JP3381227B2 - 高v高速度工具鋼 - Google Patents

高v高速度工具鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドリル,タップ,カッ
ター,パンチ,冷鍛型,熱間型等の加工工具素材、とく
に切削工具鋼素材として好適に利用される高速度工具鋼
に関し、さらに詳しくは、この高速度工具鋼を素材とし
た加工工具の寿命とくに切削工具の切削寿命をさらに向
上させるのに好適な含Co高V高速度工具鋼に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、加工工具(主にドリルなどの切削
工具)の素材としては、主に、表面処理として酸化処理
(一般に、ホモ処理)を施したJIS SKH51が使
用される場合が多い。
【0003】また、さらに高級な表面処理として、Ti
Nなどのセラミックスコーティングを施したものを使用
する場合もある。
【0004】また、ベース素材として高硬度が得られる
含Co系高速度工具鋼(AISIM42,M36等)を
使用しこれに特殊表面処理(セラミックスコーティング
など)を施して高性能ドリルとしたものを使用する場合
もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】切削工具の素材として
主に使用されるJIS SKH51は、ホモ処理を施す
ことにより汎用ドリルとして広く用いられているが、性
能の点では高級ドリルに及ばないものであった。
【0006】また、高級ドリルは特殊な表面処理を施す
ことが必要であると共に素材自体のコストが高いことか
ら、ドリルは高価なものとなって汎用ドリルとして使用
されていないのが現状であり、このような従来の汎用ド
リルおよび高級ドリルがもつ問題点を解決することが課
題であった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、高級表面処理を施すこと
なく比較的簡便なホモ処理を施すだけで高性能が得られ
る含Co高V高速度工具鋼を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】高速度工具鋼において
は、その組織内に主にVを主体としたMC型炭化物を分
散させたものと、Mo,Wを主体としたMC型炭化物
を分散させたものに分類される。
【0009】現在、前者のものとしては、JIS鋼種に
制定されている高V系鋼種(例えば、SKH53,5
7,SKH10など)があげられるが、現在は汎用ドリ
ル用途を前提にその生産は行われていない。
【0010】本発明者は、従来非Co系高速度工具鋼に
おいて利用されていた高V化によって得られる組織上の
特長を積極的に活用するため、REMの添加によるVC
炭化物の微細化作用を利用すると共に、さらにSKH5
1対比でより高性能化するためCo添加を行うこととし
た。
【0011】そして、基礎的に炭化物組織とマトリック
ス強度の観点より、MC炭化物の増量を行い、MC/
(MC+MC)で表わされる炭化物量比のバランスを
大幅に変えると共にCo添加量を0〜8%の間で変化さ
せて切削性能に与える影響を調査した。ここで、炭化物
の面積率は、ルーゼックスイメージアナライザーを用い
てMC炭化物およびMC炭化物を個別に定量したのち
炭化物量比[MC/(MC+MC)]を求めた。ま
た、切削試験は、実際に10mmφのドリルを製作しそ
れにホモ処理を施して、JIS S45C材を切削しそ
の切削除去量体積によって評価した。
【0012】その結果、MC型炭化物増量やCo添加が
切削性能向上に効果が大きいことが見い出され、なかで
も、MC型炭化物増量とCo添加の組み合わせは性能向
上により効果的であることが明らかとなり、これらの組
み合わせによって、従来と比較して低廉な素材でありな
がら簡便な表面処理(とくにホモ処理)のみで高性能化
する素材が得られることが確認された。
