり、本
実施形態の光半導体素子では、波長1.55μm帯の光
導波路となる導波コア層が基板とクラッド層との間に埋
め込まれている。
【0038】図1に示すように、本実施形態の光半導体
素子である半導体光増幅素子1は、入力側光ファイバ1
5aの一方の端面と、その端面と対向した、出力側光フ
ァイバ16aの一方の端面との間に配置されて入力側光
ファイバ15aと出力側光ファイバ16aとの間で光の
スイッチングを行うものである。半導体光増幅素子1a
の内部には、入力側光ファイバ15aおよび出力側光フ
ァイバ16aの、互いに対向する端面同士の間に配置さ
れて、入力側光ファイバ15aから半導体光増幅素子1
aに伝搬された光の導波路を構成するための導波コア層
3aが埋め込まれている。導波コア層3aは、入力側光
ファイバ15aおよび出力側光ファイバ16aの、それ
ぞれの半導体光増幅素子1a側の端面に対して垂直な方
向に帯状となって一直線に延びている。
【0039】半導体光増幅素子1aの、導波コア層3a
と平行な方向の全長a1は800μmとなっている。導
波コア層3aは、半導体光増幅素子1aの入力側光ファ
イバ15a側の端面から出力側光ファイバ16a側に距
離b1として25μmだけ離れた位置と、半導体光増幅
素子1aの出力側光ファイバ16a側の端面から入力側
光ファイバ15a側に距離b1’として25μmだけ離
れた位置との間に形成されている。半導体光増幅素子1
aの入力側光ファイバ15a側の端面と、導波コア層3
aとの間の距離b1の領域が窓領域14aとなってお
り、半導体光増幅素子1aの出力側光ファイバ16a側
の端面と、導波コア層3aとの間の距離b 1’の領域が
窓領域14bとなっている。
【0040】半導体光増幅素子1aにおける導波コア層
3aの一方の面側には、導波コア層3aから所定の距離
だけ離れたp側電極10aが導波コア層3aに沿って形
成されている。p側電極10bは、導波コア層3aと平
行な方向に帯状に延びていて、p側電極10aの幅は導
波コア層3aの幅よりも広くなっている。このp側電極
10aは、導波コア層3aの入力側光ファイバ15a側
の端面から出力側光ファイバ16a側に距離c1として
200μmだけ離れた位置と、導波コア層3aの出力側
光ファイバ16a側の端面から入力側光ファイバ15a
側に距離c1’として200μmだけ離れた位置との間
に形成されている。従って、p側電極10aの長さd1
は350μmとなっており、導波コア層3aの、p側電
極10aに対応する部分が、導波コア層3aを伝搬する
光が増幅される光増幅領域としての利得領域13aとな
っている。また、導波コア層3aの、利得領域13aよ
りも入力側光ファイバ15a側の部分が光入力側導波路
11aとなり、導波コア層3aの、利得領域13aより
も出力側光ファイバ16a側の部分が光入力側導波路1
2aとなっている。導波コア層3aの光入力側導波路1
1aおよび光出力側導波路12aの部分のそれぞれの長
さは約200μmとなっている。
【0041】導波コア層3aの利得領域13aの両外側
には、導波コア層3aから所定の距離だけ離れて導波コ
ア層3aと平行な方向に導波コア層3aに沿って延びる
溝8aが形成されている。ここでは、導波コア層3a
の、利得領域13aに対応する部分の両外側のみに溝8
aが形成されており、導波コア層3aの、光入力側導波
路11aおよび光出力側導波路12aの部分の両外側に
は溝が形成されていない。従って、導波コア層3aの両
外側には溝8aが部分的に形成されており、光入力側導
波路11aおよび光出力側導波路12aの両外側の部分
が、溝が形成されていない領域となっている。
【0042】導波コア層3aの光入力側導波路11aの
部分は、その部分の厚さが利得領域13aとの境界面か
ら入力側光ファイバ15a側の端面へと0.3μmから
0.1μmに徐々に薄くなるテーパ状に形成されてい
る。また、導波コア層3aの光出力側導波路12aの部
分は、その部分の厚さが利得領域13aとの境界面から
出力側光ファイバ16a側の端面へと0.3μmから
0.1μmに徐々に薄くなるテーパ状に形成されてい
る。このように、導波コア層3aの両端部がテーパ状に
形成されていることにより、導波コア層3aの両端部に
は、導波コア層3aを伝搬する光を集光させる集光手段
が備えられている。従って、半導体光増幅素子1aで
は、光入力側導波路11aおよび光出力側導波路12a
のそれぞれの端面での光スポットのサイズが拡大される
ので、レンズ系を用いずに直接、光結合する方法で、端
面が平坦な入力側光ファイバ15aおよび出力側光ファ
イバ16aと半導体光増幅素子1aとの良好な光結合が
得られるようになっている。
【0043】また、半導体光増幅素子1aの入力側光フ
ァイバ15a側の端面、および出力側光ファイバ16a
側の端面には、SiON膜から構成されたARコート1
7aが無反射被膜として形成されている。さらに、半導
体光増幅素子1aの入力側光ファイバ15a側の端面、
および半導体光増幅素子1aの出力側光ファイバ16a
側の端面の反射率を実効的に低下させるために、それら
の端面に導波コア層3aが露出しないように半導体光増
幅素子1aの端面の近傍で導波コア層3aが途切れてお
り、上述したように半導体光増幅素子1aに窓領域14
a,14bが確保されている。これらの窓領域14a,
14bおよびARコート17aの作用によって、半導体
光増幅素子1aの、入力側光ファイバ15a側および出
力側光ファイバ16a側のそれぞれの端面の反射率が
0.1%以下に抑えられている。
【0044】次に、半導体光増幅素子1aの構成につい
て図2および図3を参照して説明する。
【0045】半導体光増幅素子1aでは、図2および図
3に示すように、n−InPからなる基板2aの裏面
に、AuおよびTiからなるn側電極6aが形成されて
いる。基板2aの表面における所定の部分には、帯状に
延びる導波コア層3aがバッファ層5aを介して形成さ
れている。導波コア層3aは、バルクGaInAsP層
からなるものであり、上述したように所定の形状に形成
されている。導波コア層3aの、長手方向に対して垂直
な方向の断面形状は矩形で、利得領域13aの断面の寸
法としては、厚さが0.3μmで横幅が0.45μmと
なっており、導波コア層3aは、導波コア層3aでの増
幅利得が偏光に依存しないような形状になっている。
【0046】基板2aの表面における導波コア層3aの
周囲の部分、および導波コア層3aの表面には、導波コ
ア層3aおよびバッファ層5aを被覆するように、p型
InPからなるクラッド層4aが形成されている。従っ
て、導波コア層3aおよびバッファ層5aは基板2aと
クラッド層4aとの間に埋め込まれている。クラッド層
4aの、導波コア層3aに対応する部分の厚さは6μm
となっている。
【0047】また、基板2aの表面には、クラッド層4
aから導波コア層3aに対して垂直な方向へ距離をおい
て配置された外側クラッド層31aが形成されている。
この外側クラッド層31aは、クラッド層4aの両外側
に配置されており、クラッド層4aの外側クラッド層3
1a側の側面と、外側クラッド層31aのクラッド層4
a側の側面と、基板2aの表面におけるクラッド層4a
と外側クラッド層31aとの間の部分とから溝8aが構
成されている。すなわち、クラッド層4aと外側クラッ
ド層31aの間に溝8aが形成されている。
【0048】クラッド層4aおよび外側クラッド層31
aの表面には、p+−InGaAsからなる、厚さ0.
