JP3379329B2 - プラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法

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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にAC型、面放
電方式、3電極プラズマディスプレイパネルの背面基板
の製造方法、及びこのプラズマディスプレイパネルの背
面基板の製造に用いられる未焼成のストライプシートに
関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネルは、大画面
が実現でき、薄くて軽量、かつ視野角が大きく、鮮明な
表示が可能であるという優れた性能を有しており、近年
注目を集めている。例えばAC型、面放電方式、3電極
フルカラープラズマディスプレイパネルの基本構造とし
て、例えば図3に示されるようなものが知られている。
【0003】図3において、表示面側の前面ガラス基板
13には放電用の透明電極14が形成され、その上に透
明誘電体層15が印刷、焼成され、更にMgOなど誘電
体の保護膜16が蒸着等により形成されている。対向す
る背面ガラス基板7上には多数のストライプ状のアドレ
ス電極8と、これを覆うように誘電体層9が形成され、
その上にアドレス電極8を挾むように多数のストライプ
状のガラス隔壁1′が形成されている。放電セル17を
形成する2つの隣接するガラス隔壁の間には、青色、赤
色、緑色の3種類の蛍光体2′、3′、4′がそれぞれ
隔壁で分離されるように印刷、焼成されている。前面ガ
ラス基板と背面ガラス基板の間にNe/Xe等の放電ガ
スが封入され、両者は気密に封止される。
【0004】このようなプラズマディスプレイパネルの
透明電極間に電圧を加えると、保護層表面で面放電が起
こり、紫外線が発生する。これを塗り分けた3色の蛍光
体が吸収して発光することにより、フルカラー表示を行
うことができる。尚、単色又は2色表示の場合は3色の
蛍光体2′、3′、4′の代りに単一又は2色の蛍光体
が用いられる。
【0005】ガラス隔壁は、放電空間を確保し、かつ放
電及び発光のクロストークを防ぐため、又特にフルカラ
ーの場合には、隣接放電セル間の混色を防ぐためにに設
けられ、隔壁の高さ及び間隔を適切に調整することによ
り、微細で鮮明な画像が得られる。通常隔壁を形成する
には印刷法、アディティブ法、サンドブラスト法、感光
性ペースト法などが用いられ、現在では例えば幅50ミ
クロン、高さ150ミクロン程度の大ききさのものが、
150ミクロン程度のピッチで形成されている。以下に
それぞれの方法の概略と問題点を示す。
【0006】印刷法:ガラスペーストを基板上にスクリ
ーン印刷し、焼成する方法。1回の印刷膜厚が薄いので
前述のような高さの隔壁を形成するためには多層印刷が
必要で、スクリーンの位置合わせを10回以上も繰返さ
なくてはならず、高精度のパターンが得られないばかり
でなく、均一な高さの隔壁が得られにくい。又、隔壁の
幅やピッチの微小化にも限界がある。
【0007】アディティブ法:基板上にフォトレジスト
でネガパターンを形成し、凹部にガラスペーストを埋込
んで焼成する方法。精度は高いが、感光性フィルムを使
用するのでコストが高く、量産にも不向きである。 サンドブラスト法:基板上にガラス層を全面に塗布形成
し、この上に感光性フィルムを用いて隔壁のパターンの
フォトレジスト層を形成し、これをマスクにしてサンド
ブラスト処理することによりガラス層を選択的に除去し
た後、焼成する。この方法も感光性フィルムの使用によ
りコストが高く、又サンドブラスト処理するため適切な
形状の隔壁を製造するのが困難である。更にガラス材料
の3/4ほどが除去されるので、材料の歩留まりが悪
い。
【0008】感光性ペースト法:感光性のガラスペース
トを用い、マスクを通して露光、現像し、次いで焼成す
る。隔壁の高さを出すためには繰返し印刷が必要で、工
程数が多く、又膜厚精度がとりにくいため隔壁高さを均
一にするのが難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これまでのプラズマデ
ィスプレイパネル技術は解像度が現行放送対応のレベル
であるが、より大型・高精細のハイビジョンTVの実現
のためには、画素数を増やし、画素ピッチを上げること
が必要であり、このため隔壁をより精細に、微小ピッチ
で形成することが要求される。又隔壁の高さを均一に形
成することは必須である。本発明は、解像度の高いプラ
