JP2005314189A - カーボン含有焼却炉用耐火物とその炉体構造 - Google Patents

カーボン含有焼却炉用耐火物とその炉体構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 一般廃棄物及び産業廃棄物を焼却かつ溶融する焼却炉の内張用のクロム系耐火物に代えて、6価クロムによる2次汚染のない、耐久性のある耐火物を開発する。
【解決手段】 耐火物がカーボンを2〜60%含有し残部がマグネシアを含有するマグネシア-カーボン質耐火物からなり、スラグの塩基度が0.5以下のスラグの場合にはカーボンの含有量が2〜20%のマグネシア-カーボンを使用し、塩基度が0.5以上のスラグの場合には8〜60%のマグネシア-カーボン耐火物を使用するカーボン含有焼却炉用耐火物、及びその耐火物を炉体内部の溶融スラグの付着し易い稼動面側27に内張材として配置してなる焼却炉の炉体構造である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、都市ゴミや産業廃棄物を処理する焼却炉や焼却炉から排出される焼却灰の溶融炉等の内張に使用するカーボン含有焼却炉用耐火物とその炉体構造に関するものである。
都市ゴミや産業廃棄物の焼却炉や溶融炉等は、高温かつ浸食の激しい環境下に使用される。そのため、これら焼却炉用の耐火物は、高い耐食性を有する耐火材が必要である。更に、焼却炉の炉体についても、炉内壁に付着する焼却残渣(スラグ)を軽減し、補修時の解体を容易とする炉体構造が求められている。従来、これらの要求に応える耐火物として、クロム含有耐火物が用いられているが、耐火物から6価クロムなどの環境規制物質がスラグ中へ溶け出すため、使用済耐火物を廃棄する場合、使用済み耐火物による二次的な汚染をもたらす。
そこで、クロム含有耐火物に換えて他の耐火物を焼却炉の内張煉瓦に用いる試みとして、溶融スラグの侵入を防止できる耐火物に取り替えることがなされている。たとえば、特許文献1には、炉本体の下側から順にマグネシア-クロム質、マグネシア-カーボン質、アルミナ-黒鉛質の3種の耐火壁材を積層した耐火材構造が記載されている。ここでは、マグネシア-クロム質耐火物を溶融焼却灰と接触する炉内下部に、マグネシア-カーボン質耐火物を中間域に、そしてアルミナ-黒鉛質耐火物を比較的低温域の炉内上部に配置することが提案されている。
金属粉を分散添加したマグネシア-カーボン質耐火物も、従来から知られている。例えば、特許文献2には、酸化抵抗性の大きな炭素含有不焼成耐火物を得るために、マグネシアを主成分として含む塩基性耐火原料100重量部に、炭素又は炭素含有物質をカーボンに換算して1〜50重量部及び金属アルミニウム粉末を塩基性耐火原料と炭素又は炭素含有物質の合量100重量部に対し0.5〜10重量部配合してなる炭素含有耐火物について記載されている。また、特許文献3には、マグネシア粒の表面を、使用するカーボン又は黒鉛の一部又は全部で予め、流動層被覆法又はメカノケミカル反応法により、被覆処理したマグネシア原料を使用することを特徴とし、マグネシア粒を予めカーボン又は黒鉛で被覆処理したマグネシア原料を使用することで、少量の金属粉の配合でその本来の効果“構成原料であるカーボン(黒鉛)の耐酸化効果”を十分に発揮することができることの開示がある。
家庭ゴミや産業廃棄物の直接溶融炉においては、溶融スラグを処理するため高温にする必要があり、炉壁の損耗が進み易いことは、周知のとおりで、特許文献1のように、クロム質煉瓦を溶融物の接触部位のみに用い、他の部分はクロム質煉瓦以外のものにして、クロム質煉瓦を極力減らす試みがなされている。このクロム質煉瓦に代わるものとして、本発明者の一人を含む提案として、特許文献4に示すように、溶融スラグに直接接する炉壁と、その外側に前記塩基性耐火材を含む耐火物より耐スラグ浸透性及び熱伝導性が大なる耐火物によって形成された炉壁と、その外側に配置された水冷ジャケットとを有する炉体とし、アルミナ-クロム質耐火物に近い特性を備え、また環境問題が発生しないアルミナ-マグネシア質耐火物が好適であることを見い出している。
特開平8-14528号公報(請求項9、[0014]) 特公昭60-2269号公報(請求項1) 特開平8-104558号公報(請求項1、[0013]) 特開2003-227603号公報(請求項1、請求項2、[0019])
