JP3380559B2 - ヘリコバクター・ピロリ抗原及びワクチン組成物 - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリ抗原及びワクチン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pyl
ori)抗原を構成する組換えポリペプチドを提供するも
ので、該抗原はヘリコバクター・ピロリの分裂(細菌)
型及び休止(球状)型のいずれの表面においても発現さ
れ、全身性及び局所性(粘膜性)の抗体産生を生ぜしめ
る。本発明はさらに、該ポリペプチドをコードする核酸
分子及びかかる核酸分子を含有するベクター及び宿主細
胞を提供する。該組換えポリペプチドはヘリコバクター
・ピロリ感染の診断及びかかる感染に防御免疫応答を誘
導するワクチン組成物の製造に有用であり、該ワクチン
組成物は治療及び予防のいずれの使用にも適している。
背景技術 グラム陰性バクテリアであるヘリコバクター・ピロリ
は重要なヒト病原体であり、いくつかの胃十二指腸疾患
に関与している。このバクテリアが胃の上皮にコロニー
を形成すると、消化性潰瘍の疾患が進行する危険性が著
しく増大し、活性型炎症及び進行性慢性胃炎へと導かれ
る。
胃粘膜中でコロニー形成するために、ヘリコバクター
・ピロリは多くの発病因子(virulence factor)を使用
する。かかる発病因子はいくつかのアドヘシン(adhesi
n)を含み、これによりバクテリアは粘液と会合し及び
/又は上皮細胞;酸性環境の中和を補助するウレアー
ゼ;及び粘液をさらに流動的にする蛋白質分解酵素と結
合する。全身性及び局所性(粘膜性)の抗体産生を伴う
宿主の免疫応答は見かけ上強力であるのにも拘らず、こ
の病原菌は通常、宿主が生きている間胃粘膜中で生存す
る。この理由はおそらく、同時に誘導される免疫応答が
不適切であるか、又は、抗原の誤ったエピトープに向け
られているためである。
ヘリコバクター・ピロリ感染の病因及び免疫学を理解
するために、このバクテリアの抗原構造を特定すること
は極めて重要である。特に、多くのバクテリア病原菌に
おいて主要な発病因子を構成することが示され、ヘリコ
バクター・ピロリの診断及びワクチン組成物の製造に有
用となり得る、(アドヘシンのような)表面露出性かつ
分泌性の蛋白質の性状決定の必要性が存在する。
ヘリコバクター・ピロリのN−アセチルノイラミニル
ラクトース−結合・原繊維性ヘマグルチニン(N−acet
ylneuraminyllactose−binding fibrillar hemagglutin
in:NLBH)の20キロダルトン受容体−結合サブユニット
をコードする遺伝子hpaAのクローニングがEvans et al.
(1993)J.Bacteriol.175,674−683により開示されてい
る。
ヘリコバクター・ピロリの膜調製物に対するモノクロ
ーナル抗体(MAbs)はB lin et al.(1995)J.Clin.Mic
robiol.33,381−384により開示されてきている。これら
のMAbsのうちのひとつでHP30−1:1:6と表示されるもの
は、完全なバクテリア表面に露出しアドヘシンのような
性質を有することが示された30キロダルトンの蛋白質と
反応した。
ストレスや脅威を受けると、ヘリコバクター・ピロリ
細胞は、細菌型から球状型へと変形する。球状型では、
ヘリコバクター・ピロリ細胞は抗生物質や他の抗バクテ
リア剤への感受性がさらに低くなる。状況証拠は、ヘリ
コバクター・ピロリが、おそらくは水を介してまたは直
接感染により、この型で個体間を伝染するであろうこと
を示している。したがって、効率的なワクチン組成物
は、ヘリコバクター・ピロリの球状型及び細菌型いずれ
に対しても免疫応答を誘導しなければならない。全身性
免疫はおそらく、粘膜感染に対する防御において限られ
た役割しか果たさないので、このワクチン組成物が胃の
中で局所的に防御的免疫メカニズムを増進することも重
要である。
発明の目的 本発明の目的は、例えば、ヘリコバクター・ピロリ感
染に対する防御的免疫応答の誘導及びヘリコバクター・
ピロリ感染の診断に有用たり得る、ヘリコバクター・ピ
ロリの抗原性ポリペプチドを提供することにある。この
目的は表面−露出蛋白質をコードするヘリコバクター・
ピロリ遺伝子の組換えクローニングにより達成された。
この遺伝子の核酸配列はEvans et al.Journal of Bacte
riology,vol.175,674−683(1993)において発表された
hpaA遺伝子の配列に類似している。しかるに、hpaA遺伝
子が20キロダルトンの蛋白質をコードすることが報告さ
れたのに対し、驚くべきことに、本発明のDNA分子は29
キロダルトンの分子量のポリペプチドをコードすること
が見いだされた。
29キロダルトンのポリペプチドは、ヘリコバクター・
ピロリのすべての株において球状型のバクテリアにおい
て発現され、宿主において抗体の産生として測定される
粘膜性及び全身性免疫応答を誘導できる抗原蛋白質であ
ることが示される。この29キロダルトンのポリペプチド
は試験されたすべてのヘリコバクター・ピロリ株で発現
し、この蛋白質に対する抗体は通常の他種のヒト内在性
バクテリアや胃粘膜を含む選択されたヒト組織と交差反
応しない。このように、免疫学的性質を伴い本質的でよ
く保存されているアドヘシンとして、29キロダルトンポ
リペプチドはヘリコバクター・ピロリ感染の検出とワク
チン組成物の製造に有用であり、この組成物は適切な医
薬的処方で与えられた場合にかかる感染に対し防御的又
は治療用の免疫応答を誘導する。
このように、以下の実験データは、モノクローナル抗
体の29キロダルトン蛋白質への結合がヘリコバクター・
ピロリのマウスにおけるコロニー形成を完全に阻害する
結果となることより、29キロダルトンのヘリコバクター
・ピロリ蛋白質が、ヘリコバクター・ピロリのコロニー
形成及び/又は感染の持続に重要であることを示す。さ
らに、29キロダルトンのヘリコバクター・ピロリ蛋白質
が、経口免疫原として使用された場合、免疫の1月前に
ヘリコバクター・ピロリに感染したマウスにおけるヘリ
コバクター・ピロリのコロニー形成の有意な減少へと結
びつく免疫応答の刺激因子として働く。
図面の簡単な説明 図1:29キロダルトンポリペプチドをコードするヘリコ
バクター・ピロリの1.7キロベース断片を含むプラスミ
ドpAE1の制限酵素地図。斜線四角は構造遺伝子の位置を
示す。T3及びT7のプロモーター配列の位置は、ベクター
を示す黒四角の上方に示される。
図2:pS860、pS861、pS862及びpS863のプラスミド地
図。黒矢印:lacオペロンプロモーター(Plac)又はバク
テリオファージT7RNAポリメラーゼプロモーター(T7プ
モーター)。灰色矢印:PCRで作られた29キロダルトン遺
伝子の5′末端又は3′末端。ターミネーター:T7転写
ターミネーター。Ori:pBR322プラスミド複製開始点。
図3:BALB/cマウスにおけるヘリコバクター・ピロリの
コロニー形成に対するモノクローナル抗体の効果。
図4:ヘリコバクター・ピロリに感染したBALB/cの治療
用経口免疫。
発明の開示 以下の説明を通して、特に以下の実施例において、
「標準プロトコール」及び「標準操作」なる術語は、分
子クローニング技術の文脈において使用される場合、サ
ムブルークJ.フリッチュE.F.及びマニアチスT.(1989)
の「分子クローニング:研究室マニュアル、第2版、コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレ
ス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク」
のような通常の研究室マニュアルに見られるプロトコー
ル及び操作手順として理解される。
第1の重要な観点において、本発明は、約29キロダル
