JP2722529B2 - 重金属含有ダストの無害化処理方法 - Google Patents

重金属含有ダストの無害化処理方法

Info

Publication number
JP2722529B2
JP2722529B2 JP63250413A JP25041388A JP2722529B2 JP 2722529 B2 JP2722529 B2 JP 2722529B2 JP 63250413 A JP63250413 A JP 63250413A JP 25041388 A JP25041388 A JP 25041388A JP 2722529 B2 JP2722529 B2 JP 2722529B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dust
heavy metal
heavy metals
containing dust
molten salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63250413A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0299184A (ja
Inventor
進 志村
拡 後藤
仁 都築
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP63250413A priority Critical patent/JP2722529B2/ja
Publication of JPH0299184A publication Critical patent/JPH0299184A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2722529B2 publication Critical patent/JP2722529B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、都市ごみ等の廃棄物焼却炉から発生する重
金属含有ダストを無害化処理する方法に関する。
[従来の技術] 都市ごみ、下水汚泥、産業廃棄物等は、廃棄物焼却炉
にて焼却される。ここで、焼却中に発生するダストは、
大気を汚染せぬ様に、電気集塵機等にて捕捉されてい
る。
ところで、電気集塵機で捕捉したダスト中にはNaCl、
KCl、のような水溶性の塩類とCaO、SiO2、Al2O3、Fe2O3
のような水に難溶性の酸化物、及びAc、Cr、Zn、Cd、P
b、Hgのような重金属類が含まれており、この重金属類
は一般にハロゲン化物または硫酸塩といった水に可溶性
の形態のものが多い。従ってこのダストをそのまま埋立
地に埋めたのでは重金属類が地中へ溶出する恐れがあ
る。
そこで、例えば、特開昭58−30382号公報記載の如
く、重金属含有ダストを直接通電式溶融炉にて溶融処理
し、難溶性酸化物を主体とする溶融スラグ中に有害重金
属類を捕捉する方法が発明されている。尚、ダスト中の
KCl,NaCl等の可溶性塩類は炉内において溶融スラグ層上
に650℃〜1000℃の溶融塩層を形成し、別途取り出され
る。
[発明が解決しようとする課題] ところが、ダストに含有される有害重金属類の融点は
溶融塩層温度より低いものが多い。そのため、これら有
害重金属類が溶融塩中に含まれ、溶出する可能性がある
という問題があった。
発明の構成 本発明は、上記課題を解決するためになされたもので
あり、ダスト中の有害重金属類を難溶性の形態として処
理することを目的とし、以下の構成を採用したものであ
る。
[課題を解決するための手段] 即ち、本発明の要旨とするところは、 廃棄物焼却炉から発生する重金属含有ダストを直接通
電式溶融炉にて溶融状態とし、溶融スラグ及び溶融塩層
を形成してなる重金属含有ダストの溶融処理方法におい
て、前記重金属含有ダストに対し硫化剤を添加し、前記
重金属含有ダストに含有されている重金属を硫化物と
し、該硫化物を前記溶融塩層に捕捉させることを特徴と
する重金属の無害化処理方法にある。
本発明方法は、例えば、第1図に示す如き直接通電式
溶融炉にて重金属含有ダストを処理する際に適用され
る。
第1図は直接通電式溶融炉の断面略図で1は例えばSi
O2−Al2O3−ZrO2系のやSiO2−Al2O3−Cr2O3系耐火材
料、例えば耐火レンガにより密閉構築された炉本体で、
これには廃棄物の焼却時に発生したダストの投入口2、
排気管3、水平方向に出没自在な電極5、5、上段の溶
滓排出口6、下段の溶滓排出口7などが設けられてい
る。また、2つの溶滓排出口6、7は炉体構造の許容範
囲でなるべく落差をつけて設けられる。上記電極5、5
は電圧調整用電源トランス8を通して交流電流が流さ
れ、投入口2から投入されたダストが溶融して、生成し
た溶融スラグ9自体が導体となり、これにジュール熱を
発生させ、内部加熱により溶融状態を保持させる機能を
なすものである。その材料の代表例としてはモリブデン
電極が、また他の例として黒鉛、鉄、酸化スズ、タング
ステン電極などがあげられる。第1図の直接通電式溶融
処理炉により、廃棄物焼却炉で発生したダストを処理す
るに当っては該ダストをダスト投入口2より炉本体1に
入れ、溶融状態とし、溶融スラグ9を生成させるがこの
場合の溶融スラグ9の温度は投入したダストの種類によ
って異なるも、および1000〜1400℃の範囲である。その
際、炉本体1に取り付けてある電極5、5を予めスラグ
中に没入させ交流電流を通し、これを導体として発生す
るジュール熱により溶融状態を維持させる。このときの
電流は投入したダストの性質にもよるが、および700〜1
200KWH/t(被処理物)の範囲である。溶融スラグ9は主
成分が水に難溶性のCaO、Al2O3、SiO2、Fe2O3等の酸化
物よりなり、比重が2.5〜2.9で、融点が1000〜1400℃と
高く、かつ、その温度における粘度が104cp程度の物性
のものであり、また上記溶融スラグ9上方には、溶融ス
ラグ9と同一組成の未溶融の固化物を含み、主体が水に
可溶性のKCl、NaCl等のアルカリ金属の塩類からなり、
比重が1.9〜2.1と上記溶融スラグ9よりは軽く、かつ、
融点が650〜1000℃で、その温度における粘度が1cpと流
動性の極めて大きい溶融塩10の層が形成される。次に溶
融スラグ9は炉本体1に設けられた2つの溶滓排出口の
うち、低い位置に設けられている下段の単孔体の溶滓排
出口から出滓させ、無害化された重金属類と共に搬送固