都市ゴミや産業廃棄物の焼却炉においてダイオキシンの発生防止及びゴミの減容化の目的で処理温度を高温化し、廃棄物を直接又は灰などを間接的に溶融する炉が使用されている。このような灰溶融炉については、ますます注目されてきており、上記の特許文献1や4も灰溶融炉に関するものである。灰溶融炉の耐火物としては、これまでクロム含有の耐火物が広く使用されていることは先に述べた。それは、クロムがスラグに濡れ難い性質とスラグ中へ溶け出す濃度が低く耐食性に優れ、高い耐火性を有するため、これら灰溶融炉の耐火物として有用な材料である理由による。
しかし、クロム含有耐火物を灰溶融炉に用いた場合、他の材料に比べ高い耐用性を示すものの、使用時に耐火物が溶損しスラグ中にて6価クロム化合物を生成するか、また、使用後のクロム耐火材を廃棄する場合、使用済耐火物から6価クロムが溶出し二次的に環境を汚染する危険を有する。また、これら耐火物ではスラグが強固に炉材に固着し、炉体を解体する場合、これら残渣を除去するためにかなりの時間を要し、補修期間が長くなる問題がある。
本発明は従来使用されているクロム含有耐火物において問題のあった、環境規制物質である6価クロムの溶出によるスラグの汚染を防止し、また、使用済耐火物が二次的な汚染を起さない低環境負荷型のクロムを含有しない高耐用の耐火材、かつ、スラグ等の除去の容易な炉体構造を提供することを目的とする。
その際、高温かつ浸食の激しい環境下に使用される耐火物として、クロム含有耐火物に代えて、高い耐食性を有する耐火材であるとともに、炉内に付着する焼却残渣(スラグ)を軽減し、補修時の解体を容易とする炉体構造を提供し、また、使用済耐火物を廃棄する場合、使用済み耐火物による二次的な汚染のない耐火物として、マグネシア-カーボン系耐火物で、スラグの塩基度との関係を明らかにすることで、上記目的を達成することを課題とするものである。
本発明者等は前述のクロム含有耐火物が環境に及ぼす問題点を解決するためクロムを含まない材料を検討する過程においてカーボンを2〜60%含む焼却炉用耐火物において、クロム含有耐火物より耐食性に優れる材料を見出した。すなわち、クロムの特長である高耐火性とスラグ濡れ性及び高耐食性を、カーボンの添加で解決しようとするものである。
本発明に使用されるカーボン源として鱗状黒鉛、土状黒鉛等の他、石油コークス、ピッチコークス、無煙炭等が使用可能である。また、フェノール樹脂等の炭化によるカーボンも有効である。粒子径の範囲は0.15mm以下が適当である。
残部に使用されるマグネシアは、通常マグネシア-カーボン質耐火物に用いられるマグネシアが使用可能である。マグネシアは焼却残渣が溶融する温度域においてMgO-C反応に伴い、稼動面側にてMgOの緻密な層を形成し、内部からカーボンが損失するのを防止する。
カーボン含有耐火物に使用されるカーボンの添加量はカーボンの添加が2%未満の場合、耐火物のスラグに対する濡れ性が充分に発揮されないと共に、スラグが耐火物中に侵入し稼動面と内部の構造的な差を生じ構造的なスポーリングを呈するため好ましくない。また、カーボンが60%を超える場合、スラグの保護膜を形成し難いと共に、また、稼動面で緻密な組織とならないため耐食性を損なう。すなわち、マグネシア-カーボン中のカーボン量は2〜60%であるが、スラグの塩基度(CaO/SiO2)が0.5以下のスラグの場合にはカーボンの含有量が2〜20%、好ましくは3〜10のマグネシア-カーボンを使用し、塩基度が0.5以上のスラグの場合には8〜60%、好ましくは、10〜50%のマグネシア-カーボン耐火物を使用することを特徴とするカーボン含有焼却炉用耐火物である。
スラグの塩基度が0.5以下の場合、煉瓦中に添加されるカーボン量が20%以上においてはスラグ中のSiO成分と、カーボンの反応が大きくなり、稼動面側からカーボンが揮発損失するため好ましくない。また、カーボン量が2%未満ではスラグに対する濡れ性を充分に発揮されずスラグが耐火物中に侵入し構造的な亀裂が起こり剥離するためカーボンの使用量を2〜20%とし、好ましくは3〜10%のカーボンを含有するマグネシア-カーボン質を使用する。
