JP3377451B2 - マッチトフィルタ - Google Patents

マッチトフィルタ

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JP3377451B2 JP23986498A JP23986498A JP3377451B2 JP 3377451 B2 JP3377451 B2 JP 3377451B2 JP 23986498 A JP23986498 A JP 23986498A JP 23986498 A JP23986498 A JP 23986498A JP 3377451 B2 JP3377451 B2 JP 3377451B2
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • H03H17/02Frequency selective networks
    • H03H17/0248Filters characterised by a particular frequency response or filtering method
    • H03H17/0254Matched filters

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトル拡散受
信機内の逆拡散処理で使用されるマッチトフィルタに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来よりスペクトル拡散受信機における
逆拡散手段として、2つの方法が使われている。それ
は、受動相関法であるマッチトフィルタ(整合フィル
タ)と能動相関法である相関器である。
【0003】まず、マッチトフィルタの動作を説明す
る。Nタップのマッチトフィルタの構成例を図6に示
す。図6において、Dm、Rmはそれぞれ、時点mにお
ける受信信号と相関信号であり、Pnは、周期Nの拡散
信号を表わす(0≦n≦N−1)。拡散信号の区間長
(チップ区間長)をTcとして、受信信号はチップ区間
長Tcと等しい周期で時間的にサンプリングされている
ものとする。なお拡散信号において、PnとPn+1で
はPn+1の方が過去の信号を示すこととする。他の信
号、例えば受信信号においては、DmとDm+1ではD
mの方が過去の信号を示す。送信側において拡散を受け
るデータの区間長(シンボル区間長)をTsとして、拡
散比Nはチップ区間長Tc、シンボル区間長Tsとの間
に、N=Ts/Tcの関係がある。
【0004】図6のマッチトフィルタは、Nタップのト
ランスバーサル型フィルタにおいて、係数として拡散信
号を用いたものである。図6のように通常のマッチトフ
ィルタでは、タップ数Nは拡散比に等しい。以下、動作
説明を簡単化するため、受信信号はベースバンド帯域の
信号とする。遅延回路61には、N−1個の遅延素子6
1−nが縦続接続されており遅延素子61−1は受信信
号Dmが入力となっている。各遅延素子の遅延時間はチ
ップ区間長Tcである。そして、各遅延素子61−nの
出力Dm−nと入力信号Dmそれぞれは乗算回路62−
nで拡散信号Pnが掛けられて、乗算回路出力全てが加
算回路63で足し合わされる。これにより、拡散信号1
周期の区間Tsに対する相関信号Rmが求められる。こ
れを式で表わすと、以下のようになる。
【0005】
【数1】
【0006】一般の拡散信号は+1か、−1の2値しか
とらないので、通常の乗算回路62−nは、加算回路6
3の入力の正負を拡散信号にしたがって反転させたりし
ている。図6の構成からわかるように、マッチトフィル
タ内部では、拡散信号Pnを固定して、Tc毎にずれて
いく受信信号Dmとの相互相関関数を計算している。受
信信号Dmと拡散信号Pnの位相が一致した時点に相関
信号Rmの絶対値は最大値となる。受信信号Dmと拡散
信号Pnの周期性により、この位相が一致する時点はシ
ンボル区間長Ts毎に訪れる。このように、マッチトフ
ィルタを用いる逆拡散は必ずTs周期で行えるので、受
信信号Dmと拡散信号Pnの位相を合わせる操作は不要
である。そこでマッチトフィルタを用いた逆拡散法は受
動相関法と呼ばれる。
【0007】次に相関器の動作を説明する。相関器の1
構成例を図7に示す。受信信号Dmは乗算回路64にお
いて拡散信号Pnとの積を求められ、積分回路65で積
分される。なお、ここでの積分操作は、受信信号は時間
サンプリングされているので、累積加算を行うものとす
る。この相関器の相関信号Rmは、以下のようになる。
【0008】
【数2】
【0009】ここで、iは拡散信号Pnの積分開始時の
位相を示し(0≦i≦N−1)、制御回路67が設定す
る。modは剰余演算子である。拡散信号発生回路66
は時間Tc毎に拡散信号Pnを出力する。例えば、i=
5なら、時点m−N+1のときは拡散信号P4、時点m
−N+2のときは拡散信号P3、・・・、時点m−N+
5のときは拡散信号P0、時点m−N+6のときは拡散
信号PN−1、・・・、時点mのときは拡散信号P5を
拡散信号発生回路66は出力する。このように、積分回
路65は時点m−N+1から時点mまでの拡散信号の1
周期分(区間長Ts)の受信信号Dmと拡散信号Pnと
の積を積分することで、相関器は時点mに相関信号Rm
として受信信号Dmと拡散信号Pnの相互相関関数を求
めている。
【0010】なお、この時点m以外の時点における積分
回路出力は、相互相関関数の計算途中の値であり、積分
区間がシンボル区間長Tsに満たないので、これを部分
相互相関関数と呼ぶ。拡散比Nが非常に大きい場合は、
積分区間をシンボル区間長Tsよりも短くして、相関信
号Rmとして部分相互相関関数を使用する場合がある。
積分回路65は積分開始前にそれまで蓄積していた積分
値を0にする。この積分値を0にすることをダンプまた
はリセットと呼ぶ。この相関器で逆拡散を行うには、上
記マッチトフィルタと異なって、予め受信信号Dmと拡
散信号Pnの位相を合わせておかなければならない。そ
のために、制御回路67は積分開始時における拡散信号
Pnの位相iを制御する。相関器が能動相関法と呼ばれ