化させる一方、溶融塩10は高い位置に設けられた上段の
溶滓排出口6から出滓させその主成分である塩類が水に
可溶性の性質であることを利用して水を満たしたピット
(図示せず)に放出溶解させる。
尚、溶融塩10上には投入口2より投入されたダストが
堆積してカバリング層12を形成している。
ここで、従来の方式では、ダストに含有されている重
金属類は、その融点が低いため、溶融スラグ9(温度10
00℃〜1400℃)及び溶融塩10(温度650℃〜1000℃)の
いずれにも溶融している。これら重金属類は水に可溶性
のハロゲン化物または硫酸塩の形態を呈している。従っ
て、上段の排出口6から取り出された水に可溶性の溶融
塩10からは、これら有害重金属類が溶出してしまう。
尚、溶融スラグ9は難溶性であり、含有される有害重金
属類は内部に捕捉されるため、これからの溶出はほとん
ど見られない。
そこで、本願発明者は、ダストに対し、硫化剤を添加
することにより、炉内において有害重金属類を水に難溶
性の硫化物の形態に変化せしめることにより、有害重金
属類の溶出を防止するものである。
硫化剤としては、Na2S,K2S,その他、例えば、排煙脱
硫により得られた硫化物が用いられる。これらの添加量
は、ダスト中の有害重金属類と、廃棄物焼却炉の排ガス
系において排ガス中のHClを除去するためにCa(OH)
を噴霧する場合の該処理にて生成されるCaCl2の合計の
2当量分以上が望ましい。尚、有害重金属類及びCaCl2
の2当量分以下であっても、以下の作用によりそれなり
の効果はある。
[作用] 硫化剤を添加することにより、炉内においては、以下
の如き反応にて有害重金属類が硫化物として固定され
る。
硫化剤としてNa2Sを添加した場合は、 MCl2+NA2S→MS+2NaCl … の反応となり、K2Sを添加した場合は、 MCl2+K2S→MS+2KCl … となる。(ただし、MはZn,Cd,Pb,Hg等の重金属類を表
わす。) 上記反応において、例えばZnCl2は水に対する溶解度
が420g/100g(25℃)であるのに対し、ZnSは6.88×10-4
g/100g(18℃)であり、本発明方法により100万分の1
以下の溶解度に抑えられる(岩波 理化学辞典 第3版
による)。
[発明の効果] 上記,式の如くダスト中の有害重金属類は、炉内
において水に難溶性の硫化物となるため、後述実施例に
て裏付けられる様に、溶融塩中に捕捉された分も溶出す
ることがない。
[実施例] 本発明の作用効果をより明瞭にするため、都市ごみ焼
却炉から発生し、電気集塵機にて捕捉された、いわゆる
EPダストを用いて、以下の試験を行なった。
(第1実施例) EPダスト100重量パーセントに対し、硫化剤としてNa2
S12重量パーセント(ダスト中のCaCl2および重金属類に
対する当量比2)を添加し、これを800℃に加熱した
後、JISK0102廃水試験方法に従って溶出試験を行なっ
た。比較例として、Na2Sを添加しないEPダストについて
も溶出試験を行なった。また、同様に、当量比1,5につ
いても試験を行なった。その結果を第1表に示す。
表に示す如く、Na2Sを添加した場合には、Pb,Zn,Cd共
に、溶出量が著しく低減された。
(第2実施例) 第1実施例同様に、ダスト中のCaCl2及び重金属に対
する当量比2,1,5にてNa2Sを添加したEPダストを、第1
図に示す如き直接通電式溶融炉にて溶融処理し、各排出
口6,7より出滓された溶融塩と溶融スラグとにつき、第
1実施例同様に溶出試験を行なった。また、比較例とし
てNa2Sを添加しない元のEPダストを同様に溶融処理した
後に、溶出試験を行なった。その結果を第2表に示す。
Pb,Zn,Cd共に、Na2Sを添加した場合に、溶融塩からの
溶出量が著しく減少し、当量比2の場合には添加しない
場合の約10分の1以下となった。ここで、溶融スラグか
らは、重金属類はいずれの場合もほとんど溶出しなかっ
た。これは、溶融スラグは前述の如く水に難溶性となっ
ているためである。
尚、本発明は実施例に限定されるものでなく、その要
旨を逸脱しない範囲の種々なる態様を採用でき、例え
ば、硫化剤の種類、添加量は種々選択できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法に適した直接通電式溶融炉の一例を
示す概略断面図である。 1……炉本体、2……投入口 3……排気管、5……電極 6……上段排出口、7……下断排出口 8……電圧調整用電源トランス 9……溶融スラグ、10……溶融塩 12……カバリング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−117174(JP,A) 特開 昭63−111990(JP,A) 特開 昭53−2381(JP,A) 特開 昭58−30382(JP,A) 特開 昭60−61087(JP,A) 特開 昭60−64682(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄物焼却炉から発生する重金属含有ダス
    トを直接通電式溶融炉にて溶融状態とし、溶融スラグ及
    び溶融塩層を形成してなる重金属含有ダストの溶融処理
    方法において、前記重金属含有ダストに対し硫化剤を添
    加し、前記重金属含有ダストに含有されている重金属を
    硫化物とし、該硫化物を前記溶融塩層に捕捉させること
    を特徴とする重金属含有ダストの溶融処理方法。
JP63250413A 1988-10-04 1988-10-04 重金属含有ダストの無害化処理方法 Expired - Lifetime JP2722529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63250413A JP2722529B2 (ja) 1988-10-04 1988-10-04 重金属含有ダストの無害化処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63250413A JP2722529B2 (ja) 1988-10-04 1988-10-04 重金属含有ダストの無害化処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0299184A JPH0299184A (ja) 1990-04-11
JP2722529B2 true JP2722529B2 (ja) 1998-03-04

