JP3307751B2 - 加熱処理炉 - Google Patents
加熱処理炉Info
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Description
却飛灰の加熱処理炉に関し、さらに具体的には、高ジル
コニア耐火物を用いた加熱処理炉に関するものである。
増加の一途をたどっている。これら廃棄物の処分方法の
一つとして、焼却処理による減容化が実施されている。
その焼却処理で生じた焼却灰および焼却飛灰は埋め立て
処分されている。
の問題が予測されている。このため、焼却灰および焼却
飛灰を高温で溶融固化して減容化・無害化して、さらに
再利用することが考えられている。
が稼動している。たとえば、プラズマトーチ、バーナ
ー、電気抵抗、コークス混合等の加熱方法による各種溶
融炉がある。
の化学成分は、一般にSiO215〜35重量%、Al
2O310〜20重量%、Na2O2.5〜15重量
%、CaO10〜45重量%であり、他にFe、Cd、
Pb、Zn、Cu、As、Cr、Hgなどの金属および
S、Clなどの揮発成分が含まれている。
ス中の硫黄酸化物、塩素ガスなどを除去する目的で、排
ガスをアルカリやアルカリ土類成分剤により処理した際
に生成する灰である。従って、焼却飛灰にはアルカリや
アルカリ土類成分がより多く含有されている。
が必要である。これらの成分を含む焼却灰および焼却飛
灰の溶融に際しては、異物による摩耗、灰の特異な侵食
性の強さ、さらには灰に含まれる金属が炉底に留まるこ
と等から、耐火物の侵食および摩耗が激しい。数回の溶
融処理により耐火物が消失したり、崩壊したりして使用
できなくなる。このため、炉の寿命は数か月である。こ
れは満足できるものではなかった。
を有し、長時間の使用に耐えて、灰の一部または全部を
溶融する加熱処理炉を提供することを目的としている。
に種々の研究を重ねた結果、本発明は、廃棄物の焼却灰
および焼却飛灰を加熱処理するための炉において、耐火
物が、炉の内壁の部分に用いられており、灰融液と接触
する耐火物の部分は、廃棄物の焼却灰および焼却飛灰に
対して耐侵食性と耐摩耗性に優れるように、ZrO2 が
85重量%以上で、Al2 O3 が5重量%以下であるこ
とを特徴とする加熱処理炉を要旨としている。
それ自体の融点は2570℃と高いが、灰中には他の成
分としてAl2O3、SiO2、アルカリ酸化物等が共
存しているために、灰は全体としてみれば1300〜1
400℃で溶融状態となる。
のAl2O3が溶融灰中のCaOと反応して1360℃
付近で溶融灰中に溶け出す。Cr2O3を多く含む耐火
物もまた同様に、耐火物中のCr2O3が溶融灰中のC
aOおよび酸化鉄と反応して比較的低温度で溶融灰中に
溶け出す。そして溶け出して空洞化した耐火物組織内に
溶融灰が浸透し、侵食が助長される。これに対しZrO
2を多く含む耐火物のZrO2は1900℃以上でも溶
融灰と反応せず、溶融灰中への溶解はおこらない。ま
た、ZrO2の結晶は硬度が大きく、特に電鋳耐火物は
組織の緻密さから焼成耐火物に比べて一層耐摩耗性に優
れている。
ある耐火物を用いた炉内壁部分は、前述のようなZrO
2の優れた特性を有する。
iO2、CaOやアルカリ酸化物の成分が含有されるこ
とに着目して、焼却灰および焼却飛灰の溶融に使用する
耐火物としてガラス溶融に適している耐火物が使用可能
であることを発見した。
リ、アルカリ土類成分が10〜40重量%であり、通常
のガラス組成とは大きく異なり、非常に特殊のものであ
る。このため、一般に使用されているガラス溶融用耐火
物がこの種の目的の加熱処理炉にそのまま使用できるか
否かを検討した。
たとえばAl2O3系、Al2O3−SiO2系、Al
2O3−ZrO2−SiO2系、Al2O3−Cr2O
3系の耐火物について検討を加えた。
灰に対する侵食性が著しく多く、溶融用の内張耐火物と
して使用できない。すなわち、これらの耐火物を焼却灰
および焼却飛灰の溶融炉に使用すると、溶融灰により耐
火物が侵食又は溶解してしまう。
ない耐火物について調べてみた。Al2O3を含まない
耐火物としては、SiO2系、Cr2O3系、ZrO2
−SiO2系、SnO2系、ZrO2系、Cr2O3−
MgO系、MgO系の耐火物などがある。
は、耐火物中のMgOが溶融ガラスに溶出したり、溶解
したりすることによって、耐火物の組織が崩れ、耐侵食
性が極めて悪くなるということが知られている。SiO
2系の耐火物も、耐侵食性の面で劣るため採用できな
い。Cr2O3系の耐火物に関しても、溶融灰に対する
耐侵食性が少なく、かつクロム自信の毒性が極めて強
く、環境的な問題もある。また、Cr2O3の電気抵抗
が低いことからジュール効果熱による加熱が極めて難し
く、電気抵抗炉には採用できない。SnO2系の耐火物
はその電気抵抗の低さと熱的スポーリングに対して弱い
ことから使用は困難である。ZrO2−SiO2系の耐
