JP3377276B2 - 写真プリンタの可変マスク機構 - Google Patents
写真プリンタの可変マスク機構Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ネガフィルム上の画像
を感光材料に焼付露光する写真プリンタの可変マスク機
構に関し、例えば、写真プリンタとプロセッサとを組み
合わせたプリンタプロセッサ用等としても用いられるも
のである。 【0002】 【従来の技術】プリンタプロセッサは所謂ミニラボと称
されDPE店等に設置されている。このプリンタプロセ
ッサは、ネガフィルムに記録された画像を印画紙へ焼付
露光するプリンタ部と、焼付露光処理された印画紙を現
像処理するプロセッサ部とが一体となっており、長尺状
の印画紙をプリンタプロセッサにセットするのみで、自
動的にプリンタ部及びプロセッサ部内を搬送し処理でき
る。このプリンタプロセッサのプリンタ部では、ネガフ
ィルムを案内して位置決めするためのネガキャリア上の
ネガフィルムの画像を、選択された一定の大きさに拡大
して印画紙に焼付けるようになっており、ネガフィルム
の画像が焼付けられた印画紙が連続してプロセッサ部へ
搬送されて現像され、写真プリントとして仕上げられ
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
プリンタプロセッサによる印画紙への露光に際して用い
られるネガフィルムの画像コマサイズが増加している。
つまり、写真プリントの横方向が普通サイズであるフル
サイズの写真プリントの2倍となっているパノラマサイ
ズの写真プリントがフルサイズの他に普及しているが、
さらに近年、フルサイズの写真プリントとパノラマサイ
ズの写真プリントの中間の迫力ビジョンサイズ(ハイビ
ジョンサイズ)なども加わり、画像コマサイズが増加す
る傾向にある。 【0004】また、1本のネガフィルムの撮影途中で、
フルサイズ用の画像コマであるフルサイズコマと特殊サ
イズ用の画像コマであるパノラマサイズコマ等との間で
アスペクト比を自由に切替えができるようにしたコマサ
イズ切換えカメラが市販されている。このコマサイズ切
換えカメラを使用すると、1本のネガフィルムにフルサ
イズコマとパノラマサイズコマ等のアスペクト比の異な
る画面サイズのコマとが混在することになる。 【0005】従って、画像コマサイズが増加すると共に
多種類の画像コマサイズが混在するようになった結果、
近年特に、ネガフィルムをネガキャリア上に固定するネ
ガマスクが画像コマサイズに対応して多種必要となると
共に、煩雑なネガマスクの交換作業が頻繁に必要となる
という欠点が目立つようになった。この為、ネガマスク
を交換しなくともマスクサイズを変更できる可変マスク
機構の採用が望まれるようになった。 【0006】そして、このような可変マスク機構を採用
した場合においても、全ての画像コマサイズのピントを
正確に合わせて画像を印画紙に焼付けることが必要であ
り、また、測光用の濃度測定器による測光精度を高める
べく、画像コマの外周エッジの輪郭を明瞭にすることが
求められている。 【0007】本発明は上記事実を考慮し、画像のピント
を正確に合わせると共に測光精度を高めつつ、ネガフィ
ルム上の画像コマサイズの変更に対応して簡易に開口量
を変更し得る写真プリンタの可変マスク機構を得ること
を目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1による写真プリ
ンタの可変マスク機構は、ネガフィルム上の画像を印画
紙に焼付露光する写真プロセッサと、前記写真プロセッ
サに取り付けられ且つ印画紙を焼付露光する光線が通過
する開口部を有すると共にネガフィルムをこの開口部上
に案内するネガキャリアと、前記ネガフィルムに接しつ
つ前記ネガフィルムに対向して位置し且つ前記開口部の
開口量を変更するシャッタと、前記シャッタに連結され
且つ前記シャッタを開閉動するシャッタ開閉機構と、前
記ネガキャリアに設置されると共に前記シャッタ開閉機
構に接続され且つ、前記シャッタ開閉機構を作動して前
記シャッタによる開口量を調整するモータと、前記シャ
ッタと前記ネガフィルムを挟んで対向して位置し且つ、
前記シャッタ開閉機構に接続されて前記シャッタと同一
方向に一体的に移動し得ると共に前記ネガフィルムの画
像周辺部分を前記シャッタとで挟持する挟持板と、前記
挟持板に設けられ、誤った位置での前記シャッタ開閉機
構と挟持板との接続を防ぐ回動レバーと、を有すること
を特徴とする。 【0009】 【0010】 【0011】 【作用】請求項1に係る写真プリンタの可変マスク機構
の作用を以下に説明する。 【0012】モータがシャッタ開閉機構を作動して、シ
ャッタの開閉動によりネガキャリアの開口部の開口量を
調整する。そして、光線がネガキャリアの開口部を通過
することにより、ネガフィルム上の画像が感光材料に焼
付露光される。また、シャッタがネガフィルムに接しつ
つネガフィルムに対向して位置していて、ネガフィルム
を挟んでシャッタと対向して位置する挟持板が、ネガフ
ィルムの画像周辺部分をこのシャッタとで挟持する。さ
らに、挟持板がネガキャリアに設置されるシャッタ開閉
機構に接続されて、シャッタと挟持板とが同一方向に一
体的に移動し得る。また、挟持板に設けられた回動レバ
ーによって、シャッタ開閉機構が誤った位置で挟持板に
接続されることを防ぐ。 【0013】従って、モータが駆動することにより、シ
ャッタと挟持板とが同一方向に一体的に移動して開口部
の開口量を調整することが可能となり、画像コマサイズ
の変更の際の作業性が向上する。例えば、フルサイズ、
パノラマサイズ及び迫力ビジョンサイズ(ハイビジョン
サイズ)等の間で画面コマサイズが変更されても、ネガ
マスクを交換する必要がなくなる。 【0014】一方、ネガフィルムにカール等の変形が生
じていても、ネガフィルムの画像周辺部分が挟持される
ことにより、変形が矯正される。この為、ネガフィルム
の画像内のいずれの部分でも、ピントを正確に合わせて
画像を印画紙に焼付けることが可能となる。 【0015】さらに、シャッタがネガフィルムに直接接
しているので、画像コマの外周エッジの輪郭を明瞭にす
ることができ、結果として、より広い面積での光量の判
定が可能となり、画像コマ全体の測光精度を高めること
が可能となる。また、板状に形成された挟持板が、ネガ
フィルムの画像周辺部分をシャッタとの間で挟持するの
で、広い面積でネガフィルムが挟持されて、より一層確
実にネガフィルムの変形が矯正される。さらに、モータ
がシャッタ開閉機構を介してシャッタを開閉動すること
から、最も簡易で制御し易い駆動手段であるモータの回
転駆動力を、直線状の往復動にシャッタ開閉機構が変換
することになり、開口部の開口量をより簡易で低コスト
に調整することが可能となる。また、挟持板には回動レ
バーが設けられており、これによって、シャッタ開閉機
構が誤った位置で挟持板に接続されないようになってい
る。 【0016】 【0017】 【0018】 【0019】 【0020】 【0021】 【実施例】本発明に係る写真プリンタの可変マスク機構
の一実施例をプリンタプロセッサのプリンタ部に適用し
た例を図1から図11に示し、これらの図に基づき本実
施例を説明する。 【0022】図1には本実施例に係るプリンタプロセッ
サ10が示されている。まず、この装置本体であるプリ
ンタプロセッサ10の全体構成を説明する。 【0023】プリンタプロセッサ10は外部がケーシン
グ12で覆われており、図1における左方にケーシング
12から突出する作業テーブル14を備えている。つま
り、作業テーブル14が装置本体の一部を構成する。こ
の作業テーブル14の上面にはネガフィルム16がセッ
トされるネガキャリア18が載置されている。また、作
業テーブル14の下方には光源部36が設置されてい
る。光源部36は光源38を備えている。光源38から
照射された光線は、フィルタ部40、拡散筒42を介し
てネガキャリア18にセットされたネガフィルム16へ
と至る。フィルタ部40はC、M、Yの3枚のフィルタ
から構成され、各フィルタは前記光線の光軸上を出没可
能とされている。 【0024】作業テーブル14の上方に位置するアーム
44には光学系46が取り付けられている。光学系46
はレンズ48、シャッタ50及び反射ミラー51等の光
学系部材を備え、レンズ48及びシャッタ50は前記光
線の光軸上に配置されている。ネガフィルム16を透過
した光線は露光光線となってレンズ48及びシャッタ5
0を通過し、反射ミラー51によって(光軸が略90
度)偏向され、露光室52にセットされた印画紙54上
にネガフィルム16の画像を結像させる。 【0025】また、光学系46はネガフィルム16の濃
度を測定する例えばCCD等の濃度測定器56を備えて
いる。この濃度測定器56は、図示しないコントローラ
に接続されており、濃度測定器56によって測定された
データ及び、作業者によりキー入力されたデータに基づ
いて、焼付露光時の露光補正値が設定される。 【0026】この光源部36と光学系46と露光室52