Family

ID=17207522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63250413A Expired - Lifetime JP2722529B2 (ja) 1988-10-04 1988-10-04 重金属含有ダストの無害化処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2722529B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06166862A (ja) * 1992-08-19 1994-06-14 Nippon Soda Co Ltd 飛灰の重金属固定剤及び無害化処理方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51117174A (en) * 1975-04-07 1976-10-15 Kuraray Co Ltd Fixation of heavy metals
JPS5853594B2 (ja) * 1976-06-29 1983-11-30 住友重機械工業株式会社 重金属を含む焼却灰の無害化方法
JPS5830382A (ja) * 1981-08-17 1983-02-22 Daido Steel Co Ltd ダストの処理方法
JPS6061087A (ja) * 1983-09-14 1985-04-08 Daido Steel Co Ltd ダストの処理方法
JPS6064682A (ja) * 1983-09-16 1985-04-13 Daido Steel Co Ltd ダスト溶融処理炉の出滓制御方法
JPS63111990A (ja) * 1986-10-29 1988-05-17 Nkk Corp ごみ焼却飛灰中の重金属類の安定化処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0299184A (ja) 1990-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5004496A (en) Method and apparatus for treatment of dust recovered from off gases in metallurgical processes
JP2857358B2 (ja) ゴミ焼却装置からの固体残留物の処理方法、及びその方法を利用する装置
EP0335033A2 (en) Method for treating ash and dust from incineration plants
JP3261416B2 (ja) 廃棄物の焼却による生成物を環境的に許容でき,特に建築用途に利用できる生成物に加工する方法
JPH09505854A (ja) ごみ焼却プラントからの固形残留物を処理する方法及びこの方法を実施する装置
JP2722529B2 (ja) 重金属含有ダストの無害化処理方法
JP3408693B2 (ja) 飛灰の処理方法
JPH07216464A (ja) 亜鉛、鉛及び酸化鉄を含む材料のウェルツ式再処理方法
JP6769594B2 (ja) 処理物処理のためのプラズマ溶融方法
JPH1081922A (ja) 廃棄物の焼却残渣の溶融方法
JPH07195055A (ja) 廃棄物焼却灰の溶融固化方法
JP2000274646A (ja) 石炭灰およびゴミ焼却飛灰の溶融処理方法
JP3732561B2 (ja) 電気炉における合金鉄製造及び焼却灰の溶融処理の同時実施方法
JP3404626B2 (ja) ロータリー式溶融炉における耐火壁へのコーティング方法
DE4401563C1 (de) Verfahren zur thermischen Aufarbeitung von Abfallstoffen
JPH11128875A (ja) 焼却塵灰の処理方法
JPS6054780A (ja) ダストの溶融処理炉
JP3917775B2 (ja) 焼却灰の資源化方法
JP2000001346A (ja) スラグの重金属溶出防止方法
JPS60232235A (ja) 排ガスの処理方法
JPH11267601A (ja) 焼却灰の溶融処理方法
JP3375758B2 (ja) 廃棄物を溶融する炉
KR100488141B1 (ko) 마그네슘계열의탈황슬래그를이용한쓰레기소각재안정화방법
JP2001149891A (ja) 重金属含有物質を溶融させる方法
JP3408809B2 (ja) 鉄化合物及び毒性元素を含む冶金廃棄物の製錬