るのは、積極的に受信信号Dmと拡散信号Pnの位相を
合わせる操作が必要だからである。なお、相関器の積分
回路65の代りにローパスフィルタを用いる場合もあ
る。
【0011】この受信信号と拡散信号の位相を合わせ込
む操作が同期捕捉である。マッチトフィルタでは同期捕
捉は時間Tsで行える。一方、相関器では、一回の積分
が終わる毎に制御回路67は積分開始時の拡散信号Pn
の位相iを1ずつずらして、全ての位相のずれに対する
積分結果(相互相関関数)を求めることになる。積分時
間はTsであるので、この同期捕捉時間は{積分時間T
s}×{拡散信号Pnの周期N}であり、これはマッチ
トフィルタのN倍である。もちろん積分時間を短くすれ
ば同期捕捉時間は短くなるが、相関器出力は部分相互相
関関数でり、相関器出力のSN比が低下するなどして同
期捕捉を失敗する確率が上昇するのでむやみに積分時間
を短くはできない。なお、このように相関器を1個使っ
た同期捕捉をシリアルサーチと呼び、ここで用いている
相関器をスライディング相関器と呼んでいる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにマッチト
フィルタは同期捕捉時間が短いという特長がある。しか
しながら、回路規模が大きくなるという問題点がある。
ディジタルマッチトフィルタの場合、加算回路63の回
路規模が大きいことが問題である。多入力加算回路は、
2入力加算回路の組み合わせでしか実現できない。した
がって、タップ数がNの場合は、最低でもN−1個の2
入力加算回路が必要となるので、タップ数が多いと回路
規模が大きくなる。また、チップ区間長Tcが短くなる
ほど高速動作が要求されるため、消費電流が増大する問
題がある。
【0013】そこで、これら問題を解決するために、反
転増幅回路を使ったアナログマッチトフィルタが注目さ
れつつある。この一例として、特開平9−46231号
公報がある。しかし、この発明のマッチトフィルタでも
タップ数Nが多くなると回路規模は大きくなるという問
題が出てくる。この発明の加算回路の略図を図8に示
す。入力数をNとする。各入力Vinnはそれぞれコン
デンサCnを介して反転増幅器AMP1の入力に接続さ
れる(0≦n≦N−1)。反転増幅器AMP1の出力は
コンデンサCf1を介して反転増幅器AMP1の入力に
帰還される。これにより、出力電圧Voutは、それぞ
れの入力Vinnを(−Cn/Cf1)倍して加算され
る。
【0014】また、図6の乗算回路62−nの機能を持
たせるために、拡散信号の正負に対応する信号同士を先
に加算して、この2つの加算した信号の差を求めてい
る。また、加算回路の入力数は反転増幅回路の内部増幅
器のドライブ能力に制限されるので、加算回路63は図
8の加算回路を複数用いて構成しなければならない。ま
た、アナログマッチトフィルタをLSI化する場合、加
算回路のコンデンサは各種寄生容量の影響を小さくする
ために、ある程度大きくしないといけないが、特に、タ
ップ数が多くなると増幅器AMP1の入力コンデンサC
nの個数も増加するので、アナログマッチトフィルタの
回路規模は大きくなる。さらに、タップ数が多くなると
遅延素子61−nの個数も多くなる。遅延素子はサンプ
ル/ホールド回路が使われ、各サンプル/ホールド回路
は電荷を蓄えるコンデンサと、この蓄えた電荷を放電す
ることなく電圧出力させるための少なくとも1つの増幅
器とが必要となる。例えば、上記発明に使われているサ
ンプル/ホールド回路の略図を図9に示す。この回路は
図8の加算回路の入力を1つにし、スイッチSW1を追
加したものである。反転増幅器AMP2の入力抵抗は非
常に高く、増幅器AMP2の入力に流れる電流は無視で
きるものとする。スイッチSW1が閉じているとき(サ
ンプル区間)、入力信号Vinが増幅器AMP2、コン
デンサCi2、Cf2からなる反転増幅回路により出力
信号Voutとして(−Ci2/Cf2)倍されて出力
される。そして、スイッチSW1が開いたとき(ホール
ド区間)、開く直前の入力信号VinがコンデンサCi
2に保持され続けるので、この電圧の(−Ci2/Cf
2)倍が出力信号Voutとして出力し続ける。アナロ
グマッチトフィルタをLSI化する場合、サンプル/ホ
ールド回路のコンデンサCi2、Cf2も図8の加算回
路と同様、大きな容量を持たなければならないので、や
はりアナログマッチトフィルタの回路規模は大きくな
る。
【0015】また、アナログ回路では、セトリング時間
も問題になる。先に述べたように、受信信号Dmは時間
的にサンプリングされている。この時間サンプリングさ
れた波形の一例を図11に示す。横軸が時間、縦軸は振
幅を示す。横軸の目盛と数字は、実はサンプリング時点
を表わしている。サンプリング周期はTcである。実線
で示した波形が理想的な時間サンプリングされた波形
で、サンプリング時点間は一定振幅値を保っている。実
際のアナログ回路では、内外部のコンデンサの充放電に
時間がかかるため、出力は入力信号が理想的であっても
サンプリング時点での急激な振幅変動に付いて行けず、
点線のような波形となって一定振幅値になるまでに時間
がかかる。このサンプリング時点から一定振幅値になる
までの時間がセトリング時間である。加算回路63の出
力は相互相関関数そのものであるので、時点毎にダイナ
ミックに変化する。つまり、振幅変動が大きいのでセト
リング時間が長くなるという問題が生じる。そしてセト
リング時間がサンプリング周期長Tcより長くなると、
マッチトフィルタは正確な値を出力できなくなる。
【0016】そこで、このようなことが生じないよう
に、図8の加算回路や図9のサンプル/ホールド回路の
セトリング時間を短くする方法は、増幅器の消費電流を
増加させることになる。これは、セトリング時間のほと
んどを決定するスルーレートが増幅器のバイアス電流に
比例するという事実から導かれる。スルーレートが大き
いほどセトリング時間は短くできる。このバイアス電流
が増幅器の消費電流である。セトリング時間を短くする
ために、増幅器の消費電流を増加させると、マッチトフ
ィルタを構成する遅延素子や加算回路内の増幅器の数が