トンの分子量の、ヘリコバクター・ピロリの表面露出抗
原と同一の又は実質的に類似のアミノ酸配列を有する組
換えポリペプチドを提供する。
本発明の該表面露出抗原は、例えば、以下の重要な性
質を有する。
・ 胃粘膜のコロニー形成に重要なアドヘシンである。
・ ヘリコバクター・ピロリの分裂(細菌)型及び休止
(球状)型のいずれの表面においても発現される。
・ 全身性及び局所性(粘膜性)の抗体産生を生ぜしめ
る強力な抗原である。
・ ヘリコバクター・ピロリの試験されたすべての株で
保存されている。
・ 29キロダルトンポリペプチドに対する抗体は、異な
った多くの非ヘリコバクターバクテリア、又は、胃粘膜
を含む選択されたヒト組織と交差反応しない。
・ この29キロダルトンのポリペプチドはリピド化さ
れ、ゆえに翻訳後に修飾される。ポリペプチドのこの特
徴は、その免疫原性のために及びヘリコバクター・ピロ
リの表面に適切に露出するために重要である。この分野
において、リピド化はバクテリアのリポ蛋白質の免疫学
的な性質に対し本質的であり得ることは知られている
(Weis J.J.et al.(1994)Infection and Immunity,vo
l.62,4632−4636参照)。
・ これは推定上の発病因子である。ここで「発病因
子」とは、胃粘膜の上皮表面へのヘリコバクター・ピロ
リの粘着及び/又はヘリコバクター・ピロリ感染の確立
と維持に特に関与する分子として理解される。
好適な形において、該ポリペプチドは、配列表の配列
番号2又は配列番号4における位置1−260又は28−260
のアミノ酸配列を有する。後に実験の部で記載されるよ
うに、配列番号2又は配列番号4における位置1−260
は切断されていない蛋白質を表し、一方、位置1−27は
シグナル配列を表し28−260は成熟ポリペプチドを表
す。配列番号2と配列番号4との唯一の相違は、配列番
号2は位置222においてSer残基を有しているのに対し、
配列番号4は同一の位置においてArg残基を有している
ことである。
しかしながら、本発明のポリペプチドは厳密には、配
列表の配列番号2又は4における上述の位置と同一のア
ミノ酸配列を有するポリペプチドに限定されない。むし
ろ本発明は、置換、僅かな欠失、挿入又は逆位のような
修飾を担うが、それにも拘らず実質的に本発明の29キロ
ダルトンのポリペプチドの性質を有するポリペプチドを
包含する。かかる性質は、哺乳動物種においてヘリコバ
クター・ピロリに対する粘膜性及び全身性の免疫応答を
誘導する能力;アドヘシンのように作用する能力;及び
ヘリコバクター・ピロリの細菌型及び球状型の両方にお
けるそのポリペプチドの存在を含む。
結果的に本発明には、配列表の配列番号2又は配列番
号4における位置1−260又は28−260で示されるアミノ
酸配列と少なくとも90%の相同性、好適には少なくとも
95%の相同性のアミノ酸配列を有するポリペプチドであ
って、それにも拘らず実質的に本発明の29キロダルトン
ポリペプチドの生物学的活性を有するポリペプチドが含
まれる。
本発明には、また、本発明の29キロダルトンポリペプ
チドの免疫原性エピトープを含むことからなり、哺乳動
物宿主においてヘリコバクター・ピロリバクテリアに対
する免疫応答を誘導する能力を保持する、少なくとも5
アミノ酸の長さのペプチドも含まれる。かかるエピトー
プは、それ単独か又はそのエピトープが挿入体もしくは
免疫学的活性を有する担体ポリペプチドに融合している
融合蛋白質の形で表すことができる。このようなエピト
ープの特定は、29キロダルトンのポリペプチドのさまざ
まな断片に向けられた、宿主により産生された抗体の存
在に基づく。
29キロダルトンのポリペプチドのエピトープに関する
構造的な情報を得るひとつの方法は、このポリペプチド
に結合するモノクローナル抗体の産生及び性状決定及び
その後の、たとえばペプスキャン(Pepscan)分析によ
るエピトープのマッピングである。モノクローナル抗体
は、DeSt.Growth,J.Immunol.Methods,vol.35,1−21(19
80)においてより記載されたような標準的方法により産
生することができる。
他の観点において、本発明は、上記で定義したポリペ
プチドをコードする核酸配列を有する、単離、精製され
た核酸分子を提供する。本発明の好適な形において、該
核酸分子は、配列表の配列番号1又は配列番号3と同一
のヌクレオチド配列を有するDNA分子である。しかしな
がら、本発明のDNA分子は配列番号1又は配列番号3で
示される配列に厳密に限定されない。むしろ、本発明
は、置換、僅かな欠失、挿入又は逆位のような修飾を担
うが、それにも拘らず実質的に本発明の29キロダルトン
のポリペプチドの生化学的活性を有するポリペプチドを
コードするDNA分子を包含する。
当業者には、アミノ酸配列に影響を与えないAG及
びTC置換は、ヘリコバクター・ピロリにおいて異常
でないことが知られている。配列番号1及び配列番号3
の唯一の相違は、配列番号1は位置1458においてA残基
を有するのに対し配列番号3は同じ位置においてC残基
を有していることである。
本発明には、また、遺伝的コードのため、そのヌクレ
オチドが配列配列番号1又は3で示されるヌクレオチド
配列の縮合物であるDNA分子も含まれる。64通りのコド
ンがあるのに対し、天然には20種のアミノ酸しかないの
で、大部分のアミノ酸は二つ以上のコドンによりコード
されている。遺伝的コードの天然の「縮合(degenerac
y)」又は「余剰(derundancy)」はこの技術分野でよ
く知られている。配列表で示されるDNA配列は、上に記
載されたポリペプチドをコードするDNA配列群の巨大
な、しかし決定的なグループにおけるただひとつの例に
過ぎないことが正しく評価されなければならない。
結果的に、本発明は以下より選択される単離された核
酸分子を含む: (a) 配列表の配列番号1又は配列番号3における位
置796−1572又は874−1572と同一の又は実質的に類似の
ヌクレオチド配列を含むことからなる核酸分子; (b) (a)において定義された核酸分子のポリペプ
チド・コード領域に相補的なヌクレオチド配列にハイブ
リダイズし得るヌクレオチド配列を含むことからなり、
本発明のポリペプチド又はその機能的に等価の修飾型を
コードする核酸分子;及び (c) (a)又は(b)において定義されたヌクレオ
チド配列の遺伝的コードの結果としての縮合物である核
酸配列を含むことからなり、本発明のポリペプチド又は
その機能的に等価の修飾型をコードする核酸分子。
本発明の別の観点は、本発明の核酸分子を含むことか
らなるベクターである。かかるベクターは、好適には、
(ブタペスト条約下寄託番号No.NCIMB 40732で寄託され
た)プラスミド・ベクターpAE1であり得る。
本発明のベクターは、また、本発明の核酸分子を運搬
しその発現の調節能を有し得る複製可能な発現ベクター
であり得る。この文脈において、「複製可能」なる術語
は、ベクターが導入された一定のタイプの宿主細胞にお
いてそのベクターが複製可能であることを意味する。ベ
クターの例は、バクテリオファージのようなウィルス、
コスミド、プラスミド及び他の再結合ベクターである。
核酸分子は、この技術分野で知られている標準的な方法
でベクター・ゲノムに挿入される。本発明の発現ベクタ
ーは、好適にはpAL30:1、pAL30:2、pAL30:3、pAL30:4の
いずれかひとつ、さらに好適には、pS863であり得る。
本発明には、また、本発明のベクターを含む宿主細胞
が含まれる。かかる宿主細胞は、前核細胞、単一真核細
胞又は多細胞生物に由来する細胞であり得る。このよう
に、宿主細胞は、例えば、大腸菌細胞のようなバクテリ
ア細胞;サッカロミセス・セルビシエ(Saccaromyces c
ervisiae)もしくはピッチア・パストリス(Pichia pas
toris)のような酵母からの細胞;又は哺乳動物細胞で