【0013】すなわち、本発明に係わる高V高速度工具
鋼は、C:1.2〜1.5%、Si:0.1〜0.5
%、Mn:0.1〜0.5%、Cr:3.5〜5.5
%、Mo:3.0〜8.0%、W:3.0〜8.0%、
V:2.5〜4.0%、Co:2.0〜6.0%、およ
びZr,Hf,Yを含むREMのうちの1種または2種
以上の合計:0.03〜0.15%を含み、残部Feお
よび不純物よりなり、 Weq=2Mo+W で表わされるWeqが、15≦Weq≦22 ΔC=C−(0.06[Cr]+0.063[Mo]+0.033[W] +0.2[V]) で表わされるΔCが、−0.4≦ΔC≦0 F=−0.45[C][2Mo+W]+2.4[C]+0.84[Mo] +0.92[W]+2[V−1]1/2+5.45[Si] +32.7[N] で表わされるFが、F≧7.42 L=12.2[Mo]−1.04[Mo]−3[W]+7[V] −25[Si]−20.55 で表わされるLが、L≧0に規制されている構成とした
ことを特徴としている。
【0014】そして、本発明に係わる高V高速度工具鋼
の実施態様においては、Co:2.5〜5.5%、V:
2.5〜3.5%であり、1μm以上の炭化物量比をV
添加量コントロールおよびWeqコントロールによって
焼鈍した状態における炭化物面積率が0.55>MC/
(MC+MC)>0.35の範囲にあるものとするこ
とも場合によっては望ましい。
【0015】
【発明の作用】以下、本発明に係わる含Co高V高速度
工具鋼の成分範囲(重量%)、Weq値、ΔC値,F値
およびL値の限定理由を各々の作用と共に説明する。
【0016】C:1.2〜1.5% ΔC:−0.4≦ΔC≦0 高速度工具鋼においてCは炭化物形成元素(Cr,W,
Mo,V)と結合し、炭化物を形成して工具に必要な耐
摩耗性を付与すると共に炭化物は一般にマトリックスよ
り硬いことから全体の硬さ向上をもたらす。また、熱処
理によりマトリックス中へ固溶することによってマトリ
ックスの硬さ向上をもたらす。
【0017】一般に、高速度工具鋼において添加C量を
設定するためにΔC量を使用する場合が多い。このΔC
量は、 ΔC=C−(0.06[Cr]+0.063[Mo]+0.033[W] +0.2[V]) で与えられるが、この式はG.Stervemらによっ
て提唱された式であって、炭化物形成元素が特定の炭化
物形態を取った時のC量より実際に含まれるC量を差し
引いた値である。つまり、各炭化物形成元素がすべて炭
化物を形成した時に必要なC量と投入したC量との差分
を示すものである。
【0018】ここで、一般に、溶製高速度工具鋼はΔC
≦0の成分となっている場合が多い。これは、ΔCがプ
ラスの値となった場合、靭性の劣化が顕著であることな
どがすでに報告されている。他方、ΔCが大幅にマイナ
スの値となった場合、炭化物の形成に必要なC量が確保
できないため、本来の炭化物組織とならないなどの問題
が発生する。
【0019】このため、ΔCの値は−0.4≦ΔC≦0
の範囲、より望ましくは−0.3≦ΔC≦0の範囲にあ
るのが良く、本発明の成分系においてもΔCの規定に従
ってC量を決定すると、C量の範囲は1.2〜1.5
%、より望ましくは1.2〜1.4%とするのが良い。
【0020】Si:0.1〜0.5% 高速度工具鋼においてSiは一般に脱酸剤として使用さ
れるが、凝固時のMC炭化物が分解する範囲を示した
F値の式および凝固時にMC炭化物が共晶炭化物とし
て存在しない領域を示したL値の式においても示される
ように、炭化物組織の調整に使用することも可能な元素
である。
【0021】しかし、熱処理特性の変化により、Si量
の上限を0.5%に設定するのが良い。また、スクラッ
プ等からのSi混入を考慮してその下限を製造コストの
上昇を招かない下限値とし、Si量の下限を0.1%と
するのが良い。
【0022】Mn:0.1〜0.5% Mnは高速度工具鋼の溶製時に脱酸剤および脱硫剤とし
て作用すると共に、一般に焼入れ性を向上させるので、