とにより焼付処理が可能となり、焼付露光部(プリンタ
部)58が形成される。 【0027】露光室52の上方右側部分の角部には、マ
ガジン装着部60が設けられている。マガジン装着部6
0は長尺状の印画紙54をリール62にロール状に巻き
取って収容するペーパマガジン64が装着されるように
なっている。 【0028】マガジン装着部60の近傍には一対の搬送
ローラであるローラ66が配置されており、印画紙54
を挟持して水平状態で露光室52へ搬送する。印画紙5
4はアーム44の手前でローラ67に巻掛られ、90度
方向転換されて垂下される。なお、ローラ66とローラ
67との間には印画紙54を略U字状に案内してストッ
クしておく第1のストック部69が設けられている。 【0029】ローラ67による印画紙54の案内方向下
流側には、露光ステージ94が設けられている。この露
光ステージ94には、図示しない制御装置に接続されて
開閉される可変マスク(図示せず)が設けられている。
この為、制御装置により、プリントサイズ及びプリント
の種類(例えば白枠の有無)に応じて可変マスクのマス
ク範囲の長さ寸法及び幅寸法が変更されるようになって
いる。 【0030】露光室52の露光ステージ94の下方には
ローラ68A、68B、68Cが配置され、露光ステー
ジ94においてネガフィルム16の画像が焼付けられた
印画紙54が略90度毎方向転換されて、焼付露光部5
8と隣接するプロセッサ部72の発色現像部74へ搬送
される。 【0031】このローラ68Aの下流側には、カッタ7
1が配設されている。このカッタ71は、焼付露光処理
が終了した印画紙54の後端を切断する役目を有してお
り、このため、露光室52内に残った印画紙54を再度
ペーパマガジン64へ巻き戻すことができる。 【0032】なお、ローラ68Aとローラ68Bとの間
には焼付露光処理された印画紙54を略U字状に案内し
てストックしておく第2のストック部73が設けられて
いる。第2のストック部73では、印画紙54をストッ
クし、焼付露光処理を行う焼付露光部58と現像、漂白
定着、水洗の各処理を行うプロセッサ部72との処理時
間の差を吸収する。 【0033】発色現像部74は印画紙54を現像液に浸
して現像処理を行う。現像処理された印画紙54は発色
現像部74と隣接する漂白定着部76へ搬送される。漂
白定着部76は印画紙54を漂白定着液に浸して漂白処
理と定着処理とを行う。定着処理された印画紙54は漂
白定着部76に隣接するリンス部78へ搬送される。リ
ンス部78は印画紙54を洗浄水に浸して水洗処理を行
う。 【0034】水洗処理された印画紙54はリンス部78
と隣接する乾燥部80へ搬送される。乾燥部80は印画
紙54をローラに巻掛け高温の空気にさらして乾燥させ
る。乾燥処理が終了した印画紙54は、図示しない一対
のローラによって挟持されて乾燥部80から排出され
る。乾燥部80の下流側にはカッタ部84が配設されて
いる。カッタ部84は、印画紙54に付与されたカット
マークを検知するカットマークセンサ86と印画紙54
を切断するカッタ88とで構成され、印画紙54を画像
コマ毎にカットし、プリンタプロセッサ10のケーシン
グ12の外部へ排出する。 【0035】このカットされた印画紙54は、ソータ部
108によって仕分けられる。また、図2に示すよう
に、作業テーブル14上のネガキャリア18には、開閉
可能なカバー19が取り付けられていて、このカバー1
9の下部に、図3に示すように、矢印A方向に沿って挿
入されてホルダ115に装着される圧着板(アッパーネ
ガマスクともいう)116と、ネガフィルム16の通過
部114上の設置されるマスク(アンダーネガマスクと
もいう)118とが取り付けられている。そして、この
圧着板116及びマスク118には、それぞれネガフィ
ルム16の最大の画面サイズであるフルサイズの画像コ
マ16A(図11に示す)より若干大きな面積の窓部1
19A及び窓部119Bが形成されている。 【0036】このマスク118が装着されるネガキャリ
ア18の位置には、圧着板116及びマスク118の窓
部119A、119Bより大きい矩形状をした開口部
(図示せず)が形成され、光源部36側から照射された
光線が、マスク118の窓部119Aと圧着板116の
窓部119Bとの間に位置したネガフィルム16を、通
過し得るようになっている。 【0037】図4及び図6に示すように、マスク118
の表面側には、上下方向に沿って延びる一対の案内溝1
26、128が刻設されると共に、前記開口部及び窓部
119Aの開口量を調節するそれぞれL字状であって板
状に形成された一対のシャッタ122、124が、窓部
119Aを挟んで相互に対向して配置されている。そし
て、L字状のシャッタ122、124のそれぞれ左右方
向に伸びる部分が、光源部36側から照射された光線を
部分的に遮る遮光部122A、124Aを構成してお
り、シャッタ122、124のそれぞれ上下方向に延び
る部分が、マスク118上に刻設された案内溝126、
128に係合する操作部122B、124Bを構成して
いる。つまり、ネガフィルム16に接しつつネガフィル
ム16に対向して位置すると共に、マスク118の表面
側に形成された案内溝126、128に沿って移動可能
に、一対のシャッタ122、124が配置されている。 【0038】これらシャッタ122、124の内の図4
及び図6上、上側のシャッタ122の右端側に形成され
た操作部122Bの中程と下端部とには、それぞれピン
132及び、作動ピン134がマスク118側に突出す
るように固着されており、また、下側のシャッタ124
の左下端側には、作動ピン136がマスク118側に突
出するように固着されている。 【0039】さらに、ピン132及び作動ピン134、
136に対応したマスク118の部分には、案内溝12
6、128の長手方向をその長手方向とする長孔118
A、118B、118Cがそれぞれ穿設されていて、ピ
ン132及び作動ピン134、136の図上、上下方向
への移動が、これら長孔118A、118B、118C
を貫通した状態で、可能となっている。 【0040】また、作動ピン136と操作部122Bの
下端部に固着された作動ピン134との間であってマス
ク118の背面側の位置には、両端部にそれぞれこれら
作動ピン136、134が挿入される凹部138Aを有
したアーム138が、配置されている。そして、このア
ーム138は、その中央部を中心として回動し得るよう
にマスク118に支軸140を介して支持されている。 【0041】従って、例えばシャッタ122が図6上、
上下方向に移動することにより、アーム138が回動
し、これに伴って他方のシャッタ124がシャッタ12
2と逆方向に移動することになる。 【0042】尚、アーム138の右端側に対応したマス
ク118の部分には、コイルスプリング139が配置さ
れていて、このコイルスプリング139が常時、反時計
回転方向にアーム138を回動するように、付勢してい
る。この為、ネガキャリア18に未装着のマスク118
は、図4に示すように、シャッタ122、124が開放
された状態とされている。 【0043】また、マスク118の図6上、右側には、
上下方向を長手方向とするガイド軸144が、ネガキャ
リア18の背面側に取付けられた一対の支持板146に
その両端部を支持されつつ、配置されている。 【0044】このガイド軸144には、ガイド軸144
の長手方向に沿って移動可能に連動部材150が支持さ
れると共に、一端側がネガキャリア18に取付けられた
コイルスプリング148が巻き掛けられていて、このコ
イルスプリング148により連動部材150が常時上側
に付勢されている。この連動部材150の下部寄りから
はピン132と先端部が係合する操作片152が延びて
おり、また連動部材150の上端部には、当接ピン15
4が固着されている。さらに、連動部材150には、連
動板156がねじ止められて固定されており、その先端
側がガイド軸144を越えて図6上、左側に延びてい
る。尚、ネガキャリア18には、透過型のセンサ158
が取付けられていて、連動部材150の位置をこのセン
サ158で検出している。 【0045】また、図6に示すように、ネガキャリア1
8には、その回転軸160Aに駆動ギヤ162が固着さ
れた駆動手段であるモータ160が取付けられていると
共に、この駆動ギヤ162と噛み合う従動ギヤ164が
支軸168を介して回転可能に支持されている。さら
に、この支軸168に当接ピン154が当接するカム1
66が取付けられている。そして、このモータ160
は、図示しないマスク調整用のキーの操作により駆動回
転するように、コントーラに接続されている。 【0046】従って、マスク調整用のキーが操作されて
モータ160が回転すると、これらギヤ162、164
のかみ合いに合わせてカム166が回転し、コイルスプ
リング148の付勢力によって当接ピン154がカム1
66の外周面に沿うように移動する。この為、カム16
6の回転に連れて、連動部材150がガイド軸144の