もともと多いので、マッチトフィルタ全体の消費電流を
増加させる。
【0017】一方、相関器では、拡散比の大きさが回路
規模に影響する度合はマッチトフィルタに比べ遥かに小
さいが、相関器を同期捕捉に使うシリアルサーチの場
合、捕捉時間が長くなるという問題点が残る。そこで、
相関器を並列に用いるパラレルサーチがある。このパラ
レルサーチとして、特開平3−88526号公報、特開
平1−125668号公報がある。これらは、並列相関
器のそれぞれの相関器自身はシリアルサーチを行うの
で、相関器1個だけのシリアルサーチに比べて捕捉時間
が相関器の個数分の1に短縮される。ただし、これらパ
ラレルサーチはシリアルサーチと同様、能動相関法であ
るので、各相関器に入力される拡散信号の位相を制御す
る手段を有しなければならないという問題があった。
【0018】また、相関器をアナログ回路で実現する場
合、ダンプ時間が問題になる場合がある。積分回路出力
の時点毎の出力変動が小さいので、セトリング時間は短
い。なぜなら、拡散信号と受信信号の位相が一致したと
きの積分回路出力の振幅は部分相互相関関数として時点
毎に単調増加または減少し、相互相関関数出力時に振幅
の絶対値は最大値をとる。この最大値が積分回路出力と
して飽和しないようなレベルにする必要があるので、必
然的に時点毎の積分回路出力の増加(減少)幅は小さく
しなければならない。一方、ダンプはこの拡散信号と受
信信号の位相が一致したときに最大となった積分結果を
0にしなければならないので、セトリング時間が長くな
る。シリアルサーチでは、この長いダンプ時間を含めて
1回の探索を1シンボル区間Ts内にするのが一般的で
ある。
【0019】このため、積分区間を短縮する方法もある
が、上記のように相関器出力のSN比が低下するという
問題がある。そこで、特開平1−181345号公報の
ように2つの相関器を用いて一方が積分中に他方がダン
プを行う方法もある。しかし、並列相関器を用いたパラ
レルサーチでは、各相関器を2つの相関器で実現すると
回路規模が大きくなるという問題点がある。もちろんセ
トリング時間を短くするためには、先に述べたように積
分回路内の増幅回路の消費電流を多くすればよい。しか
し、並列相関器では増幅回路の数が多いので、全体の消
費電流が増加するという問題がある。
【0020】そこで、本発明は、回路規模が小さく、消
費電流の少ないマッチトフィルタを提供することを目的
とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のマッチト
フィルタは、スペクトル拡散受信機で逆拡散を行うNタ
ップのマッチトフィルタにおいて、受信信号と拡散信号
との相互相関を求めるN個の相関手段と、一定区間分の
拡散信号の各々を上記相関手段各々にチップ周期で順次
遅延させて出力する拡散信号遅延手段と、N個の相関手
段の出力をチップ周期で順次選択する選択手段と、から
なり、上記相関手段各々は、同一タイミングでサンプリ
ングした受信信号と上記拡散信号遅延手段からの拡散信
号との相互相関を求め、上記選択手段は、上記同一タイ
ミングでサンプリングした受信信号と一定区間分の拡散
信号との相互相関の出力を選択することを特徴とする。
また、上記選択手段が受信信号と一定区間分の拡散信号
との相互相関の出力を選択するタイミングは、チップ周
期とNとの積の周期毎に行うのが望ましい。
【0022】このマッチトフィルタは以上の構成によ
り、並列相関器を用いているにもかかわらず、パラレル
サーチのような能動相関法を用いなくてもよいので、拡
散信号の位相を制御する回路は不要であるので回路規模
を小さくできる。
【0023】請求項2記載のマッチトフィルタは、スペ
クトル拡散受信機で逆拡散を行うNタップのマッチトフ
ィルタにおいて、チップ周期の1/K間隔でオーバーサ
ンプリングされた受信信号と拡散信号との相互相関を求
めるN×K個の相関手段と、一定区間分の拡散信号の各
々を上記相関手段のK個単位の各々にチップ周期で順次
遅延させて出力する拡散信号遅延手段と、N×K個の相
関手段の出力をチップ周期の1/K間隔で順次選択する
選択手段と、からなり、上記相関手段各々は、K個単位
中に同一タイミングでサンプリングした受信信号と上記
拡散信号遅延手段からの拡散信号との相互相関を求め、
上記選択手段は、上記同一タイミングでサンプリングし
た受信信号と一定区間分の拡散信号との相互相関の出力
を選択することを特徴とする。また、上記選択手段が受
信信号と一定区間分の拡散信号との相互相関の出力を選
択するタイミングは、オーバサンプリング周期とN×K
との積の周期毎に行うのが望ましい。
【0024】これにより、オーバーサンプリングされた
受信信号にも並列相関器を用いたマッチトフィルタを適
用できる。
【0025】請求項3記載のマッチトフィルタは、請求
項1、または請求項2記載のマッチトフィルタにおい
て、上記マッチトフィルタのタップ数Nが、スペクトル
拡散通信における拡散比に等しいことを特徴とする。
【0026】これは、タップ数Nが1周期に含まれる拡
散信号の個数等しいことを意味するので、マッチトフィ
ルタは相互相関関数を出力できる。
【0027】請求項4記載のマッチトフィルタは、請求
項1、請求項2、または請求項3記載のマッチトフィル
タにおいて、上記相関手段は、受信信号と拡散信号との
積を計算する乗算手段と、該積を積分する積分手段と、
からなり、該積分手段のダンプ周期は、上記同一タイミ
ングでサンプリングした受信信号と一定区間分の拡散信
号との相互相関の出力を選択する周期と等しいことを特
徴とする。
【0028】これにより、マッチトフィルタはタップ数
に相当した積分区間の相互相関関数を精度よく出力でき
る。特に、請求項3のマッチトフィルタは拡散信号1周
期を積分区間とする相互相関関数を常に出力できる。
【0029】請求項5記載のマッチトフィルタは、請求
項3記載のマッチトフィルタにおいて、上記相関手段
は、受信信号と拡散信号との積を計算する乗算手段と、
該積を積分する積分手段と、からなり、該積分手段のダ
ンプ周期は、上記同一タイミングでサンプリングした受
信信号と一定区間分の拡散信号との相互相関の出力を選