スラグの塩基度が0.5以上においては、カーボンが60%を超える場合、稼動面に形成されるMgO層が多量カーボンの存在下で緻密な組織とならず耐食性を損なう結果となる。カーボンの添加量が8%未満の場合では、塩基度が低い場合と同様にスラグの耐火物中への侵入を防止する機能が発揮されず、稼動面側にて構造的な亀裂を発生するため好ましくない。そのためカーボン量を8〜60%の範囲とし、好ましくは10〜50%のマグネシア-カーボン質を使用する。灰溶融炉に使用されるマグネシア-カーボン質煉瓦においてはマグネシア-カーボン中に添加するカーボン量を制御することにより、広い塩基度範囲において使用が可能である。
更に、これら耐火物中に酸素と親和性の高い物質である金属及びガラス骨格形成物の添加が採られている。具体的にはカーボンの酸化防止剤として金属Al、Al合金、Si、SiC、B、B化合物の1種又は2種以上含むカーボン含有焼却炉用耐火物とする。カーボンは融点が3700℃と高く、高温で使用される耐火物として有用な物質である。また、炭化物においても、ほとんどのもので2000℃以上の融点を有する。しかし酸化雰囲気下で酸素と結合し酸化損耗を起こすことが懸念されるが、スラグの塩基度との関係においてカーボン含有量を変更すれば、クロム系耐火物に勝るとも劣らぬ焼却炉用のマグネシア-カーボン系耐火物となる。カーボンの酸化防止剤として金属添加量は、0.5〜20%である。
これらの耐火物を所定形状の煉瓦に成形後、得られた煉瓦にタールピッチを含侵して焼却炉用耐火物とすれば、更なる高いスラグ浸食防止効果が得られる。タールピッチの含浸量は、通常0.5〜5%の範囲である。これは、耐火物内の気孔組織を埋めるためや気孔径を小さくする目的で成形後の耐火物にタールピッチ含浸を行うのであるが、より低気孔率の組織とし、スラグの侵入や強度改善もしくはフレキビリティーに富む組織とし、耐熱衝撃性に優れるボンドを形成して耐火物の機能を改善することにある。
本発明のカーボン含有耐火物を、焼却炉や焼却灰溶融炉の炉体内部の内張に施工する際に、溶融スラグの付着し易い稼動面側に配置した焼却炉の炉体構造にする。
カーボンは高い熱伝導性を有することから、スラグとの接触部においてスラグの熱を奪いスラグが耐火材表面で固化することで、稼動面において酸素に対する保護層を形成するため、酸化による損耗が律速される。また、カーボンはスラグに対して濡れ難く、耐火物内へのスラグの浸透を防止すると共に、耐火物内面と稼動面において構造的な差が生じ難いため、スポーリング等の剥離を起こし難い性質がある。
カーボン含有耐火物は組織がフレキシブルであり焼結が起こり難く柔らかいため、解体が従来の酸化物系の耐火物に比べ容易である特長を有する。
灰溶融炉のスラグは溶融する灰の種類によりスラグの塩基度(CaO/SiO2比)が異なる。焼却後の灰は炉底から排出される主灰と排ガス部で捕集される飛灰の2種類に分けられる。主灰は主成分がSiO2、Al2O3、CaOであり、CaO/SiO2(塩基度)が0.5以下と低い組成である。一方、飛灰では排ガスでの揮発成分であるCl等の酸性ガスであり、Ca塩を噴霧する中和処理等が行なわれるため灰中のCaO濃度が高く、塩基度が2を超える組成となる。これらの灰を処理する灰溶融炉では灰を単独もしくは複合して溶融するため、塩基度が多岐に亘る。そこで、溶融灰の特性に注目して、上記各構成の本発明に至ったのである。
本発明におけるマグネシア-カーボン耐火物においては、これら広い塩基度範囲のスラグに対してカーボンの添加量を変えることで従来使用されているクロム含有耐火物より、優れる耐食性と解体性を有するマグネシア-カーボン耐火物である。すなわち、焼却炉や灰溶融炉、特に灰溶融炉において、焼却灰の塩基度によってマグネシア-カーボン耐火物のカーボン組成比を使い分けることによって、クロム系耐火物を使用しなくてもよくなり、6価クロムに由来する公害問題を解決するに至ったのである。
以下、本発明の詳細を実施例によって具体的に説明する。本発明の実施に必要な構成の説明に用いる図面は次のとおりである。図1は、実施例における炉壁に冷却構造を有する回転浸食試験に用いた装置の模式図である。図2は、本発明のマグネシア-カーボン耐火物の内張を施した灰溶融炉の断面図である。図3は、図2のA部拡大断面図である。
実施例1〜6
試験に用いた材質の配合を表1の上欄に示す。配合は、カーボンとそれ以外の材料をフェノール樹脂にて混練した後100MPaの圧力にて成形し、得られた試験片を250℃にて乾燥し供試体とした。ここで、比較例C40及びC60は、灰溶融炉に用いられる従来のクロム含有耐火材である。
Figure 2005314189