あり得る。宿主細胞へベクターを導入するために採られ
る方法は、組換えDNA法に精通している者によく知られ
た標準的な方法である。
別の観点において、本発明は上記で定義されたポリペ
プチドの製造方法を提供するものであり、該方法は、該
ポリペプチドが生産される条件下で、上記で定義された
発現ベクターにより形質転換した宿主細胞を培養し、そ
して該ポリペプチドを回収することを含む。
細胞を成長させるのに使用される培地は、この目的に
適する通常の培地のいずれのものも使用し得る。適切な
ベクターとしては、上述のベクターのいずれのものも使
用し得、適切な宿主細胞は上で並べられた細胞のタイプ
ならばいずれのものも使用し得る。ベクターの構築に採
用される方法及びベクターを宿主細胞へ導入するための
方法は、かかる目的のために組換えDNAの分野において
知られたいずれの方法も使用し得る。この細胞により発
現される組換えポリペプチドは、分泌され得、すなわ
ち、細胞のタイプとベクターの組成に依存して細胞膜を
通過して輸送される。
ポリペプチドが組換え宿主により細胞内で生産される
場合、すなわち、細胞により分泌されない場合、超音波
処理や破砕(homogenization)のような機械的手段又は
精製後の酵素的もしくは化学的手段による細胞の破壊を
含むことからなる標準的方法により回収され得る。分泌
されるためには、ポリペプチドをコードするDNA配列の
前にシグナルペプチドをコードする配列がなければなら
ず、このものの存在により、発現されたポリペプチドが
少なくとも有意な割合で培養液へ分泌され回収されるよ
うな細胞からのポリペプチドの分泌が確実となる。
本発明のさらに別の観点は、治療に使用するため、ヒ
トを含む哺乳動物におけるヘリコバクター・ピロリ感染
の診断に使用するため、及び治療用又は予防用ワクチン
として使用するための本発明のポリペプチドである。
本発明の別の重要な観点は、ヒトを含む哺乳動物にお
けるヘリコバクター・ピロリの細菌型及び/又は球状型
に対する防御免疫応答を誘導するためのワクチン組成物
である。かかるワクチン組成物は、免疫原エピトープを
含むことからなる29キロダルトンポリペプチドの少なく
とも一部、又はヘリコバクター・ピロリ感染に対する防
御免疫を誘導する能力を保持する該ポリペプチドの修飾
型などの、上で定義されたポリペプチドの免疫学的有効
量を含有する。「修飾型」との術語は、翻訳後の修飾、
たとえばリピド化されたポリペプチドの形を含むが、こ
れに限定されない。29キロダルトン蛋白質はリピド化さ
れていると信じられており、下記実施例4を参照された
い。
ワクチン組成物は、好適には、薬理学的に許容される
担体又は希釈剤、又は予防もしくは治療に使用するため
の免疫学的活性を有する他の抗原を含有する。整理学的
に許容される担体及び希釈剤は当業者によく知られてお
り、リン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered salin
e:PBS)、又は、経口ワクチンの場合は、処方に基づきH
CO3−もしくは腸溶皮粉処方が含まれる。
ワクチン組成物は、好適には、酸性分泌阻害剤、好適
には例えばオメプラゾール(omeprazole)のようなプロ
トンポンプ阻害剤(proton pump inhibitors:PPIs)を
含むか、同時に投与される。このワクチンは、リポソー
ム、ISCOM、共キレート剤等の公知のデリバリー・シス
テム(delivery system)(例えば、Ravinovich et al.
(1994)Science 265,1401−1404参照)中で処方され得
るか、又は、崩壊性(degradable)又は非崩壊性(non
−degradable)のポリマーの微小球体に付加されるか含
まれ得る。抗原は、弱毒化された生きているバクテリ
ア、ウィルスもしくはファージ、又は、同じ種類の殺さ
れたベクターに付加し得る。
以下の実験の部で示されるように、本発明の組成物
は、治療又は予防の両方の目的に使用し得る。本発明の
ワクチン組成物は、好適には、頬、鼻、扁桃、胃、腸
(小腸及び大腸)、直腸及び膣の粘膜に例示されるいず
れの哺乳動物粘膜にも投与される。粘膜ワクチンは目的
に応じて適切なアジュバントと共に投与し得る。ワクチ
ンは、皮下、皮膚内又は筋肉内へ、好適には適切なアジ
ュバントと共に、平行して投与することもできる。
29キロダルトンポリペプチドに対して免疫応答を生ぜ
しめるための別のアプローチは、「核酸ワクチン投与」
又は「裸DNA」ワクチン投与として知られるアプローチ
の使用である。この分野においては、興味の対象の抗原
をコードするプラスミドDNAを筋肉へ注射すると、抗原
の発現が維持され、免疫応答が産生するとの結果になり
得ることが知られている(例えば、上記Ravinovich参
照)。非経口、粘膜、又は、DNAでコートされた微量の
金ビーズを投与する「ジーン・ガン(gene−gun)」(F
ynan et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90,11478
−11482)を介するようないくつかの投与経路が可能で
ある。
このように、本発明の核酸分子は適切な真核プロモー
ターを含むことからなるプラスミド中で発現することが
できる。この「裸DNA」は「ジーン・ガン」を介して筋
肉内又は一定の真皮内に注射し得る。発現された蛋白質
のエピトープは細胞表面上のMHC分子により発現され、
免疫応答を誘発する。結果的に前のパラグラフにおいて
開示された、治療に使用するため特にワクチンとして使
用されるための核酸分子とベクターは、本発明の別の観
点である。ヘリコバクター・ピロリ感染の治療、予防又
は診断のための組成物の製造における、かかる核酸分子
とベクターの使用も、本発明の別の観点である。
さらに本発明の別の観点は、ヘリコバクター・ピロリ
感染の治療、予防又は診断のための組成物の製造におけ
る、上で定義されたポリペプチド、又はヘリコバクター
・ピロリ感染に対する防御免疫を誘導する能力を保持す
る該ポリペプチドの修飾型の使用である。かかる組成物
は、特にヘリコバクター・ピロリの細菌型及び/又は球
状型に対する防御免疫応答を誘導するワクチン組成物を
含む。本発明には、また、ヘリコバクター・ピロリ感染
の診断のための製造のための該使用も含まれる。かかる
診断キットは、さらに以下に記載される。
別の観点において、本発明は、ヒトを含む哺乳動物に
おいて、ヘリコバクター・ピロリ感染に対する防御免疫
応答を誘導する方法を提供し、該方法は上で定義したワ
クチン組成物の免疫学的有効量を該哺乳動物へ投与する
工程を含むことからなる。「免疫学的有効量」なる術語
は、感染哺乳動物におけるヘリコバクター・ピロリの感
染を根絶するか、又は、感受性哺乳動物における感染を
阻止する、有意な防御ヘリコバクター・ピロリ応答を誘
導する量を意味しようとしている。典型的には、免疫学
的な有効量は、経口投与に対しては約1μgから100m
g、好適には約10μgから10mgのヘリコバクター・ピロ
リ抗原、非経口的には約100μg以下のヘリコバクター
・ピロリ抗原を含有する。
本発明の別の観点は、免疫原エピトープを含むことか
らなる、29キロダルトンのポリペプチドの部分等の、上
で定義されたポリペプチドが使用される工程を少なくと
もひとつ含むことからなる、ヘリコバクター・ピロリ感
染の試験管内の診断方法である。このポリペプチドは、
好適には標識され及び/又は固相支持体に結合してい
る。診断方法は、たとえば、(a)好適には固相支持体
へ結合された該ポリペプチドを哺乳動物より得た体液と
接触させ、(b)該ポリペプチドに結合する該体液から
の抗体を検出する、工程を含むことからなる。抗体を検
出する好適な方法は、この分野でよく知られたELISA(E
nzymeLinked immunoabsorbent assay)法である。
さらに別の観点において、本発明は、上で例示された