2μmのキャップ層7aが形成されている。クラッド層
4aおよび外側クラッド層31aと、キャップ層7aと
はこの順番で基板2a上に積層されたものである。半導
体光増幅素子1aを製造する際には、基板2aの表面に
バッファ層5aおよび導波コア層3aを形成し、導波コ
ア層3aおよび基板2aの表面に、クラッド層4aおよ
び外側クラッド層31aになる層、およびキャップ層7
aをこの順番で積層した後に、クラッド層4aおよび外
側クラッド層31aになる層、およびキャップ層7a
の、溝8aに対応する部分をエッチングにより除去し
て、クラッド層4a、および外側クラッド層31aや、
クラッド層4aおよび外側クラッド層31a上のキャッ
プ層7aを基板2a上に残す。この時、導波コア層3a
の中心とクラッド層4aの中心とを一致させる。これに
より、半導体光増幅素子1aに任意の幅の溝8aを形成
することができる。
【0049】クラッド層4a上のキャップ層7aの表面
における導波コア層3aに対応する部分を除く部分や、
溝8aの内壁全体、外側クラッド層31a上のキャップ
層7aの表面には、SiO2からなる絶縁膜9aが形成
されている。絶縁膜9aは、導波コア層3aの利得領域
13aに対応する部分が選択的に除去されたものであ
る。絶縁膜9aの、除去された部分、すなわち、クラッ
ド層4a上のキャップ層7aの表面における絶縁膜9a
以外の部分、およびそのキャップ層7a上の絶縁膜9a
の表面の一部に、TiおよびAuからなるp側電極10
aが形成されている。
【0050】上述したように構成された半導体光増幅素
子1aは、入力側光ファイバ15aおよび出力側光ファ
イバ16aのそれぞれの半導体光増幅素子1a側の部分
と、導波コア層3aとが一直線上に並ぶように入力側光
ファイバ15aと出力側光ファイバ16aとの間に配置
されることにより、入力側光ファイバ15aの平坦な端
面と、出力側光ファイバ16aの平坦な端面とが半導体
光増幅素子1aを介して光接続されている。ここで、p
側電極10aからn側電極6aへ流れる電流を制御する
ことにより、入力側光ファイバ15aから半導体光増幅
素子1aに入力光51aとして入力される信号光を利得
領域13aで増幅して出力側光ファイバ16aに出力光
52aとして出力することや、入力される信号光を半導
体光増幅素子1aで消光させて出力側光ファイバ16a
へ出力しないようにすることができる。この時、半導体
光増幅素子1aでは、図2および図3に示したように、
光導波路のうち光入力側導波路11aおよび光出力側導
波路12aの両外側には溝が形成されていないので、窓
領域14aに入力されてから導波コア層3aの近傍を伝
搬する非導波光は、光入力側導波路11aまたは光出力
側導波路12aの両外側、すなわち溝が形成されていな
い領域で回折され、クラッド層4a内で導波コア層3a
の近傍を伝搬する非導波光はわずかとなる。
【0051】また、半導体光増幅素子1aでは、導波コ
ア層3aの、電流が注入される領域である利得領域13
aの外側に溝8aが形成されているため、半導体光増幅
素子1aの静電容量が低く、半導体光増幅素子1aの高
速なスイッチング動作が可能となる。
【0052】このような半導体光増幅素子1aの利得特
性およびスイッチング特性を評価するために実験を行っ
た。まず、図1に示したように半導体光増幅素子1aの
両外側にそれぞれ、入力側光ファイバ15aおよび出力
側光ファイバ16aを配置した。そして、入力側光ファ
イバ15aに波長1.55μmで、光強度−10dBm
(0.1mW)の入力光51aを入力し、p側電極10
aからn側電極6aへ流れる電流の大きさを変化させ
て、半導体光増幅素子1aから出力側光ファイバ16a
へと出力される出力光52aの光強度を測定した。入力
光51aの光強度、および出力光52aの光強度の測定
結果を基に、入力光51aの強度に対する出力光52a
の強度の比で定義される、入力側光ファイバ15aと出
力側光ファイバ16aとの間の利得を計算した。
【0053】その実験の結果、p側電極10aからn側
電極6aへ流れる電流値が20mAのときに、出力光5
2aの強度が入力光51aの強度と等しくなり、入力側
光ファイバ15aと出力側光ファイバ16aとの間のフ
ァイバ間利得が0dBとなった。電流値が0mAのとき
ではファイバ間利得が−50dB以上であることから、
電流値が0〜20mAの間における消光比は50dB以
上得られることが確認された。半導体光増幅素子1aを
複数個製作した場合、製作した全ての半導体光増幅素子
1aにおいて50dB以上の消光比が得られることも確
認された。従って、このような構成の半導体光増幅素子
1aを製造する際には、消光比の高い半導体光増幅素子
を歩留まりよく製造することができる。
【0054】さらに、半導体光増幅素子1aのスイッチ
ング特性を評価するために、p側電極10aからn側電
極6aへ流れる電流がICドライバにより0mAと20
mA(電圧では0Vと1.5V)の間を高速に繰り返す
ようにその電流値を変化させて、出力側光ファイバ16
aへと出力される出力光52aの光強度を測定した。そ
の実験の結果では、半導体光増幅素子1aがオフの状態
で出力光52aの強度がほぼ0mWとなり、オンの状態
で出力光52aの強度がほぼ0.1mWとなった。ここ
で、半導体光増幅素子1aがオフの状態からオンの状
態、およびオンの状態からオフの状態になる時に出力光
52bの光強度が変化する際に要するスイッチング時間
が1ナノ秒以下であった。従って、半導体光増幅素子1
aでは、1ナノ秒以下のスイッチング特性が得られた。
【0055】以上で説明したように、本実施形態の半導
体光増幅素子1aでは、基板2aの表面に形成された、
光導波路となる導波コア層3aを覆っているクラッド層
4aにおける導波コア層3aの外側の部分に溝8aが部
分的に形成されており、クラッド層4aにおける導波コ
ア層3aの外側の部分に、溝8aが形成された領域と、
溝が形成されていない領域が存在している。このような
半導体光増幅素子1aでは、クラッド層4aの、導波コ
ア層3aの利得領域13aの部分の外側の部分に溝が形
成されていることにより、半導体光増幅素子1aの静電
容量が低くなるので、導波コア層3aを伝搬する光を導
波コア層3aの光増幅領域13aによってスイッチング
する際に、高速なスイッチング動作が可能となる。
【0056】また、このような半導体光増幅素子1aで
は、導波コア層3aに光が入力されるように、レンズ系
などを用いずに半導体光増幅素子1aに入力側光ファイ
バ15aを光接続した場合に、導波コア層3aの近傍を
伝搬する非導波光が、クラッド層4aの、導波コア層3
aの外側の部分における溝が形成されていない領域で回
折され、回折された後に再び導波コア層3aの近傍を伝
搬する非導波光がわずかとなる。ここで、導波コア層3
aの一端に入力側光ファイバ15aからの光が入力さ
れ、導波コア層3aの他端から出力側光ファイバ16a
へと光が出力されるように半導体光増幅素子1aに入力
側光ファイバ15aおよび出力側光ファイバ16aを接
続した際に、入力側光ファイバ15aから半導体光増幅
素子1aに入力された光のうち、導波コア層3aの近傍
を伝搬して出力側光ファイバ16aへと出力される光、
すなわち導波コア層3aを伝搬せずに入力側光ファイバ
15aから出力側光ファイバ16aへと伝搬される光が
減少する。従って、導波コア層3aの利得領域13aに
よって、導波コア層3aを伝搬する光のスイッチングを
行った場合、高い消光比が得られる。また、このように
導波コア層3aの外側に部分的に溝8aを形成した構成
の半導体光増幅素子1aを製造する際には、高速なスイ
ッチング動作が可能で、消光比の高いものを生産性の歩
留り良く製造することできる。
【0057】(第2の実施の形態)図4は、本発明の第