表1の下欄に示す浸食試験は、回転浸食法により1700℃の温度にて灰溶融炉スラグを用いて5時間試験を実施した。試験に用いた灰溶融炉スラグ組成を表2に示すように、灰溶融炉スラグの塩基度は1.04と比較的高いものである。
Figure 2005314189
図1は実施例における炉壁に冷却構造を有する回転浸食試験に用いた装置の模式図である。回転式の試験装置1は、炉側壁2の軸中央の横穴3からバーナ4で加熱する。実際の灰溶融炉の内部稼動面側に対応する試験装置の円筒部分の内面に供試体5のマグネシア-カーボン質の煉瓦を配し、背面に炭化珪素質のキャスタブル6を構築した。装置外壁は上部の冷却水供給装置7から冷却水を供給し、下部のトレー8の冷却水出口9より冷却水を回収する構造となっている。熱源に酸素プロパンバーナ4を使用し、灰溶融炉スラグ10を供試体5と高温で回転接触するように駆動部11から装置外周の伝動ギア12で回転させて浸食試験を実施した。浸食後解体し試料の浸食厚みや構造的亀裂の発生を観察した。
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3は、鱗状黒鉛40と比較的多いMgO-C質煉瓦である。現状のクロム含有耐火物に比べ、また、添加される金属がAlとAl-Mg合金の場合、いずれも耐食性が向上している。しかし、金属Siを用いた場合は耐食性が比較例より悪い結果となった。実施例4はAl2O3-MgO-C質煉瓦である。現状の耐火材と比べ耐食性で向上が見られた。実施例5、6は、Si源を含む煉瓦である。MgO-C質と比べ耐食性で劣る結果となったが、クロム含有の耐火物と遜色のない結果である。浸食後の供試体の構造的な亀裂の状況は、比較例のクロム含有耐火物で浸食面に対し平行な亀裂が見られたが、実施例1、2及び4、5では認められないか、認められても僅かである。また、スラグの付着した厚みについてはカーボンを含有することでほとんどの供試体で1mm以下と薄いものでありスラグが付着し難い材質であると確認された。
実施例7〜12
表3は、灰溶融スラグの塩基度が1.04の場合にカーボンの違いによる耐食性の違いを試験した結果である。実施例7は焼成したマグネシア煉瓦を用いたものである。実施例8から12の金属Alはカーボンに対して20重量部に固定して試験を実施した例である。カーボン添加量40%を極小値に上下に浸食量が上がっている。実施例8ではカーボンを添加しない系に比べ溶損量は少なくなっているが比較例に対し悪い結果となった。しかし、カーボンの粒径を細かくするなどによって耐食性は改善されると思われる。この場合は実施例9、10で良好な性能が得られ、特に実施例10で最高の性能が得られた。実施例12では供試体に亀裂は見られないが溶損が大きくなった。大量のカーボンの酸化が溶損量に影響したと考えられる。また、実施例1〜6と同様にスラグ付着はほとんど認められなかった。
Figure 2005314189
実施例13〜18
表4は塩基度0.29の低い塩基度のスラグによる浸食試験を行なった結果である。試験に用いたスラグ組成を表5に示す。供試体は表1と同様の材質にて回転浸食試験を実施した。塩基度が高い場合に比べ、カーボン組成比は2〜10%と低いところへ移動し、カーボンの2%添加でもスラグ付着厚みが1mm以下になるのは、注目すべき結果である。また、実施例17、18のカーボンの多い系でもSi源を含む系で耐食性が向上した。実施例13の塩基性原料のみを使用した系では逆に耐食性が劣った結果である。しかし比較例と比べた場合、耐食性は同等の結果である。実施例16の中間的な系では広い塩基度範囲において平均的な耐食性を示した。
Figure 2005314189
Figure 2005314189
実施例19〜20
次に、これら耐火物を所定形状の煉瓦に成形後、その煉瓦にタールピッチを含侵したカーボン含有焼却炉用耐火物について実施した結果を表6に示す。
Figure 2005314189
表6において、比較例1はマグネシア質焼成煉瓦、比較例2はカーボンを40%含有するマグネシア-カーボン煉瓦である。実施例19、20は比較例1、2に対してそれぞれピッチ含浸を行なったものである。比較例1では浸食後の供試体に構造的な亀裂が認められたが、実施例19ではピッチ含浸をすることで亀裂は見られなかった。また、耐食性についても浸食指数で11と改善されている。実施例20では比較例2に対してピッチ含浸することで耐食性で向上が見られる。