診断方法の実施を可能ならしめる因子を含むことからな
る、ヒトを含む哺乳動物におけるヘリコバクター・ピロ
リ感染の検出のための診断キットを提供する。
実施例 実施例1:ヘリコバクター・ピロリよりの29キロダルトン
ポリペプチドのクローニング及び発現 1.1.バクテリア株、ベクター及び成育条件 ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)CCUG178(=NTC
C 11637)は、微好気的(microaerophilic)環境におい
てウマ血液寒天プレート上で成育された。大腸菌株XL1
−BlueMRF及びXLOLR(Stratagene,La Jolla,Californi
a:以下、「ストラタジーン社」という。)、はクローニ
ング実験の宿主株として使用され、ラムダ感染(lambda
infectionに使用される場合は0.2%マルトース及び10m
M MgSO4が添加されたルリア−ベルタニ・ブロス(Luria
−Bertani broth:LB)において成育された。ラムダ発現
ベクターZAP Express(登録商標)及びファージミド誘
導体pBK−CMVはストラタジーン社より購入した。
1.2.DNA技術 ヘリコバクター・ピロリの染色体DNAは、10mg/mlのリ
ゾチーム、及び5ng/mlのDNaseフリーのRNase(Boehring
er Mannheim Scandinavia AB,Bromma,Sweden:以下、
「ベーリンガー社」という。)を含む50mMトリス−塩
酸、pH8.0、25%シュクロース、50mM EDTAにおいて48
時間保温されたプレートから得たバクテリアを懸濁する
ことにより調製した。この懸濁液は37℃で10分間保温さ
れた。同量の溶解緩衝液(50mMトリス−塩酸、pH8.0及
び62.5mM EDTA中の0.4%トリトンX100)が添加され、懸
濁液は顕著なバクテリアの溶解が起るまで室温で保温さ
れた。この懸濁液は、緩衝フェノール(pH8.0)、フェ
ノール/クロロフォルム及びクロロフォルムそれぞれを
用いて3工程で抽出された。DNAは水相から沈殿され、T
E緩衝液(10mM トリス−塩酸、pH8.0;及び1mM EDTA)に
溶解された。
制限酵素はベーリンガー社より購入し、使用説明書に
従い使用した。
プラスミド及びラムダDNAはウィザード・キット(Wiz
ard kits:Promega,Madison,Wisconsin)により精製し
た。配列決定はシーケナーゼ2.0キット(Sequenase 2.0
kit:Amersham Sweden AB,Solna,Sweden:以下、「アマ
シャム社」という。)で行った。オリゴヌクレオチド
は、Innovagen,Lund,Swedenから購入した。PCRは、Taq
DNAポリメラーゼ(ベーリンガー社)を用いて行った。
1.3.ヘリコバクター・ピロリ・ゲノム・ライブラリーの
構築 サイズ範囲2−12キロ塩基対の染色体DNAは部分的にS
au3Aで切断したヘリコバクター・ピロリ17874DNAから精
製し、ストラタジーン社のプロトコールの記載に従いBa
mH Iで切断されたZAP Expressベクター中でクローニン
グした。試験管内での封入の後、ライブラリーはXL−1B
lue MRF株を感染することにより滴定し、イソプロピル
−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)及び5−ブ
ロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクト
ピラノシド(X−Gal)を含む指示プレート上に置かれ
た。ライブラリーの滴定は、85%組換え体について1.2
×106 PFU/mlであった。
29キロダルトンのポリペプチドのプラークの発現は、
標準的方法に従い、MAb HP30−1:1:6(ベリンら(199
5)J.Clin.Microbiol.33,381−384)を用い免疫学的ス
クリーニング法により検出した。陽性プラークが単離さ
れ、プラークが純品になるまでプレーティング操作とMA
bを使用してのスクリーニング操作が繰り返された。ZAP
Expressクローンのファージミド型への変換はExAssist
プロトコール(ストラタジーン社)を用いて行われた。
1.4.イムノブロッティング及びドット・ブロット試験 図1に示されるヘリコバクター・ピロリ17874から得
られた、クローン化された挿入物を有するプラスミドを
含む大腸菌XLOLRの終夜培養液は、50mg/mlのカナマイシ
ンを含有する5ml LB培地中で1:100に希釈された。培養
液は600nmのODが0.7になるまで37℃で保温された。IPTG
が最終濃度が1mMになるように添加され、バクテリアは
さらに2時間成育された。IPTGを添加しない成育培養も
同時に行われた。培養液は遠心され、容量の1/10に再懸
濁された。10μlの懸濁液は同量の2×サンプル・バッ
ファーと混合され、煮沸され、SDS−PAGEで分析され
た。菌株XLOLRはカナマイシン未添加で同様に成育さ
れ、陰性コントロールとして使用された。ヘリコバクタ
ー・ピロリ17874のPBS中の懸濁液(600nmのOD=1.0)が
陽性コントロールとして使用された。
蛋白質混合液はニトロ・セルロース膜上に固定した
後、前に記載された(Boe lin et al.1995)ように、29
キロダルトンのポリペプチドに特異的な、1:10に希釈さ
れたMAb HP30−1:1:6と反応し、結合した抗体はパーオ
キシダーゼで標識した抗マウスIgGを使用して検出され
た。フィルターは、過酸化水素基質と4−クロロナフト
ール・クロモゲン(BioRad Svenska AB:以下、「バイオ
ラド社」という。)で展開した。
ドット・ブロット試験は、上記菌株の終夜培養液を使
用して行われた。2μlの懸濁液は、ニトロセルロース
・フィルター上にスポット(spot)され、空気中で乾燥
され、1:10で希釈されたMAb HP30−1:1:6で1時間保温
された。以下の工程はイムノブロッティングで記載され
たように実施された。
1.5.分子クローニング ヘリコバクター・ピロリ株17874から得て部分的に切
断された染色体DNAはラムダ発現ベクター(ZAP Expres
s)中でクローニングされた。29キロダルトンのポリペ
プチドに特異的なMAbを用いての反応で24000プラークを
スクリーニングした後、29キロダルトンのポリペプチド
を発現する4個のプラークが検出された。陽性プラーク
が精製され、クローン化された挿入物のサイズは、Xba
I及びSal Iで切断したDNA調製物で確かめられた。挿入
物のサイズは、3.7から1.78キロ塩基対であった。4個
の陽性プラークよりのpBK−CMVファージミドを生体内で
切断した後、制限酵素地図が構築され、ラムダベクター
中の挿入物と比較された。ファージミドはラムダベクタ
ー中のものと同じサイズの、重複するDNA−断片を含む
ことが見いだされた。Sma IとNhe Iを除き、試験された
制限酵素のほとんどはクローン化された断片を切断しな
かった。
さらに分析された、もっとも小さいクローン化1.7断
片(pAE1)の制限酵素地図は図1に示される。クローン
化された挿入物のひとつはベクター・プロモーターとは
逆の方向であった。これらのプラスミドを含む大腸菌株
の細胞抽出物全体がMAb HP30−1:1:6を用いたイムノブ
ロッティングで分析された場合、これらはすべてヘリコ
バクター・ピロリ17874のものと同じ分子量のポリペプ
チドを発現することが見いだされた。ベクター・プロモ
ーターがIPTGで誘導された場合、29キロダルトンのポリ
ペプチドの発現における相違はまったく見られなかっ
た。このことは、遺伝子がそれ自身のプロモーターによ
り転写されることを示している。図1に示されるDNA断
片を含む3個のサブクローンが構築され、29キロダルト
ンのポリペプチドの発現が試験された。いずれのクロー