択する区間の整数倍と等しいことを特徴とする。
【0030】これにより、マッチトフィルタは拡散信号
周期の整数倍の相互相関関数累算結果を出力できるの
で、マッチトフィルタ出力はノイズに対する耐性が大き
くなる。
【0031】請求項6記載のマッチトフィルタは、請求
項1、または請求項2記載のマッチトフィルタにおい
て、上記拡散信号遅延手段は、拡散信号を格納する格納
手段が環状に設けられていることを特徴とする。
【0032】このマッチトフィルタは、拡散信号遅延手
段は拡散信号を格納しているので、拡散信号発生手段が
なくてもよく、拡散信号が1種類しかないときに最適で
ある。
【0033】請求項7記載のマッチトフィルタは、請求
項1、請求項2、または請求項3記載のマッチトフィル
タにおいて、上記拡散信号遅延手段に異なる種類の拡散
信号を与える拡散信号発生手段を有することを特徴とす
る。
【0034】このマッチトフィルタは、拡散信号発生手
段を有しているので、周期の非常に長いロングコードを
用いた拡散信号にも対応できる。また、タップ数は拡散
比より短くできるので、拡散比が長いショートコードに
も対応できる。
【0035】請求項8記載のマッチトフィルタは、請求
項1、請求項2、または請求項3記載のマッチトフィル
タにおいて、上記拡散信号遅延手段に拡散信号を与える
拡散信号発生手段を有し、上記拡散信号遅延手段は、拡
散信号を格納する格納手段が環状に設けられ、上記拡散
信号発生手段からの拡散信号を上記環状を切って上記格
納手段に入力する入力手段を有することを特徴とする請
求項1、請求項2、または請求項3記載のマッチトフィ
ルタ。
【0036】このマッチトフィルタは、拡散信号発生手
段から新しい拡散信号を上記拡散信号遅延手段に格納で
きるので、拡散信号が数種類ある場合に対応できる。
【0037】請求項9記載のマッチトフィルタは、請求
項4、または請求項5記載のマッチトフィルタにおい
て、上記積分手段はアナログ回路であり、上記積分手段
のダンプ時間に応じた数の上記相関手段及び上記拡散信
号遅延手段をさらに備えることを特徴とする。
【0038】このアナログマッチトフィルタは、積分手
段のダンプに時間がかかってもよいので、積分手段内の
増幅器の消費電流を増加させなくよく、マッチトフィル
タ全体の消費電流の削減につながる。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態であるN
タップのマッチトフィルタの構成を示すブロック図であ
る。以下に各構成要素を順次説明する。タップ数Nは拡
散比に等しいとする。タップ数Nが拡散比と等しくない
場合については後述の実施形態にて説明する。遅延回路
11はタップ数Nと等しい個数の遅延素子11−nが環
状(リング状)に縦続接続された構成となっている(0
≦n≦N−1)。さらに各遅延素子には拡散信号Pnが
格納されており、周期Tc毎に拡散信号を隣の遅延素子
に順次送る。図1では、時点mにおいて、遅延素子11
−0には拡散信号P0、遅延素子11−1には拡散信号
P1、・・・、遅延素子11−(N−1)には拡散信号
PN−1が格納されているものとしている。これは拡散
信号が1種類しかない場合である。拡散信号の種類が複
数ある場合については後述の実施形態にて説明する。次
の時点m+1では遅延素子11−0には拡散信号PN−
1が、遅延素子11−1には拡散信号P0が、・・・、
遅延素子11−(N−1)には拡散信号PN−2が格納
される。相関器も遅延素子と同様にタップ数Nに等しい
個数あり、それぞれの相関器12−nは、同一の受信信
号Dmと各遅延素子11−nの出力である拡散信号Pn
を入力とし、相関出力rm,nを出力する。隣り合う相
関器には1時点ずつずれた拡散信号が入力されることに
なる。各相関器12−nはそれぞれ乗算回路13−n、
積分回路14−nからなる。乗算回路13−nは受信信
号Dmと遅延素子11−nの出力である拡散信号Pnの
積を求め、積分回路14−nでその積の積分を行う。ダ
ンプは、拡散信号P0が入力された相関器の積分回路が
次の時点の拡散信号P0の入力直前で行う。つまり、拡
散信号1周期分(=シンボル区間長Ts)の積分が終わ
ったら積分回路はダンプを行う。図1の時点mでの各相
関器出力rm,nを式で示すと、以下のようになる。
【0040】
【数3】
【0041】つまり、この図1の時点mでは、相関器1
2−0だけが拡散信号1周期分(P0〜PN−1)の積
分を行っている。つまり、相関器12−0の出力rm,
0は受信信号Dmと拡散信号Pnとの相互相関関数であ
る。相関器12−1はP1〜PN−1の拡散信号、相関
器12−2はP2〜PN−1の拡散信号、・・・、相関
器12−(N−1)は拡散信号PN−1のみと受信信号
の相互相関関数、つまり部分相互相関関数を出力してい
る。マルチプレクサ15には、全相関器出力rm,0〜
rm,N−1が入力され、拡散信号P0が入力された相
関器の出力を相関信号Rmとして出力する。
【0042】図1においては、マルチプレクサ15は相
関器12−0の出力を選択するので、マルチプレクサ出
力はRm=rm,0となる。そして、この選択された相
関器12−0の積分回路14−0は次の時点m+1直前
にダンプを行う。
【0043】時点m+1では、相関器12−1だけが拡
散信号1周期分の積分を行っている。しかも、拡散信号
P0を掛ける受信信号がDm+1であるので、時点mの
とき(拡散信号P0を掛ける受信信号はDm)とは、受
信信号と拡散信号との位相は1ずれている。この相互相
関関数出力である相関器12−1の出力rm+1,1
を、マルチプレクサ15は選択して相関信号Rm+1を
出力する。そして、選択された相関器12−1の積分回
路14−1は次の時点m+2直前にダンプを行う。つま
り、ダンプ周期を出力Rm+1と出力Rm+2とを選択
する周期で行う。このようにして、マルチプレクサ15
は相関器出力を順次選択していき、時点m+N−1では
rm+N−1,N−1を出力する。そして、時点m+N
ではマルチプレクサ15は、再び相関器12−0の出力
rm+N,0を出力する。つまり、それぞれの相関器出