火物の場合は、耐火物中のSiO2が溶融灰中に溶解し
て、耐火物の組織が崩れ、耐侵食性が極めて低くなると
いう欠点がある。
の試験から判明したものである。表1に、試験に用いた
Al2O3系耐火物の化学組成を比較例1〜5として示
し、Cr2O3系耐火物の化学組成を比較例6、7とし
て示す。
比較例2、6は焼成耐火物の例である。、その他の比較
例は電鋳耐火物の例である。
れぞれ直径20mm、長さ80mmの大きさの試験片を
切り出し、灰を入れた内容積1600ccのツルボに、
これらの試験片を試験片が溶融灰に浸るように設置し、
1550℃の炉内で48時間保持した。加熱後、試験片
を半切りして断面に現れた凹部の深さをノギスで測定し
た。それを侵食量としてmm単位で表し、評価した。
とおりである。
めの耐侵食性、荷重軟化特性に優れた耐火物として既に
提案され、使用されている高ジルコニア電鋳耐火物に着
目して検討した。その結果、高ジルコニア電鋳耐火物は
廃棄物の焼却灰および焼却飛灰の熱処理炉用耐火物とし
て十分使用し得ることを見出した。
4例(実施例1〜4)の化学組成を示す。
別の4例(実施例5〜8)の化学組成を示す。
(単位mm)を示す。
の時と同様である。
〜4の耐火物は、廃棄物の焼却灰および焼却飛灰の溶融
に対して、ほとんど侵食されない。一方、実施例5〜8
の、MgO、Y2O3、CaOなどで安定化した焼成ジ
ルコニア耐火物も、溶融灰に対して強い耐侵食性を示
す。しかし、安定化剤が溶融物の中へ溶け込んでしまう
ことから電鋳耐火物に比較すると組成的に多少劣る。
施結果により、ZrO2を85重量%以上含有する耐火
物、又はZrO2が85重量%以上でAl2O3が5重
量%以下である耐火物を加熱処理炉の内壁に用いると、
種々の効果が得られることが判明した。そのような耐火
物を加熱処理炉のどの部位に設けるかについて説明する
と、最適には燃焼式加熱、電気抵抗式加熱の一方又は両
方の加熱による溶融炉であって、溶融された灰融液の表
面と接触する側壁部、すなわちガラス溶融炉におけるグ
ラスラインに相当する部分、好ましくは前記溶融炉の溶
融された灰融液と接触する底部および側壁部である。
よび焼却飛灰の加熱処理による激しい侵食作用や摩耗に
も十分に耐えて化学的安定性が優れている。そして、長
期にわたって炉の内張の溶損がなくなり、耐久性を持ち
合わせており、炉の寿命が飛躍的にのびて実用上極めて
有利である。
Claims (2)
- 【請求項1】 廃棄物の焼却灰および焼却飛灰を加熱処
理するための炉において、耐火物が、炉の内壁の部分に
用いられており、灰融液と接触する耐火物の部分は、廃
棄物の焼却灰および焼却飛灰に対して耐侵食性と耐摩耗
性に優れるように、ZrO2 が85重量%以上で、Al
2 O3 が5重量%以下であることを特徴とする加熱処理
炉。 - 【請求項2】 耐火物が電鋳耐火物であることを特徴と
する請求項1に記載の加熱処理炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34271093A JP3307751B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 加熱処理炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34271093A JP3307751B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 加熱処理炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07174322A JPH07174322A (ja) | 1995-07-14 |
JP3307751B2 true JP3307751B2 (ja) | 2002-07-24 |
Family
ID=18355891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34271093A Expired - Lifetime JP3307751B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 加熱処理炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3307751B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-16 JP JP34271093A patent/JP3307751B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07174322A (ja) | 1995-07-14 |
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