長手方向である図6上、上下方向に沿って移動すること
になる。 【0047】そして、この結果として、ピン132と係
合する操作片152がピン132を移動することによ
り、シャッタ122、124が上下方向に沿って相互に
逆方向に移動して、シャッタ122、124が開閉動す
ることになる。つまり、これらギヤ162、164、カ
ム166、連動部材150及び操作片152等がシャッ
タ開閉機構を構成することになる。 【0048】他方、図5及び図7に示すように、圧着板
116には、軸部115Aを介してネガキャリア18に
回動可能に支持されるホルダ115に装着されるよう
に、舌部116Aが突出して形成される構造となってい
る。この圧着板116には、それぞれ略L字状であって
板状に薄く形成された一対のシャッタ222、224が
窓部119Bを挟んで相互に対向して配置されるよう
に、ガイド板212、214にそれぞれ取付けられた状
態で支持されている。そして、これらシャッタ222、
224が、シャッタ122、124とネガフィルム16
を挟んで対向して位置して、ネガフィルム16の画像周
辺部分をシャッタ122、124とで挟持する挟持手段
であって挟持板を構成する。 【0049】これらガイド板212、214は、それぞ
れ複数(本実施例では各3箇所)の長孔212A、21
4Aが図5及び図7上、上下方向を長手方向として形成
されており、圧着板116に植設されたピン216(本
実施例では6本)がこれら長孔212A、214Aに挿
入されて、一対のシャッタ222、224が上下方向に
移動可能となっている。 【0050】また、これらガイド板212、214に
は、それぞれ作動ピン234、236が固着されてい
て、これら一対の作動ピン234、236の間には、両
端部にそれぞれこれら作動ピン234、236が挿入さ
れる凹部238Aが形成されたアーム238が、配置さ
れている。そして、このアーム238は、その中央部を
中心として回動し得るように圧着板116に支軸240
を介して支持されている。 【0051】従って、例えばシャッタ222が図5及び
図7上、上下方向に移動することにより、アーム238
が回動し、これに伴って他方のシャッタ224がシャッ
タ222と逆方向に移動することになる。 【0052】アーム238の中程には係止部238Bが
突出して設けられ、支軸240回りに配置されたトーシ
ョンスプリング239の一端側が係止部238Bに係止
されていて、このトーションスプリング239が常時、
図5上、時計回転方向にアーム238を回動するよう
に、付勢している。この為、ホルダ115に未装着の圧
着板116は、図5に示すように、シャッタ222、2
24が開放された状態とされている。 【0053】さらに、図7に示すように、ホルダ115
側には一対の案内ピン242A、242Bが植設されて
おり、一端側が作動ピン236と当接するように配置さ
れた連動レバー244の移動を、これら一対の案内ピン
242A、242Bが案内するべく、案内ピン242
A、242Bが連動レバー244に設けられた一対の長
孔246に挿入されている。この為、連動レバー244
は長孔246の長手方向(図7上、上下方向)に沿った
方向に移動し得るようになる。尚、連動レバー244の
一対の長孔246間には、ピン245が固着されてい
て、このピン245と案内ピン242Bとの間に、コイ
ルスプリング250がかけ渡されて、コイルスプリング
250により、連動レバー244が常時、図7上、下方
向に付勢されている。 【0054】そして、この連動レバー244の中程に
は、図7上、左右方向に突出する係合部248が形成さ
れている。この係合部248には、連動部材150に取
付けられた連動板156の先端側が係合することにな
る。 【0055】具体的には、この係合部248の先端部側
は屈曲されていて、図7及び図10に示すように、屈曲
された先端側の部分に、回動レバー252が回転可能に
支持されている。この回動レバー252の一端側は屈曲
されて、係合部248に当接し得るようになっている。
そして、回動レバー252の他端側には、直線状に端面
を有した係合部252Aが連動板156と対向するよう
に形成されている。 【0056】従って、図10上、実線で示されるように
右側から連動板156の先端側が当接しすると、回動レ
バー252に連動板156が係合して、連動板156と
係合部248とが、回動レバー252を介して一体的に
矢印B方向に移動するが、二点鎖線で示されるように左
側から連動板156の先端側が当接すると、回動レバー
252が矢印C方向に回動して、連動板156と係合部
248とが一体的に移動することが無くなる。この為、
誤った位置での連動板156と係合部248との間の係
合が防がれる。 【0057】また、以上のように、連動板156と係合
部248とが回動レバー252を介して一体的に移動す
ることにより、マスク118側のシャッタ122と、圧
着板116側のシャッタ224とが同一方向に一体的に
移動し得ると共に、マスク118側のシャッタ124
と、圧着板116側のシャッタ222とが同一方向に一
体的に移動し得るようになる。 【0058】次に本実施例の作用を説明する。まず、通
常のプリンタプロセッサ10による焼付露光処理の手順
について説明する。 【0059】予め印画紙54を露光室52へ搬送し露光
ステージ94への位置決めを行う。処理が開始される
と、ネガキャリア18を駆動してネガフィルム16の位
置決めを行い、光源38を点灯する。濃度測定器56に
よりネガフィルム16の焼付に供する画像コマのLAT
D(平均透過濃度)を測定し、この測定データ及び手動
によりキー入力されたデータから露光補正値を設定し、
露光量(露光時間)を演算して、最適な露光条件を得
る。露光条件に従って光軸上に位置しているC、M、Y
の各フィルタを移動させる。 【0060】次に、シャッタ50を開放する。これによ
り、光源38が照射する光線は、フィルタ部40、ネガ
フィルム16を透過して露光室52へ到達し、露光室5
2の露光ステージ94に位置決めされた印画紙54にネ
ガフィルム16上の画像の焼付けが開始され、所定の露
光時間が経過した後で、シャッタ50を閉止する。最後
に、印画紙54にカットマークをつけて、画像1コマ分
の搬送を行う。以上でネガフィルム16の画像1コマ分
の焼付露光処理が終了する。これを繰り返すことによ
り、印画紙54の焼付露光処理された部分を順次プロセ
ッサ部72へ搬送する。 【0061】このように焼付露光処理されてプロセッサ
部72へ搬送された印画紙54は発色現像部74へ搬送
され、現像液に浸して現像処理が行われる。現像処理さ
れた印画紙54は漂白定着部76へ搬送され漂白処理と
定着処理がなされる。定着処理された印画紙54はリン
ス部78へ搬送され水洗処理される。水洗処理された印
画紙54は乾燥部80へ搬送され乾燥処理される。 【0062】乾燥処理された印画紙54は、カッタ部8
4でカットマークが検出され、各画像毎に切断され、ソ
ータ部108によって仕分けられる。 【0063】また、ネガフィルム16の画像コマサイズ
の変更に伴って、ネガキャリア18上では以下のように
動作する。 【0064】図2に示すように、ネガキャリア18にマ
スク118を装着すると共に、ホルダ115に圧着板1
16を挿入して圧着板116をホルダ115と一体的に
マスク118側である矢印D方向に回動した状態で画像
コマサイズが変わった場合、作業者がマスク調整用のキ
ーを操作することになる。そして、このキーが操作され
ると、図2及び図6に示すモータ160が駆動回転し、
ギヤ162、164のかみ合いに合わせてカム166が
回転する。このカム166の回転に連れて、当接ピン1
54を介して連動部材150がガイド軸144の長手方
向である図6上、上下方向に沿って移動することにな
る。 【0065】この結果として、操作片152がピン13
2を移動することにより、マスク118側のシャッタ1
22、124が上下方向に沿って相互に逆方向に移動す
ると共に、連動部材150に取付けられた連動板156
が回動レバー252を介して連動レバー244を移動す
ることにより、シャッタ122、124と同期しつつ、
圧着板116側のシャッタ222、224が上下方向に
沿って相互に逆方向に移動することになる。 【0066】従って、このようなシャッタ122、12
4の開閉動によりネガキャリア18の開口部の開口量が
調整された状態で、光源部36側から照射された光線が
ネガキャリア18の開口部を通過することにより、ネガ
フィルム16上の画像をプリンタプロセッサ10内の露
光ステージ94に位置する印画紙54に焼付露光する。 【0067】以上より、単にマスク調整用のキーを操作
するだけで、モータ160の駆動によって、シャッタ1
22、124が移動して開口部の開口量を調整すること
が可能となり、ネガフィルム16の変更の際の作業性が
向上する。 【0068】例えば、図11に示すように、ネガフィル
ム16上の画像コマの種類が変わり、図6に示すような
フルサイズの画像コマ16A(26×36mm)に対応し