力は相関器の個数に対応するN時点毎にマルチプレクサ
15を通して出力される。
【0044】つまり、各相関器はそれぞれTc毎にずれ
ていく受信信号Dmと拡散信号Pnとの相互相関関数を
順次計算し、その相関器の個数がちょうど拡散比Nと等
しく、しかもそれぞれの相関器には同時には同じ拡散信
号が入力されないので、どの時点でも必ず相関器の1つ
は相互相関関数を出力し、マルチプレクサ15はこの相
互相関関数を選択する。したがって、マルチプレクサ1
5の出力Rmは、(1)式を満足する。つまり、図1の
構成はマッチトフィルタとして動作することができる。
つまり、受動相関法で逆拡散を行えるので、従来の能動
相関法のパラレルサーチで用いる並列相関器のような拡
散信号の位相を制御する手段を持たなくてよいので、パ
ラレルサーチで用いる並列相関器より回路構成を単純に
できる。
【0045】タップ数個の相関器を用いる図1の構成の
マッチトフィルタは、図6のトランスバーサル型マッチ
トフィルタに比べ、受信信号Dmを格納する遅延回路が
不要になる。また、受信信号Dmと拡散信号Pnの積を
加算する多入力加算回路も不要になる。ここで、アナロ
グ回路で両者の回路規模を比較すると、相関器と遅延回
路であるサンプル/ホールド回路の個数はどちらもタッ
プ数Nと等しい。相関器内の積分回路は図10で実現で
きる。ここで、入力VinはスイッチSW2を介してコ
ンデンサCi3の一端に接続される。さらにSW3を介
して反転増幅器AMP3の入力となる。コンデンサCf
3は反転増幅器AMP3の入出力に接続されている。
【0046】また、このコンデンサCf3に並列にスイ
ッチSW4が接続されている。スイッチSW4はダンプ
用スイッチで、閉じているときにコンデンサCf3に蓄
えられた電荷が放電される。スイッチSW2とSW3は
同時には閉じない。スイッチSW2が閉じているとき、
入力電圧VinがコンデンサCi3に充電される。次に
スイッチSW2が開き、スイッチSW3が閉じると、反
転増幅器AMP3の入力抵抗が無限大かつ入力が0電位
(バーチャルグランド)であるとすると、コンデンサC
i3に充電された電荷がコンデンサCf3に蓄えられ
る。コンデンサCf3に蓄えられた電荷はスイッチSW
4にて放電されない限り、スイッチSW2とSW3を操
作することでどんどん蓄積されていく。このようにして
積分が行われる。
【0047】図9のサンプル/ホールド回路は図には示
していないが、増幅器AMP2の入力端子に残留したり
入り込んだ電荷を逃がすためにコンデンサCf2の両端
にスイッチを付けなければならないので、この図8の積
分回路と図9のサンプル/ホールド回路はほとんど回路
規模が同じと言える。したがって、図1の並列相関器型
マッチトフィルタの方が、図6のトランスバーサル型マ
ッチトフィルタより加算回路が無い分回路規模を小さく
できる。
【0048】図1の実施形態において、積分回路14−
nの代りにローパスフィルタを用いることも可能であ
る。この場合ダンプは不要である。
【0049】送信機アンテナからの直接波を受信できな
いフェージング環境化で使用するような受信機における
同期捕捉では、1シンボル区間長分のマッチトフィルタ
出力のみで受信信号と拡散信号との位相差を決定するの
ではなく、マッチトフィルタ出力のSN比を高めるため
に、数シンボル区間にわたって平均化したマッチトフィ
ルタ出力を用いる。このマッチトフィルタ出力の平均化
とは、N時点毎に離れた(つまりシンボル周期毎の)相
互相関関数同士を加算し(つまり累算し)、加算回数で
割ることでである。ただし、加算回数がいつも一定な
ら、別に割り算は不要である。この平均化あるいは累算
化はマッチトフィルタより後の処理で行うのが一般的で
ある。本発明ではダンプを行う周期を数シンボル周期毎
に変更することで対応できる。つまり、ダンプを上記加
算区間内は行わないことで、各相関器で引き続き積分が
行われる。そして、上記加算区間直後にダンプを行う。
この各相関器出力をマルチプレクサ15で順次選択して
マッチトフィルタ出力とすれば、ダンプを行うまでの累
算結果を出力できる。なお、積分回路は出力が飽和しな
いようにダイナミックレンジを大きくする必要がある。
【0050】拡散信号として、周期の短いショートコー
ドと周期の長いロングコードとの積を使うことがある。
この場合、ショートコードの周期は拡散比Nに対応す
る。ロングコードの周期はこの拡散比より遥かに長いの
が一般的である。この様な2つのコードを組み合わせた
拡散信号をマッチトフィルタに用いる場合、この組み合
わせられた拡散信号の周期はロングコードの周期に等し
いので遅延回路に拡散信号全てを格納することはできな
い。そこで、図1において遅延回路11の代りに図2に
示す構成の遅延回路21を用いる。図2の遅延回路21
は拡散比Nより1少ない個数の遅延素子21−nが縦続
接続された構成となっている(1≦n≦N−1)。また
リング状ではない。また、ショートコードとロングコー
ドをそれぞれ発生させ、さらにそれらの積を求めて拡散
信号Pnを作る拡散信号発生回路26が必要になる。拡
散信号発生回路26はチップ周期Tc毎に拡散信号を遅
延回路21に送る。一方、遅延回路21を含む他の機能
は図1と同じ動作を行うことでロングコードに対応した
マッチトフィルタ動作が可能となる。なお、ダンプはシ
ョートコードの1周期分の積分を終えた後、次の時点ま
でに行う。
【0051】この図2の遅延回路を使用するマッチトフ
ィルタは、拡散信号がショートコード単独でも周期が非
常に長い場合、つまり拡散比が非常に大きい場合も有効
である。この場合、マッチトフィルタのタップ数つまり
相関器の個数を拡散比より小さくする。なお、マッチト
フィルタ出力は全てタップ数に相当する積分範囲におけ
る部分相互相関関数となる。
【0052】拡散信号が数種類ある場合、1つの拡散信
号でマッチトフィルタを動作させた後、同じマッチトフ
ィルタで別の拡散信号を使うために、図1において、遅
延回路11の代りに図3の遅延回路31を使用する。こ
の遅延回路31は、遅延回路11に、拡散信号発生回路
36を追加した構成となっている。つまり、遅延素子3