2の実施形態の光半導体素子を示す平面図である。本実
施形態の光半導体素子は、第1の実施形態のものと比較
して、導波コア層、すなわち導波路がS字型形状に湾曲
している点が異なっている。
【0058】図4に示すように、本実施形態の光半導体
素子である半導体光増幅素子1bは、入力側光ファイバ
15bおよび出力側光ファイバ15bの互いの端面同士
の間に配置されて、入力側光ファイバ15bと出力側光
ファイバ16bとの間で光のスイッチングを行うもので
ある。入力側光ファイバ15bおよび出力側光ファイバ
16bの、それぞれの半導体光増幅素子1b側の端部
は、互いに平行に配置されているが、それぞれの端部の
互いの光軸が、後述するような導波コア層の形状に応じ
て50μmの距離だけオフセットしている。半導体光増
幅素子1bの全長a2は、第1の実施形態と同様に80
0μmとなっている。
【0059】半導体光増幅素子1bの内部には、入力側
光ファイバ15bから半導体光増幅素子1bに伝搬され
た光の導波路を構成するための帯状の導波コア層3bが
埋め込まれている。導波コア層3bの入力側光ファイバ
15b側の部分は、入力側光ファイバ15bの半導体光
増幅素子1b側の端面に対して垂直な方向に一直線に延
びる光入力側導波路11bとなっている。導波コア層3
bの出力側光ファイバ15b側の部分は、出力側光ファ
イバ16bの半導体光増幅素子1b側の端面に対して垂
直な方向に一直線に延びる光出力側導波路12bとなっ
ている。ここで、導波コア層3bの光入力側導波路11
bと光出力側導波路12bの部分はそれぞれ、約200
μmの長さの直線状に形成され、光入力側導波路11b
および光出力側導波路12bの互いの光軸が平行な状態
で50μmの距離にオフセットされている。導波コア層
3bの、入力側光ファイバ15bと出力側光ファイバ1
6bの間の部分は、S字型形状に湾曲した光増幅領域と
しての利得領域13bとなっている。
【0060】導波コア層3bの利得領域13bにおける
光入力側導波路11b側の部分は、曲率半径1.5mm
で湾曲した湾曲部53bとなって光入力側導波路11b
と接続している。導波コア層3bの利得領域13bにお
ける光出力側導波路12b側の部分は、曲率半径1.5
mmで湾曲した湾曲部54bとなって光出力側導波路1
2bと接続している。半導体光増幅素子1bにおける導
波コア層3bの利得領域13bの部分の一方の面側に、
導波コア層3bから所定の距離だけ離れたp側電極10
bが導波コア層3bの利得領域13bに沿って形成され
ている。p側電極10bの幅は導波コア層3bの幅より
も広くなっている。
【0061】導波コア層3bは、半導体光増幅素子1b
の入力側光ファイバ15b側の端面から出力側光ファイ
バ16b側に距離b2として25μmだけ離れた位置
と、半導体光増幅素子1bの出力側光ファイバ16b側
の端面から入力側光ファイバ15b側に距離b2’とし
て25μmだけ離れた位置との間に形成されている。半
導体光増幅素子1bの入力側光ファイバ15b側の端面
と、導波コア層3bとの間の距離b2の領域が窓領域1
4cとなっており、半導体光増幅素子1bの出力側光フ
ァイバ16b側の端面と、導波コア層3bとの間の距離
2’の領域が窓領域14dとなっている。
【0062】導波コア層3bの利得領域13bの両外側
にはそれぞれ、導波コア層3bから所定の距離だけ離れ
て導波コア層3bに沿って延びるS字型形状の溝8bが
形成されている。ここでは、導波コア層3bの利得領域
13bの部分の両外側のみに溝8bが形成されており、
導波コア層3bの光入力側導波路11bおよび光出力側
導波路12bの部分の両外側には溝が形成されていな
い。従って、導波コア層3bの両外側には溝8bが部分
的に形成されており、光入力側導波路11bおよび光出
力側導波路12bの両外側の部分が、溝が形成されてい
ない領域となっている。
【0063】導波コア層3bの光入力側導波路11bの
部分は、その部分の厚さが利得領域13bとの境界面か
ら入力側光ファイバ15b側の端面へと0.3μmから
0.1μmに徐々に薄くなるテーパ状に形成されてい
る。また、導波コア層3bの光出力側導波路12bの部
分は、その部分の厚さが利得領域13bとの境界面から
出力側光ファイバ16b側の端面へと0.3μmから
0.1μmに徐々に薄くなるテーパ状に形成されてい
る。このように、導波コア層3bの両端部がテーパ状に
形成されていることにより、導波コア層3bの両端部に
は、導波コア層3bを伝搬する光を集光させる集光手段
が備えられている。従って、半導体光増幅素子1bで
は、光入力側導波路11bおよび光出力側導波路12b
のそれぞれの端面での光スポットのサイズが拡大される
ので、レンズ系を用いずに直接、光結合する方法で、端
面が平坦な入力側光ファイバ15bおよび出力側光ファ
イバ16bと半導体光増幅素子1bとの良好な光結合が
得られるようになっている。
【0064】また、半導体光増幅素子1bの入力側光フ
ァイバ15b側の端面、および出力側光ファイバ16b
側の端面には、SiON膜から構成されたARコート1
7bが無反射被膜として形成されている。さらに、半導
体光増幅素子1bの入力側光ファイバ15b側の端面、
および半導体光増幅素子1bの出力側光ファイバ16b
側の端面の反射率を実効的に低下させるために、それら
の端面に導波コア層3bが露出しないように半導体光増
幅素子1bの端面の近傍で導波コア層3bが途切れてお
り、上述したように半導体光増幅素子1bに窓領域14
c,14dが確保されている。これらの窓領域14c,
14dおよびARコート17bの作用によって、半導体
光増幅素子1bの、入力側光ファイバ15b側および出
力側光ファイバ16b側のそれぞれの端面の反射率が
0.1%以下に抑えられている。
【0065】次に、半導体光増幅素子1bの構成につい
て図5〜図7を参照して説明する。図5は図4のA−
A’線断面図、図6は図4のB−B’線断面図、図7は
図4のC−C’線断面図である。
【0066】半導体光増幅素子1bでは、図5〜図7に
示すように、n−InPからなる基板2bの裏面に、A
uおよびTiからなるn側電極6bが形成されている。
基板2bの表面における所定の部分には、上述した形状
の、バルクGaInAsP層からなる導波コア層3bが
バッファ層5bを介して形成されている。導波コア層3
bの、長手方向に対して垂直な方向の断面形状は矩形
で、利得領域13bの部分の断面の寸法としては、厚さ
が0.3μmで横幅が0.45μmとなっており、導波
コア層3bは、導波コア層3bでの増幅利得が偏光に依
存しないような形状になっている。
【0067】基板2bの表面における導波コア層3bの
周囲の部分、および導波コア層3bの表面には、導波コ
ア層3bおよびバッファ層5bを被覆するように、p型
InPからなるクラッド層4bが形成されている。従っ
て、導波コア層3bおよびバッファ層5bは基板2bと
クラッド層4bとの間に埋め込まれている。クラッド層
4bの、導波コア層3bに対応する部分の厚さは6μm
となっており、クラッド層4bの幅は10μmとなって
いる。
【0068】また、基板2bの表面には、クラッド層4
bから距離をおいて配置された外側クラッド層31bが
形成されている。外側クラッド層31bは、クラッド層
4bの両外側に配置されており、クラッド層4bの外側
クラッド層31b側の側面と、外側クラッド層31bの
クラッド層4b側の側面と、基板2bの表面におけるク
ラッド層4bと外側クラッド層31bとの間の部分とか
ら、幅10μmの溝8bが構成されている。すなわち、
クラッド層4bと外側クラッド層31bの間に溝8bが
形成されている。
【0069】クラッド層4bおよび外側クラッド層31
bの表面には、p+−InGaAsからなる、厚さ0.