その下限を0.1%とするのが良い。しかし、多量に添
加すると靭性を低下させることとなるので、Mn量の上
限を0.5%とするのが良い。
【0023】Cr:3.5〜5.5% 高速度工具鋼中におけるCrは良好な焼入れ性を確保す
るための必須の元素であり、同時に炭化物の組織を変化
させる主因となる場合もある。したがって、本発明鋼に
おいては、Cr主体の炭化物を形成しないことが条件と
なるため、高速度工具鋼で一般に規定されている範囲内
でCrが特殊炭化物を生成しない上限値として5.5%
とするのが良い。また、下限値は焼入れ性確保に必要な
最低限の量として3.5%とし、より望ましくは4.0
%とするのが良い。
【0024】Mo:3.0〜8.0% W:3.0〜8.0% Weq:15≦Weq≦22 高速度工具鋼中におけるMoは炭化物の形成に必要な成
分であり、とくにMC型炭化物を形成している主要な
元素であると共に、焼入れ時にマトリックスに固溶した
のち2次硬化に寄与する成分であり、このような作用か
らそしてまたF値およびL値を満たし得るように3.0
〜8.0%とするのが良く、より望ましくは4.0〜
8.0%とするのが良い。
【0025】また、高速度工具鋼中におけるWはMoの
2倍の量でMoと同等の作用を有する元素であり、W単
独では上記した作用からそしてまたF値およびL値を満
足しうるように3.0〜8.0%とするのがよく、より
望ましくは4.0〜6.0%とするのが良い。
【0026】そして、上記したようにWはMoの2倍の
量でMoと同等の作用を有するので、Weq=2Mo+
Wとしてもその範囲を規制した。
【0027】一般に、Mo,WはMC型炭化物を形成
し、焼入れによってマトリックス中に固溶し、焼もどし
によって2次炭化物として微細に析出する。そして、M
C型炭化物を一定量以上確保することによって、マト
リックス硬さの増大をはかることが可能になると共に全
体の耐摩耗性を向上させるのに寄与する。
【0028】そのために必要なWeqの下限値は15
%、より望ましくは16%である。また、上限値はMC
炭化物量とMC炭化物量が増大することによって加工
性が劣化することから、量産に問題を生じないレベルと
して22%とするのがよく、より望ましくは21%とす
るのが良い。
【0029】V:2.5〜4.0% 高速度工具鋼中においてVはMC型炭化物を主に形成す
る元素であり、高速度工具鋼において最も硬い炭化物で
あることから、耐摩耗性の著しい向上に寄与する。しか
し、多量に添加すると一次炭化物として多量に残存する
ことによりその加工性劣化が顕著に表われる。
【0030】また、高速度工具鋼におけるCo含有量を
4%とした場合において、V含有量による切削性能(切
削除去量)への影響を調べたところ、図1に示す結果で
あった。
【0031】したがって、VはMC炭化物の作用・効果
が十分に得られる添加量の下限値として2.5%とする
のが良い。また、MC炭化物の効果が飽和するためその
上限値を4.0%するのが良く、より望ましくは3.5
%とするのが良い。そして、V添加量が2.5〜3.5
%の範囲においてはその性能向上がより顕著に認められ
る。
【0032】Co:2.0〜6.0% Coは一般に炭化物を形成せず、マトリックスに固溶す
ることによってその基地強度を上昇させると共に耐熱性
の向上にも寄与する。また、高速度工具鋼におけるV含
有量を3%とした場合において、Co含有量による切削
性能(切削除去量)への影響を調べたところ、図2に示
す結果であった。そして、Co添加量は最小限の効果を
維持するためにその下限値を2.0%とするのがよく、
より望ましくは2.5%とするのが良い。また、Coの
効果が十分に確保することが可能であって当初の目的で
ある低廉化を満たすためにその上限値を6.0%とし、
より望ましくは5.5%、さらに望ましくは4.0%と
している。そして、より優れた性能を得るためには上記
したように2.5〜5.5%の範囲とするのがよく、さ