1−1の入力として、遅延素子31−0の出力と拡散信
号発生回路36の出力のどちらか一方をスイッチ37で
選択するようになっている。通常は、スイッチ37は遅
延素子31−0の出力を選択するようにして、図1の遅
延回路11と同様の動作を行うことで、マッチトフィル
タ動作をさせる。別の拡散信号を使用する場合は、相関
器12−0が相互相関関数を出力した時点の次の時点か
ら、スイッチ37は拡散信号発生回路36の出力を選択
し、拡散信号発生回路36は別の拡散信号を時点毎に出
力していき、1周期分の拡散信号を出力した後、再び、
スイッチ37は遅延素子11−0の出力を選択する。こ
のようにすれば、マッチトフィルタは拡散信号を切り替
え中も中断することなく動作し続けることができる。新
しい拡散信号に対する相互相関関数が出力されるのは、
拡散信号発生回路36が1周期分の拡散信号を出力した
ときである。
【0053】実際に使われているマッチトフィルタは、
オーバーサンプリングされた受信信号を入力するのが一
般的である。つまり、チップ周期長Tcの1/K倍(K
は通常2以上の整数)で受信信号はサンプリングされて
いる。この場合のNタップのマッチトフィルタ出力は、
受信信号をDk、相関信号をRkとすると、以下のよう
になる。
【0054】
【数4】
【0055】ただし、kはオーバーサンプリングにおけ
る時点であり、通常サンプリングの時点mとは、k=m
・K+g(0≦g≦K−1)の関係にある。(4)式よ
り、マッチトフィルタ出力は、時点kとそこから通常サ
ンプリング間隔の時点k−nK(0≦n≦N−1)にお
ける受信信号と拡散信号との相互相関関数を出力する。
【0056】そこで、別の実施形態として、オーバーサ
ンプリング用マッチトフィルタについて、以下に説明す
る。
【0057】図4は、本発明の実施形態であるNタップ
のオーバーサンプリング用マッチトフィルタの構成を示
すブロック図である。ここでは、K=2としているが、
Kを限定するものではない。以下に各構成要素を順次説
明する。遅延回路41は拡散比Nと等しい個数の遅延素
子41−nがリング状に縦続接続された構成となってい
る(0≦n≦N−1)。さらに各遅延素子には拡散信号
Pnが格納されており、通常サンプリング周期Tc毎に
拡散信号を隣の遅延素子に順次送る。 図4では、時点
kにおいて、遅延素子41−0には拡散信号P0、遅延
素子41−1には拡散信号P1、・・・、遅延素子41
−(N−1)には拡散信号PN−1が格納されているも
のとしている。チップ区間長Tc後の時点k+Kで遅延
素子41−0には拡散信号PN−1が格納される。相関
器は拡散比NのK倍に等しい個数あり、それぞれの相関
器42−ndは、相関出力rk,ndを出力する(0≦
nd≦K・N−1)。各相関器42−ndはそれぞれ乗
算回路43−nd、積分回路44−ndからなる。各遅
延素子41−nの出力は、K個の乗算回路43−(K・
n)〜43−(K・n+K−1)の入力に接続されてい
る。図4では、遅延素子41−0の出力は乗算回路43
−0と43−1の入力、遅延素子41−1の出力は乗算
回路43−2と43−3の入力となっている。乗算回路
43−ndのもう一つの入力は全て受信信号Dkが接続
されている。ただし、時点kにおいて k mod K=nd mod K (5) を満足するときだけ受信信号Dkを実際に乗算し積分す
る。
【0058】図4を用いて具体的に説明する。時点kに
おいて、k mod 2=0とする。したがって、この
時点kでは、相関器41−0、41−2、・・・、41
−(2N−2)は入力された受信信号Dkを使って積分
しているのに対し、相関器41−1、41−3、・・
・、41−(2N−1)は受信信号Dkが入力されては
いるが、この入力信号Dkの積分を行っていない。一
方、時点k+1では逆に相関器41−1、41−3、・
・・、41−(2N−1)が入力された受信信号Dk+
1を使って積分しているのに対し、相関器41−0、4
1−2、・・・、41−(2N−2)は入力信号である
受信信号Dk+1の積分は行っていない。ダンプは、拡
散信号P0が入力されかつ入力信号を積分した相関器の
積分回路が次の入力信号を積分する時点までに行う。つ
まり、拡散信号の1周期分の積分が終わった後にその積
分回路のダンプを行う。
【0059】このように、それぞれの相関器自身が積分
を行うのはK時点毎であり、しかも隣り合う相関器とは
1時点ずれている。つまり、それぞれの相関器は図1の
相関器と同じ通常サンプリング周期Tcで動作を行って
いるが、相関器全体で見れば相関出力として相互相関関
数をオーバーサンプリング周期Tc/Kで出力してい
る。マルチプレクサ45は全相関器出力を入力とし、相
互相関関数を出力している相関器の出力rk,ndを選
択して相関信号Rkとして出力する。これにより、
(4)式を満足する相関信号Rkが得られる。
【0060】この図4に示すオーバーサンプリング用マ
ッチトフィルタをロングコード対応させる場合は、図2
と同様に、遅延回路内部の遅延素子をリング状にするの
をやめ、新たに拡散信号発生回路を付加すればよい。ま
た、拡散比が非常に大きくて、図2の遅延回路を適用す
る場合は、タップ数は拡散比と異なってもよい。図3の
遅延回路も図2の遅延回路と同様に図4に示すオーバー
サンプリング用マッチトフィルタに適用可能である。
【0061】本発明の上記マッチトフィルタをアナログ
回路で実現する場合、ダンプ時間が問題になる場合があ
る。つまり、積分を行い、結果をマルチプレクサに出力
し、マルチプレクサの出力がマッチトフィルタ出力とし
て外部の回路(例えばAD変換器)に読み取られた後に
ダンプを行うまでの一連の処理を時点mから次の時点m
+1までの時間Tc内に収めなければならないことであ
る。前述したように、相関器における積分回路のダンプ
時のセトリング時間は積分出力のセトリング時間より長
い。セトリング時間を短くするためには、一般的には積
分回路内の増幅回路の消費電流を多くすればよい。しか
し、このダンプのセトリング時間も含めて上記一連の処
理を時間Tcに収めるために増幅回路の消費電流を多く
すると、上記本発明のマッチトフィルタ全体の消費電流
