JP3375758B2 - 廃棄物を溶融する炉 - Google Patents
廃棄物を溶融する炉Info
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Description
し、さらに具体的には、少なくとも部分的にジルコニア
耐火物を用いた廃棄物溶融炉に関するものである。
などの廃棄物は増加の一途をたどってている。
棄物を焼却や乾燥処理によって減容化させることが行わ
れている。その際、焼却処理で生じた焼却灰および焼却
飛灰や、乾燥処理で生じた下水汚泥ケーキは、埋め立て
処分されている。
の問題が予想されるようになってきた。このため、焼却
灰、焼却飛灰、下水汚泥ケーキなどの廃棄物を高温で溶
融してから固化して減容化・無害化をはかり、さらに再
利用することが考えられている。
稼動している。例えば、バーナー、電気抵抗、アーク、
プラズマ、コークス混合等の加熱方法による各種溶融炉
がある。
パクトなプラズマトーチとよばれる水冷電極を用いるの
で、炉の設置面積を小さくできる利点がある。プラズマ
トーチによる加熱方式では、高温部で2〜3万℃、比較
的低い外周部でも3000℃以上の極めて高い温度が得
られるので、溶融物を均質にできる。炉の内張には、A
l2 O3 −SiC系、MgO−Cr2 O3 系、SiC系
などの耐火物が使用されている。
化学組成は、一般にSiO2 15〜45重量%、Al2
O3 10〜20重量%、Na2 O1〜15重量%、Ca
O5〜45重量%である。この他にS、Clなどの揮発
成分が含まれている。焼却灰や焼却飛灰には、特にF
e、Cd、Pb、Zn、Cu、As、Cr、Hgなどの
金属が含まれている。
ガス中の硫黄酸化物、塩素ガスなどを除去する目的で排
ガスをアルカリやアルカリ土類成分剤により処理した際
に生成する灰である。従って、焼却飛灰にはアルカリや
アルカリ土類成分、特にCaOが多く含まれている。ま
た、下水汚泥ケーキにはアルカリ土類成分はもちろん、
P2 O5 が多く含まれている。
棄物を溶融する際に、異物による摩耗、灰の特異な侵食
性の強さ、さらには灰に含まれる金属が炉底に溜まるこ
となどから、炉の内張に使用される耐火物は侵食および
摩耗が激しい。特に取出口や溶融物の液面と接する部分
は温度が高くなる。また、そのような部分は溶融物の流
動による物理的侵食も受けやすい場所である。それゆ
え、耐火物が激しく損傷される。
前後になり、時には1900℃に達する場合がある。こ
のように高温になるために、比較的耐食性が高いとされ
るAl2 O3 −SiC系、MgO−Cr2 O3 系やSi
C系の焼成耐火物でも著しく侵食される。
侵食性、耐摩耗性を有し、長時間の使用に耐える廃棄物
溶融炉を提供することを目的としている。
に種々の研究を重ねた結果、本発明は、化学組成が、S
iO 2 15〜45重量%、Al 2 O 3 10〜20重量%、
Na 2 O1〜15重量%、CaO5〜45重量%で、こ
の他に揮発成分と金属が含まれている廃棄物を溶融する
炉であって、少なくとも溶融物の液面に接触する部分と
取出口の溶融物が流れ出るときに接触する部分を、Zr
O2を85重量%以上含有するジルコニア耐火物で構成
したことを特徴とする、廃棄物を溶融する炉を要旨とし
ている。
1300〜1400℃で溶融状態となる。この溶融状態
の廃棄物と各耐火物の反応性は次のとおりである。
のAl2 O3 が溶融中のCaOと反応して1360℃付
近で溶融物に溶け出す。そして、溶け出して空洞化した
耐火物組織内に溶融物が浸透し、侵食が助長される。
ZrO2 は、1900℃でも溶融物と反応せず、溶解は
おこらない。また、ZrO2 の結晶は硬度が大きく、特
に電鋳耐火物は組織の緻密さから焼成耐火物に比べて一
層耐摩耗性に優れている。
90%以上が好ましい。ZrO2 含有量が85重量%よ
りも少ないと、その利点が生かせない。
iO2 、CaOやアルカリ酸化物成分が含有されている
ことに着目して、廃棄物の溶融炉に使用する耐火物とし
てジルコニア耐火物が使用可能であることを発明した。
土類酸化物成分が10〜40重量%であり、通常のガラ
ス組成とは大きく異なり、非常に特殊である。このた
め、一般に使用されているガラス溶融用耐火物が廃棄物
溶融炉に使用できるか否かを検討した。