らにCoのコストに与える影響を考慮すると2.5〜
4.0%の範囲とするのが良い。
【0033】Zr,Hf,Yを含むREMのうちの1種
または2種以上の合計:0.03〜0.15% 高速度工具鋼中においてZr,Hf,Yを含むREM
(希土類元素)は炭化物の微細化のために添加される元
素である。このようにZr,Hf,Yを含むREMは高
V化によって炭化物が粗大化するのを防止するべく添加
されるMC型炭化物の微細化手段であって、このような
作用を得るためにこれらの合計で0.03%以上含有さ
せるのが良い。また、これらの元素の上限値は、Zr,
Hf,Yを含むREMによる非金属介在物の発生が問題
とならない量である0.15%とするのが良い。
【0034】F:F≧7.42 L:L≧0 F値を示す式は、凝固時のMC炭化物が分解する範囲
を示した式であり、また、L値を示す式は、凝固時にM
C炭化物が共晶炭化物として存在しない領域を示した
式であって、F≧7.42、L≧0とすることによっ
て、熱間加工を加えた後の炭化物組織が微細でかつMC
+MC型炭化物組織を有するものとすることが可能と
なる。
【0035】炭化物面積率:0.55>MC/(MC+
C)>0.35 高速度工具鋼中において1μm以上の全炭化物面積率が
多いほど一般的に耐摩耗性は向上する。しかし、炭化物
による耐摩耗性への寄与は異なることが認められたの
で、炭化物の効果を最大限に引き出すために、炭化物量
と炭化物量比を規定した。
【0036】この炭化物量と炭化物量比を規定するにあ
たり、耐摩耗性の向上に寄与するMC型炭化物量と、焼
入れ時の固溶強化に寄与するMC型炭化物量との関係
において、0.55>MC/(MC+MC)>0.3
5に規制することによって、耐摩耗性向上の効果をさら
に良好に引き出すことが可能となる。
【0037】このように、本発明に係わる含Co高V高
速度工具鋼では、従来汎用工具鋼として使用されるJI
S SKH51に比べて、V量およびCo量の適正化を
はかり、高Co系高速度工具鋼の性能を上回る切削用工
具鋼となっている。そして、V含有量を2.5〜4.0
%、場合によっては2.5〜3.5%とすることによっ
て、耐摩耗性の向上に寄与するMC炭化物量の増大をは
かり、Co含有量を2.0〜6.0%、場合によっては
2.5〜5.5%とすることによって、マトリックス硬
さを上昇し、靭性劣化を最小限にとどめることによっ
て、切削性能を大幅に向上させた含Co高V高速度工具
鋼が提供されることとなった。
【0038】
【実施例】表1ないし表4に示す化学成分およびΔC
値,Weq値,F値,L値を有する高速度工具鋼を溶製
したのち、造塊および圧延し、さらに1180〜120
0℃×2分間加熱後油冷する焼入れを行ったのち500
℃×1時間加熱後空冷の焼もどしを3回繰り返した試験
片を用意して、各試験片の炭化物の面積率をルーゼック
スイメージアナラナイザーを用いてMC炭化物およびM
C炭化物を個別に定量して求めた。その結果、1μm
以上の炭化物の面積率MC/(MC+MC)は、表2
ならび表4に示すとおりであった。
【0039】また、各素材から10mmφのドリルを実
際に製作し、ホモ処理を施したのち、JIS S45C
材を切削して、その切削除去量を体積にて求めてそれぞ
れの切削性能を評価したところ、同じく表2および表4
に示す結果であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】表1ないし表4に示す結果より明らかなよ
うに、本発明の要件を満足する高速度工具鋼A1〜A
5,B1〜B3,C,D,E,Fでは、切削除去量が4
00cm以上となっており、切削性能がJIS SK
H51に比べて大幅に向上したものとなっていることが
認められた。
【0045】これに対して、本発明を満足しない比較鋼
a1〜a3,b1〜b5(ただし、b2を除く),c,
d,fは切削除去量が少なく、切削性能はJIS SK
H51に対比してさほど向上したものとはなっていなか