2μmのキャップ層7bが形成されている。クラッド層
4b上のキャップ層7bの表面における導波コア層3b
に対応する部分を除く部分や、溝8bの内壁全体、外側
クラッド層31b上のキャップ層7bの表面には、Si
2からなる絶縁膜9bが形成されている。クラッド層
4b上のキャップ層7bの表面における絶縁膜9b以外
の部分、およびそのキャップ層7b上の絶縁膜9bの表
面の一部に、TiおよびAuからなるp側電極10bが
形成されている。
【0070】上述したように構成された半導体光増幅素
子1bは、入力側光ファイバ15bと光入力側導波路1
1bとが一直線上に並び、かつ、出力側光ファイバ16
bと光出力側導波路12bとが一直線上に並ぶように入
力側光ファイバ15bと出力側光ファイバ16bとの間
に配置されることにより、入力側光ファイバ15bの平
坦な端面と、出力側光ファイバ16bの平坦な端面とが
半導体光増幅素子1bを介して光接続されている。ここ
で、p側電極10bからn側電極6bへ流れる電流を制
御することにより、入力側光ファイバ15bから半導体
光増幅素子1bに入力光51bとして入力される信号光
を利得領域13bで増幅して出力側光ファイバ16bに
出力光52bとして出力することや、入力される信号光
を半導体光増幅素子1bで消光させて出力側光ファイバ
16bへ出力しないようにすることができる。
【0071】この時、半導体光増幅素子1bでは、図
4、図6および図7に示したように、光導波路のうち光
入力側導波路11bおよび光出力側導波路12bの両外
側には溝が形成されていないので、窓領域14cに入力
されてから導波コア層3bの近傍を伝搬する非導波光
は、光入力側導波路11bまたは光出力側導波路12b
の両外側、すなわち溝が形成されていない領域で回折さ
れ、クラッド層4b内で導波コア層3bの近傍を伝搬す
る非導波光はわずかとなる。さらに、半導体光増幅素子
1bでは、光導波路を形成する導波コア層3bがS字型
形状に湾曲しており、入力側光ファイバ15bおよび出
力側光ファイバ16bの半導体光増幅素子1b側の端面
同時が対向しないように入力側光ファイバ15bと出力
側光ファイバ16bの光軸がオフセットされることにな
るので、光入力側導波路11bおよび光出力側導波路1
2bの外側で回折された光はほぼ直進し、半導体光増幅
素子1bの入力側光ファイバ15b側の部分で発生した
非導波光が出力側光ファイバ16bに入力されることが
防止される。
【0072】また、半導体光増幅素子1bでは、導波コ
ア層3bの、電流が注入される領域である利得領域13
bの両外側に溝8bが形成されているため、半導体光増
幅素子1bの静電容量が低く、半導体光増幅素子1bの
高速なスイッチング動作が可能となる。
【0073】次に、半導体光増幅素子1bの利得特性お
よびスイッチング特性を評価するための実験結果につい
て説明する。まず、図4に示したように半導体光増幅素
子1bの両外側にそれぞれ、入力側光ファイバ15bお
よび出力側光ファイバ16bを配置した。そして、入力
側光ファイバ15bに波長1.55μmで、光強度−1
0dBm(0.1mW)の入力光51bを入力し、p側
電極10bからn側電極6bへ流れる電流の大きさを変
化させて、半導体光増幅素子1bから出力側光ファイバ
16bへと出力される出力光52bの光強度を測定し
て、入力光51bの強度に対する出力光52bの強度の
比で定義されるファイバ間の利得を計算した。
【0074】図8は、図4に示した半導体光増幅素子1
bの利得特性を示す図である。図8では、横軸が、p側
電極10bからn側電極6bへ流れる電流値(mA)で
あり、縦軸が、入力側光ファイバ15bと出力側光ファ
イバ16bとの間のファイバ間利得(dB)である。上
述した実験では、図8に示すように、p側電極10bか
らn側電極6bへ流れる電流値が20mAのときに、出
力光52bの強度が入力光51bの強度と等しくなり、
入力側光ファイバ15bと出力側光ファイバ16bとの
間のファイバ間利得が0dBとなった。電流値が0mA
のときではファイバ間利得が−50dBであることか
ら、電流値が0〜20mAの間における消光比として5
0dBが得られることが確認された。半導体光増幅素子
1bを複数個製作した場合、製作した全ての半導体光増
幅素子1bにおいて50dB以上の消光比が得られるこ
とも確認された。従って、このような構成の半導体光増
幅素子1bを製造する際には、消光比の高い半導体光増
幅素子を歩留まりよく製造することができる。
【0075】さらに、半導体光増幅素子1bのスイッチ
ング特性を評価するために、p側電極10bからn側電
極6bへ流れる電流がICドライバにより0mAと20
mA(電圧では0Vと1.5V)の間を高速に繰り返す
ようにその電流値を変化させて、出力側光ファイバ16
bへと出力される出力光52bの光強度を測定した。図
9は、半導体光増幅素子1bのスイッチング特性につい
て説明するための図である。図9(a)が、ICドライ
バからの出力を示す図であり、図9(b)が、半導体光
増幅素子1bから出力側光ファイバ16bへと出力され
た出力光52bの強度を示す図である。図9(a)およ
び図9(b)における横軸が時間(ナノ秒)であり、図
9(a)における縦軸がICドライバからの出力
(V)、図9(b)における縦軸が出力光52bの強度
(mW)である。
【0076】図9(b)では、半導体光増幅素子1bが
オフの状態で出力光52bの強度がほぼ0mWとなり、
オンの状態で出力光52bの強度がほぼ0.1mWとな
っている。ここで、オフの状態の出力光52bの強度0
mWから、オンの状態の光強度0.1mWの10%だけ
出力光52bの強度が増加した時の光強度の値と、オン
の状態の光強度0.1mWの10%ダウンの光強度の値
との間で光強度が変化する際に要する時間がスイッチン
グ時間となる。従って、図9(b)では、半導体光増幅
素子1bをオフからオンの状態にする際に出力光52b
の強度が0.01mWから0.09Wmに変化した時に
要する時間がスイッチング時間Tsw1として示されてい
る。また、半導体光増幅素子1bをオンからオフの状態
にする際に出力光52bの強度が0.09mWから0.
01Wmに変化した時に要する時間がスイッチング時間
sw2として示されている。
【0077】p側電極10bからn側電極6bへ流す電
流の値を、図9(a)に示すようにICドライバによっ
て変化させたところ、図9(b)に示すように、出力光
52bの強度が安定した状態の10%ダウンの間隔で定
義されるスイッチング時間T sw1,Tsw2がオフからオ
ン、オンからオフともに1ナノ秒以下であった。従っ
て、半導体光増幅素子1bでは、1ナノ秒以下のスイッ
チング特性が得られることが確認された。
【0078】(第3の実施の形態)図10は、本発明の
第3の実施形態の光半導体素子を示す平面図である。本
実施形態の光半導体素子では、第2の実施形態のものと
比較して、導波コア層の全ての部分の両外側に溝が形成
されており、導波コア層を覆うクラッド層の、溝の間に
挟まれた部分の幅が部分的に異なっている点が主に異な
っている。以下では、第2の実施形態と異なる点を中心
に説明する。
【0079】図10に示すように、本実施形態の光半導
体素子である半導体光増幅素子1cには、第2の実施形
態における導波コア層3bと同様な形状の導波コア層3
cが形成されている。半導体光増幅素子1cの積層構造
は、第2の実施形態の半導体光増幅素子1bの積層構造
と同様であり、半導体光増幅素子1cは、導波コア層3
cを覆うクラッド層における導波コア層3cの全ての部
分の両外側に溝8cが形成されている点が半導体光増幅
素子1bと異なっている。窓領域14e,14fまでに
溝8cが形成されている。半導体光増幅素子1cの入力
側光ファイバ15c側および出力側光ファイバ16c側
のそれぞれの端面にはARコート17cが形成されてい
る。
【0080】導波コア層3cを覆うクラッド層の、2つ
の溝8cの間に挟まれた部分の幅、すなわちそのクラッ
ド層のメサの幅としては、導波コア層3cの光入力側導
波路11cおよび光出力側導波路12cに対応するそれ
ぞれの部分のメサの幅が、導波コア層3cの光増幅領域
としての利得領域13cに対応する部分のメサの幅より
も広くなっており、導波コア層3cを覆うクラッド層
の、2つの溝8cの間に挟まれた部分の幅は部分的に異
なっている。半導体光増幅素子1cにおける導波コア層
3cの利得領域13cの部分の一方の面側には、導波コ
ア層3cに沿ってp側電極10cが形成されている。
【0081】このように、導波コア層3cを覆うクラッ
ド層の、光入力側導波路11cおよび光出力側導波路1
2cに対応する部分の幅を広くすれば、入力側光ファイ
バ15cからの入力光51cが導波する導波コア層3c