ンもこのポリペプチドを発現しなかった。XLOLR(pAE
1)がドット・ブロット・アッセイ(ベリンら、1995)
で試験され、ヘリコバクター・ピロリと比較されたが、
弱く陽性であることが見出され、このことは発現された
ポリペプチドのいくらかが表面に露出することを示唆す
るものであった。
1.6.DNA配列の分析 pAE1の11.7キロ塩基対の挿入物及びサブクローンの両
方の鎖について、T3−及びT7−特異的なプライマーを用
い、必要な場合には、標準的プライマーを用いては提供
されない配列の領域をカバーする特異的なプライマーを
補足して配列決定を行った。コンピューターによる解析
により、この配列(配列番号1)は、サブクローニング
に用いる制限酵素部位をスパニング(spanning)し、78
0塩基対のオープン・リーディング・フレーム(open re
ading frame)を含むことが示された(図1)。推定上
のリボソーム結合部位が特定できた(配列番号1の位置
782−785)。このORFは、260アミノ酸で分子量29、126
ダルトンのポリペプチドをコードしていた(配列番号
2)。
アミノ酸配列は27アミノ酸のおそらくはシグナル配列
を含むことが見いだされた。配列Leu−Val−Gly−Cys
(配列番号2及び4の位置25から28)は、酵素シグナル
・ペプチダーゼIIの認識部位とされるコンセンサス配列
(Leu−X−Y−Cys)のひとつである。シグナル・ペプ
チダーゼIIは、プロ・リポ蛋白質のシステイン残基の前
のシグナル配列を切断する。このように、シグナル配列
の特徴は、29キロダルトン蛋白質はリポ蛋白質であり、
かつ成熟蛋白質はアミノ酸28から260を含むことからな
ることを示している。
1.7.大腸菌における組換え29キロダルトン・ポリペプチ
ドの発現 組換え29キロダルトン・ポリペプチドは、大腸菌N483
0−1において、29キロダルトン・ポリペプチドの全長
遺伝子(配列番号1及び3の位置771−1667)を含む発
現ベクター構築物より高濃度で産生された。この構築物
に使用されたベクターは、強力なλPLプロモーターを含
むpML−LTCBλ7であった(Michael Labens,University
of Gothenburg,Swedenより購入)。このベクターは、
また、アンピシリン抵抗性を付与するβ−ラクタマーゼ
遺伝子を含むことからなる。(コレラ・トキシン及びそ
のシグナル・ペプチドをコードする)LCTB遺伝子は、ベ
クター中のλPLプロモーターとターミネーター領域の間
に挿入されたが、制限酵素Sma I及びHind IIIによりこ
のベクターより切断された。
シグナル配列をも含め、29キロダルトンのポリペプチ
ドをコードする構造遺伝子は、ポリメラーゼ鎖長反応
(Polymerase Chain Reaction:PCR)により増幅され
た。使用されたプライマーは、ATG開始コドンに271塩基
対に上流に結合するHP30N(GGC GTA GAA ATG GAA GCG
C;配列番号1及び3の位置522から540に対応)及び開始
コドンの855塩基対下流のDNA断片を認識するHP30C(CCC
AAG ATT CAT CAG CCC TTA AAT ACACG;配列番号1及び
3の位置1648及び1667に対応)であった。HP30Cプライ
マーは、PCRにより29キロダルトン・ポリペプチド遺伝
子配列に加えられたHind III切断部位を含んでいた。得
られたPCR産物は1.1キロ塩基対だった。このDNA断片
は、Ssp I及びHind IIIにより切断され、ベクター断片
(2.7キロ塩基対)にライゲーションされる0.9キロ塩基
対の断片を与えた。現在ではpAL30(3.6キロ塩基対)と
呼ばれるベクター構築物は、エレクトロポレーション法
(elecroporation)により大腸菌N4830−1中へ形質転
換された。4個の陽性クローンが見いだされた(pAL30:
1、2、3、4)。
組換えポリペプチドの発現を誘導するため、pAL30:1
から4を含むN4830−1細胞はアンピシリン添加(100μ
g/ml)の1×LB中で+30℃(ラムダc Iリプレッサーは
この温度で転写を阻害する。)で終夜成育された。この
終夜培養液のごく一部がアンピシリン添加の5ml1×LB中
に接種され、細胞は600nmのODが約0.7になるまで30℃で
成育された。温度はその後+42℃まで上げられ、そこで
リプレッサーは不活性化され、さらに2時間保温され
た。
誘導の前後に採られたサンプルは、29キロダルトンの
ポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体H P30−1:
1:6を使用し、14%SDS−PAGEとイムノブロッティングに
より分析された。イムノブロッティングで使用された3
個の誘導クローン(pAL30:1、3及び4)はすべて、誘
導後に多量の組換えポリペプチドを発現した。非誘導細
胞の懸濁液はごくわずかの29キロダルトン・ポリペプチ
ドを含んでいるだけであった。
クローンpAL30:1はこれ以降の分析のために選択され
た。このクローンが29キロダルトン・ポリペプチドをコ
ードする遺伝子を本当に含んでいることを証明するため
に、このベクターに挿入されている断片の末端が配列決
定された。発現ベクターに挿入された配列はクローン化
されたPCR断片の予想配列に対応していた。
実施例2:さまざまな培養条件における29キロダルトン・
ポリペプチドの発現キネティクス ヘリコバクター・ピロリの二つの菌株、すなわち、CC
UG 17874(研究室株)及びHel 73(最近十二指腸潰瘍の
患者より単離された。)が使用された。培養は、シクロ
デキストリンを添加した血液寒天プレート(blood agar
plate)上及びブルセラ・ブロス(Brucella Broth)中
で行われた。すべての培養物は、5%のO2、10%CO2
び85%N2からなる微好気的環境で保温された。2、4及
び7時間後バクテリアが集菌され、PBSで一度洗浄さ
れ、以下の分析のために−20℃で保管された。29キロダ
ルトン表面ポリペプチドの発現は、以前大腸菌表面抗原
の検出に使用された、このポリペプチドに対する特異的
モノクローナル抗体を用いる阻害−ELISA(ロペズ−ビ
ダル及びスベナホルム、J.Clin.Microbiol.28,1906−)
により分析された。これらの抗体は、免疫電気泳動でも
使用された。
CCUG17874が血液寒天プレート上及びブルセラ・ブロ
ス中で7日間培養された場合、約70%のバクテリアが螺
旋型から球状型へ変換した。この変換はHel 73細胞では
3日後にすでに現れた。阻害−ELISAは、プレート及び
ブロス培養物の両方から得られたサンプルにおいて、7
日間29キロダルトン・ポリペプチドの濃度がほぼ一定で
あることを示した。このポリペプチドの存在は、免疫電
子顕微鏡にて確認された。29キロダルトン・ポリペプチ
ドは、ヘリコバクター・ピロリの球状型においてよく保
存されていることが見いだされた。29キロダルトン・ポ
リペプチドはCCUG17874よりもHel 73においてさらに豊
富であることが見いだされた。
実施例3:29キロダルトン・ポリペプチドに対する抗体の
反応 29キロダルトン・ポリペプチドに対する抗体反応は、
十二指腸潰瘍の患者(n=19)、無症候性ヘリコバクタ
ー・ピロリ保持者(n=18)及び非感染のほぼ同年齢の
対照者(n=20)からの血清及び胃の吸引物において決
定された。
3種の被験者グループからの血清及び胃の吸引物中の
29キロダルトン・ポリペプチドに対する抗体レベルはさ
まざまなELISA法により試験された。感染者の殆どは対
照健常人に比較して、血清及び胃の吸引物の両方で、29
キロダルトン・ポリペプチドに対する特異的抗体のレベ
ルが有意に高かった。無症候性の保持者における抗体価
は、症状のある患者の抗体価に匹敵した。