た開口量W1(26mm)から、図8に示すようなパノラ
マサイズの画像コマ16C(13×36mm)に対応した
開口量W3(13mm)に調整する場合は、マスク調整用
のキーを作業者が操作する。この結果、モータ160が
駆動回転してカム166の回転及び連動部材150の移
動等を介して、シャッタ122、124が開閉動し、開
口量W3に調整されると共に、これに伴ってシャッタ2
22、224が図7の状態から図9の状態に調整され
る。従って、印画紙54上に、89×127mmのフルサ
イズのプリントサイズから89×254mmのパノラマサ
イズのプリントサイズに変更されて焼付露光されること
になる。尚、この変更の際当然に、焼付露光の拡大倍率
が変更される。 【0069】また、フルサイズの画像コマあるいはパノ
ラマサイズの画像コマから図11に示すような迫力ビジ
ョンサイズ(ハイビジョンサイズ)の画像コマ16Bに
対応した開口量W2に調整する場合も、上記と同様に動
作されて、シャッタ122、124及びシャッタ22
2、224が開閉動して開口量W2に調整される。従っ
て、フルサイズあるいはパノラマサイズのプリントサイ
ズからでも、容易に印画紙54上に89×158mmのハ
イビジョンサイズのプリントサイズに変更されて焼付露
光されることになる。 【0070】つまり、フルサイズ、パノラマサイズ及び
迫力ビジョンサイズ(ハイビジョンサイズ)等が混在さ
れてこれらの間で画面コマサイズが変更されても、ネガ
フィルム16上の画像コマの長手方向の寸法H(36m
m)は変更されないので、圧着板116及びマスク11
8等を交換する必要がなくなり、ネガフィルム16の変
更の際の作業性が向上することになる。 【0071】一方、シャッタ122、124がネガフィ
ルム16に接しつつネガフィルム16に対向して位置
し、また、ネガフィルム16を挟んでシャッタ122、
124と対向して位置するシャッタ222、224が、
ネガフィルム16の画像コマ周辺部分をシャッタ12
2、124とで挟持するので、ネガフィルム16にカー
ル等の変形が生じていても、ネガフィルム16の画像コ
マ周辺部分が挟持されることにより、変形が矯正され
る。この為、ネガフィルム16の画像コマ内のいずれの
部分でも、ピントを正確に合わせて画像を印画紙54に
焼付けることが可能となる。 【0072】さらに、シャッタ122、124がネガフ
ィルム16に直接接しているので、画像コマの外周エッ
ジの輪郭を明瞭にすることができ、結果として、より広
い面積での光量の判定が可能となり、濃度測定器56に
よる画像コマ全体の測光精度を高めることが可能とな
る。 【0073】他方、板状に形成されたシャッタ222、
224が、ネガフィルム16の画像コマの周辺部分であ
る画像周辺部分をシャッタ122、124とで挟持する
ので、ネガフィルム16を広い面積にわたって挟持する
ことができ、より一層確実にネガフィルム16の変形が
矯正される。さらに、シャッタ222、224がネガキ
ャリア18に設置されるモータ160とシャッタ開閉機
構を介して接続されて、前述のようにシャッタ122と
シャッタ222との間及びシャッタ124とシャッタ2
24との間が、それぞれ同一方向に一体的に移動し得る
ことになっている。従って、より画像コマに近いネガフ
ィルム16の画像周辺部分をシャッタ122、124と
で挟持することが可能となり、より一層確実にネガフィ
ルム16の変形が矯正されることになる。 【0074】また、モータ160がシャッタ開閉機構を
介してシャッタ122、124の開閉動することによ
り、最も簡易で制御し易い駆動手段であるモータ160
の回転駆動力をシャッタ開閉機構が直線状の往復動に変
換することができ、シャッタ122、124による開口
部の開口量をより簡易で低コストに調整することが可能
となる。 【0075】さらに、上記の機構で対応できない例えば
ハーフサイズ等の画像コマサイズに対応する場合、圧着
板116及びマスク118を従来より用いられているハ
ーフサイズ用の圧着板及びマスクに交換することがで
き、この様な場合でも従来の圧着板及びマスクと同様
に、画像コマサイズを変更することが可能となる。 【0076】尚、上記実施例において、キー操作により
開口量を変更するようにしたが、例えばセンサにより画
像コマサイズを検出して、自動的にモータ160を駆動
回転することによって、シャッタ122、124等を開
閉動するようにしてもよい。また、上記実施例におい
て、圧着板116側のシャッタ222、224を挟持板
としたが、この替わりに、マスク118側のシャッタ1
22、124を挟持板としても同様な効果を奏すること
は言うまでもない。 【0077】さらに、シャッタ122、124及びシャ
ッタ222、224の材質としては、ステンレス鋼等の
金属或いは、合成樹脂等が加工性及び製造コストなどか
ら最適と考えられる。 【0078】一方、上記実施例において、ネガフィルム
16に、フルサイズ、迫力ビジョンサイズ(ハイビジョ
ンサイズ)及びパノラマサイズの3種類のアスペクト比
の異なる画像コマがあることを前提として説明したが、
4種類以上のアスペクト比の異なる画像コマが存在して
も本発明が適用できることはいうまでもない。また、シ
ャッタ開閉機構等の構造も上記実施例の構造、形状等に
限定されるものではなく、例えば、上記実施例のシャッ
タ開閉機構の替わりに、ラックとピニオンとのかみ合わ
せによって回転運動を直線状の運動に変換するようにし
てもよいことは、当然である。 【0079】 【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る写真プリ
ンタの可変マスク機構は、画像のピントを正確に合わせ
ると共に測光精度を高めつつ、ネガフィルム上の画像コ
マサイズの変更に対応して簡易に開口量が変更できると
いう優れた効果を有している。
を感光材料に焼付露光する写真プリンタの可変マスク機
構に関し、例えば、写真プリンタとプロセッサとを組み
合わせたプリンタプロセッサ用等としても用いられるも
のである。 【0002】 【従来の技術】プリンタプロセッサは所謂ミニラボと称
されDPE店等に設置されている。このプリンタプロセ
ッサは、ネガフィルムに記録された画像を印画紙へ焼付
露光するプリンタ部と、焼付露光処理された印画紙を現
像処理するプロセッサ部とが一体となっており、長尺状
の印画紙をプリンタプロセッサにセットするのみで、自
動的にプリンタ部及びプロセッサ部内を搬送し処理でき
る。このプリンタプロセッサのプリンタ部では、ネガフ
ィルムを案内して位置決めするためのネガキャリア上の
ネガフィルムの画像を、選択された一定の大きさに拡大
して印画紙に焼付けるようになっており、ネガフィルム
の画像が焼付けられた印画紙が連続してプロセッサ部へ
搬送されて現像され、写真プリントとして仕上げられ
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
プリンタプロセッサによる印画紙への露光に際して用い
られるネガフィルムの画像コマサイズが増加している。
つまり、写真プリントの横方向が普通サイズであるフル
サイズの写真プリントの2倍となっているパノラマサイ
ズの写真プリントがフルサイズの他に普及しているが、
さらに近年、フルサイズの写真プリントとパノラマサイ
ズの写真プリントの中間の迫力ビジョンサイズ(ハイビ
ジョンサイズ)なども加わり、画像コマサイズが増加す
る傾向にある。 【0004】また、1本のネガフィルムの撮影途中で、
フルサイズ用の画像コマであるフルサイズコマと特殊サ
イズ用の画像コマであるパノラマサイズコマ等との間で
アスペクト比を自由に切替えができるようにしたコマサ
イズ切換えカメラが市販されている。このコマサイズ切
換えカメラを使用すると、1本のネガフィルムにフルサ
イズコマとパノラマサイズコマ等のアスペクト比の異な
る画面サイズのコマとが混在することになる。 【0005】従って、画像コマサイズが増加すると共に
多種類の画像コマサイズが混在するようになった結果、
近年特に、ネガフィルムをネガキャリア上に固定するネ
ガマスクが画像コマサイズに対応して多種必要となると
共に、煩雑なネガマスクの交換作業が頻繁に必要となる
という欠点が目立つようになった。この為、ネガマスク
を交換しなくともマスクサイズを変更できる可変マスク
機構の採用が望まれるようになった。 【0006】そして、このような可変マスク機構を採用
した場合においても、全ての画像コマサイズのピントを
正確に合わせて画像を印画紙に焼付けることが必要であ
り、また、測光用の濃度測定器による測光精度を高める
べく、画像コマの外周エッジの輪郭を明瞭にすることが
求められている。 【0007】本発明は上記事実を考慮し、画像のピント
を正確に合わせると共に測光精度を高めつつ、ネガフィ
ルム上の画像コマサイズの変更に対応して簡易に開口量
を変更し得る写真プリンタの可変マスク機構を得ること
を目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1による写真プリ