の光入力側導波路11cおよび光出力側導波路12cの
外側、すなわち導波コア層3cの利得領域13c以外の
部分の外側では、導波コア層3cの近傍を伝搬する非導
波光がクラッド層の、幅を広くした領域で回折され、回
折した後に再び導波コア層3の近傍を伝搬する非導波光
はわずかとなる。
【0082】さらに、半導体光増幅素子1cでは、第2
の実施形態と同様に、光導波路を構成する導波コア層3
cがS字形の形状に湾曲しているので、導波コア層3c
の両外側の入力側光ファイバ15cおよび出力側光ファ
イバ16cを、それらのファイバの互いの端面同士が対
向しないように配置することになる。この場合、導波コ
ア層3cを覆うクラッド層の、メサの幅が広い領域で回
折された光はほぼ直進するので、半導体光増幅素子1c
の入力側光ファイバ15c側の部分で発生した非導波光
が出力側光ファイバ16cに出力光52cとして入力さ
れることが防止される。
【0083】半導体光増幅素子1cにおいて導波コア層
3cを覆うクラッド層の、光入力側導波路11cおよび
光出力側導波路12cに対応する部分の幅を30μmに
し、半導体光増幅素子1cのそれ以外の寸法を第2の実
施形態の半導体光増幅素子1bと同じにして半導体光増
幅素子1cを試作し、第2の実施形態における半導体光
増幅素子1bの実験と同様に半導体光増幅素子1cの消
光比とスイッチング時間を測定したところ、50dB以
上の消光比と、1ナノ秒以下のスイッチング時間を確保
できることが確認された。
【0084】本発明の光半導体素子は、以上で説明した
第1〜第3のれぞれの実施形態の半導体光増幅素子に限
定されるものではなく、それぞれの実施形態の半導体光
増幅素子の構成を適用したものも本発明に含まれる。
【0085】図11は、第2の実施形態の半導体光増幅
素子1bの変形例を示す平面図である。図11に示すよ
うに、第2の実施形態の半導体光増幅素子1bの変形例
である半導体光増幅素子1dには、半導体光増幅素子1
bに形成された導波コア層3bとほぼ同じ形状の導波コ
ア層3dが形成されているが、導波コア層3dの光入力
側導波路11dおよび光出力側導波路12dの部分が半
導体光増幅素子1dの端面に対して傾いている。導波コ
ア層3dの光入力側導波路11dの部分が半導体光増幅
素子1dの入力側光ファイバ15d側の端面に対して傾
き、導波コア層3dの光出力側導波路12dの部分が半
導体光増幅素子1dの出力側光ファイバ16d側の端面
に対して傾いている。
【0086】ここで、導波コア層3dの光増幅領域とし
ての利得領域13dにおける両端の湾曲部の間の直線部
分が、半導体光増幅素子1dの入力側光ファイバ15d
側および出力側光ファイバ16d側のそれぞれの端面に
対して垂直となっている。導波コア層3dの利得領域1
3dの両外側には、導波コア層3dに沿って溝8dが形
成されている。半導体光増幅素子1dにおける導波コア
層3dの利得領域13dの部分の一方の面側には、導波
コア層3dに沿ってp側電極10dが形成されている。
【0087】半導体光増幅素子1dの入力側光ファイバ
15d側および出力側光ファイバ16d側のそれぞれの
端面にはARコート17dが形成されている。半導体光
増幅素子1dの入力側光ファイバ15d側の端面と、導
波コア層3dの光入力側導波路11dの部分との間が窓
領域14gとなり、半導体光増幅素子1dの出力側光フ
ァイバ16d側の端面と、導波コア層3dの光出力側導
波路12dの部分との間が窓領域14hとなっている。
【0088】このような半導体光増幅素子1dでは、導
波コア層3dの光入力側導波路11dの部分と、光出力
側導波路12dの部分がそれぞれ、半導体光増幅素子1
dのファイバ側の端面に対して斜めに傾いているため、
半導体光増幅素子1dの入力側光ファイバ15d側の端
面、および出力側光ファイバ16d側の端面における実
効的な反射率が低減される。図11に示されるように、
入力側光ファイバ15dから半導体光増幅素子1dに入
力光51dが入力される際に半導体光増幅素子1dの端
面における入力光51dの反射率が低減される。また、
半導体光増幅素子1dから出力側光ファイバ16dに出
力光52dが出力される際に半導体光増幅素子1dの端
面における出力光52dの反射率が低減される。これに
より、半導体光増幅素子1dの利得が、図4に示した半
導体光増幅素子1bよりも一層向上し、さらに、オンレ
ベルの光強度を増大することが可能となることから、半
導体光増幅素子1dの消光比を実効的に向上させること
ができる。
【0089】半導体光増幅素子1dの光入力側導波路1
1d、光出力側導波路12d、利得領域13d、窓領域
14g,14h等の寸法をそれぞれ、図4に示した半導
体光増幅素子1bにおいて対応する寸法と同様にして半
導体光増幅素子1dを作製し、第2の実施形態で説明し
た半導体光増幅素子1bの実験と同様に半導体光増幅素
子1dの消光比とスイッチング時間を測定したところ、
50dB以上の消光比と、1ナノ秒以下のスイッチング
時間を確保できることが確認された。
【0090】この半導体光増幅素子1dのように導波コ
ア層3dの光入力側導波路11dおよび光出力側導波路
12dの部分を半導体光増幅素子1dの端面に対して斜
めに傾ける構成を、図10に示した第3の実施形態の半
導体光増幅素子1cに適用することもできる。
【0091】図12は、第2の実施形態の半導体光増幅
素子1bの別の変形例を示す平面図である。図4に示し
た第2の実施形態の半導体光増幅素子1bでは導波コア
層3bの光入力側導波路11bおよび光出力側導波路1
2bの部分の両外側に溝を形成しなかったが、図12に
示される、第2の実施形態の半導体光増幅素子1bの変
形例である半導体光増幅素子1eのように、導波コア層
3bの、光入力側導波路11bと光出力側導波路12b
との間の部分における一部を、両外側に溝が形成されな
い光導波路領域33としてもよい。ここで、導波コア層
3bの、光入力側導波路11bと光導波路領域33との
間の部分を入力側の光増幅領域としての利得領域18と
し、導波コア層3bの、光導波路領域33と光出力側導
波路12bとの間の部分を出力側の光増幅領域としての
利得領域19としている。
【0092】導波コア層3bの利得領域18,19はそ
れぞれ、電流が注入される部分であり、利得領域18の
部分の一方の面側にp側電極10eが形成され、利得領
域19の一方の面側にp側電極10fが形成されてい
る。そして、導波コア層3bの利得領域18の両外側、
および利得領域19の両外側にそれぞれ、導波コア層3
bに沿って延びる溝8eが形成されている。
【0093】この半導体光増幅素子1eでは、クラッド
層4b内における利得領域18の近傍を伝搬する非導波
光は、導波コア層3bの光導波路領域33の部分の外側
の部分、すなわち溝8eが形成されていない部分で回折
され、回折した後に再び導波コア層3bの利得領域19
の部分の近傍を伝搬する非導波光が低減される。このた
め、半導体光増幅素子1eでは、図4に示した半導体光
増幅素子1bよりもさらに消光比を向上させることがで
きる。
【0094】半導体光増幅素子1eの光導波路領域33
の長さを50μm、光入力側の利得領域18および光出
力側の利得領域19の長さをそれぞれ150μmとして
半導体光増幅素子1eを作製し、第2の実施形態で説明
した半導体光増幅素子1bの実験と同様に半導体光増幅
素子1eの消光比とスイッチング時間を測定したとこ
ろ、50dB以上の消光比と、1ナノ秒以下のスイッチ
ング時間を確保できることが確認された。
【0095】この半導体光増幅素子1eのように導波コ
ア層3bの、光入力側導波路11bと光出力側導波路1
2bとの間の部分でも、その部分の一部を、外側に溝が
形成されない光導波路領域33とするという構成を、図
1に示した第1の実施形態の半導体光増幅素子1a、図
10に示した第3の実施形態の半導体光増幅素子1c、
または図11に示した半導体光増幅素子1dに適用する
こともできる。
【0096】図13は、図4に示した半導体光増幅素子
1bのさらに別の変形例について説明するための斜視図
である。図13では、半導体光増幅素子1bの変形例に
おける導波コア層3bの利得領域13b周辺の部分が示
されている。
【0097】図4に示した半導体光増幅素子1bでは、
上述したように、光導波路のうち導波コア層3bの利得
領域13b以外の外側には溝8bが存在しないので、導
波コア層3b近傍を伝搬する非導波光はこの溝8bが存
在しない領域で回折され、再び導波コア層3b近傍を伝
搬する非導波光はわずかである。また、光導波路を形成
する導波コア層3bがS字状に湾曲しているので、その
導波コア層3bの両端に、互いの端面同士が対向しない
ように入力側光ファイバ15bおよび出力側光ファイバ