実施例4:[3H]パルミテートによるポリペプチドの標識 29キロダルトン・ポリペプチドのアミノ酸配列はリポ
蛋白質に典型的に起こり得るシグナルペプチドを含んで
いたので、放射活性を有するパルミチン酸による蛋白質
の標識が調べられた: pAL30:1を欠損するか又は保持する大腸菌N4830−1は
50μ/mlのカルベンシリン(carbencillin)を添加され
たLB−ブロスにおいて+30℃で成育された。細胞密度10
8バクテリア/mlにおいて、[3H]パルミチン酸(5mCi/m
l;Dupont NEN,Boston,MA)が最終濃度50Ci/mlになるよ
うに添加された。温度が+42℃まで上げられ、培養物は
さらに12時間保温された。細胞は遠心で集められ、SDS
−PAGE溶解緩衝液中で溶解された。電気泳動後、ゲルを
Amplify(登録商標:アマーシャム社)に30分間浸し、
セロファン・シート間で乾燥し、このゲルを−70℃で36
時間X線フィルムに露光することにより間接撮影に付し
た。
この結果は、29キロダルトン・ポリペプチドがリピド
化され、ゆえに翻訳後に修飾されていることを示してい
た。
実施例5:組換え29キロダルトン・ポリペプチドを発現す
る大腸菌のトリトンX−114による区分 pAL30:1を保持する大腸菌は、50μg/mlのカルベンシ
リンを添加したLB−ブロス中で+30℃で成育された。細
胞密度108バクテリア/mlにおいて、温度が+42℃まで上
げられ、培養物はさらに3時間保温された。細胞は遠心
(11,300×g、10分間、+4℃)により集められ、細胞
ペレット1グラム当り25mlのPBSに再懸濁された。この
懸濁液は凍結され、室温で解凍され、25μlのDNAase I
(10μg/μl)が添加された。サンプルは室温で30分間
反転により緩やかに振られ、8−12℃に冷却され、その
後トリトンX−114が添加された(最終濃度0.3%)。3
時間+4℃で緩やかに反転しながら保温した後、不溶性
の物質は遠心(18,900×g、10分間、+25℃)により集
められた。
各相はSDS−PAGEにより分析され、29キロダルトン・
ポリペプチドの実体は、モノクローナル抗体HP30−1:1:
6を使用するウェスタン・ブロッティングにより証明さ
れた。この結果は、29キロダルトン・ポリペプチドが界
面活性化剤の相に現れることを示唆し、このものがリポ
蛋白質であることが証明された。この分野では、膜蛋白
質全体が通常は界面活性化剤の相に回収されることが知
られている(ボーディアー(1981)J.Biol.Chem.,vol.2
56,1604−1607)。
この実験は、大腸菌に挿入されたプラスミドが29キロ
ダルトン・ポリペプチドを発現し製造し得ることも証明
した。ヘリコバクター・ピロリはそれほど早く成育しな
いので、将来ワクチンを大きなスケールで製造する際に
このことは重要である。
実施例6:ヘリコバクター・ピロリ29キロダルトン・ポリ
ペプチドを高レベルで産生するための発現ベクターpS86
3の構築 6.1.pS860の調製 29キロダルトン遺伝子の5′末端に便利な制限酵素部
位を作るため、PCR増幅用のふたつの合成オリゴヌクレ
オチドが合成された。プラスミドpS852(実施例1.7.に
記載されたプラスミドpAL30:1と同一)がPCR増幅の鋳型
として使用された。この二つのオリゴヌクレオチドの配
列は以下に列挙される。
PCR増幅が行われ、169塩基対の増幅断片がTAベクター
(メドら、(1991)Bio/Technology 9,657−663)へラ
イゲーションされた。構築されたプラスミドはpS860と
表記された(図2)。構築物の配列はジデオキシ配列決
定(Sanger et al.、(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
74,5463−5467)により確認された。
6.2.pS861の調製 29キロダルトン遺伝子の3′末端の制限酵素部位を変
えるために、PCR増幅用の二つの合成オリゴヌクレオチ
ドが合成された。プラスミドpS852(pAL30:1)はPCR増
幅用の鋳型として使用された。二つのオリゴヌクレオチ
ドの配列は以下に列挙される。
PCR増幅が実施され、増幅断片はXma I及びBamH Iで切
断され、357塩基対の断片が作られた。この断片はpUC19
中でクローン化され、構築されたプラスミドはpS861
(図2)と表記された。構築物の配列はジデオキシ配列
決定(Sanger et al.、(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 74,5463−5467)により確認された。
6.3.pS862の調製 29キロダルトン遺伝子の中央部をコードするcDNAは、
プラスミドpS852(pAL30:1)から得る280塩基対のNhe I
/Xma I断片としてゲル電気泳動により単離された。この
断片は、pS861からの357塩基対のXma I/BamH I断片及び
pS861からの4061塩基対のNhe I/BamH I断片と共にライ
ゲーションされた。
6.4.プラスミドpS863の調製 その後、795塩基対のNde I及びBamH I制限酵素断片が
pS862から単離され、T7ベクターpS637(pET−3a)(Stu
dier,F.W.et al.(1990)Method Enzymol.185,60−89)
からの4キロ塩基対のNde I/BamH I断片にライゲーショ
ンされた。得られた発現ベクターはpS863と表記された
(図2)。
実施例7:組換えヘリコバクター・ピロリ29キロダルトン
リポ蛋白質の精製 7.1.宿主菌株及びバクテリア培養物 発現ベクターpS863は以下の大腸菌宿主菌株へ形質転
換された;BL21(DE3);BL21(DE3)pLysS;及びBL21(DE
3)pLysE。発現の実験は、本質的にスツディアらに記載
されたように(Method Enzymol.185,60−89,1990)実施
された。バクテリアは、50μg/mlのカルベンシリンを含
むLB培地(Ausubel,F.M.et al.,(eds.)Current Proto
cols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New Y
ork,1992)で成育された。加えて、BL21(DE3)pLysS及
びBL21(DE3)pLysEが使用された場合、培地には30μg/
mlのクロラムフェニコールが加えられた。T7発現システ
ムの誘導のため培養物は約OD600=0.5の密度まで成育さ
れ、誘導用に0.4mMのIPTGが添加された。誘導約180分後
この細胞は集められた。もっとも高い発現レベルを与え
る宿主菌株はBL21(DE3)pLysSであった。
7.2.ヘリコバクター・ピロリ29キロダルトンリポ蛋白質
の精製 プラスミドpS863で形質転換されたBL21(DE3)pLysS
の培養物は、上述のように成育され、細胞は遠心で集め
られ、冷緩衝液(50mMトリス−塩酸、2mM EDTA、10mM N
aCl、pH8.0)に再懸濁された。1グラムのペレット(湿
重量)に35mlの緩衝液が加えられた。
7.2.1.トリトンX−114抽出 リポ蛋白質を抽出するため、トリトンX−114(TX−1
14)が最終濃度1.5%(v/v)となるように加えられ、懸
濁液は0℃で1時間撹拌された。トリトン不溶性の物質
は18,900×gで10分間の遠心によりペレットにされた。
ある場合には、TX−114含有緩衝液の半分量を用いてペ
レットはさらに抽出された。二度目のTX−114抽出の
後、このペレットは捨てられた。
TX−114抽出で得られた上清の相区分(phase partiti
oning)は、このものを+30℃で15分間、時々混合しな
がら保温することにより得られた。濁った溶液は+30℃
で30分間31,300×gで遠心した。下の界面活性化剤の相