例えばAl2 O3 系、Al2 O3 −SiO2 系、Al2
O3 −ZrO2 −SiO2 系、Al2 O3 −Cr2 O3
系耐火物について検討を加えた。
ず、廃棄物の溶融物に耐する侵食量が著しく多く、使用
できない。すなわち、これらの耐火物の溶融炉に使用す
ると、溶融物により耐火物が容易に侵食または溶解して
しまう。
ない耐火物について検討した。
iO2 系、ZrO2 −SiO2 系、SnO2 系、ZrO
2 系、Cr2 O3 系、MgO−Cr2 O3 系、MgO系
の耐火物などがある。
め使用できない。ZrO2 −SiO2 系耐火物の場合
は、耐火物中のSiO2 が溶融物中に溶解して、耐火物
の組織が崩れ、耐侵食性が極めて低くなる。
と熱的ポーリングに対して弱いことから使用は困難であ
る。
耐侵食性が少なく、かつクロム自身の毒性による環境問
題もある。
が溶融物に溶出したり、溶解したりすることによって、
耐火物の組織が崩れ、耐侵食性が極めて悪い。
の試験から判明したものである。
較例1〜5として示し、Cr2 O3 系耐火物の化学組成
を比較例6、7として示し、MgO−Cr2 O3 系耐火
物の化学組成を比較例8として示し、Al2 O3 −Si
C系耐火物の化学組成を比較例9、10として示す。
比較例2、6、8、9、10は焼成耐火物の例である。
その他の比較例は電鋳耐火物の例である。
耐火物からそれぞれ直径20mm、長さ80mmの大き
さの試験片を取り出し、廃棄物をいれた内容積1600
ccのルツボに、これらの試験片を、試験片が溶融物に
浸るように設置し、1550℃の炉内で48時間保持し
た。加熱後、試験片を半切して断面に現れた凹部の深さ
をノギスで測定した。それを侵食量としてmm単位で表
し、評価した。
7のとおりである。
めに耐侵食性や荷重軟化特性に優れた耐火物として提案
されて使用されているジルコニア電鋳耐火物に着目して
検討した。その結果、ジルコニア電鋳耐火物は廃棄物の
溶融炉用耐火物として十分使用し得ることを見出した。
例(実施例1〜4)の化学組成を示す。
%以上の焼成耐火物の4例(実施例5〜8)の化学組成
を示す。
85重量%以上の焼成耐火物の2例(実施例9、10)
の化学組成を示す。
(単位mm)を示す。
0の時と同様である。
〜4の耐火物は、廃棄物の溶融物に対して、ほとんど侵
食されない。一方、実施例5〜8の、MgO、Y
2 O3 、CaOなどで安定化した焼成耐火物も、溶融物
に対して強い耐侵食性を示す。しかし、安定化剤が溶融
物の中へ溶け込んでしまうことから電鋳耐火物に比較す
ると組成的に多少劣る。実施例9、10の耐火物は実施
例5〜8と同程度の強い耐侵食性を示す。
の実験結果により、ZrO2 を85重量%以上含有する
ジルコニア耐火物を廃棄物溶融炉の液面接触部分や取出
口に用いると、種々の効果が得られることが判明した。
この耐火物はプラズマ炉に使用すると特に効果的であ
る。
ある。炉1は、シェル2の内側全体に断熱材3と高耐食
性材4の耐火物が2層になるように内張してある。この
ように耐火物を内張した炉1の天井にプラズマトーチ1
1が垂直に設けてある。それに対応して炉底に電極12
が垂直に設けてある。図の左上の投入口17から炉1に
入れられた廃棄物(図示せず)は炉内で溶融されて、炉
1の下部に溜まる。この溶融物14は適宜、炉1の側部
に形成された取出口15から排出される。そのとき溶融
物14と接触する取出口15の所定部分13(図の斜線
部分)および溶融物14の液面16に接する部分19
(図の斜線部分)には、ZrO2 85重量%以上のジル
コニア耐火物が内張りしてある。炉1の天井には、必要
に応じてガス排出口18が設けてある。
使用する実施例9、10のジルコニア耐火物は、高ジル
コニア電鋳耐火物の粗粒5と、高ジルコニア電鋳耐火物
の中粒6と、高ジルコニア電鋳耐火物の小粒7と、粘土
及びタブラーアルミナ微粒からなるマトリックス部8か
らなり、マトリックス部8には微小な気孔(図示せず)
が含まれている。
6及び小粒7のいずれも、各粒子はジルコニア粒子aと
ガラスマトリックスbから成る。
やすいため、Al2 O3 −SiC系の耐火物は酸化され
て使用に耐えず、酸化雰囲気において比較的耐食性の高
いとされるMgO−Cr2 O3 系の耐火物でさえ前記侵
食試験の結果の通り不十分であった。
物は酸化雰囲気でも還元雰囲気でも物理的および化学的