16bを配置しており、溝8bが存在しない領域で回折
された光は略直進するため、入力側光ファイバ15b側
で発生した非導波光が出力側光ファイバ16bに入力さ
れるという非導波光の伝達を防止している。しかしなが
ら、この半導体光増幅素子1bでは、非導波光が、導波
コア層3bを伝搬せず、溝8bを伝搬して出力側光ファ
イバ16bに入力されるという懸念がある。ここで、こ
のようなことが問題となる場合には、図13に示すよう
に、導波コア層3bの利得領域13bの部分を覆うクラ
ッド層4bの側面20、すなわち、それぞれの溝8bに
おけるクラッド層4b側の内壁面を波形の形状に形成す
ることが好ましい。図13に示される側面20の波形の
波面は、導波コア層3bに対してほぼ垂直、すなわち導
波コア層3bを伝搬する光の進行方向に対してほぼ垂直
となっている。
【0098】クラッド層4bにおける導波コア層3bの
利得領域13bに対応する部分の側面20は、導波コア
層3bを埋め込むようにクラッド層4bに溝8bを形成
する際に、その側面20は、深さ1.5μm、ピッチ3
μmの繰り返しの鋸歯状の波形になるようにした。この
ように側面20を形成することにより、クラッド層4b
や溝8bを伝搬する非導波光はクラッド層4bの側面2
0において散乱される。このため、入力側光ファイバ1
5bから半導体光増幅素子1bへと入力された入力光5
1bのうち、導波コア層3bに結合されない非導波光が
出力側光ファイバ16bに入力されるということが抑制
される。
【0099】図14は、図1に示した第1の実施形態の
半導体光増幅素子1aに、図13に示したクラッド層4
bの側面20の波形を適用したものを示す平面図であ
る。図14に示すように、半導体光増幅素子1aの変形
例である半導体光増幅素子1fにおいて、導波コア層3
aを覆うクラッド層4aの溝8a側の側面を、図13に
示した側面20と同様に波形の形状にしてもよい。この
場合、入力側光ファイバ15aから半導体光増幅素子1
aへと入力された入力光51aのうち、導波コア層3a
に結合されない非導波光が出力側光ファイバ16aに入
力されるということが抑制される。
【0100】このように、図13に示したクラッド層4
bの側面20の波形形状を、図10に示した半導体光増
幅素子1cのクラッド層における利得領域13cに対応
する部分、図11に示した半導体光増幅素子1dのクラ
ッド層における利得領域13dに対応する部分、および
図12に示した半導体光増幅素子1eのクラッド層にお
ける利得領域18,19に対応する部分に適用してもよ
い。
【0101】なお、図14に示したようにクラッド層4
aの、利得領域13aに対応する部分の側面が波形であ
る半導体光増幅素子1fを作製して、第2の実施形態で
説明した半導体光増幅素子1bの実験と同様に半導体光
増幅素子1fの消光比とスイッチング時間を測定したと
ころ、50dB以上の消光比と、1ナノ秒以下のスイッ
チング時間を確保できることが確認された。図13およ
び図14では、導波コア層、導波コア層を覆うクラッド
層が直線形状であるものが示されているが、図4の示し
た半導体光増幅素子1b、図10に示した半導体光増幅
素子1c、図11に示した半導体光増幅素子1d、およ
び図12に示した半導体光増幅素子1eのように、導波
コア層、および導波コア層を覆うクラッド層がS字形形
状に湾曲したものにおいてクラッド層の側面を波形にす
ることにより、さらに消光比を向上させることが可能で
ある。
【0102】さらに、上述したそれぞれの半導体光増幅
素子では、導波コア層を覆うクラッド層の側面のみを波
形形状にしたが、そのクラッド層から離れた外側クラッ
ド層の溝側の側面も波状に形成すれば、クラッド層と外
側クラッド層との間の溝を伝搬する非導波光の散乱を促
進することができる。
【0103】図15は、図13に示したクラッド層4b
の側面に形成された波形形状の変形例を示す斜視図であ
る。図15に示すように、クラッド層4bの側面20に
形成される波形の波面が、導波コア層3bに対して斜め
に傾くように、すなわち導波コア層3bを伝搬する光の
進行方向に対して斜めに傾くようにしてもよい。このよ
うに、側面20に斜めの波形を形成した場合、面20の
波形の波面が、導波コア層3bを伝搬する光の進行方向
に対してほぼ垂直となっている場合と比較して、溝8b
内を伝搬する非導波光の散乱をさらに促進することがで
きる。さらに、この溝8bの内部に半田やグリスのよう
な光伝搬の妨げとなる物質を充填することによっても、
溝8bを伝搬する非導波光を低減させることができる。
これらの方法を、上述したそれぞれの実施形態の半導体
光増幅素子や、それぞれの変形例に適用することによ
り、消光比をさらに向上させることが可能となる。
【0104】図16は、図15に基づいて説明したよう
にクラッド層の溝側の側面を、斜めに傾斜した波形の形
状に形成する方法について説明するための図である。図
16(a)は、基板などを側面側から見た図であり、図
16(b)は、基板上の膜をエッチングする際にそのエ
ッチング方向から基板などを見た図である。
【0105】クラッド層4bの側面20に斜めに波状の
パターンを形成する製造方法について、図16を参照し
て説明する。図16(a)および図16(b)では、基
板上に形成された膜を、反応性イオンビームエッチング
法(RIBE)や反応性イオンエッチング法(RIE)
を用いてパターニングする際に基板を設置する方法が示
されている。まず、半導体光増幅素子を構成する基板2
6上に導波コア層や、クラッド層および外側クラッド層
となる層が形成されたものを台27の面上に固定する。
基板26上の、クラッド層および外側クラッド層となる
層の表面にはマスクパターン24が形成されている。マ
スクパターン24は、クラッド層と外側クラッド層との
間の溝を形成するためのものであって、基板26上に形
成された層の、クラッド層および外側クラッド層となる
領域をマスクするものであり、マスクパターン24の、
その溝に対応する部分が選択的に取り除かれている。マ
スクパターン24としては、厚さ0.5μmのSiO2
を用いた。
【0106】ここで、図16に示すように、基板26が
エッチング方向28に対して斜めになるように台27を
傾けて設置する。また、この時、クラッド層の側面とな
る部分25が基板26上の層の表面に対して垂直な方向
にエッチングが進むように配置する。このように基板2
6を設置して、基板26上の層をエッチングすることに
より、その層に溝を形成し、クラッド層の側面となる部
分25を、図15に示したような斜めに傾いた波形の形
状に形成した。
【0107】次に、図1に示した第1の実施形態の半導
体光増幅素子1aの製造方法について図17を参照して
説明する。図17は、図1に示した半導体光増幅素子1
aを多数製造する際の半導体光増幅素子1aの配置につ
いて説明するための図である。
【0108】図17(a)には、複数の半導体光増幅素
子1aを製造するために、基板の表面に複数の導波コア
層3aを配列させて形成し、複数の導波コア層3aを覆
うようにその基板および複数の導波コア層3aの表面に
クラッド層を形成した後に、そのクラッド層の、溝8a
に対応する部分を除去することにより、それぞれの導波
コア層3aに対応する溝8aがクラッド層に複数形成さ
れたものの上面の一部が示されている。
【0109】多数の半導体光増幅素子1aを製造する際
には、図17(a)に示すように、へき開線29aの両
外側の導波コア層3aおよび溝8aがへき開線29aを
中心に対称とならないように導波コア層3aおよび溝8
aを配置して、溝8a内の側面が、導波コア層3aおよ
び溝8aと平行な同一線上に存在しないようにする。こ
こでは、隣り合う導波コア層3aのうち一方の導波コア
層3aの直線部分が、他方の導波コア層3aの直線部分
を通る、その他方の導波コア層3aの直線部分に平行な
一直線上と異なる位置に配置されるように複数の導波コ
ア層3aをそれぞれ配置させている。
【0110】例えば、図14(b)に示すように、導波
コア層3aおよび溝8aを、へき開線29bを中心に対
称に配置した場合、半導体光増幅素子を製造する工程の
最中に生じるわずかなストレスによって、導波コア層3
aおよび溝8aに対して平行な直線上に配置された、溝
8a内の側面同士の間に亀裂30が生じ、この亀裂30
の発生が原因で半導体光増幅素子の生産歩留まりが著し
く低下するという問題点がある。この問題点を防止する
ために、図14(a)に示したように、導波コア層3a
と平行な一直線上に1つの導波コア層3aのみが配置さ
れるように導波コア層3aおよび溝8aを形成すること
により、図17(b)に示した亀裂30が発生すること
がないので、半導体光増幅素子の生産歩留まりが向上す
る。
【0111】第2の実施形態の半導体光増幅素子1bお