以上記述したようにカーボンを含有する焼却炉用耐火物についてクロムを含有しない耐火材が得られた。環境に対する関心が高まっている今日において、低環境負荷型の耐火材料を提供する意義は大きい。
最後に、これら本発明のマグネシア-カーボン耐火物を灰溶融炉に使用する構造について説明する。図2は、炉体の断面図である。これは、焼却灰の容積を減少させるための高温ガス化溶融炉である。上記の本発明カーボン含有耐火物を、焼却炉や焼却灰溶融炉の炉体内部の内張に施工して、溶融スラグの付着し易い稼動面側に配置した焼却炉の炉体構造である。また、図3は、図2のA部拡大断面図である。
図2において、灰溶融炉20の中間の焼却物投入口21より可燃ごみ及びコークスと石灰の混合された焼却物を炉内に投入し、炉中間の熱分解帯22にてガス化及び焼却を行なう。焼却された灰は下方の溶融帯部23で羽口24から導入された空気とコークスが燃焼する熱により溶融スラグ化し、スラグ排出口25より排出される。また、熱分解帯22にて分解されたガスはガス排出口26より排出される。溶融帯部23の炉壁は、図3にみられるように、内側の稼働面側耐火材27に耐食性の優れるマグネシア-カーボン質の煉瓦を配し、外側耐火材28に炭化珪素質の耐火物を配置する。溶融帯部外部の炉壁は鉄皮29で巻かれており、その外側には、炉壁冷却を行なうための水冷ジャケット30が設けられている。
本発明の特定のマグネシア-カーボンは、そのカーボン組成を溶融スラグの塩基度によって変更して使用することで、好適にスラグとの接触部においてスラグの熱を奪いスラグが耐火材表面で固化して、稼動面において酸素に対する保護層を形成し、酸化による損耗が少なくなる。また、カーボンはスラグに対して濡れ難く、耐火物内へのスラグの浸透を防止すると共に、耐火物内面と稼動面において構造的な差が生じ難いため、スポーリング等の剥離が起こり難い。また、焼結が起こり難く柔らかいため、解体が従来の酸化物系の耐火物に比べ容易である特徴があり、炉体の耐久性を高め、かつ、クロムに起因する公害も防げる焼却炉となっている。
回転浸食試験法に用いた装置の模式図である。 本発明のマグネシア-カーボン耐火物の灰溶融炉の断面図である。 図2のA部拡大断面図である。
符号の説明
1 試験装置
2 炉側壁
3 横穴
4 バーナ
5 供試体
6 キャスタブル
7 冷却水供給装置
8 トレー
9 冷却水出口
10 灰溶融炉スラグ
11 駆動部
12 伝動ギア
20 灰溶融炉
21 焼却物投入口
22 熱分解帯
23 溶融帯部
24 羽口
25 スラグ排出口
26 ガス排出口
27 稼働面側耐火材
28 外側耐火材
29 鉄皮
30 水冷ジャケット

Claims (4)

  1. 一般廃棄物及び産業廃棄物を焼却かつ溶融する焼却炉の内張に使用する耐火物であって、該耐火物がカーボンを2〜60%含有し残部がマグネシアを含有するマグネシア-カーボン質耐火物からなり、スラグの塩基度が0.5以下のスラグの場合にはカーボンの含有量が2〜20%のマグネシア-カーボンを使用し、塩基度が0.5以上のスラグの場合にはカーボンの含有量が8〜60%のマグネシア-カーボン耐火物を使用することを特徴とするカーボン含有焼却炉用耐火物。
  2. 耐火物中にカーボンの酸化防止剤として金属Al、Al合金、Si、SiC、B、B化合物の1種又は2種以上含む請求項1記載のカーボン含有焼却炉用耐火物。
  3. 耐火物を所定形状の煉瓦に成形後、該煉瓦にタールピッチを含侵してなる請求項1又は2記載のカーボン含有焼却炉用耐火物。
  4. 請求項1〜3記載のカーボン含有焼却炉用耐火物を、炉体内部の溶融スラグの付着し易い稼動面側に配置してなる焼却炉の炉体構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102010214A (zh) * 2010-11-18 2011-04-13 江苏苏嘉集团新材料有限公司 复合结合镁碳砖及其制备方法
JP2017043504A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 日本電気硝子株式会社 ガラス物品の製造装置
JP2018021226A (ja) * 2016-07-26 2018-02-08 品川リフラクトリーズ株式会社 転炉装入壁のライニング方法

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