ズマディスプレイパネルの量産に適した製造方法を提供
するものであり、特に隔壁を均一な高さ、形状で高精度
に、かつ微小ピッチで形成すると共に、工程簡素化によ
り量産性を上げることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、隔壁の形成に
グリーンシート法を用いることを特徴とする。即ち本発
明は、下記(A)〜(D)の工程からなるプラズマディ
スプレイパネル用背面基板の製造方法。 (A)隔壁用ガラスグリーンシートと蛍光体グリーンシ
ートをそれぞれ作製する工程。 (B)該隔壁用ガラスグリーンシートと該蛍光体グリー
ンシートとを交互に積重ね、グリーンシート積層体を作
製する工程。 (C)該グリーンシート積層体を積層面に対して垂直に
薄くスライスし、ガラス層と蛍光体層とがストライプ状
に交互に並んだシート(以下ガラス−蛍光体ストライプ
シートという。)を作製する工程。 (D)アドレス電極及び誘電体層を形成したガラス基板
上に該ガラス−蛍光体ストライプシートを載置し、焼成
して基板上にガラス隔壁と蛍光体とを同時に形成する工
程。を要旨とするものである。
【0011】また、本発明は、前記発明において、蛍光
体グリーンシートとして、青色、赤色及び緑色の3種の
蛍光体グリーンシートを用い、(B)工程において、隔
壁用ガラスグリーンシートと蛍光体グリーンシートと
を、ガラスグリーンシートによって3種の蛍光体グリー
ンシートが分離されるように交互に積重ねることを特徴
とする、プラズマディスプレイパネル用背面基板の製造
方法。を要旨とするものである。
【0012】また、本発明は、下記(A)〜(E)の工
程からなるプラズマディスプレイパネル用背面基板の製
造方法。 (A)隔壁用ガラスグリーンシートと、焼成により消失
する物質からなるスペーサ用シートをそれぞれ作製する
工程。 (B)該隔壁用ガラスグリーンシートと該スペーサ用シ
ートを交互に積重ね、積層体を作製する工程。 (C)該積層体を積層面に対して垂直に薄くスライス
し、ガラス層とスペーサ用シート層とがストライプ状に
交互に並んだシート(以下ガラス−スペーサストライプ
シートという。)を作製する工程。 (D)アドレス電極及び誘電体層を形成したガラス基板
上に該ガラス−スペーサストライプシートを載置し、焼
成してスペーサ用シート層を消失させ、基板上に多数の
ガラス隔壁を所定の間隔で形成する工程。 (E)該ガラス隔壁の間の基板上に蛍光体ペーストを塗
布し、焼成して蛍光体を形成する工程。を要旨とするも
のである。
【0013】また、本発明は、スペーサ用シート中に更
に焼成により焼結しないフィラー物質を含み、かつ
(D)工程において焼成により消失する物質を消失させ
た後、焼成により焼結しないフィラー物質を除去する工
程を含むことを特徴とする、プラズマディスプレイパネ
ル用背面基板の製造方法。を要旨とするものである。
【0014】また、本発明は、隔壁用ガラスグリーンシ
ートと蛍光体グリーンシートとを交互に積重ねたグリー
ンシート積層体を、積層面に対して垂直に薄くスライス
してなる、プラズマディスプレイパネル用背面基板の隔
壁及び蛍光体形成用ガラス−蛍光体ストライプシート。
を要旨とするものである。
【0015】更に、本発明は、隔壁用ガラスグリーンシ
ートと、焼成により消失する物質、又はこれと焼成によ
り焼結しないフィラー物質の混合物からなるスペーサ用
シートとを交互に積重ねたグリーンシート積層体を、積
層面に対して垂直に薄くスライスしてなる、プラズマデ
ィスプレイパネル用背面基板の隔壁形成用のガラス−ス
ペーサストライプシート。を要旨とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】ガラスグリーンシートは、ガラス
粉末、又はガラス粉末とセラミックス粉末の混合物と、
樹脂及び溶剤、可塑剤などからなるスラリーをドクター
ブレード法等公知の方法でシート成形し、乾燥させたも
のが用いられる。蛍光体グリーンシートとしては、例え
ば(Y,Gd)BO3 :Eu、Zn2 SiO4 :Mn、
BaMgAl1423:Euなど、紫外線照射により種々
の色の蛍光を発する蛍光体粉末を、樹脂及び溶剤、可塑
剤などと混合し、同様にしてシート状に成形したものを
使用する。蛍光体グリーンシートは、焼成後、蛍光体が
隔壁、及び誘電体層を介してガラス基板上に図3に示さ
れるような形状に付着し、基板と隔壁で囲まれた放電セ
ル内に放電空間を形成するように、無機成分含有量をコ
ントロールしておくことが望ましい。
【0017】
【実施例】本発明の実施の態様の代表的な例を図1及び