よび第3の実施形態の半導体光増幅素子1cや、それぞ
れの形態の半導体光増幅素子の変形例を多数製造する際
にも、隣り合う導波コア層のうち一方の導波コア層の直
線部分が、他方の導波コア層の直線部分に平行に他方の
直線部分を通る一直線上とは異なる位置に配置されるよ
うに複数の導波コア層をそれぞれ配置させればよい。こ
れにより、それぞれの導波コア層の両外側に形成される
溝についても、隣り合う2つの溝の互いの端部同士が、
それらの導波コア層の直線部分のうちいずれか一方の直
線部分に平行な直線上の配置されることを防止すること
ができる。従って、光半導体素子の製造工程で生じるわ
ずかなストレスにより、クラッド層の、隣り合う溝の間
の部分に亀裂が入ることが防止され、光半導体素子を製
造する際の歩留まりが向上する。 〈光通信モジュール〉次に、以上で説明した半導体光増
幅素子が実装された平面型光回路(PLC: Planer Lightw
ave Circuit)を有する光通信モジュールについて図1
8を参照して説明する。図18は、図2に示した第2の
実施形態の半導体光増幅素子1bが実装された平面型光
回路を有する光通信モジュールを示す図である。
【0112】図18に示される平面型光回路35には、
図2に示した半導体光増幅素子1bと同様な構成の第1
の半導体光増幅素子36および第2の半導体光増幅素子
37が実装されている。ここでは、第1の半導体光増幅
素子36および第2の半導体光増幅素子37として、図
2に示した半導体光増幅素子1bを用いたが、半導体光
増幅素子1の代わりに、第1または第3の実施形態の半
導体光増幅素子や、第1〜第3の実施形態の半導体光増
幅素子のそれぞれの変形例などを用いてもよい。
【0113】この平面型光回路35には、光が入力され
る光入力部としてのファイバソケット38a、光出力部
としてのファイバソケット38b,38cが備えられて
いる。ファイバソケット38aには、入力側光ファイバ
15eの一端部が取り付けられ、ファイバソケット38
bには出力側光ファイバ16eの一端部が、ファイバソ
ケット38cには出力側光ファイバ16fの一端部が取
り付けられている。
【0114】さらに、平面型光回路35には、ファイバ
ソケット38aに取り付けられた入力側光ファイバ15
eから平面型光回路35へ入力された入力光51eを、
第1の半導体光増幅素子36および第2の半導体光増幅
素子37のそれぞれへと伝搬する入力光導波手段として
の入力光分岐路39と、第1の半導体光増幅素子36か
ら出力された信号光を、ファイバソケット38bに取り
付けられた出力側光ファイバ16eへと伝搬する出力導
波手段としての出力光導波路42aと、第2の半導体光
増幅素子37から出力された信号光を、ファイバソケッ
ト38cに取り付けられた出力側光ファイバ16fへと
伝搬する出力光導波手段としての出力光導波路42aと
が備えられている。
【0115】入力光分岐路19や、出力光導波路42
a,42bはそれぞれ、シリカ系光導波路からなるもの
である。第1の半導体光増幅素子36は、入力光分岐路
39の、分岐された一方の部分の端部と、出力光導波路
42aの、ファイバソケット38b側と反対側の端部と
の間で、精度良く精密な位置に実装されている。同様
に、第2の半導体光増幅素子37も、入力光分岐路39
の、分岐された他方の部分の端部と、出力光導波路42
bの、ファイバソケット38c側と反対側の端部との間
で、精度良く精密な位置に実装されている。
【0116】このような平面型光回路35と、第1の半
導体光増幅素子36および第2の半導体光増幅素子37
のスイッチング動作を制御する制御手段としての駆動回
路47とから光通信モジュールが構成されている。駆動
回路47は、配線48aを介して第1の半導体光増幅素
子36と接続されると共に、配線48bを介して第2の
半導体光増幅素子37と接続されており、駆動回路47
が第1の半導体光増幅素子36および第2の半導体光増
幅素子37をそれぞれ独立して駆動できるように光通信
モジュールが構成されている。
【0117】図18に示した光通信モジュールでは、入
力側光ファイバ15eの、ファイバソケット38a側と
反対側の入力ポート44から入力側光ファイバ15eへ
と信号光として入射された入力光51eは入力側光ファ
イバ15eを経て入力光分岐路39に光結合され、入力
光分岐路39に入力された信号光が入力光分岐路39で
2つに分岐される。入力光分岐路39で分岐された2つ
の信号光のうちの一方が第1の半導体光増幅素子36に
入力され、他方が第2の半導体光増幅素子37に入力さ
れる。第1の半導体光増幅素子36および第2の半導体
光増幅素子37に入力されたそれぞれの信号光は、駆動
回路47からの電気信号に基づいた、第1の半導体光増
幅素子36および第2の半導体光増幅素子37のそれぞ
れのスイッチング動作によってそれらの強度が制御され
る。
【0118】ここで、第1の半導体光増幅素子36を駆
動すれば、入力光51eは、第1の半導体光増幅素子3
6、出力光導波路42aおよび出力側光ファイバ16e
を通して出力光52eとして第1の出力ポート45に出
力され、第2の半導体光増幅素子37を駆動すれば、入
力光51eは、第2の半導体光増幅素子37、出力光導
波路42bおよび出力側光ファイバ16fを通して出力
光52fとして第2の出力ポート46に出力される。こ
のように、駆動回路47によって第1の半導体光増幅素
子36および第2の半導体光増幅素子37の駆動電流を
制御することで、平面型光回路35における光経路を切
り替えたり、分岐させたりすることができる。
【0119】次に、図18に示した光通信モジュールに
おける利得特性およびスイッチング特性を評価するため
に光通信モジュールの実験を行った。図18に示した光
通信モジュールの実験としては、入力ポート44に波長
1.55μm、光強度−7dBm(0.2mW)の光を
10ギガビット/秒(10Gb/s)で強度変調した信
号光として入力し、第1の半導体光増幅素子36および
第2の半導体光増幅素子37のそれぞれに0mAから2
0mA(電圧では0Vと1.5V)の範囲で独立に電流
値を変化させて、第1の出力ポート45および第2の出
力ポート46から出力される信号光の光強度をそれぞれ
測定した。
【0120】図19は、図18に示した光通信モジュー
ルの実験およびその実験結果について説明するための図
である。図19(a)は、駆動回路47による第1の半
導体光増幅素子36の駆動電圧(V)の変化を示す図あ
り、図19(b)は、駆動回路47による第2の半導体
光増幅素子37の駆動電圧(V)の変化を示す図ある。
図19(c)は、入力ポート44に入力する入力光51
eの強度(mW)の変化を示す図である。図19(d)
は、第1の出力ポート45に出力された出力光52eの
強度(mW)の変化を示す図であり、図19(e)は、
第2の出力ポート46に出力された出力光52fの強度
(mW)の変化を示す図である。
【0121】図19(a)〜(e)ではそれぞれ、第1
の半導体光増幅素子36および第2の半導体光増幅素子
37の駆動電圧、入力ポート44への入力光の強度、第
1の出力ポート45および第2の出力ポート46からの
出力光の強度の、それぞれの時間依存性が示されてい
る。
【0122】図19(c)に示すように光強度が変化す
る入力光51eを、入力側光ファイバ15eを通して入
力光分岐路39に入力すると共に、図19(a)に示す
ようなパターンの駆動電圧を第1の半導体光増幅素子3
6に印加し、図19(b)に示すようなパターンの駆動
電圧を第2の半導体光増幅素子37に印加することによ
り、図19(d)および図19(e)に示されるよう
に、第1の出力ポート45および第2の出力ポート46
からの光出力のパターンではいずれにおいても、スイッ
チング時間(Tsw)がオンからオフ、オフからオンとも
に1ナノ秒以下の時間であった。このことから、図18
に示した光通信モジュールでは、1ナノ秒以下のスイッ
チング特性が得られることが確認された。
【0123】また、オンレベルでの出力光の光強度と、
オフレベルでの出力光の光強度との比は、第1の出力ポ
ート45および第2の出力ポート46のいずれにおいて
も50dB以上あることが確認された。これらのことか
ら、高速なスイッチング動作が可能で、消光比の高い光
通信モジュールが達成された。また、入力ポート44へ
の入力光51eの強度のピークが0.2mWであるのに
対して、第1の出力ポート45および第2の出力ポート
46からの光出力の強度のピークが、いずれの出力ポー
トにおいても0.07mWであることから、この光通信
モジュールの挿入損失は4.5dBとなった。ここで、
シリカ系光導波路から構成された入力光分岐路39にお
ける分岐損失は3dBであることから、過剰損失が1.