った。ただし、比較鋼b2では切削性能は良好であるも
のの、V含有量が少ないため、耐摩耗性が劣る傾向のあ
るものとなっていた。
【0046】
【発明の効果】本発明に係わる高V高速度工具鋼は、重
量%で、C:1.2〜1.5%、Si:0.1〜0.5
%、Mn:0.1〜0.5%、Cr:3.5〜5.5
%、Mo:3.0〜8.0%、W:3.0〜8.0%、
V:2.5〜4.0%、Co:2.0〜6.0%、およ
びZr,Hf,Yを含むREMのうちの1種または2種
以上の合計:0.03〜0.15%を含み、残部Feお
よび不純物よりなり、 Weq=2Mo+W で表わされるWeqが、15≦Weq≦22 ΔC=C−(0.06[Cr]+0.063[Mo]+0.033[W] +0.2[V]) で表わされるΔCが、−0.4≦ΔC≦0 F=−0.45[C][2Mo+W]+2.4[C]+0.84[Mo] +0.92[W]+2[V−1]1/2+5.45[Si] +32.7[N] で表わされるFが、F≧7.42 L=12.2[Mo]−1.04[Mo]−3[W]+7[V] −25[Si]−20.55 で表わされるLが、L≧0に規制されているものとなっ
ているので、切削性能に優れた高性能な高速度工具鋼を
低コストで提供することが可能であり、この素材を用い
ることによって、切削性能に優れたドリル,カッター等
の切削工具を低コストで提供することが可能であるとい
う著しく優れた効果がもたらされる。
【0047】また、実施態様においては、Co:2.5
〜5.5%、V:2.5〜3.5%であり、炭化物面積
率が0.55>MC/(MC+MC)>0.35の範
囲にあるものとすることによって、炭化物量とその量比
が適切なものに定められることにより耐摩耗性がより一
層向上した高V高速度工具鋼を提供することが可能であ
るという著しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高速度工具鋼中のCo含有量を4%の一定とし
たときにおけるV含有量の変化による切削性能(切削除
去量)への影響をCo含有量が0.43%であるSKH
51鋼と比較して示すグラフである。
【図2】高速度工具鋼中のV含有量を3%の一定とした
ときにおけるCo含有量の変化による切削性能(切削除
去量)への影響をV含有量が1.91%であるSKH5
1鋼と比較して示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:1.2〜1.5%、S
    i:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜0.5%、C
    r:3.5〜5.5%、Mo:3.0〜8.0%、W:
    3.0〜8.0%、V:2.5〜4.0%、Co:2.
    0〜6.0%、およびZr,Hf,Yを含むREMのう
    ちの1種または2種以上の合計:0.03〜0.15%
    を含み、残部Feおよび不純物よりなり、 Weq=2Mo+W で表わされるWeqが、15≦Weq≦22 ΔC=C−(0.06[Cr]+0.063[Mo]+0.033[W] +0.2[V]) で表わされるΔCが、−0.4≦ΔC≦0 F=−0.45[C][2Mo+W]+2.4[C]+0.84[Mo] +0.92[W]+2[V−1]1/2+5.45[Si] +32.7[N] で表わされるFが、F≧7.42 L=12.2[Mo]−1.04[Mo]−3[W]+7[V] −25[Si]−20.55 で表わされるLが、L≧0に規制されていることを特徴
    とする高V高速度工具鋼。
  2. 【請求項2】 Co:2.5〜5.5%、V:2.5〜
    3.5%であり、炭化物面積率が0.55>MC/(M
    C+MC)>0.35の範囲にあることを特徴とする
    請求項1に記載の高V高速度工具鋼。
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