図2に示す。図1(a)において、1はガラスグリーン
シート、2、3、4はそれぞれ青色、赤色、緑色の蛍光
体グリーンシートを示す。隔壁となるガラスグリーンシ
ートと、蛍光体層となる3種の蛍光体グリーンシート
を、1・2・1・3・1・4の順で積重ね、これを1セ
ットとして所望の回数だけ繰返し、グリーンシート積層
体5を作る。(図1(b))
【0018】次にこのグリーンシート積層体5を図1
(c)のように積層面に対して垂直に、隔壁の高さによ
って決まる所定の厚さにスライスし、ガラス層と蛍光体
層とがストライプ状に交互に並んだガラス−蛍光体スト
ライプシート6を作製する。この後、予め各放電セルを
形成すべき位置にアドレス電極8を形成し、更にその上
に基板全面を覆うように誘電体層9を形成しておいたガ
ラス基板7上に、前記ストライプシート6を図1(d)
のように置き、熱圧着する。図1(d′)は(d)の一
部を模式的に拡大したものである。次いで基板を高温で
焼成して、前記ストライプシート6中の樹脂等の有機成
分を焼却除去し、ガラスを焼結させてガラス隔壁1′を
形成し、同時に蛍光体層2′、3′、4′を隔壁1′
と、誘電体層9を介して基板7上に付着させる。(図1
(e))
【0019】グリーンシート積層体のスライス方法とし
ては、鋭利な刃を用いて押切りする方法、切断機の回転
刃による切断あるいはワイヤーソーによる切断等従来普
通に知られる方法が採用される。尚、上記の例では、フ
ルカラー表示を行うために3色の蛍光体グリーンシート
を使用したが、1色又は2色を用いることにより単色又
はマルチカラーのディスプレイを本法で製造することが
できる。
【0020】次に、図2に示すようにガラスと蛍光体の
グリーンシート積層体を作製する代わりに、ガラスグリ
ーンシート1と焼成により消失する物質、又は焼成によ
り消失する物質と焼成により焼結しないフィラー物質か
らなるスペーサ用シート10の積層体11を作り、これ
をスライスして得たガラス層とスペーサ用シート層とが
交互に並んだガラス−スペーサストライプシート12
を、同様にガラス基板上に圧着し、次いで高温で焼成し
て、スペーサ用シート層を消失させるか又は除去するこ
とにより、図2(e)に示すように基板上に多数のガラ
ス隔壁だけを精度良く形成することができる。
【0021】スペーサ用シートの材質は、焼成により消
失する物質としては、例えば各種の樹脂やステアリン酸
類等の熱分解可能な物質や、ナフタレン、安息香酸等の
昇華性の固体物質などで、シート成形の可能なものが使
用される。焼成により焼結しないフィラー物質は、スペ
ーサ用シート層の形状保持性を高めるために配合するこ
とが望ましく、アルミナ、シリカ、酸化バリウム、酸化
カルシウム等、引続くガラス隔壁の焼成温度では焼結し
ない無機固体物質粉末が用いられる。これらの粉末は、
焼成後空気吹付けや、水などの不活性液体の吹付け、超
音波などによって洗浄することにより容易に基板から除
去される。得られたガラス隔壁だけが形成された基板に
蛍光体ペーストを塗布し、焼成すれば単色又はマルチカ
ラーのディスプレイを製造することができる。なお、図
2(f)に記載されたものは青色の単色のディスプレイ
の例を示すものである。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ガラスと蛍光
体、又はガラスと焼成後除去可能な物質のグリーンシー
ト積層体をスライスすることで大量のストライプシート
が作製できるので、量産化に適しており、グリーンシー
トの厚み、積層体のスライス厚さ、基板への接合時の圧
力等により隔壁の幅、高さ、間隔のコントロールが容易
であり、従って均一な高さの微小な隔壁をファインピッ
チで形成でき、従来の厚膜ペーストを用いる方法等に比
べて精度も極めて高い。
【0023】グリーンシートは可塑剤の添加等によりス
ライスカットに適した可塑性を持たせることが自由にで
きるので、加工性の改善が簡単にでき、又グリーンシー
トの無機成分と樹脂成分の混合比を調整することによ
り、焼成後の隔壁の形状及び蛍光体形状のコントロール
も容易である。又感光性フィルム等を必要とせず、工程
も簡単なため安価である。更に、蛍光体層の形成に蛍光
体グリーンシートを用いる場合は、隔壁と蛍光体層を同
時に形成できるので、工程が簡略化でき、歩留りが向上
するという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様であるプラズマディスプレ
イパネル用背面基板の製造工程を示す説明図。
【図2】本発明の他の実施態様であるプラズマディスプ