に極めて安定しているので、液面や取出口以外の部位に
使用してもよい。
されるプラズマ炉は、廃棄物の溶融物による激しい侵食
作用や磨耗にも十分に耐えて化学的安定性を有してい
る。そして、長期にわたって炉の内張の溶損が少なくな
り、耐久性を持ち合わせており、炉の寿命が飛躍的に伸
びて実用上極めて有利である。
プラズマ炉の縦断面図。
ルコニア耐火物の一部を概略的に示す断面図。
に示す拡大断面図。
クス(気孔を含む) a ジルコニア粒子 b ガラスマトリックス 11 プラズマトーチ 12 電極 13 ジルコニア耐火物で内張りした取出口の部分 14 溶融物 15 取出口 16 液面 17 投入口 18 ガス排出口 19 ジルコニア耐火物で内張りした炉の部分
Claims (3)
- 【請求項1】 化学組成が、SiO 2 15〜45重量
%、Al 2 O 3 10〜2 0重量%、Na 2 O1〜15重量
%、CaO5〜45重量%で、この他に揮発成 分と金属
が含まれている廃棄物を溶融する炉であって、少なくと
も溶融物の液面に接触する部分と取出口の溶融物が流れ
出るときに接触する部分を、ZrO2を85重量%以上
含有するジルコニア耐火物で構成したことを特徴とす
る、廃棄物を溶融する炉。 - 【請求項2】 ジルコニア耐火物は、高ジルコニア電鋳
耐火物の粗粒と、高ジルコニア電鋳耐火物の中粒と、高
ジルコニア電鋳耐火物の小粒と、マトリックス部からな
ることを特徴とする請求項1記載の、廃棄物を溶融する
炉。 - 【請求項3】 前記ジルコニア耐火物が、ジルコニア結
晶粒子とガラスマトリックスから成る電鋳耐火物である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の、廃
棄物を溶融する炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27720994A JP3375758B2 (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | 廃棄物を溶融する炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27720994A JP3375758B2 (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | 廃棄物を溶融する炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08114389A JPH08114389A (ja) | 1996-05-07 |
JP3375758B2 true JP3375758B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=17580337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27720994A Expired - Lifetime JP3375758B2 (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | 廃棄物を溶融する炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3375758B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013043811A (ja) * | 2011-08-25 | 2013-03-04 | Asahi Glass Co Ltd | 安定化ジルコニア焼結耐火物及びその製造方法 |
JP6527443B2 (ja) * | 2015-10-13 | 2019-06-05 | 黒崎播磨株式会社 | 廃棄物溶融炉用ジルコニア質プレキャスト耐火物の製造方法 |
-
1994
- 1994-10-18 JP JP27720994A patent/JP3375758B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH08114389A (ja) | 1996-05-07 |
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