5dBである低損失の光通信モジュールが得られたこと
が確認された。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、以下のよ
うな効果がある。
【0125】請求項1〜6に記載の発明は、光ゲートエ
レメントとして利用した場合に良好な消光比を実現する
ことができ、良好な高速スイッチング動作を実現するこ
とができるという効果がある。また、導波コア層の外側
に部分的に溝を形成した構成や、導波コア層を覆うクラ
ッド層における溝の間に挟まれた部分の幅が部分的に異
なっている構成、または導波コア層の外側に形成された
溝の導波コア層側の壁面が波形の形状に形成された構成
の光半導体素子を製造する際に、高速なスイッチング動
作が可能で、消光比の高い光半導体素子を生産性の歩留
り良く製造することできるという効果がある。
【0126】また、請求項7に記載の発明は、低損失
で、かつ、高い消光比で、良好な高速スイッチング動作
を実現することが可能な光通信モジュールが得られると
いう効果がある。
【0127】さらに、請求項8に記載の発明は、導波コ
ア層の外側に溝が形成された構成の光半導体素子を多数
製造する際に、光半導体素子の製造中におけるストレス
の影響により光半導体素子に亀裂が生じることを防ぐと
とができ、良好な生産歩留まりを実現することができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の光半導体素子を示す
平面図である。
【図2】図1のA−A’線断面図である。
【図3】図1のB−B’線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の光半導体素子を示す
平面図である。
【図5】図4のA−A’線断面図である。
【図6】図4のB−B’線断面図である。
【図7】図4のC−C’線断面図である。
【図8】図4に示した半導体光増幅素子の利得特性を示
す図である。
【図9】図4に示した半導体光増幅素子のスイッチング
特性について説明するための図である。
【図10】本発明の第3の実施形態の光半導体素子を示
す平面図である。
【図11】図4に示した半導体光増幅素子の変形例を示
す平面図である。
【図12】図4に示した半導体光増幅素子の別の変形例
を示す平面図である。
【図13】図4に示した半導体光増幅素子のさらに別の
変形例について説明するための斜視図である。
【図14】図1に示した半導体光増幅素子に、図13に
示したクラッド層の側面の波形形状を適用したものを示
す平面図である。
【図15】図13に示したクラッド層の側面に形成され
た波形形状の変形例を示す斜視図である。
【図16】図15に示した斜めに傾斜した波形の形状に
クラッド層の溝側の側面を形成する方法について説明す
るための図である。
【図17】図1に示した半導体光増幅素子を多数製造す
る際の半導体光増幅素子の配置について説明するための
図である。
【図18】図2に示した半導体光増幅素子が実装された
平面型光回路を有する光通信モジュールを示す図であ
る。
【図19】図18に示した光通信モジュールの実験およ
びその実験結果について説明するための図である。
【図20】従来の光半導体素子を示す平面図である。
【図21】図20のA−A’線断面図である。
【符号の説明】
1a〜1f 光半導体素子 2a、2b 基板 3a〜3d 導波コア層 4a、4b クラッド層 5a、5b バッファ層 6a、6b n側電極 7a、7b キャップ層 8a〜8e 溝 9a、9b 絶縁膜 10a〜10f p側電極 11a〜11d 光入力側導波路 12a〜12d 光出力側導波路 13a〜13d、18、19 利得領域 14a〜14h 窓領域 15a〜15e 入力側光ファイバ 16a〜16f 出力側光ファイバ 17a〜17d ARコート 20 側面 24 マスクパターン 25 クラッド層の側面となる部分 26 基板 27 台 28 エッチング方向 29a、29b へき開線 30 亀裂 31a、31b 外側クラッド層 33 光導波路領域 35 平面型光回路 36 第1の半導体光増幅素子 37 第2の半導体光増幅素子 38a〜38c ファイバソケット 39 入力光分岐路 42a、42b 出力光導波路 44 入力ポート 45 第1の出力ポート 46 第2の出力ポート 47 駆動電源 48a、48b 配線 51a〜51e 入力光 52a〜52f 出力光 53b、54b 湾曲部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 玉貫岳正、北村昌太郎、畠山大、山口 昌幸,高利得・高消光比S字斜め端面型 SSC−SOA,1998年電子情報通信学 会総合大会,日本,1998年,C−4−35 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/00 - 1/125

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板の表面に部分的に形成さ
    れて光導波路を構成し、少なくとも一部が、前記光導波
    路を伝搬する光のスイッチングを行うための、前記光を
    増幅する光増幅領域となった導波コア層と、該導波コア
    層を覆うように前記基板および前記導波コア層のそれぞ
    れの表面に形成されたクラッド層とを有し、前記クラッ
    ド層における前記導波コア層の外側の部分に溝が部分的
    に形成されている光半導体素子。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板の表面に部分的に形成さ
    れて光導波路を構成し、少なくとも一部が、前記光導波
    路を伝搬する光のスイッチングを行うための、前記光を
    増幅する光増幅領域となった導波コア層と、該導波コア
    層を覆うように前記基板および前記導波コア層のそれぞ
    れの表面に形成されたクラッド層とを有し、前記クラッ
    ド層における前記導波コア層の両外側の部分に、前記導
    波コア層から離れて前記導波コア層に沿うように溝が形
    成された光半導体素子において、 前記クラッド層の、前記導波コア層の両外側の前記溝の
    間に挟まれた部分の幅が部分的に異なっていることを特
    徴とする光半導体素子。
  3. 【請求項3】 基板と、該基板の表面に部分的に形成さ
    れて光導波路を構成し、少なくとも一部が、前記光導波
    路を伝搬する光のスイッチングを行うための、前記光を
    増幅する光増幅領域となった導波コア層と、該導波コア
    層を覆うように前記基板および前記導波コア層のそれぞ
    れの表面に形成されたクラッド層とを有し、前記クラッ
    ド層における前記導波コア層の外側の部分に溝が形成さ
    れた光半導体素子において、 前記溝の前記導波コア層側の壁面が波形の形状に形成さ
    れていることを特徴とする光半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記溝の前記導波コア層側の壁面におけ
    る波形の波面が、前記導波コア層を伝搬する光の進行方
    向に対して斜めになっている請求項3に記載の光半導体
    素子。
  5. 【請求項5】 前記導波コア層の少なくとも一部が湾曲
    した形状となっている請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の光半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記光導波路の両端部に、前記光導波路
    を伝搬する光を集光させる集光手段が備えられるよう
    に、前記導波コア層の両端部の厚さが前記導波コア層の
    端面に向かって徐々に薄くなっている請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の光半導体素子。
  7. 【請求項7】 光が入力される光入力部と、該光入力部
    に入力された光のスイッチングを行うための光半導体素
    子と、該光半導体素子のスイッチング動作を制御する制
    御手段と、前記光半導体素子から出力された光が伝搬さ
    れる光出力部と、前記光入力部に入力された光を前記光
    半導体素子に伝搬する入力光導波手段と、前記光半導体
    素子から出力された光を前記光出力部に伝搬する出力光
    導波手段とを有する光通信モジュールであって、 前記光半導体素子として、請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の光半導体素子が用いられている光通信モジュー
    ル。
  8. 【請求項8】 基板と、該基板の表面に部分的に形成さ
    れて光導波路を構成し、少なくとも一部が、前記光導波
    路を伝搬する光のスイッチングを行うために前記光を増
    幅する光増幅領域となり、かつ、少なくとも両端部が前
    記基板と平行な方向に帯状に延びる直線部分となった導
    波コア層と、該導波コア層を覆うように前記基板および
    前記導波コア層のそれぞれの表面に形成されたクラッド
    層とを有し、前記クラッド層における前記導波コア層の
    外側の部分に溝が部分的に形成された光半導体素子の製
    造方法であって、 複数の前記光半導体素子を製造するために、基板の表面
    に複数の前記導波コア層を配列させて形成し、複数の前
    記導波コア層を覆うように前記基板および複数の前記導
    波コア層の表面にクラッド層を形成した後に、前記クラ
    ッド層の、前記溝に対応する部分を除去することによ
    り、それぞれの前記導波コア層に対応する溝を前記クラ
    ッド層に複数形成する際、 前記基板の表面に複数の前記導波コア層を形成する工程
    で、隣り合う前記導波コア層のうち一方の導波コア層の
    直線部分が、他方の導波コア層の直線部分を通る、該他
    方の導波コア層の直線部分に平行な一直線上と異なる位
    置に配置されるように複数の前記導波コア層をそれぞれ
    配置させる光半導体素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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玉貫岳正、北村昌太郎、畠山大、山口昌幸,高利得・高消光比S字斜め端面型SSC−SOA,1998年電子情報通信学会総合大会,日本,1998年,C−4−35

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