ンタの可変マスク機構は、ネガフィルム上の画像を印画
紙に焼付露光する写真プロセッサと、前記写真プロセッ
サに取り付けられ且つ印画紙を焼付露光する光線が通過
する開口部を有すると共にネガフィルムをこの開口部上
に案内するネガキャリアと、前記ネガフィルムに接しつ
つ前記ネガフィルムに対向して位置し且つ前記開口部の
開口量を変更するシャッタと、前記シャッタに連結され
且つ前記シャッタを開閉動するシャッタ開閉機構と、前
記ネガキャリアに設置されると共に前記シャッタ開閉機
構に接続され且つ、前記シャッタ開閉機構を作動して前
記シャッタによる開口量を調整するモータと、前記シャ
ッタと前記ネガフィルムを挟んで対向して位置し且つ、
前記シャッタ開閉機構に接続されて前記シャッタと同一
方向に一体的に移動し得ると共に前記ネガフィルムの画
像周辺部分を前記シャッタとで挟持する挟持板と、前記
挟持板に設けられ、誤った位置での前記シャッタ開閉機
構と挟持板との接続を防ぐ回動レバーと、を有すること
を特徴とする。 【0009】 【0010】 【0011】 【作用】請求項1に係る写真プリンタの可変マスク機構
の作用を以下に説明する。 【0012】モータがシャッタ開閉機構を作動して、シ
ャッタの開閉動によりネガキャリアの開口部の開口量を
調整する。そして、光線がネガキャリアの開口部を通過
することにより、ネガフィルム上の画像が感光材料に焼
付露光される。また、シャッタがネガフィルムに接しつ
つネガフィルムに対向して位置していて、ネガフィルム
を挟んでシャッタと対向して位置する挟持板が、ネガフ
ィルムの画像周辺部分をこのシャッタとで挟持する。さ
らに、挟持板がネガキャリアに設置されるシャッタ開閉
機構に接続されて、シャッタと挟持板とが同一方向に一
体的に移動し得る。また、挟持板に設けられた回動レバ
ーによって、シャッタ開閉機構が誤った位置で挟持板に
接続されることを防ぐ。 【0013】従って、モータが駆動することにより、シ
ャッタと挟持板とが同一方向に一体的に移動して開口部
の開口量を調整することが可能となり、画像コマサイズ
の変更の際の作業性が向上する。例えば、フルサイズ、
パノラマサイズ及び迫力ビジョンサイズ(ハイビジョン
サイズ)等の間で画面コマサイズが変更されても、ネガ
マスクを交換する必要がなくなる。 【0014】一方、ネガフィルムにカール等の変形が生
じていても、ネガフィルムの画像周辺部分が挟持される
ことにより、変形が矯正される。この為、ネガフィルム
の画像内のいずれの部分でも、ピントを正確に合わせて
画像を印画紙に焼付けることが可能となる。 【0015】さらに、シャッタがネガフィルムに直接接
しているので、画像コマの外周エッジの輪郭を明瞭にす
ることができ、結果として、より広い面積での光量の判
定が可能となり、画像コマ全体の測光精度を高めること
が可能となる。また、板状に形成された挟持板が、ネガ
フィルムの画像周辺部分をシャッタとの間で挟持するの
で、広い面積でネガフィルムが挟持されて、より一層確
実にネガフィルムの変形が矯正される。さらに、モータ
がシャッタ開閉機構を介してシャッタを開閉動すること
から、最も簡易で制御し易い駆動手段であるモータの回
転駆動力を、直線状の往復動にシャッタ開閉機構が変換
することになり、開口部の開口量をより簡易で低コスト
に調整することが可能となる。また、挟持板には回動レ
バーが設けられており、これによって、シャッタ開閉機
構が誤った位置で挟持板に接続されないようになってい
る。 【0016】 【0017】 【0018】 【0019】 【0020】 【0021】 【実施例】本発明に係る写真プリンタの可変マスク機構
の一実施例をプリンタプロセッサのプリンタ部に適用し
た例を図1から図11に示し、これらの図に基づき本実
施例を説明する。 【0022】図1には本実施例に係るプリンタプロセッ
サ10が示されている。まず、この装置本体であるプリ
ンタプロセッサ10の全体構成を説明する。 【0023】プリンタプロセッサ10は外部がケーシン
グ12で覆われており、図1における左方にケーシング
12から突出する作業テーブル14を備えている。つま
り、作業テーブル14が装置本体の一部を構成する。こ
の作業テーブル14の上面にはネガフィルム16がセッ
トされるネガキャリア18が載置されている。また、作
業テーブル14の下方には光源部36が設置されてい
る。光源部36は光源38を備えている。光源38から
照射された光線は、フィルタ部40、拡散筒42を介し
てネガキャリア18にセットされたネガフィルム16へ
と至る。フィルタ部40はC、M、Yの3枚のフィルタ
から構成され、各フィルタは前記光線の光軸上を出没可
能とされている。 【0024】作業テーブル14の上方に位置するアーム
44には光学系46が取り付けられている。光学系46
はレンズ48、シャッタ50及び反射ミラー51等の光
学系部材を備え、レンズ48及びシャッタ50は前記光
線の光軸上に配置されている。ネガフィルム16を透過
した光線は露光光線となってレンズ48及びシャッタ5
0を通過し、反射ミラー51によって(光軸が略90
度)偏向され、露光室52にセットされた印画紙54上
にネガフィルム16の画像を結像させる。 【0025】また、光学系46はネガフィルム16の濃
度を測定する例えばCCD等の濃度測定器56を備えて
いる。この濃度測定器56は、図示しないコントローラ
に接続されており、濃度測定器56によって測定された
データ及び、作業者によりキー入力されたデータに基づ
いて、焼付露光時の露光補正値が設定される。 【0026】この光源部36と光学系46と露光室52
とにより焼付処理が可能となり、焼付露光部(プリンタ
部)58が形成される。 【0027】露光室52の上方右側部分の角部には、マ
ガジン装着部60が設けられている。マガジン装着部6
0は長尺状の印画紙54をリール62にロール状に巻き
取って収容するペーパマガジン64が装着されるように
なっている。 【0028】マガジン装着部60の近傍には一対の搬送
ローラであるローラ66が配置されており、印画紙54
を挟持して水平状態で露光室52へ搬送する。印画紙5
4はアーム44の手前でローラ67に巻掛られ、90度
方向転換されて垂下される。なお、ローラ66とローラ
67との間には印画紙54を略U字状に案内してストッ
クしておく第1のストック部69が設けられている。 【0029】ローラ67による印画紙54の案内方向下
流側には、露光ステージ94が設けられている。この露
光ステージ94には、図示しない制御装置に接続されて
開閉される可変マスク(図示せず)が設けられている。
この為、制御装置により、プリントサイズ及びプリント
の種類(例えば白枠の有無)に応じて可変マスクのマス
ク範囲の長さ寸法及び幅寸法が変更されるようになって
いる。 【0030】露光室52の露光ステージ94の下方には
ローラ68A、68B、68Cが配置され、露光ステー
ジ94においてネガフィルム16の画像が焼付けられた
印画紙54が略90度毎方向転換されて、焼付露光部5
8と隣接するプロセッサ部72の発色現像部74へ搬送
される。 【0031】このローラ68Aの下流側には、カッタ7
1が配設されている。このカッタ71は、焼付露光処理
が終了した印画紙54の後端を切断する役目を有してお
り、このため、露光室52内に残った印画紙54を再度
ペーパマガジン64へ巻き戻すことができる。 【0032】なお、ローラ68Aとローラ68Bとの間
には焼付露光処理された印画紙54を略U字状に案内し
てストックしておく第2のストック部73が設けられて
いる。第2のストック部73では、印画紙54をストッ
クし、焼付露光処理を行う焼付露光部58と現像、漂白
定着、水洗の各処理を行うプロセッサ部72との処理時
間の差を吸収する。 【0033】発色現像部74は印画紙54を現像液に浸
して現像処理を行う。現像処理された印画紙54は発色
現像部74と隣接する漂白定着部76へ搬送される。漂
白定着部76は印画紙54を漂白定着液に浸して漂白処
理と定着処理とを行う。定着処理された印画紙54は漂
白定着部76に隣接するリンス部78へ搬送される。リ
ンス部78は印画紙54を洗浄水に浸して水洗処理を行
う。 【0034】水洗処理された印画紙54はリンス部78
と隣接する乾燥部80へ搬送される。乾燥部80は印画
紙54をローラに巻掛け高温の空気にさらして乾燥させ
る。乾燥処理が終了した印画紙54は、図示しない一対
のローラによって挟持されて乾燥部80から排出され
る。乾燥部80の下流側にはカッタ部84が配設されて
いる。カッタ部84は、印画紙54に付与されたカット
マークを検知するカットマークセンサ86と印画紙54
を切断するカッタ88とで構成され、印画紙54を画像
コマ毎にカットし、プリンタプロセッサ10のケーシン
グ12の外部へ排出する。 【0035】このカットされた印画紙54は、ソータ部
108によって仕分けられる。また、図2に示すよう
に、作業テーブル14上のネガキャリア18には、開閉
可能なカバー19が取り付けられていて、このカバー1