も積分回路の個数倍増加することになる。
【0062】そこで、他の実施形態として、アナログマ
ッチトフィルタに適したマッチトフィルタを説明する。
【0063】図5が本発明の実施形態であるNタップの
アナログマッチトフィルタの構成を示すブロック図であ
る。基本構成は図1のマッチトフィルタと同じである。
つまり、遅延回路51、相関器52−n(乗算回路53
−n、積分回路54−n)、マルチプレクサ55からな
る。しかし、相関器52−nと遅延素子51−nの数が
図1の相関器12−n、遅延素子11−nより多い。追
加するこれらの個数は、{積分回路におけるダンプのセ
トリング時間}/Tcを超える整数以上とし、これをM
とする。つまり、相関器52−n、遅延素子51−nの
個数はそれぞれN+Mとなる(0≦n≦N+M−1)。
図5では、M=2として、遅延素子51−N、51−
(N+1)、相関器52−N、52−(N+1)を追加
している。各遅延素子51−nには拡散信号Pnと拡散
信号ではないダンプ信号DMPを格納する。ダンプ信号
DMPは、拡散信号の1周期の最後の信号P0の後にな
るように遅延素子に格納される。
【0064】図5では時点mにおいて、遅延素子51−
N、51−(N+1)にダンプ信号DMPを格納されて
いるものとする。実際には、各遅延素子51−nは2ビ
ットレジスタとし、1ビット目を拡散信号かダンプ信号
かどうかを示すフラグを格納し、1ビット目が拡散信号
を示すフラグの場合は2ビット目を拡散信号を格納す
る。一方、ダンプ信号を示すフラグの場合は2ビット目
には何を格納してもよい。各遅延素子の2ビットのデー
タの内、拡散信号が各相関器の積分回路の入力となり、
上記フラグ自身が積分回路のダンプを行うかどうかの信
号となる。
【0065】このマッチトフィルタの動作は積分回路の
ダンプを除き、図1と同じである。ダンプは遅延素子5
1−nの1ビット目のフラグがダンプ信号DMPを示し
ているときに行う。図5の時点mにおいて、相関器52
−0が相互相関関数を出力する。この出力をマルチプレ
クサ55が選択してマッチトフィルタ出力とする。積分
回路54−N、54−(N+1)はダンプを行ってい
る。次の時点m+1では、相関器52−1が相互相関関
数を出力する。一方、遅延素子51−0には、時点mに
おいて遅延素子51−(N+1)に格納されていたダン
プ信号DMPが格納される。そこで、積分回路54−0
はダンプを行う。
【0066】また、積分回路54−(N+1)は引き続
きダンプを行う。遅延素子51−Nには拡散信号PN−
1が格納されるので相関器52−Nは1データ分の積分
を行う。さらに次の時点m+2では、遅延素子51−0
と遅延素子51−1にはダンプ信号DMPが格納されて
おり、積分回路54−0は引き続きダンプを行い、新た
に積分回路54−1がダンプを行う。そして、拡散信号
の1周期長過ぎた時点m+Nでは相関器52−Nが相互
相関関数を出力し、積分回路54−(N−2)、54−
(N−1)がダンプを行う。相関器52−0が次に相互
相関関数を出力するのは図1の場合の時点m+Nとは異
なって、時点m+N+2である。つまり、1つの相関器
が相互相関関数を出力する周期はタップ数Nではなく相
関器の個数N+2に一致する。しかし、相互相関関数の
出力は各時点毎に途切れることなく出力される。
【0067】このようにして、相互相関関数を出力する
相関器の前の2つの積分回路がダンプを行う一方、残り
N個の相関器は積分を連続的に行い、各時点で相関器の
1つが必ず相互相関関数を出力する。1つの積分回路が
ダンプする時間はセトリング時間より長い2Tcである
ので、問題は生じない。このように、ダンプに関するセ
トリング時間に相当するサンプリング数M個の相関器と
遅延素子を追加するだけで、ダンプを高速化する必要が
無い。よって、積分回路内の増幅器自身の消費電流を増
加させなくてよい。さらに、積分回路の積分動作中のセ
トリング時間は、図6の従来のマッチトフィルタの遅延
素子や、加算回路のように出力電圧がダイナミックには
変化しないので、従来アナログマッチトフィルタに用い
られる増幅器よりも消費電流をさらに小さくできる。よ
って、マッチトフィルタ全体の消費電流を少なくでき
る。
【0068】このダンプ時間を遅くしたマッチトフィル
タをオーバーサンプリング対応やロングコード対応する
には図5のように、ダンプに関するセトリング時間に相
当するチップ周期分の個数Mの遅延素子とサンプリング
周期分の個数M(オーバーサンプリング対応ならK×
M)の相関器の追加を図2、図3、図4の実施形態それ
ぞれに適用すればよい。ただし、図2、図3の拡散信号
発生回路26、36において、通常の拡散信号1周期分
を出力した後に引き続きダンプ信号DMPをM個連続し
て出力するようにする。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるマッ
チトフィルタでは、相関器を並列に動作させ、しかも、
各相関器には異なる位相の拡散信号が入力されるが、こ
の異なる位相を与えるのは単純な遅延回路のみでよく、
並列相関器を用いた能動相関法では必須の拡散信号の位
相を制御する回路は不要である。
【0070】また、本発明による並列相関器型マッチト
フィルタをアナログ回路で実現した場合、従来のトラン
スバーサル型マッチトフィルタの加算回路分のだけ回路
規模を小さくできる。また、ダンプ時間が長くてもよい
ので、しかも消費電流を少なくできる。
【0071】また、本発明による並列相関器型マッチト
フィルタは積分時間を長くすることで、従来のマッチト
フィルタのような後処理無しでマッチトフィルタ出力の
累算処理ができる。その他、本発明による並列相関器型
マッチトフィルタは従来のトランスバーサル型マッチト
フィルタと同様オーバーサンプリング信号やロングコー
ド対応、拡散信号の切り替え対応も可能であるので、従
来のトランスバーサル型マッチトフィルタとの置き換え
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマッチトフィルタの一実施形態を