レイバネル用背面基板の製造工程を示す説明図。
【図3】AC型、面放電方式、3電極フルカラープラズ
マディスプレイパネルの基本構造を示す説明図。
【符号の説明】
1 ガラスグリーンシート 2 青色蛍光体グリーンシート 3 赤色蛍光体グリーンシート 4 緑色蛍光体グリーンシート 5 グリーンシート積層体 6 ガラス−蛍光体ストライプシート 7 ガラス基板 8 アドレス電極 9 誘電体層 10 スペーサー用シート 12 ガラス−スペーサストライプシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 H01J 9/227

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(D)の工程からなるプラ
    ズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。 (A)隔壁用ガラスグリーンシートと蛍光体グリーンシ
    ートをそれぞれ作製する工程。 (B)該隔壁用ガラスグリーンシートと該蛍光体グリー
    ンシートとを交互に積重ね、グリーンシート積層体を作
    製する工程。 (C)該グリーンシート積層体を積層面に対して垂直に
    薄くスライスし、ガラス層と蛍光体層とがストライプ状
    に交互に並んだシート(以下ガラス−蛍光体ストライプ
    シートという。)を作製する工程。 (D)アドレス電極及び誘電体層を形成したガラス基板
    上に該ガラス−蛍光体ストライプシートを載置し、焼成
    して基板上にガラス隔壁と蛍光体とを同時に形成する工
    程。
  2. 【請求項2】 蛍光体グリーンシートとして、青色、赤
    色及び緑色の3種の蛍光体グリーンシートを用い、
    (B)工程において、隔壁用ガラスグリーンシートと蛍
    光体グリーンシートとを、ガラスグリーンシートによっ
    て3種の蛍光体グリーンシートが分離されるように交互
    に積重ねることを特徴とする、請求項1に記載されたプ
    ラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記(A)〜(E)の工程からなるプラ
    ズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。 (A)隔壁用ガラスグリーンシートと、焼成により消失
    する物質からなるスペーサ用シートをそれぞれ作製する
    工程。 (B)該隔壁用ガラスグリーンシートと該スペーサ用シ
    ートを交互に積重ね、積層体を作製する工程。 (C)該積層体を積層面に対して垂直に薄くスライス
    し、ガラス層とスペーサ用シート層とがストライプ状に
    交互に並んだシート(以下ガラス−スペーサストライプ
    シートという。)を作製する工程。 (D)アドレス電極及び誘電体層を形成したガラス基板
    上に該ガラス−スペーサストライプシートを載置し、焼
    成してスペーサ用シート層を消失させ、基板上に多数の
    ガラス隔壁を所定の間隔で形成する工程。 (E)該ガラス隔壁の間の基板上に蛍光体ペーストを塗
    布し、焼成して蛍光体を形成する工程。
  4. 【請求項4】 スペーサ用シート中に更に焼成により焼
    結しないフィラー物質を含み、かつ(D)工程において
    焼成により消失する物質を消失させた後、焼成により焼
    結しないフィラー物質を除去する工程を含むことを特徴
    とする、請求項3に記載されたプラズマディスプレイパ
    ネル用背面基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 隔壁用ガラスグリーンシートと蛍光体グ
    リーンシートとを交互に積重ねたグリーンシート積層体
    を、積層面に対して垂直に薄くスライスしてなる、プラ
    ズマディスプレイパネル用背面基板の隔壁及び蛍光体形
    成用ガラス−蛍光体ストライプシート。
  6. 【請求項6】 隔壁用ガラスグリーンシートと、焼成に
    より消失する物質、又はこれと焼成により焼結しないフ
    ィラー物質の混合物からなるスペーサ用シートとを交互
    に積重ねたグリーンシート積層体を、積層面に対して垂
    直に薄くスライスしてなる、プラズマディスプレイパネ
    ル用背面基板の隔壁形成用のガラス−スペーサストライ
    プシート。
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