9の下部に、図3に示すように、矢印A方向に沿って挿
入されてホルダ115に装着される圧着板(アッパーネ
ガマスクともいう)116と、ネガフィルム16の通過
部114上の設置されるマスク(アンダーネガマスクと
もいう)118とが取り付けられている。そして、この
圧着板116及びマスク118には、それぞれネガフィ
ルム16の最大の画面サイズであるフルサイズの画像コ
マ16A(図11に示す)より若干大きな面積の窓部1
19A及び窓部119Bが形成されている。 【0036】このマスク118が装着されるネガキャリ
ア18の位置には、圧着板116及びマスク118の窓
部119A、119Bより大きい矩形状をした開口部
(図示せず)が形成され、光源部36側から照射された
光線が、マスク118の窓部119Aと圧着板116の
窓部119Bとの間に位置したネガフィルム16を、通
過し得るようになっている。 【0037】図4及び図6に示すように、マスク118
の表面側には、上下方向に沿って延びる一対の案内溝1
26、128が刻設されると共に、前記開口部及び窓部
119Aの開口量を調節するそれぞれL字状であって板
状に形成された一対のシャッタ122、124が、窓部
119Aを挟んで相互に対向して配置されている。そし
て、L字状のシャッタ122、124のそれぞれ左右方
向に伸びる部分が、光源部36側から照射された光線を
部分的に遮る遮光部122A、124Aを構成してお
り、シャッタ122、124のそれぞれ上下方向に延び
る部分が、マスク118上に刻設された案内溝126、
128に係合する操作部122B、124Bを構成して
いる。つまり、ネガフィルム16に接しつつネガフィル
ム16に対向して位置すると共に、マスク118の表面
側に形成された案内溝126、128に沿って移動可能
に、一対のシャッタ122、124が配置されている。 【0038】これらシャッタ122、124の内の図4
及び図6上、上側のシャッタ122の右端側に形成され
た操作部122Bの中程と下端部とには、それぞれピン
132及び、作動ピン134がマスク118側に突出す
るように固着されており、また、下側のシャッタ124
の左下端側には、作動ピン136がマスク118側に突
出するように固着されている。 【0039】さらに、ピン132及び作動ピン134、
136に対応したマスク118の部分には、案内溝12
6、128の長手方向をその長手方向とする長孔118
A、118B、118Cがそれぞれ穿設されていて、ピ
ン132及び作動ピン134、136の図上、上下方向
への移動が、これら長孔118A、118B、118C
を貫通した状態で、可能となっている。 【0040】また、作動ピン136と操作部122Bの
下端部に固着された作動ピン134との間であってマス
ク118の背面側の位置には、両端部にそれぞれこれら
作動ピン136、134が挿入される凹部138Aを有
したアーム138が、配置されている。そして、このア
ーム138は、その中央部を中心として回動し得るよう
にマスク118に支軸140を介して支持されている。 【0041】従って、例えばシャッタ122が図6上、
上下方向に移動することにより、アーム138が回動
し、これに伴って他方のシャッタ124がシャッタ12
2と逆方向に移動することになる。 【0042】尚、アーム138の右端側に対応したマス
ク118の部分には、コイルスプリング139が配置さ
れていて、このコイルスプリング139が常時、反時計
回転方向にアーム138を回動するように、付勢してい
る。この為、ネガキャリア18に未装着のマスク118
は、図4に示すように、シャッタ122、124が開放
された状態とされている。 【0043】また、マスク118の図6上、右側には、
上下方向を長手方向とするガイド軸144が、ネガキャ
リア18の背面側に取付けられた一対の支持板146に
その両端部を支持されつつ、配置されている。 【0044】このガイド軸144には、ガイド軸144
の長手方向に沿って移動可能に連動部材150が支持さ
れると共に、一端側がネガキャリア18に取付けられた
コイルスプリング148が巻き掛けられていて、このコ
イルスプリング148により連動部材150が常時上側
に付勢されている。この連動部材150の下部寄りから
はピン132と先端部が係合する操作片152が延びて
おり、また連動部材150の上端部には、当接ピン15
4が固着されている。さらに、連動部材150には、連
動板156がねじ止められて固定されており、その先端
側がガイド軸144を越えて図6上、左側に延びてい
る。尚、ネガキャリア18には、透過型のセンサ158
が取付けられていて、連動部材150の位置をこのセン
サ158で検出している。 【0045】また、図6に示すように、ネガキャリア1
8には、その回転軸160Aに駆動ギヤ162が固着さ
れた駆動手段であるモータ160が取付けられていると
共に、この駆動ギヤ162と噛み合う従動ギヤ164が
支軸168を介して回転可能に支持されている。さら
に、この支軸168に当接ピン154が当接するカム1
66が取付けられている。そして、このモータ160
は、図示しないマスク調整用のキーの操作により駆動回
転するように、コントーラに接続されている。 【0046】従って、マスク調整用のキーが操作されて
モータ160が回転すると、これらギヤ162、164
のかみ合いに合わせてカム166が回転し、コイルスプ
リング148の付勢力によって当接ピン154がカム1
66の外周面に沿うように移動する。この為、カム16
6の回転に連れて、連動部材150がガイド軸144の
長手方向である図6上、上下方向に沿って移動すること
になる。 【0047】そして、この結果として、ピン132と係
合する操作片152がピン132を移動することによ
り、シャッタ122、124が上下方向に沿って相互に
逆方向に移動して、シャッタ122、124が開閉動す
ることになる。つまり、これらギヤ162、164、カ
ム166、連動部材150及び操作片152等がシャッ
タ開閉機構を構成することになる。 【0048】他方、図5及び図7に示すように、圧着板
116には、軸部115Aを介してネガキャリア18に
回動可能に支持されるホルダ115に装着されるよう
に、舌部116Aが突出して形成される構造となってい
る。この圧着板116には、それぞれ略L字状であって
板状に薄く形成された一対のシャッタ222、224が
窓部119Bを挟んで相互に対向して配置されるよう
に、ガイド板212、214にそれぞれ取付けられた状
態で支持されている。そして、これらシャッタ222、
224が、シャッタ122、124とネガフィルム16
を挟んで対向して位置して、ネガフィルム16の画像周
辺部分をシャッタ122、124とで挟持する挟持手段
であって挟持板を構成する。 【0049】これらガイド板212、214は、それぞ
れ複数(本実施例では各3箇所)の長孔212A、21
4Aが図5及び図7上、上下方向を長手方向として形成
されており、圧着板116に植設されたピン216(本
実施例では6本)がこれら長孔212A、214Aに挿
入されて、一対のシャッタ222、224が上下方向に
移動可能となっている。 【0050】また、これらガイド板212、214に
は、それぞれ作動ピン234、236が固着されてい
て、これら一対の作動ピン234、236の間には、両
端部にそれぞれこれら作動ピン234、236が挿入さ
れる凹部238Aが形成されたアーム238が、配置さ
れている。そして、このアーム238は、その中央部を
中心として回動し得るように圧着板116に支軸240
を介して支持されている。 【0051】従って、例えばシャッタ222が図5及び
図7上、上下方向に移動することにより、アーム238
が回動し、これに伴って他方のシャッタ224がシャッ
タ222と逆方向に移動することになる。 【0052】アーム238の中程には係止部238Bが
突出して設けられ、支軸240回りに配置されたトーシ
ョンスプリング239の一端側が係止部238Bに係止
されていて、このトーションスプリング239が常時、
図5上、時計回転方向にアーム238を回動するよう
に、付勢している。この為、ホルダ115に未装着の圧
着板116は、図5に示すように、シャッタ222、2
24が開放された状態とされている。 【0053】さらに、図7に示すように、ホルダ115
側には一対の案内ピン242A、242Bが植設されて
おり、一端側が作動ピン236と当接するように配置さ
れた連動レバー244の移動を、これら一対の案内ピン
242A、242Bが案内するべく、案内ピン242
A、242Bが連動レバー244に設けられた一対の長
孔246に挿入されている。この為、連動レバー244
は長孔246の長手方向(図7上、上下方向)に沿った
方向に移動し得るようになる。尚、連動レバー244の
一対の長孔246間には、ピン245が固着されてい
て、このピン245と案内ピン242Bとの間に、コイ
ルスプリング250がかけ渡されて、コイルスプリング
250により、連動レバー244が常時、図7上、下方