示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るマッチトフィルタの遅延回路の別
実施形態の概略構成図である。
【図3】本発明に係るマッチトフィルタの遅延回路のさ
らに別実施形態の概略構成図である。
【図4】本発明に係るオーバーサンプリング対応マッチ
トフィルタの実施形態を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係るアナログマッチトフィルタの実施
形態を示す概略構成図である。
【図6】従来のマッチトフィルタの一例を示す概略構成
図である。
【図7】従来の相関器の一例を示す概略構成図である。
【図8】従来のアナログマッチトフィルタで用いられる
加算回路の一例を示す概略構成図である。
【図9】従来のアナログマッチトフィルタで用いられる
サンプル/ホールド回路の一例を示す概略構成図であ
る。
【図10】アナログ相関器で用いられる積分回路の一例
を示す概略構成図である。
【図11】アナログ回路におけるセトリング時間を説明
した図である。
【符号の説明】
11,21,31,41,51 遅延回路 11−0〜(N−1),21−1〜(N−1),31−
0〜(N−1),41−0〜(N−1),51−(N+
1) 遅延素子 12−0〜(N−1),42−0〜(2N−1),52
−0〜(N+1) 相関器 13−0〜(N−1),43−0〜(2N−1),53
−0〜(N+1) 乗算回路 14−0〜(N−1),44−0〜(2N−1),54
−0〜(N+1) 積分回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−173630(JP,A) 特開 平10−70520(JP,A) 特開 平10−229378(JP,A) 特開 平9−8776(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/69 - 1/713 H04J 13/00 - 13/06 H03H 17/02 601

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトル拡散受信機で逆拡散を行うN
    タップのマッチトフィルタにおいて、 受信信号と拡散信号との相互相関を求めるN個の相関手
    段と、 一定区間分の拡散信号の各々を上記相関手段各々にチッ
    プ周期で順次遅延させて出力する拡散信号遅延手段と、 N個の相関手段の出力をチップ周期で順次選択する選択
    手段と、からなり、 上記相関手段各々は、同一タイミングでサンプリングし
    た受信信号と上記拡散信号遅延手段からの拡散信号との
    相互相関を求め、上記選択手段は、上記同一タイミング
    でサンプリングした受信信号と一定区間分の拡散信号と
    の相互相関の出力を選択することを特徴とするマッチト
    フィルタ。
  2. 【請求項2】 スペクトル拡散受信機で逆拡散を行うN
    タップのマッチトフィルタにおいて、 チップ周期の1/K間隔でオーバーサンプリングされた
    受信信号と拡散信号との相互相関を求めるN×K個の相
    関手段と、 一定区間分の拡散信号の各々を上記相関手段のK個単位
    の各々にチップ周期で順次遅延させて出力する拡散信号
    遅延手段と、 N×K個の相関手段の出力をチップ周期の1/K間隔で
    順次選択する選択手段と、からなり、 上記相関手段各々は、K個単位中に同一タイミングでサ
    ンプリングした受信信号と上記拡散信号遅延手段からの
    拡散信号との相互相関を求め、上記選択手段は、上記同
    一タイミングでサンプリングした受信信号と一定区間分
    の拡散信号との相互相関の出力を選択することを特徴と
    するマッチトフィルタ。
  3. 【請求項3】 上記マッチトフィルタのタップ数Nが、
    スペクトル拡散通信における拡散比に等しいことを特徴
    とする請求項1、または請求項2記載のマッチトフィル
    タ。
  4. 【請求項4】 上記相関手段は、受信信号と拡散信号と
    の積を計算する乗算手段と、該積を積分する積分手段
    と、からなり、 該積分手段のダンプ周期は、上記同一タイミングでサン
    プリングした受信信号と一定区間分の拡散信号との相互
    相関の出力を選択する周期と等しいことを特徴とする請
    求項1、請求項2、または請求項3記載のマッチトフィ
    ルタ。
  5. 【請求項5】 上記相関手段は、受信信号と拡散信号と
    の積を計算する乗算手段と、該積を積分する積分手段
    と、からなり、 該積分手段のダンプ周期は、上記同一タイミングでサン
    プリングした受信信号と一定区間分の拡散信号との相互
    相関の出力を選択する区間の整数倍と等しいことを特徴
    とする請求項3記載のマッチトフィルタ。
  6. 【請求項6】 上記拡散信号遅延手段は、拡散信号を格
    納する格納手段が環状に設けられていることを特徴とす
    る請求項1、または請求項2記載のマッチトフィルタ。
  7. 【請求項7】 上記拡散信号遅延手段に異なる種類の拡
    散信号を与える拡散信号発生手段を有することを特徴と
    する請求項1、請求項2、または請求項3記載のマッチ
    トフィルタ。
  8. 【請求項8】 上記拡散信号遅延手段に拡散信号を与え
    る拡散信号発生手段を有し、上記拡散信号遅延手段は、
    拡散信号を格納する格納手段が環状に設けられ、上記拡
    散信号発生手段からの拡散信号を上記環状を切って上記
    格納手段に入力する入力手段を有することを特徴とする
    請求項1、請求項2、または請求項3記載のマッチトフ
    ィルタ。
  9. 【請求項9】 上記積分手段はアナログ回路であり、 上記積分手段のダンプ時間に応じた数の上記相関手段及
    び上記拡散信号遅延手段をさらに備えることを特徴とす
    る請求項4、または請求項5記載のマッチトフィルタ。
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