が集められ、冷緩衝液(50mMトリス−塩酸、2mM EDTA、
10mM NaCl、pH8.0)で1%TX−114に希釈された。
7.2.2.Q−セファロース、pH8.0 希釈されたTX−114相は、緩衝液(50mMトリス−塩
酸、2mM EDTA、10mM NaCl、0.1%トリトンX−100、pH
8.0)で平衡化されたQ−セファロース・カラム(ファ
ルマシア社)(20ml/3g 細胞ペレット)に供与され
た。29キロダルトン・リポ蛋白質は、非結合画分として
集められた。この画分は、溶液が濁るまで時々混合しな
がら+30℃で保温することにより相区分された。二つの
相は30℃で30分間、31,300×gでの遠心により分離され
た。下の界面活性化剤の相が集められ、冷緩衝液(10mM
トリス−塩酸、2mM EDTA、pH8.6)で1%TX−114に希釈
された。
7.2.3.Q−セファロース、pH8.6 希釈されたTX−114−相は、緩衝液(10mMトリス−塩
酸、2mM EDTA、pH8.6)で平衡化された100mlのQ−セフ
ァロース・カラム(ファルマシア社)に供与された。非
結合画分はTX−114を含んでいた。カラムは緩衝液A(1
0mMトリス−塩酸、2mM EDTA、0.1%トリトンX−100、p
H8.6)で洗浄された。29キロダルトンリポ蛋白質は、緩
衝液B(10mMトリス−塩酸、2mM EDTA、0.1%トリトン
X−100、1M NaCl、pH8.6)を用いる塩濃度勾配により
集められた。勾配は以下の通りだった;0−50%B、40m
l;50−100% B、100ml。29キロダルトンリポ蛋白質は60
−70%Bの間に溶出された。
7.2.4.SDS−PAGE及び蛋白質の電気ブロッティング さまざまな精製工程から得られた蛋白質サンプルはサ
ンプル・バッファー(50mMトリス−塩酸、pH6.8、8%
グリセロール、1.6%SDS、4%β−メルカプトエタノー
ル、0.02%ブロムフェノール・ブルー)に溶解され、ノ
バックス・プレキャスト勾配ゲル(Novax precast grad
ient gels:4−20%ポリアクリルアミド)又はバイオラ
ド・プレキャスト勾配ゲル(10−20%ポリアクリルアミ
ド)上で分離された。電気泳動ランニング・バッファー
は、25mMトリス、192mMグリシン、0.5%SDS、pH8.3を含
んでいた。ゲルは40%メタノール、10%酢酸中の0.1%
のクマシー・ブリリアント・ブルーR−250で染色さ
れ、10%メタノール、10%酢酸で脱色された。
セミ・ドライ電気ブロッティング(Semi−Dry−elect
roblotting)用のゲルは染色されないが、転写用緩衝液
(48mMトリス、38mMグリシン、0.075%SDS、20%メタノ
ール)に浸され、蛋白質は、セミ・ドライ電気ブロッテ
ィング装置(バイオラド社)により、PVDF膜(Immobilo
n:登録商標、ミリポア、USA)上に転写された。免疫検
出は、初めにTBS(50mMトリス−塩酸、2.5M NaCl、pH8.
2)中の2%BSAで1時間PVDF膜をブロックし、その後、
この膜は、TBS中の1%BSAで1:10に希釈した、29キロダ
ルトンリポ蛋白質に対する特異的なモノクローナル抗体
(IgG1)と保温した。TBSによる洗浄工程の後、この膜
は、アルカリ・フォスファターゼ−結合抗マウスIgG抗
体(ダコパッツ社、デンマーク)と1時間保温した。さ
らに洗浄した後、この膜は適切な基質(5−ブロモ−4
−クロロ−3−インドリル・リン酸(5−bromo−4−c
hloro−3−indolyl phosphate:BCIP)及びニトロブル
ー・テトラゾリウム(nitroblue tetrazolium:NBT(シ
グマ社:sigma))とともに展開した。
7.2.5.蛋白質濃度及び発熱原性 総蛋白質濃度は、ビシンコニニン酸法(bicinchonini
c acid metnod:BCA Protein Assay.Pierce Chemical Co
mpany,USA)により決定された。
エンドトキシンの濃度は、色素原性リムルス・アメー
バー様細胞・ライゼート(Limulus amebocyte lysate:L
AL)試験(LAL COAMATIC:登録商標、Endotoxin.Endosaf
e Inc.USA)によりアッセイした。
染色されたSDSゲルは、最終調製物の蛋白質不純物の
相対量を決定するためにスキャニングされた(BioRad I
mager GS−)。この調製物は、<10%の蛋白質不純物を
含んでいた。
実施例8:ワクチンとして使用するためのヘリコバクター
・ピロリ29キロダルトン蛋白質の分析 8.1.材料と方法 8.1.1.動物 雌のSPF BALB/cは、ボンホルト・ブリーディング・セ
ンター(デンマーク)より購入した。これらは、水と食
料が自由に供給される通常のマクロロン・ケージ(makr
olon cage)で飼われた。この動物は、到着したときに
4−6週齢であった。
8.1.2.感染 最低1週間の順応期間の後、動物はヘリコバクター・
ピロリのタイプ2株(菌株244、当初は十二指腸潰瘍の
患者より単離された。)を感染された。この株はマウス
の胃によいコロニー形成をすることが早くより判明して
いた。このバクテリアは、微好気的環境(10%CO2、5
%O2)で+37℃で10%の牛胎児血清を添加したブルセラ
・ブロスで終夜成育された。この動物は、経口投与量の
オペラゾール(400nmol/kg)が与えられ、3−5時間
後、ヘリコバクター・ピロリが経口接種された(約108c
fu/動物)。感染は、接種2−3週間後、対照動物で調
べられた。
8.1.3.免疫感作 動物は34日間(1日、15日、25日及び35日)に亙り4
回免疫感作された。精製抗原は100μg/マウスの投与
量、膜蛋白質(MP)は0.5mg/doseの投与量で与えられ
た。膜蛋白質は、バクテリアをPBSで超音波処理するこ
とにより調製した。細胞破片は、処理物を+4℃、2000
回転で5分間遠心することにより除去した。上清は、新
しいチューブに移され、+4℃、2000回転で20分間遠心
した。ペレットは回収され、使用するまで−70℃で貯蔵
した。
アジュバントとして、動物は各々の免疫感作と共に10
μg/マウスのコレラ・トキシン(CT)も与えられた。抗
原の酸による退化を防ぐための方法として、免疫感作に
3−5時間先立って、オペラゾール(400μmol/kg)が
動物に経口的に与えられた。動物は最後の免疫感作から
4週間後に殺された。
8.1.4.受動的防御 ヘリコバクター・ピロリがマウスの胃でコロニー形成
する能力に対するモノクローナル抗体(MAb)の効果を
分析するため、上述の接種の10分前にさまざまな特異性
を有するMAbがヘリコバクター・ピロリと混合された。2
9キロダルトン蛋白質(HP30−1:1:6)、ウレアーゼ(Ur
e8:1)及び、大腸菌熱安定蛋白質(ST 1:3)に対する各
MAbが使用された。
実験で各MAbの等量が使用されるようにMAbが滴定され
た。マウス当り107のバクテリアが接種に使用された。
マウスは接種2週間後に殺された。
8.1.5.感染の分析 マウスはCO2と頚部脱臼により殺した。腹部が開か
れ、胃が除去された。胃を大きな曲率に沿って切開した
後、生理食塩水中で洗浄された。25mm2の面積の腔(ant
rum)及び本体(corpus)よりの粘膜が個別に外科用小
刀でえぐられた。えぐられた粘膜はブルセラ・ブロスに
懸濁され、ブラド・スキロ−(Blood Skirrow)プレー
トに置かれた。プレートは微好気的環境で3−5日間保
温され、コロニーの数が計測された。ヘリコバクター・
ピロリの同定は、ウレアーゼ及びカタラーゼ試験及び直
接顕微鏡観察又はグラム染色により確かめられた。
8.2.結果 8.2.1.受動的防御 それぞれ10匹の動物からなる3個のグループにヘリコ
バクター・ピロリ株244とMAbの混合液が与えられ、ひと
つのグループはヘリコバクター・ピロリだけが与えられ