向に付勢されている。 【0054】そして、この連動レバー244の中程に
は、図7上、左右方向に突出する係合部248が形成さ
れている。この係合部248には、連動部材150に取
付けられた連動板156の先端側が係合することにな
る。 【0055】具体的には、この係合部248の先端部側
は屈曲されていて、図7及び図10に示すように、屈曲
された先端側の部分に、回動レバー252が回転可能に
支持されている。この回動レバー252の一端側は屈曲
されて、係合部248に当接し得るようになっている。
そして、回動レバー252の他端側には、直線状に端面
を有した係合部252Aが連動板156と対向するよう
に形成されている。 【0056】従って、図10上、実線で示されるように
右側から連動板156の先端側が当接しすると、回動レ
バー252に連動板156が係合して、連動板156と
係合部248とが、回動レバー252を介して一体的に
矢印B方向に移動するが、二点鎖線で示されるように左
側から連動板156の先端側が当接すると、回動レバー
252が矢印C方向に回動して、連動板156と係合部
248とが一体的に移動することが無くなる。この為、
誤った位置での連動板156と係合部248との間の係
合が防がれる。 【0057】また、以上のように、連動板156と係合
部248とが回動レバー252を介して一体的に移動す
ることにより、マスク118側のシャッタ122と、圧
着板116側のシャッタ224とが同一方向に一体的に
移動し得ると共に、マスク118側のシャッタ124
と、圧着板116側のシャッタ222とが同一方向に一
体的に移動し得るようになる。 【0058】次に本実施例の作用を説明する。まず、通
常のプリンタプロセッサ10による焼付露光処理の手順
について説明する。 【0059】予め印画紙54を露光室52へ搬送し露光
ステージ94への位置決めを行う。処理が開始される
と、ネガキャリア18を駆動してネガフィルム16の位
置決めを行い、光源38を点灯する。濃度測定器56に
よりネガフィルム16の焼付に供する画像コマのLAT
D(平均透過濃度)を測定し、この測定データ及び手動
によりキー入力されたデータから露光補正値を設定し、
露光量(露光時間)を演算して、最適な露光条件を得
る。露光条件に従って光軸上に位置しているC、M、Y
の各フィルタを移動させる。 【0060】次に、シャッタ50を開放する。これによ
り、光源38が照射する光線は、フィルタ部40、ネガ
フィルム16を透過して露光室52へ到達し、露光室5
2の露光ステージ94に位置決めされた印画紙54にネ
ガフィルム16上の画像の焼付けが開始され、所定の露
光時間が経過した後で、シャッタ50を閉止する。最後
に、印画紙54にカットマークをつけて、画像1コマ分
の搬送を行う。以上でネガフィルム16の画像1コマ分
の焼付露光処理が終了する。これを繰り返すことによ
り、印画紙54の焼付露光処理された部分を順次プロセ
ッサ部72へ搬送する。 【0061】このように焼付露光処理されてプロセッサ
部72へ搬送された印画紙54は発色現像部74へ搬送
され、現像液に浸して現像処理が行われる。現像処理さ
れた印画紙54は漂白定着部76へ搬送され漂白処理と
定着処理がなされる。定着処理された印画紙54はリン
ス部78へ搬送され水洗処理される。水洗処理された印
画紙54は乾燥部80へ搬送され乾燥処理される。 【0062】乾燥処理された印画紙54は、カッタ部8
4でカットマークが検出され、各画像毎に切断され、ソ
ータ部108によって仕分けられる。 【0063】また、ネガフィルム16の画像コマサイズ
の変更に伴って、ネガキャリア18上では以下のように
動作する。 【0064】図2に示すように、ネガキャリア18にマ
スク118を装着すると共に、ホルダ115に圧着板1
16を挿入して圧着板116をホルダ115と一体的に
マスク118側である矢印D方向に回動した状態で画像
コマサイズが変わった場合、作業者がマスク調整用のキ
ーを操作することになる。そして、このキーが操作され
ると、図2及び図6に示すモータ160が駆動回転し、
ギヤ162、164のかみ合いに合わせてカム166が
回転する。このカム166の回転に連れて、当接ピン1
54を介して連動部材150がガイド軸144の長手方
向である図6上、上下方向に沿って移動することにな
る。 【0065】この結果として、操作片152がピン13
2を移動することにより、マスク118側のシャッタ1
22、124が上下方向に沿って相互に逆方向に移動す
ると共に、連動部材150に取付けられた連動板156
が回動レバー252を介して連動レバー244を移動す
ることにより、シャッタ122、124と同期しつつ、
圧着板116側のシャッタ222、224が上下方向に
沿って相互に逆方向に移動することになる。 【0066】従って、このようなシャッタ122、12
4の開閉動によりネガキャリア18の開口部の開口量が
調整された状態で、光源部36側から照射された光線が
ネガキャリア18の開口部を通過することにより、ネガ
フィルム16上の画像をプリンタプロセッサ10内の露
光ステージ94に位置する印画紙54に焼付露光する。 【0067】以上より、単にマスク調整用のキーを操作
するだけで、モータ160の駆動によって、シャッタ1
22、124が移動して開口部の開口量を調整すること
が可能となり、ネガフィルム16の変更の際の作業性が
向上する。 【0068】例えば、図11に示すように、ネガフィル
ム16上の画像コマの種類が変わり、図6に示すような
フルサイズの画像コマ16A(26×36mm)に対応し
た開口量W1(26mm)から、図8に示すようなパノラ
マサイズの画像コマ16C(13×36mm)に対応した
開口量W3(13mm)に調整する場合は、マスク調整用
のキーを作業者が操作する。この結果、モータ160が
駆動回転してカム166の回転及び連動部材150の移
動等を介して、シャッタ122、124が開閉動し、開
口量W3に調整されると共に、これに伴ってシャッタ2
22、224が図7の状態から図9の状態に調整され
る。従って、印画紙54上に、89×127mmのフルサ
イズのプリントサイズから89×254mmのパノラマサ
イズのプリントサイズに変更されて焼付露光されること
になる。尚、この変更の際当然に、焼付露光の拡大倍率
が変更される。 【0069】また、フルサイズの画像コマあるいはパノ
ラマサイズの画像コマから図11に示すような迫力ビジ
ョンサイズ(ハイビジョンサイズ)の画像コマ16Bに
対応した開口量W2に調整する場合も、上記と同様に動
作されて、シャッタ122、124及びシャッタ22
2、224が開閉動して開口量W2に調整される。従っ
て、フルサイズあるいはパノラマサイズのプリントサイ
ズからでも、容易に印画紙54上に89×158mmのハ
イビジョンサイズのプリントサイズに変更されて焼付露
光されることになる。 【0070】つまり、フルサイズ、パノラマサイズ及び
迫力ビジョンサイズ(ハイビジョンサイズ)等が混在さ
れてこれらの間で画面コマサイズが変更されても、ネガ
フィルム16上の画像コマの長手方向の寸法H(36m
m)は変更されないので、圧着板116及びマスク11
8等を交換する必要がなくなり、ネガフィルム16の変
更の際の作業性が向上することになる。 【0071】一方、シャッタ122、124がネガフィ
ルム16に接しつつネガフィルム16に対向して位置
し、また、ネガフィルム16を挟んでシャッタ122、
124と対向して位置するシャッタ222、224が、
ネガフィルム16の画像コマ周辺部分をシャッタ12
2、124とで挟持するので、ネガフィルム16にカー
ル等の変形が生じていても、ネガフィルム16の画像コ
マ周辺部分が挟持されることにより、変形が矯正され
る。この為、ネガフィルム16の画像コマ内のいずれの
部分でも、ピントを正確に合わせて画像を印画紙54に
焼付けることが可能となる。 【0072】さらに、シャッタ122、124がネガフ
ィルム16に直接接しているので、画像コマの外周エッ
ジの輪郭を明瞭にすることができ、結果として、より広
い面積での光量の判定が可能となり、濃度測定器56に
よる画像コマ全体の測光精度を高めることが可能とな
る。 【0073】他方、板状に形成されたシャッタ222、
224が、ネガフィルム16の画像コマの周辺部分であ
る画像周辺部分をシャッタ122、124とで挟持する
ので、ネガフィルム16を広い面積にわたって挟持する
ことができ、より一層確実にネガフィルム16の変形が
矯正される。さらに、シャッタ222、224がネガキ
ャリア18に設置されるモータ160とシャッタ開閉機
構を介して接続されて、前述のようにシャッタ122と
シャッタ222との間及びシャッタ124とシャッタ2
24との間が、それぞれ同一方向に一体的に移動し得る
ことになっている。従って、より画像コマに近いネガフ
ィルム16の画像周辺部分をシャッタ122、124と
で挟持することが可能となり、より一層確実にネガフィ
ルム16の変形が矯正されることになる。 【0074】また、モータ160がシャッタ開閉機構を
介してシャッタ122、124の開閉動することによ
り、最も簡易で制御し易い駆動手段であるモータ160
の回転駆動力をシャッタ開閉機構が直線状の往復動に変
換することができ、シャッタ122、124による開口
部の開口量をより簡易で低コストに調整することが可能
となる。 【0075】さらに、上記の機構で対応できない例えば
ハーフサイズ等の画像コマサイズに対応する場合、圧着
板116及びマスク118を従来より用いられているハ
ーフサイズ用の圧着板及びマスクに交換することがで
き、この様な場合でも従来の圧着板及びマスクと同様
に、画像コマサイズを変更することが可能となる。 【0076】尚、上記実施例において、キー操作により
開口量を変更するようにしたが、例えばセンサにより画
像コマサイズを検出して、自動的にモータ160を駆動
回転することによって、シャッタ122、124等を開
閉動するようにしてもよい。また、上記実施例におい
て、圧着板116側のシャッタ222、224を挟持板
としたが、この替わりに、マスク118側のシャッタ1
22、124を挟持板としても同様な効果を奏すること
は言うまでもない。 【0077】さらに、シャッタ122、124及びシャ
ッタ222、224の材質としては、ステンレス鋼等の
金属或いは、合成樹脂等が加工性及び製造コストなどか
ら最適と考えられる。 【0078】一方、上記実施例において、ネガフィルム
16に、フルサイズ、迫力ビジョンサイズ(ハイビジョ
ンサイズ)及びパノラマサイズの3種類のアスペクト比
の異なる画像コマがあることを前提として説明したが、
4種類以上のアスペクト比の異なる画像コマが存在して
も本発明が適用できることはいうまでもない。また、シ
ャッタ開閉機構等の構造も上記実施例の構造、形状等に
限定されるものではなく、例えば、上記実施例のシャッ
タ開閉機構の替わりに、ラックとピニオンとのかみ合わ
せによって回転運動を直線状の運動に変換するようにし
てもよいことは、当然である。 【0079】 【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る写真プリ
ンタの可変マスク機構は、画像のピントを正確に合わせ
ると共に測光精度を高めつつ、ネガフィルム上の画像コ
マサイズの変更に対応して簡易に開口量が変更できると
いう優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るプリンタプロセッサを
示す概略構成図である。 【図2】本発明の一実施例に係るネガキャリアの作業テ
ーブルへの装着を示す斜視図である。 【図3】本発明の一実施例に係るネガキャリアの拡大斜
視図である。 【図4】本発明の一実施例に係るマスクの平面図であっ
て、ネガキャリアへの未装着の状態を示す図である。 【図5】本発明の一実施例に係る圧着板の平面図であっ
て、ネガキャリアへの未装着の状態を示す図である。 【図6】本発明の一実施例に係るネガキャリア及びマス
クの平面部分断面図であって、フルサイズの画像コマに
対応した状態を示す図である。 【図7】本発明の一実施例に係るホルダ及び圧着板の平
面部分断面図であって、フルサイズの画像コマに対応し
た状態を示す図である。 【図8】本発明の一実施例に係るネガキャリア及びマス
クの平面部分断面図であって、パノラマサイズの画像コ
マに対応した状態を示す図である。 【図9】本発明の一実施例に係るホルダ及び圧着板の平
面部分断面図であって、パノラマサイズの画像コマに対
応した状態を示す図である。 【図10】図7の10−10矢視線図である。 【図11】ネガフィルムの画像コマの種類を表す説明図
である。 【符号の説明】 10 プリンタプロセッサ(装置本体) 14 作業テーブル(装置本体) 16 ネガフィルム 18 ネガキャリア 54 印画紙(感光材料) 122 シャッタ 124 シャッタ 150 連動部材(シャッタ開閉機構) 152 操作片(シャッタ開閉機構) 160 モータ(駆動手段) 162 駆動ギヤ(シャッタ開閉機構) 164 従動ギヤ(シャッタ開閉機構) 166 カム(シャッタ開閉機構) 222 シャッタ(挟持手段、挟持板) 224 シャッタ(挟持手段、挟持板)
示す概略構成図である。 【図2】本発明の一実施例に係るネガキャリアの作業テ
ーブルへの装着を示す斜視図である。 【図3】本発明の一実施例に係るネガキャリアの拡大斜
視図である。 【図4】本発明の一実施例に係るマスクの平面図であっ
て、ネガキャリアへの未装着の状態を示す図である。 【図5】本発明の一実施例に係る圧着板の平面図であっ
て、ネガキャリアへの未装着の状態を示す図である。 【図6】本発明の一実施例に係るネガキャリア及びマス
クの平面部分断面図であって、フルサイズの画像コマに
対応した状態を示す図である。 【図7】本発明の一実施例に係るホルダ及び圧着板の平
面部分断面図であって、フルサイズの画像コマに対応し
た状態を示す図である。 【図8】本発明の一実施例に係るネガキャリア及びマス
クの平面部分断面図であって、パノラマサイズの画像コ
マに対応した状態を示す図である。 【図9】本発明の一実施例に係るホルダ及び圧着板の平
面部分断面図であって、パノラマサイズの画像コマに対
応した状態を示す図である。 【図10】図7の10−10矢視線図である。 【図11】ネガフィルムの画像コマの種類を表す説明図
である。 【符号の説明】 10 プリンタプロセッサ(装置本体) 14 作業テーブル(装置本体) 16 ネガフィルム 18 ネガキャリア 54 印画紙(感光材料) 122 シャッタ 124 シャッタ 150 連動部材(シャッタ開閉機構) 152 操作片(シャッタ開閉機構) 160 モータ(駆動手段) 162 駆動ギヤ(シャッタ開閉機構) 164 従動ギヤ(シャッタ開閉機構) 166 カム(シャッタ開閉機構) 222 シャッタ(挟持手段、挟持板) 224 シャッタ(挟持手段、挟持板)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ネガフィルム上の画像を印画紙に焼付露
光する写真プロセッサと、 前記写真プロセッサに取り付けられ且つ印画紙を焼付露
光する光線が通過する開口部を有すると共にネガフィル
ムをこの開口部上に案内するネガキャリアと、 前記ネガフィルムに接しつつ前記ネガフィルムに対向し
て位置し且つ前記開口部の開口量を変更するシャッタ
と、 前記シャッタに連結され且つ前記シャッタを開閉動する
シャッタ開閉機構と、 前記ネガキャリアに設置されると共に前記シャッタ開閉
機構に接続され且つ、前記シャッタ開閉機構を作動して
前記シャッタによる開口量を調整するモータと、 前記シャッタと前記ネガフィルムを挟んで対向して位置
し且つ、前記シャッタ開閉機構に接続されて前記シャッ
タと同一方向に一体的に移動し得ると共に前記ネガフィ
ルムの画像周辺部分を前記シャッタとで挟持する挟持板
と、 前記挟持板に設けられ、誤った位置での前記シャッタ開
閉機構と挟持板との接続を防ぐ回動レバーと、 を有することを特徴とする写真プリンタの可変マスク機
構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00987094A JP3377276B2 (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | 写真プリンタの可変マスク機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00987094A JP3377276B2 (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | 写真プリンタの可変マスク機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07219070A JPH07219070A (ja) | 1995-08-18 |
JP3377276B2 true JP3377276B2 (ja) | 2003-02-17 |
Family
ID=11732184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00987094A Expired - Fee Related JP3377276B2 (ja) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | 写真プリンタの可変マスク機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3377276B2 (ja) |
-
1994
- 1994-01-31 JP JP00987094A patent/JP3377276B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07219070A (ja) | 1995-08-18 |
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