た。MAbとバクテリアの混合液は、マウスに接種する前
に10分間反応させられた。使用されたMAbのうち、試験
官内でバクテリアに明らかな効果を示したものはなかっ
た。接種2週間後、マウスは殺され、各々のグループに
ついて感染率が決定された(図3)。対照グループのす
べてのマウス及びSTMAbを接種されたマウスは感染して
いた。ウレアーゼのMAbグループにおいて、すべてのマ
ウスは感染していたが、しかし、その程度は対照に比べ
て有意に低かった。29キロダルトン蛋白質に対する抗体
を接種したグループは、感染したマウスはいなかった。
8.2.2.治療的免疫感作 この研究における動物は、免疫感作の1月前にヘリコ
バクター・ピロリ株244で感染された。10個のグループ
におけるマウスは、コレラ・トキシン(CT)単独または
CT及び膜蛋白質、ウレアーゼ又は29キロダルトン蛋白質
のいずれかにより免疫感作された。対照動物には使薬
(PBS)のみが与えられた。最後の免疫感作から1月
後、動物は殺され、CFUが決定された(図4)。すべて
の対照動物は、CTだけで免疫感作された動物と同じよう
に感染していた。ウレアーゼ及びCT、29キロダルトン蛋
白質及びCTでアクティブに免疫感作した動物は、対照に
比較してCFU値が有意に減少していた。ウレアーゼで免
疫感作したグループ中1匹の動物のみが感染から完全に
治癒していた。
8.3.結論 上記の結論は、29キロダルトン・ヘリコバクター・ピ
ロリ蛋白質の構造に対するMAbの結合がコロニー形成を
完全に阻害することより、29キロダルトン・ヘリコバク
ター・ピロリ蛋白質が感染におけるコロニー形成及び/
又は感染の持続に重要であることを示している。
さらに、コレラ・トキシンを経口アジュバントとし
て、経口免疫原としての29キロダルトン・ヘリコバクタ
ー・ピロリ・蛋白質と組み合わせて使用した場合、動物
モデルで使用されたヘリコバクター・ピロリのコロニー
形成を有意な程度減少することにつながる免疫応答の刺
激剤として働く。
併せて考えると、これらの結果は、ヒトのヘリコバク
ター・ピロリ感染を治療し、予防するための29キロダル
トン・ヘリコバクター・ピロリ蛋白質の経口ワクチン製
剤としての使用を強く支持する。
微生物の寄託 プラスミドpAE1は、ブダペスト条約の下、イギリス国
スコットランド.アバディーンのNational Collections
of Industrial and Mrine Bacteria(NCIMB)に寄託さ
れ、寄託番号NCIMB 40732が付された。寄託日は1995年
5月16日である。
配列表 配列番号:1 配列の長さ:1670 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 名称/記号:CDS 存在位置:793..1575 名称/記号:mat peptide 存在位値:793..1572 配列 配列番号:2 配列の長さ:261 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:3 配列の長さ:1670 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 名称/記号:CDS 存在位置:793..1575 名称/記号:mat peptide 存在位値:793..1572 配列 配列番号:4 配列の長さ:261 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12P 21/02 G01N 33/569 F G01N 33/569 C12R 1:19 //(C12N 1/21 1:01 C12R 1:19) C12N 15/00 ZNAA (C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) (C12P 21/02 C12R 1:19) (56)参考文献 Microbiology,1995年 3月,Vol.141,pp.597−604 J.Bacteriol.,1993年, Vol.175,No.3,pp.674− 683 J.Bacteriol.,1995年11 月,Vol.177,No.21,pp. 6049−6057 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C07K 14/00 - 14/825 C12N 21/00 - 21/08 C12N 1/21 A61K 39/00 - 39/44 G01N 33/569

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘリコバクター・ピロリ抗原である組換え
    ポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、 (a)配列番号2における位置1−260、配列番号2に
    おける位置28−260、配列番号4における位置1−260、
    もしくは配列番号4における位置28−260に示されるア
    ミノ酸配列、または (b)(a)に示されるアミノ酸配列において1つもし
    くは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは挿入されたア
    ミノ酸配列であり、且つヘリコバクター・ピロリ感染に
    対して防御免疫を誘導しうるアミノ酸配列 を有することを特徴とする組換えポリペプチド。
  2. 【請求項2】ヘリコバクター・ピロリ抗原である組換え
    ポリペプチドをコードする単離核酸分子であって、前記
    組換えポリペプチドが、 (a)配列番号2における位置1−260、配列番号2に
    おける位置28−260、配列番号4における位置1−260、
    もしくは配列番号4における位置28−260に示されるア
    ミノ酸配列、または (b)(a)に示されるアミノ酸配列において1つもし
    くは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは挿入されたア
    ミノ酸配列であり、且つヘリコバクター・ピロリ感染に
    対して防御免疫を誘導しうるアミノ酸配列 を有することを特徴とする単離核酸分子。
  3. 【請求項3】(a)配列番号1における位置796−157
    2、配列番号1における位置874−1572、配列番号3にお
    ける位置796−1572もしくは配列番号3における位置874
    −1572のヌクレオチド配列、または (b)(a)のヌクレオチド配列とストリンジェントな
    条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列 からなる、請求項2記載の核酸分子。
  4. 【請求項4】請求項2または3に記載の核酸分子を含む
    ベクター。
  5. 【請求項5】ベクターが請求項2または3に記載の核酸
    分子を発現させうる組換え発現ベクターである、請求項
    4に記載のベクター。
  6. 【請求項6】ベクターがプラスミドベクターpAE1(NCIM
    B 40732)である請求項4または5に記載のベクター。
  7. 【請求項7】ベクターがプラスミドベクターpS863であ
    る請求項4または5に記載のベクター。
  8. 【請求項8】ヘリコバクター・ピロリの29kDa抗原であ
    り、且つ請求項2または3に記載の単離核酸分子により
    コードされる組換えポリペプチドの製造方法であって、
    前記方法が、請求項5〜7のいずれかに記載のベクター
    で形質転換した宿主細胞を前記ポリペプチドが産生され
    る条件下で培養し、次いで前記ポリペプチドを回収する
    ことからなる方法。
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